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ITS Japanニュース№149(2007年7月号)

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ITS Japanニュース№149(2007年7月号)
◆「第14回ITS世界会議北京2007」最新情報
◆「第6回ITSシンポジウム2007」PRキャ
ンペーン活動状況
◆「第15回ITS世界会議ニューヨーク2008」最新情
◆ITS Japan記者懇談会報告
報
◆日中(ITS Japan, ITSC)ビジネス交流会につい ◆ITS Japanグループ紹介(企画Gの活
て
動報告)
◆J-Safetyプロジェクト(インフラ協調安全運転支援システム ◆「2007年 ITS America 年次総会」報
に係わるプロジェクト)進捗報告
告
◆「次世代デジタル道路情報委員会」の活動状況 ◆産学連携特集:流通科学大学のITS取
報告
組み
◆『環境ITSシンポジウム∼持続可能な「環境配慮 ◆電子情報通信学会ITS研究会のITS取
型社会」を実現するための市民参加とITS∼』開 組み
催
※写真、図等の著作権はITS Japan及び寄稿者に存するので、利用されたい場合は必ず承諾をとるようにしてください。
◆ 「第14回ITS世界会議北京2007」最新情報
開催概要: 会議テーマ: ITS for a Better Life” (智能交通創造美好生活)
会期: 2007年10月9日(火)-13日(土)
会場: 北京展覧館
住所:〒100044 北京市西直門外大街135号
Tel +86-10-68316677
公式ウェブサイト: http://www.itsworldcongress.cn/
Preliminary Programme
(7月上旬発行予定)
第14回ITS世界会議の最新情報のご案内です。
(公式ウェブサイトもあわせてご確認下さい)
Preliminary Programmeが発行されます。
1.プログラム・セッション
Opening Ceremony 10月9日(火) 16:00-18:30
15:00からのウェルカムレセプションに引き続き16:00より開会式が始まります。セレモニーでは中
国の政府・産業界・学界代表によるwelcome speechに続き、エンターテイメントを織り交ぜつつ欧・
米 ・アジア太平洋地域からの代表がスピーチをします。
アジアパシフィックからは今年の日本政府の担当省庁である
経済産業省、ITS Japan豊田会長、韓国代表が登壇予定で
す。
Plenary Session (3セッション)
各国の大臣・市長級のスピーカーを招き総合的なテーマについて議論します。
・PL1 Ministers Session “The Future Transportation – Society, Economy and Policies”:
日時: 10月10日(水) AM 09:30-11:30
中国交通部が主催する本セッションでは海外各国の運輸閣僚クラスを招待し、将来の
Transportationが政策・経済に及ぼす影響について講演します。欧州は欧州委員会・ノルウェー、
APは韓国・インド・日本に登壇の打診がされています。
・PL2 Mayors Session (テーマ未定)
日時: 10月11日 (木)AM 10:30-12:00
北京市が主催する本セッションでは北京市をはじめ海外各地の市長クラスを招待し講演を行う
予定です。
「北京世界会議」の前後の開催都市を中心に、APからは日本・韓国の都市、欧州からはロンド
ン・ストックホルム、米国からニューヨーク・デトロイト・ミネアポリス等に登壇の打診がされていま
す。
・PL3 Industries Session (テーマ未定)
日時: 10月13日 (木)AM 10:30-12:00
産業界のリーダーを招待し講演を行います。
会議テーマ: ITS for a Better Life”
セッションサブテーマ:
Executive Session(10セッション) 10月10日(水)∼13日(土)
官・民・学の有識者がITSの効果・問題・課題などを取り上げ、政策や戦略を議論します。
特に中国政府登壇者の講演をじかに聞ける貴重な機会となります。
ESの全10タイトル、日本からの登壇予定者は下記の通りです。
・ES1: Global Safety (S&S)
国土交通省 自動車交通局、日産(JAMA)
・ES2: Communication Policy and ITS (C&C)
総務省
・ES3: ITS for Sustainability (E&E)
経済産業省
・ES4: ITS in Emerging Economics (D&D)
・ES5: Secure Transport for the Olympics (S&S)
・ES6 Policy for Cooperative ITS (C&C)
国土交通省 道路局
・ES7: Financing the Infrastructure (E&E)
・ES8: Enforcement for Traffic Management and Safety (S&S)
警察庁
・ES9: Economics of Traveler and Traffic Information(C&C)
富士通(JEITA)
・ES10: Freight Transportation Security (E&E)
Special Session(60セッション) 10月10日(水)∼13日(土)
各地域の専門家が研究・実用段階のITSに関する個別のテーマに
ついて深く掘り下げ、最新の技術や施策を議論します。今年は積
極的に国際的なメンバーによるセッション構成を目指し、今まで以
上に幅広く活発な議論ができるよう企画しています。
日本政府によって企画されているセッションは下記の通りです:
・SS17: Japanese Project “Smartway” (S&S)
国土交通省道路局
・SS22:The approaching to implementation of Vehicle-Infrastructure
Cooperation Systems for traffic safety by Japanese police (S&S)
警察庁
・SS32: Communications technologies for vehicle safety (S&S)
総務省
・SS42: International Harmonization of Safety Regulation on In-Vehicle ITS (S&S)
国土交通省自動車交通局
・SS03: ITS for Energy Conservation and Environment (E&E)
経済産業省
他にも日本のITS関係者が多数登壇します。
Scientific/Technical Sessionおよび Interactive Session 10月10日(水)∼13日(土)
800篇以上の論文より14サイエンティフィックセッション、107のテ
クニカルセッション、6のインターアクティブセッションが予定されて
います。
Closing Ceremony 10月13日(土)午後
閉会式では「2020のITSビジョン」と題したClosing Panelを行います。
日本からは、ITS Japanの坂内副会長が登壇の予定です。
優秀論文には賞が贈呈されます。今後の世界会議にもご注目ください!
