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無機化学II 酸化 還元 電池まとめ

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無機化学II 酸化 還元 電池まとめ
酸・塩基、酸化・還元、電池
酸・塩基、酸化・還元、電池 まとめ
酸・塩基
ブレーステッド酸・塩基(H
ブレーステッド酸・塩基(H+)、ルイス酸塩基(非共有電子対)
1)ブレーステッド酸・塩基
強酸:
強酸: HCl(hydrogen chloride の水溶液をhydrochloric acidと
いう), HNO3(nitric acid) H2SO4 (sulfuric acid)
弱酸:
弱酸:CH3COOH(acetic acid), H2CO3(carbonic acid、水中で
のみ存在、単離不可), H2SO3 (sulfurous acid, 単離不可),
H2C2O4 (oxalic acid 蓚酸), サリチル酸(salicylic acid , pKa
2.97), C6H5COOH (benzoic acid安息香酸pKa 4.21)、C6H5OH
(phenol, 石炭酸、フェノールpKa 9.95)、H3PO4(phosphoric
acid, リン酸)・・強酸でも弱酸でもない。
強酸は電離度が大きい。弱酸は電離度が小さい。
。
酸素を含む酸をオキソ酸という。
強塩基(電離度大きい):KOH(potassium
hydroxide) ,
強塩基
NaOH(sodium hydroxide), Ba(OH)2(barium hydroxide),
Ca(OH)2(calcium hydroxide, 水酸化カルシウム、消石灰)
弱塩基(電離度小さい):NH
弱塩基
3(annmonia), Cu(OH)2, C6H5NH2(
アニリン,aniline)、C5H5N(ピリジンpyridine)
●Cu(OH)2, Fe(OH)3は水にほとんど溶けないが酸に溶ける:
Cu(OH)2 +2HCl →CuCl2 + 2H2O
●Al(OH)3, Cr(OH)3, Zn(OH)2 は水にほとんど溶けないが、
酸にも強塩基水溶液に溶ける。これらの水酸化物は酸に対
して塩基、塩基に対して酸として作用する(両性水酸化物)
Al(OH)3 + 3HCl → AlCl3 + 3H2O, Al(OH)3 + NaOH →
Na[Al(OH)4]
強
pKa
HI
−11
OH
phenol
石炭酸
−8
−10
HBr
−9
O C
OH
benzoic acid
安息香酸
HCl
−7
−2
−4
−6
H2SO4
−5
HO
C
O
H
O
salicylic acid
安息香酸
H2PO4−
7.2
HNO3
−1.3
HO
C
4
2
0
O
O
6
8
H3PO4
2.1
CH3CO2H
4.8
HSO4−
1.99
H2CO3
6.4
CH 3
H 3CO
HPO42−
12.3
10
O
O
NH 2
O
acetylsalicylic acid(aspirin) methyl salicylate
アセチルサリ チル酸
弱
14
HCO3−
10.3
C
C
12
サリ チル酸メチル
H
N
aniline
アニリ ン
pyridine
ピリ ジン
酸化物
1) 酸性酸化物(
酸性酸化物(非金属の酸化物):
非金属の酸化物): SO2, SO3, CO2, NO2, P4O10, SiO2
●水と反応して酸を作る(亜硫酸、硫酸、炭酸、硝酸、リン酸となる。SiO2
は水にほとんど溶けないが強塩基と反応して塩を作る
SiO2+2NaOH →Na2SiO3+H2O
●塩基と反応して塩を作る
●NO, COは非金属酸化物であるが水にほとんど溶けず、塩基とも反応
しないので酸性酸化物でない。
塩基性酸化物(
金属の酸化物):
2)塩基性酸化物
塩基性酸化物
(金属の酸化物
): K2O, Na2O, CaO, BaO, MgO
2)
●水と反応して塩基を作る。酸と反応して塩を作る。
●金属の酸化物でもCr, Mnの酸化物は酸化数によって次の酸化物を作
る
低い酸化数
CrO, MnO ・・・塩基性酸化物
中間の酸化数 Cr2O3, MnO2 ・・・両性酸化物
高い酸化数
CrO3, Mn2O7 ・・・酸性酸化物
3)両性酸化物
3)両性酸化物(
両性酸化物(両性元素Al, Zn, Sn, Pbの酸化物):Al2O3, ZnO, SnO, PbO
●酸及び塩基と反応して塩を作る。 塩基との塩の化学式は特殊なので
記憶する
Na[Al(OH)4], Na2[Zn(OH)4]
中和と塩 酸性物質+塩基性物質 → 塩 + 水
●酸性物質は、酸、酸性酸化物、両性酸化物、両性水酸化物
●塩基性物質は、 塩基、塩基性酸化物、両性酸化物、両性
水酸化物、炭酸塩
1) HCl + NaOH → NaCl + H2O
2) H2SO4+NaOH → NaHSO4 + H2O
3) H2SO4+2NaOH → Na2SO4 + H2O
4) 2HCl + CaO (塩基性酸化物)→ CaCl2 + H2O
5) 2HCl + ZnO (両性酸化物)→ ZnCl2 + H2O
6) 3HCl + Al(OH)3 (両性水酸化物)→ AlCl3 + 3H2O
7) CO2 (酸性酸化物) + Ca(OH)2 → CaCO3 + H2O
8) ZnO (両性酸化物) + 2NaOH + H2O → Na2 [Zn(OH) 4]
9) Al(OH)3 (両性水酸化物)+ NaOH → Na[Al(OH) 4]
10) CO2 (酸性酸化物)+ CaO (塩基性酸化物)→ CaCO3
11) H2SO4 + 2NH3 → (NH4)2SO4
12) 2HCl + Na2CO3 (炭酸塩) → 2NaCl + CO2↑ + H2O
塩は中和反応の他、次の反応によっても生成される。
13) 2Na + Cl2 (金属+非金属)→ 2NaCl
14)) 2Al +2NaOH+6H2O (金属+
金属+塩基)
塩基)→2Na[Al(OH)4]+3H2
15) Fe + CuSO4 (金属+塩)→ FeSO4 + Cu
16) Cl2 + 2NaOH (非金属+塩基)→ NaCl + NaClO + H2O
17) Cl2 + 2KI (非金属+塩)→ 2KCl + I2
18) BaCl2 + H2SO4 (塩+酸)→ BaSO4 + 2HCl↑
19) FeCl3 + 3NaOH (塩+塩基)→ 3NaCl + Fe(OH)3↓
20) AgNO3 + NaCl (塩+塩)→ AgCl↓ + NaNO3
最終反応において↑
最終反応において↑、↓を入れないことが多いが、反応式を考
察するうえで極めて便利
塩の分類
正塩:H+やOH-が残っていない塩 NaCl, CuSO4, Ca(NO3) 2
酸性塩:H+が残っている塩 NaHCO3, NaHSO4, NaH2PO4
塩基性塩:OH-が残っている塩 Cu(OH)Cl, Mg(OH)Cl
● 正塩、酸性塩、塩基性塩は単にH+,OH-が残っているかい
ないかかの形式的な分類
(非常に紛らわしい分類なり)。塩の溶液の液性(酸性か塩基
性)とは無関係なり。
複塩:2種以上の塩が一定の割合で結合した塩で、水溶液中
で個々の成分イオンに電離
ミョウバン AlK(SO4)2∙12H2OAl3+ + K+ + 2SO42- + 12 H2O
さらし粉 CaCl(ClO) ∙H2O Ca2+ + Cl- + ClO- + H2O
錯塩:金属イオンと分子、金属イオンと陰イオンが配位結合し
た錯イオンを含む塩
錯イオン・・・[Ag(NH3) 2]+, [Co(NH3) 6]6+, Cu(H2O) 4]2+,
[Ag(S2O3) 2]3-, [Fe(CN) 6]4-
塩の水溶液の液性
塩が水に溶け、生じたイオンが水と反応して弱酸または弱
塩基を生じる(加水分解)。その結果水溶液は中性、酸性、
塩基性を示す。
