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ミズノブランドの価値を 正しい形、正しいタイミングで 最終顧客に伝えて

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ミズノブランドの価値を 正しい形、正しいタイミングで 最終顧客に伝えて
Case study
ミズノブランドの価値を
正しい形、正しいタイミングで
最終顧客に伝えていくために
マーケティング基盤のデジタル化を
推進
日本を代表する総合スポーツ用品メーカーであ
るミズノ株式会社は、既存サーバーの契約更改
を機に、Sitecore® Experience PlatformTM による
Webサイトの再構築を決断。乱立するブランド
サイトを統合し、効率的にPDCAを回せるデジタ
ルマーケティング基盤を構築した。統合化の選
択は、同社に確かな手応えをもたらしている。
課題:ミズノブランド全体でWebサイトの品質を底上
げすべく、CMSによる統合基盤の構築に着手
ミズノ株式会社は、1906 年の創業以来、スポーツ品の開発、
スポーツ振興に力を注ぎ、小さなスポーツ大会からさまざま
な国際大会まで活動している。2016 年 4 月 1 日に創業 110
周年を迎え、生産拠点と販売拠点の積極的な海外展開を進め
る同社が目指すのは、海外売上比率のさらなる向上である。
海外販社と密に連携しながらマーケティング活動を推進する
同社にとって、効率的に PDCA を回せるデジタルマーケティ
ング基盤の構築は、遅かれ早かれ取り組むべき課題として認
識されつつあった。
ミズノ株式会社
総合企画室 Web戦略担当
三上明子氏
問題の中心は、競技種目ごとに数十ものブランドサイトが乱立
していたことにある。種目が違えばターゲットもスポーツシー
ンもさまざまで、店舗および EC サイトへの送客を重要指標と
する以外は、サイトはバラバラに作られ運営されていた。運用は
各部門の担当者に任されており、見た目の統一感はもちろん、
セキュリティ面で課題も見え始めていた。ミズノ 総合企画室
Web 戦略担当の三上明子氏はこう振り返る。
また、ミズノ 総合企画室 Web 戦略担当 専任職の左海篤郎氏は、
「サイトごとに異なる担当者、制作会社がいると、納品される
サイトの品質にばらつきが生じがちです。個別最適を追求しす
ぎた結果、全体的なトーンが失われかけているのは明らかで
した。また、たとえば『球技』というくくりで複数サイトを運用
ミズノ株式会社
総合企画室 Web戦略担当
専任職
左海 篤郎氏
正しい情報を、正しい形
で、正しいタイミングで
最終顧客にお届けする
こと。きらきら感はない
ですが、これが最低限や
り遂げたいことです。こ
の努力を地道に続けなが
らファンを増やしていく
上でCMSが必要であり、
当社の組織や業務の進
め方にふさわしいCMS
がSitecore
Experience
Platformだったのです。
他社にはないSitecore
Experience Platformの
豊富なデジタルマーケテ
ィング機能は魅力でした
が、それらを使いこなせ
るかどうかは未知数でし
た。むしろ決め手になっ
たのは、我々の要件をバ
ランスよく満たしていた
こと。
スモールスタートで、
ムリなく使っていける製
品だと感じたからです。
Case study
している担当者などは、サイト数が多すぎて手が回らないこと
こなせないでしょう。一方で、当社の風土からしても、うま
ンツを制作したいという声はかなり前からありましたし、そろ
状況もありました。そうなると、スモールスタートで徐々
もありました。一方、テンプレートを使って効率よくコンテ
そろ何かしら変える時期に来ているという認識は、それぞれに
持っていたようです」と説明する。各部門でスマホ対応を迫ら
れつつあったことも、担当者のベクトルがリニューアルへと向
かうきっかけになったようだ。
「先頭を走っている部門が全体
をけん引するというより、全体的な品質を底上げすること。こ
れが今回達成したかったことです」と三上氏は語る。
ソリューション:スモールスタートで数年先までムリなく使
える ミズノにふさわしい CMS として Sitecore を選定
既存サーバーの契約更改のタイミングが見えてきた同社は、
課題解決に向けて CMS によるサイトリニューアルを決断。目
指したのは、マーケティングのデジタル化である。定常業務
として各担当者がやらなくてもいいことは全社統一のプラッ
トフォームに任せ、本業により多くのリソースを投入できる
ようになることで、各事業の成長が加速し、ひいてはミズノ
ブランド全体を競争優位へと導くことになる。ここには、業