2.イベント
・ウェルカムレセプション 10月 9日 午後3:00-4:00 場所:北京展覧館劇場廊下
・展示レセプション
10月10日 午後5:30-7:00 場所:北京展覧館展示会場
・ガラディナー
10月12日 午後7:30-11:00 場所:エコシステムレストラン
*別料金(USD100/ひとり)
3.展示会 10月10日(水)∼13日(土)
約5,700平米の展示会場で最先端のITS技術、サービスなどが展示されます。
現時点で世界から99の企業・団体、うち、日本からは20企業・団体が出展を予定しています。
4.ショーケース
2つの会場でショーケース(屋外デモンストレーション)が開催されます。
【北京展覧館前広場 (Centre Square)】
広さは約3000平米。ナビゲーションやパーキングアシストなどの低速デモ。
【交通部公路交通試験場 (Proving Ground)】
北京展覧館より約1時間(28km)南東にある試験場。広さは約2.4平方km。
このうち全周約3.7kmのITSテストトラックを使った、ETCや交通情報サービス・路車協調などの
高速デモを予定。 ITS Japanとしても参画を計画中です。 (ご協力をよろしくお願いします。)
5.各種ツアー
・テクニカルツアー
TT-1: 北京交通管制センター、
TT-2: 北京BRT (Bus Rapid Transit)システム、
TT-3: 交通部公路研究所
TT-4: 2008オリンピック会場視察、
TT-5: Smartway2007見学(日本)
・ゲストツアー(北京市内)
万里の長城、故宮、頤和園、天壇公園
・ポストコングレスツアー
北京-杭州-蘇州-上海、北京-西安-桂林-上海、北京-チベット-北京
6.会議登録
OECD加盟国 非加盟国
早期割引(8月1日を含む8月1日まで) $800
$650
通常料金(8月2日以降)
$1000
$800
スピーカー登録
一日登録
$800
$400
$650
$320
4日学生登録
$300
$250
1日学生登録
プレス
$150
$120
ともに無料
4日登録
同伴者
ともに$100
7.スポンサーシップ
現在までに下記の企業よりスポンサーを協賛していただきました。ご協力ありがとうございます。
引き続きスポンサーシップを募集しております。お問合せ先は下記までお願いいたします。
国際グループ TEL 03-5777-1013 Email [email protected]
8.その他の情報
・ITS Japan発行のセッション概要集は、例年通り8月に発行を計画しています。
・一般会員向けに世界会議説明会を7月に開催予定です。
(担当:国際グループ)
◆「第15回ITS世界会議ニューヨーク2008」最新情報
会議テーマ
会 期
会 場
所在地
: ITS Connections: Saving Time, Saving Lives
: 2008年11月17日(月)-20日(木)
: Jacob K. Javits Convention Center
: 655 West 34th Street New York, NY 10001-1188
公式ウェブサイト:
http://www.itsa.org/worldcongress/c341/ITSA_Events/2008_World_Congress.html
米国ではニューヨーク世界会議にむけた準備が進められてい
ます。
日本としても世界会議を有効に活用することを考えて、準備活
動を立ち上げいきたいと考えています。 今後、具体的な計画を
策定していきますが、世界会議をより有益なものにしていくた
め、ご意見、ご要望をいただければと考えています。
下記は6月11日にニューヨークで行われましたITS世界会議理事
会議での報告にもとづく最新情報です。
特徴:
米国では2005年サンフランシスコ以来の開催となります。ITS
Americaの年次総会との初の同時開催となります。
最新パンフレット(配布中)
・200を越えるセッションを予定し、優秀論文への表彰も検討しています。
・展示会のブースも販売中です。お問合せ先は下記までお願いいたします。
ピコ インターナショナル㈱ 担当:大塚TEL: 03-3808-0891 Email: [email protected]
<展示会場レイアウト図> 添付資料をご参照下さい。
・出展者名、およびX印が記入されているスペースはすでに販売済みです。
・「ITS Japan」のスペースは、ITS Japan が予約致しました。
(日本のITSを紹介する出展を計画中です。みなさまのご理解・ご協力をお願い申し上げま
す。)
<出展料>
US$40 / 1平方フィート (US$4,000 / 約9平米)
・支払い期限:2008年4月1日
・キャンセル料:3月31日まで
0%
6月30日まで
7月1日以降
50%
全額
また、前回よりさらに発展させた大規模なショーケースデモを計画しています。ニューヨーク市の強
力なバックアップによりロングアイランドエキスプレスウェイや会場周辺の公道を使用したデモが実現
される予定です。
Long Island Expressway
会場周辺図
・U.S. Custom HouseでのGalaなども各種イベントも計画中です。
・スポンサーシップも募集中です。お問合せ先は下記までお願いいたします。
国際グループTEL 03-5777-1013 Email [email protected]
今後の主な予定:
・07年 8月
・07年10月
・08年 1月
・08年 3月
・08年 5月
展示フロアープラン大手企業・団体分確定(予定)
BOD会議(世界会議会場の確定、プログラム大枠の発表)
IPC(国際プログラム委員会)企画セッション 確定
IPC(国際プログラム委員会)論文セッション 確定
ショーケース締め切り(想定)
ITS Japanとしての対応方針(0次案)
・ ITS関係者の知識の拡充、ネットワークの強化につながる世界会議にしていくことを考えて米国の組
織委員会への協力、国際プログラム委員会活動等の国際活動を行う。
・ 日本からの情報発信(セッション、展示、ショーケース)をわかりやすく積極的に行って、日本のITS技
術を世界に広げる素地をつくる。
・ アジア・オセアニア地区におけるITS発展につながるようにアジア・オセアニア諸国との連携活動を強
化する。
皆様のご協力を宜しくお願い申し上げます。
(担当:国際グループ)
◆ 日中(ITS Japan, ITSC)ビジネス交流会 について
ITS Japanは、北京ITS世界会議 組織委員会の中核であるITSC(National Intelligent Transport
System Center)とITSに関しての日中交流を促進する覚書(MOU)を締結しました。
その覚書による交流第一弾として、10月北京において日中の企業のネットワーク拡充を目的としたビ
ジネス交流会を行うことをITSCと合意しました。
ITS Japanの会員ニーズにあったものを企画していくことを考えています。是非、ご参加を検討くださ
い。
《覚書の背景》
ITSCは、国家のITS技術研究所で科学技術部の認
可のもとに交通部傘下に創設されました。世界会議
の組織委員会でも中核にあり、また、将来にわたっ
てもITS推進の中核となる組織と目されています。
具体的な交流としては、ネットワーク拡充のための
ビジネス交流会、規格、基準などについて意見交換
を行う技術交流会、ITS動向を共同でまとめた共同
年次レポートの発行などを検討しています。
(寺島専務、王主任 6/10 ニューヨーク)
第一回ビジネス交流会 企画(案)概要
目 的:ITS発展、拡大に寄与する日中ビジネスネットワークの拡充
日 時:10月11日(PM) 場所:中国 北京展覧館 会議室
テーマ:交通情報について
参加対象者:交通情報の収集、分析、配信、活用を考える中国地方政府、日中企業
(北京政府、上海政府、天津政府、広州政府は、打診で内諾済み)
スケジュール:
・ご挨拶
・プレゼンテーション(中国地方政府、日中代表企業)
・懇親会(カクテルパーティ)
参加人員:日中 各30名 計60名程度。ITS Japan会員、ITSCと協力関係にある政府、企業
参加費用:検討中(招待スピーカーは無料)
本案は、ITS JapanとITSCにて検討を行ったものです。今後、会員の要望を受けて詳細の計画を策定
します。
(ITS Japan 国際グループ)
◆ J-Safetyプロジェクト(インフラ協調安全運転支援システムに係わるプロジェクト)進捗報告
企画グループが事務局を担当して推進しているJ-safetyプロジェクト(インフラ協調安全運転支援シス
テムに係わるプロジェクト)のこの1ヶ月の動きについて、J-Safety委員会関係と官民連携会議関係を中