1) 強酸と強塩基の塩:成分イオンは完全に電離しており加
水分解をしない
正塩の水溶液は中性、酸性塩の水溶液は酸性
(NaHSO4)
2) 強酸と弱塩基の塩:加水分解し、正塩でも塩基正塩でも
酸性(NH4Cl、Mg(OH)Cl)
3) 弱酸と強塩基の塩:加水分解し、正塩でも酸性塩でも塩
基性(K2CO3, NaHCO3)
4) 弱酸と弱塩基の塩:加水分解するが、中性
塩の反応:
塩の反応
1) 塩と酸の反応
●弱酸の塩+強酸 → 強酸の塩+弱酸
CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + CO2 + H2O
●揮発性酸の塩+不揮発性酸 → 不揮発性酸の塩 +
揮発性酸
NaCl + H2SO4 → NaHSO4 + HCl
●難溶性塩の析出がある場合
BaCl2 + H2SO4 → BaSO4 + 2HCl
2) 塩と塩基の反応
●弱塩基の塩+強塩基 → 強塩基の塩+弱塩基
2NH4Cl + Ca(OH) 2 → CaCl2 + 2NH3 + 2H2O
3)塩と塩の反応
●難溶性塩、複塩、錯塩(非常に安定、難溶のとき)が生じるときに反
応が進む
AgNO3 + NaCl → AgCl↓ + NaNO3
Al2(SO4) 3 + K2SO4 + 24H2O → 2[Al∙K(SO4)2∙12H2O]
FeSO4 + 6KCN → K4 [Fe(CN)6] + K2SO4
フェロ
フェロシアン化カリウム
酸はH+を供与する分子(HA→A-+H+)、塩基はH+を受容す
る分子(B+H+→BH+)と定義された(1923年)。水中では、
H2Oが塩基または酸として働く。
溶液中 HA + B ⇌ A- + BH+
酸 HA + H2O ⇌ H3O+ + A-
[H 3O + ][A − ]
Ka ' =
[HA][H 2 O]
塩基
[HB+ ][OH − ]
Kb ' =
[B][H 2 O]
より ,
[H 3O + ][A − ]
K a = K a '[H 2 O] =
[HA]
pKa=-logKa
B + H2O ⇌ HB+ + OH-
より ,
[BH + ][OH − ]
K b = K b ' [ H 2 O] =
[B]
共役酸・塩基で
pKa + pKb = 14.0
である。
pKb=-logKb
水素イオン指数(hydrogen ion exponent)
pH = - log10[H+]
(1909年の提案)
[H+]は水素イオンのモル濃度(mol/dm3)
●25℃, 中性で [H+] = [OH-]=10-7 mol/dm3 pH = 7
酸性 pH <7, 塩基性 pH > 7
酸・塩基問題
A)中和の量的関係
a) 0.12 mol/lの希硫酸15.0 mlを0.25 mol/lの水酸化ナトリ
ウム水溶液で中和するには、何mlの水酸化ナトリウム水
溶液が必要か
b) 0.18 mol/lの希塩酸5.0 mlを中和するのに、濃度が未
知である水酸化バリウム水溶液を4.5 ml必要であった。水
酸化バリウム水溶液の濃度は
表3-4 0.1 mol/dm3 水溶液の電離度(赤字:強電解質)
酸
HCl
HNO3
H2SO4
H3PO4
CH3COOH
H2CO3
解離度α
0.92
0.92
0.61
0.27
0.013
0.0017
塩基
KOH
NaOH
Ca(OH)2
Ba(OH)2
NH3
解離度α
0.91
0.91
0.90
0.77
0.013
塩
KCl
NH4Cl
CH3COONa
K2SO4
解離度α
0.85
0.84
0.79
0.72
●電離度の濃度依存性・・・電離度は濃度の影響を大きく受け、濃度
があがるにつれて分子間相互作用が働き、解離しなくなり αは小さく
なる。反対に無限に希釈した場合は 1 になる。このため、電離度は物
性の指標としては扱いにくく、pH の計算などでは電離平衡を考えた
電離定数K (濃度依存性はαに比べずっと小さい)を用いる場合が多
い。
化学反応式
化学反応式をしっかりと覚えるために・・・多種多様な反応
式を見る
●化学反応式(化学式を用いて化学変化を書いた式
→
化学反応式
や=で反応系と生成系を結ぶ)、
、
●イオン反応式(水溶液での反応で、関与する分子、イオ
イオン反応式
ンのみを含む、→で結ぶ)
○化学反応式:同種元素は左辺と右辺で等しい。反応に無
関係な化合物を入れない。
○イオン反応式:水に溶けない物質、沈殿、気体、水、弱電
解質は化学式のまま。強電解質を陽イオン、陰イオンで書
く。左右の原子数は等しい。左右の総電荷数は等しい。
化学量論的係数は連立方程式(未定係数法)で得る(簡単
なものは目算で)
例 化学反応式
1)化合
1)化合 A + B →AB H2 + Cl2 → 2HCl, 4Na + O2 → 2Na2O
分解 AB →B + C 2KClO3 → 2KCl + 3O2↑ 2NaHCO3
2)分解
→ Na2CO3 + CO2↑+ H2O
3)置換
置換 A + BC → AC + B
Zn + H2SO4 (金属と酸の反応)→ ZnSO4 + H2↑
Zn+2NaOH+2H2O(金属と塩基の反応)→Na2[Zn(OH)4]+H2↑
Fe + CuSO4 (金属と塩の反応)→ FeSO4 + Cu
Cl2+2KI(非金属と塩の反応)→2KCl+I2(ヨウ素は
ヨウ素はleaving
group)
group)
4)複分解
4)複分解 AB + CD → AD + CB
H2SO4 + 2NaOH (酸と塩基)→ Na2SO4 + 2H2O
CaCO3 + 2HCl (酸と塩基)→ CaCl2 + CO2↑ + H2O (単純な
複分解+分解)
Fe(NO3)3 + 3NaOH (塩と塩基)→ Fe(OH)3↓ + 3NaNO3
AgNO3 + NaCl (塩と塩)→ AgCl↓ + NaNO3
係数のつけ方を以下の反応で試すこと
MnO2 + 4HCl →MnCl2 + Cl2 + 2H2O,
2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O,
4FeS2 + 11O2 → 2Fe2O3 + 8SO2
イオン反応式 (酸化還元反応での量的関係の考察に便利)
Ag+ + Cl- → AgCl, Ba2+ + SO42- → BaSO4
(化学反応式は BaCl2 + H2SO4 → BaSO4 + 2HCl)
MnO4- + 8H+ + 5Fe2+ → Mn2+ + 5Fe3+ + 4H2O
(化学反応式は2KMnO4 + 8H2SO4 + 10FeSO4 → K2SO4 +
2MnSO4 + 5Fe2(SO4)3 + 8H2O)
主な酸化・還元反応式(良く見ておくと便利)
1) 2KMnO4 + 8H2SO4 + 10FeSO4 →K2SO4 + 2MnSO4 + 5Fe2(SO4)3 +
8H2O
2) 2KMnO4 + 3H2SO4 + 5H2O2 →K2SO4 + 2MnSO4 + 8H2O + 5O2↑
3) 2KMnO4 + 3H2SO4 + 5H2C2O4 →K2SO4 + 2MnSO4 + 8H2O + 10CO2↑
4) 2KMnO4 + 5SO2 + 2H2O →K2SO4 + 2MnSO4 + 2H2SO4
5) K2Cr2O7 + 7H2SO4 + 6FeSO4 →K2SO4 + Cr2(SO4)3 + 3Fe2(SO4)3 +
7H2O
6) K2Cr2O7 + 4H2SO4 + 3H2C2O4 →K2SO4 + Cr2(SO4)3 + 7H2O + 6CO2↑
7) 2HgCl2 + SnCl2 → Hg2Cl2 + SnCl4
8) Hg2Cl2 + SnCl2 → 2Hg + SnCl4
9) I2 + 2Na2S2O3 →2NaI + Na2S4O6
10) SO2 + 2H2S →3S↓ + 2H2O
11) Cl2 + SO2 + 2H2O →H2SO4 + 2HCl
ルイスの酸ルイスの酸-塩基
