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天草市特別会計(病院事業会計)に関する提言書

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天草市特別会計(病院事業会計)に関する提言書
天草市特別会計(病院事業会計)に関する提言書
平成25年3月28日
天草市行財政改革審議会
目
○
提言にあたって
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1 改革の必要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 人口動向から見た必要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2) 財政面から見た必要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3) 天草圏域の抱える病床数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4) 地域包括ケアシステムの実現に向けた動き ・・・・・・・・・・・・
(5) 地域完結型医療の必要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※ 参考:
「公立病院改革ガイドライン」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
【公立病院改革の3つの視点(
「公立病院改革ガイドライン」の抜粋)
】 ・・・
① 経営効率化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
② 再編・ネットワーク化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
③ 経営形態の見直し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 「あり方答申」のポイントと当審議会での議論の関係 ・・・・・・・・・・
3 「市立病院等のあり方答申」と「天草市病院改革プラン」との比較 ・・・・
(1) 天草市立病院に求められる役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2) 財務の視点から見た経営の現状と問題点 ・・・・・・・・・・・・・
(3) 各市民病院の経営状況について ・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4) 天草市立病院の今後の方向性について(経営主体) ・・・・・・・・
(5) 天草市の役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4 論点の整理と検討内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 再編・ネットワーク化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2) 経営効率化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3) 経営形態の見直し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5 審議会としての提言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 再編・ネットワーク化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
① あり方答申の中でも示された「マグネット病院」について、医療機関
のネットワークにおける市立病院の役割について ・・・・・・・・
② 二次医療圏の中での市立病院の役割の明確化について ・・・・・・
③ 市立病院に求められる医療機能について ・・・・・・・・・・・・
(2) 経営効率化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
① 病床数の削減について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
② 平均在院日数の改善について ・・・・・・・・・・・・・・・・・
③ 職員給与比率あるいは給与水準の適正化について ・・・・・・・・
④ 地方公営企業法の全部適用の適切な運用について ・・・・・・・・
⑤ 高水準の看護基準の取得、DPCなど診療報酬基準の取得等について
⑥ 市の一般会計からの繰入金の見直しについて ・・・・・・・・・・
⑦ 医師及び看護師等の確保・育成、経営人材の確保について ・・・・
⑧ 保健・医療・福祉の連携について ・・・・・・・・・・・・・・・
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(3)
経営形態の見直し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
① 地方公営企業法全部適用の是非について ・・・・・・・・・・・・ 12
② 指定管理者制度の導入や独立行政法人化等の経営形態の見直しの是非
について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
(参考資料) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
天草市行財政改革審議会では、平成24年3月に「第2次行財政改革大綱の推進に
関する提言書」の中で、特別会計の見直しに関する提言を行い、「本審議会において
も平成24年度の重点事項として病院事業会計などの「特別会計の見直し」について
審議を行う。」としたところである。
本審議会では、議論にあたり、病院事業会計を中心に、関連のある国民健康保険特
別会計を含め議論を行うこととした。
まず、両会計を市の財政との関係で整理すると、一方が改善すれば一方が悪化する
といった関係も見られる。両会計の安定経営を図るためには、病院事業においては、
「再編ネットワーク化」、
「経営効率化」、
「経営形態の見直し」といった取組みが重要
であり、また、国民健康保険事業では、「収入の確保」、「医療費の適正化」、「健康増
進や保健事業の充実」が重要であると考えられる。一般の会計は、支出額に応じて事
業の種類や規模を決めて予算を組み、年度途中での収入の見込額に減少が予想されれ
ば事業を縮小して収支の均衡を図ることも可能であるが、国民健康保険の場合は、支
出額は被保険者の医療需要に応じて変動するものであって、保険税収入が十分でない
からといってこれを抑えることは出来ないという性質を持っている。
そのため、両会計の安定経営の実現には、病院事業そのものの在り方と、医療・保
健・福祉の連携といった取組みが重要であると考えられる。
このことについては、既に「市立病院等の地域医療へのかかわりと経営のあり方に
関する答申(平成 20 年 8 月)」
(以下「あり方答申」という。)の中で具体的に課題が
整理され、必要な対応について指摘されている。またこれを踏まえ、平成 21 年 3 月
には「天草市立病院改革プラン」が策定されたところである。そのため、本審議会で
はあり方答申に対し、「天草市立病院改革プラン」に基づく取組みの中で実行できて
いないことのうち実行すべきと考えられることに焦点をあて議論した。本提言書は、
その議論をもとにとりまとめを行ったものである。
市においては、平成25年度に「天草市立病院改革プラン」に関する検証が行われ、
25年度中に新たな改革プランが策定される予定であるが、別途審議会等を立ち上げ
ることなどにより、本提言書の内容を念頭に、策定作業を進めていただきたい。また、
地域完結型の医療システムの構築にあたっては、市の健康福祉部局を中心とした、医
療、保健、健康、福祉が連携した取組みが重要であり、そうした取組みも併せて推進
していただきたい。
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1
改革の必要性
(1) 人口動向から見た必要性
全国的に人口減少と少子高齢化が急速に進む中、天草市においてはその状況は
更に深刻で、5年間で約7,000人の人口が減少している。人口減少は推計を
上回るペースで進んでおり、今後もこの傾向は続くと見込まれている。65歳未
満については、全ての年齢層において人口が減少しているものの、65歳以上の
高齢者数は増加している。今後も人口は更に減少することが推測されるが、医療
ニーズが特に高い65歳以上の高齢者数は2020年頃までは増加するものの、
それ以降は減少に転じ、これに合わせ医療需要も低下していくことが見込まれる。
財政的に厳しい状況が見込まれる中、将来的に医療需要が低下することを念頭に、
段階的に改革を進めていくことが、天草市における公的医療サービスを維持して
いくうえで重要な視点と考えられる。
(2) 財政面から見た必要性
平成18年に合併した天草市は、合併による普通交付税の特例措置を受けてい
るが、平成27年度にはその特例期間も終了し、平成28年度から32年度にか
けて段階的に減少する。これにより平成33年度以降の交付税額は、現在よりも
年間約60億円減少する見込みとなっており、市の財政は厳しい状況になると見
込まれる。
現在、病院事業に対する市の一般会計からの繰出金は、病院事業に関連する交
付税措置に準拠した算定を行っているが、交付税額については、人口等に影響さ
