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今川一郎さんは、これまで家族と共に長年自宅で生活してきました。母親

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今川一郎さんは、これまで家族と共に長年自宅で生活してきました。母親
今川一郎さんは、これまで家族と共に長年自宅で生活してきました。母親は、一昨年の
父親の死、自身の高齢化からこれから先の生活に不安を感じ、本人が慣れた地域でどう
すれば生活を続けていくことができるかを相談するために「相談支援センターすまい
る」を訪れました。
相談を進める中で「グループホームひまわり」(介護サービス包括型)が体験利用でき
ることとなりました。体験利用が順調に経過し、入所の方向で準備が進められていた矢
先に「あけぼの生活実習所」(生活介護)での活動中に転倒して大腿骨頸部を骨折して
しまいました。段差もないところだったことから一瞬の発作があったのではないかと予
想されます。その後、2 か月間の入院を経て骨折は完治しましたが、リハビリは続いて
います。
病院の MSW には今後の日常生活にスムーズに戻るためにもリハビリ病院への転院を母親
は希望しましたが、自発的なリハビリへの取り組みが難しいため受け入れてくれる病院
が見つからず、やむなく退院することになりました。
入院という経過はありましたが、A 区はグループホーム利用の支給決定を行いました。
相談支援事業所の相談支援専門員は、「サービス担当者会議」を行います。
みなさんは、サービス管理責任者として、下図の「サービス担当者会議」に出席します。
出席するにあたり、「事例概要」及び「アセスメント表」をもとに、課題の整理を行っ
てください。
事例の概要
今川
一郎
記入者
さん
支援センターすまいる
事例タイトル
相談経過の要約
相談支援専門員
佐藤
はじめ
健康面での不安を抱えながら高齢期に向かう方の地域移行
これまで 50 年以上家族と共に暮らしてきた。現在通所している「あけぼの生活実習所」(生活介護)
も 33 年利用を続けている。母親は、長年の親の会活動のなかで、早く子供に多くの体験をさせなけ
ればと考えてはきたが、週末の移動支援を少し利用するくらいでこれまで短期入所など家庭を離れた
支援を利用することは無かった。
しかし、父親の死や自分自身の体力面での不安、一郎さんの身体状況の不安から、これからも長く地
域で暮らせるようサービス等利用計画を作成してもらいたいと考え決意して相談に訪れた。
区内のグループホームは現在選べるほどあるわけではないが、男性 7 人が生活している「グループホ
ームひまわり」で 1 人「あけぼの生活実習所」に通所している方がおられた安心感から体験利用して
みることとなった。
年齢・性別・家族
年齢(51 歳)
・性別(
構成・家族状況・
家族構成
現在の居住歴
現在は、母親と 2 人暮らし
手帳・区分
愛の手帳 2 度
(療育手帳
障害程度区分
5(まだ支援区分判定は受けていない)
生活歴及び病歴
男
)
東京都 A 区で生まれて以来家族と生活してきた
父は一昨年に死去。母は 78 歳、3 歳上の姉は他県で生活
A に相当
)知的障害、てんかん
〔生活歴〕 A 区にて出生、父親は定年退職後、地域のボランティア活動などをしていたが、一昨年
に持病の心疾患のため死亡。母親は専業主婦であったが、重度の障害を持った子供たちのために、そ
の就学運動に参加して以来現在まで地域の親の会活動を行っている。本人は、特別支援学校(当時は
養護学校)を卒業し、区立の「あけぼの生活実習所」
(生活介護)に 33 年通所してきた。生活実習所
での活動では長年、空き缶リサイクルの活動やウォーキング、音楽活動などをしてきたが、近年は体
力低下や筋肉のこわばりが見られてきたことから PT によるストレッチなどの時間が中心になってき
ている。父親が他界し、母親も親の会の活動などには参加しているものの、持病の高血圧や関節痛な
ど体に不安を感じてきており、これまでほとんど考えることのなかったグループホームの利用を考え
るようになった。一郎さんは発語がなく、好き嫌いなどを察するには表情からが主なコミュニュケー
ションの取り方である。
自発的な活動が少ないこともあり若いころから宿便傾向であったが、一昨年大腸の機能異常による腸
閉塞が重症化し大腸の一部を切除する手術を受けた。医師からは大腸そのものが肥大化しあまり機能
していないので人工肛門も選択肢として示唆された。また、昨年は誤嚥性肺炎による入院、はじめて
のてんかん発作による入院と病院とのかかわりが増えている。
