...

Research on the Sport Spectator`s Words-of-mouth

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

Research on the Sport Spectator`s Words-of-mouth
2012 年 度
修士論文
スポーツ観戦者のクチコミ行動に関する研究
~クチコミ発信者・受信者の観戦回数に着目して~
Research on the Sport Spectator ’s
Words-of-mouth Communication
~ Fo cus ing o n Spe ake r ’s and Re ceive r ’s
Atte ndance Fre que ncy ~
早稲田大学大学院
スポーツ科学専攻
スポーツ科学研究科
スポーツビジネス研究領域
5011A050-6
田渕
裕己
Tabuchi Yuki
指導教員:間野
義之
教授
目次
【第 1 部】
研究小史
1. ス ポ ー ツ 観 戦 者 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
1.1 ス ポ ー ツ 観 戦 者 市 場 の 現 状 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 1
1.2 J リ ー グ 観 戦 者 の 現 状 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3
1.3 観 戦 者 に 着 目 し た 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5
2. ク チ コ ミ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7
2.1 ク チ コ ミ の 定 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 7
2.2 イ ン タ ー ネ ッ ト 普 及 以 前 の 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8
2.3 イ ン タ ー ネ ッ ト 普 及 後 の 研 究 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 10
2.4 実 務 面 で の 動 向 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 12
3. ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13
4. 引 用 ・ 参 考 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 14
【第 2 部】
修士論文
1. 緒 言 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 19
1.1 研 究 背 景 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 19
1.2 研 究 の 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 21
1.3 先 行 研 究 の 検 討 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 22
2. 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 24
2.1 調 査 の 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 24
2.2 回 収 結 果 と 分 析 対 象 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 24
2.3 分 析 に 使 用 し た 諸 変 数 の 内 訳 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 25
2.4 分 析 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 26
3. 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 27
3.1 対 象 者 の 特 徴 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 27
3.2 ク チ コ ミ 実 施 有 無 検 定 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 28
3.3 低 群 へ の ク チ コ ミ 実 施 有 無 検 定 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 31
4. 考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 34
4.1 結 果 ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 34
4.2 基 本 的 属 性 と ク チ コ ミ 実 施 有 無 の 関 連 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 35
4.3 観 戦 者 の 特 性 と ク チ コ ミ 実 施 有 無 の 関 連 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 36
4.4 基 本 的 属 性 と 観 戦 頻 度 低 群 へ の ク チ コ ミ 実 施 有 無 の 関 連 ・ ・ 37
4.5 観 戦 者 の 特 性 と 観 戦 頻 度 低 群 へ の ク チ コ ミ 実 施 有 無 の 関 連 ・ 38
5. 結 論 ・ 本 研 究 の 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 39
6. 引 用 ・ 参 考 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 41
【第 3 部】
調査票・謝辞
調 査 票 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 45
謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 49
【第 1 部】
研究小史
1. ス ポ ー ツ 観 戦 者
1.1
スポーツ観戦者市場の現状
2006 年 ~ 2012 年 に か け 、 三 菱 UFJ リ サ ー チ & コ ン サ ル テ ィ ン グ と マ ク ロ ミ
ルが実施した共同調査
1) に よ る と 、 我 が 国 の ス ポ ー ツ 参 加 市 場 規 模 は 図
1 の通り
と な っ て お り 、市 場 規 模 の 合 計 が 最 盛 期 に 比 べ 1 兆 円 ほ ど 減 少 し て い る こ と 、な
かでもスタジアム観戦市場規模がほぼ一貫して縮小傾向にあることがわかる。
4.5
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
2006
2007
スタジアム観戦市場
2008
2009
用品購入市場
2010
2011
施設利用・会費市場
2012
市場規模の合計
【 図 1】 ス ポ ー ツ 参 加 市 場 規 模 の 推 移 ( 単 位 : 兆 円 )
※三 菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株 式 会 社 が行 っている「スポーツマーケティング基 礎 調 査 」よ
り筆 者 作 成
※スタジアム観 戦 市 場 の定 義 は、スポーツ観 戦 に伴 うチケット代 、交 通 費 、飲 食 費 、グッズ費 、記 念 品
等 費 の合 計
観戦者数を増やし、入場料収入を確保することは、特に放映権料の安いわが国
1
の プ ロ ス ポ ー ツ リ ー グ に お い て 経 営 を 維 持 す る 生 命 線 で あ る( 高 井 ,2007) 2) 。ま
た、人気のバロメーターでもある観戦者数はプロスポーツのビジネスコンテンツ
と し て の 価 値 を 決 定 づ け て い る( 福 田 ,2009) 3) 。具 体 的 に は 、満 員 の ス タ ジ ア ム
が醸し出す雰囲気が、付随する放映権やスポンサー権の価値も向上させると考え
ら れ て お り 、例 え ば NFL に お け る ブ ラ ッ ク ア ウ ト ル ー ル( 試 合 開 始 の 72 時 間 前
までにチケットが完売していない場合、スタジアムのある地域のテレビ放送が中
止 と な る )の 適 用( 種 子 田 ,2002) 4) や 、ア ル ビ レ ッ ク ス 新 潟 の よ う に 、満 員 の ス
タ ジ ア ム に こ だ わ る こ と で 経 営 に 成 功 し た 事 例 も 存 在 し て い る ( 平 田 ,2008) 5 ) 。
ス ポ ー ツ 観 戦 者 に 着 目 し た 政 策 と し て 、文 部 科 学 省 は 2010 年 、
「スポーツ立国
戦 略 」 6) を 策 定 し 、 人 々 が 生 涯 に わ た っ て ス ポ ー ツ に 親 し む こ と の で き る 環 境 の
整 備 を 目 的 に 、 ス ポ ー ツ を 「観 る 人 」に も 着 目 し て い く こ と を 明 記 し た 。 ま た 、 笹
川 ス ポ ー ツ 財 団( 2010)7) に よ る と 、過 去 1 年 以 内 の ス ポ ー ツ 観 戦 経 験 者 が 33.5%
で あ る の に 対 し 、 新 規 観 戦 希 望 者 は 39.3%と 、 ス ポ ー ツ 観 戦 市 場 に お け る 新 規 観
戦希望者は相当数存在するものと考えられる。
2
1.2
J リーグ観戦者の現状
1993 年 に 開 幕 し た 日 本 プ ロ サ ッ カ ー リ ー グ ( J リ ー グ ) は 、 今 年 で 創 設 21 年
目 を 迎 え た 。 開 幕 直 後 の J リ ー グ バ ブ ル と そ の 後 の 人 気 低 迷 、ス ポ ン サ ー 撤 退 に
よ る 横 浜 フ リ ュ ー ゲ ル ス の 消 滅 と い っ た 危 機 を 、1999 年 の 2 部 制 導 入 な ど の 改 革
や 、日 本 と 韓 国 で 共 同 開 催 さ れ た 2002 年 の FIFA ワ ー ル ド カ ッ プ に よ っ て 生 じ た
サッカーブームを機に乗り越え、J リーグの存在は、日本のサッカーファンの間
に 確 実 に 定 着 し た と い え る 。 事 実 、 J1 が 18 チ ー ム に な っ た 2005 年 シ ー ズ ン 以
降の観戦者に関するデータ
8) を 見 て み る と 、 デ ー タ が 入 手 で き た
2010 年 シ ー ズ
ンまでは年平均観戦頻度の向上が確認できることから、リピーターの獲得には一
定 の 成 果 が 見 ら れ る 。 一 方 で 総 入 場 者 数 に 関 し て は 、 同 期 間 中 ほ ぼ 一 貫 し て 600
万人をやや下回る水準で推移しており、新規観戦者の獲得に関しては十分な成果
が 上 が っ て い な い と 考 え ら れ る ( 図 2 参 照 )。
総入場者数(単位:万人)
観戦頻度(単位:回)
600
580
560
540
520
500
480
460
440
420
400
12.5
12
11.5
11
10.5
10
2005
2006
【 図 2】 J リ ー グ Div.1
2007
2008
2009
2010
総 入 場 者 数 ( 左 軸 )・ 年 平 均 観 戦 頻 度 ( 右 軸 ) の 推 移
※ J リ ー グ 公 式 HP に 掲 載 さ れ て い る 年 度 別 入 場 者 数 の デ ー タ を 基 に 筆 者 作 成
新規観戦者の獲得に成果が見られない理由として、J リーグ各クラブの経営規
模 が 伸 長 せ ず 、 大 規 模 な 広 告 ・ CM を 利 用 し た プ ロ モ ー シ ョ ン 活 動 が 行 え て い な
3
いことが考えられる。J リーグが公開しているクラブ別経営情報開示資料
9) に よ
れ ば 、 2005 年 ~ 2010 年 シ ー ズ ン の J1 全 18 チ ー ム の 平 均 営 業 収 入 は 30 億 円 を
や や 超 え る 水 準 で 推 移 し て お り 、 最 大 規 模 の ク ラ ブ で 60~ 80 億 、 最 小 規 模 の ク
ラ ブ に 至 っ て は 10 億 円 強 と い う ク ラ ブ 間 で の 収 入 格 差 ( 図 3 参 照 ) を 勘 案 す る
と、多額のコストをかけて新規顧客獲得のためのプロモーションを行うことは 、
ほとんどのクラブにとって実現困難であったと考えられる。したがって、営業収
入 が 伸 び 悩 む 多 く の ク ラ ブ に と っ て は 、広 告 宣 伝 費 を か け た 新 規 顧 客 の 獲 得 よ り 、
来場者へのアプローチを通じた既存顧客の観戦頻度向上が現実的な観客増加策で
あったと言える。
平均営業収入
最大営業収入
最小営業収入
90
80
70
60
50
40
30
20
10
2005
2006
【 図 3】 J リ ー グ Div.1
2007
2008
2009
2010
ク ラ ブ 営 業 収 入 の 推 移 (単 位 : 億 円 )
※ J リーグ公 式 HP に掲 載 されている年 度 別 営 業 収 入 のデータを基 に筆 者 作 成
4
1.3
スポーツ観戦者に着目した研究
ス ポ ー ツ 消 費 者 は 、「金 、時 間 、そ し て エ ネ ル ギ ー を 費 や し て 、ス ポ ー ツ を『 す
る』または 『見る』 という形態で体験し、身体的、および心理的な無形のベネ
フ ィ ッ ト を 獲 得 し て 」( 松 岡 ,2010) 10) お り 、 ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン ト 分 野 に お い て
最 も 盛 ん に 取 り 組 ま れ て い る 研 究 領 域 の 一 つ で あ る( 井 上・佐 藤 ,2010; 吉 田 ,2010)
11) 12) 。こ の 定 義 に 従 う と 、ス ポ ー ツ 観 戦 者 と は 、ス ポ ー ツ を「 見 る 」形 で 消 費 す
