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専門文献購読Ⅱ 第13回: Innovator`s Dilemma Chapter

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専門文献購読Ⅱ 第13回: Innovator`s Dilemma Chapter
U
Innovator’s Dilemma
Chapter 2
Value Networks and the
Impetus to Innovate
発表
p34
E OHCP MF A RE
b
metric:[形]①メートル法の ②韻律の、韻文の
(metric system:メートル法)
metrics:[名] 韻律学、作詞法
-metrics は, この前に付く言葉に「尺度」、さらには「計量法,測定
法,測定学」という意味を与える言葉です.たとえば,biometricsは
「生体測定学」と訳されますが、生体を統計的な手法で測定する方法で
す。情報の分野で、software metricsとは「ソフトウェアメトリック
ス、ソフトウェアの品質測定、ソフトウェア計量法」を意味する。
どの辞書にも、 "-"のないmetricsに対して「計量法,測定法,測定学」
という訳は見あたらず、「韻律法,韻律学」(計量を表すものと語源が異
なるようです)とある。
electronicの形容詞がelectronicsになって「電子工学」になるように、
metric「計量的な」から、metricsは「計量法,測定法,測定学」と変
化していると考えられる。
定着はしていないが、-icsは「∼法、∼学」を表す接尾辞と考えられる。
http://lise-sophia.net/kktm/Essay/metrics.htm(上智大学・伊藤潔)
発表
p34
The way value is measured differs across network.
価値を測る方法はネットワークによって異なる。
In fact, the unique rank-ordering of the importance of
various product performance attributes defines, in part, the
boundaries of a value network.
実際、製品性能に関する様々な属性の重要性を独自に順位付けする
ことで、ある程度、バリューネットワークの境界を定義できる。
Examples in Figure 2.2, listed to the right of the center
column of component boxes, show how each value network
exhibits a very different rank-ordering of important
products attributes, even for the same product.
図2.2の例では、同じ製品であってもバリューネットワークによっ
て、重要な製品属性の順位付けが異なるものとなることが示され
ているのが、構成図の中心の右側にリストされている。
発表
p34
In the top-most value network, disk drive performance is
measured in terms of capacity, speed, and reliability,
whereas in the portable computing value network, the
important performance attributes are ruggedness, low
power consumption, and small size.
一番上のバリューネットワークにおけるHDDの性能は、容量、速
度、信頼性の観点から計測され、一方でポータブルパソコンのバ
リューネットワークにおいて、重要な性能属性は頑健性、低消費
電力、小型化となる。
発表
p34
Consequently, parallel value networks, each built around a
different definition of what makes a product valuable, may
exist within the same broadly defined industry.
従って、製品の有用性に関する異なる定義に基づく並列的なバリ
ューネットワークが、広義では同じ産業内に共存しているかも知
れない。
発表
p34
Although, many components in different systems-of-use
may carry the same labels (for examples, each network in
Figure 2.2 involves read-wright heads, disk drives, RAM
circuits, printers, software, and so on), the nature of
components used may be quite different.
しかしながら、(例えば、図2.2の各ネットワークには読み書きヘ
ッド、ディスク・ドライブ、RAM基盤、プリンター、ソフトウェ
ア等が含まれているが)異なる利用システムにおいて多くの部品
が同じ呼称となっていても、使われた部品の性質としては全く異
なるものがある。
発表
p34
Generally, a set of competing firms, each with its own value
chain, is associated with each box in a network diagram,
and the firms supplying the products and services used
network diagram, and the firms supplying the products and
services used in each network often differ (as illustrated in
Figure 2.2 by the firms listed to the left of the center
column of component boxes).
ネットワーク図の各々の枠内に、各々のバリューチェーンを持った
競合する企業が関連付けられ、(構成図の真ん中の左側に列挙され
た企業名が示すように)各々のネットワークに使われている製品や
サービスを提供する企業はしばしば異なったものとなっている。
発表
p34-36
As firms gain experience within a given network, they are likely
to develop capabilities, organizational structures, and cultures
tailored to their value network s distinctive requirements.