れるとともに、国の方針等による不確定な要素もあることから、今後は交付税の
減少と併せて繰出金についても減少せざるを得ない状況となる。このような状況
から、病院事業においては、繰出金に依存しない経営を早期に確立させる必要が
ある。
また、国民健康保険特別会計の支出額は被保険者の医療需要に応じて変動する
ものであって、保険税収入が十分でないからといってこれを抑えることは出来な
いという性質を持っているため、市立病院の改革や保健・医療・福祉の連携を通
じた医療費の適正化に向けた取組みが重要となる。
(3) 天草圏域の抱える病床数
天草圏域においては、医療法に定める基準病床数に比べ、既存病床数が他の地
域と比較して多くなっており、特に療養病床の数が多くなっている。また、結核
病床については、県下246病床数のうち、46床が天草市立栖本病院の病床と
なっている。
※基準病床数
病院の病床及び診療所の病床の適正な配置を図ることを目的として、医療法第 30 条の4第 2 項第 12
号の規定に基づき定めるもの。療養病床及び一般病床については二次保険医療圏ごとに、精神病床、結
核病床、感染症病床は県全域で定めるもの。
いわゆる病床過剰地域における病院の開設、増床、病床種別の変更又は診療所の病床の設置、増床に
関しては、医療法の規定に基づき開設の中止、増床数の削減等、勧告の対象となる。
(4) 地域包括ケアシステムの実現に向けた動き
「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」(平
成24年4月1日施行)においては、団塊の世代が75歳を迎える平成37年度
の高齢者像を見据えて、可能な限り住み慣れた地域で、その有する能力に応じ自
立した日常生活を営むことができるよう、①介護、②予防、③医療、④生活支援、
⑤住まいの5つのサービスを一体化して提供していくという「地域包括ケアシス
テム」の実現に向けた取組みを目指すこととされている。
2
こうしたことを踏まえ、地域の病院、施設、居宅サービス事業所、地域包括支
援センター等の関係機関の新たな連携システムの構築に向けた取組みを進める
必要があり、その中での市立病院のあり方を検討していく必要がある。
(5) 地域完結型医療の必要性
天草市は高速道路網が未整備であり、熊本市からの時間距離が遠く、また、周
囲を海で囲まれた地域である。このため、他の医療圏との医療提供体制を相互補
完するドクターヘリなどの離着陸のためのヘリポートの整備などが進められる
など、相互補完体制の改善が進められているものの、未だ地域完結型の医療提供
体制を完全に確保することが困難な地域である。
また、面積も県内で最も広い市であり、救急医療や周産期医療のニーズが高く
なっている。その一方で医師不足に悩まされており、こうしたニーズに十分に対
応できていない現状もみられる。
※
参考:「公立病院改革ガイドライン」
総務省は、平成19年12月に「公立病院改革ガイドライン」を策定し、市立
病院をはじめとする公立病院の抜本的な改革の実施を求めている。
その中で、公立病院の果たすべき役割として、「端的に言えば、地域において
提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供
が困難な医療を提供することにある。」とされ、自ら果たすべき役割を見直し、
改めて明確化すると同時に、これらを踏まえ、一般会計等との間での経費の負担
区分について明確な基準を設定し、健全経営と医療の質の確保に取り組む必要が
あるとしている。
また、公立病院改革の3つの視点として、「再編・ネットワーク化」、「経営効
率化」、
「経営形態の見直し」をあげており、これらに関連する取組みが求められ
ている。
【公立病院改革の3つの視点(
「公立病院改革ガイドライン」の抜粋)】
①経営効率化
各公立病院が自らの役割に基づき、住民に対し良質の医療を継続的に提供していく
ためには、病院経営の健全性が確保されることが不可欠である。この観点から、主要
な経営指標について数値目標を掲げ、経営の効率化を図ることが求められる。
②再編・ネットワーク化
近年の公立病院の厳しい経営状況や道路整備の進展、さらには医師確保対策の必要
性等を踏まえると、地域全体で必要な医療サービスが提供されるよう、地域における
公立病院を、a 中核的医療を行い医師派遣の拠点機能を有する基幹病院とb基幹病院
から医師派遣等様々な支援を受けつつ日常的な医療確保を行う病院・診療所へと再編
成するとともに、これらのネットワーク化を進めていくことが必要である。
この場合において、地域の医療事情に応じ、日本赤十字社等の公的病院等を再編・
ネットワーク化の対象に加えることも検討することが望ましい。
③経営形態の見直し
民間的経営手法の導入を図る観点から、例えば地方独立行政法人化や指定管理者制
度の導入などにより、経営形態を改めるほか、民間への事業譲渡や診療所化を含め、
事業のあり方を抜本的に見直すことが求められる。
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「あり方答申」のポイントと当審議会での議論の関係
天草市では、平成19年3月、市立病院及び診療所が果たすべき役割及びその
経営のあり方について調査審議するため、「市立病院等の経営のあり方等に関す
る審議会」が設置され、20年8月に「あり方答申」を受けている。その答申を
踏まえて、「天草市立病院改革プラン」が策定(21年3月)されている。
あり方答申の「基本的な考え方」は以下のとおりである。
1)原則として、天草医療圏において先進医療までの完結型医療ネットワーク
を構築する。
2)天草保健医療圏における高度医療を担う天草地域医療センターをこのネッ
トワークの中核病院としてマグネット病院機能を持たせ、本渡地区と牛深・
河浦地区にそれぞれ拠点医療施設を置く。前者は天草中央総合病院を核とし、
後者は牛深市民病院と河浦病院との統合により「天草南医療センター(仮
称)」として拠点病院を整備する。
3)このため現在の4つの市立病院は、それぞれこのネットワークにおける分
担機能を担うための病院・診療所に再編統合する。
4)再編統合された新たな市立病院は公設民営化し、指定管理者制度により経
営する。
当審議会では、このあり方答申に沿って病院改革が進められていない点がある
として、早急に実行すべきもののうち、実行できていないものについて、他の先
進事例等も参考としながら、集中的に議論を行った。
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3
「市立病院等のあり方答申」と「天草市立病院改革プラン」との比較
「市立病院等のあり方答申」と「天草市立病院改革プラン」との比較にあたり、
答申の柱に沿って、主要なポイントとそれに対する病院改革プランに基づく取組み
や実績等を比較し、まず論点を抽出した。その概要は以下のとおりである。
(1) 天草市立病院に求められる役割
市立病院等のあり方答申(20年8月)
市立病院等のあり方答申(20 年 8 月)
天草市病院改革プランでの取組み
天草市立病院改革プランでの取組み
●市民が健康な生活を送るための支援として、地域の民間
医療機関と連携して必要な医療が受けられる地域医療体制
を整備することが求められている。
●かかりつけ医と、慢性期医療や在宅医療ケアなどを担う医
療施設、急性期や高度な医療に対応する病院に役割を分
化し連携させていくこと。
●市立病院は、医師会立病院、公的病院、民間病院等と連
携したネットワークの中で、天草市域の地域医療の確保にあ
たるという役割が期待されている。
●天草市で高度で多様な地域医療を受ける事ができる環境
を維持・充実させていくことを目指すべきである。
●平成19年3月に実施されたアンケート調査では、市立病
院がある地域を含めて、病院は「天草市立病院でなければ
ならない」と考える住民の割合は、全体の22%。逆に「民間
でもよい」は71%。
市立病院は、一般医療とともに、地域において提供が必
要な医療のうち、民間医療機関による提供が困難な救急
医療や不採算医療、へき地医療などの政策的な医療を行
なう。
【基本方針】
①天草市は、市民の生涯にわたる健康な生活を支援する
施策として、病院事業を継続し、市民の健康と福祉の増進
に努める。
②市立病院は、今後も連携して天草市域を対象とした地
域医療の確保に努める。
③市立病院は、「安定した経営基盤の確立」、「安全・安心
の医療提供」を目指した経営改革を進める。
論点
○市立病院は、他の病院とのネットワーク化の中での位置づけが不明確ではないか。そのため市立病院
の役割が依然として不明確ではないか。天草地域の過剰な療養病床についてどのように考えるか。
○経営体制も含めて、市民ニーズに応える医療体制となっているのか。
(2) 財務の視点から見た経営の現状と問題点
市立病院等のあり方答申(20年8月)
市立病院等のあり方答申(20 年 8 月)
天草市立病院改革プランでの取組み
天草市病院改革プランでの取組み
●現在の市立病院においても、収益が足りない分を補う市
の繰出し金7億円のうち多くは交付税で負担されているの
で市の純粋な負担は1億数千万円にすぎない。
●経費に占める人件費の割合が極めて高く、個の問題点
の解決には、病院規模に見合った医業収益をあげることで
、総事業費に占める人件費の割合を下げる努力を行うか、
病院規模の縮小や廃止を行うしかない。
●まず、医業収益増加策により、経常経費の赤字を脱し、
一般会計からの繰入金を交付税算定額を参考に縮減する
ことをめざす。
●4つの病院をそれぞれ単独に改善することはもはや限界
であると判断しており、市立病院全体を一つの病院システ
ムとして経営主体を統合し改善すること。
●収益の確保と経費節減の努力を行い、職員給与比率は
