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インナイアン部族、 個人としての

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インナイアン部族、 個人としての
23
〈
論
説〉
イ ンデ ィ ア ン部 族 、 個 人 と して の
イ ン デ ィ ア ン(3)
ア メ リカ ・イ ンデ ィア ン法研 究 序 説(十 三)
藤
目
田
尚
則
次
は じめ に
第一 節
部
族
1部
族 とい う用 語
II連
邦 に よ る部 族 の承 認 の 意 味
III法 的 ・政 治 的 目的 の ため に部 族 として の地 位 を決定 す る連 邦 の権 限
IV承
認 を め ぐる初期 の判 例 展 開
V連
邦 法 の適 用 一
VIイ
ンデ ィ ァ ン部族 承 認 手 続(再 考)
W管
理 終 結法 とイ ンデ ィ ア ンの 法的 地 位
裁 判 例 を 中心 に(以 上、 一 部 第40巻 第1号)
VI皿 管 理 終結 され た 部族 の権 利 回復
D(州
第二 節
に よって 承 認 され た部族(以 上 、 第40巻 第2号)
個 人 乃至 構 成 員 と して の イ ン デ ィ ア ン
1"WhoisanIndianwithinthemeaningofthatAct"
II構
成 員資 格 の 決定 と連 邦 政策 の変 遷 過程
III構 成 員資 格 を決定 す る部 族 の権 限
IV構
成 員 資格 を決定 す る連 邦 の権 限
V連
邦 法 に み るイ ンデ ィ ア ンの定 義 の 類型 化
VI婚
姻 に よ る権 利 の得 喪(以 上 、本 号)
第 二節
個 人 乃 至 構 成 員 と して の イ ン デ ィ ア ン
"WhoisanIndianwithinthemeaningofthatAct"
1総
U
説
連 邦 イ ン デ ィ ア ン法 の 諸 目的 か ら して 、 これ ま で 見 て き た よ う に、 あ る イ ン
デ ィ ア ン ・グ ル ー プ が 、 イ ン デ ィ ア ン部 族 若 し くは イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン
24
と して の 資 格 を 認 定 又 は 付 与 され た場 合 、 連 邦 の保 護 が 、 部族 及 び部 族 の 文 化
に与 え られ て い るが 、 そ れ と同 様 に 、 あ る個 人 が 、 イ ン デ ィ ア ン と して の 資 格
を認 定 又 は付 与 され た 場 合 、 彼 又 は彼 女 は、 連 邦 法 に規 定 され る さ ま ざ ま な機
会 と利 益 を受 け得 る立 場 に 立 つ こ とに な る。 今 日、 個 人 が特 定 の 部 族 に所 属 す
る イ ンデ ィ ア ン と見 傲 さ れ た 場 合 、 当該 個 人 は 、 例 え ば 、① 州 の 刑 事 管轄 権 で
は な く、 連 邦 若 し くは部 族 の 刑 事 管 轄 権 に服 す、 ② 連 邦 業 務 か ら の諸 利 益 を受
け、 及 び 雇 用 の機 会 の 優 先 権 を得 る 有 資 格 者 とな る、 ③ 州 の 課 税 権 か ら免 除 さ
れ る、 ④ 賭 博 とい った 部 族 の 経 済 活 動 か ら得 られ る利 益 配 分 の 過 程 へ 参 加 し得
る、 ⑤ 信 託 土 地 又 は譲 渡 制 限 付 き土 地 を 継 承 す る権 利 を有 す る、 ⑥ 児 童 福 祉 に
関 し、 便 宜 を付 与 され る 等 々 の 連 邦 法 の 下 で の広 範 囲 に わ た る法 的効 果 を受 け
る こ と にな る。 も っ と も、 だ れ が 部 族 構 成 員 と して の イ ンデ ィ ア ン と認 定 され
得 る か は 、 連 邦 イ ン デ ィ ア ン法 の 各 々 の 目的 の た め に、 そ の 法 的 脈 絡 に従 っ て
異 な り、 一 様 に適 用 され 得 る定 義 を 見 出 す こ とは で き な い 。
内務 省 審 査 委 員 会(BoardofAppeals)委
員 長 を務 め た フ ェ リ ッ クス ・S・
コ ー エ ン(FelixS.Cohen)の"HandbookofFederalIndianLaw"の
本 は 、1941年 に 合 衆 国政 府 印刷 局 か ら発 行 され 、 翌1942年
第3版
初版
に は第2版
に続 き、
が 発 行 さ れ て い る。 第 二 次 世 界 大 戦 当 時 の イ ン デ ィ ア ン問 題 に 対 す る公
的 な 関 心 の 昂 揚 を 垣 間 見 る こ とが で き るが 、 第 一 章 第 一 節 が 「イ ン デ ィ ア ン法
の 領 域 」、 第 二 節 が 「『イ ン デ ィ ア ン』 の 定 義 」 で 始 ま る(以 下 、本稿 第二 節 にお
いて イ ンデ ィアン とい う場 合 、原則 として個 人乃 至 ネー シ ョン又 は部族 の構成 員 と し
て の個 々の イ ンデ ィア ンを い う)。
コー エ ン に よ れ ば 、 イ ン デ ィ ア ン とい う用 語 は 、 民 俗 学 的 若 し くは 法 的 意 味
に お い て用 い られ 得 るが 、 民 俗 学 的 に は コ ー カ ソイ ド(Caucasian)、
ド(Negro)、
る。4分
の3が
モ ン ゴ ロ イ ド(Mongolian)及
コー カ ソ イ ド、4分
ネ グロイ
び そ の 他 の 人 種 群 か ら区 別 され 得
の1が イ ンデ ィ ア ン で あ る人 を イ ンデ ィ ア
ン部 族 に加 え る こ とは、 民俗 学 的 立 場 か らす れ ば 不 合 理 で あ るが 、 法 的 に は、
そ の人 は 、 イ ン デ ィ ア ン た り得 る。 とす れ ば、 法 的 観 点 に 立 った 場 合 、 人 種 の
生 物 学 的 問 題 は 、 一 般 的 に 関 係 が あ る もの の 、 決 定 的 な もの とは な らな い 。 法
的 地 位 は、 生 物 学 的 要 因 の み な らず、 個 々 の 白人 との 又 はイ ンデ ィ ア ン ・コ ミュ
ニ テ ィ ー との関 係 とい っ た社 会 的 要 因 に 依 拠 す るの で あ る。 この 関 係 は、 言 い
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
換 え れ ば 、2つ
の 目的
個 人 とコ ミュ ニ テ ィ ー
25
を有 して い る。 個 人 は、
部 族 か ら身 を 引 き 、 或 い は放 追 され 得 る し、 反 対 に 部 族 に よっ て 部 族 員 として
認 め ら れ 得 る し 、 イ ン デ ィ ア ン 保 留 地 に 居 住 し、 又 は 居 住 し得 な い 。 様 々 な 取
引 に 関 し連 邦 政 府 の 監 督 に 服 し 、 又 は 服 さ な い か も しれ な い 。 こ れ ら全 て の 社
会 的 又 は政 治 的 諸 要 因 が 、 法 的 目 的 一 般 に とっ て 若 し くは 一 定 の 法 的 目 的 に と っ
て、個 人を
「イ ン デ ィ ア ン 」 又 は
「
非 イ ンデ ィ ア ン」 に分 類 す る こ とに影 響 を
与 え る の で あ る。 実 際 に、 部 族 構 成 員 の 問 の 犯 罪 に 対 す る管 轄 権 を部 族 裁 判 所
に 認 め る制 定 法 に 従 っ て 、 イ ン デ ィ ア ン 部 族 の 構 成 員 と し て 認 め られ た 白 人 男
性 が 、1897年
のNoflrev.UnitedStates(164U.S.657(1897).)で
合衆国最高
裁 判 所 に よ っ て イ ン デ ィ ア ン と判 断 さ れ て い る し、ま た 反 対 に 、判 例 は 、イ ン デ ィ
ア ン部 族 若 し くは保 留 地 との い か な る関 係 を も持 っ て 来 な か っ た イ ン デ ィ ア ン
を 祖 先 と す る 者 が 、 多 く の 法 的 目 的 に と っ て 、 非 イ ン デ ィ ア ン と見 徹 さ れ 得 る
とす る 議 論 を排 除 し て は い な い(UnitedStatesV.Lucero,lN.M.422(1869);
UnitedStatesv.Joseph,94U.S.614(1876);UnitedStatesv.Sandoval,231
U.S.28(1913);Morrisonv.California,291U.S.82(1934).)o
我 わ れ が 想 起 し な け れ ば な ら な い こ と は 、 立 法 者 が 、 集 団 と して の イ ン デ ィ
ア ン に適 用 され る特 定 の 法 律 の 準 則 を確 立 す る た め に、 個 々 の イ ン デ ィ ア ン と
い う用 語 を 使 用 す る 場 合 、 彼 ら は 、 一 般 的 に 世 論 に 言 う と こ ろ の 非 イ ン デ ィ ア
ン か ら 区 別 さ れ る グ ル ー プ を 、 処 理 し よ う と試 み る 。 そ し て 、 こ の 世 論 に は 、
一定の保留地 においては
あ っ た と し て も 、1人
、4世
代 遡 っ て16人
の 先 祖 の う ち た と え15人
が 白人 で
の イ ン デ ィ ア ン の 血 が 入 っ て い れ ば 、 イ ン デ ィ ア ン と見
徹 す の が 普 通 で あ り、 一 方 、 南 西 部 の よ う な カ ン ト リ ー で は 、 血 統 は 、 顕 著 に
イ ン デ ィア ンで あ っ て も、 ス ペ イ ン系 ア メ リカ人 と見 傲 され る とい っ た よ う に
相 違 が 見 出 され る 。 イ ン デ ィア ンの 定 義 を試 み る人 び との 間 に 一 定 の合 意 が 欠
落 して い る の は 、1930年
して い る 。1930年
及 び1940年
の 国勢 調 査 の 調 査 員 へ の指 図 の違 い を反 映
の 国 勢 調 査 で は、 調 査 員 は、 全 血 の イ ン デ ィ ア ンの み な らず 、
イ ン デ ィア ン の純 血 値 の 占 め る割 合 が非 常 に小 さ い 場 合 、 又 は居 住 す る コ ミュ
ニ テ ィ ー で 白 人 と見 倣 さ れ て い る 場 合 を 除 い て 、 白 人 と イ ン デ ィ ア ン の 混 血 で
あ る 人 も 、 イ ン デ ィ ア ン と し て 報 告 す る よ う 指 図 さ れ て い る 。 他 方 、1940年
の
国 勢 調 査 で は、 調 査 員 は、 白 人 とイ ンデ ィ ア ン の混 血 で あ る人 は、 イ ンデ ィ ア
26
ン係 官 若 し くは保 留 地 の 名簿 に登 録 され て い る場 合 に、 登 録 され て い な い 場 合
に は イ ンデ ィ ア ンの 純 血 値 の 割 合 が4分
の1以
上 か、 居住 してい る コ ミュニ
テ ィ ー で イ ン デ ィ ア ン と見 徹 され て い る場 合 に 、 イ ン デ ィア ン と して 報 告 す る
よ う求 め られ て い る。 イ ン デ ィ ア ン の定 義 の 多 様 性 を認 め る に して も、 以 下 の
2つ の条 件 を満 た す 人 を イ ンデ ィ ア ン と定 義 す る こ とに は 、 法 的 目 的 に照 ら し
て 、 な ん らか の 実 践 的 価 値 が 見 出 さ れ る と思 わ れ る。 す な わ ち、 ① 祖 先 の 誰 人
か が 、 白人 種 に よ って ア メ リカ が 発 見 され る 以前 に そ こ に居 住 して い た こ と、
及 び② 個 人 が 、 居 住 して い る コ ミュ ニ テ ィー に よ って イ ンデ ィ ア ン と見 倣 され
て い る こ と、 が それ で あ る。 イ ンデ ィア ン を定 義 す る こ との機 能 は 、 そ れ に よっ
て 所 与 の 個 人 が 、 イ ン デ ィ ア ン を処 理 す る立 法 の 適 用 範 囲 か ら、 除外 され るか
z)
否 か の 判 断 基 準 を確 立 す る こ とに あ る。
2連
邦法、条約
1800年 代 の イ ンデ ィ ア ン との 交 渉 過 程 で 、 政 府 の政 治 部 門 若 し くは 執 行 部 門
は、 い か な る ク ラス が 、 イ ンデ ィ ア ンに 属 す るか の 決 定 を行 って き た の で あ ろ
うか 。 関 連 す る連 邦 法 、 条 約 、 そ して判 例 を通 して 具 体 的 事例 を 瞥見 して み よ
う(部 族 名表 記の英 語 のス ペル が、法律 、 条約 或 いは判決 に よって それ ぞれ まちま ち
で あ る が 、 原 文 に 従 っ て そ の ま ま 英 語 表 記 した 。)。
(D連
邦 法 の諸 例
ま ず 、 連 邦 法 に 関 して 言 え ば 、 例 え ば 、1816年4月27日
制定の
「
サ ミュエ ル ・
3)
マ ナ ッ ク の 救 済 に 関 す る 法 律 」(AnActfortheReliefofSamuelManac)は
、
敵 対 す る ク リ ー ク ・イ ン デ ィ ア ン が こ の 前 の 戦 争 に 際 し て 、 「混 血 児 た る 友 好 的
な ク リ ー ク ・イ ン デ ィ ア ン 」(afriendlyCreekIndianofhalfblood)で
ある
サ ミ ュ エ ル ・マ ナ ッ ク の 財 産 を 破 壊 し た こ と に 対 し て 、 陸 軍 省 が 金 銭 補 償 を 行
う 旨 を 規 定 して い る。1837年3月3日
制定の
「
イ ン デ ィ ア ン の チ ェ ロ キ ー ・ネ ー
シ ョ ン の 白 人 と の 間 の 混 血 児 た る ジ ェ ー ム ス ・ブ ラ ウ ン 及 び ジ ョ ン ・ブ ラ ウ ン
の 救 済 の た め の 法 律 」(AnActforthereliefofJamesBrownandJohn
4)
Brown,halfbreeds,oftheCherokeenationofIndians)は
、財務 長官 が、
チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 白 人 と の 問 の 混 血 児 で あ る ジ ェ ー ム ス ・ブ ラ ウ ン と
ジ ョ ン ・ブ ラ ウ ン に よ っ て 放 棄 さ れ た 土 地 改 良 の 完 全 補 償 を1819年
の合衆国 と
当 該 ネ ー シ ョ ン との 条 約 の 規 定 に 従 っ て 行 う 旨 を規 定 し て い る 。 更 に 、 例 え ば 、
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
1872年6月5日
に 制 定 され た
RootValley)か
27
「
モ ン タ ナ 準 州 内 の ビ ッ タ ー ・ル ー ト渓 谷(Bitter
ら の フ ラ ッ トヘ ッ ド(Flathead)及
び そ の 他 の イ ンデ ィ ア ン の
5)
移 住 に関 して定 め る法 律 」 は、 「
可 能 な 限 り速 や か に 、 フ ラ ッ トヘ ッ ド ・イ ン デ ィ
ァ ン(全
血 で あ ろ う と混 血 で あ ろ う と(whetheroffullormixedblood))及
び
当 該 部 族 と 交 渉 が あ り、 そ の 構 成 員 と し て 承 認 さ れ た 全 て の 他 の イ ン デ ィ ア ン
を モ ン タ ナ 準 州 内 の ビ ッ タ ー ・ル ー ト渓 谷 か ら 、 条 約 に よ っ て 設 定 さ れ 、 及 び
当 該 連 合 部 族 の 使 用 並 び に 占 有 に 保 留 さ れ た 通 例 ジ ャ コ ウ(Jocko)保
留地 とし
て 知 ら れ て い る 一 般 保 留 地 に 移 住 さ せ る こ と を も っ て 、 大 統 領 の 義 務 と す る 。」
と定 め て い る 。
1900年 代 初 期 の 連 邦 法 を 見 る に 、 例 え ば 、1918年5月25日
の イ ンデ ィ ア ン関
s)
連歳出配分承認 法は、 「
諸 条 約 に定 め られ た 歳 出 配 分 を 除 い て 、 い か な る歳 出配
分 も、 両 親 が 合 衆 国 及 び州 の 市 民 で あ っ て 、 当該 場 所 に居 住 し、 当該 場 所 にお
い て 適切 な る無 料 学 校(freeschool)を
提 供 され て い る4分 の1以 下 の イ ン デ ィ
7)
ア ン の 純 血 値 で あ る子 女 の 教 育 に は 使 用 さ れ て は な ら な い … … 」 と規 定 し、1931
年3月4日
制 定 の ノ ー ス ・カ ロ ラ イ ナ の チ ェ ロ キ ー の イ ー ス タ ン ・
バ ン ド(Eastern
8)
BandofCherokees)に
関 す る連 邦 法 は、 「
以 後 、16分
の1以
下 の 当該 イー ス タ
ン ・チ ェ ロ キ ー ・イ ン デ ィ ア ン の 純 血 値 で あ る 者 は 、 死 亡 し た 構 成 員 若 し く は
複 数 の 構 成 員 か ら の 相 続 財 産 を 除 い て 、 チ ェ ロ キ ー ・イ ン デ ィ ア ン の イ ー ス タ
ン ・バ ン ドに 伴 う い か な る 権 利 を も 付 与 さ れ た も の と は 認 め られ な い 。」 と規 定
して い る 。
更 に 、 例 え ば 、 後 に 問 題 とす る1934年6月18日
に制 定 され た
「
イ ンデ ィ ア ン
3)
再 組 織 法 」(theIndianReorganizationAct)似
「
本 法 に い う 『イ ン デ ィ ア ン 』 と い う用 語 は
下 、IRAと
も い う。)第19条
は、
、 現 在 、 連 邦 の管 轄 権 の 下 で 承 認 さ
れ た 全 て の イ ン デ ィ ア ン 部 族 の 構 成 員 で あ る イ ン デ ィ ア ン の 血 統 で あ る全 て の
者 、 及 び1934年6月
の 時 点 で 全 て の イ ンデ ィ ア ン保 留地 の 現 在 の境 界 内 に居 住
して き た 構 成 員 の 子 孫 で あ る全 て の 者 、 並 び に 半 血 又 は そ れ 以 上 の イ ン デ ィ ア
ンの 純 血 値 で あ るそ の他 の 全 て の 者 を、 含 む もの とす る。 本 法 の 目 的 に とっ て 、
エ ス キ モ ー 及 び そ の 他 の ア ラ ス カ の 先 住 民 は 、 イ ン デ ィ ア ン と見 徹 さ れ る。」 と
規 定 して い る。
28
(2)条
約 の諸 例
条 約 に 関 して 言 え ば 、例 え ば 、1817年9月29日
の 「ワ イ ア ン ド ッ ト(Wyandot)
10)
及 び そ の 他 の イ ン デ ィ ア ン 部 族 と の 条 約 」 第8条
(Seneca)、
デ ラ ウ ェ ア(Delaware)、
(Potawatomee)、
は 、 ワ イ ア ン ド ッ ト、 セ ネ カ
シ ョ ー ニ ー(Shawanese)、
オ タ ワ(Ottawa)及
ポ タ ワ トミー
び チ ッ ペ ワ(Chippeway)の
各 インデ ィ
ア ン 部 族 の 特 別 の 請 求 に よ り、 当 該 各 イ ン デ ィ ア ン と純 血 値 若 し くは 養 子 縁 組
に よ っ て(bybloodoradoption)関
係 す る全 て の 以 下 に定 め る者 に 、 本 条 約
に 定 め る一 定 の 土 地 に 対 す る 単 純 不 動 産 権 公 有 地 譲 渡 証 書 を 承 認 す る と 規 定 し、
「8月 に 殺 害 さ れ た4分
の1の
bloodWyandotIndians)で
の 子 ど も た ち に1区
純 血 の ワ イ ア ン ド ッ ト ・イ ン デ ィ ア ン(quarterあ る ウ ィ リ ア ム ・マ ッ コ ロ ッ ク(WilliamM℃oIlock)
画 を 」、 「半 血 の ワ イ ア ン ド ッ ト(halfbloodWyandot)で
あ る ア イ ザ ッ ク ・ウ ィ リ ア ム ズ(lsaacWilliams)の
ラ ッセ ル(JosephandRachel)に4分
Ottawas)の
の1区
子 ど もで あ る ジ ョ セ ブ 及 び
画 を 」、 「
半 血 の オ タ ワ(halfblood
ア ン ソ ニ ー ・シ ェ ー ン(AnthonyShane)に1区
画 を 」 等 と定 め て
lU
い る 。1824年8月4日
の ソ ー ク 及 び フ ォ ッ ク ス(SaukandFox)と
デ モ イ ン(Desmoin)川
の条 約 は、
及 び ミ シ シ ッ ピ川 流 域 の 一 定 の 土 地 が ソ ー ク及 び フ ォ ッ
ク ス ・ネ ー シ ョ ン(SockandFoxnation)に
所 属 す る ア メ リ カ ・イ ン デ ィ ア ン
と 白 人 の 問 の 混 血 児(half-breedsbelongingtotheSockandFoxnation)
の 利 用 に付 され る 旨 を規 定 い て い る 。 こ こ に い う ソー ク及 び フ ォ ッ クス と白人
iz)
の 間 の 混 血 児 は 、1834年6月30日
制 定 の連 邦 法 で 当 該 土 地 の全 て の権 利 、 権 原
及 び 利 益 を 付 与 さ れ 、 ミ シ シ ッ ピ 州 法 の 規 定 に 従 っ て 譲 渡 す る こ と が 認 め られ
て い る。
1826年10月23日
締結 の
「イ ン デ ィ ア ン の マ イ ア ミ族(MiamiTribe)と
の条
13)
約 」 は 、 ワ バ ッ シ ュ(Wabash)川
及 び マ イ ア ミ 川 の 北 と西 に 位 置 す る イ ン デ ィ
ア ナ州 内 の 土 地 に 対 す る全 て の マ イ ア ミ族 の 請 求 を合 衆 国 に 譲 渡 し、保 留 地 を
設 立 す る 旨 を 宣 言 し て い る が(第1条
、 第2条
参 照)、 一 覧 表 に 定 め られ た 者 及 び
そ の 相 続 人 に 一 定 の 土 地 を 承 認 す る と し(第3条)、
イ ァ ミ(halfbloodMiami)で
当該 一 覧 表 に は 、 「
半血 のマ
あ る マ リ ア ・ク リ ス テ ィ ー ナ ・デ ・ロ ー ム(Maria
ロの
ChristianaDeRome)の
1857年9月24日
子 ど も た ち に1区
画 」 とい う表 記 が見 出 さ れ る。
の ネ ブ ラ ス カ 準 州 の テ ー ブ ル ・ク リ ー ク(TableCreek)で
締
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)29
15)
結 され た
「
ポ ー ニ ー ・イ ン デ ィ ア ン(PawneeIndians)と
の 連 合 バ ン ド(confederatebandsofthePawnees)が
の条 約 」 は、 ポ ー ニー
、 一 定 の保 留 され た土
地 を 除 い て 、 当 該 バ ン ドが 所 有 若 し く は 主 張 す る全 て の 土 地 に 対 す る 権 利 、 権
原 及 び 利 益 を 合 衆 国 に 譲 渡 し、 放 棄 す る こ とを そ の 主 た る 内 容 と し て い る が(第
1条)、
条 約 第9条
は、 「
ポ ー ニ ー は 、 自 ら の 部 族 の 白 人 と の 混 血 児(thehalf-
breedsoftheirtribes)に
な ん ら か の 規 定 が 行 わ れ る こ とを 希 望 す る 。 ネ ー シ ョ
ン 内 に居 住 す る こ とを 選 択 し、 及 び 現 在 居 住 して い る者 は、 部族 の他 の構 成 員
と 同 等 の 権 利 及 び 特 権 を 付 与 さ れ る も の と し、 文 明 化 し た 生 活 を 求 め 、 白 人 の
問 で 生 活 す る こ と を 選 択 す る 者 … … は 、 そ れ ぞ れ 土 地 の160エ
分 の1区
画 の 替 わ り に 仮 証 書(scrip)を
る 。1858年5月12日
ー カ ー 若 し く は4
与 え られ る も の と す る 。」 と規 定 して い
に ワ シ ン トン市 で締 結 され た
「イ ン デ ィ ア ン の ポ ン カ 族
is)
(PoncatribeofIndians)と
の 条 約 」 も 、 上 記 ポ ー ニ ー ・イ ン デ ィ ア ン との 条
約 と、 全 く 同 様 の 規 定 を 置 い て い る(第1条
3初
、 第3条
参 照)。
期 の判例展 開
合 衆 国最 高 裁 判 所 を 始 め と して 、 初 期 の 裁 判 所 は 、 イ ン デ ィ ア ン の定 義 に い
か に 取 組 ん で き た の で あ ろ う か 。 幾 つ か の 判 例 を 、 逐 次 、 追 っ て み よ う(事 案 の
事 実 関 係 乃 至 事 実 認 定 の 記 述 が 長 舌 に な るが 、 そ れ は 、 当 時 の イ ン デ ィ ア ン た ち の 生
活 実 態 や イ ンデ ィ ア ン の 請 求 に 対 す る合 衆 国 政 府 の 対 応 を 知 る た め に 、 有 意 味 で あ る
と思 料 さ れ る と同 時 に 、 興 味 深 い と こ ろ で あ る 。)。
is)
(1)UnitedStatesv.Rogers
〈
事 実 の 概 要 〉合 衆 国 最 高 裁 判 所 の1846年
判 決 で あ るUnitedStatesv.Rogers
で 争 わ れ た 事 案 の 概 要 は 、 以 下 の と お りで あ る 。 ウ ィ リ ア ム ス ・S・ ロ ジ ャ ー ズ
(WilliamsS.Rogers)は
、 ア ー カ ン ソ ー 州 西 部 に 位 置 す る イ ン デ ィ ア ン ・カ ン
ト リー で ヤ コ ブ ・ニ コル ソ ン(JacobNicholson)を
殺 害 し た と して 、1848年
に
合 衆 国 ア ー カ ン ソ ー 地 区巡 回 裁 判 所 で大 陪 審 に よっ て 正 式 起 訴 され た 。 合 衆 国
市 民 で あ っ た ロ ジ ャー ズ は、 自 由意 思 に基 づ い て イ ンデ ィ ア ンの チ ェ ロ キ ー 部
族 に属 し、 本 人 の主 張 に よ れ ば 、 当 該 部 族 に よ っ て承 認 さ れ 、 養 子 縁 組 され て