●ブレンシュテッドの酸・塩基の提案と同じ1923年に、八偶説(オク
テット則)を提唱したルイスが提案
●酸は共有結合を形成するため他の物質から一対の電子対を奪い
(電子対受容体、ルイス酸)、塩基(電子対供与体、ルイス塩基)は電
子対を与え、ともに希ガス型電子配置をとる。
電子式
例 K, L殻電子の元素 s軌道、p軌道を考えず、元素記号の周囲に
8電子までを記す。一個の丸は不対電子を示し、2個揃うと電子対を
形成したとする(孤立電子対、非共有電子対、N, O, F原子の赤丸2
個で示す)。一方、B原子には青四角で示す電子対のない軌道(空軌
道)がある。
H
Li
He
Be
B
C
N
O
F
Ne
【例1】H2Oの非共有電子対にH+の空軌道が配位し(配位結合)、キドロ
ニウムイオンH3O+を形成。 (H2Oはルイス塩基、H+はルイス酸)
H
O
2H
HO H
O
2R x
Rx O xR
R'
R'
H
HO H
【例2】NH3の非共有電子対にH+の空軌道が配位し、アンモニウムイ
オンNH4+を形成。 (NH3はルイス塩基、H+はルイス酸)
N
3H
H N H
H
H
H
H N H
H
●オクテット則を満たさない第13族元素(B, Al)の共有結合化合
物は、空の軌道(空軌道, vacant orbital, 非占有軌道
unoccupied orbital)を持つので強いルイス酸で、配位結合により
錯体を形成する。
●遷移金属元素の多くは共有結合に利用される価電子の他に
空のd軌道などを持ち(空軌道)ルイス酸となり、多くの種類の金
属 錯 体 が 配 位 結 合 に よ り 形 成 さ れ る 。
電気陰性度:電子をひきつける相対的強さを示す
電気陰性度
表はポーリングの値(他の電気陰性度の定義もある)。黄色部分は陽性元素(金属元素)
赤色部分は半金属。イオン結合:電気陰性度の差が1.7以上。共有結合:電気陰性度の
差=0で100%共有結合であり、電気陰性度の差が大きくなるとイオン結合性が増す
原子価 (原子量/当量): ある原子が何個の他の原子と結
合するかを表す数
族
1 2 13 14 15 16 17
常原子価
+1 +2 +3 +4 -3 -2 -1
逆原子価
-4 +5 +6 +7
主な原子の原子価
H(1),
H(1), Br(1), O(2), N(3), Si(4), P(5), Cl(1, 3, 5, 7), C(2,4), S(2,4,6)
主なイオンの原子価
●陽イオン +1: H, Li, Na, K, Ag, NH4,
+1 & +2: Hg, Cu,
+2: Mg, Ca, Ba, Zn, Pb, Fe(+2,+3), Sn(+2,+4), +3: Al
●陰イオン -1 : F, Cl, Br, I, OH, NO3, CN, CH3COO, MnO4, ClO, ClO2,
ClO3, ClO4, HCO3, HSO4, H2PO4
-2: O, S, SO4, SO3, SiO3, S2O3, C2O4, CO3, CrO4, Cr2O7, ZnO2
-3: PO4, Fe(III)(CN)6 フェリシアン, BO3
-4: Fe(II)(CN)6 フェロシアン
酸化数
規則
①単体の酸化数はゼロ
例、例外
H2 (Hは0), O2やO3(Oは0), N2(Nは0),
He(Heは0)
②単一原子イオンの酸化数:価 Na+, Cl−, Ca2+, Fe2+, Fe3+の酸化数は
+1, −1, +2, +2, +3
数を酸化数とする
③Fの酸化数は常に−1
元素Fの電気陰性度は一番大きい
④Hの酸化数を原則的に+1、O 例外 H(−1), O(−1,−1/2,+1,+2)
H:金属とのイオン性化合物(ヒドリド
を−2とする
)で−1 LiH, NaH,CaH2
O:ペルオキソ結合(過酸化物)に含
例外
まれると−1 (H-O-O-H, BaO2, Na2O2),
H −1
超酸化物イオンO2−(KO2, NaO2)で
O −2以外に、−1(過酸化物
Na2O2), −1/2(NaO2), +2/3(O3F2), −1/2, O2F2やOF2ではFが−1である
+1(O2F2), +2(OF2)
からOは+1, +2
⑤中性化合物の原子の酸化数 NH3 (Nは−3), CO2(Cは+4), CO(Cは
+2),CH4(Cは−4), CH3COOH(Cは0)
総和はゼロ
●フッ素以外のハロゲン元素については酸素の酸化数を−2として、I,
III, (IV,) V, VII (例 Cl2O[+1], Cl2O3[+3], Cl02[+4], Cl2O6[+5と+7],
Cl2O7[+7])のいずれかをとり、種々の酸化物とオキソ酸を形成する。
●窒素酸化物:一酸化窒素 (NO)、二酸化窒素 (NO2)、亜酸化窒素
(一酸化二窒素 笑気)(N2O)、三酸化二窒素(N2O3)、四酸化二窒素
(N2O4)、五酸化二窒素 (N2O5) など。化学式の NOx から「ノックス
ノックス」とも
ノックス
いう。
●NO: 1980年代頃から、その生体内での生理機能について研究が
進み、血管拡張作用を持つことなどが明らかにされたほか、この一
酸化窒素が神経伝達物質としても作用することが判明した。なお、
1998年のノーベル医学生理学賞は、この一酸化窒素の生理作用の
発見に対して贈られている。現在でも、その多様な生理機能につい
て研究が続いている。
●NO、NO2を吸入するとメトヘモグロビンが生成する。メトヘモグロビ
ンは、通常のヘモグロビンに配位されている二価(フェロ)の鉄イオン
が三価(フェリ)になっているもので、酸素を運ぶことができない。
●一酸化二窒素(N2O 笑気)は麻酔作用を持つため、吸入麻酔剤と
して医療現場で使用された
酸化剤・還元剤
酸化剤:相手を酸化し、自分は還元される(電子を奪う物質
酸化剤
、ルイス酸、酸素を与える物質、水素を引き抜く物質、親電
子的試薬)
還元剤:相手を還元し、自分は酸化される(電子を与える物
還元剤
質、ルイス塩基、酸素を引き抜く物質、水素を与える物質、
電子供与的試薬)
酸化と還元は同時に起こる
酸化剤
+
還元剤
還元された
酸化剤
+
酸化され
た還元剤
2)酸化剤と還元剤
酸化剤O2, O3, Cl2, Br2, HNO3(希、濃), H2SO4(熱濃), KMnO4, K2Cr2O7,
KClO3, MnO2, H2O2
還元剤 H2(高温), C(高温), CO(高温), SO2, H2S, H2C2O4, FeSO4, SnCl2,
Na2SO3, Na2S2O3,金属
酸化剤・還元剤のいずれにもなる物質
1)SO2
○SO2より強い還元剤のH2Sとの反応では酸化剤となり、Sを生成
SO2 + 2H2S→2H2O + 3S
○Cl2, Br2などの酸化剤との反応では還元剤
SO2 + Cl2 + 2H2O → 2HCl + H2SO4
2) H2O2
○H2O2より強い酸化剤のKMnO4との反応では還元剤(H2O2→O2 + 2H+
+ 2e−)となり
2KMnO4 + 3H2SO4 + 5H2O2 → K2SO4 + 2MnSO4 + 8H2O + 5O2
○SO2, H2Sなどの還元剤との反応では酸化剤(H2O2+2H++2e−→2H2O)
H2O2 + H2S →2H2O + S
イオン化傾向
金属は電子を放出して陽イオンになる。陽イオンになるなり
易さは金属によって異なる(下は水溶液中での傾向)。
K, Ca, Na, Mg, Al, Zn, Fe, Ni, Sn, Pb, (H2), Cu, Hg, Ag, Pt, Au
負の標準電極電位
陽イオンに成り易い
M0は強い還元剤
(自分は酸化される)
低い還元電位
:電池の負極
境
界
正の標準電極電位
中性に成り易い
M+は強い酸化剤
(自分は還元される)
高い還元電位
:電池の正極
不動態(不働態
不動態 不働態とも)
不働態
●金属表面に腐食作用に抵抗する酸化被膜が生じた状態
のこと。
●この被膜は溶液や酸にさらされても溶け去ることが無い
ため、内部の金属を腐食から保護するために用いられる。