務プロセス全体の効率化のみならず、Web ガバナンスを強化
する狙いもあった。
CMS は初めての本格的導入であり、検討にあたっては、主に
「ミズノの置かれている状況にふさわしいかどうか」
「数年先
まで無理なく使えるか」の 2 つの観点で慎重に選定が進めら
れた。評価基準として重視した 5 つのポイントを、左海氏は、
「1. グローバル展開しやすい」
「2. 社内に導入の結果を見せや
すい」
「3. 運用コストを削減できる」
「4. なかでも、
コミュニケー
ションコストを削減できる」「5. ガバナンスの強化につながる」
と表現する。こうして複数候補のなかから最終的に選ばれたの
が、Sitecore Experience Platform だった。
「中央集権型の製品、日本生まれの日本向け製品、コンテンツ
管理に特化した製品などがあるなかで、もっともバランスが
取れていました」と語る左海氏に続き、三上氏も「ロール設
計モデルが、当社の組織体系や業務体系、権限委譲モデルに
合致していた」として、 ミズノにふさわしい CMS であった
ことを強調する。もちろん、他社製品にはない豊富なデジタ
ルマーケティング機能もプラスの評価につながったが、それ
以上に、組織や業務を大きく変えなくても無理なく使えるプ
くいくかどうか未知数なものに多額の投資をするのは難しい
に理解と共感を広げていくアプローチを取らざるをえませ
ん。プロジェクトを 3 つのフェーズに分けたのもそのためで、
Sitecore Experience Platform の柔軟なライセンス体系に助け
られました」と左海氏が語るように、段階的な移行計画およ
び数年先を見据えての判断として、柔軟性や拡張性は欠かせ
ない要素だったと言える。今回、スケールしやすいシステム
を求めて Amazon Web Service(AWS)上に Sitecore Experience
Platform を構築した理由もここにある。
こうして 2014 年 7 月からスタートしたプロジェクトでは、
数十のブランドサイトを段階的に移行。1 年間の並行運用
期間を経て、最後に 6 つのドメインを mizuno.jp に統合し、
2015 年 8 月に新サイトへの移行が完了した。
導入の効果:バラツキのあったデザインが最適化されるとと
もに、ガバナンスの効いた運用が実現
リニューアル後は、mizuno.jp の一階層下に各種目のフォル
ダを作り、フォルダごとに権限を付与。各種目の担当者は権
限を付与されたフォルダのみを運用している。
「担当者はこ
れまで本番サーバーに直接アクセスできなかったのですが、
コンテンツエディタにより何がどこにあるのか把握できよう
になり、コンテンツの要・不要の判断もしやすくなりました。
統合基盤に集約したことで、管理すべきものがすべてここに
ある安心感もあります。古いコンテンツはマイナス要素です
から、コンテンツのライフサイクル管理的にもしかるべき姿
になったと言えます」と三上氏は語る。
各部門が出したい情報を出したいタイミングで自由に発信し
ていたリニューアル前と違うのは、広報宣伝部による公開承
認が必要になったこと。コンテンツに対する承認というより
は、ガード文言の抜けや情報漏えいのチェックなど、ガバナ
ンスを効かせてリスクを回避する意味合いが強い。
「はじめ
は不満の声もありましたが、半年経った今では、当然のよう
に承認依頼が届くようになりました」と左海氏。こうした現
場の意識の変化は問合せの質にも表れており、建設的な要望
や具体的なアイデアが出てくるようになっている。
ラットフォームである点が決め手になったと言う。
また、テンプレートの活用や内製化が進み、Web サイト運用
また、
「どんなに最高のツールでも、本社でかなりの人員と
は最適化されつつある。その効果は、ユーザーの反応にも見
予算を投入しないと使えないようなら、おそらく現場は使い
外注費は約 50%* 削減。種目間でバラツキのあったデザイン
て取れる。製品情報ページへのコンバージョン率は約 105%*
Case study
を堅調に維持。EC サイトへの流入数や、一人あたりの PV 数、
回遊率も軒並みアップしている。さらに、今回のプロジェク
トはグローバル統合化への一歩にもなった。日本での導入と
左海氏も、
「先進的なことをやりたいわけではなく、奇をて
らうつもりもない」として、こう説明する。
「社員はミズノ
のものづくりにプライドを持って働いているし、それがあっ
同時期に、欧米でも Sitecore Experience Platform を導入。日
ての会社です。Web サイトを訪問されたお客様には、せっかく
テンツを部品として管理できる点が、トーン&マナーや素材