い る 。 そ し て 、 チ ェ ロ キ ー ・イ ン デ ィ ア ン の 女 性 と 結 婚 し、 数 人 の 子 ど も を も
う け 、 妻 が 死 亡 後 も 、 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン と共 に 生 活 し て い た 。 殺 害 さ れ
た 合 衆 国 市 民 で あ る ニ コ ル ソ ン は 、 チ ェ ロ キ ー の 女 性 と結 婚 し 、 部 族 に よ っ て
30
承 認 さ れ 、 養 子 縁 組 され 、 そ して チ ェ ロ キー ・イ ンデ ィ ア ンの もつ 全 て の 権 利
と特 権 を与 え られ て い た。 被 告 人 は、1834年6月30日
の 「イ ンデ ィ ア ン部 族 と
の 交 易 及 び 通 商 を規 制 し、 並 び に辺 境 の 平 和 を 維 持 す るた め の法 律 〔Ch.161,
4Stat,729〕 」 似 下、 「1834年法 」 とい う。)第25条 但 書 が 、 イ ンデ ィ ア ン に よ っ
て 他 の イ ン デ ィ ア ンの 生 命 若 し くは財 産 に対 して 実 行 さ れ た 犯 罪 に は 合 衆 国 の
管 轄 権 は 及 ぼ な い と規 定 して い る こ とを 根 拠 に、 合 衆 国 の 管轄 権 を争 った 。 合
衆 国最 高 裁 判 所 は 、 以 下 の よ う に判 示 し、 被 告 人 及 び 被 害 者 は 白人 で あ る と結
論 して い る。
〈
判 旨〉 充 分 に発 達 した年 齢 期 に イ ンデ ィ ア ン部 族 に養 子 縁 組 され る 白人 は、 そ
れ に よ っ て イ ンデ ィ ア ン とは な らず 、1834年 法 第25条 但 書 の例 外 に包 含 さ れ る
こ とを 意 図 され て は い な い 。 当 該 白 人 は 、 か か る養 子 縁 組 に よ っ て部 族 内 で 一
定 の特 権 を付 与 され 得 る の で あ っ て 、部 族 の 法 と慣 例 に従 う義 務 が あ るで あ ろ
う。 しか し、彼 は、 イ ン デ ィア ンで は な く、1834年 法 第25条 但 書 の例 外 が 適 用
され るの は、 イ ンデ ィ ア ンの 慣 例 及 び慣 習 に よっ て彼 らの種 族(race)に
る(belong)と
所属す
見 傲 され た者 に 限 定 され る。 例 外 は、 部 族 の構 成 員 に つ い て 言
及 して い る ので は な く、 種 族 一 般 、 イ ンデ ィ ア ンの 仲 間 に つ い て 言 及 して い る
の で あ っ て 、 彼 ら 自身 の部 族 と他 の部 族 に関 して は、 イ ン デ ィ ア ン の慣 例 及 び
慣 習 に従 っ て統 治 され る べ きで あ る と した の で あ る。 本 件 被 告 人 が 、 養 子 縁 組
に よ っ て チ ェ ロ キ ー に な る こ とに よ っ て い か な る義 務 を負 お う と も、 合 衆 国 の
法 律 に 対 す る責 任 は 、 変 更 され る こ と も、 制 限 され る こ と もな い。 被 告 人 は、
い ま だ 白人 種 に属 す る 白人 で あ っ て 、 そ れ 故 に合 衆 国 議 会 法 律 の 適 用 外 に あ る
ので はない。
本 判 決 か ら 、 イ ン デ ィ ア ン の 判 断 基 準 と して 、F・
に 以 下 の2つ
コー エ ンが 述 べ て い る よ う
の要 件 が 抽 出 され るで あ ろ う。 す な わ ち、 ① イ ンデ ィ ア ンの 純 血
値(degreeofIndianblood)で
あ る こ と、② イ ン デ ィ ア ンで あ る こ との部 族 若
し くは 部 族 政 府 の 承 認 が あ る こ と、 が そ れ で あ る 。
19)
(2)UnitedStatesv.Higgins
〈事 実 の 概 要 〉 合 衆 国 モ ン タ ナ 地 区 巡 回 裁 判 所 が1900年
Statesv.Higginsの
ト(AlexanderMatt)は
に 判 決 を 下 し たUnited
事 実 の 概 要 は 、以 下 の と お りで あ る 。ア レ キ サ ン ダ ー ・マ ッ
、 モ ン タ ナ 州 内 の ジ ャ コ ウ ・イ ン デ ィ ア ン 保 留 地(Jocko
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
IndianReservation)と
Indian)の
31
呼 ば れ る フ ラ ッ ト ヘ ッ ド ・イ ン デ ィ ア ン(Flathead
保 留 地 に 数 頭 の 馬 と畜 牛 を 飼 育 し て い た が 、1897年
(Missoulacounty)の
ル と査 定 し た(州
、 ミズ ー ラ郡
査 定 官 は 、 当 該 財 産 を 課 税 対 象 に 入 れ 、 課 税 額 を10.50ド
及 び 郡 の た め の 課 税 対 象 と し て で あ る 。)。 マ ッ トが 納 税 を 拒
否 した た め 、同 郡 の 収 入 役 兼 収 税 吏 で あ る ジ ョー ジ ・ヒ ギ ン ズ(GeorgeHiggins)
は 、2頭
の 畜 牛 を 没 収 し、 公 売 に か け た 。 そ こ で 、 連 邦 政 府 は 、 マ ッ トが イ ン
デ ィ ア ン で あ り、 連 邦 政 府 の 被 後 見 人 で あ る こ と を 理 由 に 、 当 該 公 売 の 禁 止 を
求 め て 、 ヒ ギ ン ズ を 被 告 に 訴 訟 を 提 起 し た 。 被 告 は 、 マ ッ トが 白 人 に 分 類 さ れ 、
イ ン デ ィ ア ン で は な い と し、 マ ッ トの 所 有 財 産 は 、 課 税 対 象 と な る と 主 張 し て
い る。
証 拠 か ら し て 、 以 下 の こ と が 明 ら か で あ る 。 マ ッ トの 父 親 は 、 フ ラ ン ス 系 カ
ナ ダ 人 、 母 親 は ピ ー ガ ン ・イ ン デ ィ ア ン(PieganIndian)で
あ る が 、1853年
、
イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー と さ れ て い た 現 在 の モ ン タ ナ の 北 西 部 の 何 処 か で 出
生 した 。 父 親 は 、 ワ シ ン トン の 領 土 で あ る コ ル ビ ル(Colville)に
数 年 間 過 ご し 、1864年
にモ ンタ ナ に 帰 っ て きて い る。 現 在 の モ ン タ ナ 州 の 各 地
を 転 々 と し て い る が 、1866年
レ(Stevensville)に
移 り、 そ こ で
か1867年
に は 、 ミズ ー ラ郡 の ス テ ィ ー ブ ン ス ヴ ィ
や っ て 来 て い る が 、 当 時 、 フ ラ ッ トヘ ッ ド ・イ ン デ ィ ア ン
が 、 ビ ッ タ ー ・ル ー ト(BitterRoot)渓
谷 の主 た る居 住者 で あ っ た。 渓 谷 に到 着
後 、 日 を お か ず し て 、 母 親 は フ ラ ッ トヘ ッ ド部 族 の 養 女 と さ れ 、 第 一 酋 長 で あ
る ビ ク タ ー(Victor)の
養 女 とな る こ と を 申 し 出 、 部 族 の 指 導 者 た ち の 同 意 を 得
て 、 部 族 の 構 成 員 で あ る と宣 言 さ れ て い る 。 そ の 時 点 か ら、 母 親 と彼 女 の 子 ど
も た ち は 、 フ ラ ッ トヘ ッ ド部 族 の 構 成 員 と し て 承 認 さ れ た の で あ る 。 マ ッ トの
父 親 は 、 鍛 冶 屋 を 営 み 、 子 ど も た ち を 訓 練 して い た が 、 そ の 後 、 家 族 全 員 で ジ ャ
コ ウ ・イ ン デ ィ ア ン 保 留 地 に 移 り住 み 、 マ ッ ト は 、 以 後26年
して い る 。 ビ ッ タ ー ・ル ー ト渓 谷 の ヘ ル ・ゲ ー ト(HellGate)に
年7月16日
に 合 衆 国 と フ ラ ッ トヘ ッ ド、 コ ー テ ナ イ(Kootenay)及
ペ ン ド ・ ド レ イ ル(UpperPendD10reilles)の
れ た 条 約(12Stat.975.)第2条
は 、 第1条
間 当該 場 所 に居 住
お い て 、1855
び ア ッパ ー ・
各 イ ンデ ィ ア ン との問 に締 結 さ
で イ ン デ ィア ンの 連 合 部 族 に よ って
合 衆 国 に 譲 渡 さ れ る こ とが 約 束 さ れ た 土 地 の 中 か ら 、 連 合 部 族 の 使 用 と 占 有 の
た め に 一定 の 土 地 が 保 留 さ れ る と同 時 に 、 本 条 約 の 部 族 当事 者 との連 合 に 同意
32
す る ワ シ ン トン 準 州 の 他 の 友 好 的 な イ ン デ ィ ア ン の 部 族 及 び バ ン ドの た め に 設
置 さ れ る 一 般 的 な イ ン デ ィ ア ン 保 留 地 と して 、 フ ラ ッ トヘ ッ ド部 族 の 第 一 酋 長
で あ る ビ ク タ ー を ネ ー シ ョ ン の 第 一 酋 長 と す る フ ラ ッ ト ヘ ッ ド ・ネ ー シ ョ ン
(FlatheadNation)の
共 通 の 名 称 の 下 に 、 一 定 の 土 地 が 保 留 され る 旨 を規 定 し
て い る。
〈
判 旨 〉 合 衆 国 モ ン タ ナ 地 区 巡 回 裁 判 所 は 、 ア レ キ サ ン ダ ー ・マ ッ ト は イ ン デ ィ
ア ン と して 取 扱 わ れ る べ き で あ っ て 、 モ ン タ ナ 州 法 の 下 で の 課 税 に 服 さ な い と
判 示 して い る。
1872年6月5日
に 可 決 さ れ た 合 衆 国 議 会 法 律(17Stat.226.)は
、 「可 能 な 限
り速 や か に 、 フ ラ ッ トヘ ッ ド ・イ ン デ ィ ア ン(全 血 で あ ろ う と混 血 で あ ろ う と)及
び 当 該 部 族 と交 渉 が あ り 、 そ の 構 成 員 と して 承 認 さ れ た 全 て の 他 の イ ン デ ィ ア
ン を 、 モ ン タ ナ 準 州 内 の ビ ッ タ ー ・ル ー ト渓 谷 か ら 、 条 約 に よ っ て 設 定 さ れ 、
及 び 当 該 連 合 部 族 の 使 用 及 び 占 有 に 保 留 さ れ た 通 例 ジ ャ コ ウ保 留 地 と し て 知 ら
れ て い る一 般 保 留 地 に 移 住 さ せ る こ と を も っ て 大 統 領 の 義 務 と す る。」 と定 め て
い る 。 こ こ で 言 及 さ れ て い る ジ ャ コ ウ 保 留 地 は 、1855年7月16日
の条 約 で 規 定
さ れ て い る フ ラ ッ トヘ ッ ド保 留 地 を 指 し て い る。 こ の 法 律 が 制 定 さ れ た 当 時 、
マ ッ トの 母 親 は 、 フ ラ ッ トヘ ッ ド部 族 の 養 女 と な っ て い る 。 マ ッ トは 、 疑 い な
く 当 該 部 族 とつ な が り の あ る 白 人 と の 混 血 児 で あ り、 そ の 構 成 員 と し て 認 め ら
れ て い る 。当 該 法 律 は 、 フ ラ ッ トヘ ッ ド部 族 との 混 血(mixedblood)を
イ ンデ ィ
ア ン と し て 承 認 し て い る 。 彼 ら は 、 当 時 、 白 人 が 居 住 し て い た ビ ッ タ ー ・ル ー
ト渓 谷 か ら 移 住 さ せ ら れ 、 当 該 場 所 に 居 住 す る権 利 が な い と して 白 人 か ら 区 別
され て い た ので あ る。
全 て の部 族 の 半 血 を もっ 者 は 、 白人男 性 とイ ン デ ィ ア ン女 性 との 間 の イ ンデ ィ
ア ン の 婚 姻(Indianmarriages)と
して承 認 され た とこ ろの 者 の 子 ど もた ち で あ
り 、 数 は 少 な い が 、 白 人 女 性 が 白 人 男 性 と結 婚 に よ っ て 結 ば れ て い る
(intermarried)場
合 が 見 出 さ れ る。 上 で 述 べ た 条 約 及 び 連 邦 法 律 を 考 察 し た 場
合 、 政 府 の 執 行 部 門 及 び 政 治 部 門 は 、 少 な く と も2分
の1が
イ ン デ ィ ア ン の血
で あ っ て 、 そ の 父 親 が 白 人 で あ り、 母 親 が 属 す る 部 族 と共 に 居 住 す る 半 血 を も
つ 者 を イ ン デ ィ ア ン と し て 認 め て い る こ と は 、 明 ら か で あ る と考 え ら れ る 。 白
人 との 混 血 児 に 関 す る条 約 及 び 連 邦 法 律 を考 察 した 場 合 、 当 該 条 約 及 び 連 邦 法
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
律 は 、 ア メ リ カ 市 民 の 権 利 が 付 与 さ れ る 白 人(whitepeople)と
33
して は決 して処
理 して きて は い な い と考 え られ 得 る。 ア メ リカ の辺 境 に居 住 して き た 人 び とに
とっ て 、 白人 との混 血 イ ン デ ィ ア ン或 い は混 血 イ ンデ ィ ア ン が 、 母 親 の所 属 す
る 部 族 と 一 緒 に 居 住 し 、 彼 ら の 白 人 の 親 類 に は 決 し て 暖 か く迎 え 入 れ ら れ ず 、
反 対 に イ ン デ ィ ア ンの 血 縁 者 に 迎 え入 れ られ た こ と は、 周 知 の 事 実 で あ っ て 、
「白 人 と の 混 血 児 は 、 あ ら ゆ る 側 面 で 、 彼 ら が 部 族 と の 関 係 を 維 持 す る 限 り、 イ
ン デ ィ ア ン と し て 扱 わ れ る べ き で あ る 。」(70p.Attys.Gen.746)と
言 え るで あ
20)
ろ う。
2D
(3)Vezinav.UnitedStates
〈事 実 の 概 要 〉 保 留 地 の 土 地 の 割 当 の 権 利 を め ぐ っ て 白 人 と半 血 乃 至4分
の3の
純 血 値 の チ ッペ ワ の 女 性 との 問 の 娘 が、 イ ン デ ィ ア ン に属 す るか 否 か が 争 わ れ
た 合 衆 国 第 八 巡 回 区 控 訴 裁 判 所 の1917年
判 決 で あ るVezinav.UnitedStates
の 事 実 の 概 要 は 、 以 下 の と お りで あ る 。 原 告 エ リザ ベ ス ・ヴ ェ チ ー ナ(Elizabeth
Vezina)は
、1889年3月15日
に ミネ ソ タ の ホ ワ イ ト ・ア ー ス(WhiteEarth)
に あ る チ ッ ペ ワ の 保 留 地 に 移 り 、 彼 女 の 夫 が 建 て た 家 屋 に 住 居 を 定 め 、1902年
若 し く は1903年
ま で そ こ に 留 ま っ た 。 夫 は 、 ミ ネ ア ポ リ ス(Minneapolis)に
帰
り、 そ こ で 死 亡 し て い る が 、 ヴ ェ チ ー ナ は 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 保 留 地 に 留 ま
り、 保 留 地 の 区 画 内 を 転 々 と し、1903年
で 全 焼 した 家 屋 と2つ
に は 、保 留 地 内 の北 部 辺 の政 府 の 敷 地
の 納 屋 を 修 繕 し、 有 刺 鉄 線 を 張 り巡 らせ 、 約2.5エ
ーカー
の 土 地 か ら立 木 と雑 木 林 を 掘 り起 こ し た 。 そ の 改 良 工 事 の 価 値 は 、800ド
ル相 当
に 達 し て い た 。1909年
割当て
ご ろ 、 当 該 土 地 は 、 パ ア ー ド ゥ プ(Pah-dub)に
ら れ 、 そ の 後 、 彼 に 公 有 地 譲 渡 証 書 が 付 与 さ れ 、 本 件 の 被 告(被
E・ ム ァ ー ズ(S.E.Mooers)に
上 訴 人)た
るS・
売 却 され て い る。
タ イ プ ラ イ タ ー で 打 た れ た 上 訴 記 録 の ミ ス が 多 く、 正 確 な 事 実 の 認 定 は 、 困
難 で あ り、 原 告 は 英 語 が 話 せ ず 、 通 訳 を 通 して証 言 を行 っ て い るが 、 以 下 の 事
実 に は 疑 い の な い と こ ろ で あ る 。 原 告 は 、 カ ナ ダ の レ ッ ド川(Redriver)で
父 ミ カ エ ル ・デ ラ ニ ー(MichaelDelaney)、
Delaney)の
、
母 イ ザ ベ ル ・デ ラ ニ ー(IsabeI
問 に 生 ま れ 、 彼 女 の 母 イ ザ ベ ル ・デ ラ ニ ー は 、 ミ ネ ソ タ の フ ォ ン ・
ド ゥ ・ ラ ク(FondduLac)で19世
紀 の初 頭 に生 ま れ 、 結 婚 前 の姓 は 、 イ ザ ベ
ル ・バ チ レ(lsabelBazille)で
あ る 。 デ ラ ニ ー の 母 で あ る原 告 の 祖 母 の 結 婚 前
34
の 姓 は 、 テ レ ー ゼ ・コ ッ ト(ThereaseCotte)で
あ り、 レ イ ク ・ス ー ペ リ ア ー の
チ ッペ ワ(ChipPewasofLakeSuperior)の
duLacband)の
フ オ ン ・ ド ゥ ・ラ ク ・バ ン ド(Fond
構 成 員 で あ る 名 前 がKah-we-tah-wah-moと
い うイ ン デ ィ
ア ン の 全 血 の 男 性 と 結 婚 し て い る(SeelOStat,llO9,subd.4,art2.)。2人
と も 、 常 に 完 全 に 当 該 バ ン ド と部 族 の 構 成 員 と し て 承 認 さ れ て い た 。 ミセ ス ・
バ チ レは 、 彼 女 の 夫 と同様 、 イ ン デ ィア ンの 血 統 で あ る と考 え る のが 適 切 で あ
る。 彼 女 は、 イ ンデ ィ ア ン 女 性 で あ る と考 え られ る。 とい うの も、 彼 女 は黒 髪
で 、 モ カ シ ン(moccasin)を
履 き、 ビー ズ 細 工 飾 りを身 に付 け、 家 事 の か た わ
ら、 イ ン デ ィ ア ン の 呪 医 と し て 働 き 、 夫 婦 は 、 テ ィ ー ピ ー(tepee)で
生 活 して
い る 。 ミセ ス ・バ チ レ は 、 フ ォ ン ・ ド ゥ ・ラ ク で 死 亡 し て い る 。 イ ザ ベ ル は 、
14歳 の 時 、 フ ラ ン ス 系 カ ナ ダ 人 で 職 業 は 煉 瓦 職 人 で あ っ た ミ カ エ ル ・デ ラ ニ ー
と結 婚 し て い る 。 ミセ ス ・デ ラ ニ ー は 、 ミネ ソ タ の チ ッ ペ ワ の 半 血 乃 至4分
の
3の 純 血 値 で あ っ た 。 彼 女 は 、 後 ろ 髪 を 伸 ば し 、 モ カ シ ン を 売 る 目 的 で 作 り、
ビ ー ズ 細 工 飾 り を 付 け 、 ま た そ れ を 売 り、 彼 女 の 母 同 様 、 家 事 の 傍 ら イ ン デ ィ
ア ン の 呪 医 と産 婆 を 生 業 と し た 。 彼 女 は 、 ほ と ん ど の イ ン デ ィ ア ン 女 性 が そ う
で あ る よ う に 内 股 で 歩 き 、 し ば し ば 、 か え で 糖(maplesugar)を
作 る た め 、結
婚 の 前 も結 婚 の 後 も 、 フ ォ ン ・ ド ゥ ・ラ ク か ら レ ッ ド川 に 行 っ て い る 。 彼 女 は 、
テ ィ ー ピー に生 活 して い る が 、 結 婚 直後 、 彼 女 に フ ォ ン ・ドゥ ・ラ クで は仕 事
が な か っ た が た め 、 夫 婦 は 、 ガ レ ー 砦(Ft.Garry)又
は ウ ィ ニ ペ グ(Winnipeg)
に 近 い カ ナ ダ の レ ッ ド川 に 赴 き 、 夫 は 交 易 市 場(fort)で
働 き、 ま た 、墓 石 を 作 っ
て い る 。 レ ッ ド川 に 向 か う に 際 し て 、 は じ め は 犬 権 で 旅 行 し 、 川 に さ し か か る
と樹 皮 の カ ヌ ー で 渡 り、 次 の 湖 ま で カ ヌ ー を 携 行 し て い る 。 カ ナ ダ で は 、8人
の 子 ど も を 儲 け て い る が 、 原 告 は 、 第 三 子 で あ り 、1828年
て い る 。 原 告 が 、 約19歳
に な っ た1850年
り、 ス ネ リ ン グ 砦(Ft.Snelling)で
に2人
又 は1829年
に生 まれ
頃 、 彼 女 の 父 親 は 、 ミネ ソ タ に 立 ち 返
仕 事 を 得 て い る 。2年
後 、 妻 も合 流 し、 更
の 子 ど もを儲 け て い る。
原 告 は 、 両 親 が セ ン ト ・ポ ー ル(St.Paul)に
落 ち 着 く ま で の2年
以 上 を叔 母
の も と に留 ま り、 その 後 、大 工 、 水 車大 工 、 鉄 橋 建 設 者 、 農 夫 で あ る フ ラ ン ス
系 カ ナ ダ 人 の ジ ョセ ブ ・ヴ ェ チ ー ナ(JosephVezina)と
年 を 両 親 と過 ご し て い る。 そ の 後 、2人
結 婚 す る ま で の2、3
は 、 メ ン ドー タ(Mendota)に
移 り、 後
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
に は ミ ネ ア ポ リ ス(Minneapolis)に
35
移 り住 ん で い る。 デ ラ ニ ー 家 は 、 セ ン ト・
ポ ー ル に 約10年
落 ち 着 い た 後 、 セ ン ト ・ポ ー ル か ら 約18マ
イ ル 離 れ た ライ ス湖
(RiceLake)の
農 場 に 移 り 、 ミネ ア ポ リ ス に 移 る ま で 数 年 の あ い だ 留 ま っ て い
る が 、 そ こ で ミス タ ー ・デ ラ ニ ー は 亡 く な り、 彼 の 妻 も1875年
い る 。 彼 女 は 、 ア メ リカ ・イ ン デ ィ ア ン の 女(squaw)の
ご ろ な くな っ て
身 な り を し、 ス トッ キ
ン グ を 穿 か ず 、 冬 に は 気 候 の 変 化 か ら護 る た め 膝 を 衣 類 で 覆 っ て い た 。 原 告 と
そ の 家 族 は 、メ ン ドー タ に 住 ん で い た が 、原 告 の 母 は 、毛 布 、ギ ン ガ ム(gingham)、
キ ャ ラ コ(calico)と
1863年10月
い っ た 物 資 を 政 府 か ら割 当 て ら れ 、 原 告 に 分 け 与 え て い た 。
以 前 に 、 原 告 は 、1854年9月30日
条 約(10Stat.llO9.)第2条
第7項(「
に チ ッペ ワ との問 で 締 結 され た
レイ ク ・ス ー ペ リア ーの チ ッペ ワ に 属 す る混
血(mixedbloods,belongingtotheChippewasofLakeSuperior)で
あ る各 々
の 世 帯 主 又 は21歳 以 上 の 独 身 者 は … …80エ ー カ ー の 土 地 の権 利 を 付 与 され … … 通 常 の
形 式 で 公 有 地 譲 渡 証 書 に よっ て保 証 され る 。」)に 基 づ い て 、 レ イ ク ・ス ー ペ リ ア ー
の 混 血 の チ ッ ペ ワ と し て80エ
ー カ ー の 土 地 の 仮 証 書(scrip)で
号 を発 出 さ れ て い る 。 こ の 仮 証 書 は 、1863年10月
プ マ ン(WilliamS.Chapman)に
(Stockton)の
第7項
、法 務 官 ウ ィ リ ア ム ・S・ チ ャ ッ
よっ て カ リ フ ォル ニ アの ス トッ ク トン
土地 区 画 内 の 土 地 に設 定 され て い た 。 公 有 地 譲 渡 証 書 が 、 当 該 土
地 に 発 出 さ れ た が 、1879年5月8日
第2条
あ る 証 書 第ll9
、 公 有 地 譲 渡 証 書 は取 消 され た。 上 記 条 約
を 注 意 深 く読 む と、 仮 証 書 の 発 行 を 全 く企 図 して い な い が 、 「ギ ル
バ ー ト仮 証 書 」(Gilbertscrip)と
い る 。1872年3月19日
し て 知 られ て い る も の が 、278人
に発 出 され て
、 内 務 長 官 は、 本 条 約 に 従 って 発 出 され た仮 証 書 は、 証
書 発 出 を 図 っ た 詐 欺 に 基 づ い て い る こ と が 明 らか で あ り、 ギ ル バ ー ト仮 証 書 以
外 を 除 い て 取 消 さ れ る 旨 を 指 図 して い る 。
証 書 第ll9号
は 、 違 法 且 っ 無 効 と宣 言 さ れ て い た が 、 原 告 が 個 人 的 に 何 らか の
詐 欺 を 犯 し た と の 事 実 認 定 は 、 存 在 し て い な い 。 しか し、1863年
の早 い 時期 に 、
原 告 が 、 レ イ ク ・ス ー ペ リ ア ー の チ ッ ペ ワ の 血 統 に 属 す る 旨 を 主 張 し、 そ し て 、
当 該 請 求 に仮 証 書 を発 行 す る権 利 を有 して は い な い が 、 政 府 が 、 原 告 が レイ ク ・
ス ー ペ リ ア ー の チ ッ ペ ワ の 混 血 で あ る と い う 彼 女 の 主 張 を 真 実 だ と認 め 、 仮 証
書 が 無 効 と宣 言 す るに 際 して 、 他 の 事 項 につ い て は 宣 言 して い な い とい う こ と
は 明 ら か で あ る 。 ミ セ ス ・デ ラ ニ ー は 、 チ ッ ペ ワ 語 と怪 し げ な フ ラ ン ス 語 を 話
36
し、 ミ セ ス ・ヴ ェ チ ー ナ は 、 フ ラ ン ス 語 と怪 し げ な チ ッ ペ ワ 語 を 話 し て い る 。
1889年1月14日
、 合 衆 国 議 会 は 、 「ミネ ソ タ 州 内 の チ ッ ペ ワ ・イ ン デ ィ ア ン の
救 済 及 び 開 化 の た め の 法 律 」(Ch,24,25Stat.642.)を
可 決 した 。 当該 法 律 は、
大 統 領 が ミネ ソ タ 州 内 の ホ ワ イ ト ・ア ー ス(WhiteEarth)と
レ ッ ド湖(RedLake)
