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ファクト・ファイル Syl-Off®の紙・フィルムへのコーティング実施後の装置

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ファクト・ファイル Syl-Off®の紙・フィルムへのコーティング実施後の装置
ダウコーニング
感圧粘着ソリューション
ファクト・ファイル
Syl-Off®の紙・フィルムへのコーティング実施後の装置の清掃
本ファクト・ファイルでは Syl-Off®ブランドシリコーンの紙・フィルムへのコーティング
を実施した後の装置の清掃方法を示しています。これにはエマルジョン型、溶剤型、無溶
剤型用の装置の清掃手順、および硬化したコーティング剤の剥離溶剤を利用した除去に関
する情報も記載されています。さらに関連する化学薬品とその供給業者についても掲載し
ています。
Syl-Off シリコーンの紙・フィルムへのコーティングに使用された装置は、使用後すぐに清
掃する必要があります。清掃方法はコーティングの種類、ゲル化の程度、塗布ヘッド、装
置構造の材質によります。
各種コーティングにおける手順
エマルジョン型コーティング
Syl-Off シリコーンのエマルジョン型コーティングに使用された装置は、コーティング運転
の終了時に洗剤水洗浄で清掃してください。そのためには良質な工業用、家庭用いずれか
の洗剤を使用してください。トルエンその他の溶剤に浸した布を用いて、洗浄後に残って
いるゲルを除去してください。硬化したコーティングはアルコールカリ溶液で除去してく
ださい。
溶剤型コーティング
Syl-Off の溶剤型シリコーンコーティングに使用された装置は、コーティング作業時に使用
されたものと同じ種類の溶剤で洗浄してください。ゲル化したシリコーンで緩く詰まった
グラビアシリンダーは、一般にトルエンなどの溶剤の入った浴槽内で回転させるとゲルが
膨張し柔らかくなります。硬いポリプロピレンか真鍮でできた毛のブラシを使用し、シリ
ンダーをブラッシングしゲルを除去しています。シリンダーを溶剤ですすぎ、乾いた布あ
るいは送風して乾燥させれば完了です。
コーターの中にはアセトンかメチルアルコール、またはエチルアルコールを洗浄溶剤に加
えるものもあります。これらの液体はシリコーンコーティングと馴染まず、コーティング
は集まって凝固したかたまりとなり、コンテナーの壁には付着しません。この凝固物は簡
単に取り出して廃棄することができます。
無溶剤型コーティング
100%濃度の無溶剤型 Syl-Off のシリコーンコーティングに使用された装置では、まず排液
を行って現れた表面を拭き、コーティング剤をできる限り除去して清掃してください。そ
してトルエンなどの溶剤で再循環ラインのすすぎを行ってください。上記「溶剤型コーテ
ィング」に記載された方法を使いシリンダーを清掃してください。
硬化したコーティング剤の除去
装置の上で硬化してしまったシリコーンコーティングの除去はさらに難しくなります。そ
ういう場合は、パテナイフや薄い刃でコーティングを削り取ってください。コーティング
は剥離用溶剤や一部の非溶剤清浄剤でも除去できます。剥離用溶剤の調合は以下の 2 つが
推奨されます。
剥離用溶剤、調合 I
成分
重量部
無水水酸化カリウム(KOH) --------------------------------------------ジエチレングリコールエチルエーテル
4.9
---------------------------- 9 5 . 1
剥離用溶剤、調合 II
成分
重量部
無水水酸化カリウム(KOH) ------------------------------------------------- 5
水 ---------------------------------------------------------------------------------- 5
95% エチルアルコールまたはイソプロピルアルコール------------ 9 0
ダウコーニングは、シリコーン除去のために低揮発性有機化合物の洗浄剤をいくつか試験
いたしました。これらの洗浄剤は、環境にやさしく、簡単な水洗いで悪臭もなく効果的に
シリコーン除去を行います。これらの製品は鉄鋼、金属面の清掃にのみ使用し、ゴムロー
ラーへは触れないようにしてください。製品と供給業者の連絡先のリストは化学薬品と供
給業者の表に掲載しています。
調剤
調合 I を調剤するには、4.9 部の無水水酸化カリウム(KOH)を 95.1 部のジエチレングリコ
ールエチルエーテルに、絶えずかき混ぜながらゆっくり加えます。この段階でかなりの熱
が放出されますので、普通ガラスやプラスチックの容器は使用してはいけません。望まし
いのはステンレスか Pyrex ® 1 ガラスの容器です。
調合 II を調剤するには、上記の注意事項を守りながら、5 部の KOH を 5 部の水にゆっく
り加えます。代わりに市販の KOH 水溶液を使用することもできます。かき混ぜながら、ゆ
っくりとエチルアルコールを加えれば出来上がりです。
溶液を装置につけ、溶液がついたまま 15 から 30 分間放置します。通常はそれで軽くブラ
ッシングをしながら溶剤洗浄を行えば、除去できる程度までコーティングは柔らかくなり
ます。グラビアシリンダーが非常に詰まっている状態の場合は、それを前述のいずれかの
苛性アルカリ浴槽内で回転させて清掃してください。ゲルが柔らかくなるのに要する時間
はシリンダーがどの程度詰まっているかによります。15 から 30 分間浸せばゲルの多くは柔
らかくなります。しかしシリンダーによっては清掃に数時間要することもあります。
苛性アルカリに浸した後、装置を水ですすぎ、さらに 5%の水性酢酸溶液で残存の苛性アル
カリを中和し、水洗しながら軽くブラッシングします。送風あるいは乾布で清掃した表面