●酸化 力のある 酸に さら され た場 合や、陽 極酸化処理
(anodite)によって生じる。
●不動態の典型的な被膜の厚みは、例えばステンレスに生
じる不動態の場合、数nmである。すべての金属が不動態と
なるわけではない。不動態になりやすいのは、アルミニウム、
クロム、チタンなどやその合金である。
陽極(anode:酸化作用)に接近するイオン・・陰イオン(anion)
陰 極 (cathode: 還 元 作 用 ) に 接 近 す る イ オ ン ・ ・ 陽 イ オ ン
(cation)
Ti Cr
K, Ca, Na, Mg, Al, Zn, Fe, Ni, Sn, Pb, (H2), Cu, Hg, Ag, Pt, Au
銅 銅は水とは反応しないものの、空気中の酸素とは徐々に
反応して黒褐色をした酸化銅の被膜を形成する。生じた錆に
よって全体が酸化されてしまう鉄とは対照的に、銅の表面に
形成される酸化被膜はさらなる酸化の進行を防止する。湿っ
た条件下では二酸化炭素の作用により緑青(水酸化炭酸銅)
を生じ、この緑色の層は、自由の女神像や高徳院の阿弥陀
如来像などのような古い銅の建造物などにおいてしばしば見
られる。
●銅はイオン化傾向が小さいため塩酸や希硫酸といった酸と
は反応しないが、硝酸や熱濃硫酸のような酸化力の強い酸と
は反応する。
希硝酸との反応
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑
濃硝酸との反応
Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2↑
熱濃硫酸との反応Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2
酸化・還元滴定
酸化還元反応の量的関係
グラム当量
【例1】
KMNO4の硫酸酸性溶液で、Mn(+7) → Mn(+2)に変化する
2KMnO4 + 3H2SO4 → K2SO4 + 2MnSO4 + 3H2O + 5(O)
酸化数の変化は5であり、KMnO41モルは5グラム当量に相
当する。
KMnO4 = 158なので,1当量は158/5=31.6 つまり1g当量は
KMnO4 31.6g
●酸化還元での1モルの物質が何電子のやり取りを行っ
ているかで何グラム当量が決まる。
代表的酸化剤の反応
電子を受け取る反応(イオン式)
1mol
酸化剤
酸素を与える反応
O3 → O2 + (O)
O3 + 2H+ + 2e− → O2 + H2O
2グラム当量
オゾン
H2O2 + 2H+ +2e−→2H2O
2グラム当量
過酸化水素 H2O2 →H2O + (O)
Cl2 + H2O → 2HCl + (O)
Cl2 + 2e− → 2Cl−
2グラム当量
塩素
2HNO3 → H2O + 2NO + 3(O) HNO3 + 3H+ + 3e− → 2H2O + NO 3グラム当量
希硝酸
2HNO3→H2O + 2NO2 + (O) HNO3 + H+ + e− → H2O + NO2
濃硝酸
1グラム当量
+
−
H2SO4 → H2O + SO2 + (O) H2SO4 + 2H + 2e → 2H2O + SO2 2グラム当量
熱濃硫酸
過マンガン酸カリウム2KMnO4 + 3H2SO4 → K2SO4 + MnO4− + 8H+ + 5e− → 5グラム当量
(in H2SO4)
2MnSO4 + 3H2O+ 5(O)
Mn2+ + 4H2O
MnO4− + 2H2O + 3e− 3グラム当量
過マンガン酸カリウム
→MnO2 + 4OH−
(中性、アルカリ)
K2Cr2O7 + 4H2SO4 → K2SO4 + Cr2O72− + 14H+ + 6e− 6グラム当量
二クロム酸カリウム
Cr2(SO4)3 + 4H2O + 3(O)
→2Cr3+ + 7H2O
○酸素を与える(受け取る)反応で1モルの酸化剤(還元剤)が1個の(O)を与える(奪う)と1
モルは2グラム当量 (酸素2−なので)
○1個の電子を受け入れる(放出する)と1モルの酸化剤(還元剤)は1グラム当量(電子数
と1:1に対応)
○1個の関係元素の価数がn価減少(酸化剤)すると、nグラム当量
代表的還元剤の反応
還元剤
酸 素 を受け取 る 反
応
水素(高温) H2 + (O) → H2O
二酸化硫黄 SO2 + H2O + (O)
→H2SO4
H2S + (O) →H2O +
硫化水素
S
H2C2O4 + (O) →
蓚酸
2CO2 + H2O
硫酸鉄(II) 2FeSO4 + H2SO4
+ (O) → Fe2(SO4)3
+ H2O
塩 化 ス ズ SnCl2 + 2HCl +
(O) → SnCl4 +
(II)
H2O
ナトリウム 2Na + (O) →
Na2O
電子を与える反応
(イオン式)
H2 → 2H+ + 2e−
SO2 + 2H2O →
SO42− + 4H+ +2e−
H2S → 2H+ + S +
2e−
H2C2O4 → 2H+ +
2CO2 + 2e−
Fe2+ → Fe3+ + e−
1mol
2 グラム当量
2 グラム当量
2 グラム当量
2 グラム当量
1 グラム当量
Sn2+ → Sn4+ + 2 グラム当量
2e−
Na → Na+ + e−
1 グラム当量
●酸化剤(還元剤)の1規定液(1N)・・・酸化剤(還元剤)の
1グラム当量/l
●当量点で
酸化剤のグラム当量数=還元剤グラム当量数
●中和滴定と同様に、N規定の酸化剤水溶液VmlとN’規
ே×௏
ேᇱ×௏ᇱ
=
定の還元剤水溶液V’mlの当量点では
ଵ଴଴଴
ଵ଴଴଴
化学式 の名称(2
の名称(2)
原子価が2つ以上ある金属の化合物
●金属元素の後ろに原子価をローマ数字で( )内にいれる
●金属元素名の前に第一、第二と原子価の小さいほうからつける
FeSO4:硫酸鉄(II), 硫酸第一鉄、 Fe2(SO4)3:硫酸鉄(III)、硫酸第二鉄
例
Cu +1, +2
Cu2O 酸化銅(I), CuSO4 硫酸銅(II)
Hg +1, +2
Hg2Cl2(塩化第一水銀) HgCl2(塩化第二水銀)
Fe +2, +3
FeSO4, FeCl3(塩化第二鉄)
Sn +2, +4
SnCl2(塩化第一スズ) , SnCl4(塩化第二スズ)
Mn +2, +4, +7
MnCl2(塩化マンガン(II) ), MnO2 (二酸化マンガン、
酸化マンガン(IV)) , KMnO4(過マンガン酸カリ)
Cr +3, +6
CrCl3(塩化クロム(III)), K2CrO4(クロム酸カリウム),
K2Cr2O7(重クロム酸カリウム)
S −2, +4, +6
H2S(硫化水素), SO2(二酸化硫黄、亜硫酸ガス),
H2SO4(硫酸)
Cl -1,+1,+3,+4,+5,+7NaCl, NaClO2(亜塩素酸ナトリウム), KClO3(塩素酸
カリウム), Cl2O7(七酸化二塩素)
Cl
O
H
次亜塩素酸
二酸化塩素
HClO
O
O
Cl
OH
亜塩素酸
HClO2
O
Cl
OH
塩素酸
HClO3
七酸化二塩素
O
Cl
Cl2O7
O
O
O
O
OH
過塩素酸
HClO4
Cl
O
ClO2
O
Cl
O
O
Cl
O
O
O
●次亜塩素酸ナトリウムNaClO(次亜塩素酸ソーダとも呼ばれる。強アルカリ性で
ある。希釈された水溶液はアンチホルミンとも呼ばれる)
2NaOH + Cl2 → NaCl + NaClO + H2O
特異な臭気(いわゆるプールの臭いや漂白剤の臭いと言われる臭い)を有し、酸化
作用、漂白作用、殺菌作用がある。
●家庭用の製品の「混ぜるな危険」などの注意書きにもあるように、漂白剤や殺菌
剤といった次亜塩素酸ナトリウム水溶液を塩酸などの強酸性物質(トイレ用の洗剤
など)と混合すると、黄緑色の有毒な塩素ガスが発生する。浴室で洗剤をまぜたこ
とによる死者も出ているので取り扱いには注意が必要である。
NaClO + 2HCl → NaCl + H2O + Cl2
3-4.