の 保 留 地 を 除 くチ ッ ペ ワ ・イ ン デ ィ ア ン の 全 て の そ れ ぞ れ の バ ン ド及 び 部 族 と、
州 内 の 全 て の 彼 ら の 利 益 を 放 棄 す る た め の 交 渉 に3人
め 、 同 法 第3条
の委 員 を任 命 す る 旨 を定
は 、 一 定 の 期 間 経 過 後 、 ミ ネ ソ タ の チ ッペ ワ ・イ ン デ ィ ア ン は 、
レ ッ ド湖 の 保 留 地 の イ ン デ ィ ア ン を 除 い て 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 保 留 地 へ(強
移 住 さ せ ら れ 、 そ こ で 定 住 す る も の と し、 彼 ら は 、1887年2月8日
24Stat.388.)に
従 っ て 、 単 独 保 有 で(inseveralty)土
して い た 。 上 記1889年1月14日
法 第1条
制)
法(Ch.ll4,
地 を 割 当 て ら れ る と規 定
は、 土地 割 当及 び そ の他 の 目的 の た め、
委 員 は イ ン デ ィ ア ンの 人 口 調 査 を実 施 す る も の と規 定 して い る。 大 統 領 が 、 同
法 に 基 づ い て 委 員 を 任 命 し て い る が 、1889年ll月21日
、3人
の 委 員 と ミネ ソ タ
の チ ッペ ワ の フ オ ン ド ・ ド ゥ ・ラ ク ・バ ン ド(FondduLacband)の123人
成 人 イ ン デ ィ ァ ン が 、上 記1889年1月14日
の
法 を 合 意 に 基 づ い て 批 准 し 、イ ン デ ィ
ア ン は 、 ミネ ソ タ の 彼 ら の 以 前 の 保 留 地 の 全 て を 合 衆 国 に 引 渡 し た 。 原 告 は 、
こ の 間 の1889年3月15日
に ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 保 留 地 に 移 り、 合 衆 国 ミネ ソ タ
地 区 地 方 裁 判 所 へ の 本 件 訴 訟 を 提 起 す る ま で 、25年
居 住 し 、 今 や28年
以 上 にわ た っ て 当 該 場 所 に
以 上 に な って い る。
法 律 は 、 土 地 割 当 の 一 覧 表 作 成 に イ ンデ ィ ア ンの 同 意 を 要 求 して は お らず 、
当 該 権 限 は 、 委 員 会 に 付 与 さ れ て い る が 、 委 員 会 は 、 旧 ホ ワ イ ト ・ア ー ス ・イ
ン デ ィ ア ン で は な く、 そ の 保 留 地 の 新 旧 の 占 有 者 の イ ン デ ィ ア ン 評 議 会 の 助 言
を積 極 的 に受 け 入 れ る こ とを 決 定 して い る。 保 留 地 に は 、 土 地 割 当 に 必 要 とさ
れ る 以 上 の 土 地 が 相 当 あ り、 法 律(25Stat.642.)は
、保 留 地 の 松 の 木 林 の土 地
を 評 価 額 以 上 の 価 格 で 公 売 に か け る こ と、 しか し、 自 営 農 地 法(homesteadlaw)
の 適 用 を 受 け る農 地 につ い て の 不 動 産 占有 に つ い て は、 自営 農 地 法 に よ る入 植
者(homesteader)に1エ
ー カ ー 当 た り1,25ド
ル の支 払 い を 行 う こ と を要 求 し
て い る 。 同 法 は 、 更 に 、 松 の 木 林 の 土 地 と農 地 の 売 却 の 売 上 高 全 額 は 、 最 終 的
に は ミネ ソ タ の チ ッペ ワ の 利 益 に帰 さな けれ ば な ら な い 旨 を 定 め て い る。 従 っ
て 、 評 議 会 の全 構 成 員 は 、 あ る損 失 を 抱 えた 土 地 割 当 の請 求 者 に不 向 きな 直 接
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
37
的 個 人 利 益 を認 め た 。 そ の損 失 とは、 割 当 地 が 許 可 され た場 合 に は、 同様 にイ
ン デ ィ ア ン法 の下 に あ る土 地 を 減 少 させ るで あ ろ う遺 産 に原 因 を置 く もの で あ
る 。 第 一 酋 長 で あ る ホ ワ イ ト ・ク ラ ウ ド(WhiteCloud)は
、個人調査後、多 く
の イ ン デ ィ ア ン に そ う した よ う に 、 ミ セ ス ・ヴ ェ チ ー ナ の 利 益 と な る よ う に 行
動 し た 。 第 一 回 評 議 会 の 処 置 は 明 ら か で な い が 、 ミ セ ス ・ヴ ェ チ ー ナ を 土 地 割
当 一 覧 表 に 登 載 す る こ と を 推 薦 す る 投 票 を 行 っ て は い な い 。1907年6月1日
開
催 の 評 議 会 は、 彼 女 を 拒 否 し、 後 年 、 評 議 会 は、 終始 、 問 題 を 政 府 に再 付 託 し
て い る 。 原 告 は 、 保 留 地 の ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 町 で 酋 長 に よ っ て 明 白 に 建 て る
こ と を 許 さ れ て き た 家 屋 内 で 、 そ し て 明 ら か に イ ン デ ィ ア ン係 官 と委 員 の 黙 認
を 得 て 、13年
以 上 生 活 し、 夫 が 死 亡 し た こ ろ 、 本 件 訴 訟 で 問 題 と な っ て い る 土
地 に移 っ て い る 。 原 告 が 住 居 を 構 え る 土 地 の 表 示 は 、 政 府 機 関 に 雇 用 さ れ た ジ ョ
セ ブ ・パ ー ロ ウ ル ト(JosephPerrault)に
1892年9月2日
に は 、委 員 会 の 委 員 長 ダ ー ウ ィ ン ・S・ホ ー ル(DarwinS.Hall)
が 、1894年6月20に
Campbell)が
よ っ て 備 え 付 け ら れ て い る。
は 委 員 長 ウ ィ リ ァ ム ・M・
キ ャ ン プ ベ ル(WilliamM.
ミセ ス ・ヴ ェ チ ー ナ の 請 求 に 反 し て 報 告 書 を 提 出 し 、 こ れ ら の 決
定 は イ ン デ ィ ア ン 局(IndianOffice)に
よ っ て 支 持 さ れ て い る 。1895年5月27
日 、 委 員 長 メ ル ヴ ィ ン ・R・ ボ ー ル ド ウ ィ ン(MelvinR.Baldwin)は
、原告 の
母 親 が チ ッ ペ ワ 族 の 構 成 員 で あ っ た こ と 、 ミ シ シ ッ ピ ー ・バ ン ド(Mississippi
band)の
酋 長 らが 、 原 告 の 登 録 を 請 願 し、 そ し て 原 告 が 登 録 さ れ 、1889年1月
14日 法 で ミネ ソ タ の チ ッ ペ ワ に 承 認 さ れ た 全 て の 権 利 と特 権 を 許 さ れ る べ き こ
と を 推 薦 し て き た こ と を 、 報 告 書 に して 提 出 し て い る 。1895年6月8日
デ ィ ア ン 問 題 代 理 委 員(ActingCommissionerofIndianAffairs)は
、イ ン
、 こ の点
に関 し、 委 員 会 委 員 長 の 報 告書 を却 下 した 。
1898年12月21日
、 原 告 は 、1854年9月30日
法 第2条
に基 づ い て 申請 を 行 っ
た 。 イ ン デ ィ ア ン問題 委 員 会 は、 当該 中請 を 内務 長 官 に付 託 したが 、 同長 官 は 、
証 拠 不 在 を 理 由 に 原 告 の 請 求 を 却 下 し て い る 。1899年1月27日
、 イ ンデ ィ ア ン
問 題 代 理 委 員 は 、 当 時 の チ ッ ペ ワ 委 員 会(ChippewaCommission)委
員 長 ダー
ウ ィ ン ・S・ ホ ー ル(DarwinS.Hall,1891∼93,1897∼99)に
曰 く、 ミ セ ス ・ヴ ェ チ ー ナ の 登 録 請 求 は 過 去3回
書 簡 を送 って い る。
に 及 ぶ が 、 チ ッペ ワ 委 員 会 の
こ れ ま で の 調 査 で は 、 ヴ ェ チ ー ナ は そ の 都 度 登 録 の 権 利 が な い と結 論 さ れ て お
38
り、 こ の 結 論 に 同 意 す る も の で あ る と 。
解 任 さ れ た ホ ー ル は 、1900年3月24日
て い る が 、1900年7月18日
、 原 告 の 請 求 に 反 す る報 告 書 を 提 出 し
に は、 うっ て か わ っ て 原 告 が 登 録 され るべ き こ とを
推 薦 す る報 告 書 を 作 成 して い る。 しか し、 こ の報 告 書 は 、 イ ンデ ィ ア ン局 並 び
に 内 務 長 官 代 理 に よ っ て 却 下 さ れ て い る 。1903年6月20日
、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス
の 保 留 地 の 合 衆 国 の イ ン デ ィ ア ン 政 府 職 員 シ モ ン ・ ミ ッ チ ェ ル ト(Simon
Michelet)は
、 ミ セ ス ・ヴ ェ チ ー ナ は 、1854年9月30日
条 約 第2条
第2項
の下
で 土 地 を 占 有 す る権 利 が 付 与 さ れ る 資 格 が あ る と す る 証 書 を 与 え て い る 。 と こ
ろ が 、1904年5月6日
、 イ ン デ ィ ア ン 問 題 局(OfficeofIndianAffairs)は
、
ミ ッ チ ェ ル ト に ヴ ェ チ ー ナ の 請 求 は 数 回 拒 否 さ れ 、 彼 ら(判 文 の 前 後 関 係 か ら し
て 、 本 件 原 告 の み な らず 、 複 数 人 が 原 告 と同様 の請 求 を 行 い 、 そ れ に 対 して 、 政 府 が
対 応 して い る と考 え られ る。)は 登 録 資 格 が な い と さ れ 、 そ し て
「
い か な る奨 励 又
は 支 持 も 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 保 留 地 に 土 地 を 占 有 す る た め の 彼 ら の 偽 り の 請
求 若 し く は 権 利 に 与 え られ て は な ら な い 。」 と す る 書 簡 を送 っ て い る 。1907年10
月 に 入 り、 イ ン デ ィ ア ン 問 題 代 理 委 員 は 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 政 府 職 員 の 係 担
当 の監 督 者 に再 審 理 の 請 願 が ヴ ェ チ ー ナ の 問 題 に 関 して大 統領 を通 して 提 出 さ
れ た 旨 の 書 簡 を 出 して い る が 、 代 理 委 員 は 、 書 簡 の 中 で 、 次 の よ う に 言 及 し て
い る。 す な わ ち 、 請 願 で 述 べ られ た 事 実 を見 るに 、 彼 らは 、 土 地 割 当 を請 求 し
て い る 土 地 に 実 際 に17年
間 居 住 し て お り、 開 発 と 改 良 工 事 に よ り付 加 価 値 を 加
え て お り、 よ っ て ホ ワ イ ト ・ア ー ス の イ ン デ ィ ア ン の 一 般 評 議 会 に 諮 ら れ る べ
き で あ る 。 貴 殿 に お か れ て は 、 早 い 時 期 に ミ セ ス ・ヴ ェ チ ー ナ と そ の 家 族 に 次
回 の 一 般 評 議 会 に 彼 ら の 案 件 を 提 出 す べ き で あ る こ と を 予 告 し、 当 該 家 族 と協
力 して 一 般 評 議 会 に臨 ま れ た い 。
1908年1月20日
、 イ ン デ ィ ア ン 問 題 副 委 員 長 は 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 政 府 職
員 の 係 担 当 の 監 督 者 に 書 簡 を 出 し て い る。 以 下 、 そ の 要 約 で あ る 。 「
私 は、 貴 殿
に 、 今 後 の 活 動 に 参 考 と な る と考 え る の で 、1月8日
イ(Langby)か
付 け ミネ ソ タ の ラ ン グバ
ら の ミセ ス ・エ リ ザ ベ ス ・ヴ ェ チ ー ナ と そ の 家 族 の 手 紙 を 、 土
地 割 当 を 獲 得 す る た め に 彼 女 自 身 と子 供 た ち の 登 録 に 関 し て 送 る も の で あ る 。
(上 記 の 相 互 のや り取 りを述 べ た後)、 ミセ ス ・ヴ ェ チ ー ナ は 、 既 に 齢79才
で あ り、
相 当 衰 弱 し て い る も の と思 わ れ る 。 当 方 は 、 彼 女 に 痛 く 同 情 す る も の で あ っ て 、
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
彼 女 と そ の 子 ど も た ち(孫
39
た ち は 除 く)は 登 録 さ れ 、 長 期 に 亘 っ て 占 有 し て き た
土 地 を 割 当 て ら れ る べ き で あ る と思 料 す る。 従 っ て 、 貴 殿 に 、 次 回 の ホ ワ イ ト ・
ア ー ス の イ ン デ ィ ア ンの 一 般 評 議 会 決 定 に向 け て彼 女 とそ の 家族 の登 録 に 向 け
て 申請 手 続 を と っ て い た だ き 、 登 録 で き 得 る よ う努 力 を お 願 い す る 次 第 で あ る 」。
1908年1月28日
、 今 度 は 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス の 政 府 職 員 の 係 担 当 の 監 督 者 シ
モ ン ・ ミ ッ チ ェ ル ト(SimonMichelet)か
らイ ン デ ィア ン問 題 副 委 員 長 に次 の
よ うな書 簡 が届 け られ て い る。 「
土 地 割 当 申 請 の 承 認 の た め に1907年12月28日
に 一 般 評 議 会 を 召 集 した こ と を 、 謹 ん で 申 し上 げ ま す 。1908年1月ll日
土 曜 日、
イ ン デ ィ ア ン た ち は 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス で 評 議 会 を 開 催 し た が 、 そ れ を 知 っ た
とき、 私 は 、 数 通 の 土 地 割 当 申 請 を提 出 した い 旨 を 伝 え た。 状 況 は思 わ し くな
く、 彼 ら は 、 申 請 に 従 っ て 行 動 す る こ と に 偏 見 を も っ て お り 、 とて も こ れ ら 申
請 が 受 け取 ら れ る 状 況 に あ る と は 思 わ れ な い 。 イ ン デ ィ ア ン た ち に 申 請 を 承 認
す る 機 会 が 与 え ら れ た 際 、 貴 殿 の 事 務 所 は 、 彼 らryiu.im.に
扱 ったが、評議 会 にお
い て 、 この 問 題 を処 理 す る こ と は止 め るべ きだ と思 料 す る。 当 方 は、 老 女 が 保
留 地 に 権 利 を 有 し て お り、 イ ン デ ィ ア ン の 純 血 値 を ひ い て い る と確 信 す る も の
で あ る 」。
1908年12月1日
R.Howard)か
付 け 合 衆 国 イ ン デ ィ ア ン政 府 職 員 ジ ョ ン ・R・ ハ ワ ー ド(John
らイ ン デ ィ ア ン問 題 委 員 へ の 書 簡 … …
そ の 他 の 業 務 処 理 の 目 的 で 、10月1日
、2日
「
部 族 名 簿 へ の 登録 及 び
召 集 の ホ ワ イ ト ・ア ー ス の イ ン デ ィ
ア ン 部 族 の 一 般 評 議 会 に 覚 書 を 付 託 し た こ と を 謹 ん で 申 し上 げ る 次 第 で あ る 。
数 々 の 申 請 書 が 、 評 議 会 に 提 出 さ れ た が 、 エ リザ ベ ス ・ヴ ェ チ ー ナ の 申 請 書 第
10号 に つ い て 、 こ の 申 請 は 、 以 前 の 評 議 会 で 拒 否 さ れ て き て い る 。 申 請 者 並 び
に 彼 女 の 家 族 構 成 員 は 、 彼 女 の 代 理 人 と 共 に 全 員 出 席 し た 。 し か し、 他 の 評 議
会 に 問 題 を 付 託 す る よ う 私 に 指 図 さ れ た 貴 殿 の 事 務 所 の1907年10月25日
簡 に 含 ま れ て い る 命 令 に も拘 ら ず(書
付 け書
簡 は評 議 会 に提 示 さ れ て い る)、 評 議 会 は 断
固 と して 問 題 を 評 議 会 に 諮 る こ と を 拒 否 し た 。 こ の 問 題 は 、 当 方 に 関 す る 限 り、
明 確 に 解 決 済 み と 思 わ れ る 」。
1908年12月30日
は 、1908年12月1日
付 け イ ンデ ィ ア ン問題 委 員 か ら内務 長 官宛 て書 簡 … …
「当 職
付 け 、 ホ ワ イ ト ・ア ー ス 政 府 機 関 ・合 衆 国 イ ン デ ィ ア ン 政
府 職 員 ジ ョ ン ・R・ ハ ワ ー ドの 書 簡 を 受 領 致 し ま し た 。 本 書 簡 は 、1908年10月
40
1日 、2日
開 催 の ホ ワ イ ト ・ア ー ス ・チ ッ ペ ワ の 一 般 評 議 会 へ 付 託 さ れ た 覚 書
な る も の で ご ざ い ま す 。 評 議 会 は 、1889年1月14日
Stat.642.)並
539,)の
び に1904年4月28日
制 定 の 合 衆 国 議 会 法 律(25
制 定 の 合 衆 国 議 会 法 律(Ch.1786,33Stat,
下 で の 年 金 及 び 土 地 割 当 の 獲 得 に 関 し て 、 部 族 構 成 員 と し て 登 録 す るか
ど うか につ い て提 出 され た 申 請 書 を審 議 す る た め に召 集 さ れ た も の で ご ざ い ま
す 。 … … 評 議 会 の 支 持 を得 られ なか っ た 案 件 は 以 下 の 通 りで あ りま す … … エ リ
ザ ベ ス ・ヴ ェ ッ チ ー ナ 及 び 家 族 … … 。 そ れ ぞ れ の 上 記 第8号
案 件 か ら 第12号
案
件 ま で に関 しま して は、 政 府 職 員 は 、 申 請 の 拒 否 を も 申請 の 承 認 を も託 して お
り、 当 職 も これ に 同 意 致 し ま す 。 上 記 第1号
案 件 か ら 第7号
案 件 に つ い て の評
議 会 の 行 為 は 、 証 拠 に 基 づ く事 実 に 基 づ い て 正 当 化 で き る も の と 思 料 さ れ ま す 。
第8号
案 件 か ら 第12号
案 件 に関 し、 委 員 会 が 反 対 の 立 場 を とっ た こ と は、 全 く
正 し い 判 断 で あ る と思 わ れ ま す 」。
1909年10月28日
付 け イ ン デ ィ ア ン 問 題 副 委 員 長 か ら原 告 の 息 子 た る ヘ ン リー ・
ベ チ ー ナ(HenryVezina)宛
て書 簡 … …
権 利 取 得 に 関 す る貴 殿 の1909年6月24日
「ミセ ス ・エ リ ザ ベ ス ・ヴ ェ チ ー ナ の
付 け書 簡 に つ い て 言 及 す れ ば、 ホ ワ イ
ト ・ア ー ス の 保 留 地 の 監 督 者 が 当 職 の 要 請 に よ り更 な る 調 査 を 行 っ て き た 情 報
を、 貴 殿 は得 て い る はず で あ る。 当職 に 付 託 さ れ た 報 告 書 の 中 に は 、 ヴ ェ チ ー
ナ の 家 族 の 土 地 割 当 に 必 要 な 登 録 に 関 し て 、 内 務 省 並 び に 当 職 の 態 度 を修 正 若
し くは 変 更 す べ き 付 加 的 証 拠 は 、 何 ら添 付 さ れ て い な い 。 当 職 は 、 内 務 長 官 に
交 渉 の 再 開 を 願 い 出 る何 ら の 手 段 も 持 ち 合 わ せ な い 。1901年2月6日
760.)に
法(31Stat.
基 づ い て 訴 訟 を 提 起 す る 方 途 が 、 貴 殿 の 家 族 の 権 利 取 得 に と っ て 最 も単
純 且 つ 直 接 的 な そ れ で あ る と当 職 は考 え る と ころ で あ る。 貴 殿 の 家 族 の 移 住 問
題 が 、 数 度 に 亘 っ て 考 慮 さ れ て き た 。 遅 滞 な く権 利 が 確 定 さ れ な い 限 り、 早 晩 、
移 住 手 続 が 採 ら れ る で あ ろ う 」。
1911年12月13日
Roy)か
、原 告 の 伯 父 で あ る93歳
に な る マ ー ガ レ ッ ト ・ロ イ(Margaret
ら 、 原 告 は 、 ミネ ソ タ の チ ッペ ワ の ミ シ シ ッ ピ ー ・バ ン ドに 属 す る 混 血
イ ン デ ィ ア ン で あ り、 当 該 部 族 の 全 血 の 純 血 値 を もつKah-we-tah-wah-mo
の 孫 娘 にあ た る との 宣 誓 供 述 書 が 、 イ ンデ ィ ア ン問 題 局 に提 出 され た 。
〈
判 旨 〉 当 法 廷 の と る 見 解 で は 、 原 告 は 、 血 統 に お い て レ イ ク ・ス ー ペ リ ア ー の
チ ッ ペ ワ の フ ォ ン ト ・ ド ゥ ・ラ ッ ク ・バ ン ド の 構 成 員 で あ る 。 証 拠 が 、 相 当 数
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
の 者 が 保 留 地 の 外 で 出 生 し、 彼 又 は 彼 女 は 、1889年1月14日
41
条 約 以 前 に中 年 に
達 し、 保 留 地 に 移 住 し 、 承 認 、 登 録 さ れ 、 そ し て 保 留 地 で 土 地 割 当 を 保 証 さ れ
た こ と を 示 して い る 。 委 員 会 報 告 の3つ
の う ち2つ
の それ が 、 最 終 的 に原 告 の
主 張 の 利 益 に な る よ う 判 断 し 、 イ ン デ ィ ア ン 局 は 、1908年1月20日
に 本 件 の訴
訟 的 を 促 し て い る 。 イ ン デ ィ ア ン 担 当 官 シ モ ン ・ミ ッ チ ェ ル ト は 、 原 告 の 主 張
に賛 同 す る報 告 書 を 提 出 して い る。 原 告 及 び 原 告 の 母 親 は、 部族 の構 成 員 た る
こ と を 放 棄 した と主 張 さ れ る が 、 抗 弁 さ れ た と し て も 、 当 法 廷 は 、 そ れ は 支 持
さ れ な い と い う結 論 に 達 し た 。 合 衆 国 議 会 第55議
日 法(Ch.3,30Stat.62.)は
会 で 制 定 さ れ た1897年6月7
、 「
以 後 、 白 人 男 性 と養 子 縁 組 に お い て で は な く、
血 統 に お い て イ ン デ ィ ア ン で あ る女 性 との 問 の婚 姻 に よ り出 生 し た全 て の 子 ど
も は、 当 該 イ ン デ ィア ン の女 性 が 出 生 の 際 に、 又 は 死 亡 の際 に 部 族 に よっ て 承
認 さ れ て い る 場 合 、 血 統 に お い て 母 親 が 所 属 し、 若 し く は そ の 死 亡 の 際 に 所 属
して い た 部 族 の 財 産 に 、 部 族 の 他 の 構 成 員 と 同 一 の 権 利 及 び 特 権 を 有 す る も の
とす る 。 本 法 制 定 以 前 の い か な る 合 衆 国 議 会 法 律 も 、 当 該 児 童 に 当 該 権 利 を 排
除 す る よ う 解 釈 さ れ て は な ら な い 。」 と規 定 し て い る(ld.at90.)。
イ ン デ ィ ア ン た ち は 、 遊 動 民(nomadicpeople)で
あ り、 一 時 的 に保 留 地 を
離 れ る構 成 員 は 、部 族 構 成 員 と して の イ ン デ ィア ンの 権 利 を失 わ な い で あ ろ う。
条 約 若 し くは合 衆 国 議 会 法 律 が 存 在 しな い 場 合 、 イ ンデ ィア ンた ち は 、 合 衆 国
の 市 民 で は な か っ た 。 た と え1人
の イ ンデ ィ ア ンが 自 ら の部 族 を見 捨 て 、 白人
種 の 間 に 自分 の住 居 を 定 め 、合 衆 国 及 び居 住 す る州 の 権 限 を 除 い て 、 自身 に対
す る い か な る権 限 を も認 め て来 なか っ た と して も、 法 律 若 し くは条 約 が 存 在 し
な い 限 り、合 衆 国 の 市 民 で は な く、 ま た 合 衆 国 の 市 民 に な り得 な い の で あ る(Elk
v.Wilkins,112U.S.94;FamousSmithv.UnitedStates,151U.S.50.)o
裁 判 所 は 、 イ ン デ ィ ア ン た ち が 自 らの 部族 内 の 自分 の 公 民 権 を喪 失 し、 いか
な る方 法 を も っ て して も他 の 市 民 権 を獲 得 で き な か った とい う項 末 で 取 る に足
りな い諸 事 情 を捜 す 出 す べ きで は な い。 イ ン デ ィ ア ン女 性 が 、 単 に彼 女 の 夫 と
生 活 して い る こ とに よ って 自 らの 部 族 を 放 棄 した 一
う に彼 女 に 命 じた 一
zz)
差 戻 し)。
神 の法 と人 の法 が そ の よ
と い う た め に は 、 特 に 強 度 の 証 拠 が 必 要 と さ れ る(破
棄・
42
(4)解
説
裁 判 の 結 論 も さ る こ とな が ら、 そ の 当 時 、 イ ンデ ィ ア ン以 外 の 者 と結 婚 した
イ ン デ ィ ア ン 女 性 が 、 い か に 過 酷 な 生 活 を 強 い ら れ 、 生 活 の 場 を 転 々 とせ ざ る
を 得 な か っ た と い う事 実(他
の 事 案 を み て も、 同様 の 実 態 が 浮 か ん で くる 。)、そ れ
に対 して 部 族 が と った 対 応 、 更 に は政 府 職 員 の まが りな りに も誠 意 あ る態 度 等
を 垣 間 見 る こ と が で き る で あ ろ う。
当 時 の そ の 他 の 事 案 を 見 る に 、1856年
のDoeexdem.Lafontainev.