医業収益の伸びがあり、H23の比率は67.7%とわずかに下
降しているもののH24の目標である65.1%にはまだ達して
いない。
●4病院への収益的収入に係る一般会計繰入金を交付税
算入額相当まで縮減するとしているが、繰入金については
年々増加している現状にある。
●経営形態の見直し
地方公営企業法の全部適用への移行
改革期間(平成22年度∼平成24年度)
改革の目標
①医療面 基本方針に基づいた各病院の役割と診療
体制の確保
②経営面 病院事業全体と各病院の収支均衡経営
論点
○一般会計繰入金を交付税算入額相当まで縮減する目標となっており、平成 24 年度には交付税の増額
や診療報酬の改定により目標は達成されているが、普通交付税平成 28 年度から段階的に減少し、平
成 33 年には現在よりも年間約60億円減少することが見込まれることから、今後は交付税の減少と
併せて減少せざるを得ない。病院事業についても、繰出金に依存しない病院経営を図る必要があるの
ではないか。
○平成 22 年度から地方公営企業法の全部適用へ移行し取り組まれているが、今後の医療環境の動向を
踏まえ、更なる経営形態の変更に向けて検討の必要があるのではないか。
○医業収益に対する人件費の割合が高いのではないか。
5
(3) 各市立病院の経営状況について
市立病院等のあり方答申(20年8月)
市立病院等のあり方答申(20 年 8 月)
天草市病院改革プランでの取組み
天草市立病院改革プランでの取組み
●医業収支比率について、自治体病院では採算性が悪いことから一
般的に95%以上あれば経営上健全であると考えられているが、河浦
病院を除いて厳しい状況にある。
●全ての病院の繰入金比率が2桁台であり、とりわけ栖本病院は総
収益の約4割が市の予算で補填
●職員給与が医業収益に占める割合は55%が限界と言われるが、
天草ではいずれも70%前後、栖本病院にいたっては90%を越えて
いる。
●牛深市民病院は、医師充足、医業収益の増加が課題
●河浦病院は、医師を充足して医業収益を上げるとともに、人件費
負担を適正化できれば、病院経営を続けることは可能
●栖本病院は、結核病床が大きな負担となっており、医業収益や病
床利用率が悪すぎる。とりわけ人件費が過大であることは驚き。
●病院長が経営的に適切なリーダーシップを発揮できない市の直営
制度となっていることが、これらの経営問題の根本を作り出している。
●医業収支比率は、
牛深市民病院99.1% 河浦病院98.5%
新和病院90.9%
栖本病院85.1%
と改善が進んでいる(H23)。
●繰入金比率は、
牛深市民病院7.9%
河浦病院21.7%
新和病院18.4%
栖本病院35.6% (H23)
●職員給与比率は、
牛深市民病院60.2% 河浦病院63.2%
新和病院77.0%
栖本病院84.4% (H23)
●医師不足の問題は共通する課題となっている。
●栖本病院の病床利用率(結核病床)は、9.5%と極端に低い。
●平成22年4月から地方公営企業法の一部適用から全部適用に移
行して新たな事業体としてスタート。
論点
○繰入金のあり方については、天草市の財政面からみて課題。全体的な繰入金の水準の問題に加え、結核
病床を持つ栖本病院についてどう考えるか(病床利用率が極端に低い)。
○職員給与比率が依然として高い。経営体制面からどのような対策を講じることができるか。
○医師不足の問題をどのように解消するか。医師確保策の充実強化、病床数についてどのように考えるか。
(4) 天草市立病院の今後の方向性について(経営主体)
市立病院等のあり方答申(20年8月)
市立病院等のあり方答申(20 年 8 月)
天草市病院改革プランでの取組み
天草市立病院改革プランでの取組み
●新たな市立病院の経営主体をどうするかについては、次の4案が考えられる。①地方公
営企業法の全部適用、②地方独立行政法人、③民営化・民間譲渡、④公設民営化
●①については、先行の自治体の経験からは、公営企業法の全部適用をしたとしても市
の直営のままでは職員の意識改革は進まず、人件費の削減などの経営改善効果はあまり
進んでいない。
●②については、4つの市立病院だけでは規模が小さすぎるため、地方独立行政法人と
して自立的な経営が行えるとは思わない。
●③については、地域の医療機関が引き受ける場合は価値がある。譲渡先については地
域医療体制維持の観点に立ち考慮する必要
●④については、民間の経営ノウハウと、市の施設整備能力をうまく融合させる方法で、こ
れが一番妥当。
この改革によって次のことを目指す。(抜粋)
①高度な地域医療、救急医療を担える拠点病院を、天草市内にバランスよく形成すること
。
②医師を確保するため、医師会等の協力を得て、医師を中核病院で一括して採用し、サ
テライト拠点病院および診療所に配置するという、いわゆる「マグネット病院」機能をもった
体制とすること。
③経営効率化とサービスの向上を目指すため、市は市立病院施設を適正に整備しつつ、
病院の運営については民間のノウハウを生かす「公設民営型」へ転換すること。
④一般会計からの繰入金への依存を減らしつつ、天草市全体の地域医療体制の整備、
医療水準の質の向上を目指すための計画とすること。
⑤地域医療を取り巻く環境変化に、将来にわたって柔軟に対応できる体制とすること。
●平成22年4月から地方公営企業法の一部適
用から全部適用に移行して新たな事業体として
スタート。
論点
○地域医療を取り巻く環境変化に柔軟に対応できる体制とし、サービスの向上のための取組みの迅速化や
経営効率を高める取組みを進めるために経営主体について検討していく必要があるのではないか。
○医師確保のためにも「マグネット病院」機能に関する構想を進め、医療人材を地域で共有すべきではな
いか。
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(5) 天草市の役割
市立病院等のあり方答申(20年8月)
天草市の取り組み
●①「地域力」と「家庭力」を高め、市民による「自分たちの
健康は自分たちで守る」取り組みを推進すること。
●②地域医療のニーズを把握し、民間医療機関と市立病
院、公的病院が相互に連携して、地域医療が適正に維持
されるよう努めること。
●③天草市全域における地理空間的な地域医療へのアク
セスの公平性を高めること。
●④今後、市立病院に関する大規模改修や建て替えを行
う際は、天草市は適切に医療需要を把握し、拠点的な病院
を形成するよう考慮した投資を行う責任がある。
●⑤市の業務である医療・健康・福祉施策のシームレスな
接続を進めること。保健センターと病院の連携を図るために
病院内に地域福祉部門を担当する部署を設置し、病気の
予防に力を注ぐこと。
●⑥ヘルスプロモーションの視点で健康を優先した政策づ
くりを実践すること。
天草市は、少子高齢化が進展する中、周囲を海に囲まれ
他の医療圏と医療提供体制を相互補完することが困難な
地域で、地域医療の完結型、地域包括医療・ケアの確立が
必要である。そのため、医療資源等の基盤調査及び研究を
行うとともに地域完結型の保健・医療・福祉の連携システム
の構築を図る。
・地域医療等の資源・ニーズ調査・連携策の検討
・医療・保健・福祉連携シンポジウム
・保健・医療・福祉ガイドブック作成
論点
○地域完結型の保健・医療・福祉の連結システムの確立をどのように進めるか。
7
4
論点の整理と検討内容
以上、抽出された論点を、公立病院改革ガイドラインで示された3つの改革の視
点で捉えなおしたうえで、先進事例(公立病院経営改善事例集(平成 23 年 3 月、
総務省)
)も参考に特に重要と思われる取組み項目を加えて検討を行った。
(1) 再編・ネットワーク化
医療機関のネットワークにおける市立病院の役割について検討する必要がある。
①あり方答申の中でも示された「マグネット病院」について、医療機関のネッ
トワークにおける市立病院の役割について
②二次医療圏の中での市立病院の役割の明確化について
③市立病院に求められる新たな医療機能について
(2) 経営効率化
人口減少、財政面を意識した経営効率化の取組みが必要である。
①病床数の削減について
②平均在院日数の改善について
③職員給与比率あるいは給与水準の適正化について
④地方公営企業法の全部適用の適切な運用について
⑤高水準の看護基準の取得、DPC など診療報酬基準の取得等について
⑥市の一般会計からの繰入金の見直しについて
⑦医師及び看護師等の確保・育成、経営人材の確保について
⑧保健・医療・福祉の連携について
(3) 経営形態の見直し
地域医療を取り巻く環境変化に柔軟に対応できる体制について検討する必要
がある。
①地方公営企業法全部適用の是非について
②指定管理者制度の導入や独立行政法人化等の経営形態の見直しの是非につ
いて
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5
審議会としての提言
平成 22 年度の診療報酬改定により、大規模自治体病院を中心に経営改善の傾向
となっている。市立病院については、地方公営企業法の全部適用に移行し、医師な
どの医療職員の確保に努めながら、診療体制や施設基準などの点検を行い、救急病
院の指定や各種加算の維持・取得など、経営改善に向けて努力され、平成 23 年度
決算では、4 病院とも経常収支の黒字化を達成するなど、一定の成果をあげている。
しかし、天草市の財政状況が今後厳しさを増し、総人口減少、高齢者人口も減少す
ることにより、医療需要の低下が見込まれる中、将来動向を見据えた段階的な経営
改善策が必要であると考えられる。また、
「退院後も介護等が必要な高齢者(以下、
「要介護者」という。)」の地域での受け皿となる地域包括ケアシステムの確立も急
務であると考えられる。