心に、報告致します。
1.J-Safety委員会関係
1)J-Safety委員会(6月14日開催)
・ 官民連携プロジェクト名称を委員に募集した結果を事務局でまとめ、名称として「J-Safety」をITS
推進協議会へ提案する事が了承された。
・ 前回(5月21日)のITS推進協議会作業部会の議事概要を事務局より報告。
・ 警察庁から出された「安全運転支援システム向け光ビーコン路車間データ項目」フォーマットにつ
いて、他省庁PJへ意見紹介している旨、福島効果評価分科会長から説明。
・ 新メンバーとして、自工会ITS作業部会、デジタル道路地図協会が参加。
2)効果評価分科会関連
・ 実証実験関連団体殿への情報提供(サブシステム(サービス)内容、サブシステムがカバーする
事故類型 )依頼の結果、AHS/スマートウェイ、ASV、DSSS(神奈川、愛知、栃木、広島)から入
手
2、官民連携会議関係
1)ITS推進協議会 作業部会(6/15開催)
①08年度大規模実証実験大綱(8月までに内閣官房でとりまとめ)について
・ 内閣官房から記載する骨子を説明後、警察庁、総務省、経済省、国交省道路局および自交局
から記載内容について意見説明
・ 合同実験に関する具体的内容検討のため、官も含めた会議をITS Japanが事務局となって別
途開催することとなった。
②J-Safety効果評価分科会活動状況報告(福島分科会長から)
③プロジェクト名称について
・ ITS Japanから官民連携プロジェクト名称案として「J-Safety」を提案。内閣官房で引き取り、継続
審議することとなった。
3.トピックス
・ マルチメディア推進フォーラム(5/31)
全体テーマ: 「世界一安全な道路交通社会の実現に向けたIT新改革戦略の取り組み状況」
−ITSの安全・安心に向けた最新動向と展望−
関連発表:
関連発表:
発表:
「ITSの最新動向と展望」国交省道路局 塚田ITS推進室長
「IT新改革戦略とユビキタスITSの取り組み状況」総務省 奥課長
「IT新改革戦略における民間活動状況と欧米の取り組み状況」 (緑川常務)
(担当:企画グループ 吉多)
◆ 「次世代デジタル道路情報委員会」の活動状況報告
2007年度プロジェクト型委員会として活動を継続して行くこととなった「次世代デジタル道路情報委
員会」の第1回委員会を、5月29日に開催しました。
主な内容は下記の通りです。
1)委員会の全委員の自己紹介。
2)委員会の方針を審議し、確認しました。
① 今後の活動内容
・次世代道路地図に必要な情報の流通の仕組みのあり方の具体化検討
・その仕組みの実現シナリオの策定
・関係機関への提言と実現に向けたフォロー
② 目標とする成果
・関係機関への提言
・実現シナリオの確認
③ プロジェクト体制
・カーナビメーカ (ザナヴィ・インフォマティクス、デンソー、パイオニア)
・地図メーカ (インクリメントP、ゼンリン、トヨタマップマスター、日本デジタル道路地図協会)
・カーメーカ (トヨタ自動車、日産自動車、フォルクスワーゲン・ジャパン)
・自動車部品メーカ (ボッシュ)
・情報通信 (日立製作所、住友電気工業、日本電気、松下電器産業、富士通、ベリサーブ)
・コンサル (三菱総研、野村総研)
④ 検討スケジュール
次回の委員会を、9月または10月に開催することとし、それに向けて関係機関への提言の骨子をま
とめていくことにしました。
(担当:普及促進グループ 小林)
◆ 『環境ITSシンポジウム∼持続可能な「環境配慮型社会」を実現するための
市民参加とITS∼』 開催
特定非営利活動法人ITS Japanは、東京大学21世紀COE「都市空間の持続再生学の創出」と共同主
催して、『環境ITSシンポジウム∼持続可能な「環境配慮型社会」を実現するための市民参加とITS∼』
を行ないます。
開催日 : 2007年7月13日(金)
会 場 : 東京大学本郷キャンパス 薬学系総合研究棟2階 講堂
人 数 : 200人
参加費 : 無料
昨今の地球規模の異常気象をきっかけに、地球温暖化問題がクローズアップされています。京都議
定書の第一約束期間(2008年∼2012年)が来年より始まることから、この問題への対応が緊急の課題
となっています。温暖化ガス削減目標のうち、運輸・家庭部門では10%減の3.87億トンが目標値で、特
に石油の4割が自動車燃料で消費されていることから、車利用の省エネに対する要請は極めて大きい
ものがあります。
このシンポジウムは、「持続可能な『環境配慮型社会』を実現するための市民参加とITS」をテーマに、
市民自らがプレーヤーとなり、生活の一部に溶け込んだITSを活用して、移動を通じ省エネ・環境改善
活動に参加しようという「環境 ITSプロジェクト」の成果発表と、様々な視点から移動と環境についてパ
ネルディスカッションを行うものです。
「環境ITSプロジェクト」によって、これまで「安全」、「利便」に比べて遅れがちであった我が国ITSの「省
エネ・環境」に対する取り組みが大きく前進することが期待されます。皆様方の奮ってのご参加をお待ち
しています。
【プログラム】 プログラムは都合により変更になる場合があります
13:00∼13:05 ご挨拶 寺島 大三郎 ITS Japan 専務理事
13:05∼13:50 特別講演 「ITSで温暖化解決を目指す」
ノンフィクション作家 山根 一眞
13:50∼14:20 基調講演 「環境ITSプロジェクトとその推進の意義」
環境ITS推進委員会委員長 森川 高行
名古屋大学大学院環境学研究科 交通・都市国際研究センター教授
14:20∼14:35 報告1 「モデルシステム検討WG成果報告」
モデルシステム検討WG主査 森島 仁
株式会社日建設計総合研究所 主任研究員
14:35∼14:50 報告2 「効果検討WG成果報告」
効果検討WG主査 堀口 良太
株式会社アイ・トランスポート・ラボ 代表取締役
14:50∼15:05 報告3 「事業化基礎検討WG成果報告」
事業化基礎検討WG主査 丹下 真啓
社団法人システム科学研究所調査研究部 主任研究員
15:05∼15:15 休憩
15:15∼17:00 パネルディスカッション
コーディネータ 羽藤 英二 東京大学大学院都市工学専攻准教授
パネリスト
谷口 綾子 筑波大学大学院システム情報工学研究科リスク工学専攻講師
菊地
時津
萩原
河野
春海 豊田市副市長
直樹 インターネットITS協議会 事務局
喜之 長エコデザイン市民社会フォーラム 代表理事
安宣 ITSプラットフォーム21 理事長
【参加申し込み】
参加をご希望の方は、下記URLにて7月6日(金)までにお申し込みください。
http://www.its-jp.org/
【会場のご案内】
東京大学本郷キャンパス薬学系総合研究棟2階 講堂
〒113-8654 文京区本郷7-3-1
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_10_02_j.html
【問合せ先】
〒105-0011 東京都港区芝公園2-6-8 日本女子会館ビル
特定非営利活動法人
ITS Japan 実用化・連携促進プロジェクトグループ
TEL 03-5777-1017 / FAX 03-3434-1755
(担当:実用化/連携促進プロジェクト 日野)
◆ 「第6回ITSシンポジウム2007」PRキャンペーン活動状況
「第6回ITSシンポジウム2007」PRキャンペーン活動状況について、報告致します。
1.経緯
昨年の「第5回ITSシンポジウム2006」の成果と反省を踏まえ、ITSシンポジウムの認知度を高め、論
文投稿数や参加者を増やすために、地方大学/私立大学への展開を図り、情報系/心理学系等の新分
野で若手の先生を発掘し、将来を担う学生の参加拡大を睨み、直接先生方を訪問し、個別に協力をお
願いするPRキャンペーンを4月から実施している。
今年の「第6回ITSシンポジウム2007」は、神戸で開催のため、特に神戸から距離的に近い中国・関
西・北陸・東海地区を重点に大学とITS関係諸団体を訪問している。従来から実施しているメール配信
による投稿・参加の依頼に加え、研究室を直接訪問するきめ細やかな対応で、新しい先生方のネット
ワークの場作りにも役立つ活動とする。
2.訪問先と実施結果
先月の幹事会報告以降、6/20までにキャンペーン実施した大学は、福井大学、金沢大学、名古屋大
学、名古屋工業大学、愛知工科大学、豊橋技術科学大学、名城大学、岐阜大学、東京理科大学、日
本大学、慶応大学の11大学15研究室で、4月からの累計では21大学28研究室、5団体にものぼる。
大学では論文投稿や学生参加について前向きの協力が得られた。特に学生にとって聴衆と直接対
話できるポスターセッションは是非参加させたいとの意向が強かった。また、ITSインターナショナルジ