23)
Avalineで
は、 州 の 同 意 無 くして イ ンデ ィア ン以 外 の者 に 対 して イ ンデ ィア ンに
よ る 土 地 の 遺 贈(devise)を
禁 じ た 制 定 法 の 解 釈 を め ぐ っ て 争 わ れ た が 、8分
の
3の 純 血 値 の イ ン デ ィ ア ン が 、 当 該 制 定 法 に い う イ ン デ ィ ア ン に 当 た る か に あ っ
た 。 原 告 は 、 白 人 及 び イ ン デ ィ ア ン 双 方 か ら イ ン デ ィ ア ン と して 扱 わ れ 、 イ ン
デ ィ ア ン の 言 葉 を 話 す こ と が で き 、 そ の 慣 習 と生 活 様 式 は 、 イ ン デ ィ ア ン の そ
れ で あ った 。 裁判 所 は、 「
純 血 値 」(preponderanceofblood)と
(habitoftheperson)を
「
本人の慣習」
判 断 基 準 と し て 採 用 し、 本 件 制 定 法 の 目 的 は イ ン デ ィ
ア ン を 隣 人 に よ る 詐 欺 か ら保 護 す る に あ り、 法 律 の 解 釈 は 、 イ ン デ ィ ア ン に 優
位 と な る よ う解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い と判 示 し 、 原 告 を イ ン デ ィ ア ン と し て
24)
事 件 を 処 理 して い る。1912年
のSully,etal.v.UnitedStatesで
は 、8分
の1
の 純 血 値 を も っ て イ ン デ ィ ア ン と認 定 し 、 登 録 資 格 が あ る と 認 定 し て い る 。 さ
zn)
らに、1938年 のExpastePeroで
ア ン の 母 と半 血 の 父
持 して い る
は、合 衆 国第 七 巡 回 区 控 訴 裁 判所 は、 イ ンデ ィ
両 者 とも イ ンデ ィ ア ン と して 承 認 され 、 部 族 関 係 を維
との 間 に生 まれ た 子 ど もで 、 自 ら も保 留 地 に 居 住 し、 部族 関 係
を維 持 し及 び イ ンデ ィ ア ン と して 承 認 され て い る者 は、 い か な る保 留 地 の いか
な る イ ンデ ィ ア ン部 族 に も登 録 され て い な い と して も、 イ ンデ ィ ア ン保 留 地 で
イ ン デ ィ ア ン に よっ て 犯 さ れ た 殺 人 罪 等 の 重 大 犯 罪 に対 す る合 衆 国 の排 他 的管
轄 権 を認 め る合 衆 国 議 会 法律(18U.S.C.A.§548.)に
ンで あ る と判 示 して い る。 これ らの 事案 か ら、3つ
い う意 味 で の イ ンデ ィ ア
の 基 準 、 す な わ ち 、① 血 統
の 重 要 性 、 ② 本 人 の 慣 習 、 そ して ③ 実 質 的 純 血 値 に加 え て イ ンデ ィ ア ン と して
の 事 実 上 の 部 族 集 団 内 の地 位 、 が 導 きだ され る。
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
ll構
成 員 資 格 の 決 定 と連 邦 政 策 の 変 遷 過 程
1イ
ンデ ィ ァ ン再 組 織 法 制 定 前
43
ヨ ー ロ ッパ 人 との 接 触 以 前 の 北 米 大 陸 にお い て 、 イ ン デ ィ ア ン は、 相 互 に異
な る 言 語 、 儀 礼 、 社 会 制 度 及 び 生 活 方 法 を も っ 、 少 な く と も2,000の
グループに
組 織 化 さ れ て い た と 言 わ れ る 。 所 与 の コ ミ ュ ニ テ ィ ー に お け る構 成 員 た る 資 格
又 は 公 民 権 は 、 社 会 的 組 織 体 制 の 機 能 で あ り、 多 くの 先 住 民 コ ミ ュ ニ テ ィ ー の
組 成 社 会 単 位 は 、 一 族(clan)で
プ(extendedkinshipgroup)で
母 系 制 の(matrilineal)そ
あ り、 或 い は 拡 大 さ れ た 親 族 関 係 に あ る グ ル ー
あ る と さ れ 、 こ れ ら の 社 会 制 度 の い くつ か は 、
れ で あ る とい わ れ る。
か か る血 族 乃 至 家 系 の 強 調 に も 拘 ら ず 、 白 人 と の 接 触 以 前 の 時 代 に お け る 構
成 員 た る資 格 は、 流 動 的 で あ っ て 、 グ ル ー プ 内 で の 家 系 は、 常 に本 質 的 な もの
で は な か っ た 。 個 人 は 、 時 と し て 所 属 グ ル ー プ を 離 れ 、 儀 式 に 基 づ く追 放 、 個
人 的 不 名 誉 、 自 ら犯 し た 犯 罪 に 対 す る復 讐 へ の 恐 れ 、 或 い は 異 な る 氏 族 との 結
婚 と い っ た 理 由 に よ り、 他 の グ ル ー プ の 人 た ち と 生 活 した の で あ る 。 時 と し て 、
特 に、 グル ー プ へ の 加 入 が 、一 族 の 構 成 員 た る資 格 が 条 件 で あ る場 合 に 、 公 式
若 し く は 非 公 式 な 養 子 縁 組(adoption)が
、 新 参 者 を グル ー プ内 に受 け容 れ る手
段 と し て 有 効 で あ っ た と さ れ る 。 か か る個 人 の 移 動 性 を 超 え て 、 イ ロ コ イ の 大
同 盟(thegreatLeagueoftheIroquois)や
ク リ ー ク(Creek)の
よ うな 連 合
体 も存 在 した 。 更 に は 、 一 定 の 部 族 の 問 の 戦 争 の ル ー ル に基 づ い て 、 奴 隷 又 は
召 使 と して 連 れ て来 られ 、 戦 勝 者 の グ ル ー プ に取 り込 まれ て い っ た例 も存 在 す
ア
る。
白人 との 接 触 以後 、 先 住 民 グル ー プ の 社 会 制 度 は 、 ヨ ー ロ ッパ か らの 新 参 者
を 構 成 員 と して 溶 け 込 ま せ る こ と を 可 能 に し て い く。 例 え ば 、 ヨ ー ロ ッ パ 人 の
交 易 者 が 、 チ ェ ロ キ ー ・カ ン ト リー に 定 住 し、 チ ェ ロ キ ー の 女 性 と婚 姻 し た 場
合 、そ の 子 ど も は 、ネ ー シ ョ ン の 母 系 一 族 制 度(matrilinealclansystem)に
て 部 族 の構 成 員 とされ た し 一
従 っ
母 方 の一 族 の構 成 員 一 、 部 外 者 が 、 部 族 の 構 成
員 と結 婚 し た 場 合 と い っ た 特 殊 な 情 況 の 場 合 に 、 当 該 部 外 者 が 、 養 子 縁 組 さ れ
得 た の で あ る。従 っ て 、例 え ば 、1866年 改 正 の 「チ ェ ロ キ ー 憲 法 」(theCherokee
Constitution)第3条
born)チ
第5節
は 、公 民 権 に 関 して 「
全 て の そ の 土 地 生 ま れ の(native-
ェ ロ キ ー 、養 子 縁 組 に よ って 法 的 に ネ ー シ ョン の構 成 員 で あ る全 て の
44
イ ン デ ィ ア ン 及 び 白 人 並 び に チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 境 界 内 に 居 住 す る 当 該
子 孫 は 、 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 公 民(citizen)と
して 扱 わ れ 、並 び に公 民 と
見 徹 さ れ る も の とす る 。」 と 規 定 し 、 チ ェ ロ キ ー 法 も 、 チ ェ ロ キ ー の 女 性 と法 的
に 婚 姻 し 、 ネ ー シ ョ ン 内 に 留 ま る 全 て の 白 人 男 性 を 構 成 員 と して 公 認 して い た
(§§659-663,666-667,ConstitutionandLawsoftheCherokeeNation,
1892)。 か か る 婚 礼 を 祝 福 す る た め 、 非 イ ン デ ィ ア ン は 、 自 ら の 徳 性 を 証 明 し な
け れ ば な ら ず 、 チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 少 な く と も 相 当 の 地 位 あ る者 に よ る
za)
署 名 が 必 要 とさ れ 、 忠 誠 の 誓 い を しな けれ ば な らな か っ た と され る。
連 邦 に よ る イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン 又 は 部 族 の 構 成 員 の 氏 族 に 基 づ く身 元
確 認(racialidentification)政
策 乃 至 作 業 が 本 格 化 す る の は 、1887年2月8日
2U)
に制 定 され た 「ドー ズ 単独 土 地所 有 法 」(ド ーズ法)の 制定 以 降 で あ る と思 料 され
る。 同 法 第1条
は 、 合 衆 国 大 統 領 は 、条 約 上 の取 決 め、 合 衆 国 議 会 法 律 若 し く
は行 政 命 令 に基 づ い て 、 イ ンデ ィ ア ン部 族 若 し くはバ ン ドの 使 用 に供 す る 目 的
で 設 定 され た保 留 地 に居 住 す る イ ン デ ィ ア ン に 、 以 下 の面 積 の 土 地 を 単 独 保 有
地 と して 割 当 て る権 限 を 付 与 され る と規 定 し、 ① 世 帯 主 に は1人
当 り4分 の1
セ ク シ ョン(160エ ーカー)、 ②18歳 以上 の単 身者 に は1人 当 り8分 の1セ ク シ ョ
ン(80エ ーカー)、 ③18歳 未 満 の 孤 児 に は1人 当 り8分 の1セ
クシ ョ ン、 ④18歳
未 満 の 単 身 者 で 、 現 在 生 存 し若 し くは保 留 地 の土 地 割 当 を 指 示 した大 統領 命 令
の 発 布 以 前 に出 生 した 者 に は1人 当 り16分 の1エ ー カ ー(40エ ーカー)と す る と
定 め て い る。 そ して 、 第3条
は、 本 法 で 定 め られ た 土 地 割 当 は、 当該 目的 の た
め に大 統 領 が任 命 した特 別 担 当 官(specialagents)及
び 割 当 実 施 の 対 象 とな る
各 保 留 地 の 担 当 官 に よ っ て 、 内 務 長 官 が その 都 度 定 め る規 則 及 び 行 政 規 則 に基
づ い て 実施 され る。 土 地 割 当 は、 当該 担 当 官 に よ って 、 正 副2通
の証 明 書 と し
て イ ンデ ィ ア ン問題 局 長 に提 出 され る。証 明 書 の1通 は 、イ ンデ ィ ア ン局(Indian
Office)に 保 管 され 、 他 の1通
(GeneralLandOffice)に
は、 内務 長 官 に送 付 され た 後 、 総 合 公 有 地 管 理 局
保 管 され る もの とす る規 定 して い る。
ドー ズ法 は 、 土 地 割 当 対 象 者 を そ れ ぞ れ 区分 して い るが 、 「イ ンデ ィ ア ン」 と
規 定 して い る の み で あ っ て 、 現 実 に は 、 法 律 に基 づ い て業 務 を担 当 した 各 々 の
イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョン 若 し くは部 族 に派 遣 され た 特 別 担 当 官 と保 留 地 の担
当 官 が 、 土 地 割 当 の 対 象 者 た る個 々 の イ ン デ ィ ア ンの 登 録 に 関 し責 任 を負 っ た
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
45
の で あ る。 彼 らは 、 血 統 に依 存 し、 半 血 以 上 の純 血 値 が 典 型 的 な 基 準 と され 、
時 と して4分
の1以 下 の 純 血 値 に引 き下 げ られ た と され る。 そ して 、 この 血 統
が 、 優 先 的 基 準 と して 、 割 当 て られ る土 地 面 積 の拡 大 に も、 当 該 土 地 の 制 約 を
9U1
課 す 契 約 に も使 用 され た と され る。
3D
か か る 政 策 が 、そ の 後 も生 き 残 る こ と に な る が 、Simmonsv.EagleSeelatsee
で 、 原 告 は 、1946年8月9日
U.S.C.§607(2007).)に
法(Ch.933,§7,60Stat.968(codifiedat25
、4分 の1若
し くは そ れ 以 上 の ヤ キ マ 族(YakimaTribes)
の 純 血 値 を 持 つ 当 該 部 族 の 被 登 録 構 成 員 の み が 、 遺 贈 若 し くは 相 続 に よ っ て ヤ
キ マ 保 留 地(YakimaReservation)内
の 信 託 土 地 又 は 譲 渡 制 限 付 き土 地 の 利 益
を 受 取 る権 利 を 有 す る 規 定 が あ る に も拘 ら ず 、 割 当 地 の 利 益 を め ぐ っ て 訴 訟 を
提 起 し た 。 合 衆 国 ワ シ ン ト ン東 地 区 地 方 裁 判 所 は 、 合 衆 国 議 会 が 血 統 に 関 す る
全 面 的 決 定 権 を 有 す る と判 示 し て い る。 す な わ ち 、 合 衆 国 議 会 が 、 イ ン デ ィ ア
ン問 題 を処 理 し、誰 が イ ン デ ィ ア ン 又 は イ ン デ ィア ン部 族 の構 成 員 に該 当 す る
か を明 確 に 定 め る場 合 、 必 然 的 にイ ンデ ィ ア ン の血 統 に照 ら して 決 定 せ ざ る を
得 な い こ と は、 明 らか の こ と と考 え られ る。 本 件 に お い て行 わ れ た こ とは 、 合
衆 国議 会 が これ まで に行 っ て き た こ とに従 った もの で あ る。 立 法機 関が イ ン デ ィ
ア ン問 題 を 処 理 す べ きで あ る と解 す るな ら ば、 イ ンデ ィ ア ン で あ る こ との 証 明
は、 種 族 の 判 断 基 準 の 利 用 を 意 味 す るの で あ っ て 、 イ ン デ ィ ア ン は、 彼 らの 種
32)
族 に よ っ て の み 明確 に 定 め られ 得 る の で あ る。
2イ
ンデ ィ ア ン再 組 織 法 の制 定 とそ の 影 響
連 邦 法 が 、 部 族 の構 成 員 た る資 格 条 件 の概 略 を 定 め る に際 して 、 重 要 な 、 時
と して 間 接 的 な 役 割 を 演 じ て き て い る が 、 よ り直 接 的 な 影 響 は 、100以
を して 憲 法 の 採 択 に 導 い た1934年6月8日
上の部族
制 定 の イ ンデ ィ ア ン再 組 織 法 の 制 定
で ある。
(1)1835年
内務 省 発
「回 報 第3123号
」
IRA第16条
は、 内務 長 官 が 規 則 及 び 行 政 規 則 に基 づ い て イ ン デ ィ ア ン部 族 の
憲 法 及 び 条 例 を承 認 す る 旨 を規 定 して い るが 、 部 族 憲 法 に い か な る 内容 を 盛 り
込 む か に 関 し て は 何 ら定 め て は い な い 。 内 務 省(DepartmentofInterior,DOI)
イ ン デ ィ ア ン 問 題 局(BureauofIndianAffairs)(以
下 、BIAと
も い う。)が 、 同
法 の 下 で 組 織 化 を 図 る 部 族 に 対 す る モ デ ル 案 の 作 成 に 即 座 に 取 り掛 か っ て い る
46
が 、 部 族 構 成 員 の 資 格 に つ い て のBIAの
定 された
政 策 に っ い て 言 え ば 、IRA第19条
に規
「イ ン デ ィ ア ン 」 の 解 釈 に 関 し て 、 同 法 制 定 時 の イ ン デ ィ ア ン 問 題 局
局 長 で あ っ た ジ ョ ン ・コ リ ア(JohnCollier)は
テ ィ の徴 表 と して
「
血統」 と
こ こ に 、1835年ll月18日
、イ ンディアンのアイデンティ
「
家 系 」 を 取 り入 れ る こ と を 提 案 し た と さ れ る 。
発 出 の コ リ ア に よ っ て 署 名 さ れ た 内 務 省 のIRAの
務 に 就 任 して い る監 督 官 及 び 保 留 地 の 担 当 官 へ の 「
回 報 第3123号
業
」(CircularNo,
34)
3123)が 存在 す る。IRAそ
れ 自体 は 、 部族 憲 法 の 下 で誰 が イ ンデ ィア ン と して の
資 格 を 有 す るか に つ い て 指 図 して い な い が 、 内務 長 官 は、IRAは
「イ ンデ ィ ア
ン」 の 定 義 を い か な る者 が 第 一 段 階 と して 憲 法 に 基 づ く政 府 を確 立 す る権 限 を
利 用 し得 るか を決 定 す る た め に規 定 した と述 べ て い る。 同法 第19条 は、 「
本法 に
い う 『イ ン デ ィ ア ン』 とい う用 語 は 、現 在 、 連 邦 の 管 轄 権 の 下 で 承 認 され た全
て の イ ンデ ィ ア ン部 族 の構 成 員 で あ るイ ン デ ィア ンの 血 統 で あ る全 て の 者 、 及
び1934年6月
の 時 点 で 、 全 て の イ ンデ ィ ア ン保 留地 の 現 在 の 境 界 内 に 居 住 して
き た構 成 員 の子 孫 で あ る全 て の 者 、 並 び に半 血 若 し くは そ れ 以 上 の イ ンデ ィ ア
ン の血 統 で あ るそ の 他 の 全 て の者 を含 む もの とす る。 … …」 と規 定 して い るが 、
内務 長 官 に従 え ば 、 この 規 定 は、 「
事 実 上 の 部 族 へ の所 属 又 は 半 血 若 し くは それ
以 上 の イ ン デ ィ ア ンの 血 統 に よ り、 イ ンデ ィ ア ンで あ る者 に 、IRAの
下で のイ
ン デ ィ ア ンの利 益 の 使 用 を制 限 す る。」 とい う明 確 な合 衆 国議 会 の 政 策 を示 す こ
とに あ っ た 。 そ して 、 内 務 省 の政 策 は、 「
以 後 出生 した子 ど もへ の 自動 的 な部 族
構 成 員 の 資 格 を 付 与 す る憲 法 規 定 を 置 こ う とす る場 合 、 そ れ は、 合 理 的 に み て
部 族 との 関 係 及 び 部 族 問 題 に 参 与 す る こ とが 予 測 され 得 る者 に構 成 員 の 資 格 を
与 え る こ とに 限 定 され な けれ ば な らな い。」 とい うに あ る とす る。 この 政 策 を明
確 に す るた め、 内務 長 官 は 、 ① 両 親 と も部 族 の構 成 員 で あ る こ と、 ② 両 親 が 保
留 地 に居 住 して い る こ と、 又 は③ 子 ど もは最 小 限 度 の 純 血 値 を もっ こ と、 とい っ
た 要 件 を 含 む構 成 員 の 資 格 要 件 を明 らか に して い る。 更 に 言 え ば、 片 親 の みが
構 成 員 で あ っ て 且 つ 両 親 が居 留 地 の 外 に 生 活 して い る場 合 、 子 ど もの 最 小 限度
の 純 血 値 は イ ン デ ィ ア ン の 半 血 を もつ もの に 限 られ る と し、 非 構 成 員 の 養 子 縁
組 に 関 して 言 え ば 、 申請 者 が イ ン デ ィア ンの 血 統 で あ り、 婚 姻 若 し くは血 統 に
よ っ て 部 族 の構 成 員 と関 係 して い な 限 り、 申請 者 ご とに 内務 長 官 の承 認 を得 な
けれ ば な らな い として い る。 回報 は、 「イ ン デ ィ ア ン は、 この政 策 を理 解 す るの
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
47
み な らず 、 こ の政 策 が イ ン デ ィ ア ン の純 血値 が 少 な い 申 請 者 を 多 数 人 に わ た っ
て 部 族 構 成 員 と して 承 認 す る こ とを妨 げ るた め に 、彼 ら 自身 の 繁 栄 を考 慮 して
35)
適 用 さ れ る こ との 重 要 性 を認 識 しな け れ ば な ら な い 。」 と結 論 して い る。
か か る内 務 省 の政 策 は、IRAに
従 っ て 内務 長 官 の承 認 を条 件 と して制 定 され
た 部 族 憲 法 に反 映 され て い くが(後 述)、IRAの
規 定 を超 え て 憲 法 を制 定 した 部
族 或 い は 憲 法 の制 定 を 見 送 っ た イ ン デ ィ ア ン部 族 に 対 して も、 上 記 回報 に示 さ
れ た政 策 は 、BIAに
よっ て部 族 の 予 算 配 分 及 び 部 族 へ の連 邦 に よ る業 務 提 供 に対