るスポーツ消費者の一種である。
スポーツ消費者行動に関する研究において広く認められている特徴的な性質と
し て 、吉 田( 2011) 13) は( ⅰ )国 や 地 域 な ど を 代 表 す る ス ポ ー ツ チ ー ム の 象 徴 性
( Herein James, 2007; Mahoney et al.,2002) 14) 15) や 、( ⅱ ) 好 み の ス ポ ー ツ チ
ームやアスリートに対して非常に強い愛着心を抱くスポーツファンの熱狂性
( Funk and James,2001) 16) な ど を 指 摘 し て お り 、こ れ ら は ス ポ ー ツ 観 戦 者 特 有
の性質である。また、このようなスポーツの象徴性やファンの熱狂度などに代表
されるスポーツマーケティングの特異性を生かして、理論化が期待されるトピッ
ク の 一 つ と し て 、ブ ラ ン ド コ ミ ュ ニ テ ィ( Muñiz and O’Guinn,2001;Oliver,1999)
17) 18) の 存 在 を 指 摘 し て い る 。ブ ラ ン ド コ ミ ュ ニ テ ィ と は 、地 理 的 な 要 因 の 影 響 を
受 け ず 、特 定 の ブ ラ ン ド の フ ァ ン に よ り 形 成 さ れ た 社 会 的 な つ な が り と 定 義 さ れ 、
共 通 意 識 、儀 式 と 伝 統 、道 徳 的 責 任 の 感 覚 と い う 3 つ の 性 格 を 有 す る と し て い る
( Muñiz and O’Guinn, 2001) 17) 。 こ の 点 に 関 し て 、 大 野 ( 2007) 19 ) は 、 ス ポ ー
ツファンの中にも、特定のスポーツチームをブランドとしたコミュニティ、いわ
ゆる「ファンコミュニティ」が存在することを指摘している。ファンコミュニテ
ィのメンバーの間には、チームへの愛着という共通意識、同じ応援歌を歌ったり
踊ったりといった儀式と伝統、コミュニティ維持のためメンバー間で情報交換や
助け合いを行う道徳的責任が存在している。この情報交換や助け合いに関して、
大 野( 2007) 19) は 、フ ァ ン コ ミ ュ ニ テ ィ は ロ イ ヤ リ テ ィ の 高 低 に 従 っ て 同 心 円 状
5
に構成されており、ロイヤリティの高いヘビー・ユーザーが、ミディアム・ユー
ザーやライト・ユーザーに対して、コミュニティの意味の創造やオピニオンリー
ダ ー の 役 割 を 果 た す こ と で 、指 導 的 な 役 割 を 果 た し て い る と 指 摘 し て い る 。ま た 、
ファンとの交流や情報交換を行う際には、言語の連続体であるディスコースが媒
介し、メタファーやイメージ、ヒーローやコミュニティ内で共有されているスト
ーリーなどを通じて、コミュニティにおいて求められる知識や技能を獲得してい
る。
以上より、ブランドコミュニティがスポーツファンの間に存在すること、その
コミュニティにおいて言語を介したファン同士の交流には指導的な側面があるこ
と が 確 認 で き た 。し か し な が ら 、大 野( 2007) 19) の 研 究 は 理 論 的 な 考 察 の み に と
ど ま っ て お り 、 「言 語 を 介 し た 交 流 」に 着 目 し た 定 量 的 な 研 究 は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ 放
送 が オ ピ ニ オ ン ・ リ ー ダ ー シ ッ プ に 与 え る 影 響 を 明 ら か に し た 松 本 ( 2012) 20)
の研究が見られる程度である。次項では、言語を介したコミュニケーション、い
わ ゆ る 「ク チ コ ミ 」に 着 目 し 、 先 行 研 究 を 概 観 す る 。
6
2. ク チ コ ミ
2.1
クチコミの定義
ク チ コ ミ ( word of mouth) に 関 し て 、 Arndt( 1967) 2 1) は 「 受 け 手 が 送 り 手 に 商
業 的 意 図 が な い と 自 覚 し て い る 、ブ ラ ン ド 、製 品 、サ ー ビ ス に 関 す る 二 者 間 の コ ミ ュ ニ
ケーション」と定義している。
し か し 近 年 で は 、イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 を は じ め と し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 環 境 が
変 化 し た こ と で 、ク チ コ ミ の 形 態 や 主 体( チ ャ ネ ル )に 関 し て 多 様 な 考 え が 示 さ れ て
き た ( 安 藤 ,2008) 22 ) 。 例 え ば 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で の 対 話 も ク チ コ ミ と み な し た 研
究( Buttle,1998)2 3) や 、ク チ コ ミ を「 あ る 特 定 の 製 品 、サ ー ビ ス 、企 業 に つ い て の 、
あ ら ゆ る 時 点 で 行 わ れ る 人 と 人 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」と 定 義 し 、業 界 人 同 士 、顧
客と販売員との間で交わされるコミュニケーションもクチコミ議論の対象とした研
究 ( Rosen,2000) 2 4 ) が 見 ら れ る 。 こ れ ら の 議 論 を 踏 ま え 、 安 藤 ( 2008) 2 2 ) は 、 先 述
し た Arndt( 1967) 21) の 定 義 を 狭 義 の ク チ コ ミ 、 Rosen( 2000) 2 4) の 定 義 を 広 義 の
クチコミとそれぞれ定義している。
ま た 、 こ こ 20 年 足 ら ず の あ い だ に 、 Buttle( 1998) 23 ) が 示 し た よ う な 、 イ ン タ ー
ネット上のコミュニティサイトを通じた消費者間のコミュニケーションに着目した
研 究( 宮 田 ,2005)2 5 ) も 行 わ れ る よ う に な っ て お り 、濱 岡( 2009)26 ) は 、Arndt( 1967)
21 ) の 定 義 し た ク チ コ ミ の う ち 、イ ン タ ー ネ ッ ト 上 で 見 知 ら ぬ 人 を 対 象 と し た も の を
e
ク チ コ ミ ( electronic word of mouth) と 定 義 し て い る 。
次 項 で は 、ク チ コ ミ 、e ク チ コ ミ に 関 す る 研 究 の う ち 、イ ン タ ー ネ ッ ト 普 及 前 後 で
時代を区切り概観する。
7
2.2
インターネット普及以前の研究
ク チ コ ミ の 発 信 者 に 関 す る 先 行 研 究 の 先 駆 け と な っ た 研 究 で は 、 Lazarsfeld
( 1944) 27) に よ る 、 1940 年 の 大 統 領 選 挙 に お け る キ ャ ン ペ ー ン の 効 果 を 分 析 し
た も の が 知 ら れ て い る 。彼 は 、選 挙 キ ャ ン ペ ー ン そ の も の で は な く 、パ ー ソ ナ ル ・
コミュニケーションによって態度を改変させた者の方が多いことを明らかにし た。
その理由として、①パーソナルな関係の影響範囲が広いこと②マス・メディアよ
りも、無意図性・身近な情報に対する信頼度といった心理的利点をいくつか持っ
て い る こ と の 2 点 を 挙 げ て い る 。そ し て 、 他 者 の 態 度 を 改 変 さ せ る 強 い 影 響 力 を
持 っ た 消 費 者 を「 オ ピ ニ オ ン リ ー ダ ー 」と 定 義 し 、オ ピ ニ オ ン リ ー ダ ー は 、マ ス ・
メディアから得た情報をほかの消費者に伝達するという「コミュニケーションの
2 段階の流れ」を提示した。この情報の流通経路をめぐ っては、情報の広範な伝
達には、親しい人間との強いつながりより、単なる知人との弱い結び付きの方が
重 要 な 機 能 を 果 た し て い る と い う「 弱 い 結 び 付 き の 強 さ 理 論 」
( Granovetter,1973)
28) や 、 社 会 学 の 分 析 手 法 で あ る ネ ッ ト ワ ー ク 分 析 を 用 い た 研 究 ( Reingen
and
Kernan,1986,Brown and Reingen, 1987)29) 30) な ど 、数 々 の 検 討 が な さ れ て い る 。
ま た 、Feick and Price( 1987) 31) は 、複 数 の 領 域 の 財・サ ー ビ ス を 熟 知 し 、他 の
消 費 者 か ら 情 報 源 と し て 信 頼 さ れ て い る 「マ ー ケ ッ ト ・ メ イ ブ ン 」の 概 念 を 提 唱 し
ている。また、顧客ロイヤリティなど、特定のブランドへの愛着が高い消費者ほ
ど ク チ コ ミ を 発 信 す る こ と ( Dick et al., 1994) 32) も 指 摘 さ れ て い る 。 こ の よ う
に、クチコミを通じて他者に影響を与える消費者の存在が指摘され、そのような
消費者の特性を、情報の発信動機、影響力の強い発信者の選別などに着目し明ら
かにすることが試みられてきた。
一 方 、 ク チ コ ミ の 受 信 者 に 関 す る 研 究 で は 、Claxton et al.( 1974) 33) が 、家 具
と家電製品の購買顧客を対象に、利用した情報源、考慮した点、意思決定までの
期間などをクラスター分析し、店舗重視の積極型、バランス型の積極型、非積極
8
型という 3 つに分類した。また、他の情報源と比較した研究も見られる。
Lazarsfeld( 1944) 27) が 指 摘 し た 、 マ ス ・ メ デ ィ ア よ り も パ ー ソ ナ ル ・ コ ミ ュ ニ
ケーションが態度変化にもたらす影響力がどの程度強いかを明らかにした研究と
して、消費者の否定的もしくは中立的な態度を好意的な態度に変える力が、クチ
コ ミ に は 広 告 の 9 倍 あ る と し た 研 究 ( Day, 1971) 34) が 存 在 し て い る 。 ど の 情 報
をどの程度重視するかという情報の受信動機、他の情報源との比較に関する研究
が 主 流 で あ る が 、こ れ ら の 研 究 に 関 し て 、濱 岡( 2009) 2 6) は 、イ ン タ ー ネ ッ ト 普
及以前のものであること、研究対象となった商品カテゴリが限定されている点を
限界点として指摘している。
9
2.3
インターネット普及後の研究
イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 は 人 々 が 入 手 可 能 な 情 報 量 を 飛 躍 的 に 増 大 さ せ 、 TV コ
マーシャルや広告といったマス・メディアの影響力を低下させたことが指摘され
て い る ( 佐 藤 ,2008) 35) 。 こ の 理 由 に 関 し て 、 宮 田 ( 2006) 36) は 、 ① ノ イ ズ ② 懐
疑 的 態 度 ③ つ な が り の 3 つ を 挙 げ 、人 間 の 情 報 処 理 能 力 を 超 え た 情 報 量 と の 接 触
はノイズにしかならないこと、広告は営利目的のコミュニケーションであり、販
売側にとって都合の良いことしか言わないと認識している消費者が増えたこと、
そしてオンライン・コミュニティなど、共通の趣味や嗜好を通じたつながりを介
した情報共有が進んだ結果であると主張している。
このような背景を踏まえ、インターネット上でのクチコミ、いわゆる e クチコ
ミ に 着 目 し た 研 究 も 行 わ れ て い る 。 Hennig-Thurau and Walsh( 2003) 37) は 、
イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の コ ミ ュ ニ テ ィ サ イ ト 利 用 者 に 着 目 し 、「 リ ス ク の 低 減 」「 探 索
時 間 の 削 減 」 か ら な る 「購 買 関 連 情 報 の 入 手 因 子 」が 購 買 行 動 へ 最 も 強 く 影 響 を 与
え る こ と 、 「製 品 の 使 い 方 に つ い て の 情 報 収 集 因 子 」が ク チ コ ミ の 発 信 に 最 も 強 い
影 響 を 与 え て い る こ と を 明 ら か に し た 。ま た 、宮 田( 2005) 38) は 、コ ミ ュ ニ テ ィ
サイトに書き込まれた情報の信頼度、書き込み内容などの利用実態に着目し、製
品購入前、購入後双方の閲覧者がサイトに書き込まれた情報を参考にしているこ
と、書き込まれている内容はポジティブな内容が多いことを明らかにしている。
ま た 、 Smith( 2005) 39) は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 に よ り 、 専 門 家 に 限 ら ず 、 一
般 人 か ら の 推 奨 を 受 け る よ う に な っ た こ と を 「 ピ ア ( peer)」 と い う 言 葉 で 表 し 、
「専門性」があり、ラポール(好みやライフスタイルが類似していることで生じ
る感情的なつながり)が強いピアほど意思決定に強い影響を与えるという仮説を
設定した。分析の結果、電子レンジやパソコンといった功利的なものほど専門性
が、ファッションやスポーツカーといった快楽的なものほどラポールの効果が強
く な る こ と を 示 し た 。 小 林 ( 2008) 40) は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 調 査 を 通 じ て 、「 特 定
10
領域オピニオンリーダー」度と情報源の接触との関係を分析し、インターネット
広 告 と オ ン ラ イ ン ・ コ ミ ュ ニ テ ィ と の 接 触 に 正 の 相 関 が あ る 一 方 、 TV 広 告 と の
相関は見られず、新聞広告とは負の相関があることを示した。 この潮流はスポー
ツ マ ネ ジ メ ン ト 分 野 に お い て も 見 ら れ 、 直 近 の 学 会 で は Twitter や Facebook と
いったインターネット上の新しいメディアを使ったマーケティングに関する研究
が 報 告 さ れ て い る ( 新 井 ,2011) 41) 。
11
2.4
実務面での動向