ャーナルへの論文投稿の回答もいただいた。
3.今後の対応
ITS Japan会員企業・団体への参加依頼は、幹事会、常設委員会やITSJ情報配信サービスを通じて
継続して実施する。関西地区の会員企業の一部については、関係者を直接訪問してお願いする。
(6/26は2社訪問)
尚、大学へのPRキャンペーンは、九州から北海道地区まで全国展開を継続していきます。
(担当:実用化/連携促進プロジェクト 日野/井出)
◆ ITS Japan記者懇談会報告
6月5日(火)14:00∼15:00 ITS JapanAB会議室で、「ITS Japan記者懇談会(写真)」を行ないました
ので、報告致します。
1.スケジュール:
ITS Japanから発表・説明
・14:00∼14:02 開会、出席者紹介
・14: 02∼14:12 寺島専務理事 挨拶
・14:12∼14:40 各テーマ発表・説明
担当のグループ長から、下記5点の発表リースを提示し説明しました。
①ITS Japan 2007年度通常総会(6/6)
②環境ITSシンポジウムを開催へ(小出常務理事)
③J-Safetyプロジェクト報告(緑川常務理事)
④ITS年次レポート2007年版が完成(村井事務局長)
⑤「ITS世界会議北京2007」最新情報(坂本常務理事)
質疑応答
・14:40∼15:00
2.出席記者:22媒体から23名が参加されました。
3.質問: マスコミから、下記4項目を中心とした質問があり、ITS Japanの寺島専務理事、各担当の常
務理事が回答しました。
1)「700メガヘルツの通信」の車車間通信、路車間通信については、どう取り組んでいるのか。
2)「J−Safetyプロジェクト」について、今後のロードマップを示してほしい。又、J−Safetyの普及
シナリオについて具体的に示してほしい
3)「ITS Japanの2007年度事業計画」について、国際展開の戦略を教えてほしい。
4)「環境ITSプロジェクト」について、鉄道をどう位置づけて何をするのか。又、国の環境への取
組みについて、教えてほしい。
4.掲載:下記5媒体で掲載されました。
①6/6(水)日経BP「Tech-On!」
②6/7(木)日刊自動車新聞
③6/8(金)交通毎日新聞
④6/9(土)日刊工業新聞
⑤6/23(土)Car&レジャー新聞
(担当:総務グループ広報 下之薗)
◆ ITSグループ紹介(企画グループの活動紹介)
企画グループの活動を紹介します。大きくは、体
制、昨年度の主な取組み、そして、今年度の主な取
組みに分けてご報告します。
常務理事 企画グループ長
緑川 雅志
1.体制
企画グループは、現在6名で運営されています。グループ員と担当は、以下のようです。
・緑川常務理事(ホンダ):企画グループ長(グループ統括)
・立松部長(デンソー):グループ総括
・吉多担当部長(沖電気工業):J-Safety、企画検討委員会 担当
・榊原担当部長(東芝):企画調査 担当
・中井担当部長(KDDI):企画調査 担当
・菅井担当課長(富士通):J-Safety 担当
2.2006年度の取組み
昨年度は「ITS推進の指針」の具体化促進に向けた取組みを中心に行いました。主な事業として
「J-Safetyプロジェクト」と企画調査関係の「ITS導入シナリオの策定」です。さらに、企画調査の範疇
に含まれますが、一般会員を中心とした自主研究会(ITS調査検討会)でもITSを使った「観光コンシ
ェルジェ」サービスについて検討しました。以下に紹介します。
2‐1 J-Safety
インフラ協調安全
支援システム推進
のための民間側の
意見とりまとめの場
として、2006年1月
に「J-Safety委員会」
が発足しました。
また、「IT新改革戦
略」にも明記されて
いた官民連携会議
が2006年4月に「ITS
推進協議会」として
発足しました。
J−Safety委員会上期活動
「ITS推進協議会」は2006年度上期中に2回、その下で実検討を行う「作業部会」が5回開催され、
J-Safety委員会も民間側の意見をまとめるべく、これらの会議に対応した活動を行なってきました。
そして8月には、「安全運転支援システムの実用化に向けた実証実験のあり方について」をITS推進
協議会の成果としてまとめることにも協力してきました。
下期には、J-Safety委員会の拡充を実施し
ました。 具体的には、関連9団体(現在は
10団体)にアドバイザーとして参加していた
だき、関連プロジェクトの横連携を強化する
とともに、3つの分科会(効果評価、普及促
進、国際・アーキテクチャ)を設置し、今後の
対応を強化しました。
(1)効果評価分科会
「普及シナリオ策定のための事故低減効
果の検討および実証実験における効果把
握算出のための評価項目策定」を目標と
し、効果評価の進め方についての検討を
行ってきました。
J−Safety委員会体
・ 対象事故・要因に対しての実験のカバー範囲調査のための実験項目整理
・ DSSS、AHS、スマートウェイ、ASVの効果評価を集約統一した効果評価のあり方
・ 実験を補完するシミュレーション・実験結果の妥当性検証
・ 効果評価全体ストーリーおよび第三者評価等に関する進め方
(2)普及促進分科会
普及促進分科会では「普及シナリオの策定(事故低減目標値含む)」を目標としており、普及の
前提としての下記の実用化課題の整理を行いました。
・ 具体化なサービスイメージの提示
・ 社会的便益とユーザ便益の洗い出し
・ 大規模実証実験/実用化に向けた課題抽出・整理
・ システム導入及び普及シナリオの検討と広報活動の企画、等
下記3種の活動を行うための検討を進めてきました。
・国際協調
: 国際対応への戦略・計画の立案と推進
・アーキテクチャ : 国際標準化検討の為に既存プロジェクトのアーキテクチャ整理
・国際標準化 : インフラ協調安全運転支援システムにおける国際標準化のあり方検討
なお、上記3分科会では、次年度の
活動計画を含めた活動報告書を作
成し、概要版を総会にて配布しまし
た。さらに、J-Safety活動の広報を兼
ねて、全国の自治体関係者が参加
した電子政府・電子行政戦略会議で
の発表等、外部発表3件、寄稿を2件
行い、ITS関係者やおよび一般の
方々への理解向上を図りました。
2‐2 サービス導入アクションプランの策定
2005年度の(財)機械システム振興協会からの調査研究受託で策定した「ITS推進の指針」に従っ
た「ITS導入シナリオ」から、より具体的なアクションプランを策定する対象ITSサービスの選定を行
いました。選定にあたっては、連携・協調の必要性、実現性、検討活動実施有無の観点から、関係
者が多く連携・協調の必要性が高く、開発すべき技術があり、検討活動の一本化が不充分な「道路
交通情報提供の高度化と活用促進」の内、「リアルタイム高精度道路交通情報サービス」を選定し
ました。
この「リアルタイム高精度道路交通情報サービス」の実現手段として「プローブ情報システム」が有
望であり、2006年度は、関係機関(特に公的機関)が実施している調査・研究・開発の現状を調査し
ました。
2‐3 ITS調査・検討会
一般会員を中心とした会員の自主的活動の場として、 観光振興におけるITSの活用 をテーマに
ITS調査・検討会を運営し、その一環として、京都市およびその近郊での実地調査を行いました。社
団法人京都府観光連盟、京都市産業観光局等へのヒアリング調査、各種公共交通機関の試乗及
び観光施設の視察等を実施した。調査結果および検討会での議論を基に、「観光案内所員、観光
ガイド等を介した情報提供のための 観光コンシェルジェ支援システム の構築が望まれる。」旨を
骨子とした報告書をまとめました。この報告書はITS Japanのホームページにも掲載されています。
観光コンシェルジェ支援システム は特徴として、以下のことがあります。
・ 種々の観光情報に加え、リアルタイムな公共交通(バス、電車等)の運行情報、道路渋滞情報、
駐車場の満空情報を提供可能なシステム
・ 観光客への直接情報提供ではなく、コンシェルジェ(観光案内所員、観光ガイド等)を介した情報
提供システム
・ コンシェルジェ個人のノウハウ(知識等)を基にした情報提供も可能
・ 観光客、コンシェルジェが入手した口コミ情報、評価情報等をセンターのデータベースにリアルタ
イムに収集可能なシステム
3.2007年度の取り組み
3‐1 J-Safety
2007年3月にITS推進協議会が開催され、下記の2007年度取組み方針が官民で合意されました。
2007年度は、「技術実証実験」の段階として位置づけ、これまでの技術的成果を実地で検証
することにより、各通信メディアの特性に応じたシステムのあり方の評価、類似システム間の仕