市立病院改革に当たっては、関係者間の共通認識の形成や専門的見地からの検討
が重要であり、あり方答申の審議会のメンバーなど専門家も含める形で、次期病院
改革プランの策定に向けた審議会等を立ち上げたうえで、以下の前提に基づき検討
されたい。また、市立病院改革は市政にとっても重要事項であることを再認識し、
市としても積極的に検討されたい。
【前提】
◎平成19年度のあり方答申の際に行われたように直近の市民ニーズや医療・福
祉サービスの実情等を把握したうえで検討されたい。
◎地域での受け皿となる地域包括ケアシステムを充実しつつ、療養病床数の削減
など市立病院改革に取り組むことの重要性に十分に留意されたい。
◎過剰な病床の存在が市の国民健康保険特別会計の財政状況を圧迫している現
状にも留意されたい。
以上の前提のもと、来年度の病院改革プランの見直しの際に、検討・具体化する
ことが望ましいと考えた事項について以下に提言する。
また、市において、保健・医療・福祉の連携による地域包括ケアシステムの確立
を市の重点施策とし、「天草市地域医療対策協議会」を活用し関係者と連携しなが
ら、集中的かつ重点的な検討を行い、早期に具体化することが望ましいと考えた事
項についても提言する。
(1)再編・ネットワーク化
①あり方答申の中でも示された「マグネット病院」について、医療機関のネット
ワークにおける市立病院の役割について
・医療機関のネットワークのあり方やマグネット病院の実現に向けた検討を行
い、民間医療機関が担うことが困難な部分を補完する観点から市立病院の役
割についてより一層の明確化を図ること。
②二次医療圏の中での市立病院の役割の明確化について
・天草地域では、人口が5年間で約7,000人ペースで減少しているものの、
1人あたり医療費は増加しており、医療費は高止まりしている現状にある。
高齢者人口も含め、今後さらに人口が減少することが予想されるなか、地域
包括ケアシステムの充実を図り、地域での受け皿を整備しつつ、療養病床数
の削減などを通じて医療費の削減を図ることは重要な課題である。地域医療
の観点からのマクロ的判断の一環として市立病院の病床数の削減も含め、天
草市立病院群が二次医療圏の中でどう補完的な機能を果たすか位置づけの
明確化が必要であると考える。
9
③市立病院に求められる医療機能について
・天草地域においては、周産期や小児医療、周辺部においての民間医療機関に
よる提供が困難な救急医療の充実が必要であり、市立病院における医療機能
について検討を行うこと。特に牛深市民病院については、産科機能の充実を
検討すること。
(2) 経営効率化
①病床数の削減について
・天草地域では、全国からみて病床数が多い熊本県の中でも特に病床数が多
く、基準病床数に比べ実際の病床数が過剰となっており、特に療養病床数が
多くなっている現状がある。民間医療機関との役割分担や市立病院の機能を
高める観点から、療養病床については、市として取り組むことの必要性を十
分に検討したうえで、要介護者の地域での受け皿づくりと合わせて、削減に
向けた検討を行うこと。また、交通網も改善されたことから、地域住民のニ
ーズを把握の上、あり方答申の中でも示されているように一部の病院につい
ては診療所化も含めあり方を検討すること。
・栖本病院の結核病床については、病床利用率が低く、交付税に依存しない体
制のあり方も含め、病床数削減を実施すること。
②平均在院日数の改善について
・一般病床の平均在院日数が一般的な急性期医療の医療機関と比較し、高くな
っている。民間医療機関や福祉、地域との連携を強化しつつ、平均在院日数
の改善に向けた取組みを実施すること。
③職員給与比率あるいは給与水準の適正化について
・人件費比率について、民間医療機関の場合、50%が一つの目安とされてい
る中、60%以上の人件費比率となっている。民間医療機関との単純な比較
はできないが、これによる経営への影響もあることから能力給の導入など給
与水準の適正化や収益向上の両面から職員給与比率を適正にするための具
体策を検討すること。
④地方公営企業法の全部適用の適切な運用について
・地方公営企業法の全部適用のメリットをより一層発揮する経営体制の確立が
望まれる。
・地方公営企業法の全部適用においては、市直営の場合と異なり、労使交渉に
おいて給与決定が可能であり、職員の勤務評定を適切に行い、能力に応じた
給与制度を確立すること。
・4つの市立病院と3つの診療所の一体的な経営をさらに進めることが重要で
あり、また、組織の共通認識を形成するためにも、病院間の医師・看護師等
の人事異動は必要であると考えられる。現在の実情を踏まえると相当な工夫
が必要と考えられるが、具体策について検討を行うこと。
・病院事業管理者については、市政の中でも重要な責務を持った職であり、病
院事業管理者の見識等を市政に反映できることが重要である。市としては、
今後、厳しい財政状況への対応や保健・医療・福祉の連携が重要となる中、
病院事業管理者が、市議会や市の経営戦略会議など市政の中で重要な役割を
持った会議体への参加ができる体制づくりを行うこと。
⑤高水準の看護基準の取得、DPC など診療報酬基準の取得等について
高水準の看護基準の取得や DPC など診療報酬基準の取得については、経営
効率化の観点から重要ではあるが、看護体制や平均在院日数、重症患者の受け
10
入れ体制(常時 15%以上)など設備投資と医療スタッフの確保を伴うものであ
る。また、地域での在宅サービスの受け皿の充実が前提となり、この点につい
ては、市が中心となり地域包括ケアシステムの充実を図る必要がある。市立病
院の経営効率化の観点からは、以下の点について検討すること。
・国民健康保険特別会計にも関連するが、トータルの財政負担を減らすならば
平均在院日数の短縮、療養病床数の削減、ジェネリック使用の推進に取り組
むこと。
・市立病院の役割の明確化や療養病床数削減に向けた取組みを進めることと併
せ、患者サービスの向上及び収益向上に向け、看護基準7:1の取得や DPC
など診療報酬基準の取得等に向けた取組みを検討すること。特に牛深市民病
院については、市の南部地域の拠点としての役割を担う病院として位置づけ
るのであれば、医師や医療スタッフ及び医療設備の充実を図り、看護基準
7:1の取得や DPC など診療報酬上の施設基準の取得等の取組みを検討す
ること。
⑥市の一般会計からの繰入金の見直しについて
・今後の財政見通しを踏まえ、交付税に依存しない経営が重要であり、市財政
当局と繰入金の水準の見直しを検討すること。
⑦医師及び看護師等の確保・育成、経営人材の確保について
・医師や看護師の確保については、病院事業部の取組みも重要ではあるが、市
としても医師会等の関係機関と連携しながら確保に向けた充実策を検討す
ること。その際マグネット病院の考え方で示された医師等確保策についても
検討すること。
・医師給与について、研究費名目での上乗せ規定があるが、実態は僻地におけ
る医師確保のための給与支給となっている。支給目的を明確にするためにも、
「僻地分」としての規定に変更したうえで、充実策について検討すること。
・市立の看護学校については、市立病院の付属機関として位置づけの検討を行
うこと。また、看護師の確保策として市立病院での実習機能の充実も検討す
ること。
・看護師確保に向け、市立病院等での就労による免除規定を備えた奨学金貸与
制度の創設を検討すること。
・医療政策からレセプト点検等の病院運営の現場実務に至るまでを知り尽くし
た人材などの確保を図り、医師とタイアップしたマネジメント体制の強化を
図ることも経営力強化の重要な手段であり、検討を行うこと。
・民間病院と比較し患者への接遇が劣っているとの声もあるため、接遇力の向
上等に向けた職員研修の充実を図ること。
⑧保健・医療・福祉の連携について
・平成24年度「定住自立圏」地域医療連携推進調査事業の調査研究結果を十
分に活用し、保健・医療・福祉の連携に向けた具体策を検討し、実行するこ
と。
・特に病床数の削減を図るなど市立病院の経営改善を図るうえでも保健・医
療・福祉の連携は重要であることを再認識し、
「天草市高齢者保健福祉計画・
天草市介護保険事業計画(健やか生きいきプラン)」(平成 24 年 3 月策定)
の中で位置づけられた「地域包括ケアシステム」の構築に向けた具体的な対
策を実行すること。
・市においては、予防の観点から健康増進事業等の充実を図ること。また、食
改活動と健康増進運動について連携策を講じること。
11
(3) 経営形態の見直し
①地方公営企業法全部適用の是非について
・地方公営企業の全部適用によって、経営改革に向けた柔軟な対応は可能であ
る。まずは、現行の地方公営企業法全部適用による適切な運用を行い、この
提言書を踏まえた経営改善策に関する最大限の経営努力を行うこと。
②指定管理者制度の導入や独立行政法人化等の経営形態の見直しの是非につい
て
・経営主体に関する市民ニーズは、必ずしも公立病院であることが求められて
おらず、次期病院改革プラン期間中に、全部適用の効果を発揮する経営努力
をし、その結果を見極めたうえで、必要に応じ指定管理者制度の導入や民営
化、独立行政法人化に向けた対応を図っていくこと。
・指定管理者制度の導入や民営化にあたっては、委託あるいは譲渡先が極めて
重要であり、地域医療が適切に確保されるのかを見極めたうえで実施するこ
と。
12
参考資料
○人口動向について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○今後の財政(歳入面)について
○病床数について
・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
○天草館内病院病床数一覧表(H24.6.1現在)
・・・・・・・・
17
・・・・・・・・・・・