企業は特定のネットワークで経験を得ることで、バリューネット
ワーク独自の要件に適合させた可能性、組織構造、文化を身に付
ける可能性が高い。
Manufacturing volumes, the slope of ramps to volume
production, product development cycle times, and organizational
consensus identifying the customer and the customer s needs
may differ substantially from one value network to the next
生産量、量産に向けての増産勾配、製品開発期間、顧客と顧客ニ
ーズに合致させていくための組織的コンセンサスがバリューネッ
トワークそれぞれで大幅に異なるものとなるだろう。
発表
p36
Given the data on the prices, attributes, and performance
characteristics of the thousand of disk drive models sold
between 1976 and 1989, we can use a technique called
hedonic regression analysis to identify how markets valued
individual attributes and how those attributes value
changed over time.
1976年から1989年の間に販売された数千種類のHDDの価格、属
性、性能のデータを用いて、ヘドニック回帰分析と呼ばれる手法
を使い、市場が個々の属性をどのように評価し、それらの属性評
価を時が経つに連れて変化させたかを明確にすることができる。
発表
p36
Essentially, hedonic regression analysis expresses the total
price of a product as the sum of individual so-called
shadow prices (some positive, other negative) that the
market places on each of the product s characteristics.
基本的にヘドニック回帰分析が、市場が各々の製品特徴として位
置づけるところの個々のいわゆる潜在価格(正数もあれば負数も
ある)の合計としての製品全体価格を表す。
Figure 2.3 shows some results of this analysis to illustrate
how different value networks can place very different
values on a given performance attribute.
図2.3は分析の結果として、バリューネットワークが異なれば、一
定の性能特性において非常に異なる価値を置くということを示し
ている。
発表
p36
Customers in the mainframe computer value network in 1988
were willing on average to pay $1.65 for an incremental
megabyte of capacity; but moving across the minicomputer,
desktop, and portable computing value networks, the shadow
price of an incremental megabyte of capacity declines to
$1.50, $1.45, and $1.17, respectively.
1988年の時点のメインフレームコンピューターのバリューネット
ワークにおける顧客は、平均してメガバイト単位の容量増加に
1.65ドルを喜んで払っていた; しかしミニコンピューター、デス
クトップ、ポータブルコンピューターと移って行くと、メガバイト
単位の容量増に対する潜在価格は、それぞれ1.5ドル、1.45ドル、
1.17ドルへと減少していった。
発表
p37
Conversely, portable and desktop computing customers
were willing pay a high price in 1988 for a cubic inch of
size reduction, while custom in the other networks placed
no value on that attribute at all.
ポータブルコンピューター、デスクトップコンピューターの顧客
は、1988年には1インチ立方単位のサイズ縮小に高価格を喜んで
払う用意があったが、一方で他のネットワークの顧客にはそのよ
うな特性には全く価値を置かなかった。
p29
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なぜ技術変化に直面してつまづく企業があるのかを説明するのに
役立つ2つのアプローチを以下にまとめる。
本章のもっとも重要な目的は、バリューネットワークの概念に基
づく優良企業が失敗する理由についての第三の理論を提案するこ
とである。
HDD業界で起こったことを説明するに当っては、他の2つの理論
より、バリューネットワーク概念は大きな力になると思われる。
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68/ 51 165 3
- 3 5 165
a W b
5
5 /-81 3
6. . 13 8b
優良企業が失敗する理由として、官僚主義、自己満足、リスクを
避ける文化などの単純な理由があげられる。
会社の組織構造は、多くの製品開発組織が部品ごとのサブグループ
に分かれているために、部品レベルのイノベーションを助長する。
アーキテクチャー技術(全体構成設計技術)の変化が求められる
時には、人々とグループが新しい方法で、コミュニケーションを取
り、共同作業をすることが求められるイノベーションとなり、こ