様の調整などを行い、2008年度に実施する大規模実証実験における実験システムの仕様、共
通の評価方法などを確定する。
① 2008年大規模実証実験への対応
・07年3月末:07年度の全体計画及び大規模実証実験の基本方針を策定
・07年夏(予算概算要求前):
- 取り組みの中間報告、必要に応じ07年度実施計画修正
- 大規模実証実験の大綱(地域の考え方、規模、実施方法等)を策定
・08年3月末:大規模実証実験の実施計画を策定
② その他
・円滑な実用化・普及、国際展開等を視野にいれた取組み検討
・大規模実証実験に関する国民への認知度向上
以上の点を鑑み、J-Safetyの2007年度取組では、以下の点に留意して活動を進めていきます。
① ITS推進協議会、作業部会への民間意見の集約と官民合意形成
・ ITS推進協議会2007年度活動方針への対応
・ J-Safety委員会3分科会検討内容の報告と摺り合わせ
② 分科会活動の着実な推進
2008年の大規模実証実験や2010年の全国展開への対応を視野に入れた活動を進めます。
・ 「個別アプリケーションの事故低減効果代」の予測と「大規模実証実験における検証項目」
の策定・共有化(効果評価分科会)
・ 「普及促進シナリオ」の策定(普及促進分科会)
・ 「国際協調」活動、「アーキテクチャ」作成や「国際標準化」の検討(国際・アーキテクチャ分
科会)
③戦略的な情報発信への取り組み
・ インターネットホームページ等の活用(国内、海外)
・ ITS推進フォーラム等での発表(国内)
・ ITS世界会議でのセッション等の活用(海外)
3‐2 企画調査関係
①長期ビジョンの策定
2010年を目指したビジョンには2003年にITS基本戦略委員会による「日本のITS戦略」があり、
J-Safetyにおいてはインフラ協調安全運転支援システムの全国展開という具体的目標が設定さ
れています。そこで、次の10年あるいはさらに長期のITSの目指すビジョンつくりに着手していく
予定です。
②サービス導入アクションプランの策定
昨年度から進めている「リアルタイム高精度道路交通情報サービス」の実現手段として「プロー
ブ情報システム」に関する調査を継続します。
③ITS調査検討会
本来この会は、ITS Japanの会員皆様に自由闊達にこれからのITSを論じる場を提供する
「自主研究委員会」として発足しました。この精神に沿った運営を今後も続けて生きたいと考え
ています。今年度は新たなテーマに挑もうと、現在メンバーでテーマを検討しているところです。
④第2回日本ITS推進フォーラム内容企画
総務グループと連携し、今年11月に開催される第2回日本ITS推進フォーラムのシンポジウム
「美しい日本、たのしいドライブ旅行を賢く快適に」をテーマにした企画や「環境セッション」のテ
ーマ内容について企画検討しています。
以上、企画グループの活動等について、ご報告しました。皆様のご協力を宜しくお願いします。
(担当:常務理事企画グループ長
緑川))
◆ 「2007年 ITS America 年次総会」報告
ITS Americaの年次総会に出席しましたので、概要を報告します。
1.概要
ITS America(Intelligent Transportation Society of
America)は、アメリカのITS推進団体でITSの発展・
拡大を目指し、政策提言やイベント開催の主催など
を行っている。会員は民間企業が多いが、研究機
関、州政府なども加盟しておりアメリカでは連邦運
輸省(US-DOT)とならび、ITS推進力になっている。
(ITS America http://www.itsa.org/)
ITS Americaの年次総会はITS Americaの会員を
中心として毎年、開催されるイベントで世界会議と
同様にセッションと展示、ショーケースから構成され
ている。 今回の年次総会は17回目で6月4日から3
日間にわたり、カルフォルニア州のパームスプリングスで行われた。 パームスプリングスは、ゴルフ
で有名なリゾート産業が中心の人口4万3000人の小さな市であるが、立派なコンベンション会場があ
り、2005年には燃料電池車の国際イベントが開催されるなど、イベント開催都市としても定評がある。
もともと砂漠からつくられた町であり、暑くて乾いている。年次総会開会中も最高気温で摂氏41度を
記録している。
年次総会には、アメリカの官、民、学の多くのITS関係者が集まることから、ネットワーク構築の場に
なっている。今回の年次総会は2100人あまりの関係者が参加しているとのことである。(主催者の言
葉)
2. 開会式
開会式は、現ITS会長のトム・ランバート氏の司会によって進められた。 パームスプリングス市及び
カルフォルニア州を代表してご挨拶があったあと、主催者であるITS AmericaのCE0&Presidentのニー
ル・シャスター氏より、活動状況の報告があった。 その後、理事会メンバーのコニー・ソレル氏から、
新理事会メンバーがそれぞれ紹介されている。 新理事会の会長は、交通制御関係の大手企業の
Econolilte Control ProductsのCEOのマイク・ドイル氏が選出されている。自動車会社からも今回は、
Nissan Technical Center が理事会メンバーに入りしている。
アワードは、下記6部門がある。受賞はすべて州レベルの取り組みについてであり、ITS発展には州
の取り組みが実質的な大きな役割を持つことを再認識させられた。
・新アプリケーション賞:Kimley Horn and Associates レンタルカー先進交通情報システム
・マーケティング、アウトリーチ賞:フロリダ州運輸省 MyFlorida 511(交通情報)
・リサーチ・イノベーション賞:ニューヨーク州運輸省 先進トラベラー情報システム
・パートナーシップ展開賞:加州地区7 ロス地域交通運営センター ;
・ROI(投資還元率)賞: ユタ州運輸省 天候運営/RWISプログラム評価 ;
・ ベスト州運輸省: ミシガン州運輸省
その後、カルフォルニア州運輸省のカンプトン氏から基調講演が行われた。 カルフォルニア州は
ITS推進には積極的でVIIのテスト・ベットとして連邦運輸省からも認められている等の話があった。
3. エクゼクティブセッション
今回のExective Sessionは、一つのみで、US-DOT(連邦
運輸省)の高官がパネラーとして登壇した。 RITA(リサー
チ・イノベーション技術管理局)の副局長のBobo氏が司会
を努めた。 Bobo氏は、抜本的に道路改善を行う予算が
潤沢ではない状況下では、ITSを利用することが、大きな
役割を果たすと述べ、その後、US-DOT内の各部局であ
るJPO(共同プログラム推進室)、NHTSA(連邦道路交通
安全管理局)、FHWA(連邦道路管理局)、FTA(連邦公共
交通局)から、それぞれ状況報告が行われた。
JOPは、交通渋滞が昔に比べると増加していること、交通事故死が減らないことから、ITSを活用し
た交通問題の解決に期待値が大きい。JOPは技術開発の活性化やITS設備の導入促進のために連
邦省内の各部局、各省などと連携をとって横断的に活動しているとコメントとした。
NHTSAは事故データをもとに車両の技術車両技術として必要な技術を述べ、それを達成するために
車車での通信の有効性やインフラとの通信が安全対策のポテンシャルとして大きな力をもっていることを述
べた。 NHTSAが重点的に取り上げているプロジェクトとしてIVBSS、CICAS、VIIをあげ、電子技術によ
って安全が向上できるとの自信を示しつつ、実証実験などで業界の協力が不可欠であるとコメントした。
FHWAは、渋滞イニシアティブの状況について説明、ITSを用いることによって渋滞を少しでも改善し
ていきたいとの姿勢を強く打ち出している。 具体的な施策としては、①交通情報の向上 ②事故・災
害時の交通管理 ③通勤時間帯の交通分散、④信号制御の向上を上げている。 特に交通情報に
ついては、交通インフラの基本法である法律 SAFETEA-LUの1201項に交通情報提供のプログラム
が要求されており、本年7月夏にはその提案が出る見込みである。
FTAからは、バス、鉄道など公共交通の利用、期待が増加していることを上げ、今後、交通情報提
供、支払いの電子化、乗り継ぎ性向上などの施策により、利便性を向上させるとの発表があった。
US DOTのプレゼはWebに掲示済み(http://www.its.dot.gov/press_room.htm)
4. スペシャルセッション
スペシャルセッションは、全部で54が企画されていた。 同時に8つの小部屋に分かれてトピックスご
とにセッションが開催されており、関心に合わせて参加することができる。比較的少人数だけに議論も