18
・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
○天草市病院事業の概要(H24.4月現在)
○病院事業会計への繰出金の状況
○公立病院の役割等
14
○病院事業と国民健康保険事業の相互関係
○天草市病院受療動向調査
・・・・・・・・・・・・・
21
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
22
○日医総研ワーキングペーパー(抜粋)
○健やか生きいきプラン(抜粋)
・・・・・・・・・・・・・・
62
・・・・・・・・・・・・・・・・・
71
○2013年3月1日号「市政だより天草」(抜粋)
13
・・・・・・・・
79
14
6,408
7,472
7,295
50∼54歳
55∼59歳
60∼64歳
4,492
40∼44歳
5,188
4,405
35∼39歳
45∼49歳
30,415
29,868
65歳以上(C)
7,420
6,349
5,058
4,381
4,298
3,811
41,397
9,553
47,773
11,288
81,365
2015年
(H27)
15∼64歳(B)
0∼14歳(A)
89,065
2010年
(H22)
6,310
5,016
4,265
4,207
3,721
3,109
30,813
34,813
8,071
73,697
2020年
(H32)
※2010年(H22)欄の総人口と年代ごとの合計の差(△136)は年齢不詳によるもの。
生産年
齢人口
(5歳刻
み)
人 口
総人口
年次
天草市の将来人口予測
4,982
4,235
4,092
3,656
3,038
2,212
30,228
29,250
6,860
66,338
2025年
(H37)
4,209
4,068
3,556
2,987
2,169
1,914
28,420
25,006
5,796
59,222
2030年
(H42)
4,045
3,534
2,906
2,133
1,876
1,655
25,845
21,481
4,888
52,214
2035年
(H47)
(単位:人、%)
全国的に人口減少と少子高齢化が急速に進む中、本市においてもその状況は更に深刻で、平成22年国勢調査では前回調査(H17)か
ら約7千人減少し、約8万9千人となっている。今後も人口が更に減少することが推測され、これにより病院患者数の減少が中長期的に見
込まれている。
さらに高齢化も進んでいくが、65歳以上の高齢者数は2020年頃までは増加するものの、それ以降は減少に転じ、医療需要は大幅に低
下する事が見込まれる。
人口動向について
15
合併前の旧2市
8町が存続したも
のとした場合
【合併算定替】
旧河浦町
旧天草町
旧新和町
旧五和町
旧栖本町
旧倉岳町
旧御所浦町
旧有明町
旧牛深市
旧本渡市
天草市単独
【一本算定】
天草市
1年目
H18
170.2
42.1
2年目
H19
163.7
43.4
3年目
H20
172.4
46.4
4年目
H21
180.0
46.2
5年目
H22
190.0
51.2
国調反映
6年目
H23
181.4
54.8
H24
H25
8年目
H26
9年目
合併算定替対象期間
7年目
H28
H29
H30
H31
H32
H33
15年後
国調反映
国調反映
10年目 11年目 12年目 13年目 14年目 15年目 16年目
H27
10年後
212.3 207.1 218.8 226.2 241.2 236.2230億∼240億を推移する見込み
(単位:億円)
平成18年に合併した本市は、合併による普通交付税の特例を受けているが、その期間も平成28年度から段階的に減少し、平成33年
度には完全に終了する。これにより交付税額は現在よりも約50∼60億円減少する見込みで市の財政が非常に厳しくなる。
現在、病院事業に対する繰出金は交付税措置に準拠した算定を行なっているが、今後は交付税の減少と併せて減少せざるを得ない状
況となる。このような状況から、病院事業においては、繰出金に依存しない病院経営を早期に確立させる必要がある。
今後の財政(歳入面)について
16
既存病床数B
(H21.4.1現在)
12,601
1,251
1,729
620
1,777
757
924
2,087
1,042
1,294
2,141
26,223
差引
B-A
2,186
432
349
37
354
444
450
729
341
328
857
6,507
(2)精神病床、結核病床、感染症病床の基準病床数
病床種別
基準病床数A
既存病床数B
差引
(H20.10.6現在)
B-A
精神病床
7,126
9,013
1,887
結核病床
137
246
109
感染症病床
48
48
0
(出典:熊本県「第5次熊本県保健医療計画」)
(1)療養病床及び一般病床の基準病床数
二次保健医療圏名
基準病床数A
(H22.3.23現在)
熊 本
10,415
宇 城
819
有 明
1,380
鹿 本
583
菊 池
1,423
阿 蘇
313
上益城
474
八 代
1,358
芦 北
701
球 磨
966
天 草
1,284
県 計
19,716
人口減少が進む中、過剰な病床数が天草圏域の課題となっている。また、結核病床についても、天草圏域は高い。
病床数について
天草管内病院病床数一覧表(H24.6.1現在)
所在市町名
又は
旧市町名
天草第一病院
社団法人 天草郡市医師会立 天草地域医療センター
健康保険 天草中央総合病院
天草病院
酒井病院
ニュ ー 天草病院
本渡
(病院数)
(有床診療所数)
(有床施設数計)
6
13
19
(病院数)
(有床施設数計)
有明
(病院数)
病院計
診療所計
本渡合計
牛深保養院
福本病院
天草市立 牛深市民病院
牛深
(有床診療所数)
総病床
数
施設名称
3
5
8
病院計
診療所計
牛深合計
天草厚生病院
一般
病床数
128
210
174
437
150
180
68
210
150
1,279
203
1,482
120
75
150
428
203
631
345
93
438
180
180
19
105
77
182
105
病院計
診療所計
(有床施設数計)
2
有明合計
病院計
診療所計
御所浦合計
病院計
199
19
24
24
24
24
診療所計
倉岳合計
19
19
70
70
17
87
19
19
24
24
11
35
(有床施設数計)
2
2
倉岳
(有床診療所数)
(有床施設数計)
栖本
(病院数)
(有床診療所数)
(有床施設数計)
新和
(病院数)
1
1
天草市立 栖本病院
1
1
2
1
(有床診療所数)
(有床施設数計)
1
五和
(病院数)
1
(有床診療所数)
(有床施設数計)
河浦
(病院数)
3
4
(有床診療所数)
1
3
(有床施設数計)
4
上天草市
(病院数)
(有床診療所数)
(有床施設数計)
病院計
診療所計
栖本合計
(病院数)
(有床診療所数)
(有床施設数計)
(病院計)
(有床診療所計)
3
1
4
18
41
59
240
587
120
20
4
75
45
120
16
136
180
180
46
46
6
6
43
43
39
39
37
10
312
60
60
6
142
195
195
155
350
169
76
149
149
129
278
42
66
46
46
26
72
127
170
50
389
12
401
2,899
595
3,494
60
30
132
110
20
257
12
269
1,245
76
1,321
17
120
180
53
355
99
99
43
重症心身障害児施設 はま ゆ う療育園
天草郡市医師会立 苓北医師会病院
病院計
診療所計
苓北合計
病院合計
診療所合計
120
19
診療所計
五和合計
国民健康保険 天草市立 河浦病院
病院計
診療所計
総合計
※ 旧天草町について は、病院及び有床の診療所ともにな し。
(有床施設計)
4
40
302
302
天草慈恵病院
苓北町
20
40
302
302
病院計
診療所計
上天草合計
4
587
40
40
1
11
12
20
240
40
40
河浦合計
感染症
病床数
60
国民健康保険 天草市立 新和病院
病院計
診療所計
新和合計
天草セントラ ル病院
病院計
上天草総合病院
結核
病床数
180
1
1
(有床診療所数)
精神
病床数
437
150
(有床診療所数)
御所浦
療養
病床数
132
877
519
1,396
46
707
66
4
707
66
4
18
数
職
員
数
合 計
そ の 他
事 務
看 護 補 助
コ ・メ デ ィ カ ル
看 護 師
准 看 護 師
医 師
* 常 勤 換 算 後 (要 数 )
計 1 1 .2 4 名 ( 1 0 .9 6 )
・看 護 師 55 臨 7 委 託 1
・准 看 護 師 3 臨 7 委 託 1
計 81名
(正 58臨 19委 託 4)
・薬 剤 師 2 委 託 1
・管 理 栄 養 士 1
・栄 養 士 臨 2
・診 療 放 射 線 技 師 3
・理 学 療 法 士 6
・作 業 療 法 士 1
・臨 床 検 査 技 師 4 委 託 1
・臨 床 工 学 技 師 3
計 24名
(正 20、 臨 2 委 託 2)
臨 28 計 28名
正 4 臨 11 委 託 10
計 25名
臨 13 委 託 5
計 18名
正 89
臨 7 3 委 託 1 5 .2 4
計 177. 24名
・非 常 勤 (人 工 透 析 等 )
計 7名
(正 6 委 託 1)
臨 7 計 7名
正 3 臨 5
計 8名
臨 10(給 食 、 清 掃 )
計 10名
正 25
臨 4 4 非 常 勤 0 .4 委 託 1 .1