のタイプの組織はじゃまになる。
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131 1-
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8 1 3 - 05636/
5 - 3 5 165
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優良企業の失敗の理由を見極める際には、まったく異なる技術能
力が要求されるイノベーション、いわゆる「急激な変化」と、とて
も熟達した技術力に基づく、いわゆる斬新的イノベーションと呼
ばれるものとは、区別されることがある。
この見解を取る学者は、既存企業は長く良いとされているものを改善
することに優れている傾向があるが、新規参入企業は、しばしば、既
に開発され利用されてきたある産業の技術を別の産業に移植するの
で、急進的な新技術を活用するのにより適していると見ている。
企業は、技術変化が過去に磨かれてきた能力の価値が破壊された
時に失敗し、新技術が能力の価値を高めた時に、成功する。
でもやはりHDD業界にはどの理論でも説明できない一連の例外がある。
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0- 81 -8 6. . 13 8-Vu
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a W b
W
新規参入企業と既存企業における成功と失敗はどう説明されるのか。
以下の議論を通じて、HDDの産業の歴史に基いて、成功から失敗
の関係や技術と市場構造における変化についての新しい視点を編
み出していく。
企業が顧客のニーズに応え、問題を解決し、インプットを調達し、競
合に対応し、利益を追求すると言う文脈において、 バリューネットワ
ークの概念はこの編み出されるものの中核となる。
既存企業においては、期待収益を得るために、資源配分を持続的イノ
ベーションに向け、破壊的イノベーションには向けない。
前者では既存企業が安定してリーダーシップを取り、後者では惨
めな結果となることを、 この資源配分パターンで説明できる。
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ある共通するニーズを持つ顧客層と、それに価値を提供する企業群によって構成される機能
的な集合体のこと。企業の投資判断を束縛する収益・コスト構造や価値基準は企業自身の意
志や判断ではなく、企業の外部環境によって定まることを説明する概念として、リチャー
ド・S・ローゼンブルーム(Richard S. Rosenbloom)とクレイトン・M・クリステンセン
(Clayton M. Christensen)が導入した。
バリューネットワークとは、既存顧客と自社、サプライヤ、流通事業者などからなるネ
ットワークであり、いわば企業にとっての生存環境、あるいは生態系である。企業は生き
残りをかけ、この環境に適合すべく、能力・組織・プロセス・コスト構造・企業文化・価
値基準を確立する。同業と見なされている企業でも、高級品と普及品というように異なる
バリューネットワークに属する場合、そこで通用している価値基準も違ったものとなる。
製品やサービスに求められる性能や品質の水準は、各バリューネットワークの価値基
準に準じるため、企業が新しい技術※の経済価値をどう認識するか、技術革新にどのよ
うな資源配分するかは、その企業がどのバリューネットワークに属しているかによって
決まる。新技術がイノベーションとして受け入れられるには、それに見合ったバリュー
ネットワークを見いだすか、新たなバリューネットワークを形成することが必要なる。
情報システム用語辞典 http://www.itmedia.co.jp/im/articles/0905/12/news105.html
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OCGH EC ROE
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別製品の、最終システムの部品として、その製品は組み込まれ、
階層的な入れ子構造となっていることで、企業はバリューネット
ワークに組み込まれたものとなっている。
図2.1が示す1980年代の大規模組織向けの最も典型的な経営情報
システム(MIS)について検討する。
A RE 5E TMOI HOOMO OMDRC
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OCGH EC ROE
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p34
例えば、HDDを設計し組み立てるQuantumやMaxtorのような企
業は、磁気ヘッドの製造に特化した企業から読み書きヘッドを調
達し、また別の企業からディスクを、さらに別の企業からスピン
モーター、駆動モーター、集積回路(IC)を購入する。
次の上層レベルでは、コンピューターを設計し組み立てる企業が
集積回路、端末装置、HDD、ICパッケージ、電源装置、それら特
殊な製品を製造する様々な企業から購入している。
この入れ子構造の商業システムがバリューネットワークである。
spin motor
IC packaging
actuator motor
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MP
ORC ROE ALD A RE 5E TMOIP
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バリューネットワークは、 製品の物理的な特性の範囲を超えて定
義されるものである。
(メインフレームでは特有のコスト構造となる。研究費、エンジ
ニアリング費用、開発費が嵩み、生産量は少なく、カスタマイズ
のための製造間接費がかかり、ユーザーに直販するための営業費
や、サポートサービスにもコストがかかる。)
(メインフレーム・メーカーもそのバリューネットワークに属す
る部品メーカーも、ネットワークの費用をカバーするための50∼