-4.電気化学セル:電解セルと電池
電子伝導(electronic
conduction金属中、半導体中での電
電子伝導
子の移動)、
イオン伝導(ionic
conduction 溶液、固体中でのイオンの移
イオン伝導
動)
電気化学では主にイオン伝導を扱う
電気化学セル(electrochemical
cell)の構成: 電極―電解質
電気化学セル
電極 電解質
溶液(溶融塩、固体もある)-電解槽
電解槽
溶液
電解セル(electrolytic
電解セル(electrolytic cell)
外部電源で2つの電極( 同種金属 )間に電位を与える。解離
している電解質中の陰イオンは陽極に、陽イオンは陰極に
電気分解 electrolysis)を
移動し、電極上で酸化還元反応(電気分解
生じる。
電源
電子
+
陰
極
陽
極
電
解
槽
電解質溶液
陽イオン(cation)
陽イオン
-
+
陰イオン(anion)
陰イオン
酸化
アノード
還元
カソード
例1】Na+Cl−溶融塩の電解(800℃以上で溶融)
正極(陽極 アノード anode)
2Cl−(l) → Cl2(g) + 2e− 酸化反応
(3-40)
負極(陰極 カソード cathode)
2Na+(l) + 2e− → 2Na(s)
還元反応
(3-41)
電池でのカソード(正極)、アノード(負極)とは反対の名称
ただし、共にカソードで還元反応、アノードで酸化反応が起
こる
電気分解と電池の極
電解セル(電気分解) 電池
anode (酸化反応) 陽極
陰極(負極)
cathode(還元反応) 陰極
陽極(正極)
例2】食塩水の電解
正極(陽極)
2反応が競合
2Cl−(aq) → Cl2(g) + 2e− (NaCl溶融塩での反応と同じ)
2H2O(l) → O2(g) + 4H+(aq) + 4e− (水の酸化)
負極(陰極)
2反応が競合
(水の還元)
2H2O(l) + 2e− → H2(g) + 2OH−
2Na+(aq) + 2OH−(aq) → 2NaOH(aq)(溶融塩での反応に似る)
計
2Na+(aq) + 2Cl−(aq) + 2H2O(l) →
2NaOH(aq) + Cl2(g) + H2(g)
(3-42)
3-5 ファラデーの法則、
ファラデーの法則、電気量
電極反応で生じる化学種の質量は通過した電気量に比例。
●電気量の単位:
F(ファラデー):1モルの電子が持つ電気量、
C(クーロン): 1Aの電流が1秒間流れたときの電気量 1C 、
1 F = 96487 C/mol ファラデー定数
析出(または生成)する物質量=(アンペア×秒×1グラム当
量)/96500 m / M = I t / |z|F
(3-43)
電極で変化する物質のモル数 m/M(m:生じる物質量g、M:
原子量、分子量、イオン式量)は 通電した電気量 It (クー
ロンC、I:電流 アンペア、t:時間)を、変化する価数 z と1
モル当りの電気量 F (ファラデー定数 96500 クーロン/mol
はアボガドロ数の電子の電気量 = NAe )で割った電気量
単位でのモル数に等しい。
ボルタ電池 ボルタ(イタリア) 1745-1827
1)容器中の希硫酸に亜鉛板と銅板をいれ、容器の外部で導線で繋ぐ
2)イオン化傾向により Zn板側 Zn → Zn2+ + e− 電子を吐き出す
(酸化)ので負極(アノード、anode)・・・Zn板の一部がイオン化し、希硫
酸中に溶解, 吐き出された電子は導線を通じてCuへ移動電子はZnか
らCuへ・・・・電流はCuからZnへ流れる → Cuの表面で起こる還元は,
溶出した亜鉛の還元(Zn2+ + 2e− →Zn)と希硫酸中のH+(2H+ + 2e− →
H2) の還元があるが、ZnのほうがHよりイオン化傾向が大きく溶液中で
Zn2+で存在するほうが安定である。従って、硫酸中のH+→H2反応が銅
板の表面で進む・・Cuは陽極(カソード, cathode)2H + + 2e− →
H2↑
負極 Zn → Zn2+ + 2e−
正極 2H+ + 2e− → H2
溶液 H2SO4 → SO42- + 2H+、Zn2+ + SO42- → ZnSO4
Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2↑
起電力1.1 V、
欠点:正極で発生するH2がCu板を覆い起電力が低下(H2の方がCu
よりイオン化傾向大なためe−をCu板に吐き出しH+になりたがる)・・
+
分極(polarization)という・・H
↑を避けるには、生じるH
を酸化(H
分極
2
2
に)する酸化剤が必要・・・減極材
減極材という
減極材
ダニエル電池 1836 減極材=銅イオン 日本に初めて渡来1854 ペ
ルリ
佐久間象山:電信機作成
(Wikipedia) J.F.Daniell(イギリス)が1836年に発明した電池のことで、
起電力1.1Vの化学一次電池である(二次電池ともなる)。ボルタ電池は、
希硫酸にマイナス側が亜鉛極板、プラス側が銅極板という組合わせで
あるが、プラス側で水素が発生して分極をおこし、すぐに起電力がなく
なる欠点があった。ダニエル電池は素焼きの容器(多孔質素焼き仕切
り)で電解液を分離しプラス側に硫酸銅溶液、マイナス側に硫酸亜鉛
溶液を用いることによって起電力の変化が少なく、気体も発生しない
実用性が向上した電池となった。ダニエル電池の放電を持続させるた
めには、ZnSO4水溶液の濃度を薄く、CuSO4水溶液の濃度を濃くする
と良い。
改良点・・正極(Cu)側電解液:CuSO4水溶液、負極(Zn)側電解液:
ZnSO4水溶液、 隔壁で仕切る
負極
Zn → Zn2+ + 2e−, Zn2+ + SO42− → ZnSO4
正極
CuSO4 + 2e− → Cu + SO42−
Zn + CuSO4 → ZnSO4 +Cu
)
電気化学の祖とされるイギ
リスの化学者ジョン・ダニ
エル(左)とファラデー(
右)
課題:素焼き版を通して電解液の混合が生じ、分極を誘起した。Zn
は電解液に溶け出し易く、時間とともに容量が減少(自己放電
自己放電)
自己放電
以下 これまでの問題 と 解答・説明
1)反応式を記述せよ
a) 希硫酸に水酸化ナトリウム水溶液を加える
b) 希塩酸に水酸化バリウム水溶液を加える
c) 水酸化ナトリウム水溶液に炭酸ガス(二酸化炭素)を吸収させる
d) 炭酸カルシウムに希塩酸を十分に加えると、気体を発生して溶ける
e) 石灰水(水酸化カルシウム水溶液)に炭酸ガスを通じると、水溶液が白濁する
f) 上記の白濁水溶液にさらに炭酸ガスを通じると、無色水溶液となる
a H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O (等モルでの反応によるNaHSO4の生成
も可とします H2SO4 + NaOH→NaHSO4 + H2O)
b 2HCl + Ba(OH)2 → BaCl2 + 2H2O
c 2NaOH + CO2 → Na2CO3 + H2O(等モルでの反応によるNaHCO3の生成も可
としますNaOH + CO2 → NaHCO3)
d CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2
e Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O
f CaCO3 + H2O + CO2 → Ca(HCO3)2
a) H2SO4 + NaOH → NaHSO4 + H2O, NaHSO4 + NaOH → Na2SO4 + H2Oより
H2SO4 + 2NaOH → Na2SO4 + 2H2O
NaHSO4はNa2SO4に濃硫酸を加え冷却して得られる。Na2SO4 + H2SO4 → NaHSO4
b) 2HCl+Ba(OH)2 → BaCl2 + 2H2O 水酸化バリウムの水溶液(バリタ水
バリタ水)は強アルカリで、
バリタ水
空気中の炭酸ガスを吸収してBaCO3の沈殿を生じる。
c) NaOH +CO2→NaHCO3 (重曹
重曹、重炭酸ソーダ
重曹 重炭酸ソーダ:
重炭酸ソーダ 弱いアルカリ性、洗剤、フクラシ粉),
NaHCO3 + NaOH → Na2CO3 + H2O
2NaOH +CO2→Na2CO3+H2O 重曹はNa2CO3+H2O+CO2→2NaHCO3で作成
d,e) ガスの発生や沈殿の生成を↑、↓で示すほうが良い
e,f) Ca(OH)2 消石灰、水溶液は石灰水
石灰水 強アルカリ。
消石灰
炭酸カルシウム(CaCO3)は、炭酸ガスを含む水に溶解して炭酸水素カルシウム
Ca(HCO3)2となる。
実験室で炭酸ガスを製造するには、炭酸カルシウムに酸を加える。
天然石灰石は多量の炭酸カルシウムをふくみ、鍾乳石の母体である。
2) 次の塩の種類(正塩、酸性塩、塩基正塩、複塩、錯塩)およびその水溶液は何性(酸性、
塩基性、中性)か
化 学 NaCl BaCl2 Na2CO3 NH4NO3 Ca(NO3)2 Cu(OH)NO3 AlK(SO4)2 NaHSO4 [Ag(NH3)2]Cl
式
種類 正塩 正塩 正塩
正塩
正塩
塩基性塩 複塩
酸性塩 錯塩
液性 中性 中性 ア ル カ 酸性
中性
酸性
酸性
酸性
酸性
リ性
説明
加水分解によって生じる酸、
加水分解によって生じる酸、塩基の強さを判定する。
塩基の強さを判定する。
1. NaCl + H2O ≠> HCl + NaOH 強酸と強塩基であり、
強酸と強塩基であり、加水分解しない。
加水分解しない。溶液は中性
2. BaCl2 + 2H2O ≠> 2HCl + Ba(OH)2 強酸と強塩基であり、
強酸と強塩基であり、加水分解しない。
加水分解しない。溶液は中性
3. Na2CO3 + 2H2O → H2CO3 + 2NaOH 弱酸と強塩基であり、
弱酸と強塩基であり、溶液は塩基性
4. NH4NO3+H2O→ HNO3 + NH4OH 強酸と弱塩基であり、
強酸と弱塩基であり、溶液は酸性
5. Ca(NO3)2 + 2H2O ≠> 2HNO3 + Ca(OH)2 強酸と強塩基であり、
強酸と強塩基であり、加水分解しない。
加水分解しない。溶液は中
性
6. Cu(OH)NO3+ H2O →Cu(OH)2+HNO3強酸と弱塩基であり、
強酸と弱塩基であり、溶液は酸性
7. AlK(SO
AlK(SO4)2+ 2H2O → Al(OH)3+KOH+H2SO4
8. NaHSO4+ H2O ≠>強酸と強塩基であり
≠>強酸と強塩基であり、
強酸と強塩基であり、加水分解しない。
加水分解しない。酸性塩で溶液は酸性
9. [Ag(NH3)2]Cl+
]C + H2O →[Ag(NH3)2]OH+ HCl
酸
強酸
弱酸
HCl, HNO3, H2SO4
CH3COOH, H2S, H2CO3, H3PO4
塩基
強塩基
弱塩基
NaOH, KOH, Ca(OH)2, Ba(OH)2
NH3
3) 中和滴定、pH
a) 水は電離して[H+], [OH−]となり、その濃度の積を水の[A]KWといい
(用語)、 Kw= [H+][OH−] =10−14 (mol/l)2
b)純水では[H+]=[OH−]= [B]である(数値を)。
c)[H+] = [OH−]の状態を中性といい、濃度[H+]は 酸性で[C],塩基性で
[D]である(不等式)。
d)水素イオン指数pHの定義式は[E] (数式)
e)中性水溶液のpH= [F], 酸で[G], 塩基で[H]である。(数値及び不等
式)
f) pH=4の溶液とpH=6の溶液でどちらの溶液の酸性が強く[I]、[H+]の濃度
は何倍か[J](言葉と数値)
g) 酸HAの電離平衡式は HA ⇌ H+ + A− で、解離定数(平衡定数)Ka を
表示せよ[K](式)
h) pKaの定義式は[L](式)
i) 共役酸塩基でのpKa とpKbはどういう関係で示されるか[M](式)
j)1モル濃度(mol/l)の塩酸水溶液のpH(数値)[N]
k) 1モル濃度のNaOH水溶液のpH(数値)[O]
l) 0.010 モル濃度の塩酸水溶液のpH(数値)[P] ただしlog2 = 0.3とする
m)0.010モル濃度の水酸化バリウム水溶液のpH[Q]
B 10-7 mol/l 単位を必ずつけ C [H+]>10-7 D [H+]<10-7 E −log[H+]
mol/l
mol/l
る
F 7
G pH < 7
H pH > 7
I pH = 4
J 102
M pKa + pKb N pH = 0
K Ka=[H+][A−]/[HA]
L pKa = −logKa
O pH =14
= 14
P pH= −log10-2=2.0
Q [OH−]=2 ×10-2
[H+]=10-14/2 ×10-2
pH =12 +log2 = 12.3
P: HClは強酸であり、[H+] = 1.0 ×10−2 mol/l → pH = −log(1.0 ×10−2) = 2.0 − log 1 = 2.0
Q: Ba(OH)2は2価の強塩基なので、[OH−] = 2 × 1.0 ×10−2 mol/l = 2.0 × 10−2 mol/l
→ pH = 14 + log 2.0 × 10−2 =14 + (−2 + log 2) = 12.3
[H+] = 10−14/[OH−] = 10−14/2×10−2 =10−12/2 → pH = −log 10−12/2 = 12 + log 2 = 12.3
Aイオン積
4)濃度未知のアンモニア水の5.0mLを水で100mLに希釈し、その希
釈溶液10.0mLを0.10規定の塩酸50.0mLに加え混合した。反応溶液中
に 残 っ て い る 塩 酸 を 0.10 規 定 の NaOH 水 溶 液 で て き て い し た ら 、
12.5mLを要した。初めのアンモニア水の濃度は何規定か
濃度未知のアンモニア水の濃度をx(N)とすると
薄めたアンモニア水の濃度 5.0x/100 (N) より
0.10×50.0/1000 = 5.0x/100 × 10.0/1000 + 0.10 × 12.5/1000
x=7.5 (N)
5)0.1規定のアンモニア水の電離度(α)は25ºCにおいて0.013である。
この水溶液のpHはいくらか[小数点以下第2位まで]。ただし、log 13
= 1.11とする。
NH3 + H2O → NH4+ + OH‒ [OH‒] = Nα = 0.1×0.013 = 1.3×10‒3 (mol/l)