活発に行われている。セッションは、事故・緊急時交通管制(7)、技術開発(7)、交通運行管理(9)旅
行情報(6)、車両安全&消費者安全(11)などITS America活動を反映したものに加え、特別セッショ
ン(10)、スーパーセッション(4)の名前で特定のテーマについて議論を行った。以下、聴講したセッシ
ョンをもとに各領域の動向を簡単に報告する。
VIIに関しては、08年のニューヨーク世界会議で会場周辺の公道を用いてデモンストレーション(ショ
ーケース)が予定されていることが公表された。 ただしVIIで実施するのは、システムコンセプトの実
現可能性についてインフラ設備の検証が中心で安全アプリケーションは範囲外である。 また、VIIに
よって配備されるDRSCで収集配信されるプローブデータを活用することで交通情報の把握や配信に
も活用することが考えはじめられている。
安全のアプリケーションに関しては、進行中のプロジェクトのIVBSS(Intelligent Vehicle Based Safety
System)、CICAS(Cooperative Intelligent Crash Avoidance system) の進捗状況が報告された。
IVBSSでは、前方衝突警報、横滑り警報、レーン変更・合流警告、カーブ速度警告などが考えられてい
る。
CICASは交差点での事故回避を主たる目的においたアプリケーションで、現在の進捗状況の報告
がおこなれた。 SLTAは、交差点の左折支援で、交差点での左折時のドライバー挙動、情報提供の
ドライバーインターフェス、車間距離判定アルゴリズム、信号との連携等を研究している。 TSA(交差
点の適応型信号制御)では、CICAS-Vと連携し、サンフランシスコで2カ所の交差点に設置され車両
の挙動に応じた制御を研究。 CICAS-Vの目的は信号無視が原因の交差点事故の防止。5.9GHz
DSRCを使った路車間通信を活用。 CICAS-SSAはDOT/FHWAとミネソタDOT、University of
Minnesotaとの共同プロジェクトでハイウエイの信号のない一旦停止交差点での事故防止のために、
路側センサーを使い交差接近車両の検出と警告を行うシステムの検討である。
通信関係では、5.9GHz DSRCの標準化について審議状況について報告されている。
IEEE802.11Pと呼ばれる規格で自動車を対象にした無線LANである。現状の進捗は、80%程度にと
どまっているがほぼ確定しており、それを前提にした開発の着手は問題ないとの説明が関係者から
あった。
また、VIIのプロジェクト外であるが将来の通信手段として700MHzを用いた無線通信についてプレ
ゼンテーションがあった。700Mhzは、5.9GHzDSRCではカバーしきれない広域での通信信を対象とし
ており、車対車や郊外をカバーすることが目的で、グローバルでの統一化を目指している。
リアルタイムの交通情報に関しては、その施策や技術について多くの議論が行なわれた。米国は、
地域ごとに交通情報の提供を行なう交通情報センターが設置されつつあり、電話(511)で問い合わ
せをすると状況把握ができるようになっている。 交通情報の把握については、固定センサーを全米
に網羅させるには難しいこともあり、携帯電話の位置情報を活用した情報収集に多くの期待が集めら
れていた。また、固定センサー情報、車両位置情報、携帯電話の位置情報を混合し渋滞情報や旅行
時間を作り出すサービスや携帯電話、PDA、ナビ、などいろいろなメディアでのサービスが並行で進
みつつある。
年次総会は国内マターが中心で国際的な議論は
ほとんどないが、今回は、北京世界会議を控えてい
るということもあり中国のITSを紹介するセッションが
あった。 中国の組織委員会で中核のITSC(中国国
立ITS研究センター)から中国5ヵ年計画、中国標準
化活動、世界会議に向けてのプレゼンテーションが
行われた。米国でも北京世界会議にむけて徐々に
盛り上がりつつある。
5. 展示・ショーケース
展示会場は盛況な印象で約150の展示が行われていた。 ただし、自動車メーカーは不参加で大
手の自動車部品会社も限られ、交通システム、通信、情報処理関係などの展示が目立った。 政府
関係では、USDOTが出展しているほか、カルフォルニア州、フロリダ州が展示を行う積極的な姿勢を
見せている。
同じような技術や施策を一箇所に集めまとめることでインパクトを強めようとしているケースもある。
VIIパビリンオン、公共安全、天候がそれにあたる。 ただし、VIIについては、路側機のメーカーの機
器展示にとどまっており、安全運転支援のアプリケーションについては展示はかった。
また、セッション会場の中にプレゼンテーションをポスターにまとめそれをもとに来場者と個別にやり
取りをする対話型ポスターセッション会場を設け、ポスターが多くの人の目に触れるような工夫がされ
ていた。
ショーケースについては、隣接の駐車上を締め切って行うもので、2008年の世界会議に備えVIIの
基本技術的なものが行われていた。なお、自動車メーカーは参加していない。
体験したものは、信号情報・標識情報を無線で車載機に送信表示するものである。
(デモ用なのでVIIで使用する5.9GHzDSRCではなく2.4GHzの無線LANを使用)
路側送信機
工事中標識
・GPSで車両位置を把握し、信号機や標識の位置に近づくと情報配信する仕組み。
信号機情報
6. 終わりに
昨年の年次総会はVIIが本格的にスタートした直後ということもあり、VII一色の感があったが、今年
は、VIIは、途中検討段階にとどまることもあり、どちらかというとメインのテーマは交通渋滞の解消、
交通情報についてであったように感じる。VIIにしても、それによって配備されるDSRCによって安全だ
けではなく、交通管制や交通情報にも活用できないか、模索しているようだ。 ITSは、安全・渋滞・環
境負荷など交通問題の解決のツールとして時のメインテーマが変わるが、今年に関しては、やや渋
滞解消に振れていた。
年次総会は、1991年と世界会議より古い歴史をもち、世界会議がアメリカで開催される年であっても
別に開催されてきた。 2008年は、NY世界会議との同時開催、 2009年は、ITS Americaが居を構え
過去4回の実績があるワシントンDC、2010年ヒューストン、2011年は世界会議との同時開催でオーラ
ンド、そして2012年ワシントンDCまで決まっている。
ITS年次総会は、アメリカのITS関係者のためのお祭りであるが、ITS Japanにとっては、アメリカの動
向を把握するのはもっとも適当な場であるといえる。今後とも継続的にフォローしていくこととしたい。
(担当:企画グループ吉多、国際グループ久保)
◆ 産学連携特集:流通科学大学のITS取り組み
■ 交通シミュレーションシステムの開発とその応用
流通科学大学 情報学部 教授 森津秀夫
1. はじめに
情報技術をはじめとして、交通システムに関連する様々な技術開発が大きく進展した。ITSに関し
ても、以前には考えられもしなかった交通制御が可能になり、新たな交通行動が生じることになっ
た。しかしながら、交通行動による影響の分析や交通制御の効果を予測することの重要性は変わら
ない。交通現象の再現こそがすべての基礎になるのである。ただし、再現しなければならない交通
現象は時代とともに変化してきている。一般的には対象の広域化と緻密化がともに進んでいると考
えられる。
ITSにおける様々な施策の効果を予測・評価するためには、それに適した再現方法を適用しなけ
ればならない。ここにおいても広域化と緻密化が要となる。交通ネットワークフローの分析や予測に
は解析的な手法が用いられてきたが、緻密な交通行動を記述するモデルを適用するには困難が大
きい。そこで重要性が増してきたのが交通シミュレーションである。ここでは、ITSの施策に関する検
討にも適用可能であることを意識した交通シミュレータVISITOK(Visual Simulator for Transportation
System Originated in Kobe)の開発とその応用について紹介する。
2. VISITOKの概要
VISITOKは情報処理教育用に作成
された交通シミュレータを基礎に開発
されたものである。そのため交通流モ
デルには一般的な追従モデルを適用
し、加速度を決めることにより車両を
動かしている。追従モデルを用いてい
るとは言いながら速度あるいは車両
位置を直接の決定変数としている場
合もあるが、基本に忠実なシミュレー
ションを心がけたものである。シミュレ
ーション結果である車両の動きを地図
や航空写真を背景としてアニメーショ
ン表示することがVISITOKの特徴の
図-1 VISITOKの実行画面
ひとつである(図-1参照)。これは現在