濱 岡( 1994) 42) は 、マ ー ケ テ ィ ン グ に お い て 、消 費 者 間 の 相 互 依 存 ・相 互 作 用
の重要性は古くから認められてきたこと、新商品・広告を大量に投入し、新規顧
客の開拓を通じてシェアの拡大を目指す競争志向より、現在の顧客を長期的に確
保する顧客志向への転換が求められている低成長経済下において、クチコミは重
要性を増していくことを指摘している。事実、顧客の満足・不満足が直接反映さ
れ る ク チ コ ミ が 、消 費 者 の 態 度 や 行 動 形 成 に 大 き な 影 響 を 与 え て い る こ と( Brown
and Reingen,1987)30) 、ポ ジ テ ィ ブ な ク チ コ ミ よ り ネ ガ テ ィ ブ な ク チ コ ミ の 方 が
クチコミ受信者に与える影響が強く、クレームへの対応が重要であること
( Arndt,1967;Wilson and Peterson,1989) 21) 43) な ど が 指 摘 さ れ て い る 。
ま た 、イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 も 重 要 な 出 来 事 で あ る 。宮 田 ら( 2008) 25) は 、こ
の新しいコミュニケーション・メディアの普及が、消費者行動における対人コミ
ュニケーションの重要性を高めたことを指摘している。その理由として、①親し
い人々の間の対人コミュニケーションが、今まで知り得なかった多様な人々との
対人コミュニケーションへ拡大し、多様な情報の収集が可能となったこと②対人
コミュニケーションのための労力・時間コストが低下し、自身と同じ関心領域や
問題意識を持つ他の消費者からの情報を得やすくなったこと③同一の関心や嗜好
を起点とした消費者同士の新たな社会的ネットワークを通じ、消費者間で広く情
報 共 有 が 行 わ れ る よ う に な っ た こ と の 3 点 を 挙 げ て い る 。 事 実 、 企 業 が 自 社 HP
やソーシャルメディア上にファンサイトを開設し、消費者とのコミュニケーショ
ン を 行 っ て い る 事 例 も 数 多 く 見 ら れ る ( 武 田 ,2011) 44) 。
こ う し た 流 れ を 受 け 、 2004 年 に ア メ リ カ で Word of Mouth Marketing
Association( WOMMA)45) が 、2009 年 に は 日 本 で WOM マ ー ケ テ ィ ン グ 協 議 会
46) が 設 立 さ れ た 。 ク チ コ ミ を 通 じ た マ ー ケ テ ィ ン グ 手 法 は 実 務 面 に お い て ま す ま
すその注目度が上がっている。
12
3. ま と め
ここまでスポーツ観戦者の現状と先行研究、クチコミに関する先行研究を概観
した。わが国におけるスポーツ観戦者市場は縮小傾向にあること、相当数存在す
ると考えられる新規観戦希望者の開拓が、プロスポーツチームの資金的な理由で
十分に行われていない可能性が推察された。また、消費 者間のコミュニケーショ
ンであるクチコミが、マス・メディアに比べて消費者の態度変化に大きな影響を
与えていたこと、インターネットの普及によって今後さらなる影響力を持ち、マ
ネジメント対象としての価値を増していく可能性も示唆されている。とりわけス
ポーツファンが形成するコミュニティにおいて、言語を介したファン同士の交流
には指導的な側面があると示唆されており、スポーツファンのクチコミは注目に
値 す る と 考 え ら れ る 。ク チ コ ミ 研 究 に お け る 今 後 の 課 題 と し て 、濱 岡( 2009) 26)
は、分析対象カテゴリ・ブランド数拡大の必要性を指摘 しており、今後も体系的
な知見の蓄積が求められていると言えよう。
13
4. 引 用 ・ 参 考 文 献
1) 三 菱 UFJ リ サ ー チ & コ ン サ ル テ ィ ン グ 、 マ ク ロ ミ ル (2006-2012) ス ポ ー ツ
マーケティング基礎調査
2) 高 井 聡 (2007) ス ポ ー ツ イ ベ ン ト と 集 客 戦 略 , ス ポ ー ツ 産 業 論 第 4 版 , 原 田 宗
彦編著,
杏林書院,
東 京 , pp. 143-153
3) 福 田 拓 哉 (2009) J リ ー グ ・ イ レ ブ ン ミ リ オ ン プ ロ ジ ェ ク ト 達 成 に 向 け た 課
題 :ス タ ジ ア ム の 集 客 率 に 着 目 し た 現 状 分 析 , 新 潟 経 営 大 学 紀 要 15, pp131-148
4) 種 子 田 穣 (2002) 史 上 最 も 成 功 し た ス ポ ー ツ ビ ジ ネ ス ,毎 日 新 聞 社 ,pp85
5) 平 田 竹 男 ,佐 藤 峻 一 ,梶 川 裕 矢 (2008) ア ル ビ レ ッ ク ス 新 潟 に お け る 無 料 招 待 券
配 布 と 成 功 の 軌 跡 ,ス ポ -ツ 産 業 学 研 究 18 (2) , pp53-68
6) 文 部 科 学 省 ;ス ポ ー ツ 立 国 戦 略 - ス ポ ー ツ コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ニ ッ ポ ン - (2010)
URL:http://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afield
file/2010/09/16/1297203_02.pdf.
7) 笹 川 ス ポ ー ツ 財 団 (2010) ス ポ ー ツ ラ イ フ デ ー タ 2010 ス ポ ー ツ ラ イ フ に 関
す る 調 査 報 告 書 , 笹 川 ス ポ ー ツ 財 団 (東 京 ) , p.41
8) J リ ー グ 公 式 サ イ ト ; J リ ー グ に つ い て -観 戦 者 調 査
URL:http://www.j-league.or.jp/aboutj/document/spectator-survey.html
9) J リ ー グ 公 式 サ イ ト ; 公 開 資 料 営 業 収 入 (ク ラ ブ 平 均 ) の 推 移
URL: http://www.j-league.or.jp/aboutj/document/jclub/2009-10/008.html
10) 松 岡 宏 高 (2010) ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン ト の 概 念 の 再 検 討 , ス ポ ー ツ マ ネ ジ
メ ン ト 研 究 , Vol. 2, No. 1 pp 33-45
11) 井 上 雄 平 ・ 佐 藤 幹 寛 (2010) 北 米 ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン ト 学 会 2010 年 度 大 会
の 研 究 動 向 , ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン ト 研 究 Vol. 2, No. 2 pp 179-184
12) 吉 田 政 幸 (2010) 北 米 ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン ト 学 会 2009 年 度 大 会 の 研 究 動 向 .
ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン ト 研 究 Vol. 2, No. 1 pp 57-62
14
13) 吉 田 政 幸 (2011) ス ポ ー ツ 消 費 者 行 動 先 行 研 究 の 検 討 ,ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ
ン ト 研 究 Vol. 3, No. 1 pp 5-21
14) Heere, B., and James, J.D. (2007) Sports teams and their communities:
Examining the influence of external group identities on team id entity. Journal
of Sport Management, 21: 319-337.
15) Mahony, D.F., Nakazawa, M., Funk, D.C., James, J.D., and Gladden, J.M.
(2002) Motivational factors influencing the behavior of J. League spectators.
Sport Management Review, 5: 1-24
16) Funk, D.C., and James, J.D. (2001) The Psychological Continuum Model: A
conceptual framework for understanding an individual’s psychological
connection to sport. Sport Management Review, 4: 119 -150.
17) Muñiz, A.M., and O’Guinn, T.C. (2001) Brand community. Journal of
Consumer Research, 27: 412-432.
18) Oliver, R. L. (1999) Whence consumer loyalty? Journal of Marketing, 63
(5) : 33-44.
19) 大 野 貴 司 (2007) フ ァ ン コ ミ ュ ニ テ ィ の 性 格 と 機 能 ,体 育・ス ポ ー ツ 経 営 学 研
究 Vol.21 pp47-55
20) 松 本 湖 成 (2012) プ ロ ス ポ ー ツ ク ラ ブ の 応 援 番 組 が オ ピ ニ オ ン ・ リ ー ダ ー シ
ッ プ に 与 え る 影 響 -コ ミ ュ ニ テ ィ 放 送 を 題 材 と し て -,早 稲 田 大 学 大 学 院 修 士 学 位
論文
21) Arndt, Johan (1967) Role of Product Related Conversations in the
Diffusion of a new Product, Journal of Marketing Research,4,291 -93
22) 安 藤 和 代 (2008) ク チ コ ミ と 感 情 伝 播 "リ ア ル ・ ク チ コ ミ と e ク チ コ ミ の 異
質 性 の 考 察 ",早 稲 田 大 学 大 学 院 商 学 研 究 科 商 学 研 究 科 紀 要 pp137-148
15
23) Buttle, F.A. (1998) Word of Mouth: Understanding and Managing Referral
Marketing, Journal of Strategic Marketing,Vol.6,pp241 -54
24) Rosen, Emanuel (2000) The Anatomy of Buzz: How to Create
Word-of-Mouth Marketing, Random House. ( 濱 岡 豊 訳 『 ク チ コ ミ は こ う し て つ
く ら れ る -お も し ろ さ が 伝 染 す る バ ズ ・ マ ー ケ テ ィ ン グ 」 日 本 経 済 新 聞 社 ,2002)
25) 宮 田 加 久 子 ,池 田 謙 一 ,金 宰 輝 ,繁 桝 江 里 ,小 林 哲 郎 (2008) ネ ッ ト が 変 え る 消
費 者 行 動 -ク チ コ ミ の 影 響 力 の 実 証 分 析 -,NTT 出 版
26) 濱 岡 豊 ・ 里 村 卓 也 (2009) 消 費 者 間 の 相 互 作 用 に つ い て の 基 礎 研 究
クチコ
ミ ,e ク チ コ ミ を 中 心 に ,慶 応 義 塾 大 学 出 版 会
27) Lazarsfeld,Paul F.,Bernard Berelson and Hazel Gaudet (1944) The People ’
s Choice: Columbia University Press ( 有 吉 広 介 監 訳 『 ピ ー プ ル ズ ・ チ ョ イ ス 』
芦書房)
28) Granovetter, Mark S. (1973) The Strength of Weak Ties, American Journal
of Sociology,78,1360-80
29) Reingen, Peter H. and Jerome B. Kernan (1986) Analysis of Referral
Networks in Marketing: Methods and Illustration, Journal of Marketing
Research,23 (4) .370-78
30) Brown, Jacqueline J. and Peter H.Reingen (1987) Social Ties and Word of
Mouth Referral Behavior, Journal of Consumer Research,14,350 -62
31) Lawrence F. Feick and Linda L. Price (1987) The Market Maven: A
Diffuser of Marketplace Information, Journal of Marketing Vol. 51, No. 1,
pp83-97
32) Alan S. Dick, Kunal Basu (1994) Customer Loyalty: Toward an Integrated
Conceptual Framework, Journal of the Academy of Marketing Science, Vol. 22,
No. 2, pp99-113
16
33) John D. Claxton, Joseph N. Fry and Bernard Portis (1974) A Taxonomy of
Prepurchase Information Gathering Patterns, Journal of Consumer Research
Vol. 1, No. 3, pp35-42
34) Day, George S. (1971) Attitude change, media and word of mouth, Journal
of Advertising Research, Vol 11 (6) , pp31 -40.