計 7 0 .5 名
計 4名
(正 3 臨 1)
臨 1 計 1名
正 2 臨 1 委 託 4
計 7名
臨 4 (給 食 調 理 )
計 4名
正 19
臨 1 3 非 常 勤 1 .3 委 託 4
計 3 7 .3 名
39
4
99
医 療 6 0
計 7名
(正 7)
正 2 臨 20
計 22名
正 4 臨 2 委 託 7
計 13名
臨 11(給 食 、 リ ハ ビ リ )
委 託 2 計 13名
正 46
臨 4 9 非 常 勤 0 .6 1 委 託 9
計 1 0 4 .6 1 名
・非 常 勤 3 名 ( 整 形 外 科 、 内
科 )
* 常 勤 換 算 後 (要 数 )
計 5 .6 1 名 ( 6 .2 6 0 )
・看 護 師 25 臨 6
・准 看 護 師 3 臨 10
計 44名
(正 28 臨 16)
・薬 剤 師 1
・管 理 栄 養 士 1
・診 療 放 射 線 技 師 1
・理 学 療 法 士 2
・臨 床 検 査 技 師 2
・常 勤 5名
(内 科 3、 外 科 2)
・非 常 勤 1名 (整 形 外 科 )
1 3 :0 1
救 急 告 示 病 院
病 院 群 輪 番 制
内 科 、 外 科 、 整 形 外 科 、 小
児 科 、 リ ハ ビ リ テ ー シ ョン 科
正 和
者 )
川 和 浩
戸
9 ,6 3 1 ㎡
医 師 住 宅 5
戸 建 5
院 長
永 吉
(事 業 管 理
副 院 長 中
R C 3 階 建
5 ,3 2 8 ㎡
平 成 6年 3月
一 般 病 院
河 浦 病 院
(国 民 健 康 保 険 立 )
河 浦 町 白 木 河 内 223-11
医 療 2 5 :1
介 護
6 :1
・常 勤 3名 (内 科 )
2
40
医 療 2 2 介 護 1 8
科 、 外 科 、 整 形 外 科 、 小
科 、 消 化 器 科 、
環 器 科 、 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ
科
豊
救 急 告 示 病 院
内
児
循
ン
院 長 濱
* 常 勤 換 算 後 (要 数 )
計 3 .5 名 ( 3 .0 0 6 )
・看 護 師 10 臨 2
・准 看 護 師 3 臨 14
計 29名
(正 13 臨 16)
・薬 剤 師 委 託 1
・管 理 栄 養 士 1
・診 療 放 射 線 技 師 1
・理 学 療 法 士 2
・作 業 療 法 士 1
・臨 床 検 査 技 師 1
2
1 3 ,4 5 8 ㎡
医 師 住 宅 3戸
戸 建 3
R C 2 階 建
3 ,1 4 0 ㎡
平 成 9年 11月
一 般 病 院
新 和 病 院
(国 民 健 康 保 険 立 )
新 和 町 小 宮 地 763-3
* 常 勤 換 算 後 (要 数 )
計 3 .3 0 名 ( 3 .0 0 )
・看 護 師 12 臨 3
・准 看 護 師 臨 3
計 18名
(正 12 臨 6)
・薬 剤 師 1
・管 理 栄 養 士 1
・診 療 放 射 線 技 師 1
・臨 床 検 査 技 師 臨 1
6
1 3 :0 1
1 3 :0 1
医 療 療 養 20 :1
・常 勤 7名
・常 勤 2名 (内 科 )
(内 科 3 、 外 科 2 、 整 形 1 、 小
・非 常 勤 6名 (内 科 )
児 1)
46
70
150
24
合 計
救 急 告 示 病 院
結 核 病 院
結 核
療 養
救 急 指 定
看 護 基 準
(入 院 基 本 料 )
病
床
(床 )
105
医 療 4 5
一 般
救 急 告 示 病 院
病 院 群 輪 番 制
各 種 指 定
覚
章
形 外 科 、 小
、 耳 鼻 咽 喉
内 科 、 呼 吸 器 科
透 析 内 科 、
ン 科
医 師 住 宅 2戸
戸 建 2
院 長
水 流 添
副 院 長 山 元
医 師 住 宅 10戸
(戸 建 6、 集 合 4)
院 長 秋 山 泰 廣
副 院 長 松 崎 法 成
大 塚 裕 一
内 科 、 外 科 、 整
児 科 、 産 婦 人 科
科 、 眼 科 、 人 工
リ ハ ビ リ テ ー シ ョ
R C 3 階 建
2 ,4 9 1 ㎡
5 ,9 0 8 ㎡
平 成 4年 7月
一 般 病 院
栖 本 町 馬 場 2560-14
栖 本 病 院
R C 3 階 建
1 0 ,2 5 5 ㎡
2 4 ,0 4 4 ㎡
平 成 14年 3月
一 般 病 院
牛 深 町 3050
牛 深 市 民 病 院
標 榜 診 療 科
管 理 者 等
医 師 住 宅
敷 地 面 積
建 物 延 面 積 等
現 施 設 開 設 年 月
病 院 区 分
所 在 地
病 院 名
天草市病院事業の概要(H24.4月現在)
病 院 事 業
168
* 常 勤 換 算 後 (要 数 )
計 2 3 .6 5 名 ( 2 3 .2 2 6 )
・看 護 師 102 臨 18 委 託 1
・准 看 護 師 9 臨 39 委 託 3
計 172名
(正 111 臨 57 委 託 4)
・薬 剤 師 4 委 託 2
・管 理 栄 養 士 4
・栄 養 士 臨 2
・診 療 放 射 線 技 師 6
・理 学 療 法 士 10
・作 業 療 法 士 2
・臨 床 検 査 技 7 臨 1 委 託 1
・臨 床 工 学 技 師 3
計 42名
(正 36 臨 3 委 託 3)
正 2 臨 56 計 58名
正 13臨 19 委 託 11
計 43名
臨 38 委 託 7
計 45名
正 179
臨 1 7 9 非 常 勤 2 .3 1 委 託 2 9 .3 4
計 3 8 9 .6 5 名
・常 勤 医 師 17名
( 内 科 11、 外 科 4、 整 形 外 科 1、
小 児 1)
14
359
46
医 療 127、 介 護 18
事 業 管 理 者
永 吉 正 和
河 浦 町 白 木 河 内 223‐11
19
558,329
145,270
病院関係交付税算入
額(普通・特別)
交付税額との差額
163,360
537,788
701,148
−
180,082
109,167
163,193
248,706
19年度
158,904
541,461
700,365
−
178,751
104,473
162,987
254,154
20年度
12,428
693,447
705,875
27,000
176,757
111,008
142,600
248,510
21年度
61,943
718,700
780,643
28,380
259,917
107,526
130,577
254,243
22年度
24,052
797,763
821,815
24,757
274,423
110,702
171,066
240,867
23年度
0
803,161
803,161
794
279,795
111,530
177,285
233,757
24年度
(単位:千円)
※ 交付税H20→H21の伸びは、不採算地区病院算定単価の増と救急告示病院算定単価の増によるもの
703,599
112,267
河浦病院
合 計
91,537
新和病院
−
159,500
栖本病院
経営管理課
340,295
牛深市民病院
18年度
平成18-24年度 病院事業会計一般会計繰出金
病院事業会計への繰出金の状況
20
②救急・小児・周産
期・災害・精神などの
不採算・特殊部門に
係る医療の提供
③研修の実施等を含
む広域的な医師派遣
の拠点としての機能
地域において必要な医療提供体制の確保
①山間へき地・離島
など過疎地等におけ
る一般医療の提供
採算性の面から民間
医療機関による提供
が困難な医療
公立病院の役割等
21
安定経営
・支出減
・繰入金減
・経営安定
国保税の見直し等によ
る更なる経営改善
☆収入の確保
☆医療費の適正化
☆保健事業の充実
国保税の見直しによる
対応など
・支出増
・繰入金増
・経営悪化
国民健康保険事業
改善
悪化
相互関係
医療費の減
☆適正レベルの繰入れ
☆健康増進事業の適正
予算の確保・実施
市の財政
医療費の増
悪化
改善
病院事業と国民健康保険事業の相互関係
・収入減
・経営悪化
※繰入金の増加リスク
が高まる
経営悪化に伴う経営
改革による経営の効
率化
安定経営
☆経営形態の見直し
☆経営の健全化
☆再編・ネットワーク化
※病院改革プラン
財政見通しを踏まえた
経営改革による経営
の効率化
・収入増
・経営安定
※繰入金の減少余地
が高まる
病院事業
22
天草市病院受療動向調査
Center for Policy Studies
23
† 調査実施期間 平成19年3月2日∼4日
† 天草市の全38,380世帯を対象
† 2,499世帯を抽出(層化比例2段階無作為抽
出法)
† 郵送留め置き法
† 有効回収数(率):2,106世帯 (84.3%)
5,391人
調査概要
24
病床数過剰,医師不足
病院から半径5キロメートル圏域と
診療科目
自治体病院の立地状況
25
2位
5 その他
4.4%
3 多くの診療科
目を担う病院
26.7%
4 療養(長期入
院)に対応できる
病院
23.6%
3位
4位
2 救急業務を担
う病院
16.0%
1位
1 高度な医療を
担う病院
29.3%
あなたがお住まいの地域において、
今後の医療サービスで望まれることは何ですか。
26
地域別,今後望まれる医療サービス
27
役割を果たすなら
民間の病院でもよ
い
70.9%
わからない
6.9%
天草市立病院で
なければならない
22.1%
天草市立病院でなければならないと思いますか。
28
民間病院でもよいと考える割合の高い地域
29
医療サービスの充実
56.4%
その他
1.2%
わからない
5.8%
健康増進政策の推進
36.5%
今後天草市が取り組む政策として、「健康増進政策」と「医療