[H+]=1×10‒14/1.3×10‒3 =1/13 ×10‒10 (mol/l)
pH = ‒log(1/13 ×10‒10) = 10 ‒ log1 + log13 =10 ‒ 0 + 1.11 = 11.11
6) ある塩基の水溶液の水素イオン指数をxとし、この溶液の規定度
を求めよ(電離度α)
6) x = −log[H+]より
より[H
αより
より +]=10−x (mol/l), [OH−]=10−14/10−x = 10−14+x, [OH−] = Nα
N=[OH−]/α = 10−14+x/α = (1/α
α)×
×10−(14−−x) 規定
A) 酸化数を求める、(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ・・で記しても良い +、-忘れずに)
1) CO, CO2, CH4の炭素, 2) H2S, SO2, SO3の硫黄
3) NaH, CaH2のNa, Ca, 水素, 4) HNO3の水素、窒素、酸素
5) NH3, N2O(笑気), NO, NO2の窒素
1
2
3
4
5
CH4 −4
CO +2
CO2
+4
H2S −2
SO2 +4
SO3 +6
H −1
Na +1
Ca +2
O −2
H +1
N +5
NH3 −3, N2O +1, NO +2, NO2 +4
B)次の化合物、イオンの下線部原子の酸化数を記す
1) MnCl4、2) H2C2O4, 3) CrO42−, 4) LiH, 5) BaO2
1) Mn +4
2) C +3
3) Cr +6
4) H −1 5) O −1
C) 次の反応は[ ]内の元素にとり、酸化か還元か
[Na]
1) 2Na + O → Na2O
2) 2HCl → H2 + Cl2 [Cl]
3) Na → Na+ + e−
[Na]
4) 2Na2O → 4Na + O2↑ [Na]
5) Cl2 + H2 → 2HCl
[Cl]
6) Fe2O3 + 2Al (この混合物をテルミットという) → 2Fe +
Al2O3 [Fe]
[Al]
1) 酸化 2)酸化 3)酸化 4)還元 5)還元
Na
Cl
Na
Cl
Na
0→+1 −1→0 0→+1 +1→0 0→−1
6)
[Fe] 還元
+3→+2
[Al] 酸化
0→+3
D) 次の反応で、下線をつけた物質は酸化されるか還元さ
れるか
1) 2Na + 2H2O → 2NaOH + H2
2) SO2 + 2H2S → 3S + 2H2O
3) H2O2 + 2KI → 2KOH + I2
4) NH3 + HCl → NH4Cl
5) Zn(OH)2 + 2NaOH → Na2[Zn(OH)4]
6) 2SnCl2 + 4HCl +O2 → 2SnCl4 + 2H2O
1 酸化
2 還元
3 還元
Na:
Na:0→+1 S:+4→
+4→0
O:-1→
:-1→ー2
O:-2→
+1→
→+1
:-2→ー2 H:+1
I:-1→
-1→0
4 変化なし
変化なし
N:-3→
-3→ー3
H:+1→
:+1→+1
Cl:
Cl:-1→
-1→ー1
5 変化なし
6 酸化
変化なし
Zn:+2
:+2→
→+4
Zn:+2→
:+2→+2 Sn:+2
Sn:+2
O:-2→
:-2→ー2 O: 0→ー2
H:+1→
:+1→+1
Na:
Na:+1→
+1→+1
E)次の酸化還元反応で、以下の問いに答えよ。
1) 2H2S(g) + SO2(s) → (a) + (b)
2) 2KI(aq) + Br2(aq)→ (c) + (d)
3) 2KClO3(s) + MnO2(s) →加熱→ (e)+ (f) + (g)
4) 2KMnO4(aq) + 5H2O2(aq) + 3H2SO4(aq) → (h) + (i) + (j) +
8H2O
5) (NH4)2Cr2O7(s) →加熱→(k) + (l) + (m)
①反応式を完結せよ()生成物の順は問わない。変化しな
いものはそのまま記入。g, s, aqは不必要
a 2H2O b 3S
h K2SO4 I
2MnSO4
c 2KBr
j 5O2
d I2
k Cr2O3
e 2KCl
l N2
f 3O2
m 4H2O
g MnO2
F) 化学反応を記し、表中の元素の酸化数の変化を示せ
1) 水素気流中で酸化銅(II)を熱する
2)酸化マンガン(IV)に濃塩酸を加えて熱する
3)塩化鉄(III)の希塩酸溶液に塩化スズ(II)の希塩酸溶液を加える
4)過マンガン酸カリウムの硫酸酸性溶液に過酸化水素水をくわえる。
5)黄燐(白燐)を空気中で燃焼させる。
6)銅に濃硫酸を加え熱する。
反応
酸化数
反応前→反応後
1 CuO + H2 → Cu + H2O
銅 +2 → 0
2 MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2
Cl −1 → 0
3 2FeCl3 + SnCl2 → 2FeCl2 + SnCl4
Sn +2 → +4
4 2KMnO4 + 3H2SO4 + 5H2O2 → K2SO4 + Mn +7 → +2
2MnSO4 + 8H2O + 5O2
5 4P + 5O2 → P4O10
燐
0 → +5
6 Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + SO2 + 2H2O
S +6 → +4
上記の反応で素直でないのは4である。
4)KMnO4の方がH2O2より酸化能力が大きいため、KMnO4は酸
化剤(相手から電子を奪う)、H2O2は還元剤(相手に電子を与え
る)となる。そのときの酸化剤、還元剤の反応は
○酸化剤 MnO4+ → Mn2+であり、5電子還元だから
5e−を入れた式を作る
MnO4− + 5e− →Mn2+
この式にH+を入れて左右の総価数、原子数を左右等しくした反
応式を作る。
MnO4− +5e− + 8H+ → Mn2+ + 4H2O
(1)
○還元剤 H2O2 → O2 + 2H+ + 2e− (2) (H2O2が酸化剤ならば反
応はH2O2+2H+ + 2e− → 2H2O)
2×(1) + 5× (2) 2MnO4− + 5H2O2 + 16H+ → 2Mn2+ + 5O2 +
8H2O + 10H+
H+起源を硫酸に、MnO4−の相手陽イオンをK+にして調整する。
6)Cu, Hg, Agは希硝酸、濃硝酸、熱濃硫酸に溶け、それぞれ
NO, NO2, SO2を発生
G) 蓚酸は2分子の結晶水をもつ無色の結晶で、その水溶液は弱い
酸として働く。蓚酸は酸化剤に会うと、酸化されて二酸化炭素になりや
すく、還元剤として働く。
1)蓚酸の示性式は(a)であり、(b)塩基酸である。
2)蓚酸が酸化剤にたいして、還元剤として働く反応のイオン式は
(c)
3)希硫酸溶液中における蓚酸と過マンガン酸カリウムとの反応は次
の化学反応である。
(d) + (e)H2C2O4 + 3H2SO4 → (f) + (g) + 10CO2 + 8H2O
4)(3)で用いたKMnO4のマンガン原子の酸化数は(h)である。また生
成したマンガン化合物のマンガン原子の酸化数は(i)である。