35) 佐 藤 尚 之 (2008) 明 日 の 広 告 -変 化 し た 消 費 者 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン す る 方
法 -,ア ス キ ー 新 書 ,pp70-72
36) 宮 田 加 久 子 (2006) 消 費 行 動 に お け る オ ン ラ イ ン で の 口 コ ミ の 影 響 ― メ ー ル
と オ ン ラ イ ン ・ コ ミ ュ ニ テ ィ の 比 較 ― 明 治 学 院 大 学 研 究 所 年 報 36 号
37) Hennig-Thurau, Thorsten and Gianfranco Walsh (2003) Electronic Word -of
mouth: Motives for and Consequences of Read ing Customer Articulations on
the Internet, International Journal of Electronic Commerce,8 (2) ,pp51 -74
38) 宮 田 加 久 子 (2005) イ ン タ ー ネ ッ ト の 社 会 心 理 学 ,風 間 書 店
39) Donnavieve Smith, Satya Menon, K. Sivakumar (2005) Online peer and
editorial recommendations, trust, and choice in virtual markets,Journal of
Interactive Marketing,Vol19,
(3) , pp15–37
40) 小 林 哲 郎 (2008) 「広 告 と 対 人 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 作 り 出 す 情 報 環 境 」宮 田
加 久 子 ,池 田 謙 一 編 著 『 ネ ッ ト が 変 え る 消 費 者 行 動 』 ,NTT 出 版
41) 新 井 彬 子 (2011) 北 米 ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン ト 学 会 2011 年 度 大 会 , ス ポ ー ツ
マ ネ ジ メ ン ト 研 究 , Vol. 3, No. 1 pp100-104
42) 濱 岡 豊 (1994) ク チ コ ミ の 発 生 と 影 響 の メ カ ニ ズ ム ,消 費 者 行 動 研
究 ,Vol.2,No.1 pp.29-74
43) William R. Wilson, Robert A. Peterson (1989) Some Limits on the Potency
of Word-Of-Mouth Information, Advances in Consumer Research
Vol.16,pp23-29
17
44) 武 田 隆 (2011) ソ ー シ ャ ル メ デ ィ ア 進 化 論 , ダ イ ヤ モ ン ド 社
45) Word of Mouth Marketing Association (WOMMA)
URL: http://www.womma.org/
46) WOM マ ー ケ テ ィ ン グ 協 議 会
URL: http://womj.jp/
18
【第 2 部】
修士論文
1.緒 言
1.1
研究背景
マーケティングにおいて、既存顧客へのセールス、リピーターの獲得は非常に
重 要 で あ る と さ れ て い る 。 ス ポ ー ツ 観 戦 者 に 関 し て 、 武 藤 ( 2008) 1) は 、 シ ー ズ
ンチケットによる収入は,入場料収入の前倒しと早期確定に貢献するとの理由か
ら、シーズンを通して繰り返しスタジアムに足を運ぶ固定客を持つことの重要性
を指摘している。また、多くのプロスポーツチームは、広告宣伝費をかけた新規
顧客の獲得より、来場者へのアプローチを通じた既存顧客の観戦頻度向上 に注力
してきた。実際に、直近 6 年間の J リーグ観戦者調査結果
2) に よ る と 、 こ の 期 間
に お け る J リ ー グ 観 戦 者 の 年 平 均 観 戦 回 数 は 、 2005 年 の 10.8 回 か ら 2010 年 の
12.2 回 へ と ほ ぼ 一 貫 し て 増 加 し て い る 。
リピーター、いわゆる特定のブランドから提供される財・サービスの再購買意
図 を 持 つ 顧 客 に 関 す る 研 究 は 数 多 く 行 わ れ て お り ( Mittal and Kamakura,2001)
3) 、 リ ピ ー タ ー の 特 徴 の 一 つ に 、 ロ イ ヤ リ テ ィ が 高 い こ と が 挙 げ ら れ て い る 。 ロ
イヤリティとは、特定のプロダクトやブランドに対する消費者の好意的な態度と
そ れ に 伴 う 一 貫 し た 購 買 行 動( 原 田 ,2008) 4) と 定 義 さ れ 、ロ イ ヤ リ テ ィ の 高 い 顧
客 は 他 者 へ の 「ク チ コ ミ 」を 行 う こ と が 指 摘 さ れ て い る ( 吉 田 ,2011) 5) 。
このように、リピーターがクチコミを行う傾向にあることが指摘されている一
方で、クチコミがリピーターを増やす可能性を示唆した研究が存在する。大野
( 2007) 6) に よ る フ ァ ン コ ミ ュ ニ テ ィ の 先 行 研 究 に お い て 、 ヘ ビ ー ・ ユ ー ザ ー が
ライト・ユーザーへ言語(ディスコース)を通じて働きかけることで、ライト・
ユ ー ザ ー を ミ デ ィ ア ム・ユ ー ザ ー 、ヘ ビ ー・ユ ー ザ ー へ と 引 き 上 げ る 「指 導 的 な 役
19
割 」を 果 た し て い る こ と が 指 摘 さ れ て い る 。
これらの点を踏まえると、リピーターの獲得とクチコミの間には相互作用があ
る と 考 え ら れ る( 図 1)。ク チ コ ミ が 活 性 化 す れ ば 、リ ピ ー タ ー( ヘ ビ ー・ユ ー ザ
ー )も 増 加 し 、さ ら な る ク チ コ ミ の 活 性 化 に つ な が る の で は な い だ ろ う か 。で は 、
ク チ コ ミ を 行 う リ ピ ー タ ー は 、ど の よ う な 特 徴 を 持 っ て い る の だ ろ う か 。以 上 が 、
本研究の出発点である。
リピーター増加
クチコミ活性化
【 図 1】 ク チ コ ミ と リ ピ ー タ ー の 相 互 作 用
20
1.2
研究の目的
前項の背景を踏まえ、本研究の目的は、①クチコミを行うスポーツ観戦者の特
性 、② 観 戦 頻 度 の 低 い 群 に 対 し て ク チ コ ミ を 行 う ス ポ ー ツ 観 戦 者 の 特 性 の 2 つ を
明らかにすることである。
目的①に関して、コミットメント、ロイヤリティの高い消費者がリピーターと
な り 、ク チ コ ミ を 行 っ て い る こ と が 明 ら か と な っ て い る( Dick et al.,1994)7) が 、
より効果的なマーケティングを行うためのマーケット・セグメンテーションの実
施に際して、今後はスポーツ観戦者の基本的属性や、観戦経験、ファン歴といっ
た観戦者の特性とクチコミ実施有無の関連を明らかにする必要があると考えられ
る。
目 的 ② に 関 し て 、大 野( 2007) 6) は 、フ ァ ン コ ミ ュ ニ テ ィ の 性 質 と し て 、
「ヘビ
ー・ユーザーがミディアム、ライト・ユーザーに対して指導的な役割を果たす」
と 述 べ て い る 。本 研 究 で は 、ス ポ ー ツ 観 戦 者 に 関 す る 、藤 本( 1996)8) 、斎 藤( 2010)
9) ら の 先 行 研 究 を 参 考 に 、 ヘ ビ ー 、 ミ デ ィ ア ム 、 ラ イ ト ・ ユ ー ザ ー を 観 戦 経 験 で
分 類 し た 上 で 、 「観 戦 経 験 が ク チ コ ミ 発 信 者 よ り も 低 い 人 間 に ク チ コ ミ を す る こ
と 」を 「指 導 的 な ク チ コ ミ 」と 定 義 し 、指 導 的 な ク チ コ ミ を 実 施 す る 観 戦 者 の 特 性 を
分析した。
【 図 2】
指導的なクチコミ
21
概念図
1.3
先行研究の検討
(ⅰ)クチコミの定義
ク チ コ ミ に 関 し て 、Arndt( 1967) 10) は「 受 け 手 が 送 り 手 に 商 業 的 意 図 が な い と
自 覚 し て い る 、 ブ ラ ン ド 、製 品 、サ ー ビ ス に 関 す る 二 者 間 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」 と
定 義 し て い る 。 安 藤 ( 2008) 11 ) は 、 近 年 の イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 を は じ め と し た コ
ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 環 境 の 変 化 を 踏 ま え 、 先 述 し た Arndt( 1967) 10) の 定 義 を 狭 義 の
ク チ コ ミ 、Rosen( 2000) 1 2) が 指 摘 し た「 あ る 特 定 の 製 品 、サ ー ビ ス 、企 業 に つ い て
の 、あ ら ゆ る 時 点 で 行 わ れ る 人 と 人 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」を 広 義 の ク チ コ ミ と そ
れぞれ定義している。
(ⅱ)スポーツ観戦者のクチコミに関する先行研究
スポーツ観戦者のクチコミに関する先行研究では、ファンコミュニティ内での
情 報 伝 達 に 着 目 し た 研 究 ( 大 野 ,2007) 6) や 、 J リ ー グ 観 戦 者 の 推 奨 意 向 に 関 す る
研 究 ( 井 上 ,2012) 13) が 行 わ れ て お り 、 発 信 者 の 心 理 的 側 面 に 着 目 し た 研 究 が 主
流となっている。
(ⅲ)クチコミの発信者に関する研究
クチコミの発信者に関する先行研究では、特定の財・サービスを熟知し、他の
消 費 者 の 購 買 意 思 決 定 に 影 響 を 与 え る オ ピ ニ オ ン リ ー ダ ー( Lazarsfeld,1944)14)
をはじめとした、クチコミを通じて他者に影響を与える消費者の存在が指摘され
てきた。また、顧客ロイヤリティなど、特定のブランドへの愛着が高い消費者ほ
ど ク チ コ ミ を 発 信 す る こ と ( Dick et al.,1994) 7) も 指 摘 さ れ て お り 、 近 年 で は イ
ンターネットの普及に伴い、e クチコミ、いわゆるインターネットの書き込みに
関 す る 研 究 ( Hennig-Thurau et al.,2003) 15) も 行 わ れ て い る 。 情 報 の 発 信 動 機 、
影響力の強い発信者の選別などに着目した研究が主流である。
(ⅳ)クチコミの受信者に関する研究
クチコミの受信者に関する研究では、どの情報を利用するか、という情報源の
22
利 用 パ タ ー ン に 関 す る 研 究 ( Claxton et al.,1974) 16) や 、 他 の 情 報 源 と の 比 較 に
関 す る 研 究 ( Day,1971;Murray,1991) 17)
18) が 行 わ れ て い る 。 情 報 の 受 信 動 機 、
他の情報源との比較に関する研究が主流である。
(ⅴ)実務面での動向
マ ー ケ テ ィ ン グ に お い て 、消 費 者 間 の 相 互 依 存 /相 互 作 用 の 重 要 性 は 古 く か ら 認
め ら れ て お り ( 濱 岡 ,1994) 19) 、 ク チ コ ミ が 購 買 行 動 や 満 足 度 に 大 き な 影 響 を 与
え て い る こ と が 明 ら か と な っ て い る ( Mullay,1991;Mangold,1999) 18)20) 。 ま た 、
2004 年 に ア メ リ カ で Word of Mouth Marketing Association ( WOMMA) 21) が 、
2009 年 に は 日 本 で WOM マ ー ケ テ ィ ン グ 協 議 会
22) が 設 立 さ れ る な ど 、ク チ コ ミ
を通じたマーケティング手法は実務面においてもますますその注目度が上がって
いる。
このように、
( ⅱ )ス ポ ー ツ 観 戦 者 の ク チ コ ミ に 関 す る 研 究 で は 、発 信 者 の 心 理
的側面に着目した研究が行われてきたが、クチコミ促進のターゲットとなる市場
を選定し、より効果的なマーケティングを行うため、今後は発信者の年齢・性別
といった人口統計的変数や、観戦経験をはじめとした行動変数にも着目する必要
があると考えられる。
ま た 、( ⅲ )( ⅳ ) こ れ ま で の ク チ コ ミ に 関 す る 研 究 で は 、 影 響 力 の 強 い 発 信 者
の特性や情報の発信動機、受信者の態度変化などに着目したものが数多く行われ
てきた。しかしながら、スポーツファンのクチコミがファンのコア化に繋がる可
能 性 を 考 慮 す る と 、 今 後 は 「指 導 的 な ク チ コ ミ 」を 行 う ス ポ ー ツ フ ァ ン の 特 性 を 明