サービスの充実」の、どちらのほうがより大事ですか。
30
20%
あまり健康でない
普通
37%
健康
28%
健康でない 非常に健康
6%
9%
自分の健康について
どのように感じていますか。
非常に健康
健康
普通
あまり健康でない
健康でない
31
地域
健康 %(a)
本渡
36%
牛深
35%
有明
33%
御所浦
28%
倉岳
36%
栖本
46%
新和
31%
五和
31%
天草
35%
河浦
26%
(χ2=66.318, p=0.002)
地域別,健康度
普通 % 健康でない%(b)
37%
27%
36%
29%
37%
30%
35%
37%
35%
28%
33%
21%
34%
35%
41%
27%
34%
31%
39%
35%
n=
5,366
(a)-(b)
+
+
+
+
+
+
+
-
32
年に1,2度
36%
ない
14%
月に1,2度
41%
週に1,2度
9%
週に1,2度
月に1,2度
年に1,2度
ない
病気治療のために、この一年間何回病院
に行きましたか。
33
本渡
牛深
有明
御所浦
倉岳
栖本
新和
五和
天草
河浦
平均
地域
週に1,2度 月に1,2度 年に1,2度
%
%
%
8.3%
39.1%
38.9%
10.9%
40.4%
33.0%
10.6%
39.9%
35.5%
13.3%
50.3%
25.4%
11.5%
44.5%
33.0%
6.5%
39.5%
42.7%
8.8%
46.1%
31.6%
9.9%
39.8%
36.4%
6.8%
41.6%
37.2%
9.2%
47.7%
32.2%
9.3%
41.0%
36.0%
地域別,通院頻度
ない
%
13.7%
15.7%
14.0%
11.0%
11.0%
11.3%
13.5%
13.9%
14.4%
10.9%
13.7%
34
かかりつけ
医あり
68.7%
かかりつけ
医なし
31.3%
かかりつけ医
35
5∼9歳
10∼19歳
20∼29歳
30∼39歳
40∼49歳
50∼59歳
60∼69歳
70∼79歳
80∼89歳
90歳以上
合計
かかりつけ医なし
度数
行の N %
29
15%
197
39%
156
61%
196
53%
286
47%
386
41%
225
27%
127
13%
49
10%
3
4%
1,654
31%
かかりつけ医あり
度数
行の N %
170
85%
313
61%
99
39%
176
47%
324
53%
550
59%
624
73%
861
87%
438
90%
69
96%
3,624
69%
年齢別,かかりつけ医の有無
36
その他
6%
バス等
6%
タクシー
3%
親族の送迎
15%
徒歩・自転車
13%
友人・知人
の送迎
1%
病院までの通院方法
自家用車,
バイク
56%
37
その他
合計
徒歩・自転車
友人・知人の送迎
親族の送迎
タクシー
バス等
自家用車、バイク等
通院方法
度数
列のN%
度数
列のN%
度数
列のN%
度数
列のN%
度数
列のN%
度数
列のN%
度数
列のN%
男性
1,058
67%
65
4%
31
2%
182
11%
7
0%
157
10%
84
5%
1,584
性別,通院方法の違い
957
47%
161
8%
71
4%
353
17%
14
1%
323
16%
145
7%
2,024
女性
計
2,015
56%
226
6%
102
3%
535
15%
21
1%
480
13%
229
6%
3,608
38
家や家族のこと
27%
どの医療機関に
行くべきか
16%
通院方法
8%
その他
6%
医療費
43%
病気になったとき、気がかりなこと
39
本渡
牛深
有明
御所浦
倉岳
栖本
新和
五和
天草
河浦
計
地域
医療費
度数
行の N %
1,013
45.7%
384
41.6%
118
42.3%
35
19.1%
73
39.5%
52
43.7%
72
38.7%
258
48.3%
104
41.6%
143
40.5%
2,252
43.1%
通院方法
度数
行の N %
164
7.4%
61
6.6%
21
7.5%
47
25.7%
27
14.6%
14
11.8%
16
8.6%
33
6.2%
23
9.2%
23
6.5%
429
8.2%
家や家族のこと
度数
行の N %
610
27.5%
243
26.4%
84
30.1%
52
28.4%
52
28.1%
24
20.2%
48
25.8%
133
24.9%
64
25.6%
112
31.7%
1,422
27.2%
地域別,病気時の気がかり
度数
行の N %
324
14.6%
175
19.0%
45
16.1%
40
21.9%
23
12.4%
13
10.9%
38
20.4%
81
15.2%
45
18.0%
52
14.7%
836
16.0%
どの医療機関に行くべきか
40
あまり整ってい
ない
25%
ある程度整って
いる
48%
その他 十分整っている
整っていない 2%
10%
15%
あなたの地域は,急病の時に適切な医療を受けられ
る救急医療の体制が整っていると思いますか。
41
本渡
牛深
有明
御所浦
倉岳
栖本
新和
五和
天草
河浦
計
地域
満足
%
74.5%
44.3%
48.4%
42.7%
50.0%
55.0%
63.8%
51.4%
32.1%
58.5%
59.5%
不満足
%
25.5%
55.7%
51.6%
57.3%
50.0%
45.0%
36.2%
48.6%
67.9%
41.5%
40.5%
地域別,救急医療体制の満足度
Q7満足type
42
0.00
御所浦町
新和町
栖本町
倉岳町
天草町
本渡市
五和町
χ2=179.813 p<0.001
n=2,500
(シニア世代)
旧自治体名
1
2
不満足
0.25
0.50
0.75
1.00
Q7満足type
河浦町
モザイク図
旧自治体名
n=2,627
(若い世代)
χ2=342.034 p<0.001
0.00
0.25
0.50
1
2
牛深市
0.75
五和町
御所浦町
新和町
栖本町
倉岳町
天草町
1.00
河浦町
モザイク図
本渡市
有明町
牛深市
世代別,救急医療体制への満足度
有明町
不満足
満足
満足
43
-1%
小児科
12%
4%
16%
外科
-2%
9%
7%
-2%
12%
10%
整形外科
皮膚科
5%
8%
13%
-6%
10%
4%
泌尿器科
4%
7%
11%
産婦人科
眼科
(注)年齢で回答に重みをつけている。世代は57歳未満を「若い世代」、以上を「シニア世代」として区分。
-4%
3%
9%
シニア世代
差
2%
5%
精神科
若い世代
内科
-6%
15%
9%
1%
18%
19%
耳鼻咽喉科 歯科
若い世代の不満が大きい診療科目
0%
3%
3%
2%
1%
-1%
n=6,413
その他
1:06:40. 00
44
0:16:40. 00
0:33:20. 00
0:50:00. 00
本渡 市
$
$
牛深 市
救急搬送時間
収容時 間
︵覚 知 から 病 院 着 ︶
$
市 町コード
有明 町
倉岳 町
新和 町
天草 町
御所 浦町
栖本 町
五和 町
河浦 町
$
$
45
20.0
40.0
60.0
栖本
有明
御所浦
R2 乗線形= 0.495
天草
河浦
収容時間
00:20:00.000 00:24:00.000 00:28:00.000 00:32:00.000 00:36:00.000 00:40:00.000 00:44:00.000 00:48:00.000
本渡
新和
五和
倉岳
牛深
救急医療体制への不満足度と
救急車搬送時間の関係
46
救急医療体制への満足度
(クラスター分析)
47
本渡地域を除外。
○牛深,栖本,新和,河浦地区を公的病院立地とする場合
満足
不満足
度数
行の N % 度数
行の N %
公的病院なし
641
46%
751
54%
公的病院立地
796
51%
775
49%
○本渡,牛深,栖本,新和,河浦地区を公的病院立地とする場合
満足
不満足
度数
行の N % 度数
行の N %
公的病院なし
641
46%
751
54%
公的病院立地
2,408
65%
1,327
36%
救急医療体制への満足度
48
352
166
66
47
36
23
32
93
61
58
934
合計
度数
ある
本渡
牛深
有明
御所浦
倉岳
栖本
新和
五和
天草
河浦
地域
17.8%
行の N %
15.9%
17.6%
23.7%
26.3%
19.1%
18.7%
16.9%
17.5%
24.9%
16.6%
救急車搬送経験
0∼
100.0
90.0
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
82.2%
行の N %
84.1%
82.4%
76.3%
73.7%
80.9%
81.3%
83.1%
82.5%
75.1%
83.4%
歳 9歳 9歳 9歳
歳 9歳 9歳 9歳 9歳
19
59
7
2
4
6
8
3
9
∼
∼
∼ 0∼ 0∼ 0∼
∼
∼
∼
10
30
50
7
20
9
40
60
8
9歳
4,310
度数
1,865
778
212
132
152
100
157
439
184
291
ない
ない
ある
49
5.2%
優先的に治療を
受けたかった
病気のときなら
いつでも
1.2%
自分や家族では
行けなかった
27.6%
その他
22.5%
救急車利用時の状況
命に関わる
症状
43.5%
50
いる
90%
いない
10%
いない
いる
病気時の介抱者
子供
23.5%
近所の人
0.1%
親族
14.9%
配偶者
60.4%
友人
0.2% その他
0.9%
51
天草市内の同
じ町
8%