す る政 府 職 員 の広 範 囲 に わ た る影 響 力 を 通 して、 何 らか の か た ち で 導 入 され て
36)
い ったので ある。
(2)部 族 憲 法 に み る構 成 員 の 要 件 に 関 す る諸 規 定
こ こで 、IRAに
従 っ て 制 定 され た 部 族 憲 法 に見 出 され る構 成 員 た る 資格 要 件
に関 す る規 定 を 、 ネ ブ ラ ス カ 州 内 に居 住 す る幾 つ か の 部 族 の 憲 法 一
づ く構 成 員 の 要 件 を 定 め る範 例
血 統 に基
に 求 め て み よ う。
37)
(a)ネ ブ ラス カ の オ マハ 部 族 憲 法
その 第 一 例 が 、 「ネ ブ ラ スカ の オ マ ハ 族 憲 法 」
(theConstitutionoftheOmahaTribeofNebraska)第2条
「
構成 員」の規
定 で あ る。
第1節
ネ ブ ラス カ の オ マ ハ族 の構 成 員 は、 そ の氏 名 が 、1961年9月14日
(74Stat.508.)第1条
法
の 規 定 に従 っ て 準 備 され た 部 族 の公 式 名 簿 に 掲 載 さ
れ た全 て の 現 住 者 を も っ て構 成 さ れ る。
第2節
オ マハ の4分
の1若
し くは そ れ 以 上 の純 血 値 を有 す る全 て の者 及 び
ネ ブ ラ ス カ の構 成 員 と して1961年9月14日
以 降 に 出 生 した他 の イ ンデ ィ ァ
ン部 族 に登 録 され て い な い 全 て の者 は、 そ の 者 に 関 す る綴 じ込 み に … … 部
族 の構 成 員 と して 登 録 さ れ る。 先 住 民 た る オ マ ハ の 血 統 を 決 定 す るに 際 し
て は 、 オ マ ハ 以 外 の 部 族 の 血 統 は 、 排 除 され る もの とす る。
第3節
ネ ブ ラ ス カ の オ マ ハ 族 の 構 成 員 で あ る者 が 、 イ ン デ ィ ア ン の他 の 部
族 の構 成 員 に な っ た 場 合 、 彼 又 は彼 女 は、 自動 的 に、 ネ ブ ラ ス カ の オ マ ハ
族 の構 成 員 た る資 格 を喪 失 す る。 ネ ブ ラ ス カ の オ マ ハ 族 の構 成 員 た る資 格
を喪 失 した る者 は 、 以 後 、 第2条 第4節
の 規 定 に 従 っ て公 布 され た条 例 に
定 め られ た 場 合 を 除 い て、 ネ ブ ラス カ の オ マ ハ族 の 構 成 員 た る資 格 を 付 与
さ れ得 な い。
48
第4節
部 族 評 議 会 は 、 内 務 長 官 に よ る承 認 を 条 件 に、 養 子 縁 組 及 び構 成 員
資 格 の 喪 失 を含 む 将 来 の構 成 員 を 決 定 す る条 例 を制 定 す る権 限 を 有 す る。
sa)
(b)ネ
ブ ラ ス カ の ポ ン カ族 憲 法
そ の第 二 例 が 、 「ネ ブ ラ ス カ の ポ ン カ族 憲 法 」
(theConstitutionofthePoncaTribeofNebraska)第2条
「
構 成 員 」 の規 定
で あ る。
第1節
ネ ブ ラス カ の ポ ンカ 族 の構 成 員 は、 以 下 の 各 項 に 定 め る者 を も っ て
構 成 され る。
(a)イ ンデ ィ ア ン問 題 局 に よ って 編 纂 され た1934年4月1日
1日 並 び に1965年6月18日
、1935年1月
の部 族 名 簿 に 登載 され た全 て 者 及 び そ の直 系
尊 属(linealdescendants)。
(b)公 法 第87-629号
に 定 め られ た 申請 若 し くは請 願 の 締 切 期 日 に も拘 ら
ず 、 名 簿 に登 載 され な か っ た1965年6月18日
の構 成 員 名 簿 に登 載 され る
べ き資 格 を 有 した 全 て の 者 。
(c)ネ ブ ラス カ の ポ ンカ 族 の構 成 員 の 申請 を 行 う時 点 で 、 他 の連 邦 に よ っ
て承 認 さ れ た 部 族 若 し くはバ ン ド若 し くは グル ー プ に 現 在 登 録 され て い
る個 人 は 、放 棄 の 申請 が 、 ネ ブ ラ ス カ の ポ ンカ 族 へ の 登 録 を条 件 と して
他 の 部 族 との 間 に行 わ れ な い 限 り、 構 成 員 登 録 の資 格 を 持 た な い 。
(d)他 の方 法 で はネ ブ ラス カ の ポ ンカ 族 の構 成 員 登 録 の 資 格 の な い い か な
る者 も、 登録 委 員 会(EnrollmentCommittee)に
ンカ部 族 評 議 会(PoncaTribalCouncil)に
よ る構 成 員 の否 認 を ポ
訴 え、 当該 訴 え に際 して 、 ネ
ブ ラス カ の ポ ン カ族 の 純 血 値 を 有 す る こ とを 示 す 明 白 に して説 得 力 の あ
る証 拠 を提 出 す る資 格 が 認 め られ る も の とす る。 訴 え の 審 問 を 経 た 後 、
ポ ン カ部 族 評 議 会 が 、3分 の2の
多 数 で 部 族 の 構 成 員 登 録 に関 す る 当該
申請 を承 認 した 場 合 、 構 成 員 た る資 格 が 認 め られ る もの とす る 。 ポ ン カ
部族 評 議 会 の 決 定 は 、 最 終 決 定 と な る もの とす る。
第2節
ポ ン カ 部 族 評 議 会 は、 将 来 の 構 成 員 登 録 及 び ネ ブ ラス カ の ポ ン カ部
族 へ の 構 成 員 と して の復 権 に関 す る決 議 並 び に条 例 を制 定 す る権 限 を有 す
る。
第3節
ポ ン カ 部 族 評 議 会 は、 ネ ブ ラス カ の ポ ンカ 族 の構 成 員 た る要 件 を満
た さな い 当該 部 族 に よ っ て養 子 縁 組 され た者 の た め に、 名 誉 名 簿 録
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
(honoraryroster)を
49
設 置 す る も の と す る。 名 誉 会 員(honorarymember)
は 、投 票 権 若 し くは公 務 就 任 権 を持 た ず 、 又 ネ ブ ラス カ の ポ ン カ族 の 構 成
員 が 有 す る そ の 他 の 権 利 を 行 使 し、及 び 利 益 を 享 受 す る こ と はで きな い。
35)
(c)ネ ブ ラ ス カ の サ ン テ ィ ー ・ス ー 族 憲 法
第 三 例 が 、 「ネ ブ ラ ス カ の サ ン テ ィ ー ・
ス ー 族 憲 法 」(theConstitutionoftheSanteeSiouxTribeofNebraska)第2
条 の 規 定 で あ る。
第1節
ネ ブ ラ ス カ の サ ン テ ィ ー ・ス ー 族 の 構 成 員 は 、 以 下 の 各 項 に 定 め る
者 を も って 構 成 され る。
(a)氏
名 が 、1934年4月1日
の ネ ブ ラ ス カ の サ ン テ ィ ー ・ス ー の 公 式 の 人
口調 査 名 簿 及 び1935年1月1日
の 補 遺 に現 わ れ 若 し くは現 れ る資 格 を有
す る イ ン デ ィ ア ン の 純 血 を 有 す る全 て の 者 。 但 し 、 こ の 憲 法 及 び 条 例 の
採 択 及 び 承 認 の 日 か ら1年
以 内 に 、 内 務 長 官 の 承 認 を条 件 に、 部 族 評 議
会 に よ っ て 当 該 名 簿 及 び補 遺 に追 加 並 び に 削 除 が 行 わ れ る も の とす る。
1917年3月4日
法(39Stat.ll95.)に
リ ン名 簿 」(McLaughlinroll)に
基 づ いて 作 成 され た
「マ ッ ク ロ ウ
氏 名 を挙 げ られ た 者 若 し くは その 子 孫 は、
本 項 の 下 で 、 当 該 登 録 に よ っ て 、 ネ ブ ラ ス カ の サ ン テ ィ ー ・ス ー 保 留 地
(SanteeSiouxReservation)の
非
琶成 員 に 定 着 さ れ て き た も の と は 見 傲 さ
れない。
(b)出
生 の 時 、 サ ン テ ィ ー ・ス ー 保 留 地 の 居 住 者 で あ る ネ ブ ラ ス カ の サ ン
テ ィ ー ・ス ー 族 の 構 成 員 の 間 に 生 ま れ た 全 児 童 。
(c)出
生 時 に サ ン テ ィ ー ・ス ー 保 留 地 の 居 住 者 で な い 者 の 間 に 出 生 し た 全
て の 児 童 は 、 部 族 評 議 会 に よ っ て 制 定 され 、及 び 内務 長 官 の 審 査 に 服 す
条 例 に 従 っ て 、 構 成 員 と して 認 め ら れ 得 る 。 但 し、 当 該 児 童 は 、 中 請 が
行 わ れ た 時 点 で 当 該 保 留 地 内 に 居 住 して い な け れ ば な ら な い 。
第4節
復 位 。 部 族 構 成 員 へ の 復 位 申 請 は 、 構 成 員 委 員 会(membership
committee)に
書 面 で 申 請 す る も の と し、 当 該 委 員 会 の 決 定 は 、 部 族 評 議 会
の承 認 を得 な け れ ば な らな い 。
第5節
養 子 縁 組 。 部 族 の 非 構 成 員 で あ る イ ン デ ィ ア ン の養 子 縁 組 申 請 は、
部 族 評 議 会 へ の 推 薦 を 行 う構 成 員 委 員 会 に 書 面 で 行 わ な け れ ば な ら な い 。
部 族 評 議 会 の 決 定 は 、 次 回 の 例 年 選 挙 の 一 般 投 票 に か け られ る も の と す る 。
SO
第6条
子 孫 の 非 構 成 員 との 婚 姻 に よ る本 組 織 へ の 構 成 員 資 格 を発 す る権 利
は 、 イ ン デ ィ ア ン の4分
の1以
下 の 純 血 値 しか な い者 に は 、 適 用 され な い
も の と す る 。 但 し 、 本 項 の 規 定 は 、 名 前 が1934年4月1日
簿 、 人 口 調 査 名 簿 及 び1935年1月1日
の公 式 な部 族 名
の補 遺 に 現 わ れ て い る者 へ の 発 行 に
は適 用 され な い 。
(3)自
決時代 の連邦政策
1960年
代 後 期 か ら 、 連 邦 の 政 策 は 、 公 式 的 に は 部 族 の 自 決(tribalself-
determination)の
理 念 に 提 携 させ ら れ て い くが 、 連 邦 に よ っ て 課 さ れ た 構 成 員
資 格 乃 至 公 民 権 の 規 定 に 関 し て い え ば 、 そ れ は か か る 自 決 政 策 と軌 を 一 に し て
い る と は 言 え な い と こ ろ が あ る 。1980年
代 ま で に は 、 イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ
ン 、 部 族 は 、 自 ら に 適 用 さ れ る 文 書 に 対 す る 自分 た ち に よ る よ り広 範 囲 に わ た
る 管 理 ・運 営 を 求 め 始 め 、 例 え ば 、1986年
裁 判 所 でIRAに
、 合 衆 国 カ リ フ ォル ニ ア 東 地 区 地 方
従 った 起 草 され た 部 族 憲 法 案 の 部 族 に よ る承 認 の た め の 選 挙 の
実 施 時 期 を め ぐ っ てBIAが
草 案 の 内容 に 異 議 を 唱 え た た め
争 われた
CoyoteValleyBandofPomoIndiansv.UnitedStates(以
下 、coyote
40)
Valley事 件 とい う。)に 見 られ る よ う に 、 上 記 回 報 第3123号
に示 さ れ た よ う な政
策 か ら 外 れ る ネ ー シ ョ ン 乃 至 部 族 に よ る 修 正 の 承 認 に 対 す るBIAの
拒否行為 を
争 う よ う に な っ て い く。
合 衆 国 最 高 裁 判 所 も ま た 、1978年
、 イ ンデ ィ ア ン部 族 の 女 性 が 、 イ ンデ ィア
ン部 族 政 府 が 構 成 員 た る資 格 を否 定 す る条 例
部 族 外 の 者 との 間 に 出 生 し た
子 ど も の 部 族 の 構 成 員 た る資 格 を 否 定 し た サ ン タ ・ク ラ ラ 部 落 条 例(SantaClara
Puebloordinance)を
制 定 す る こ とは
に 関 す る 法 律 」(ICRA,25U.S.0.§
「1968年 イ ン デ ィ ア ン の 市 民 的 権 利
§1301-1303)に
反 して 、 デ ュ ー ・プ ロ セ ス ・
オ ブ ・ロ ー を 奪 う も の で あ る と主 張 し て 訴 訟 提 起 したSantaClaraPueblov.
aii
Martinezに
お い て 、ICRAは
、 重 要 な個 人 的権 利 が 侵 害 され た とい う主 張 が 法
廷 に お い て 行 わ れ た 場 合 に お い て さ え 、 部 族 の 自治 を支 持 す る よ う解 釈 され る
べ き で あ る と し、連 邦 裁 判 所 の 管 轄 権 を 否 認 して い る。 合 衆 国 最 高 裁 判所 は、
イ ン デ ィ ア ン部 族 は 、 地 方 の 自治 政 府 の 事 項 に 関 して 自 らの 始 原 的 自然権 を保
有 す る区 別 され た 、 独 立 の政 治 的 コ ミ ュニ テ ィ で あ り、 もは や 主 権 の 属 性 全 て
を保 有 す る もの で は な い が 、 自 らの 内部 的 及 び社 会 的 関 係 を 規 制 す る権 限 を有
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
51
す る分 離 され た人 民 で あ る と し、 イ ンデ ィ ア ン部 族 は、 内部 問題 に関 し、 彼 ら
自身 の 実体 法 を制 定 し、 当該 制 定 法 を彼 らの 法 廷 で 強 制 す る権 限 を有 す る と判
42)
示 した 。
1988年12月1日
、 合 衆 国 議 会 第100議
会 は 、coyoteValley事
件 判 決 に応 え る
か た ち で 、 「イ ン デ ィ ア ン 再 組 織 法 改 正 」(theIndianReorganizationAct
43)
Amendments)を
可 決 す る。 同 法 第 一 編 第101条
Stat.984;25U.S.C.476.)第16条
は 、 「1934年6月18日
法(48
は 、 以 下 の よ うに 改 正 され る。」 と規 定 し、
以 下 の よ う に定 め て い る。
第16条
(a)い か な る イ ンデ ィ ア ン も、 そ の共 通 の 繁 栄 の た め に 団体 を組 織 す る権 利
を有 し、 及 び 以 下 の 各 号 に 定 め る場 合 に効 力 を 有 す る適 切 な る憲 法 及 び 条
例 を採 択 し、 並 び に改 正 す る こ とが で き る。
(1)内 務 長 官 が 定 め る規 則 及 び行 政 規 則 に従 っ て 、 当該 長 官 に よ っ て 承 認
され 、 施 行 され る部 族 若 し くは諸 部族 の 成 人 構 成 員 の 多 数 の 投 票 に よ っ
て裁 可 さ れ た 場 合 、 及 び
(2)本 条 第d項 の 規 定 に従 って 、 内務 長 官 に よ って 承 認 され た 場 合 。
(b)内 務 長 官 に よっ て 裁 可 、 承 認 さ れ た 全 て の 憲 法 若 し くは 条 例 は 、 憲 法 及
び条 例 の採 択 に 関 す る第a項 に規 定 され た と同様 の 方 法 で 、 同 一 の 投 票 者 に
開 か れ 、 及 び実 施 され る選 挙 に よ っ て 取 消 し得 る もの とす る。
(c)(1)内
務 長 官 は、 第a項 に定 め られ た 選 挙 を、 以 下 の 方 法 で 施 行 しな けれ
ば な らな い。
(A)提
案 され た 憲 法 及 び条 例 を 裁 可 し、 若 し くは当 該 憲 法 及 び条 例 を取
消 す た め の 選 挙 実施 の 部 族 に よ る要 請 を受 領 した後 、180日 以 内、 又 は
(B)憲 法 及 び条 例 の改 正 を裁 可 す るた め の選 挙 実 施 の要 請 を 受領 した後 、
90日 以 内 。
(2)第1号
に定 め られ た期 間 の 問、 内務 長 官 は 、 以 下 に 定 め る事 項 を 行 う
もの とす る。
(A)部
族 に よ って 要 請 さ れ る若 し くは 内務 長 官 が 必 要 と思 料 す る技 術 的
助 言 及 び援 助 を行 い、 及 び
(B)憲
法 及 び条 例 の 最 終 草 案 が適 用 され る連 邦 法 に適 合 す るか 否 か を決
52
定 す る た め 、 審 査 を 行 う。
(3)第2号
に定 め られ た 審 査 の後 、及 び 少 な くと も選 挙 施 行 の30日 前 に 内
務 長 官 は 、 部 族 に書 面 で 提 案 され た 憲 法 及 び 条 例 若 し くは修 正 が 、 適 用
され る連 邦 法 に矛 盾 す るか 否 か 、 及 び い か な る点 で 矛盾 す るか に つ い て
告 知 しな け れ ば な らな い 。
(d)(1)内
務 長 官 は、 第a項 に従 って 施 行 され た 選 挙 に お い て、 提 案 され た憲
法 及 び 条 例 若 し くは修 正 が 、 部 族 に よ っ て承 認 され た場 合 、 当該 憲 法 及 び
条 例 若 し くは修 正 が 、 適 用 され る連 邦 法 に矛 盾 す る と認 定 しな い 限 り、 選
挙 施 行 後45日 内 に 、承 認 しな け れ ば な らな い 。
(2)内 務 長 官 が 憲法 及 び 条 例 若 し くは 修 正 を40日 以 内 に承 認 せ ず 、 又 は否
認 した 場 合 、 内務 長 官 の 承 認 は 、 所 与 の もの と見 傲 され る。 本 条 の 規 定
の 実 施 を 求 め る訴 訟 は 、 適 切 な る連 邦 地 方 裁 判 所 に提 起 し得 る もの とす
る。
の
(e)略
尚 、 連 邦 行 政 命 令 集 第25編
条 、 第476条
、 第477条
第81.1条
及 び 第503条
乃 至 第81.24条
は 、 合 衆 国 法 律 集 第473a
に 基 づ い て 、 選 挙 に 関 す る詳 細 な 規 定 を 設
ラ
け て い る。
しか しな が ら、IRA改
に関 す るBIAの
正 に よ る合 衆 国 議 会 の政 策 転 換 は 、 部 族 の構 成 員 規 定
優 先 的権 限 を排 除 し、 或 い は部 族 憲 法 制 定 へ のBIAの
介 入 を排
除 す る効 果 を伴 わ な か っ た の が 実 態 で あ る。 上 記 合 衆 国最 高 裁 判 所 判 決 やIRA
の 改 正 に も拘 らず 、 構 成 員資 格 に関 す る部 族 憲 法 の 規 定 へ の 連 邦 介 入 は、 そ の
後 も持 続 して い るの で あ る。1998年9月24日
ofTribalGovernmentServices)部
付 けBIA部
族 政 府 業務 部(Division
長 の 書 簡 に は 、 「BIAは 、 部 族 が 合 衆 国 政
府 に よ っ て信 託 保 有 され た 部 族 財 産 の配 分 の た め に構 成 員 名 簿 を 準備 す る場 合 、
長 官 選 挙(Secretarialelection)と
い った連 邦利 益 が 関 わ る場 合 、 又 は反 対 の部
族 選 挙 に よ る訴 え とい っ た よ う な管 理 文 書 が 内務 長 官 の 関 わ り合 い を 認 め て い
る場 合 、 登 録 事 項 に介 入 す る こ との で き る当 局 の権 限 を行 使 す る。 そ の 時 で さ
え、 しか しなが ら、 我 わ れ の 決 定 は 、部 族 憲 法 若 し くは憲 法 及 び 条 例 、 団 体 規
約 、 決 議 とい っ た そ の 他 の 基 本 的文 書 に基 づ くもの で あ る。」 と書 き記 され て い
4h)
る。 な お 、 こ こに言 う
「
長 官 選 挙 」 と は 、 連 邦 行 政 命 令 集 第25編
第81.1条
第s
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
53
項 に よ れ ば 、 内務 長 官 に よ っ て 定 め られ た 行 政 規 則 に従 っ て 部族 内で 実施 され
る選 挙 を い い、 部族 の権 限 の 下 に実 施 さ れ る部 族 選 挙(tribalelection)と
は区
47)
別 され て用 い る と規 定 され て い る。
で は 、何 故 にBIAが
要 因 の1つ
部族 の 構 成 員 資 格 の決 定 に干 渉 し よ う とす る の か 、 そ の
を2001年 の 合 衆 国 ウ ィ ス コ ン シ ン西 地 区 地 方 裁 判 所 のThomasv.