らかにする必要があると考えられる。したがって、目的で先述したとおり
A. ク チ コ ミ を 行 う 観 戦 者 の 特 性
および
B. 観 戦 頻 度 の 低 い 群 に 対 し て ク チ コ ミ を 行 う 観 戦 者 の 特 性
を明らかにすることの意義は大きいと言える。
23
2. 方 法
2.1
調査の方法
2012 年 7 月 28 日( 土 )に 日 産 ス タ ジ ア ム で 行 わ れ た J リ ー グ Div.1 第 19 節 、
横 浜 F・マ リ ノ ス vs.清 水 エ ス パ ル ス の ホ ー ム 観 客 席 エ リ ア の 観 戦 者 を 対 象 に 、質
問紙によるアンケート調査を行った。スタジアム入場後の観戦者を対象に、調査
員が協力を依頼し、協力が得られた場合に質問紙を配布した。配布対象は、配布
時間やエリア別の来場者数を考慮し、偏りが出ないよう工夫した。回収は、調査
員が随時館内を巡回して、開門直後からキックオフ直前まで行った。
2.2
回収結果と分析対象
配 布 総 数 は 477 部 と な り 、
「あ な た は 横 浜 F・マ リ ノ ス の 試 合 観 戦 に 関 す る 内 容( ス タ ジ ア ム で 試 合 を 観 た 経
験 、感 想 な ど )を 、周 囲 に 話 し た り 、電 話 や メ ー ル で 伝 え た り す る こ と は あ り ま
すか。」
と い う ク チ コ ミ 実 施 有 無 に 関 し て 回 答 が あ っ た 有 効 回 答 数 は 374 部 、有 効 回 答 率
( 有 効 回 答 数 /配 布 総 数 )は 78.4%で あ り 、こ れ ら の 有 効 回 答 を 分 析 対 象 Ⅰ と し た 。
また、目的②で分析の対象としたものは、回答者自身と、最もクチコミをする人
間 の 観 戦 頻 度 へ の 回 答 が あ っ た 174 部 で あ り 、 こ れ ら を 分 析 対 象 Ⅱ と し た ( 図 3
参 照 )。
24
自身とクチコミ
受信者の観戦頻
度を回答
(n=174)
クチコミ実施者
分析対象Ⅱ
(n=232)
観戦頻度に関し
て無回答
有効回答
(n=374)
(n=58)
クチコミ非実施
者(n=142)
分析対象Ⅰ
【 図 3】 本 研 究 に お け る 分 析 対 象
2.3
分析に使用した諸変数の内訳
本 調 査 で は 、基 本 的 属 性 と し て ① 年 齢 ② 性 別 ③ 婚 姻 関 係 の 有 無 ④ 居 住 地 の 4 項
目を尋ねた。また、観戦者の特性に関する項目として⑤座席の位置⑥チケットの
種 類 ⑦ 来 場 時 間 ⑧ 昨 シ ー ズ ン の 観 戦 経 験 ⑨ フ ァ ン 歴 の 5 項 目 を 尋 ね た 。各 項 目 の
区分方法、内訳は表 1 のとおりである。
【 表 1】 本 研 究 で 用 い た 変 数 一 覧
項 目
【基本的属性】
①性別
②年齢
③婚姻関係の有無
④居住地
【観戦者の特性】
⑤座席の位置
⑥チケットの種類
⑦来場時間
⑧昨シーズンの観戦経験
⑨ファン歴
内 訳
男性 / 女性
10代~30代/40代以上
既婚 / 未婚
横浜市内 / 横浜市外
ゴール裏 / ゴール裏以外
シーズンチケット / シーズンチケット以外
キックオフ2時間以上前 / キックオフ2時間以内
0回~7回/8回以上
10年未満/10年以上
25
以下、間隔尺度から名義尺度化した変数とその区分方法について述べる。①年
齢 は 一 般 的 な 区 分 で あ る 10 代 ご と に 分 類 し 、 中 央 値 に 近 い 30 代 以 下 /40 代 以 上
で区分した。④居住地は、調査地である日産スタジアムが立地する横浜市内居住
者 と 市 外 居 住 者 の 2 項 目 に 分 類 し た 。⑤ 座 席 の 位 置 ⑥ チ ケ ッ ト の 種 類 に 関 し て は 、
井 上 ( 2008) 23) の 先 行 研 究 を 参 考 に し つ つ 、 J リ ー グ 観 戦 者 の 特 徴 を 観 察 し 、 ゴ
ー ル 裏 で の 観 戦 者 と そ れ 以 外 、シ ー ズ ン チ ケ ッ ト 所 有 者 と 非 所 有 者 の 2 項 目 に そ
れぞれ分類した。⑦来場時間に関しては、一般チケット所有者の開門時間である
キ ッ ク オ フ 2 時 間 前 を 基 準 に 2 項 目 に 分 類 し た 。⑧ 昨 シ ー ズ ン の 観 戦 経 験 ⑨ フ ァ
ン 歴 に 関 し て は 、J リ ー グ 観 戦 者 調 査 を 参 考 に 、中 央 値 近 辺 で 2 項 目 に 区 分 し た 。
2.4
分析方法
ま ず 始 め に 、 分 析 対 象 者 Ⅰ ( n=374) を 、 ク チ コ ミ 実 施 者 と 非 実 施 者 に 分 類 し
た 。 続 い て 、 分 析 対 象 者 Ⅱ ( n=174) を 、 発 信 者 の 観 戦 経 験 と 、 発 信 者 が 回 答 し
た 「横 浜 F・ マ リ ノ ス の 試 合 観 戦 に 関 す る 内 容 に 関 し て 、 最 も 良 く 話 を す る 人 」の
観戦経験を比較して、観戦頻度低群へのクチコミ実施有無を判定した。
本 研 究 の 焦 点 と な る 分 析 は 、 2.3 項 で 述 べ た 独 立 変 数 と ク チ コ ミ 実 施 有 無 、 な
ら び に 観 戦 頻 度 低 群 へ の ク チ コ ミ 実 施 有 無 と の 間 で カ イ 二 乗 検 定 を 行 っ た 。次 に 、
クチコミ実施、ならびに観戦頻度低群へのクチコミ実施に影響を与える各独立変
数の影響力を検討するため、多変量解析を行った。本研究において説明されるの
は 低 群 へ の ク チ コ ミ 実 施 有 無 の 2 値 変 数 で あ る た め 、分 析 に は 2 項 ロ ジ ス テ ィ ッ
ク 回 帰 分 析 を 用 い た 。対 馬( 2008) 24) を 参 考 に 、分 析 に 使 用 す る 独 立 変 数 は カ イ
二 乗 検 定 で 有 意 確 率 が 0.25 未 満 で あ っ た 変 数 を 選 択 し 、投 入 方 法 に は 変 数 減 少 法
ス テ ッ プ ワ イ ズ( 尤 度 比 )を 用 い た 。オ ッ ズ 比 と 95%信 頼 区 間( 95%CI)を 算 出
し 、有 意 水 準 5%で 統 計 学 的 有 意 と 判 断 し た 。統 計 解 析 に は IBM SPSS Statistics
20 を 使 用 し た 。
26
3. 結 果
3.1
対象者の特徴
分析対象者の属性は表 2 のとおりである。デモグラフィック属性に関しては、
J リ ー グ が 毎 年 行 っ て い る 観 戦 者 調 査 の う ち 、2011 年 度 の 横 浜 F・マ リ ノ ス の デ
ータと比較し、比較可能な性別、年齢層、過去の観戦経験、ファン歴、居住地の
項目に関して著しい差異は見られなかったことから、サンプルの妥当性は確保さ
れたと判断した。
【 表 2】 分 析 対 象 者 の 属 性
調査対象サンプル
性別
N
%
男性
229
63.8
女性
130
36.2
年齢層
N
%
10代
23
6.4
20代
72
20.2
30代
101
28.3
40代
117
32.8
50代
32
8.9
60代以上
12
3.4
平均年齢
37.2±11.5
居住地域
N
%
横浜市内
150
52.4
横浜市外
136
47.6
過去の観戦経験
N
%
0回~1回
62
17.1
2回~7回
88
24.3
8回~14回
56
15.5
15回以上
156
43.1
平均観戦経験
10.7±7.8
ファン歴
N
%
1年未満
9
3.1
2年以上5年未満
59
20.0
5年以上10年未満
68
23.2
10年以上
158
53.7
※1:11歳~29歳の割合の合計
※2:50歳以上の割合
27
J調査サンプル
%
58.6
41.4
%
(※1)28.2
26.9
30.9
(※2)14.1
37.1
%
50.0
50.0
%
8.8
26.9
16.5
47.8
12.5
%
5.2
25.8
23.9
45.1
3.2
クチコミ実施有無検定結果
(ⅰ)クチコミ実施者の基本的属性
ク チ コ ミ 実 施 者 の 属 性 は 表 3 の 通 り と な っ た 。表 2 に 掲 載 し た 今 回 の 調 査 対 象
サンプルと比べると、過去の観戦経験でやや高い傾向が見られたものの、他の項
目は大きな相違は見られなかった。
【 表 3】 ク チ コ ミ 実 施 者 の 属 性
性別
男性
女性
年齢層
10代
20代
30代
40代
50代
60代以上
平均年齢
居住地域
横浜市内
横浜市外
過去の観戦経験
0回~1回
2回~7回
8回~14回
15回以上
平均観戦経験
ファン歴
1年未満
2年以上5年未満
5年以上10年未満
10年以上
クチコミ実施者
(n=232)
N
%
137
60.9
88
39.1
N
%
9
4.0
45
20.1
68
30.4
76
33.9
18
8.0
8
3.6
37.7±11.2
N
%
98
52.7
88
47.3
N
%
19
8.4
44
19.5
42
18.6
121
53.5
12.7±7.3
N
%
5
2.4
38
18.1
51
24.3
116
55.2
28
調査対象
サンプル
%
63.8
36.2
%
6.4
20.2
28.3
32.8
8.9
3.4
%
52.4
47.6
%
17.1
24.3
15.5
43.1
%
3.1
20.0
23.2
53.7
(ⅱ)カイ二乗検定結果
クチコミ実施有無と各独立変数との間で行ったクロス集計、カイ二乗検定結果
は 以 下 の と お り で あ っ た( 表 4 参 照 )。居 住 地 に お い て 5% 水 準 、来 場 時 間 に お い
て 1% 水 準 、券 種 、過 去 の 観 戦 経 験 に お い て 0.1% 水 準 で そ れ ぞ れ 有 意 差 が 見 ら れ
た。横浜市内在住者は市外在住者に比べて、シーズンチケット所持者は非所持者
に 比 べ て 、キ ッ ク オ フ 前 2 時 間 以 上 来 場 者 は キ ッ ク オ フ 前 2 時 間 以 内 来 場 者 に 比
べて、過去の観戦経験は多い群が少ない群に比べてクチコミを行っている割合が
それぞれ高いことが明らかになった。
【 表 4】 ク チ コ ミ 実 施
カイ二乗検定
【基本的属性】
【観戦者の特性】
クチコミ実施 クチコミ非実施
(n=232)
(n=142)
性別
度数
%
度数
137
92
男性
59.8
女性
88
67.7
42
年齢層
10~30代
122
61.9
75
40代以上
102
63.4
59
婚姻関係
未婚
109
58.9
76
既婚
113
68.1
53
居住地
横浜市内
98
72.1
38
横浜市外
88
58.7
62
***p<.001 **p <.01 *p <.05 †p <.25
※1 ST=シーズンチケット
※2 KO前=キックオフ前
結果
%
40.2
32.3
クチコミ実施
(n=232)
χ ²値
2.194†
38.1
36.6
0.077
41.1
31.9
3.154†
27.9
41.3
5.626*
クチコミ非実施
(n=142)
度数
92
140
%
65.7
60.6
度数
48
91
136
96
74.3
50.3
47
95
25.7
22.961***
49.7
KO(※2)前2時間以上 143
69.8
52.1
62
79
30.2
47.9
42.0
76.9
87
49
58.0
45.584***
23.1
69.1
74.7
42
40
30.9
25.3
席種
ゴール裏
ゴール裏以外
券種
ST(※1)所持者
ST非所持者
来場時間
KO前2時間以内
86
昨シーズンの観戦経験
0~7回
63
8回以上
163
ファン歴
10年未満
94
10年以上
118
29
%
34.3
39.4
χ ²値
.971
12.054**
1.126
(ⅲ)2 項ロジスティック回帰分析結果
クチコミ実施有無に関して、2 項ロジスティック回帰分析を行った結果は以下
の と お り で あ っ た ( 表 5 参 照 )。
カ イ 二 乗 検 定 で 有 意 確 率 が .25 未 満 だ っ た 6 変 数 ( 性 別 、 婚 姻 状 況 、 居 住 地 、
券種、来場時間、過去の観戦経験)を投入した結果、最終的には居住地、性別、
婚 姻 関 係 、観 戦 経 験 の 4 変 数 が 選 択 さ れ た 。 モ デ ル の 有 意 性 を 示 す モ デ ル 係 数 の
オ ム ニ バ ス 検 定 の 結 果 、 χ ²値 は 36.905、 0.1%水 準 で 有 意 と な り 、 作 成 さ れ た 回
帰 式 の 有 意 性 が 保 証 さ れ た 。 判 別 的 中 率 は 69.9%で あ っ た 。
【 表 5】 ク チ コ ミ 実 施
2 項ロジスティック回帰分析
結果
OR
95%CI
有意確率
1.760
(1.02-3.03)
.041*
1.738
(0.33-1.02)
.058†
1.588
(0.93-2.72)
.093†
3.900
(2.29-6.65)
.000***
【基本的属性】
居住地
性別
婚姻関係
市内居住者
(基準:市外居住者)
女性
(基準:男性)
婚姻関係あり
(基準:婚姻関係なし)
【観戦者の特性】
観戦経験
高群
(基準:低群)
***p <.001 **p <.01 *p <.05 †p<.10
モデルχ ²値:36.905(p<.001)