き、他の競技のこともミズノのことももっと知ってほしいと思っ
本で構築した基盤はアジア各国へ横展開しており、Web コン
来てくださったのですから、サイト内をいろいろ見回っていただ
の共有化、トレーニングの均一化に一役買っていると言う。
ています。お客様の満足度を一段上げるための取組みはもちろ
このように CMS 機能の活用は定着しつつあるが、デジタル
培ってきたブランド価値を継承しつつ国内および海外に広めて
マーケティング機能の活用はこれから検討する考えだ。その
ための啓もう活動も三上氏と左海氏の重要なミッションだ
が、
二人に焦りはない。
「我々の職務分掌の中でできることは、
正しい情報 を 正しい形 で 正しいタイミング で最終
顧客の皆さんにお届けすること。これが最低限やり遂げたい
ことです」と三上氏。その努力を続けるなかで、
デジタルマー
ケティング基盤を使った新しい挑戦が見えてくるだろう、と
いうスタンスだ。とはいえ、Sitecore Experience Platform を
導入したことで、少なくともその準備はすでに整っている。
ん必要ですが、そのためにはツールありきではなく、これまで
いくために、ツールをどう活用していくべきかを考えています」
こうした同社の思想を Web サイトに適用しようとしたとき、
CMS が必要であり、その実践を組織面でも業務面でもムリな
く支えられる製品が Sitecore Experience Platform だったとい
うわけだ。
「本番運用から半年。まだエンジンをあたためて
いる期間」と三上氏。真っ正直に ミズノらしさ を貫き続
ける同社の取組みに、この選択がどう貢献していくのか。今
後の展開からまだまだ目が離せそうにない。
*2016 年 3 月現在
この点はゆくゆく大きな強みになるはずだ。
Sitecore管理画面で約40種類のコンポーネント(テンプレートパーツ)を組み合わせてWebサイトを制作。コンポーネント集
を作成することでトレーニングの均一化も図ることができた
www.mizuno.jp/
Case study
ミズノ株式会社
大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号
www.mizuno.jp/ 1906年、日本で近代スポーツが本格的に受け入れられ始
めた頃、
「水野兄弟商会」
として創業。以来、
「ええもん作り
なはれや」
という創業者・水野利八の言葉を大切に、信頼
のものづくりで日本のスポーツ品産業をリードし続け、世
界でも屈指の総合スポーツ品メーカーとして国内外から
高い評価を受けている。
生産する品目はほとんどすべての競技種目を網羅し、さら
にスクール事業など複合的なスポーツ産業体として幅広く
企業活動を展開。特にスポーツ振興には力を注ぎ、小さな
スポーツ大会からオリンピックをはじめとするさまざまな
国際大会にいたるまで幅広く協力している。
2016年4月1日に創業110周年を迎えた同社は、
プロ、アマ
を問わず、
あらゆるスポーツのさらなる発展を願い、
これか
らも世界中の人々により良いスポーツ用品とスポーツの
喜びを届けていく。
サイトコアは、企 業・ブランドとのあらゆる接 点 にお いて、顧 客 一 人 ひとりの ニーズ に合うコンテン
ツをコンテクストから判断して適切なタイミングで配信し、コミュニケーションの最適化を促進する
「Sitecore® Experience Platform™」を提供しています。世界各国の大手企業や公的機関など4,600社
以上がサイトコアのソリューションを採用し、コンテクストマーケティングによる「個客」エクスペリエン
スを演出。生涯顧客の獲得へつなげています。
MIZUNO
www.mizuno.jp/
Sitecore
www.sitecore.net/Japan/
主な導入企業は、American Express、Carnival Cruise Lines、EasyJet、L'Orealなどです。製品・ソリュー
ション・サービスに関する詳細は、www.sitecore.net/japan/をご覧ください。
Sitecore®およびOwn the Experience®は、Sitecore Corporation A/Sの登録商標です。その他のブランド名および製品名は、各所有者に帰属します。
サイトコア株式会社 〒107-0062 東京都港区南青山2-11-16 METLIFE青山ビル3階 TEL: 03-5413-6900 FAX: 03-5413-6901 Mail: [email protected]
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