48)
UnitedStatesの
訴 訟 記 録 の 中 に 見 出 す こ と が で き る。 本 件 は 、 レ イ ク ・ス ー ペ
リ ア ー ・チ ッペ ワ ・イ ン デ ィ ア ン の ラ ッ ク ・コ ー テ ・オ レ イ ェ ス ・バ ン ド(Lac
CourteOreillesBandofLakeSuperiorChippewaIndians,以
う。)が 、IRA憲
1966年
下 、 バ ン ド とい
法(lndianReorganizationActconstitution)で
あ る と ころ の
バ ン ド憲 法 の 構 成 員 資 格 規 定 を 変 更 す る た め 、1992年2月1日
正 案 の 承 認 の た め の 長 官 選 挙 を 実 施 した が 、BIAが
、憲法改
純 血値 の要 件 で あ る直 系 子 孫
の 規 定 を 緩 和 化 す る 改 正 は 認 め られ な い と す る 立 場 か ら 、 本 来 の 有 権 者 を 自 ら
の 判 断 で 制 限 して選 挙 を実 施 した と ころ
る こ と へ のBIAの
反 発 が 主 た る原 因 で あ る
最 小 限 度 の 純 血 値 の 要 件 を廃 棄 す
その有効性 が争われ た事案で あ
る 。 イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 次 長 デ ー ヴ ィ ッ ド ・マ セ ソ ン(DavidMatheson)が
選 挙 終 了 後 の1992年IO月7日
、
に バ ン ド部 族 管 理 員 会 委 員 長 に 送 っ た 書 簡 の 中 で
次 の よ うに述 べ て い る点 に注 目す べ き で あ ろ う。 す な わ ち 、 「
子 孫 の 利 益 とな る
よ う純 血 値 を 削 除 せ ん とす る貴 殿 の 関 心 事 に つ い て お 伝 え い た し ま す 。 … … 幾
つ か の部 族 に とっ て 人 の 数 を増 や そ う とす る実 質 的 な 誘 惑 が 存 在 しま す 。 それ
は 、 ど の よ う な 人 が 実 際 に 部 族 との 有 意 味 な 、 相 互 の 関 係 を 保 っ て き た の か そ
の 程 度 を 甚斗酌 す る こ と な く 、 純 血 値 を 引 き 下 げ る こ と に よ っ て 構 成 員 を 判 断 し
よ う とす る も の で す 。 連 邦 の諸 計 画 の下 にお き ま して は、 部 族 に利 用 可 能 な金
銭 総 額 は 、 業 務 提 供 を 受 け る 人 口 数 に 直 接 的 に 結 び つ け られ 得 ま す 。 従 っ て 、
部 族 の 構 成 員 が 増 え る こ と は 、 部 族 財 産 の い か な る 部 分 も低 下 さ せ る こ と な く
管 理 す るた め に は 、 部 族 の賃 借 人 に利 用 可 能 な金 額 が 増 大 せ ざ る を得 な い こ と
にな ります
〔
連 邦 の 財 政 事 情 〕。 こ の 人 口 増 加 過 程 は 、 部 族 の 構 成 員 紐 帯 を 弱 体 化
させ る危 険 を伴 い ます 。 部 族 とそ の構 成 員 との 問 の 有 意 味 な相 互 作 用 な くして 、
部 族 の 管 轄 権 と主 権 の 基 本 原 理 並 び に そ の 基 礎 は 、 蝕 ま わ れ て し ま い ま す
〔
管轄
権 の 主 張 及 び 主 権 原 理 の正 当性 の 喪 失 〕。 … … 部 族 と構 成 員 と の 問 の 明 白 な 双 方 的 、
政 治 的 関係 が 絶 え る よ うな こ と に な れ ば 、 裁 判 所 若 し くは合 衆 国 議 会 は 、 部 族
54
は、 部 族 政 府 とそ の 構 成 員 との 関 係 は 希 薄 化 した の で あ っ て 、 そ の主 権 を離 れ
49)
て 自己決定 を
〔
勝 手 に〕 行 っ て き て い る と判 断 す る で し ょ う」。
イ ン デ ィ ア ン問 題 局 次 長 マ セ ソ ンは、 そ の書 簡 か ら明 らか な よ う に、 イ ンデ ィ
ア ン人 口の 増 加 に伴 う連 邦 の 財 政 負 担 の 増 大 及 び 部 族 に よ る管 轄 権 の 主 張 並 び
に主 権 原 理 の正 当性 の 喪 失 を 理 由 に 、 イ ン デ ィ ア ンの 判 断基 準 を 引 き 下 げ る こ
と に 反 対 し て い る が 、 連 邦 の 部 族 構 成 員 の 決 定 へ の 介 入 の も う1つ
て 考 え ら れ 得 る の は 、BIAに
の要因 とし
と っ て 、 部 族 政 府 が イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン と合
衆 国 と の 問 に 存 在 す る 政 府 対 政 府 関 係(government-to-government
relationship)に
お い て 良 好 な パ ー トナ ー で あ る か 否 か を 決 定 す る 必 要 性 が あ る
と い う こ とで あ る 。
例 え ば 、2000年7月1日
Nation)は
、8分
の1の
、 オ ク ラ ホ マ の セ ミ ノ ー ル ・ネ ー シ ョ ン(Seminole
セ ミノ ー ル の 純 血 値 を も って 登 録 要 件 とす る こ とを定
め た憲 法 改 正 案 の住 民 投 票 を 行 い、 従 来 の 構 成 員 の 資 格 で あ る
市 民 」(SeminoleCitizens)を
「
セ ミ ノー ル の
「
純 血 に 基 づ くセ ミ ノ ー ル ・イ ン デ ィ ア ン の 市 民 」
(SeminoleIndiancitizensbyblood)に
変 更 して い る。 この 投 票 が実 施 され る
ま で は 、 セ ミ ノ ー ル と生 活 を 共 に し て い た 自 由 奴 隷(freedman)及
(runawayslave)の
び逃亡奴隷
子 孫 は 、 セ ミノ ー ル の構 成 員 と して 登 録 さ れ て い た の で あ
り、セ ミ ノ ー ル の 登 録 者 数13,000名
の うち 、1,927名
が 該 当者 で あ っ た とされ る。
こ れ ら の 人 々 の 市 民 と し て の 地 位 は 、 憲 法 改 正 に よ っ て 不 確 実 な も の とな っ た
が 、 セ ミ ノ ー ル の 登 録 担 当 者 は 、BIAが
選 挙 結 果 を 承 認 した 場 合 、 「
部族の 中に
自 由 奴 隷 は 全 くい な くな る で あ ろ う。」 と述 べ た と さ れ る 。 し か し 、 連 邦 政 府 の
採 っ て い る立 場 は 、 南 北 戦 争 直 後 の1866年3月21日
と の 条 約 」(14Stat,755,)で
に締 結 され た
「
セ ミノ ー ル
、 自 由奴 隷 及 び そ の 子 孫 の登 録 の 権 利 は保 障 され
て お り、 ネ ー シ ョ ン は こ れ を 否 定 す る こ と が で き な い と す る も の で あ る 。 現 に 、
2000年9月29日
、 内務 省 が 自 由奴 隷 を排 除 す る憲 法 改 正 は認 め られ ず 、 承 認 の
た め 内務 省 に付 託 され て い な い との理 由 で 承 認 を 拒 ん だ た め 、 セ ミ ノー ル は、
うり
2000年10月3日
に は早 く も訴 訟 に 踏 み 切 っ て い る。 或 い は ま た、 部 族 が 、IRA
憲 法 を修 正 し、 婚 姻 関 係 に な い 両 親 か ら出 生 した 児 童 の公 民権 を認 め な い 規 定
を置 こ う とす る場 合 、 内務 省 は 、 か か る差 別 規 定 をICRAの
52)
す る と して 、 修 正 の 承 認 を 拒 否 す る もの と考 え られ る。
平 等保 護 規 定 を侵 害
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
55
lll構 成 員 資 格 を 決 定 す る部 族 の 権 限
裁 判 所 は 、 これ まで イ ン デ ィ ア ン部 族 の 最 も基 本 的 権 限 の1つ
と して 、 部 族
自身 の構 成 員 の 問題 を 決 定 す る権 限 を認 め て き て い る。 既 に述 べ た よ う に、 部
族 は、 構 成 員 を承 認 し、 否 認 し、 取 消 し、 及 び資 格 要 件 を定 め る権 限 を 有 して
い る の で あ って 、 そ れ は、 慣 習 、 成 文 法 、 合 衆 国 との 条 約 或 い は ま た部 族 相 互
63)
問 の 合 意(agreement)に
よ っ て設 定 さ れ て き て い る。 イ ンデ ィ ア ン部 族 の 構 成
員 の 問 題 を 決 定 す る 権 限 は 、イ ン デ ィ ア ン 部 族 が 「
別 個 の 政 治 的 統 一 体 」(distinct
politicalentity)で
あ る こ とに 由 来 す る。
64)
合 衆 国 最 高 裁 判 所 は 、1897年
判 決 のRolfv.Burneyで
、 ネ ー シ ョン の公 民 権
が ネ ー シ ョ ン の 立 法 を も っ て 付 与 さ れ た 女 性 との 結 婚 に よ っ て ひ と た び イ ン デ ィ
ア ン ・ネ ー シ ョ ン の 市 民 と な っ た が 、 そ の 後 の ネ ー シ ョ ン の 立 法 に よ っ て 妻 の
公 民権 が取 消 され た こ とに よ っ て 自 らも公 民 権 を失 っ た合 衆 国 市 民 が、 イ ン デ ィ
ア ン ・テ リ ト リ ー の 連 邦 裁 判 所 に 身 分 の 確 認 を 求 め た 訴 訟 で 、 連 邦 の 管 轄 権 を
否 定 して い る。
本 件 原 告 は 、 生 ま れ な が ら に して の ア メ リ カ 合 衆 国 市 民 で あ り、 連 邦 政 府 へ
の 忠 誠 を放 棄 せ ず 、現 在 も な お 合 衆 国 の 市 民 で あ る 。1876年10月7日
、チ カ ソ ー ・
ネ ー シ ョ ン の 立 法 機 関 は 、 以 下 の 法 律 を 制 定 した 。 す な わ ち 、 「
公 民 た る権 利 は 、
以 後 、 ウ ィ リ ア ム ・H・ ボ ウ ラ ン ド(WilliamH.Bourland)の
あ る ア マ ン ダ(Amanda)、
マ チ ル ダ(Matilda)、
及 び ラ ン ・ハ ナ ハ(RunHannah)に
子 ど も及 び 甥 で
ゴ ー デ ン テ ィ ア(Gordentia)
承 認 さ れ る 。」(第1条)。
こ の 法 律 は 、1857
年 に可 決 され た制 定 法 を追 認 した も の に 過 ぎ なか っ た が 、 指 定 され た 者 は 、 当
該 ネ ー シ ョ ン の 公 認 の 公 民 と な り、 本 件 原 告 は 、 そ の 中 の 一 人 マ チ ル ダ ・ボ ウ
ラ ン ド と正 式 且 つ 法 的 に 結 婚 し た 。 そ の 後 、1883年IO月ll日
法 機 関 は 、 以 下 の 法 律 を 制 定 し た 。 「1876年10月7日
、 ネ ー シ ョン の立
に 承 認 さ れ たW・H・
ボウ
ラ ン ドの 子 ど も及 び 甥 で あ る ア マ ン ダ 、 マ チ ル ダ 、 ゴ ー デ ン テ ィ ア 及 び ラ ン ・
ハ ナ ハ の 公 民 た る権 利 は 、本 法 も も っ て 廃 棄 さ れ 、及 び 無 効 と さ れ る 。」(第1条)。
か か る法律 を制 定 した後 、 チ カ ソ ーの 政 府 及 び その 官 吏 は 、本 件 原 告 を チ カ ソ ー
族 の 構 成 員 或 い は チ カ ソ ー ・ネ ー シ ョ ン の 公 民 と して 認 め る こ と を 拒 否 し、 ネ ー
シ ョ ン の 裁 判 所 は 、 原 告 と チ カ ソ ー ・イ ン デ ィ ア ン の 部 族 構 成 員 と の 問 の い か
な る論 争 の 管 轄 権 を も受 入 れ る こ とを拒 否 した。
56
一方
、 ワ シ ン ト ン 市 で1855年6月22に
合 衆 国 との 間 に 結 ば れ た
及 び チ カ ソ ー と の 条 約 」(llStat.612.)第7条
「
チ ョ ク トー
は 、 イ ン デ ィ ァ ン 部 族 との 交 易
及 び 通 商 を 規 制 す る 合 衆 国 憲 法 及 び そ れ に 基 づ く法 律 に 適 合 す る 限 りに お い て 、
チ ョ ク トー 及 び チ カ ソ ー は 、 自 ら の 各 自 の 境 界 内 で 人 及 び 財 産 に 対 す る 自 治 の
無 制 約 の 権 利(unrestrictedrightofself-government)を
保 証 さ れ る 、 但 し、
出 生 若 し く は 養 子 縁 組 若 し く は そ の 他 の 方 法 を も っ て チ ョ ク トー 又 は チ カ ソ ー
の 公 民 若 し く は 構 成 員 で な い 者 は 、 こ の 限 り で な い 。」 と規 定 し て い た 。
ま た 、1866年4月28日
に 同 じ 部 族 と締 結 さ れ た 条 約(14Stat.779.)第38条
は、 「
チ ョ ク ト ー 又 は チ カ ソ ー ・ネ ー シ ョ ン に 居 住 し 、 い ず れ か の ネ ー シ ョ ン と
婚 姻 関 係 に あ り、 又 は 立 法 機 関 に よ っ て 養 子 縁 組 さ れ た 全 て の 白 人 は 、 当 該 ネ ー
シ ョ ンの構 成 員 と見 徹 さ れ 、 及 び そ の居 住 地 に従 って 、 い ず れ か の ネ ー シ ョン
の 法 律 に 服 し、 当 該 ネ ー シ ョ ン の 裁 判 所 の 訴 追 と審 理 に 服 し 、 並 び に法 律 に 従 っ
て 罰 せ られ る も の と す る 。」 と定 め て い た 。 更 に 、1889年3月1日
に可 決 され た
「イ ン デ ィ ア ン ・テ リ ト リ ー 内 に 合 衆 国 の 裁 判 所 を 設 置 す る た め の 連 邦 法 律 」(25
Stat.784)第6条
は 、 イ ン デ ィ ア ン ・テ リ ト リ ー 内 に 居 住 す る 合 衆 国 市 民 間 の 、
又 は 合 衆 国 若 し く は 州 の 市 民 とイ ン デ ィ ア ン ・テ リ ト リ ー 内 に 居 住 し 若 し く は
認 め られ る市 民 又 は人 との 間 の 全 て の 民 事 訴 訟 に 関 す る管 轄 権 を行 使 す る、 但
し、 イ ン デ ィ ア ン の 純 血 で あ る 者 の 問 の 紛 争 に 対 す る 管 轄 権 は 行 使 し 得 な い と
規 定 し て い た 。 こ の 規 定 は 、1890年5月2日
法(26Stat.94.)第30条
を もっ て
改 正 され 、 「
但 し、 イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン の 司 法 機 関 は 、 出 生 若 し く は 養 子
縁 組 に よ る構 成 員 が 唯 一 の 当 事 者 で あ るカ ン トリー 内 で 生 じた 全 て の 民 事 及 び
刑 事 事 件 に 関 す る 排 他 的 管 轄 権 を 有 す る も の と す る 。」 と規 定 さ れ 、 同 法 第31条
は、 「
本 法 に お け る い か な る 規 定 も 、 開 化 ネ ー シ ョ ン(civilizednations)の
い
か な る裁 判 所 か ら も、 条 約 、 純 血 若 し くは養 子 縁 組 に よ っ て 当 該 ネ ー シ ョン の
構 成 員 とな っ た 者 の 間 に 生 じ た 事 件 に 関 す る 排 他 的 管 轄 権 を 剥 奪 す る も の と し
て 、 又 は 合 衆 国 との 条 約 及 び 合 衆 国 の 法 律 に反 しな い ネ ー シ ョン評 議 会 に よ っ
て 制 定 さ れ た 制 定 法 若 し くは 法 律 を 侵 害 した と し て 構 成 員 を 処 罰 す る 開 化 ネ ー
シ ョ ン の 権 利 及 び 権 限 に 介 入 し得 る も の と し て 解 釈 さ れ て は な ら な い 。」 と規 定
して い た 。
ブ ル ー ア 判 事(Brewer,J.)が
、 法 廷 意 見 を書 い て い る。 す なわ ち、 合 衆 国 の
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
57
境 界 内 に存 在 す る イ ン デ ィ ア ン及 び イ ンデ ィ ア ン部族 の 状 況 は 、 変 則 的 で あ っ
て 、 諸 部 族 は 、 あ る 側 面 で は 国 家 と し て の 政 治 的 独 立 性(nationality)の
属性 を
有 す る と見 徹 さ れ る が 、 外 交 で は な く し て 、 国 内 の 従 属 国 家 で あ る(Cherokee
v.Georgia,5Pet.1;Worcesterv.Georgia,6Pet.515;ChoctawNationv.
U.S.,llgU.S.1;CherokeeNationv.KansasRy.Co.,135U.S.641.)。
イン
デ ィ ア ン及 び 特 に イ ン デ ィ ア ン の 利 用 に 設 定 さ れ て き た テ リ ト リ ー は 、 合 衆 国
の 管 轄 権 に 服 し、 及 び 合 衆 国 議 会 は 、 イ ン デ ィ ア ン 相 互 の 及 び 合 衆 国 民 との 交
易 を管 理 す る準 則 並 び に イ ンデ ィ ア ンが 当 事 者 で あ る全 て の紛 争 が 持 ち 出 され
る 法 廷 を 定 め る 法 律 を 制 定 し得 る が 、 合 衆 国 の 市 民 が 、 養 子 縁 組 に よ っ て イ ン
デ ィ ア ン の 構 成 員 に な っ た と い う単 な る 事 実 を も っ て 、 そ の 者 が 必 然 的 に 自 ら
の 公 民 権 を 取 消 し得 る こ と に は な ら な い 。 実 際 に 、 〔1890年5月2日
に制 定 さ れ た
「
オ ク ラ ホ マ の テ リ ト リー の 臨 時 政 府 を規 定 し、 イ ン デ ィ ア ン ・テ リ ト リー の 合 衆 国 の
裁 判 所 の 管 轄 権 を拡 大 し、 及 び そ の 他 の 目的 の た め の法 律 」(Ch.182,26Stat.81.)〕
第43条
本 文 は 、 イ ン デ ィ ア ン ・テ リ ト リ ー 内 に 居 住 す る 部 族 若 し く は ネ ー シ ョ
ンの い か な る構 成 員 も、 合 衆 国 の 市 民 とな っ た場 合 、 合 衆 国 の 裁 判 所 に 訴 え を
提 起 し得 る 旨 を 規 定 し て い る が 、 但 書 で 、 「
合 衆 国 の市 民 とな っ た イ ンデ ィ ア ン
は 、 本 法 の 下 で 、 部 族 若 し くは 自 ら が 所 属 す る ネ ー シ ョ ン の 構 成 員 と し て 享 有
し、 又 は 付 与 さ れ る い か な る 権 利 若 し く は 特 権 を 喪 失 す る も の で は な い 。」 と定
め て い る 。 本 件 訴 訟 に お い て 、 原 告 は 、 合 衆 国 の 市 民 で あ っ た 。 マ チ ル ダ ・ボ
ウ ラ ン ドは 、 純 血 に 基 づ い て チ カ ソ ー で あ る の で は な く、 公 民 権 は 、 チ カ ソ ー
の 立 法 機 関 の 法 律 に よ って 付 与 され た の で あ る。 チ カ ソ ー の 立 法 機 関 が 付 与 し
得 た 公 民 権 は 、 当 該 立 法 機 関 が 取 消 し得 る の で あ る 。 チ カ ソ ー ・ネ ー ソ ン が そ
の 内部 の 問 題 に つ い て 立 法 を行 う権 限 に 対 す る唯 一 の 制 限 は 、 当 該 立 法 が 合 衆
国 憲 法 及 び 合 衆 国 法 律 に 抵 触 し て は な ら な い と い う そ れ で あ る 。 しか し 、 ひ と
た び認 め た 公 民 権 を 取 消 す こ とが で き る政 治 的共 同体 の 行 為 を 無 効 とす る規 定
65)
は、 合 衆 国 憲 法 に も法 律 の も見 出 す こ とが で き な い 。
セ ネ カ ・ネ ー シ ョ ン に登 録 され た父 と白 人 女性 の 母 との 問 に生 ま れ た 男児 が 、
セ ネ カ ・ネ ー シ ョ ン評議 会 に よ っ て そ の登 録 を 拒 否 され 一
セ ネ カ の慣 習 で は 、
正 式 に セ ネ カ ・イ ンデ ィ ア ン と して 登 録 され た母 親 か ら 出生 した 者 の み が 登 録
され 得 る とさ れ て い た 一 、 登 録 を 求 め て ニ ュ ー ・ヨ ー ク州 裁 判 所 に 出訴 した
58
Pattersonv.CouncilofSenecaNationで
、 ニ ュ ー ・ヨ ー ク 州 最 高 上 訴 裁 判
所(CourtofAppealsofNewYork)は
、1927年
、 民 事 事 件 に 関 す る管 轄 権 は
セ ネ カ ・イ ン デ ィ ア ン 調 停 裁 判 所(Peacemakers'CourtofSenecaIndians)
に 帰 属 す る と判 示 し て 、 ニ ュ ー ・ヨ ー ク 州 高 位 裁 判 所(SupremeCourtofthe
stateofNewYork)の
管 轄 権 を 否 認 した。 判 決 は、 以 下 の よ う に述 べ て い る。
イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン は 、 「自 ら の 問 題 を 管 理 し 、 及 び そ れ 自 体 を 統 治 す
る 資 格 を 有 す る 他 か ら 分 離 さ れ た 別 個 の 政 治 的 社 会 」(CherokeeNationv.
Georgia,5Pet.1,8.)で
あ り、 セ ネ カ ・ネ ー シ ョ ン は 、 独 立 し た 外 国 と し て 扱
わ れ て は い な い が 、 個 々 の イ ン デ ィ ア ン は 、 州 の 市 民 で は な く、 州 の 管 轄 権 に
当 該 州 民 が 服 す の と 同 程 度 に お い て 服 す も の で は な い(SenecaNationof
IndiansV.Appleby,89N.E.835.)と
さ れ る 。 か か る言 説 が 多 くの 裁 判 例 で 展
開 さ れ て き て い るが 、 か か る言 説 が 、 イ ン デ ィ ア ンの 感 受 性 を和 らげ るた め の
単 な る 甘 言 で な い 限 り、 異 な る イ ン デ ィ ア ン に 特 有 の 生 活 の 最 後 の 痕 跡 が 州 の
立 法 を 浸 食 す る こ と に よ っ て イ ン デ ィ ア ン 部 族 か ら 取 り上 げ ら れ て こ な か っ た
限 り、 セ ネ カ ・ネ ー シ ョ ン は 、 自 ら の 自 己 保 存 と ネ ー シ ョ ン と し て の 無 欠 状 態
の 前 提 条 件 を 持 ち 続 け て き た の で あ る 。 種 々 の 裁 判 所 が 言 及 して き た よ う に 、
イ ン デ ィ ア ン部 族 は、 自分 た ち が 居 住 して い る州 法 とい う よ りも、 自分 た ち の
慣 習 と慣 例 に 従 っ て 構 成 員 の 問 の 関 係 を 管 理 ・統 治 して き た の で あ る(Worcester
v.Geo「9ia,6Pet.515;KansasIndians,5Wall.737.)。
それ 故 、イ ンデ ィ ァ ン
の セ ネ カ ・ネ ー シ ョ ン と ニ ュ ー ・ ヨ ー ク 州 が 、 彼 ら だ け の 間 で の 彼 ら 自 身 の 独
特 な 関 係(relationintersepeculiartothemselves)を
持 た な い 限 り、財 産 上
の 権 利 を 伴 う請 願 者 を 登 録 す る 権 利 は 、 セ ネ カ ・ネ ー シ ョ ン の 法 と慣 習 に 依 る
の で あ っ て 、 州 裁 判 所 の 介 入 若 し くは 指 図 に よ らず して 、 ネ ー シ ョ ン 自体 に よ っ
5i)
て 決 定 され るべ きで あ る とい う こ とが 、 準 則 で あ る。
裁 判 所 は、 この よ う に構 成 員 に関 す る広 範 な部 族 の 権 限 を 近 年 の判 決 で も認
58)
め て き て い るが 、 部 族 の 承 認 手 続 との 関 連 で 興 味 を惹 く事 案 と して、 部族 と し
て の連 邦 の 承 認 を 得 る た め に は、 請 願 グル ー プ の構 成 員 が 主 と して既 に承 認 さ
れ た北 アメ リカ ・イ ン デ ィ ア ン部 族 の構 成 員 で は な い 者 か ら構 成 さ れ て い な け
れ ば な らな い と定 め て い る合 衆 国 行 政 命 令集 第83.7条 第f項 の規 定 を め ぐっ て争
わ れ た1992年 判 決 のMasayesvaforandonBehalfofHopiIndianTribe
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)59
ss)
v.Zahで
、 合 衆 国 ア リゾ ナ 地 区 地 方 裁 判 所 が、 構 成 員 を定 義 す る権 利 は、 イ ン
su)
デ ィ ア ン部 族 の存 在 に とって 最 も重 要 な権 利 で あ る と判 示 して い る こ とで あ る。
部 族 の構 成 員 で あ る こ とは 、 双 方 向 的 な 関 係 で あ って 、 そ れ は部 族 の 行 為 に
依 存 す る と 同時 に 、 構 成 員 た る個 人 の行 為 に も 関連 して く る。 つ ま り、 い か な
る部 族 の構 成 員 で あ っ て も 自 由 に部 族 との 関係 を 断 つ 自由 を個 人 は有 して お り、
6D
当 該 決 定 は 正 当 に 介 入 し得 な い とこ ろ で あ る と言 わ ざ る を得 な い 。
1934年 のIRAの
制 定 以 前 、 ほ とん どの 部 族 は、 正 式 な 文 書 化 さ れ た 名 簿 若 し
くは文 書 化 され た構 成 員 資 格 の 要 件 を備 えて い た と は言 い難 い が 、 今 日で は、
部 族 の構 成 員 は、 部 族 の 憲 法 若 し くは そ の他 の部 族 法 で 定 め られ 、 部 族 名 簿 に
よ っ て管 理 され て い る。IRAに
従 っ て部 族 憲 法(IRA憲
法)に 構 成 員 に 関 す る
規 定 を 置 い た 事 例 に つ いて は 、 既 に触 れ た 。
部 族 構 成 員 の資 格 要 件 は 、部 族 に よっ て さ ま ざ まで あ る。 或 る部 族 の規 定 で
は、 部 族 の 家 系 の最 低 限 度4分
の1の 純 血値 を条 件 と し、 或 る部 族 は4分 の1
の 純 血 値 と 同程 度 を 要 求 して い る。 また他 の 部 族 は 、 純 血 値 に 関 わ らず 部 族 の
構 成 員 の 子 孫 が 登 録 され て い る こ とを要 件 と し、 或 い は ま た ネ ー シ ョ ン に よ っ
て は、 コ ミ ュニ テ ィ ー との密 接 な 繋 が りを もつ個 人 の 帰 化(naturalization)若
し くは養 子 縁 組 に よ る こ とに よ っ て構 成 員 の 資 格 と して い る。1999年7月18日
付 け部族 政 府 業 務 部 部 長 か らの ネ ブ ラス カ大 学 教 授 ジ ョン ・R・ス ノ ウデ ン(John