判別的中率:69.9%
オ ッ ズ 比 お よ び そ の 95% 信 頼 区 間 に よ れ ば 、 居 住 地 に お け る “ 市 内 居 住 者
( 1.760)” に お け る オ ッ ズ 比 が 5%水 準 で 、 観 戦 経 験 に お け る “ 高 群 ( 3.900)”
が 0.1%水 準 で そ れ ぞ れ 有 意 で あ っ た 。性 別 と 婚 姻 関 係 に 関 し て は 、有 意 確 率 自 体
は 基 準 を 満 た さ な か っ た も の の 、 そ れ ぞ れ 0.058、 0.093 と 基 準 値 で あ る 0.05 に
比 較 的 近 い 値 を 示 し て お り 、ま た 両 変 数 を 取 捨 選 択 し た 際 の モ デ ル χ ²値 や 判 別 的
中率の変化を総合的に検討し、変数として妥当であると判断した。
30
3.3
低群へのクチコミ実施有無検定結果
(ⅰ)低群クチコミ実施者の基本的属性
低 群 ク チ コ ミ 実 施 者 の 属 性 は 表 6 の 通 り と な っ た 。表 2 に 掲 載 し た 今 回 の 調 査
対 象 サ ン プ ル と 比 べ る と 、 年 齢 層 で 10 代 、 20 代 が 少 な く 40 代 が 多 い こ と 、 市
内居住者の割合がやや高いこと、過去の観戦経験が多いこと、ファン歴が長いこ
とが明らかとなった。
【 表 6】 低 群 ク チ コ ミ 実 施 者 の 属 性
性別
男性
女性
年齢層
10代
20代
30代
40代
50代
60代以上
平均年齢
居住地域
横浜市内
横浜市外
過去の観戦経験
0回~1回
2回~7回
8回~14回
15回以上
平均観戦経験
ファン歴
1年未満
2年以上5年未満
5年以上10年未満
10年以上
低群クチコミ実施者
(n=78)
N
%
51
68.0
24
32.0
N
%
2
2.7
10
13.3
22
29.3
32
42.7
7
9.3
2
2.7
39.8±10.5
N
%
44
64.7
24
35.3
N
%
1
1.3
15
19.2
14
17.9
48
61.5
14.4±6.7
N
%
0
0.0
11
14.9
19
25.7
44
59.5
31
調査対象
サンプル
%
63.8
36.2
%
6.4
20.2
28.3
32.8
8.9
3.4
%
52.4
47.6
%
17.1
24.3
15.5
43.1
%
3.1
20.0
23.2
53.7
(ⅱ)カイ二乗検定結果
低群へのクチコミ実施有無と各独立変数との間で行ったクロス集計、カイ二乗
検 定 結 果 は 以 下 の と お り で あ っ た( 表 7 参 照 )。過 去 の 観 戦 経 験 を 「0 回 」と し た 回
答者は、本研究における低群クチコミの定義上、低群へのクチコミ実施が不可能
で あ る た め 、本 分 析 の 対 象 外 と し た 。居 住 地 に お い て 5% 水 準 、券 種 に お い て 1%
水 準 、過 去 の 観 戦 経 験 に お い て 0.1%水 準 で そ れ ぞ れ 有 意 差 が 見 ら れ た 。横 浜 市 内
在住者は市外在住者に比べて、シーズンチケット所有者は非所有者に比べて、過
去の観戦経験は多い群が少ない群に比べて観戦頻度低群へのクチコミを行ってい
る割合がそれぞれ高いことが明らかになった。
【 表 7】 低 群 ク チ コ ミ 実 施
カイ二乗検定
【基本的属性】
低群クチコミ実施
(n=78)
【観戦者の特性】
低群クチコミ非実施
(n=96)
性別
度数
%
度数
男性
51
49.0
53
女性
24
36.9
41
年齢層
10~30代
34
39.1
53
40代以上
41
50.6
40
婚姻状況
未婚
42
46.2
49
既婚
33
42.9
44
居住地
横浜市内
44
56.4
34
横浜市外
24
37.5
40
***p <.001 **p <.01 *p <.05 †p <.25
※1 ST=シーズンチケット
※2 KO前=キックオフ前
結果
%
51.0
63.1
低群クチコミ実施 低群クチコミ非実施
(n=78)
(n=96)
χ ²値
2.379†
60.9
49.4
2.793†
53.8
57.1
0.183
43.6
62.5
5.038*
χ ²値
度数
33
45
%
50.8
41.3
度数
32
64
%
49.2
58.7
56
22
54.9
30.6
46
50
45.1
69.4
10.115**
51
KO前2時間以内
26
昨シーズンの観戦経験
0~7回
16
8回以上
62
ファン歴
10年未満
30
10年以上
45
47.7
40.6
56
38
52.3
59.4
0.802
36.4
50.4
28
61
63.6
49.6
2.567†
43.5
49.5
39
46
56.5
50.5
1.986
席種
ゴール裏
ゴール裏以外
券種
ST(※1)所持者
ST非所持者
来場時間
KO(※2)前2時間以上
32
1.481†
(ⅱ)2 項ロジスティック回帰分析結果
低群クチコミ実施有無に関して、2 項ロジスティック回帰分析を行った結果は
以 下 の と お り で あ っ た ( 表 8 参 照 )。
カ イ 二 乗 検 定 で 有 意 確 率 が .25 未 満 だ っ た 6 変 数( 性 別 、年 齢 、居 住 地 、券 種 、
席種、過去の観戦経験)を投入した結果、最終的には居住地、性別、券種の 3 変
数 が 選 択 さ れ た 。モ デ ル の 有 意 性 を 示 す モ デ ル 係 数 の オ ム ニ バ ス 検 定 の 結 果 、χ ²
値 は 12.519、1%水 準 で 有 意 と な り 、作 成 さ れ た 回 帰 式 の 有 意 性 が 保 証 さ れ た が 、
判 別 的 中 率 は 60.6%と 良 好 と は 言 え な か っ た 。
【 表 8】 低 群 ク チ コ ミ 実 施
2 項ロジスティック回帰分析
結果
OR
95%CI
有意確率
1.962
(0.97-3.98)
.062†
1.960
(0.94-4.08)
.072†
2.270
(1.09-4.73)
.028*
【基本的属性】
居住地
性別
市内居住者
(基準:市外居住者)
男性
(基準:女性)
【観戦者の特性】
券種
年間チケット 所有者
(基準:年間チケット非所有者)
*p <.05 †p<.10
モデルχ ²値:12.519(p<.01)
判別的中率:60.6%
オ ッ ズ 比 お よ び そ の 95%信 頼 区 間 に よ れ ば 、券 種 に お け る“ 年 間 チ ケ ッ ト 所 持
者 ( 2.270)” に お け る オ ッ ズ 比 が 5%水 準 で 有 意 で あ っ た 。 居 住 地 と 性 別 に 関 し
て は 、 有 意 確 率 自 体 は 基 準 を 満 た さ な か っ た も の の 、 そ れ ぞ れ 0.062、 0.072 と
基 準 値 で あ る 0.05 に 比 較 的 近 い 値 を 示 し て お り 、ま た 両 変 数 を 取 捨 選 択 し た 際 の
モ デ ル χ ²値 や 判 別 的 中 率 の 変 化 を 総 合 的 に 検 討 し 、変 数 と し て 妥 当 で あ る と 判 断
した。
33
4. 考 察
4.1
結果まとめ
本研究の目的は、クチコミを行う観戦者、および観戦頻度の低い群に対してク
チコミを行う観戦者の特性を明らかにすることであった。
カ イ 二 乗 検 定 、な ら び に 2 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 の 結 果 、各 独 立 変 数 の 有
意 確 率 は 以 下 の 通 り と な っ た ( 表 9 参 照 )。
【 表 9】 分 析 結 果 一 覧
クチコミ実施有無
項 目
低群クチコミ実施有無
ロジスティック
回帰分析
χ ²検定
ロジスティック
回帰分析
χ ²検定
【基本的属性】
①年齢
n.s.
②性別
††
→
③婚姻関係の有無
④居住地
††
*
→
→
††
→
・・・
†
††
→
†
†
*
n.s.
*
→
†
【観戦者の特性】
⑤座席の位置
n.s.
††
→
・・・
⑥チケットの種類
***
→
・・・
**
→
**
⑦来場時間
⑧昨シーズンの観戦経験
**
***
→
→
・・・
***
n.s.
††
→
・・・
⑨ファン歴
n.s.
n.s.
***p <.001 **p <.01 *p <.05 †p<.10 ††p<.25
n.s. 有意差なし
…変数として採択されず
34
4.2
基本的属性とクチコミ実施有無の関連
表 4・ 表 5 よ り 、 カ イ 二 乗 検 定 、 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 双 方 で 有 意 差 が 見 ら
れ た 項 目 は 、 居 住 地 で あ っ た 。 横 浜 F・ マ リ ノ ス が 、 市 内 居 住 者 の 間 で 、 市 外 居
住 者 に 比 べ て 話 題 に さ れ て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。J リ ー グ 観 戦 者 調 査( 2011)
2) に よ る と 、観 戦 者 の 観 戦 動 機 と し て「 地 元 の ク ラ ブ だ か ら 」が
12 項 目 中 3 番 目
に、
「 ク ラ ブ が 地 域 に 貢 献 し て い る か ら 」が 12 項 目 中 7 番 目 に そ れ ぞ れ 挙 げ ら れ
ており、本研究において、J リーグのクラブチームが地域住民に認知され、地域
貢献活動などを通じて住民の間で話題となっている可能性が示唆された。
また、カイ二乗検定、2 項ロジスティック回帰分析双方で有意差は見られなか
ったものの、女性は男性に比べ、既婚者は未婚者に比べクチコミを行う傾向にあ
ることが明らかとなった。クチコミに関連して性差を用いて分析した研究では、
女性が男性に比べクチコミの影響を受けやすいことを明らかにした研究
( Wangenheim and Bayon,2004;Kempf and Palan,2006)25) 26) が 存 在 し て い る 。
ま た 、 ク チ コ ミ さ れ た 人 間 は 他 者 に も ク チ コ ミ す る ( Sheth,1971) 27) こ と か ら 、
スポーツ観戦においても、女性は男性に比べ多くの人間のクチコミを参照し、そ
こから得た情報を他者へと伝達している可能性が示唆された。また、既婚者と未
婚 者 の 比 較 に 関 し て は 、 ス ポ ー ツ 観 戦 に 関 す る 話 題 が 「趣 味 」の カ テ ゴ リ と み な さ
れ、夫婦間で話題として取り上げられていると推察される。
35
4.3
観戦者の特性とクチコミ実施有無の関連
表 4・ 表 5 よ り 、 カ イ 二 乗 検 定 、 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 双 方 で 有 意 差 が 見 ら
れた項目は、昨シーズンの観戦経験であった。カイ二乗、ロジスティック回帰分
析 双 方 で 0.1%水 準 の 有 意 確 率 を 満 た し 、オ ッ ズ 比 も 全 変 数 中 最 も 大 き い 値( 3.900)
となった。スポーツ観戦者の観戦回数の多寡に着目した研究はこれまで数多く行
わ れ て お り ( 藤 本 ら ,1996;斎 藤 ,2011) 8)28) 、 観 戦 回 数 の 多 い 群 は 少 な い 群 に 比 べ
て 推 奨 意 向 が 高 い ( 井 上 ,2012) 13) こ と や 、 ロ イ ヤ リ テ ィ や チ ー ム ・ ア イ デ ン テ
ィフィケーション、いわゆるファンがスポーツチームに対して持つ 帰属意識(原
田 ,2008) 29) が 高 い ほ ど 観 戦 回 数 が 多 く な る こ と な ど が 明 ら か と な っ て い る 。 本
研究において、観戦回数の多い群が少ない群に比べてチームに関するクチコミを
発 信 し て い る 割 合 が 高 い こ と が 明 ら か と な っ た 。数 多 く の 試 合 を 観 戦 す る こ と で 、
横 浜 F・ マ リ ノ ス の 試 合 に 関 す る 話 題 の 数 、 周 囲 へ の ク チ コ ミ 機 会 が 増 え た も の
と考えられる。
36
4.4
基本的属性と観戦頻度低群へのクチコミ実施有無の関連
表 7・ 表 8 よ り 、 カ イ 二 乗 検 定 の み で 有 意 差 が 見 ら れ た 項 目 は 、 居 住 地 で あ っ
た 。 横 浜 F・ マ リ ノ ス が 、 市 内 居 住 者 に と っ て 、 市 外 居 住 者 に 比 べ て 観 戦 低 群 や
非 観 戦 群 に 対 し て 話 題 に な っ て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。 4.2 項 で 得 ら れ た 知
見 と 総 合 す る と 、 横 浜 F・ マ リ ノ ス が 地 域 貢 献 活 動 な ど を 通 じ て 市 内 居 住 者 に 認
知されることで、市外居住者に比べ、サッカー観戦を積極的に行っていない人々
の間でも、チームのことが話題として受容されていると考えられる 。
また、カイ二乗検定、2 項ロジスティック回帰分析双方で有意差は見られなか
ったものの、男性は女性に比べ指導的なクチコミを行う傾向にあることが明らか