を乾かします。苛性アルカリ溶液が装置上あるいは内部に残らないようにします。そうし
なければ以降のコーティング作業で、それがゲル化したり、シリコーン浴槽の可使時間を
減少させたりすることになります。
注意
アルコールカリ溶液は空気中の湿気や二酸化炭素による汚染を避けるため密閉容器に保管
してください。全体あるいは一部がアルミでできた装置はこれらの溶液で清掃してはいけ
ません。水分を含む苛性アルカリ溶液はアルミを侵します。
先の 2 つの調合剤のような強い苛性アルカリは非常に危険です。これらの溶液は皮膚に触
れないようにしてください。とくに眼には有害です。眼に触れた場合は、触れた部分を水
で最低 15 分は洗い流し、すぐに医師の診察を受けてください。
強い苛性アルカリを使って作業する場合は、ゴム手袋、ゴムエプロン、顔を完全に覆うフ
ェイスシールドを着用することを強くお勧めします。すべての清掃用溶液にはわかりやす
く、はがれないラベルを付けてください。
清掃時に使用されるトルエン、ヘプタン、アセトンなどの可燃性のものは、すべて火災の
危険性に対して適切な配慮をしながら取り扱わなければなりません。十分な換気を行って
ください。
注記:ダウコーニング製品以外の MSDS(製品安全データシート)情報については、そのメーカーへお問い
合わせください。
化学物質と供給業者
化学物質
供給業者
エチルアルコール
- The Dow Chemical Company
- Ashland Chemical Company
- J.T. Baker Chemical Company
イソプロピルアルコール
- The Dow Chemical Company
- Ashland Chemical Company
- J.T. Baker Chemical Company
ジエチレングリコールエチルエーテル
- Ashland Chemical Company
- Fischer Scientific Company
Carbitol®溶剤
- The Dow Chemical Company
水酸化カリウム
- Fischer Scientific Company
- J.T. Baker Chemical Company
非溶剤型洗浄剤
供給業者・連絡先1
CSI-Resolve
- Cleaning Systems
サンプルについての連絡先:
Rick Martens 1-800-225-2231
Citrikleen® XPA
- Spartan Oil
サンプルについての連絡先:
Jim Cairns 1-800-968-0999
内線 140
Amtex CCR シリコーン脱脂剤
- Amtex Chemical Corporation
サンプルについての連絡先
(215) 436-4813
1
北米の供給業者をリストしていますが、同様の製品は世界の他地域にもあります。
試験を行った非溶剤洗浄剤はすべてシトラステルペン族です。
装置洗浄に関してさらにご相談がある場合
装置洗浄についてさらにご相談になりたいお客様は、ダウコーニング技術サービス代理店
までご連絡ください。オンラインでの「ライブヘルプ」も www.dowcorning.com よりご利
用いただけます。
私どもはいつでもサポートいたします
問題解決、利益改善、新たなチャンスの活用…いずれをお考えになっている場合でも、ダ
ウコーニングチームは、皆様が想像もされなかったようなソリューション、能力、選択肢
をご用意しています。
ダウコーニングは、製品やシリコーンを供給するだけではありません。私どもは工程の最
適化やコストダウン、特注品の調合、応用設計、技術革新、生産性の専門情報提供、世界
市場の拡大など、ほかにも数多くのことを行っています。
私どもの革新的な考えをぜひ皆様のお役に立ててください。
お問い合わせ先
ダウコーニングは、世界中に販売会社、製造拠点、さらに科学技術研究所を持っておりま
す。最寄りの拠点の電話番号はインターネット上のウェブサイト www.dowcorning.com に
あります。
調合について
皆様の便宜のために調合例を示しておりますが、ダウコーニングはその市場性、使用の適応性、性能、効
果、安全性、特許侵害の無い事などについての保証はいたしません。
それらは商用として調合されておらず、また詳細な試験は実施しておりません。いかなる調合方法も使用
前にお客様の責任で十分な試験を実施してください。
保証の限度について
−
よくお読みください
ここに示された情報は誠意をもって提供されるものであり、正確であると確信しておりますが、当社の製
品が使用される条件や方法については当社の管理外であるため、ダウコーニングの製品が意図される使用
において安全かつ効果的で十分に満足できることを確認する上で、お客様側の試験の代わりとして本情報
を使用することはお止めください。使用方法については、いかなる特許もこれを侵害する誘因とはなりま
せん。
ダウコーニングは、製品が出荷時点において有効なダウコーニングの販売仕様に適合するということのみ
を保証します。
かかる保証に対する違反があった場合は、保証のとおりではない製品の購入価格の払い戻し、または製品
の交換に限り、貴社に対してのみ救済いたします。
ダウコーニングは、明示、黙示にかかわらず、特定の目的や市場性に適していることの保証は一切いたし
ません。
ダウコーニングは、いかなる偶発的あるいは派生的損害に対しても責任は負いません。
Dow Corning および Syl-Off は、ダウコーニング社の登録商標です。
We help you to invent the future は、ダウコーニング社の登録商標です。
その他の商標はそれぞれの所有者に所有権があります。
©2003 ダウコーニング社
AGP6664
全権留保
フォーム No. 30-1057-01
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