R.Snowden)宛
て 書 簡 に よれ ば 、1991年 現 在 、155部 族(ア ラスカ、 カ リフ ォル
ニ ア及 びオ ク ラホマ を除 く)の 不 完 全 な 一 覧 表 の う ち、97部 族 が4分
の1の 純 血
値 、16部 族 が半 血 の 純 血 値 、ll部 族 が8分 の1の 純 血 値 、3部 族 が16分 の1の
純 血 値 、1部 族 が64分 の1の 純 血値 を定 め、26部 族 が 最 少 値 を定 め て いな い と
sz)
され る 。
lV構
成 員 資 格 を 決 定 す る連 邦 の 権 限
上 で 見 て きた よ うに 、 構 成 員 の 資 格 決 定 に部 族 の権 限 が 広 範 囲 に亘 っ て 及 ぶ
こ とは 、学 説 、 判 例 も認 め る と こ ろ で あ るが 、 か か る部 族 の権 限 に対 して 、 資
格 要 件 の制 限 が 、 連 邦 法 若 し くは種 々 の イ ン デ ィ ア ン との条 約 か ら導 き出 され
る場 合 、連 邦 の制 約 が 及 ぶ こ と、 換 言 す れ ば、 連 邦 に よ る制 約 が 前 提 と され る
こ と も、 また 、 認 め ざ る を得 な い と ころ で あ る。
60
例 え ば、1934年 、 合 衆 国議 会 に よ っ て 制 定 され たIRA第16条
は、 内務 長 官 が
規 則 及 び 行 政 規 則 に基 づ い て イ ン デ ィア ン部 族 の 憲 法 及 び条 例 を承 認 す る 旨 を
規 定 し、1998年 の 同 法 改 正 に よ って 、 部 族 に よ っ て提 案 され た 憲 法 及 び 条 例 若
し くは修 正 は、 連 邦 法 に抵 触 しな い 限 り、 こ れ を 承 認 しな け れ ば な らな い と定
めて い る(第16条 第a項 、第d項)。 従 っ て、 既 に触 れ た よ う に、 憲 法 を制 定 した
部 族 が 、 部 族 自 身 の 憲 法 の 事 項 と して 登 録 資 格 を 有 す る個 人 に構 成 員 資 格 を認
め な い 条例 を制 定 した 場 合 、 内 務 長 官 は 、 当 該 条 例 を否 認 す るで あ ろ う し、 ま
た 同様 に、 内務 長 官 が 、 部 族 憲 法 及 び そ の 改 正 を 審 査 す る場 合 、 連 邦 法 若 し く
は条 約 の 事 項 と して 登 録 資格 を有 す る個 人 に構 成 員 資 格 を 認 め な い憲 法 改 正 を
fi31
否 認 す る こ とに な るで あ ろ う と考 え られ る。
合 衆 国 議 会 は 、 行 政 目 的及 び そ の他 の 目的 を達 成 す る た め に必 要 と考 え た場
ray
合 、 部 族 とは異 な って 構 成 員 の 資 格 を定 義 す る権 限 を行 使 して き た が 、 合 衆 国
fi5)
最 高 裁 判 所 は 、UnitedStatesv.AlceaBandofTillamooksで
、 「イ ン デ ィ
ア ン 問 題 に 対 す る 合 衆 国 議 会 の 権 限 は 、 無 条 件 的 性 格 の も の(plenarynature)
6fi)
で あ る が 、 絶 対 的(absolute)で
は な い 。」 と判 示 し 、 か か る 合 衆 国 議 会 の 広 範
な 権 限 に 照 ら し て 、 い か な る 司 法 審 査 基 準 が 適 用 さ れ 得 る か に つ い て 、Morton
67)
v.Mancariで
、 「
合 衆 国 議 会 の 判 断 は 、 特 別 の 処 理(specialtreatment)が
合
理 的 に み て イ ン デ ィ ア ン に 対 す る 合 衆 国 議 会 の 独 特 の 義 務 の 履 行(fulfillment
ofCongress'uniqueobligation)と
結 び つ け られ 得 る 限 り、 妨 げ られ て は な ら
68)
な い。」 と して き て い る。 この よ う に、 合 衆 国 議 会 は 、行 政 目的 に とって 必 要 と
され る場 合 、 部 族 が 採 る定 義 とは異 な る よ うに構 成 員 資 格 を 定 義 す る権 限 を も
有 して お り、 誰 を も っ て イ ンデ ィ ア ン と定 義 す るか の 権 限 も また 広 範 だ とい う
こ とに な る。
V連
邦 法 にみ る イ ンデ ィ ア ンの 定 義 の 類 型 化
で は 、 それ ぞ れ の 連 邦 法 は 、 イ ン デ ィ ア ン に 関 し、 い か な る定 義 を 試 み て い
るで あ ろ うか 。 以 下 の 連 邦 法 を見 る こ と に よ っ て 、 誰 を もっ て イ ン デ ィ ア ン と
す る か の 法 律 上 の 定 義 が 、 そ れ ぞれ の連 邦 法 で 異 な る こ とが 理 解 さ れ るで あ ろ
う。 以 下 、 幾 つ か に類 型 化 す る こ とを試 み て み よ う。
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
1類
61
型化 の試 み
第 一 の類 型 は 、 イ ン デ ィ ア ン ・ネ ー シ ョ ン の構 成 員 若 し くは そ の有 資 格 者 を
も っ て イ ンデ ィ ア ン とす る それ で あ る。1975年1月4日
に制 定 され た イ ン デ ィ
ア ン人 民 の 政 府 及 び 教 育 に イ ンデ ィ ア ンが 最 大 限 に 参 加 す る こ と、 連 邦 政 府 に
よ っ て実 施 され る計 画 及 び業 務 へ の イ ンデ ィ ア ン 部族 が 最 大 限 参 加 す る こ と、
並 び に イ ンデ ィ ア ン教 育 の質 の 向 上 を奨 励 す る計 画 を設 定 す る こ と等 を 目的 と
して 制 定 さ れ た
「イ ン デ ィ ア ン 自治 及 び 教 育 援 助 法 」(theIndianSelf69)
DeterminationandEducationAssistanceAct)第4条(合
450b条)は
、 この法 律 の 目的 に とって①
衆 国 法 律 集 第25編 第
「
イ ンデ ィア ン」 とは 、 イ ン デ ィ ア ン部
族 の 構 成 員 で あ る 者 を い う と し(第a項)、
②
「イ ン デ ィ ア ン 部 族 」 と は 、 合 衆
国 に よ っ て イ ン デ ィ ア ン が イ ン デ ィ ア ン と い う立 場 に あ る が 故 に 提 供 さ れ る 特
別 計 画 及 び 役 務 を受 け る資 格 が あ る もの と して承 認 され た、 ア ラ ス カ先 住 民 請
求 確 定 法(85Stat.688.)で
定 義 され 又 は設 立 され た全 て の ア ラ ス カ先 住 民 部 落 、
地 域 会 社 若 し くは 村 落 会 社 を 含 む 、 全 て の イ ン デ ィ ア ン 部 族 、 バ ン ド、 ネ ー シ ョ
ン 、 そ の 他 の 組 織 化 さ れ た グ ル ー プ 若 し く は コ ミ ュ ニ テ ィ ー を い う(第b項)と
規 定 して い る。
本 法 の適 用 を 受 け るイ ンデ ィ ア ン は 、連 邦 に よっ て 承 認 され た イ ンデ ィア ン ・
ネ ー シ ョ ン の 構 成 員 を 対 象 と し て い る。
1978年ll月8日
、 合 衆 国 議 会 第85議
会 で 制定 され た 里 子 を預 か る家 及 び 養 子
縁 組 し た 家 に お け る イ ン デ ィ ア ン 児 童 の 保 護 措 置(placement)の
基 準 を確 立 し、
イ ン デ ィ ア ン家 族 の 崩 壊 を 防 止 す る 目 的 等 の た め に 制 定 さ れ た
「1978年 イ ン デ ィ
ア ア ン 児 童 福 祉 法 」(theIndianChildWelfareActofl978)は
1号(合
衆 国 法 律 集 第25編 第1901条
第1号)で
、 ま ず 、第2条
、合 衆 国 議 会 は 、 イ ン デ ィ ア ン問
題 に 対 す る 無 条 件 の 権 限 を 有 す る 旨 を 宣 言 し て い る 。 そ し て 、 第4条
第1903条
第3号)は
、本法 にい う
第
第3号(同
「『イ ン デ ィ ア ン 』 と は 、 イ ン デ ィ ア ン 部 族 の
構 成 員 で あ る 全 て の 者 若 し くは ア ラ ス カ 先 住 民 で あ る 全 て の 者 及 び ア ラ ス カ 先
住 民 請 求 確 定 法 第7条(85Stat.688,689)〔
合 衆 国 法 律 集 第43編 第1606条
め られ た 地 域 会 社 の 構 成 員 で あ る 全 て の 者 を い う 。」 と し、 第4条
1903条 第4号)は
て 、(a)イ
、 「『イ ン デ ィ ア ン の 児 童 』 と は 、 年 齢18歳
ン デ ィ ア ン 部 族 の 構 成 員 若 し く は(b)イ
〕 に定
第4号(同
第
以下の未婚者で あっ
ン デ ィ ア ン部 族 で 構 成 員 た
62
る資 格 を 有 す る もの で 、 及 び イ ン デ ィ ア ン部 族 の 構 成 員 の 生 物 学 上 の 子 ど も
(biologicalchild)で
あ る全 て の 者 を い う。」 と規 定 して い る。
しか し、 イ ンデ ィ ア ン児 童 福 祉 法 は 、 「
構 成 員 」 に つ い て は何 ら規 定 せ ず 、 当
該 用 語 が 公 式 に 登 録 され た構 成 員 に 限定 され るの か 、 そ れ と も公 式 に 登 録 され
て い ない 個 人 を も包 摂 す る もの な の か、 更 に は連 邦 に よ って承 認 され た イ ンデ ィ
ア ン部 族 で な け れ ば な らな い の か は 、 法 文 上 読 み 取 る こ とは で き な い 。
第 二 の類 型 は、 イ ン デ ィ ア ン を祖 先 の 系 統(ancestry)に
基 づ い て規 定 して い
る それ で あ る。 この 類 型 に分 類 で き る連 邦 法 の代 表 例 が 、1934年6月18日
に制
アリ
定 さ れ たIRAで
あ る。 同 法 は 、 現 行 合 衆 国 法 律 集 第25編
典 編 纂 さ れ て い る が 、 第479条
第465条
、 第466条
第476条
乃 至 第478条
は
乃 至 第470条
及 び 第479条
「
本 編 第461条
、 第471条
第461条
、 第462条
乃 至 第473条
乃 至479条
、 第463条
、 第474条
に法
、 第464条
、
、 第475条
、
に お い て 用 い ら れ る 『イ ン デ ィ ア ン 』 と い う
用 語 は 、 現 在 、 連 邦 の 管 轄 権 の 下 で 承 認 され た全 て の イ ンデ ィ ア ン部 族 の 構 成
員 で あ る イ ン デ ィ ア ン の 血 統(descent)で
あ る全 て の 者 、 及 び1934年6月1日
の 時 点 で 、 全 て の イ ン デ ィ ア ン 保 留 地 の 現 在 の 境 界 内 に 居 住 して き た 構 成 員 の
子 孫(descendant)で
あ る全 て の 者 、 並 び に 半 血 若 し く は そ れ 以 上 の イ ン デ ィ
ア ン の 純 血 値 で あ る そ の他 の 全 て の者 を 含 む もの とす る。 上 記 諸 条 項 の 目 的 に
と っ て エ ス キ モ ー 及 び そ の 他 の ア ラ ス カ 先 住 民 は 、 イ ン デ ィ ア ン と見 傲 さ れ る 。
『部 族 』」 と い う用 語 は 、 い か な る 場 合 も 、 イ ン デ ィ ア ン 部 族 、 組 織 化 さ れ た バ
ン ド(organizedband)若
し くは 部 落(pueblo)又
は一 つ の保 留 地 に居 住 す る
イ ン デ ィ ア ン に 言 及 す る も の と解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い 。 上 記 諸 条 項 の 中 で
使 用 され る
も 、21歳
『
成 人 イ ン デ ィ ア ン 』(adultIndians)と
い う用 語 は、 いか な る場 合
に 達 し た イ ン デ ィ ア ン を 指 して 用 い ら れ る も の と解 釈 す る も の と す る。」
と規 定 し て い る 。
こ の 範 疇 に 類 似 す る連 邦 法 と し て 、1976年9月30日
お いて 制 定 され た
、 合 衆 国 議 会 第94議
会 に
「イ ン デ ィ ア ン 保 健 改 善 法 」(theIndianHealthCare
アの
ImprovementAct)を
挙 げ る こ とが で き る。 本 法 は 、 連 邦 の イ ン デ ィ ア ン健 康
計 画 の 業務 と便 益 を改 善 し、 当 該 計 画 へ の イ ンデ ィ ア ン の 参 加 を最 大 限 に奨 励
す る こ とに よ っ て イ ン デ ィ ア ン人 民 の保 健 及 び教 育 に対 す る連 邦 の責 任 を履 行
す る 目的 を もっ て制 定 さ れ た もので あ る。同法 第4条(合
衆 国法律集第25編 第1603
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
63
条)第c項
は、 イ ンデ ィ ア ン とい う用 語 は 「
第102条 、 第103条 及 び第201条 第
c項 第5号
に規 定 す る場合 を除 いて 、 本 条 第d項 に定 め られ た イ ンデ ィ ア ン部 族
の 構 成 員 た る全 て の 者 を 意 味 し、 当該 用 語 は(1)彼
又 は彼 女 が 、保 留 地 の 上 に
若 し くは そ の 近 傍 に居 住 す る と否 と に関 わ りな く、1940年 以 降 管 理 終 結 され 、
居 住 す る州 に よ っ て 現 在 承 認 され 、 若 し くは将 来 承 認 され るで あ ろ う部 族 、 バ
ン ド若 し くは イ ン デ ィ ア ン ・グル ー プ を 含 む 、 部 族 、 バ ン ド若 し くは そ の 他 の
イ ン デ ィア ン ・グ ル ー プ の構 成 員 で あ る全 て の個 人 又 は 当該 構 成 員 の一 親 等 若
し くは 二親 等 の子 孫 で あ る全 て の 個 人 、(2)エ
ス キ モ ー 、 ア レ ウ ト若 し くは そ
の 他 の ア ラス カ先 住 民 で あ る全 て の 個 人 、(3)何
らか の 目 的 の た め に 内務 長 官
に よ って イ ンデ ィア ン と見 倣 され る全 て の個 人 、 又 は(4)内
務 長 官 に よ って 公
布 され た行 政 規 則 の 下 で イ ンデ ィ ア ン と決 定 さ れ て い る全 て の個 人 を 意 味 す る
もの とす る。」 と規 定 して い る。 そ して 第4条 第d項 は 、 「
イ ン デ ィ ア ン部 族 」 と
は、 合 衆 国 に よ っ て イ ン デ ィア ンが イ ンデ ィ ア ン とい う立 場 に あ るが 故 に提 供
され る特 別 計 画 及 び 役 務 を受 け る資 格 が あ る と して 承 認 され た 、 ア ラ ス カ 先 住
民 請 求 確 定 法(85Stat,688.)で
定 義 され 、 又 は設 立 され た全 て の ア ラス カ 先 住
民 部 落 、 地 域 会 社 若 し くは村 落 会 社 を含 む 、全 て の イ ンデ ィ ア ン部 族 、 バ ン ド、
ネ ー シ ョ ン、 そ の他 の 組 織 化 され た グル ー プ若 し くは コ ミュ ニ テ ィ ー を い う と
規 定 して い る。
本 法 の規 定 を見 るに 、 合 衆 国 が も はや 政 府 対 政 府 の 関 係 を 維 持 して い な い部
族 の 子 孫 を 含 む定 め 方 を して い る こ とが 注 目 に値 す る。 尚、 そ の 後 、 イ ン デ ィ
73)
ア ン 保 健 改 善 法 は 、1980年12月17日
の 改 正 に よ っ て 、 新 た に 第709条
が追加規
74)
定 さ れ 、 「カ リ フ ォ ル ニ ア 州 の 以 前 に 連 邦 に よ っ て 承 認 さ れ た 部 族 の 構 成 員 若 し
く は 構 成 員 の 子 孫 」 に イ ン デ ィ ア ン 保 健 業 務 の 受 領 資 格 を 認 め た 。 更 に1988年
ll月23日
の 改 正 法 で あ る 「1988年 イ ン デ ィ ア ン 保 健 改 正 」(theIndianHealth
アら CareAmendmentofl988)で
衆 国 法律 集 第25編
第1679条
、 上 記 第709条
第b項)、
を 改 正 す る こ と に よ っ て(現
行合
カ リ フ ォ ル ニ ア ・イ ン デ ィ ア ン の 連 邦 に よ る
イ ン デ ィ ア ン 保 健 業 務 の 受 領 有 資 格 者 を よ り明 確 に して い る 。 す な わ ち 、 ① 連
邦 に よ っ て 承 認 さ れ た イ ン デ ィ ア ン 部 族 の 全 て の 構 成 員 、 ②1852年6月1日
に
カ リ フ ォ ル ニ ア に 居 住 して い た イ ン デ ィ ア ン の 全 て の 子 孫 で 、 現 に カ リ フ ォ ル
ニ ア に 居 住 し て い る 者 、 イ ン デ ィ ア ン保 健 業 務 の 地 方 計 画 に よ っ て 供 給 さ れ る
64
イ ン デ ィ ア ン ・コ ミ ュ ニ テ ィ ー の 構 成 員 で あ る者 、 及 び 当 該 子 孫 が 居 住 す る コ
ミュ ニ テ ィ ー に よ って イ ン デ ィ ア ン と見 傲 さ れ る者 、 ③ カ リ フ ォ ル ニ アの 公 有
地 、 国 有 林 若 し く は イ ン デ ィ ア ン 保 留 地 の 割 当 地 に信 託 利 益 を 持 つ 全 て の イ ン
デ ィ ア ン 、 ④1958年8月18日
法(72Stat.619.)の
下 で カ リ フ ォ ル ニ アの イ ン
デ ィ ア ン 部 落 と保 留 地 の 資 産 配 分 リ ス ト に 載 っ て い る カ リ フ ォ ル ニ ア 内 の 全 て
の イ ンデ ィ ア ン 。
第 三 の 類 型 は 、 公 式 の 部 族 登 録 を も っ て イ ン デ ィ ア ン と見 徹 す そ れ で あ る が 、
こ の 手 法 は 、 連 邦 政 府 が19世
紀 後 半 に実 施 した土 地 割 当 政 策 に顕 著 に 反 映 さ れ
て い る と こ ろ で あ る 。 連 邦 政 府 は 、 予 定 さ れ た 部 族 財 産 の1人
当 た りの 配 分 に
参 加 し得 る 条 件 と し て 、 部 族 構 成 員 の 公 式 な リ ス ト を 要 求 し て い る 。
条 約 を 見 る に 、 例 え ば 、1848年ll月24日
(Stockbridge)で
締 結 され た
、 ウ ィス コ ンシ ン州 ス ト ック ブ リ ッジ
「ス ト ッ ク ブ リ ッ ジ 族 と の 条 約 」(theTreatyof
アア StockbridgeTribe)第2条
は、 土 地 割 当 を履 行 す る上 で 相 互 の 誤 解 が 生 じな い
よ う、 ま た 誰 を も っ て 部 族 の 構 成 員 か を 決 定 す る た め に 、 登 録 若 し く は 人 口 調
査 を 年 次 ご と に 実 施 し、 こ れ を 合 衆 国 陸 軍 長 官 に 送 達 す る こ とが 約 束 さ れ て い
る 。1865年IO月14日
River)の
、 カ ン ザ ス 州 リ トル ・ア ー カ ン ソ ー 川(LittleArkansas
キ ャ ン プで締 結 され た 「
チ ェ イ ニ ー 及 び ア ラ バ ホ との 条 約 」(theTreaty
7H)
withtheCheyennesandArapaho)第7条
は、 条 約 に よ って 供 与 され る利 益
の 受 領 資 格 者 を 決 定 す る資 料 に資 す るた め、 毎 年 春 に人 口 調 査 を行 う 旨 を締 約
して い る。
連 邦 法 を見 る に 、 例 え ば 、 ク ロ ー族 の 土 地 の割 当 及 び部 族 資 産 の配 分 を 目 的
7U)
と して制 定 され た1920年6月4日
に、1905年12月31日
法 第3条
は、 内務 長 官 は、 同法 可 決 後 速 や か
以降 で本 法可 決前 に土 地 割 当 を受 けず に死 亡 した 非 登 録 の
ク ロ ー族 の 構 成 員 の 完 全 な 記 録 簿 、 本 法 可 決 後5ヶ
月 間 居 住 し、 世 帯 主 で あ っ
て 、 及 び完 全 な 土 地 割 当 を受 け て来 な か っ た ク ロー 族 の 構 成 員 の完 全 な 記 録 簿 、
土 地 割 当 の 資 格 を 有 す る者 で 本 法 可 決 後5ヶ
月 間 居 住 しな が ら土 地 割 当 を受 け
て い な い 部 族 の構 成 員 の 完全 な 記 録 簿 を 準 備 しな けれ ば な らな い と規 定 し、 記
録 簿 は 、 英 語 とイ ン デ ィ ア ン語 で 、 被 割 当 人 の氏 名 、 年 齢 、 生 存 の有 無 、 性 別
等 を示 す も ので な けれ ば な らな い と規 定 され て い る。 ま た 、 ウ ィ ス コ ンシ ン州
の レイ ク ・ス ー ペ リア ー ・チ ッペ ワ の ラ ク ・ ド ゥ ・フ ラ ン ブー ・バ ン ド(Lac
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
duFlambeauBandofLakeSuperiorChippewas)の
65
に対 す る土地 割 当 を定 め
ft0)
た1924年6月19日
法 第1条
は 、 内務 長 官 は、 本 法 制 定 以前 に 出 生 した 者 で あ っ
て 、 土 地 割 当 の法 的 資 格 を有 す る者 の全 て の 氏 名 を 当 該 バ ン ドの 既 存 の 記 録 簿
に追 加 登録 す る権 限 を 付 与 され 、 且 つ指 図 され る旨 の 規 定 を 置 い て い る。
第 四 の類 型 は 、 イ ン デ ィ ア ン を定 義 す る こ とな く、 単 に イ ンデ ィ ア ン と規 定
して い る そ れ で あ る。1885年3月3日
制 定 され た 「
イ ンデ ィ ア ン重 大 犯 罪 法 」
S1)
(theIndianMajorCrimesAct,MCA)は
、 い か な る州 の境 界 の 内 と外 とを問
わ ず 、 イ ン デ ィ ア ン ・テ リ ト リ ー で イ ン デ ィ ア ン が 他 の イ ン デ ィ ア ン に 対 して
犯 し た7つ
の 重 大 な 犯 罪 を 連 邦 の 犯 罪 と す る 旨 を 定 め て い る 。 同 法 第9条
「
本 法 の制 定 後
は、
、 即 時 に 合 衆 国 の 領 土 内 で 及 び イ ン デ ィ ア ン保 留 地 の 内 と外 と を
問 わ ず 、謀 殺 、 故 殺 、 強 姦 、 殺 意 の あ る暴 行 、 放 火 、 住 居 侵 入 及 び窃 盗 の 罪 を
イ ン デ ィア ン又 は他 の 人 の 身体 若 し くは 財産 に対 して 犯 した 全 て の イ ンデ ィ ア
ン は 、 当 該 犯 罪 に 関 す る 当 該 領 土 の 法 に 服 し、 当 該 犯 罪 を 実 行 し た 全 て の 他 の
人 と同一 の 裁 判 所 で 同 一 の方 法 で 審 理 さ れ 、 同一 の 処 罰 に服 す る もの とす る。
当 該 裁 判 所 は 、 本 法 に よ っ て か か る 全 て の 事 件 に 管 轄 権 を 付 与 さ れ る も の とす
る 。」 と規 定 し て い た 。
今 日 、 同 法 は 、 数 多 の 改 正 を 経 た 後 、 合 衆 国 法 律 集 第18編
さ れ て い る 。 第18編
第ll53条
第a項
第ll53条
に法 典 化
は、 「
他 の イ ン デ ィ ア ン又 は他 人 の身 体 若 し
く は 財 産 に 対 し て 以 下 の 犯 罪 、 す な わ ち 、 イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー 内 で 謀 殺
(murder)、
109A章
故 殺(manslaughter)、
〔
児 童 虐 待(第18編
殺 意 の あ る 暴 行(assault)、
(本編 第1365条
火(arson)、
拐 取(kidnapping)、
第2241条
損 傷(maiming)、
第
以 下)〕の 下 で の 重 罪(felony)、 近 親 相 姦(incest)、
凶 器 を も って の 暴 行 、 著 しい 身体 の 損 傷 に至 る暴 行
に定 義 され て い る と こ ろ の)、16歳
不 法 目 的 侵 入(burglary)、
に達 しな い個 人 に対 す る暴 行 、 放
強 盗(robbery)及
び 本 編 第661条
〔
合
衆 国 の 特 別 の 海 事 及 び領 土 の管 轄 権 内 〕 の 下 で の 重 罪 を 犯 し た 全 て の イ ン デ ィ ア ン
は 、 合 衆 国 の 排 他 的 管 轄 権 の 下 で 、 当 該 犯 罪 を 実 行 した 全 て の 他 の 人 と 同 一 の
法 及 び 刑 罰 に 服 す る も の と す る 。」 と 規 定 し て い る 。
1948年6月25日
に 制 定 さ れ た 「イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー 犯 罪 法 」(theIndian
ゆ
CountryCrimesAct,ICCA)は
CrimesAct)と
、 一 般 的 に はL般
呼 称 さ れ て い る が 、 合 衆 国 法 律 集 第18編
犯 罪 法 」(theGeneraI
第ll52条
に法 典 編 纂 さ
66
れ て い る。 曰 く、 「
明 白 に 法 律 に よ っ て 他 の 定 め の な い 限 り、 合 衆 国 の 独 占 的 且
つ 排 他 的 管 轄 権 の及 ぶ 全 て の 場 所 で 実行 され た犯 罪 の 処 罰 に 関 す る合 衆 国 の一
般 法 律(generalIaw)は
、 コ ロ ン ビ ア 特 別 区 を 除 き 、 イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー
に 適 用 さ れ る も の とす る 。 本 条 は 、 イ ン デ ィ ア ン に よ っ て 他 の イ ン デ ィ ア ン の
身 体 若 し く は 財 産 に 対 し て 実 行 さ れ た 犯 罪 、 又 は イ ン デ ィ ア ン ・カ ン ト リ ー で
犯 罪 を 実 行 し、 部 族 の 地 域 法(locallaw)に
よ っ て刑 罰 が 科 せ られ た イ ン デ ィ
ア ン 若 し く は 条 約 に よ る 訴 訟 上 の 合 意(stipulation)に
よ っ て個 々 に 当該 犯 罪 に
対 す る排 他 的管 轄 権 が イ ン デ ィ ア ン部 族 に保 障 され 、 若 し くは され 得 る事 件 に
は 、 適 用 さ れ な い も の と す る 。」 と 定 め て い る 。
か か る第 四 の類 型 に属 す る規 定 の仕 方 が 合 衆 国 議 会 に よっ て 採 られ た 場 合 、
誰 を もっ て イ ン デ ィ ア ン とす るか は 、裁 判 所 に お い て 決 定 され る こ と にな る と
解 さ れ る 。 か か る点 に つ い て 論 じ た 合 衆 国 最 高 裁 判 所 判 決 、UnitedStatesv.