と な っ た 。ス ポ ー ツ 観 戦 者 に 関 連 し て 性 別 を 用 い て 分 析 し た 研 究 は 、斎 藤( 2011)
28) に よ る と 、 動 機 要 因 、 態 度 と ロ イ ヤ リ テ ィ 、 チ ー ム ・ ア イ デ ン テ ィ フ ィ ケ ー シ
ョンなどを比較したものが数多く行われてきたが、性差が現われるかどうかは用
いる尺度によって異なるほか,尺度を構成する要素によって差の現われるものと
現れないものがあることが示唆されている。今回の分析では、性差が現われる結
果となった。この要因として、J リーグのファンコミュニティの中心メンバーに
男性が多いことが挙げられる。チームの応援をリードしたり、巨大なフラッグを
振ったりする彼らの姿を見て、ファンの間に“スポーツ観戦・贔屓チームの応援
は男性が中心となって行うもの”という意識が醸成され、結果として指導的なク
チ コ ミ が 男 性 主 導 で 行 わ れ る よ う に な っ た の で は な い か と 推 察 さ れ る 。 4.2 で 得
られた「女性が積極的にクチコミする傾向にある」という知見と比較すると、ク
チコミの性質によって発信者の性別に異なる傾向が見られることも明らかとなっ
た。
37
4.5
観戦者の特性と観戦頻度低群へのクチコミ実施有無の関連
表 7・ 表 8 よ り 、 券 種 は 、 カ イ 二 乗 検 定 、 2 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 双 方 で
有意な関連が見られ、2 項ロジスティック回帰分析において算出されたオッズ比
は 2.270 と な っ た 。 シ ー ズ ン チ ケ ッ ト 所 持 者 は 非 所 持 者 に 比 べ 、 自 身 の 観 戦 経 験
を観戦頻度低群・非観戦群に対して積極的にクチコミしていることが明らかとな
った。
J リ ー グ 観 戦 者 の 推 奨 意 向 に 関 す る 研 究 を 行 っ た 井 上( 2012)13) に よ る と 、
“推
奨意向の強いものであっても必ずしもシーズンチケットを保有しているわけでは
ない”ものの、観戦者を券種ごとに分類した際、推奨意 向の高い観戦者の割合が
最 も 高 か っ た セ グ メ ン ト は シ ー ズ ン チ ケ ッ ト 保 持 者 で あ っ た 。 4.3 項 で 述 べ た と
おり、クラブチームのシーズンチケット所持者は高い頻度で試合観戦を行い、そ
の経験を、自身より観戦経験の少ない友人・知人へと伝えていると考えられる。
こ れ ら の 結 果 を 踏 ま え る と 、本 研 究 は「 ヘ ビ ー・ユ ー ザ ー が ミ デ ィ ア ム 、ラ イ ト ・
ユ ー ザ ー に 対 し て 指 導 的 な 役 割 を 果 た す 」 と い う 大 野 ( 2007) 6) の 先 行 研 究 を 支
持するものであったと言える。
38
5. 結 論 ・ 本 研 究 の 限 界
本研究では、クチコミを行う観戦者、および観戦頻度の低い群に対してクチコ
ミを行う観戦者の特性を明らかにすることを目的に、基本的属性として①年齢②
性 別 ③ 婚 姻 関 係 の 有 無 ④ 居 住 地 の 4 項 目 を 、観 戦 者 の 特 性 に 関 す る 項 目 と し て ⑤
座席の位置⑥チケットの種類⑦来場時間⑧昨シーズンの観戦経験⑨ファン歴の 5
項 目 を 変 数 に 用 い 、カ イ 二 乗 検 定 、な ら び に 2 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 を 行 い 、
各独立変数の有意確率を算出した。その結果、市外居住者よりも市内居住者、男
性よりも女性、観戦経験低群よりも観戦経験高群にクチコミを行う傾向が、市外
居 住 者 よ り も 市 内 居 住 者 、女 性 よ り も 男 性 、ST 非 所 持 者 よ り も ST 所 持 者 に 低 群
ク チ コ ミ を 行 う 傾 向 が 見 ら れ た 。本 研 究 に よ っ て 、ク チ コ ミ を 行 っ て い る 観 戦 者 、
な ら び に 観 戦 頻 度 低 群・非 観 戦 群 に 対 し て ク チ コ ミ を 行 っ て い る 観 戦 者 の 特 徴 を 、
定量的なデータに基づいて明らかにできた。
これらの知見から、観戦者自身のクチコミによって、ライト・ユーザーやミド
ル・ユーザーをヘビー・ユーザーへと引き上げたり、潜在観戦者の掘り起こしに
つなげられたりするクチコミマーケティングの実現に際し、有益な示唆を与えら
れると考えられる。クチコミ、指導的なクチコミに積極的な観戦者の特徴を明示
す る こ と で 、た と え ば ク チ コ ミ に 積 極 的 な 市 内 居 住 者 の 話 題 づ く り が 重 要 で あ る 、
と い っ た ク チ コ ミ を 促 す プ ロ モ ー シ ョ ン の タ ー ゲ ッ ト 選 定 や 、ST 所 持 者 に 対 し 、
ライト・ユーザーにメリットがありそうなイベントをアピールすることで指導的
なクチコミを促す、といった施策を行う際の一助となる。
しかしながら、本研究の限界点・今後の課題として、まず、クチコミの内容に
着目しきれなかったことが挙げられる。本研究では、観戦頻度の低い人間へのク
チコミを“指導的なクチコミ”と定義したが、実際にはそのようなクチコミがす
べて指導的であるとは限らない。この点に関しては、インタビューをはじめとし
た質的研究を通じ、指導的なクチコミの特性である、クチコミ受信者のチーム愛
39
着度・観戦意図の増大につながるクチコミの性質を明らかにする必要があると考
えられる。また、今回行った調査では、インターネット上でクチコミを実施して
いる観戦者のサンプルを十分に確保できなかった。今後はインターネット調査、
とりわけファン同士が交流するコミュニティサイトなどへのアプローチを通じて、
インターネット上でのクチコミの実態や、本研究でリーチできなかった観戦未経
験者やクチコミ受信者にも着目した研究が求められる。
40
6. 引 用 ・ 参 考 文 献
1) 武 藤 泰 明 (2008) ス ポ ー ツ フ ァ イ ナ ン ス ,大 修 館 書 店 ,pp.101-103
2) J リ ー グ 公 式 サ イ ト ; J リ ー グ に つ い て -観 戦 者 調 査
URL:http://www.j-league.or.jp/aboutj/document/spectator-survey.html
3) Vokas Mittal and Wanger A. Kamakura (2001) Satisfaction, Repurchase
Intent, and Repurchase Behavior: Investigating the Moderating Effect of
Customer Characteristics, Journal of Marketing Research Vol.38, No.1, and
Feb
4) 原 田 宗 彦 (2008) ス ポ ー ツ マ ー ケ テ ィ ン グ , 大 修 館 書 店 ,pp.82-83
5) 吉 田 政 幸 (2011) ス ポ ー ツ 消 費 者 行 動:先 行 研 究 の 検 討 , ス ポ ー ツ マ ネ ジ メ ン
ト研究
第 3 巻第 1 号
6) 大 野 貴 司 (2007) フ ァ ン コ ミ ュ ニ テ ィ : 性 格 と 機 能 ,体 育 ・ ス ポ ー ツ 経 営 学 研
究 21 (1) pp.47-55
7) Alan S. Dick, Kunal Basu (1994) Customer Loyalty: Toward an Integrated
Conceptual Framework, Journal of the Academy of Marketing Science, Vol. 22,
No. 2, pp99-113
8) 藤 本 淳 也 , 他 (1996) プ ロ ス ポ ー ツ 観 戦 回 数 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 に 関 す る 研
究 ‐ 特 に ,プ ロ 野 球 の チ ー ム ロ イ ヤ ル テ ィ に 注 目 し て , 大 阪 体 育 大 学 紀 要 , 第 27
巻 , pp.51-62
9) 齋 藤 れ い (2010) ス ポ ー ツ 観 戦 に お け る 経 験 価 値 尺 度 (EVSSC)の 開 発 ,早 稲
田 大 学 審 査 学 位 論 文 博 士 (ス ポ ー ツ 科 学 )
10) Arndt, Johan (1967) Role of Product Related Conversations in the
Diffusion of a new Product, Journal of Marketing Research,4,pp.291 -93
11) 安 藤 和 代 (2008) ク チ コ ミ と 感 情 伝 播 "リ ア ル ・ ク チ コ ミ と e ク チ コ ミ の 異
質 性 の 考 察 ",早 稲 田 大 学 大 学 院 商 学 研 究 科 商 学 研 究 科 紀 要 pp137-148
41
12) Rosen, Emanuel (2000) The Anatomy of Buzz: How to Create
Word-of-Mouth Marketing, Random House. ( 濱 岡 豊 訳 『 ク チ コ ミ は こ う し て つ
く ら れ る -お も し ろ さ が 伝 染 す る バ ズ ・ マ ー ケ テ ィ ン グ 」 日 本 経 済 新 聞 社 ,2002)
13) 井 上 尊 寛 (2012) サ ッ カ ー 観 戦 者 に お け る 推 奨 意 向 に 関 す る 研 究 ,法 政 大 学
ス ポ ー ツ 健 康 学 研 究 ,法 政 大 学 ス ポ ー ツ 健 康 学 部
14) Lazarsfeld, Paul F., Bernard Berelson and Hazel Gaudet (1944) The People ’
s Choice: Columbia University Press ( 有 吉 広 介 監 訳 『 ピ ー プ ル ズ ・ チ ョ イ ス 』
芦書房)
15) Hennig-Thurau, Thorsten and Gianfranco Walsh (2003) Electronic Word -of
mouth: Motives for and Consequences of Reading Customer Articulations on
the Internet, International Journal of Electronic Commerce,8 (2) ,pp51 -74
16) John D. Claxton, Joseph N. Fry and Bernard Portis ( 1974) A Taxonomy of
Prepurchase Information Gathering Patterns, Journal of Consumer Research
Vol. 1, No. 3, pp35-42
17) Day, George S. (1971) Attitude Change, Media and Word of mouth, Journal
of Advertising, Vol.11, No.6, pp.31-40
18) Murray, K.B. (1991) A Test of Services Marketing Theory:
information acquisition activities, Journal of Marketing,
consumer
Vol.55,
No.1,
pp10-25
19) 濱 岡 豊 (1994) ク チ コ ミ の 発 生 と 影 響 の メ カ ニ ズ ム ,消 費 者 行 動 研
究 ,Vol.2,No.1 pp.29-74
20) Mangold, W.G., Miller, F. and Brockway, G.R. (1999) Word -of-mouth
communication in the services marketplace, Journal of Consumer Research,
Vol. 14, March, pp.522-530
21) Word of Mouth Marketing Association (WOMMA)
42
URL: http://www.womma.org/
22) WOM マ ー ケ テ ィ ン グ 協 議 会
URL: http://womj.jp/
23) 井 上 達 彦 (2008) 顧 客 コ ミ ュ ニ テ ィ に お け る 社 会 関 係 資 本 の 構 築 ─ ─ 浦 和 レ
ッ ズ の 公 式 サ ポ ー タ ー ズ ・ ク ラ ブ の 組 織 化 原 理 ─ ─ ,早 稲 田 商 学 第 416 号
24) 対 馬 秀 輝 (2008) SPSS で 学 ぶ 医 療 系 多 変 量 デ ー タ 解 析 ,東 京 図 書
25) Florian v. Wangenheim, Tomás Bayón (2004) The effect of word of mouth
on services switching: Measurement and moderating variables, European
Journal of Marketing, Vol. 38 Iss : 9/10, pp.1173-1185