では当然のように行われているが、VISITOKの初期モデルが完成した1998年頃には先進的な試み
であった。
交通シミュレーションモデルの分類方法に
は様々なものがあるが、VISITOKの位置づ
けは図-2に示すとおりである。交通シミュレ
ーションモデルはミクロかマクロかが問題に
されることが多いが、それを決める主たる要
因は空間分解能と時間分解能である。車両
の動きを空間的にどれだけ細かく把握でき
るかが空間分解能であり、用いる交通流モ
デルとネットワークモデルに左右される。
図-2 VISITOKの位置づけ
VISITOKは先に述べたように追従モデルを使用し、車両位置を連続的に設定可能なセクションによ
るネットワークを採用している。またアニメーション表示を行う関係でタイムスキャニング方式を用い
ているものの、スキャン間隔は0.1秒を標準としており、時間分解能から見てもミクロなモデルに位置
づけられる。
交通シミュレーションを実施するにはシ
ミュレータ本体だけでなく、入力データの
作成や出力データの分析を行うシステム
も必要である。VISITOKとそれを支援す
るVSS、関連するソフトの現在の構成は
図-3に示すとおりである。VISITOKとその
周辺のプログラムは森津が担当し、GIS
を用いて入力データ作成・出力データ分
析を支援するVSSは三谷哲雄准教授が
担当している。
図-3 VISITOKとその周辺システムの構成
3. VISITOKを用いた産学連携
交通シミュレータを開発者だけが使用しているのであれば、単なる研究道具でしかない。交通シミ
ュレータの実用性を確かめ、さらに発展させていくためには実務に適用されなければならない。そこ
でVISITOKおよびVSSは森津と三谷がその設立に関与した株式会社交通まちづくり技術研究所
(http://nmdc.jp)を通じて一般向けに提供している。実際問題への適用により実務面からのニーズを
把握することは交通シミュレーションの研究に有効であり、新たな課題への対応によってシミュレー
ションシステムは洗練されていくのである。
4. VISITOKの応用
VISITOKは基本に忠実なミクロ交通シミュレーションモデルで作られており、それを活かした応用
を検討している。たとえば加速度を含めてミクロな車両挙動を再現していることから、ネットワーク規
模での騒音や大気汚染などの環境シミュレーションへの適用が考えられる。またそれに基づいた交
通制御の可能性を検討することも視野に入ってくる。
交通シミュレーションでは車両はルールに従って走行することになり、事故が起きることはない。し
かし、実際には事故を起こさせないための操作がモデル内部で行われていることが多い。それを逆
に使えば交通安全問題への適用が考えられることになり、実際に検討例がある。その先には、事故
を未然に防ぐITS施策の検討ツールとすることも考えられるであろう。
5. おわりに
交通シミュレータは交通ネットワークフローを再現する道具であり、ITS研究においても重要な役割
を果たす。VISITOKの機能を高めるとともに、さらに使いやすいシステムに改良していきたいと考え
ている。またその応用にも積極的に取り組みたい。
■ 市街地内の信号の無い小規模交差点での出合頭事故防止
流通科学大学 情報学部 准教授 三谷哲雄
※)本研究は、徳島大学大学院・山中英生研究室と三谷哲雄研究室との共同研究により進めているプロジェクトです(本研究
では、2001年度から2003年度まではITS社会に向けた交通事故分析に関する研究小委員会(土木学会・土木計画学研究委
員会)、以降2006年度までは実践的ITS研究委員会(土木学会・技術推進機構)からの受託研究の予算を一部活用していま
す。受託研究の概要は http://gis.umds.ac.jp/jikoits/index.html )。本研究に関するお問合せは、
[email protected] まで。
1. 小規模な無信号交差点の出合頭事故と防止の考え方
一般に市街地内で発生する交通事故の約30%
が、信号の無い交差点で発生しています。そのうち
の60%以上が出合頭事故で占められています。出
合頭事故の多くは、非優先側車両が一時停止を遵
守しないことに原因があるとされています。実際の
交差点での車両の詳細な進入挙動を調査した結
果、「交差車両が発見できる位置(本研究で「発見
位置」という)から非優先側の車両が安全に停止で
きない(本研究で「危険挙動」という)車両の割合が
出合頭事故件数と良好な関係を有する」ことが分
かりました(図1)。この危険挙動車両を事前に察
知して警告を与えることで挙動を改善させ危険挙
動車両を減らすことが、本研究の出合頭事故防止
の基本的な考え方です(図2)。
図1 危険挙動車両と出合頭事故との関係
2. 出合頭事故防止のための施策
無信号交差点での出合頭事故防止のために
様々な施策が実施、提案されています。それらを
大別すると、交差点での明示化などのハードウェア
施策、接近警告標示システムなのどの路上施設の
みによる施策、センシングとDSRC通信を用いた接
近車両警告などの路車協調システムに分けられま
す。しかし、出合頭事故の発生する交差点は、地
区内交差点の中でも大多数を占める無信号交差
点です。こうした多数の交差点への導入では、地
図サービスと連動した車載型自立システムのよう
な、よりインフラ負担の少ない手法が必要といえま
す。
3. これまでの取り組みと成果概要
本研究では、この車載型自立システムとし
て発展型のカーナビゲーションを想定し、無
信号一時停止交差点の非優先側進入の際に
危険挙動車両かどうかを事前に判別し警告
することのできる一時停止支援システムのた
めの警告判定方式の研究に取り組んできま
した。
図2 危険挙動車両と一時停止支援の考え方
図3 車載装置の設置状況
具体的には、ドライバーにとって警告が危険
挙動に対して的確で、お節介とならないよう
に、ドライバーによる警告感度選好の仕組み
を有するとともに、ドライバーのブレーキ特性
を考慮した停止挙動に基づいて、発見位置か
ら設定した停止位置の手前で停止できるかど
うかで危険挙動を判断する警告判定方式を
考案しました。また、刻一刻と変化する車両
位置や速度、フットポジション等の運転挙動
計測装置を開発することで、多様なドライバ
ーによる多様な交差点における運転挙動調
図4 実験場の様子
査によって詳細運転挙動データベースを構築
しました。そのデータベースを用いた警告効率の分析により、警告判定方式の可能性を検証しました。
2006年度には、この判定方式による実際の警告が可能な車載装置を製作(図3)し、実走行時の警
告をドライバーに体感させる走行体感実験(図4)や公道走行挙動データベースによる発生状況分析を
行いました。それにより、実際の警告に対するドライバーの感じ方や受忍性、体感的な有効性や必要
性の意識、実走行中の警告発生頻度や警告効率、を明らかにしました。その結果、実走行時にこの方
式で良好な警告を発生させることが分かりました。
4. 今後の展開
今後は、実サービスへの展開を視野に入れ、警告感度調整の目安を得るためドライバー調整値ごと
の発生実態分析や走行体感評価実験、車両位置補正技術開発の動向を見ながら現状カーナビゲー
ションへの実装実験、などを進めていきたい。また、本システムの応用分野(ドライバー安全教育支援
や高齢者運転支援、道路安全性評価など)の検討、多発交差点向け路上設置型装置の可能性検討お
よび開発や実証実験、についても取り組んでいきたい。
(寄稿:流通科学大学 情報学部 教授 森津秀夫・准教授 三谷哲雄)
◆ 電子情報通信学会ITS研究会のITS取り組み
本稿では、電子情報通信学会ITS専門委員会(ITS研究会)のITSへの取り組みについて紹介をします。
1.電子情報通信学会ITS研究専門委員会設立の経緯
私たちのITS研究専門委員会(ITS研究会)が所属する電子情報通信学会の起源は、明治44年5月
に、当時の逓信省電気試験所第2部に「第2部研究会」が誕生したことに始まります。大正6年5月に
「電信電話学会」が創立され、その後「電気通信学会」、「電子通信学会」と何度か名称を改め、昭和
62年1月から 電子工学および情報通信 を対象分野とする「電子情報通信学会」となり、現在に至っ
ております。会員数は平成18年3月末時点で34,851名を数え、工学関係の学会としては、我が国有数
の大規模学会となっております。平成7年4月からソサイエティ制を導入し、現在、4つのソサイエティ
(基礎・境界、通信、エレクトロニクス、情報・システム)と1つのグループ(ヒューマンコミュニケーショ
ン)を発足させております。各ソサイエティおよびグループは研究専門委員会を構成しており、私ども
のITS研究専門委員会は基礎・境界ソサイエティに属しております。