Rogersに
2法
っ い て は 、 既 に述 べ た 。
解 釈 の準 則(一 般 論)
と こ ろで 、 合 衆 国 議 会 は 、 時 と して制 定 法 の用 語 の 意 味 内 容 を州 法 の 適 用 に
84)
よ っ て 与 え る こ と を意 図 して い る場 合 が あ る。 か か る場 合 、 当 該 連 邦 法律 の 文
言 の解 釈 権 は、 州 、 就 中 、 州 裁 判 所 に あ るで あ ろ うか 。 合 衆 国 最 高 裁 判 所 は、
85)
Jeromev.UnitedStatesで
、L般
的 に 、 正 反 対(contrary)の
明確 な
〔
合衆
国議 会 の〕意 図 が 存 在 しな い 場 合 、 合 衆 国 議 会 が法 律 を制 定 した 場 合 、 議 会 は 、
州 法 に 依 存 し て 当 該 法 律 の 適 用 を 行 お う と し て い る の で は な い と解 釈 さ れ な け
es)
れ ば な らな い。」 と判 示 して い る。
合 衆 国 最 高 裁 判 所 は、 か か る解 釈 の 準 則 を採 る理 由 に つ い て 、 イ ンデ ィ ア ン
児 童 福 祉 法 の 解 釈 適 用 一 合 衆 国 法 律 集 第25編 第1991条 第a項
一
を め ぐっ て
ラ
争 わ れ たMississippiBandofChoctawIndiansv.Holyfieldの
中 で 、次 の
よ うに 判 示 して い る。 す な わ ち 、 第 一 の 理 由 は 、 連 邦 法 律 は 、 一 般 的 に統 一 的
な全 国 的 適 用 を 意 図 して制 定 され て い る こ とに あ る。 第 二 の それ は、 州 法 が 連
邦 法 律 の 内 容 を コ ン ト ロ ー ル す べ き で あ る と仮 定 し た 場 合 、 連 邦 計 画 が 害 さ れ
る 危 険 が あ る と い う に あ る 。 か か る理 由 に よ っ て 、 「
我 わ れ は 、何 を法 律 が 意 図
88)
して い るか を確 認 す る た め に 、 法 律 の 目的 を精 査 しな け れ ば な らな い 」 と して
い る。
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
Vl婚
67
姻 に よ る権 利 の 得 喪
合 衆 国議 会 第50議 会 は 、1888年8月9日
、3ヶ 条 か ら成 る 「白 人 男 性 とイ ン
89)
デ ィ ア ン女 性 との婚 姻 に関 す る法 律 」 を 制 定 して い る。
第1条(合
衆 国法律集 第25編 第181条)は
、 イ ン デ ィ ア ン女 性 と婚 姻 中 の 白人 男 性
の 権 利 に関 す る規 定 で あ り、 「イ ンデ ィ ア ンの いか な る部 族 の構 成 員 で も な い 白
人 男 性 で 、 〔1888年8月9日
〕以 降 に 合 衆 国 内 の イ ン デ ィ ア ン部 族 若 し くは イ ン
デ ィ ア ン ・テ リ トリー 内 の開 化 五 部 族 を除 くテ リ ト リー の構 成 員 で あ るイ ン デ ィ
ア ン女 性 と婚姻 した る者 は、 〔1888年8月9日 〕 以 降 は 、 当 該婚 姻 に よ り、 当該 部
族 の 構 成 員 に付 与 され る部 族 財 産 、 特 権 若 し くは 利 益 に対 す るい か な る権 利 を
も取 得 す る こ とが で き な い もの とす る。」 と規 定 して い る。 第2条(同
第182条)
は、 白人 男 性 と婚 姻 中 の イ ン デ ィ ア ン女 性 の権 利 に つ い て 定 め、 「イ ンデ ィ ア ン
部 族 の構 成 員 で あ るイ ンデ ィア ン女 性 で 、 〔1888年8月9日 〕 以 降 に合 衆 国 の市 民
と婚 姻 した 全 て の 者 は 、 本 法 を も っ て、 当 該 婚 姻 に よ り、 婚 姻 して い る女 性 で
あ る こ とに よ る合 衆 国 市 民 の全 て の 権 利 、 特 権 及 び 免 除 を有 す る合 衆 国 市 民 と
な る こ とを 宣 言 さ れ る。」 と規 定 して い る。
第3条(同
第183条)は
、証 拠 に 関 す る規 定 で あ っ て 、 「イ ン デ ィ ア ン部 族 の構
成 員 で あ るイ ン デ ィア ン女 性 と 白人 男 性 との 婚 姻 が 、 訴 訟 手 続 に お い て 、 その
証 明 を 求 め られ 若 し くは そ の証 明 を 申 し出 られ た と き は何 時 で も、 当該 訴 訟 手
続 に お け る反 対 側 当 事 者 に よ る事 実 の 自 白証 拠 若 し くは一 般 的信 用 の証 拠 若 し
くは婚 姻 して い る 者 と して の 同 居 の 証 拠 又 は推 論 され る事 実 か ら の そ の他 の 状
況 証 拠 若 し くは推 定 効 果 を有 す る証 拠 は、 証 拠 能 力 を 有 す る も の とす る。」 と定
め て い る。
更 に 付 言 す れ ば 、 白人 男 性 とイ ン デ ィ ア ン女 性 との 間 の婚 姻 に よ り出 生 した
子 ども の権 利 に つ い て は、1897年6月7日
9U)
「1898会計 年 度歳 出 配 分 承 認 法 」 第1条(同
に合 衆 国議 会 第55議 会 で制 定 され た
第184条)が
、 「これ まで 〔1897年6
月7日 以前 〕 に 白人 男 性 と養 子 縁 組 に よ らず して 、 血 統 か ら して イ ンデ ィ ア ン女
性 で あ る者 との 問 の結 婚 式 を挙 げ た婚 姻 に よ り出 生 した 子 ど もで、 当該 イ ン デ ィ
ア ン女 性 が 、 当 該 日 〔1897年6月7日 〕若 し くは 死 亡 時 に部 族 に よっ て 承 認 され
て い た者 で あ る場 合 、 当 該 子 ど も は、 当 該 母 親 が 血 統 に よ り所 属 して い る部 族
若 し くは そ の 死 亡 時 に 血 統 に よ り所 属 して い た部 族 の 部 族 財 産 に対 して 、 当 該
68
部 族 の その 他 の 構 成 員 と同一 の 権 利 及 び 特 権 を有 す る もの と し、 当 該 日 〔1897年
6月7日 〕 以 前 に制 定 され た合 衆 国議 会 法 律 は 、 当 該 子 ど もの 当 該 権 利 を妨 げ る
sU
も の と し て 解 釈 さ れ て は な ら な い 。」 と規 定 し て い る。
ゴゴロ
主
1)ExpartePero,99F.2d28,29(7thCir.1938).
2)FELIxS.CoHEN,HANDBooKoFFEDERALIND[ANLAw,2(3d.1942).尚
MichieCompany出
版 の1982年
、The
版 で は、① の定 義 は 、 「
個 々 人 の祖 先 の誰 人 か が、 ヨー
ロ ッ パ 人 に よ る 発 見 以 前 に 現 在 の ア メ リカ 合 衆 国 と呼 ば れ る と こ ろ に 居 住 し て い た こ と」、
② の 定 義 は 、 「個 々 人 が 、 彼 若 し く は 彼 女 の 部 族 又 は コ ミ ュ ニ テ ィ に よ っ て イ ン デ ィ ア ン
と して 承 認 さ れ て い る こ と」 と記 述 さ れ 、 以 下 の 判 例 を 引 用 し て い る 。ExpartePero,
99F.2d28(7thCir.1938);Dillonv.Montana,451F.Supp.168(D.Mont.
1978);UnitedStatesv.Rogers,45U.S.(4How)567(1846);UnitedStatesv.
Dodge,538F.2d770(8thCir.1976).
1816, 6Stat.171.
3)ActofApr.27,
4)ActofMar.3,
5)ActofJune5,
6)ActofMay25,
7)40Stat.564.
8)ActofMar.4,
1837, 6Stat.692.
1872, ch.306,17Stat.226.
1918, ch.18,40Stat.561.
1931,ch.494,46Stat.1518.
9)48Stat.984(codifiedasamendedat25U.S.C.
§461,etseq,).
10)TreatywiththeWyandots,etc.,Sept.29,1817,
7Stat.160.
11)TreatywiththeSacsandFoxes,Aug.4,1824,
7Stat.229.
12)ActofJune30,1834,ch.161,4Stat.740.
13)TreatywiththeMiamies,Oct.23,1826,
14)同
様
の 規 定
を 置
く条 約
Winnebagos,Aug.1,1829,
7Stat.300.
と し て 、 以 下 の そ れ が 挙
Stat.330;'17eatywiththeOttawas,Aug.30,
1832,
る 。Treatywiththe
1831,7Stat.362;Treatywith
theWinnebagos,Sept.15,1832,7Stat.372;
Foxes,Sep.21,1832,7Stat.374;
げ ら れ
7Stat.324;TreatywithSiouxes,July15,1830,7
TreatywiththeSacsand
TreatywiththePottawatomies,Oct.27,
7Stat.400;TreatywiththeOttawas,etc.,Mar.28,1836,7Stat.493;
TreatywiththeChippewas,July29,1837,7
SiouxesSept.29,1837,7Stat.539;
Stat.537;Treatywiththe
TreatywiththeWinnebagosNov.1,
1837,7Stat.545;TreatywiththeChippewas,
Oct.4,1842,7Stat.592;
TreatywiththeMenominees,Oct.18,1848,9
0mahas,Mar.16,1854,
1855,10Stat.1174;TreatywiththeOsages,
TreatywiththeSeminoles,Oct.14,1865,
Stat.952;Treatywiththe
10Stat.1045;TreatywiththeWinnebagos,Feb.27,
Sept.29,1865,14Stat.689;
14Stat.756.
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
69
15)TreatywiththePawnees,Sept.24,1857,11Stat.729.
16)TreatywiththePoncas,May12,1858,12Stat.997.
17)45U.S.(4How.)567(1846).
18) Lと孟at572-73.
19) 103F.348(C.C.D.Mont.1900).
20) Id.at351-52.
21) 245F.411(8thCir.1917).
zz> Id.at419-20.
23) 81nd.6(1856).
24) 195F.ll3(8thCir.1912).
25)
26)
99F.2d28(7thCir.1938).
RobertN.Clinton,Criminal/urisdictionOverIndianLand:A/gurney
Througha
扱
JurisdictionalMaze,18ARIz.L,REv,503,515(1976).初
っ た 論 稿
Smith,
と し て
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Nee.L.Rev.171,
Connection"
(1999)
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200-12(2001);KarenM.Woods,A`wickedandMischievous
TheOriginsoflndian-WhiteMiscegenationLaw,23LEGALSPUD.F.37
RusselLawrenceBarsh,TheChallengeoflndigenousSelf-Determination,26
U.MIcH.J.L.REFoRM277(1993)
ofthe
Oklahoma,6Aiv[.INDIANL.REV.259
27)
BrowningPipestem,WilliamRice,TheMythology
Oklahomalndians:ASurveyoftheLegalStatusoflndianTribesin
(1978).
COHENSHANDBOOKOfFEDERALINDIANLAW176(N211J2SSUpN2WCOlled.,
2005)
28)Snowden,Tyndall&Smith,supranote26,at218.
29)ActofFeb.8,1887,ch.ll9,24Stat.388.
30)WardChurchill,CrucibleofAmericanIndianIdentity:NativeTraditionversus
ColonialImpositioninPostconquestNorthAmerica,inCONTEMPORARYNATNE
AMERIcANCuLTuRALIssuEs,50(1999),citedatSnowden,Tyndall&Smith,
supranote26,at217.
31)244F.Supp.808(E.D.Wash.1965).
32)Id.at814.SeealsoUnitedStatesv.Waller,243U.S.452(1917);United
Statesv.FirstNat'1Bank,234U.S.245(1914);Tigerv.W.Inv.Co.,221U.S.
286(1911).
33)ActofJune8,1934,ch.5.48,76,Stat.984(codifiedasamendedat25U.S.C.
§461,etseq.).
34)OFFICEOFINDIANAFFAIRS,U.S.DEPTOFTHEINTERIOR,CIRCULARNo.3123;
MEMBERsHlpININDIANTRIBEs(1935).
35)SeeCaroleGoldberg,MembersOnly?DesigningCitizenshipRequirementsfor
IndianNations,50U.KAN.L,REv.437,446-67(2002).
36)Id.at447.
期 の 判 例 を
70
37)OMAHACONST.art.II,§
§1-4(amendedl966).
38)PNcACONST.art.II,§
§1-3(1994).
39)SANTEESIouxCoNsT.artII,§
§1,4-6(1936).尚
、 サ ン テ ィ ー ・ス ー族 の1967
年 改 正 登 録 条 例 に つ い て 、S88SANTEESIoux,REv.ENRoLLMENTORDINANcE,§
§2-
4,7…9(1967).
40)639F.Supp.165(E.D.Cal.1986).
41)436U.S.49(1978).
42)Id.at55-56.SeealsoWhiteMountainApacheTribev.Bracker,448U.S.
136(1980);UnitedStatesv.Wheeler,435U.S.313(1978);UnitedStatesv.
Mazurie,419U.S.544(1975);Mortonv.Mancari,417U.S.535(1973);
Williamsv.Lee,358U.S.217(1959);ExecutiveOrderNo.13,084,63Fed.
Reg.27,655(May14,1998).
43)Pub.L.No.100-581,TitleI,ァ101,102Stat.2938(1988)(codifiedasamended
ァ476(2007).).
44)IRA改
正 に っ い て 、S88TimothyJoranko,MarkVanNorman,IndianSelf-
DeterminationatBay:SecretarialAuthoritytoDisapproveTribalConstitutional
Amendments,29CiONZ.L.REV.81(1994);NoreenLennon,Departmentoflnterior
AuthorizedToReviewFinal'DecisionsofTribalElectionBoardandToInvalidate
TribalElectionBasedonEligibilityDisputesinShakopeeMdewakantonSioux
(Dakota)Communityv.Babbitt,31CREIGHTONL.REV.527(1998).
45)25C.F.R.§
§81.1-81.24(2007).
46)LetterfromChief,DivisionofTribalGovernmentServices,Bureauof
IndianAffairs,toLeroySalgado(Sept.24.1998),citedatGoldberg,supra
note35,at448.
47)25C.F.R.ァ81.1(s)(2007).
48)141F.Supp.2dlI85(W.D.wis.2001).1966年
バ ン ド憲 法 制 定 時 の 選 挙 権 は 、 保
留 地 に居 住 し て い る成 人 イ ン デ ィ ア ン 及 び2分
住 者 の 構 成 員 に 付 与 さ れ て い た が 、1992年
の1若
し くはそれ 以 上 の純血 値 で あ る非居
改正 で は 、 バ ン ドの 構 成 員 が 拡 大 さ れ 、 ①1940
年 人 口調 査 名 簿 に 登 録 さ れ た 若 し く は 当 該 名 簿 に 登 録 さ れ る資 格 を 有 した バ ン ドの 純 血 値
を も つ 全 て の 者 、 ②1966年
月2日
と1969年4月7日
者 、1969年4月7日
と す る と し た(部
以 前 に 出 生 し た バ ン ド構 成 員 の 直 系 の 子 孫 、 及 び ③1966年II
の 間 に 出 生 した 者 で 且 つ 少 な く8分
以 降 に 出 生 し た 者 で 且 つ4分
の1の
バ ン ドの 純 血 値 を も つ
バ ン ドの 純 血 値 を もっ 者 を 構 成 員
族 条 例 で 規 定 す る 旨 の 憲 法 改 正 規 定 が あ る)。1992年2月
ド部 族 の 構 成 員 は 、4,378名
バ ン ド憲 法 第9条
の1の
で 、 内3,659名
時 点 で、 バ ン
が投 票 資 格 を有 して い た。 改 正 手続 を定 め た
は 、 こ の 憲 法 及 び 条 例 は 改 正 目 的 の た め に、 内 務 長 官 よ っ て 施 行 さ れ る
選 挙 で バ ン ドの 有 権 者 の 多 数 決 で 改 正 が で き る、 但 し30パ
ー セ ン ト以 上 の 有 権 者 の 投 票 が
条 件 で あ る と規 定 し て い る 。 そ して 、 バ ン ド管 理 委 員 会(GoverningBoard)の
に よ っ て 、 若 し くは バ ン ドの 有 権 者 の 少 な く と も75パ
多数決
ー セ ン トの 請 願 に よ る請 求 が あ っ た
場 合 、 内 務 長 官 は 改 正 の た め の 選 挙 を 施 行 す る こ とが 義 務 で あ る と規 定 して い る 。 選 挙 権
は 、 バ ン ド憲 法 で 上 記 要 件 を満 た す18歳
以 上 の バ ン ドの 構 成 員 と さ れ て い る。 選 挙 実 施 に
イ ンデ ィ ア ン部族 、 個 人 と して の イ ンデ ィ ア ン(3)
先 立 ち 、 有 権 者 名 簿 を 受 取 っ たBIAは
、3,659名
の 投 票 資 格 を 持 つ バ ン ドの 構 成 員 に 登 録
小 包 を 送 り、 選 挙 に っ い て の 助 言 と 登 録 の 必 要 性 を 通 知 し た(内
1992年1月31日
71
、1,130名
が 登 録 し た 。)。
、 部 族 管 理 員 会 委 員 長 ガ イ ア シ ュ キ ボ ス(Gaiashkibos)は
、BIAの
グ
レー ト ・レ イ ク 担 当 官 事 務 所 に 登 録 手 続 と不 在 投 票 に 関 して 手 紙 を 出 し、 ① 部 族 構 成 員 が
来 る 長 官 選 挙 の 投 票 権 を 否 定 さ れ た 、 ② バ ン ド憲 法 は 不 在 投 票 を 認 め る こ と に よ っ て 制 限
さ れ た 、 ③ 部 族 構 成 員 の 権 利 は 支 持 さ れ 、 投 票 権 は 制 限 さ れ て は な ら な い と訴 え て い る。
しか し、BIAは
、1992年2月1日
の バ ン ド憲 法 改 正 の た め の2つ
を 後 援 し 、 構 成 員 に 関 す る改 正 案Aはll30名
不 在 投 票)、542対105で
の 提 案 に 関 す る長 官 選 挙
の 登 録 者 中 、650名
が 投 票 し(内
可 決 さ れ た 。 選 挙 の 有 効 性 を 争 っ た 原 告 は 、16分
の5の
、474名
バ ン ド保 留 地 に 居 住 す る バ ン ドの 構 成 員 サ ン ドラ ・ トー マ ス(SandraThomas)、
ド ラ ・トー マ ス と非 イ ン デ ィ ア ン で あ る ジ ェ リー ・トー マ ス(JerryThomas)の
て 、 保 留 地 内 に 居 住 し 、 付 加 名 簿 に 登 録 さ れ て い る32分
(TinaThomas)、
バ ン ド構 成 員 で バ ン ドの2分
の1以
の5の
の1以
純 血 値 の テ ィ ナ ・ トー マ ス
そ し て バ ン ド構 成 員 で バ
上 の 純 血 値 で あ っ て 、 保 留 地 の 外 に 居 住 し て い る マ イ ケ ル ・ナ レ ワ ジ ャ
(MichaelNalewaja)で
あ る。1992年10月7日
マ セ ソ ン(DavidMatheson)は
て い る(書
サン
娘 であ っ
上 の純血 値 で あ っ て、保 留地 の 外
に 居 住 して い る ロ バ ー ト ・E・ サ ン ダ ー(RobertE.Sander)、
ン ドの4分
が
純 血値 の
、 イ ン デ ィ ア ン問 題 局 次 長 デ ー ヴ ィ ッ ド・
、 部族 管 理 員 会 委員 長 ガ イ ア シ ュ キボ ス に書 簡 を送 っ
簡 に は、 マセ ソンの
「内 務 長 官 臨 時 代 理 」 の 署 名 が 付 さ れ て い る 。)。 以 下 、 そ
の 内 容 で あ る。 す な わ ち 、 マ セ ソ ン は 、 修 正 は 採 択 及 び 承 認 の 日 か ら有 効 で あ っ て 、 管 理
員 会 は長 官 選 挙 の 結 果 が 無 効 と宣 言 す る権 限 を も っ て こ な か っ た と述 べ て い る。 そ し て 、
マ セ ソ ン は 、 部 族 憲 法 の 修 正 に 関 す る選 挙 は 、 最 初 の 憲 法 の 選 挙 が 行 わ れ た と同 様 の 方 法
で行 わ れ るべ きで あ った 、 す なわ ち、 投 票者 は 同 じ クラ スで な けれ ば な らなか っ た こ とを
意 味 し、 以 前 の 諸 修 正 の 承 認 は 無 効 で あ っ た とす る。 マ セ ソ ン は 、1966年
簿 を 見 出 し得 な か っ た が 、1966年9月3日
者 を 記 した 選 挙 通 知 を 発 見 し て い る。 ① 氏 名 が1940年
地 に居 住 し て い る者 、 ②21歳
2分 の1以
か らの選 挙 人名
実 施 の 長 官 選 挙 に 際 して の 以 下 の 投 票 の 有 資 格
の人 口調 査名 簿 に登 載 され且 つ保 留
以 上 で あ っ て 保 留 地 に 居 住 し て い る① の 子 孫 、 ③ 少 な く と も
上 の イ ン デ ィ ア ン の 純 血 値 で あ っ て 且 つ1940年
人 口調査 名簿 にそ の氏 名が 登載
さ れ て い る保 留 地 に 居 住 し て い な い 者 、 ④ 非 居 住 者 は 不 在 投 票 を 行 う こ と が で き るが 、 居
住 者 は 保 留 地 で 投 票 す る こ と。 マ セ ソ ン は 、 こ れ ま で の 諸 修 正 の 承 認 を 無 効 と し た が 、 そ
れ は 不 在 投 票 を 行 っ た474名
中75名
とす る。 マ セ ソ ン は 、1992年
の み が2分
の1の
バ ン ドの 純 血 値 で あ っ た か らで あ る
結 果 の 承 認 を無 効 と し た が 、BIAは2つ
関 す る選 挙 の 実 施 を 強 い られ た の だ と説 明 し、BIA地
の提 案 され た修 正 に
方 事 務局 にそ の よ うな調 整 を指 示 し
得 た で あ ろ う と述 べ て い る。 マ セ ソ ン は 、 将 来 の 選 挙 に お い て 投 票 を 認 め られ るバ ン ドの
構 成 員 は 保 留 地 内 に 居 住 す る 構 成 員 及 び 少 な く と も2分
の1の
バ ン ドの 純 血 値 を も っ た 非
居 住 者 で あ る と述 べ て い る 。
49)141F.Supp.2d,at1192-93.
50)Snowden,Tyndall&Smith,supranote26,at236.
51)SeminoleNationofOklahomav.Norton,206F.R.D.1(D.D.C.2001);
SeminoleNationv.Norton,223F,Supp,2dl22(D.D.C.2002),尚
、 当 時 の登 録
状 況 を 知 る た め に 、 「自 由 奴 隷 」 が 登 録 さ れ る 旨 を 規 定 した 連 邦 法 で あ る1902年7月1日
法(32Stat.716)、
通 称
「チ ェ ロ キ ー 合 意 」(Cherokeeagreement)の
規 定 を 参 照 。
52)Goldberg,supranote35,at449-50.
53)See,e.g.,TreatywiththeOsages,Sept.29,1865;14Stat.687;Treatywith
theChippewas,Feb.22,1855,10Stat.1165;TreatywiththeWyandots,
Senecas,Delawares,Shawanese,Potawatomees,Ottawawas,andChippeways,
Sept.29,1817,7Stat.160.SeealsoDelawareIndiansv.CherokeeNation,
193U.S.127(1904).
54)168U.S.218(1897).
55)Id.at222.
56)157N.E.734(1927).
57)Id.at736.
58)See,e.g.,Ricev.Cayetano,528U.S.495(2010);SantaClaraPueblov.
Martinez,436U.S.49(1978);UnitedStatesv.Wheeler,435U.S.313(1978);
Masayesvav.Zah,792F.Supp.1178(D.Ariz.1992);Baciarelliv.Morton,481
F2d610(9thCir.1973).
59)792F.Supp.1178(D.Ariz.1992).
60)Id.at1188.
61)See,e.g.,Thompsonv.CountyofFranklin,314F.3d79(2dCir.2002);State
v.Attebery,519P.2d53(1974);Vezinav.UnitedStates,245F.411(8thCir.
1917).
62)Snowden,Tyndall&Smith,supranote26,217,n.241.Seealso,DAVIDE.
WILKINS,AMERICANINDIANPOLITICSANDAMERICANPOLITICALSYSTEM,29(2d
ed.2007).
63)See,e.g.,Milamv.UnitedStatesDeptoftheInterior,101LR3013(D.D.C.
1982).(「
内 務 長 官 は 、 連 邦 と部 族
との 関 係 を 遂 行 す る 目 的 に と っ て 、 何 人 が 部 族 代 表 と
し て 承 認 さ れ る か を 決 定 す る た め に 、部 族 憲 法 を 解 釈 す る 権 限 を 有 す る 。」(ld.at3015.));
SeminoleNationofOklahomav.Norton,206F.R.D.1(D.D.C.2001).(内
は 、 セ ミ ノ ー ル 憲 法 第13条
務 省
の 規 定 に 従 っ て 、 ネ ー シ ョ ン の 憲 法 改 正 を 承 認 す る 権 限 を 有 す
る(ld.atl9.))。
64)See,e.g.,DelawareTribalBus.Comm.v.Weeks,430U.S.73(1977);United
Statesv.Rogers,45U.S.(4How.)567(1846).
65)329U.S.40(1946).
66)Id.at54.Seealso,UnitedStatesv.CreekNation,295U.S.103,109-10
(1935).
67)417U.S.535(1974).
68)Id.at555.Seealso,DelawareTribalBusinessCommitteev.Weeks,430U.S.
73,84-86(1977).
69)ActofJan.4,1975,Pub.L.No.93-638,88Stat.2203(codifiedasamended
ァァ450450-450n,455-458bb-2)
70)ActofNov.8,1978,Pub.L.No.95-608,92Stat.3069(codifiedatァ1901et
イ ン デ ィ ァ ン 部 族 、 個 人 と し て の イ ン デ ィ ア ン(3)
seq.).
71)48Stat.984(codifiedasamendedat25U.S.C.§461,etseq.).
72)ActofSep.3Q,1976,Pub.L.No.94-437,90Stat.1400(codifiedasamendedat
25U.S.C.§1601etseq.).
73)ActofDec.17,1980,Pub.L.No.96-537,94Stat.3173.
74)94Stat.3181
75)ActofNov.23,1988,Pub.L.No.100-713,102Stat.4784.
76)102Stat.4827
77)9Stat.955.
78)14Stat.703.
79)ActofJun.4,1920,ch.224,41Stat.751.
80)ActofMay,1924,ch.158,43Stat.132.
81)ActofMar.3,1885,ch.341,ァ9,23Stat.362.
82)ActofJun.25,1948,ch.645,62Stat.757(codifiedat18U.S.C.ァ1152).
83)SeeUnitedStatesv.Rogers,45U.S.(4How.)567(1846).
84)See,e.g.,DeSylvav.Ballentine,351U.S.570,580(1956);FinanceCorporation
v.BeaverCounty,328U.S.204,210(1946);Helveringv.Stuart,317U.S.154,
161-62(1942).
85)318U.S.101(1943).
86)Id.at104.Seealso,Dickersonv.NewBannerInstitute,Inc.,460U.S.103,
109(1983);NLRBv.NaturalGasUtilityDist.OfHawkinsCounty,402U.S.
600,603(1971).
87)490U.S.30(1989).
88)Id,at43-44.か
か る解 釈 の 問 題 と 関 連 し て 、 イ ン デ ィ ア ン児 童 福 祉 法 の
ン デ ィ ア ン 家 族 の 法 理 」(existingIndianfamilydoctrine)の
「
現 存 す る イ
解 釈 を め ぐ っ て 、 統 一 的
な 連 邦 の 基 準 に 従 う べ き か 否 か が 争 わ れ る と こ ろ で あ る 。See,LorieM.Graham,"The
1〕㍑s'ハ(ever砲%ガsぬ
θs'㌘ ノ1ContextualCritiqueoftheExistingIndianFamily
Doctrine,23AM.IND.L.REV.1(1998);ChristineM.Metter,TheExisting
IndianFamilyException:AnImpedimenttotheTrustResponsibilitytoPreserve
TribalExistenceandCultureasManifestedintheIndianChildWelfareAct,30
LoY.L.A.L.REV.647(1997).
89)ActofAug.9,1888,ch.818,25Stat.392(codifiedat25U.S.C.§
§181-183).
90)ActofJune7,1897,ch.3,30Stat.62
91)30Stat.90(codifiedat25U.S.C.ァ184).
(本学 法科 大学 院教 授)
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