5)0.05 mol/lの蓚酸溶液20mlをとり、希硫酸で酸性とし(j)mol/lの過
マンガン酸カリウム溶液で滴定した。過マンガン酸カリウムの色が消
えるまでに要した容積は20mlであった。
a (COOH)2
b 2 d 2KMnO4 e 5 f K2SO4 g 2MnSO4
c H2C2O4→2H+ + 2CO2 + 2e−
h +7
I +2 j 0.02
H)次の反応での酸化剤、還元剤を示す
1) CuO + H2 → Cu + H2O
酸化剤
還元剤
2) Zn + 2H+ → Zn2+ + H2
酸化剤
還元剤
3) H2O2 + 2KI + H2SO4 → K2SO4 + I2 + 2H2O 酸化剤
還元剤
1) 酸化剤 CuO 還元剤 H2
2) 酸化剤 H+ 還元剤 Zn
3) 酸化剤 H2O2 還元剤 KI
I) 次の反応での化学反応式を記す
1) 銅に希硝酸を加えると、一酸化窒素が発生して銅が溶解する。
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑
2) 硫酸で酸性にした過マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素を加
えると酸素が発生する。
2KMnO4 + 3H2SO4 + 5H2O2 → K2SO4 + 2MnSO4 + 8H2O + 5O2↑
3) 硫酸で酸性にした二クロム酸カリウム水溶液に二酸化硫黄を通じ
ると、水溶液の色が橙黄色から緑色に変化する。
K2Cr2O7 + H2SO4 + 3SO2 → Cr2(SO4)3 + K2SO4 + H2O
4) 銅に濃硫酸を加えて加熱すると、気体が発生して銅が溶解する。
Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + SO2↑ + 2H2O
5) 酸化マンガン(IV)に濃塩酸を加えて加熱すると、気体が発生する。
MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2↑
6) 硫化水素水溶液に二酸化硫黄を通じると水溶液が白濁する。
2H2S + SO2 → 2H2O + 3S↓
電池,
電池, ファラデーの法則
1) 水素と酸素が反応して水ができた。
酸化剤、還元剤はそれぞれ何か
還元剤はそれぞれ何か
水素と酸素が反応して水ができた。酸化剤、
酸化剤 酸素
還元剤 水素
2) 硫酸銅の
硫酸銅の(
(A)色の水溶液に亜鉛板と銅板を入れると(
色の水溶液に亜鉛板と銅板を入れると(B)板が溶け出し、
板が溶け出し、溶液
の色は(
の色は(C)となり、
となり、亜鉛板の表面は(
亜鉛板の表面は(D)色になります。
色になります。これは(
これは(E)が析出した
ためである。
ためである。この反応は以下である。
この反応は以下である。
Zn → Zn2+ + 2e−
Cu2+ + 2e− → Cu
解】青、亜鉛、
亜鉛、無色、
無色、赤、銅
3)希硫酸に銅板と亜鉛板をいれ導線で結んだのがボルタ電池
希硫酸に銅板と亜鉛板をいれ導線で結んだのがボルタ電池である
ボルタ電池である。
である。イオン化
傾向から
傾向から、
から、 (A) 板が正極、
板が正極、(B) 板が負極となり、
板が負極となり 、 電子は(
電子は(C ) 極から(
極から( D)極へ流
れ、電流は(
電流は(E)極から(
極から(F)極へ流れる。
極へ流れる。正極、
正極、負極での電極反応
負極での電極反応は以下である
電極反応は以下である。
は以下である。
正極:
負極:
●酸化還元という化学反応エネルギー
酸化還元という化学反応エネルギーを
化学反応エネルギーを電気エネルギーに変換するのが電池である
電気エネルギーに変換するのが電池である。
に変換するのが電池である。電
解質溶液中にイオン化傾向の異なる2種類の金属板を入れる
解質溶液中にイオン化傾向の異なる2種類の金属板を入れる
解】A銅、B亜鉛、
亜鉛、C亜鉛(
亜鉛(負)、D銅(正)、E銅(正)、F亜鉛(
亜鉛(負)
正極 2H+ + 2e− → H2↑
負極 Zn → Zn2+ + 2e−
溶液 H2SO4 → SO42- + 2H+、Zn2+ + SO42- → ZnSO4
全体 Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2↑
4) 溶融食塩(
溶融食塩(NaClの融点
NaClの融点800
の融点800℃
800 ℃以上に加熱溶融したもの)
以上に加熱溶融したもの) に電極を2本入れ電流
を通じると それぞれ の電極で化学反応が起きる。
の電極で化学反応が起きる 。 陽極、
陽極 、 陰極での反応(
陰極での反応 ( 電気分
解)を記す。
を記す。
陽極:
陰極:
解】陽極 2Cl−(l) → Cl2(g) + 2e− 酸化反応
陰極 2Na+(l) + 2e− → 2Na(s)
還元反応
5)食塩水の電気分解では異なる状況が生じる。
食塩水の電気分解では異なる状況が生じる。電気分解反応を記す。
電気分解反応を記す。
解】正極(陽極) 2反応が競合 2Cl−(aq)→Cl2(g) + 2e− (NaCl溶融塩での反応同じ)
2H2O(l) → O2(g) + 4H+(aq) + 4e− (水の酸化)
負極(陰極) 2反応が競合 2H2O(l) + 2e− → H2(g) + 2OH−(aq)
(水の還元)
2Na+(aq) + 2OH−(aq) → 2NaOH(aq) (溶融塩での反応に似る)
計
2Na+(aq) + 2Cl−(aq) + 2H2O(l) → 2NaOH(aq) + Cl2(g) + H2(g)
6) 水の電気分解反応で酸素ガスと水素ガスが生じる。
水の電気分解反応で酸素ガスと水素ガスが生じる。それぞれどち
らの電極で発生したか。
らの電極で発生したか。 10時間で
10時間で100
時間で100g
100gの水を分解するには、
の水を分解するには、少なくと
も何アンペアの定電流が必要か。
も何アンペアの定電流が必要か。
解】酸素は陽極、水素は陰極
水1mol
水1molの分解には
molの分解には2F
の分解には2Fの電気量が必要であり、
2Fの電気量が必要であり、
I (10x3600)=(100/18)x2x96500より、
(10x3600)=(100/18)x2x96500より、 I = 29.8A
電池, ファラデーの法則
1)希硫酸を白金電極で電気分解した。1mAの電流を10時間通じた
ときの両極に発生する気体の種類と体積(25℃、1atm)を求めよ。
解】⊕極 H2O → 1/2O2↑ + 2H+ + 2e‒, ⊖極 2H+ + 2e‒ → H2↑
水1molから2molの電気量(2F)で酸素0.5mol、水素1molを生成する。
発生する水素のモル数をnとすると
0.001(A)x (10時間´3600) = n(モル)x 2x96500 (クーロン)
左辺 It 流した電気量
右辺 n|z|F
より、負極から水素の生成量は0.000187molで4.2x10−3 L. 正極から
酸素はその半分の2.1x10−3 L。
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