ITS研究専門委員会の源流は、第1種研究会であるスペクトル拡散研究会(SST研究会 現:ワイド
バンド研究会)が提案元となり、平成8年10月1日に基礎・境界ソサイエティに設立された「ITS基盤技
術研究会(第3種) [委員長:中川正雄(慶応大)]」であります。
ITS基盤技術研究会はクローズドな2年間の時限研究会で、提案元のSST研究会に限らず、広く委
員を公募する方針で運営を行い、設立当初21名(顧問を含む)であった構成員が、回を増すごとに増
え、ITS基盤技術全般に関し、情報交換・意見交換を行ってきました。
2年間の活動期間において、
◎ 研究会(委員会・発表会)開催
◎ ITS基盤技術セミナー開催
◎ 電子情報通信学会ソサイエティ大会ITSシンポジウム・特別企画開催
◎ SST・SANE・電気学会道路交通研究会との共催研究会開催
◎ 和文A論文誌ITS基盤技術論文小特集号編集
◎ 文部省科学研究費補助金(企画調査研究)申請(認可)
を主に行いました。
2年間の活動期間を終えるにあたり、オープンでパーマネントな研究会設立が必要と判断し、第1種
研究会として「高度交通システム研究会(ITS研究会)」の設立を基礎・境界ソサイエティに提案し、現
在のITS研究会が誕生しました。
第1種ITS研究会は1999年5月に正式発足し、第1回研究会を発足前の4月27日に「21世紀型ITSへ
のロードマップ」をテーマに東京商船大学越中島会館で盛大に開催されたのを契機に、その年度は5
回の研究会を開催しました。
発足2年目からは、現在と同じく年に6回程度の研究会を開催し、ITS研究の発表の場となっていま
す。また、電子情報通信学会総合大会並びにソサイエティ大会において一般講演はもとよりシンポジ
ウム企画やパネル討論会などの企画を立案し、開催しています。
2.電子情報通信学会ITS研究専門委員会の活動内容
(1)研究会
2006年度は表1のように、単独開催3回、電気学会及び情報処理学会の両ITS研究会との共催が
1回、電気学会ITS研究会との共催が1回、自動車技術会の協賛研究会が1回、映像情報メディア
学会と電子情報通信学会の画像系研究会との共催が1回の7回の研究会を開催しました。2月の札
幌で開催された画像系研究会との共催研究会を除いて、ITSに特化した内容となっています。ま
た、自動車技術会の協賛研究会は、主に招待講演とパネルディスカッションで構成されていまし
た。
電子情報通信学会ITS研究会で取り扱い範囲は、論文投稿する際の専門分野分類表で規定され
た範囲を基準にしています。表2にその範囲を示します。
表2の分類に従いますと、電子情報通信学会ITS研究会では、現段階ではITS画像技術分野が最
も多く検討されていて、次いでITS通信技術分野の検討が多いことになります。つまり、要素技術に
関する検討が多いです。
なお、研究会での発表内容は、1研究発表につき6ページが標準として「電子情報通信学会技術
研究報告(ITS)」にまとめられています。
表1 2006年度電子情報通信学会ITS研究会開催実績
月
主なテーマ
共催・協賛
件数
5月 ITS通信
単独
9件
7月 ITSポジショニング
単独
6件
9月 交通における計測
電気学会,情報処理学会 20件
12月 ITSコア技術・ショーケース 自動車技術会
8件
2月 ITS画像処理,映像メディア 画像系学会・研究会(*) 47件
電気学会
3月 ITS情報処理
7件
(*)電子情報通信学会(IE,ITS), 映像情報メディア学会(HI,ME,CG),SID日本支部
表2 電子情報通信学会ITS研究会で取り扱う範囲
ITSと社会生活に関する総合的研究
ITSインフラ技術
ITS関連産業のサービスを含めた総合的見地からの研究 航空・海上・陸上ITS技術
ITS通信技術
ITSセンシング技術
ITSエレクトロニクス技術
ITS画像技術
ITSヒューマン技術
ITS情報技術
(2)総合大会・ソサイエティ大会企画
電子情報通信学会では、毎年春に総合大会、秋にソサイエティ大会を開催しています。
これらの大会では発表・質疑応答がそれぞれ10分・5分の一般講演が中心に行われます。ITS部
門は表3のような実績を持っています。
また、これらの大会では大会企画があり、ITS研が提案したものとしては表4のようなものがありま
す。
表3 大会での一般講演ITS部門発表件数
総合大会
ソサイエティ大会
2002年
早稲田大
45件
宮崎大
28件
2003年
東北大学
34件
新潟大学
24件
2004年
東京工大
26件
徳島大
20件
2005年
大阪大
21件
北海道大
20件
2006年
国士舘大
22件
金沢大
18件
2007年
名城大
22件
鳥取大
募集中
表3 大会でのITS研究会提案企画
2002年総合大会 パネル討論「高精度測位技術と社会基盤」
2003年総合大会 特別講演会「雪国のITS」
2003年ソ大会
パネル討論「次世代ITS通信」−標準化に向けて−
2004年総合大会 パネル討論「ITSビジネスとその研究開発」
2006年総合大会 パネル討論「ITS無線通信技術の国内・海外動向」
2007年総合大会 特別講演会「ITSとその評価−ITSの導入・展開・普及のために−」
図1 パネル討論会風景
(左:2003年ソサイエティ大会 右:2004年総合大会)
(3)ITSワークショップ
上述の研究会や大会はオープンな企画であるのに対して、専門委員ならびに関係者(学生を含
む)だけのクローズドな企画がITSワークショップです。これは年に1回、基本的には1泊2日の研修
会形式で行っています。表4のように毎回、テーマを決めて、そのテーマに関して参加者全員によ
る意見交換を行い、専門委員会内での情報交換と懇親の場としています。研究会発表とは違い、
自由な雰囲気で、自由な内容で、そして夢のある意見交換をおこなっております。
表4 ITSワークショップ開催実績
年月
場所
2001年3月 栃木県那須郡
2002年3月 神奈川県三浦市
2003年3月 神奈川県茅ヶ崎
市
2004年11 熊本県阿蘇町
月
2005年11
月
鳥取県鳥取市
2007年3月 横浜市関内
テーマ
ITS研究会に望むこと、今日のITS・明日のITS
ウチのITS、これからのITSは何が必要か
ITSリストラクチャリング
ITSの行方−あなたの予感・私の予感−
ITSの発展のシナリオ−経済・安全・都市計画、様々な観点から
−
ITSの方向性 ∼セカンドステージの次は?∼
ITSワークショップ風景
3.まとめ
本稿では、電子情報通信学会ITS研究専門委員会(ITS研究会)の活動について紹介を致しました。
ITS研究専門委員会では、電子情報通信学会会員にITS研究の発表の場を提供すること、会員にITS
研究・開発の現状や将来像に関する情報を提供すること、そして専門委員会内での様々な情報交換
を行うこと、等を活動の主題においています。
これらの電子情報通信学会ITS研究専門委員会の活動が、ITSの普及と発展に寄与できれば幸い
であります。
(寄稿:電子情報通信学会ITS研究専門委員会前委員長 水井 潔
(関東学院大学工学部 情報ネット・メデイア工学部 教授))
編集後記
・ 梅雨に入りました。昨年はこの時期日照不足で、農作物の被害が深刻でした。今年は暑い夏になる
との予想ですが、参議院議員選挙も控え、世間もしばらく熱くなりそうです。
写真下は、梅雨の合間の暑い日に水遊びを楽しむ子供たち。
1.中国の江南地方(杭州、蘇州、上海方面)です。
・ 写真下は、烏鎮の運河と古い民家
・ 写真下は、蘇州・外城河(外堀)古代橋(呉門橋)
・ 写真下は、蘇州・留園(世界遺産)
・ 写真下は、蘇州・寒山寺
・ 写真下は、上海市街
・ 写真下は、杭州・六和塔
・ 写真下は、杭州・河坊街(宋時代の街再現)
・ 写真下は、西湖湖畔(杭州の中心が西湖)
・ 写真下は、紹興(紹興酒と文豪・魯迅で知られる)
2.奥秩父・大弛峠から金峰山(2,595m)までの山歩き(2時間05分)です。
・ 写真下は、奥秩父の金峰山・五丈岩(左)と金峰山頂上(右)。
・ 写真中央は、甲武信岳。
・ 写真は、八ヶ岳を望む。
・ 写真は、稜線にて甲武信岳方面を望む。
・ 写真中央は、白峰三山、右・仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳
3.花壇の花々
上枠をクリックすると7月の風景がスライドショーでご覧いただけます。
・ 今年度も3ヶ月が過ぎました。引き続き課題を着実にフォローしてまいりたいと思います。蒸し暑く過
ごしにくい日が続くと予想されますが、体調にはくれぐれもご留意ください。(T.S)
編集・発行 ITS Japan
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