26) Kempf, DeAnna S.Palan, Kay M (2006) The effects of gender and argument
strength on the processing of word-of-mouth communication, Academy of
Marketing Studies Journal
27) Jagdish N.Sheth (1971) Word-of-mouth in Low Risk Innovations, Journal
of Advertising Research
28) 齋 藤 れ い ,原 田 宗 彦 ,広 瀬 盛 一 (2011) ス ポ ー ツ 観 戦 者 に お け る 経 験 価 値 の 比
較 に 関 す る 研 究 : 個 人 属 性 の 違 い に 着 目 し て ス ポ ー ツ 科 学 研 究 8,pp35-47
29) 原 田 宗 彦 (2008) ス ポ ー ツ マ ー ケ テ ィ ン グ , 大 修 館 書 店 ,pp.85
43
【第 3 部】
調査票・謝辞
44
アンケート調査へのご協力のお願い
このアンケートは、「スポーツ観戦の勧誘行動を規定する要因に関する研究」のための情報収集することを目的に、本日ご観戦の皆様を対象にして施設満足度
調査を実施しております。ご回答はすべて匿名でいただき、調査結果は統計的に処理いたします。
本調査の趣旨をご理解の上、アンケートのご協力によろしくお願い致します。
早稲田大学大学院
※回答方法:答えは、あてはまる番号に○印をつけるか、
(
スポーツ科学研究科
)内に数字などを記入してください。
問 1 あなたの座席は、次のうちどちらですか。
(○はひとつ)
1.1 階 SS 席
2.2 階 SS 席
3.1 階 SB 席
6.2 階 S 席
7.SSS 席
8.1 階ホーム自由席(ゴール裏)
10.1 階ホーム自由席(バックスタンド側)
4.2 階 SB 席
11.2 階ホーム自由席(バックスタンド側)
5.1 階 S 席
9.2 階ホーム自由席(ゴール裏)
12.その他(
)
問 2 あなたは本日のチケットをどのように入手されましたか。
(○はひとつ)
1.シーズンチケット
2.前売り券
問 2-1
いつ頃購入されましたか。
(○はひとつ)
3.当日券
1.発売と同時~15 日前 2.14 日前~4 日前 3.3 日前~前日
4.招待券
5.その他(
)
問 3 本日の試合に関する情報はどこで入手しましたか。
(○はいくつでも)
1.新聞(新聞名
)
2.雑誌(雑誌名
)
3.PC サイト(サイト名
)
4.SNS サイト(サイト名
)
5.友人から聞いて
6.テレビ
7.日産スタジアムのホームページ
8.横浜 F・マリノスのホームページ
9.J リーグのミニスケジュール
10.その他(
)
問 4 本日のスタジアム到着時間(トリコロールランド、トリコロールワン含む)をお答えください。
〔
午前
・
午後
〕
(
) 時 (
) 分
問 5 本日の試合はどなたと一緒に、何人でご観戦予定ですか。
(○はいくつでも)
1.一人で来た
2.家族
3.友人
同伴人数:あなた自身を含めて(
4.恋人
5.職場の同僚
6.その他(
)
)人
問 6 この試合を観戦された理由について、以下の項目はどのくらいあてはまりますか。以下の項目について、それぞれ当てはまる番号に一つだけ
○を付けてください。
(○はひとつ)
全くあてはまらない・・・・・・・・・・・大いに当てはまる
1.横浜 F・マリノスの成績を見て
1
2
3
4
5
6
7
2.友人・家族に誘われたから
1
2
3
4
5
6
7
3.レジャーとして楽しいから
1
2
3
4
5
6
7
4.スケジュールの都合がよかったから
1
2
3
4
5
6
7
5.横浜 F・マリノスを応援したいから
1
2
3
4
5
6
7
6.サッカーの観戦が好きだから
1
2
3
4
5
6
7
7.好きな選手を応援したいから
1
2
3
4
5
6
7
8.周囲で盛んに話題になっているから
1
2
3
4
5
6
7
※次ページに続く
※前ページの続き
全くあてはまらない・・・・・・・・・・・大いに当てはまる
45
9.チケットをもらったから
1
2
3
4
5
6
7
10.今日の対戦相手との試合が魅力的だから
1
2
3
4
5
6
7
11.横浜 F・マリノスが地域に貢献しているから
1
2
3
4
5
6
7
12.施設の立地が良いから
1
2
3
4
5
6
7
問 7 あなたは横浜 F・マリノスの試合を今後も観戦しますか。「1:全くあてはまらない」から「7:大いにあてはまる」でお答えください。
(○
はひとつ)
全 く あ て は ま ら な い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 大 い に 当 て は ま る
1
2
3
4
5
6
7
問 8 あなたは昨年度、どのくらいの頻度で横浜 F・マリノスのホームゲームを観戦されましたか。
およそ(
)試合
問 9 あなたは周囲の人を、横浜 F・マリノスの試合観戦に誘いますか。1:全くあてはまらない」から「7:おおいにあてはまる」でお答えくだ
さい。
(○はひとつ)
全 く あ て は ま ら な い ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 大 い に 当 て は ま る
1
2
3
4
5
6
7
問 10 あなたが過去にスポーツ観戦をしなかった理由として、以下の項目はどのくらいあてはまりますか。すべての項目について、最もあては
まる番号に○を付けてください。
(○はひとつ)
全くあてはまらない・・・・・・・・・・・大いに当てはまる
1.スポーツ観戦はつまらなかった
1
2
3
4
5
6
7
2.スポーツ観戦に興味がなかった
1
2
3
4
5
6
7
3.スポーツ観戦に誘ってくれる人がいなかった
1
2
3
4
5
6
7
4.一緒にスポーツ観戦をする人がいなかった
1
2
3
4
5
6
7
5.スケジュールが合わなかった
1
2
3
4
5
6
7
6.スポーツ観戦する十分な時間がなかった
1
2
3
4
5
6
7
7.会場が遠かった
1
2
3
4
5
6
7
8.アクセスが悪かった
1
2
3
4
5
6
7
9.スポーツ観戦以外のことにお金を使いたかった
1
2
3
4
5
6
7
10.スポーツ観戦するお金がもったいなかった
1
2
3
4
5
6
7
問 11 あなたは横浜 F・マリノスのサポーターですか。もしそうであれば、応援して何年目ですか。
1.はい(応援して
年目)※今シーズンから応援するようになった方は「1 年目」としてください
2.いいえ →A.アウェイクラブのサポーター
B.その他サッカークラブ(クラブ名
)のサポーター
3.応援しているクラブは特にない
問 11-1 問 11 で「1.はい」と答えた方にお尋ねします。以下の項目について、それぞれ当てはまる番号に一つだけ○を付けてください。
全くあてはまらない・・・・・・・・・・大いに当てはまる
1.私は、横浜 F・マリノスの熱烈なサポーターである
1
2
3
4
5
6
7
2.私は、横浜 F・マリノスのサポーターであることを周囲に知らせたい
1
2
3
4
5
6
7
3.私は、チームの好不調に関わらず、横浜 F・マリノスを応援する
1
2
3
4
5
6
7
※次ページに続く
46
問 12 あなたは横浜 F・マリノスの試合観戦に関する内容(スタジアムで試合を観た経験、感想など)を、周囲に話したり、電話やメールで伝
えたりすることはありますか。また、それはどのくらいの頻度ですか?
1. はい
〔 月 ・
週 ・ 日
〕 に 〔
〕回
2.いいえ
問 12-1 問 12 で『1.はい』と答えた方にお伺いします。あなたが横浜 F・マリノスの試合観戦に関する内容を話す方はどなたですか?以下の
選択肢からあてはまるものを全てお答えください。
(○はいくつでも)
1.家族
2.友人
3.恋人
4.職場の同僚
5.その他(
)
問 12-2 問 12 で『1.はい』と答えた方にお伺いします。あなたが横浜 F・マリノスの試合観戦に関する内容を特に良く話す方を思い浮かべて
下さい。その方々の特徴に関して、以下の項目のうち、あてはまる項目をお答えください。
【最も良く話をする人】
1.あなたとのご関係
1.家族
2.友人
3.恋人
4.職場の同僚
5.その他(
)
2.F・マリノスのサポーター
サポーター歴(
)年 / ホームゲーム観戦頻度(
)回 (昨年度の観戦回数)
歴/ホームゲーム観戦頻度
【2 番目に良く話をする人】※思い浮かばない場合、空欄のまま問 13 の回答にお進みください
1.あなたとのご関係
1.家族
2.友人
3.恋人
4.職場の同僚
5.その他(
)
2.F・マリノスのサポーター
サポーター歴(
)年 / ホームゲーム観戦頻度(
)回 (昨年度の観戦回数)
歴/ホームゲーム観戦頻度
【3 番目に良く話をする人】※思い浮かばない場合、空欄のまま問 13 の回答にお進みください
1.あなたとのご関係
1.家族
2.友人
3.恋人
4.職場の同僚
5.その他(
)
2.F・マリノスのサポーター
サポーター歴(
)年 / ホームゲーム観戦頻度(
)回 (昨年度の観戦回数)
歴/ホームゲーム観戦頻度
問 13 あなたはインターネット上で、直接会ったことがない人(ex.ブログの閲覧者、SNS 上で直接会ったことがないフォロワーなど)に対して、
横浜 F・マリノスの試合観戦に関する内容を発信していますか。
1.はい
〔 月 ・
週 ・
日 〕 に
〔
〕回
2.いいえ
問 13-1 問 13 で『1.はい』と答えた方にお伺いします。あなたが横浜 F・マリノスの試合観戦に関する内容を発信する方法は次のうちどれで
すか。以下の選択肢からあてはまるものを全てお答えください。
(○はいくつでも)
1.Twitter
2.Facebook
3.mixi
5.匿名掲示板
6.ブログ
7.その他(
4.ハマトラ SNS
)
問 13-2 問 13 で『1.はい』と答えた方にお伺いします。あなたがインターネット上で、直接会ったことがない人に対して発信している横浜 F・
マリノスの試合観戦に関する内容はどのようなものですか。できるだけ具体的にお書きください。
※次ページに続く
47
問 14 横浜 F・マリノスのマーケティング部長、永島誠氏は“満員のスタジアムを実現するためにはクチコミの効果が一番です”と述べています。
観戦者自身のクチコミを増やすために、クラブはどのような取り組みが必要だとお考えですか。あなたの考えをご自由にお書きください。
【最後に、あなた自身のことについておたずねします。これらの項目は統計的な処理を行うためのものであり、回答から個人が特定されることはあり
ませんので安心してお答えください。】
問 15 あなた自身のことに関して、以下の質問にお答えください。
1.年齢・性別
2.お住まいの郵便番号
3.ご家族
年齢(
)歳
〒(
1.独身
性別〔 1.男性
-
2.既婚
2.女性 〕
)
→お子様は〔 1.いない 2.いる 〕
→2.いる と答えた方 一番下のお子様の年齢は(
4.主な職業(○はひとつ)
)歳
1.自営業
2.販売・サービス、保安の仕事
3.管理的な仕事
4.事務的な仕事
5.専門的、技術的な仕事
6.主婦・主夫
7.学生・生徒
8.その他(
)
質問は以上になります。ご協力ありがとうございました。ご記入いただいた質問票は調査員が回収に来た際にお渡しください。
48
謝辞
本論文を執筆するに当たり、多大なるご指導をいただきました主査の間野義之
先生に心より感謝申し上げます。日々のゼミにおける的確な指導のみならず、ゼ
ミ 10 周 年 記 念 式 典 に 、 大 学 院 ゼ ミ 長 と し て 様 々 な 形 で 携 わ っ た こ と は 、 自 分 に と
って非常に大きな経験となりました。また、副査として数々の鋭いご指摘をして
くださった原田宗彦先生、松岡宏高先生にも心より感謝申し上げます。
また、先輩の舟橋弘晃さん、同期の井上壽尚君、小石原誠君、中村彩乃さん、
藤岡成美さん、後輩の石下智大君、小林萌さん、鄭民澤君、藤原琢太郎君、松本
洋樹君、守山隆司君、そしてご自身の仕事を持ちつつ、真摯に論文に取り組んで
いらっしゃった社会人修士の湊岳さん、小笠原大介さん、桂田隆行さん、我部乱
さん、後藤淳子さん、齋藤尚美さん、佐々木邦彦さん、高嶋康司さん、根本賢一
さん、矢倉裕さん、吉田篤司さん。辛いとき、苦しいとき、近くで支えてくれた
仲間の存在はとても心強く、皆さんとのつながりは一生の財産になると確信して
おります。
2 年 間 の 大 学 院 生 活 の う ち 、多 く の 時 間 を 過 ご し た 東 伏 見 の 研 究 室 で は 、原 田 研
究室、松岡研究室、武藤研究室の同期や先輩、後輩に囲まれ、とても充実した時
間を過ごすことができました。この場を借りて感謝申し上げます。
そ し て 研 究 フ ィ ー ル ド を 提 供 し て 下 さ っ た 横 浜 F・マ リ ノ ス 関 係 者 の 皆 様 に も 心
より感謝申し上げます。しばらくは 1 サポーターとして、週末にはスタンドから
声援を送らせていただきます。
最後に、私のわがままを受け入れ、大学院進学を後押しして下さった両親には
感謝してもしきれません。この恩に報いるためにも、これからは大学院生活を通
じて学んだ“スポーツ”を軸に自らの人生を切り開く所存です。
2013 年 2 月 21 日
J リ ー グ 2013 シ ー ズ ン 開 幕 を 9 日 後 に 控 え た 東 伏 見 の 研 究 室 に て
49
Fly UP