今回、「グループホームひまわり」を体験利用し「あけぼの生活実習所」への通所を練習している最
中に大腿骨頸部骨折で人工関節置換手術のため入院となった。これまでの体験利用中は本人の表情か
らも笑顔が多く見られ生活を楽しんでいる様子がうかがえた。グループホームでの対応に不安な面も
あるが、退院後そのままグループホーム利用をする予定である。
経済状況
障害年金(1 級 83,000 円)補足給付(家賃)
(10,000 円)
特別障害者手当(26,000 円)重度心身障害者手当(都)
(60,000 円)福祉手当(区)
(17,000 円)
相談に至る経緯
本人の地域での暮らしを継続するための方法を考えたい
望んでいる暮らし
知っている人たちに囲まれながら生活を継続したい
本人の状況と最近
「グループホームひまわり」で生活し「あけぼの生活実習所」で活動する生活を体験した。体験利用
の様子
中は、慣れない生活から不安になるのではないかとの心配もあったが、暮らしの説明などの声かけに
笑顔を見せ、リビングでは食事ができていく様子などを楽しそう眺めている姿が多く見られた。夜は
自宅と同じように 21 時ころ就寝されていた。また、毎日歩いて 5 分ほどのバスポイントから送迎バ
スに乗って通所することができていた。入所を前提としてサービス管理責任者の桃井花子さんと世話
人は受け入れの準備を進めていたところ、日中活動中に転倒して大腿骨頸部を骨折してしまった。段
差もないところだったことから一瞬の発作があったのではないかと予想される。
2 か月間の入院を経て骨折は完治したが、リハビリは続いている。母親は、病院の MSW に今後の日常
生活にスムーズに戻るためにもリハビリ病院への転院を希望したが、自発的なリハビリへの取り組み
が難しいため受け入れてくれる病院を見つけられずやむなく退院することになった
入院という経過はあったが、グループホームの利用が決まった。
その他
姉は見舞いに訪れている。弟を想っているが直接の支援は難しい環境にある。将来的な後見などにつ
いてもほとんど考えたことがない。
アセスメント票
記録:相談支援センターすまいる
相談日時
氏名等
平成 27 年 7 月 1 日
今川
相談支援専門員 佐藤 はじめ
13 時~15 時
一郎氏、51 歳、男性、精神発達遅滞、てんかん
身長 165 ㎝
体重 55kg
特に麻痺などはないが、ゆっくりした動き。1人きりでの散歩などは経験なく、介助のために支
援者が付添をしている。
心身の状況
大腿骨頸部骨折のリハビリについては、病院のリハビリ室で毎日 1 時間程度実施してきた。マッ
サージ、ストレッチの他、PT が後ろを支え職員や母親が交代で前からを支えて声をかけるよう
な歩行訓練(10 メートルほど)が1回のリハビリで数回できるようになっている。段差を昇降
するようなリハビリはまだ実施していない。
精神面
重度の知的障害とてんかんがある。発語は無く、コミュニケーションは表情から読み取る。情緒
の状況
的には安定していて興奮するようなことはほとんどない。
ADL はすべての面で介助が必要。排便のコントロールができないためおむつを使用している。
生活の
自発的な活動は少ないため、何もしないでいると夕食後はリビングでうとうとしてしまう。
自立度
テレビや音楽にもあまり興味は示さないが、食事ができるのを見ていたり、仲間の様子を見てい
たりすることが好きである。
気持ちの
自立度
家庭においても日中活動の場面においても多くの場面で介助を受けてきたこともあり、全ての場
面で受動的である。
ガスコン
服薬状況
朝
セレニカ R 朝
夕
ミヤ BM 朝
夕
マグミット
朝
夕
センノサイド
朝
夕
(お腹の薬)
夕(てんかん)
<収入面>
障害年金(1級 83,000 円) 補足給付(家賃 10,000 円)
特別障害者手当(26,000 円) 重度心身障害者手当(都)
(60,000 円) 福祉手当(区)
(17,000 円)
経済状況
<支出面>
グループホームの費用
家賃 60,000 円
その他
食費
通所時の食費
25,000 円
5,000 円
光熱水費
15,000 円
移動支援自己負担
日用品費
3,000 円
5,000 円
これまで週末にはヘルパーと公園を散歩したり、ファミリーレストランへスイーツを食べに行く
趣
味
キーパーソン
などして休日を過ごしていた。
母親が全面的に支援してきた
父は他界し、母と二人暮らし。姉は家庭を持って隣の県で生活している。
家
族
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