60%の粗利率が必要だった。)
しかしながら、ポータブル・コンピューターのバリューネットワ
ークの競争においては、全く異なるコスト構造が生じている。
(研究費も少額で、部品メーカーから既存部品を調達し、低い労
働コストで組み立て、小売りチェーンや通信販売で販売するの
で、15∼20%の粗利益率で収益を上げることになる)
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- 05636/
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b h w u
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それゆえ、図2.5の点線のように、古いS字カーブと新しいS字カ
ーブが交差する点で、技術の切替に成功することが課題となる。
下から迫ってくる新技術を見越して、タイミングよく切り替える
ことができなかったことが、既存企業の失敗の原因であり、新規
参入企業や攻勢に立った企業が優位に立つ原因であると、しばし
ば引き合いに出されてきた。
破壊的技術は、既存のネットワークを侵食する前に新興バリュー
ネットワークで商品化されるために、図2.6のようなS字カーブの
構図が必要となる。
破壊的技術は、自分のバリューネットワークの中で出現し、発展
し、独自の軌跡を示す。
別のネットワークでも要求されるレベルと性能を満たすようにな
った時には、破壊的技術は愕然とするようなスピードで、そのネ
ットワークを侵食し、既存技術と既存企業を倒していく。
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以下の概説する6ステップの意思決定パターンは、破壊的技術が
出現した時に既存企業と新規参入企業の双方におけるHDD業界の
リーディング企業において重要な地位にあった80人以上の経営陣
に対するインタビューから導き出されたものである。
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ステップ1:破壊的技術は既存企業内で最初に開発される。
ステップ2:マーケティング担当者は主要な顧客からの反応を見
つけ出そうとする。
ステップ3:既存企業は持続的技術革新のペースに合せていく。
ステップ4:新たな企業が設立され、破壊的技術のための市場が
試行錯誤を経て見出される。
ステップ5:新規参入企業が上位市場に移ってくる。
ステップ6:既存企業は顧客基盤を守るために、遅ればせながら
時の趨勢に従って行動する。
.3 0 - 68
v pm
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バリューネットワーク理論の予測能力はフラッシュメモリーの登
場で、現在検証されようとしている。
フラッシュメモリーが最初に利用されたのは、コンピューターと
は全く離れたバリューネットワークだった。携帯電話、心臓モニ
ター装置、モデム、工業用ロボットのような装置に、個々にパッ
ケージされたフラッシュチップが内蔵されていた。
フラッシュカード内のチップはHDDに使われるSCSI(アップルが
最初に採用した)と同じ制御回路で制御され、フラッシュカード
はHDDのような大容量記憶装置として使用されうる。
フラッシュカードはHDDメーカーの主要市場を侵食し、磁気記憶
装置に取って代わるだろうか?
もしそうなれば、HDDメーカーはどうなるだろうか?
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換言すれば、フラッシュメモリーは、多くのHDDメーカーが開発
してきた主要な基盤に構築されている。
それゆえ能力の観点から、HDDメーカーは、フラッシュ記憶装置技
術を市場に出すことに運悪く躓かないだろうことが導き出される。
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1.企業が競争する環境、バリューネットワークは、イノベーシ
ョンを妨げる技術的組織的障害に打ち勝つために必要とされる資
源や能力を結集し集中させる能力に重大な影響を与える。
2.イノベーションの取り組みによる商業的成功の可能性の主た
る決定要因は、バリューネットワーク内の既知の関係者のよく理
解されたニーズに取り組む度合いによる。
3.自身の顧客のニーズに関係しない技術を無視することにした既
存企業の決定は、2つの軌跡が交差した時に致命的な結果を招く。
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4.概してそれ自体が殆ど新しさがない技術を包含した新しい製
品構造ではあるが、既存の技術的な軌跡における進歩のレベルや
速度や方向性を破壊し、再定義するようなイノベーションにおい
て、 新規参入企業は既存企業を攻撃する優位性を持つ。
5.このような場合、この「攻撃者の優位性」は 破壊的技術変化
に関連しており、既存企業に比較して新興企業にとって容易とな
る攻撃者の優位性によって、新興市場での適用やバリューネット
ワークを攻撃し、開発する戦略的な方策を明確にし作り出すこと
ができる。
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11/27 第8回 Chasm chapter6
12/4 第9回 Chasm chapter7
12/11 第10回 Chasm conclusion
12/18 第11回 The Innovator's Dilemma Introduction
12/25 第12回 The Innovator's Dilemma chapter1
1/8 第13回 The Innovator's Dilemma chapter2
1/15 第14回 The Innovator's Dilemma chapter2
1/20 第15回 The Innovator's Dilemma chapter6
第15回 The Innovator's Dilemma chapter8
補講日の決定
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