天草市内の他
の町
4%
県内
3%
介抱者の居住地
同居
82%
県外
3%
52
入院・入所
を望む
30%
わからない
20%
家庭での生
活を望む
50%
高齢で病気になった時に望む暮らし方
53
上
歳 9歳
歳
歳 9歳
歳 9歳
以
4
6
59
39
29
8
79
∼ 0∼
∼ 0∼
∼ 0∼
歳
∼
8
70
6
50
90
4
30
20
0
10
20
30
40
50
60
家庭での生活を望む
入院・入所を望む
わからない
年齢別,高齢で病気になった時に望む
暮らし方
54
入院・施設入所希望者の高い地域
55
週1回∼月に
数回程度
23%
月に1回∼年
に数回程度
13%
年1回程度
3%
ほとんど
ない
12%
毎日∼週に
数回程度
50%
近所付き合いの頻度
56
年1回程度
度数
行の N %
60
6%
10
3%
4
1%
10
2%
2
1%
12
1%
2
2%
100
2%
毎日∼週に数回程度
週1回∼月に数回程度 月に1回∼年に数回程度
度数
行の N %
度数
行の N %
度数
行の N %
260
25%
282
27%
244
24%
130
41%
73
23%
59
19%
303
71%
91
21%
21
5%
232
52%
101
23%
60
14%
237
61%
90
23%
36
9%
913
60%
324
21%
125
8%
42
46%
17
19%
18
20%
2,117
50%
978
23%
563
13%
農業
自営業
専業主婦
無職
その他
合計
パート・アルバイト
会社員・公務員・団体職員
年1回程度
度数
行の N %
17
7%
19
5%
19
3%
40
4%
6
1%
5
1%
5
1%
3
4%
114
3%
毎日∼週に数回程度
週1回∼月に数回程度 月に1回∼年に数回程度
度数
行の N %
度数
行の N %
度数
行の N %
20∼29歳
54
22%
46
19%
39
16%
30∼39歳
107
29%
89
24%
79
21%
40∼49歳
173
28%
176
29%
165
27%
50∼59歳
388
42%
230
25%
142
15%
60∼69歳
535
64%
180
21%
70
8%
70∼79歳
670
67%
210
21%
67
7%
80∼89歳
304
63%
100
21%
30
6%
90歳以上
27
38%
15
21%
8
11%
合計
2,258
50%
1,046
23%
600
13%
2
(χ =793.842, p=0.000)
ほとんどない
度数
行の N %
194
19%
42
13%
8
2%
42
9%
24
6%
157
10%
12
13%
479
11%
n=
4,237
ほとんどない
度数
行の N %
93
37%
76
21%
78
13%
123
13%
50
6%
47
5%
47
10%
18
25%
532
12%
n=
4,550
年齢別,職業別,近所付き合いの頻度
57
月に1回∼年
に数回程度
17%
毎日∼週に数回程度
度数
行の N %
本渡
387
20.6%
牛深
166
20.3%
有明
46
18.3%
御所浦
37
23.1%
倉岳
42
25.1%
栖本
20
21.1%
新和
37
21.5%
五和
80
17.9%
天草
24
11.1%
河浦
60
19.4%
合計
899
19.9%
(χ 2 =123.743, p=0.000)
地域
年1回程度
5%
ほとんど
ない
33%
週1回∼月に数回程度
月に1回∼年に数回程度
度数
行の N %
度数
行の N %
496
26.4%
338
18.0%
172
21.1%
108
13.2%
71
28.2%
55
21.8%
24
15.0%
24
15.0%
41
24.6%
33
19.8%
33
34.7%
15
15.8%
60
34.9%
31
18.0%
113
25.3%
87
19.5%
48
22.2%
41
19.0%
91
29.4%
42
13.6%
1,149
25.5%
774
17.2%
週1回∼月に
数回程度
25%
毎日∼週に
数回程度
20%
年1回程度
度数
行の
100
35
7
1
9
3
5
27
16
10
213
N %
5.3%
4.3%
2.8%
0.6%
5.4%
3.2%
2.9%
6.0%
7.4%
3.2%
4.7%
趣味やスポーツの付き合い頻度
ほとんどない
度数
行の N %
556
29.6%
336
41.1%
73
29.0%
74
46.3%
42
25.1%
24
25.3%
39
22.7%
140
31.3%
87
40.3%
106
34.3%
1,477
32.7%
n=
4,512
58
度
度
度
程
程
程
回
回
回
数
数
数
に
に
に
週
月
年
∼
∼
∼
回
日
回
1
1
毎
に
週
月
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
年
1
度
程
回
ん
と
ほ
ど
な
い
健康度と付き合いの関係性
あまり健康でな
い
健康でない
普通
健康なほう
非常に健康
59
用心する
38%
わからない
10%
信用できる
52%
一般的に人は信用できるか
60
世代と信頼度
61
毎
日
週
∼
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
数
に
程
回
1回
週
度
数
に
月
∼
度
に
月
程
回
1回
年
∼
数
に
回
度
程
程
1回
年
度
ほ
ん
と
な
ど
信頼度と付き合いの関係
い
信頼できる
用心する
わからない
出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
62
出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
63
出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
64
出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
65
出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
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出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
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出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
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出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
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出典:「日医総研ワーキングペーパー」
地域の医療提供体制の現状と将来
−都道府県別・二次医療圏別データ集−
2012年10月2日
70
平成 24 年度∼平成 26 年度
健やか生きいきプラン
(抜粋)
天草市高齢者保健福祉計画
天 草 市 介 護 保 険 事 業 計 画
平成 24 年 3 月
熊本県天草市
71
第3章 基本理念・施策の体系
1.計画の基本理念
本市では、平成 18 年 3 月に、天草 2 市 8 町が合併し、平成 19 年 3 月に今後の高齢社会を展望し、
安心して心豊かに暮らせる安らぎの空間を創るために、「日本の宝島 天草 の創造」を都市づくりの
基本理念とする「第1次天草市総合計画」を策定しました。また、平成 23 年 3 月には平成 23 年度から
同 26 年度までの4年間を計画期間とする「後期基本計画」を策定しました。
この計画では、「心豊かに暮らせる市民都市」を創る為に、快適な生活環境づくりとして、保健・医
療・福祉サービスに対する住民の需要が拡大する中、子どもから高齢者まで、全ての住民が健康で
生きがいを持って生活するために、効果的・効率的な保健・福祉サービス体制の整備を図るとともに、
医療については、公的医療機関と民間医療機関が連携したネットワーク体制を整備することで地域内
完結型の医療体制の構築に取り組むと同時に、保健・福祉との連携体制の整備を図ることとしていま
す。
第 4 期介護保険事業計画では、平成 27 年(2015 年)の高齢社会のあるべき姿を見据え、平成 26
年度(2014 年)までに実現すべき目標として、「高齢者の尊厳の保持と自立支援」、「利用者によるサ
ービスの選択及び決定」、「在宅生活の推進」、「支え合う地域社会の形成」を基本理念として、施策の
推進を図ってきました。
本計画においても、前計画における基本理念及び基本目標を変更せず、引き続き理念の実現に向
けた取り組みを推進し、介護保険制度を含めた高齢者施策の体系的な推進と円滑な実施を目指しま
す。
基本理念
「高齢者の尊厳の保持と自立支援」
○介護予防による自立支援の促進
○高齢者自ら介護予防に取り組む体制の整備
○社会参加・社会貢献・就労・生きがいづくり・健康づくり活動の促進
○高齢者の権利や財産を守る権利擁護の推進
「利用者によるサービスの選択及び決定」
○自己選択・決定するための必要な情報の提供
○意思決定を補完する仕組みの利用促進
○サービスの選択の確保と向上
「在宅生活の推進」
○生活の継続性の確保
○住み替えの選択肢の提示
○地域包括ケアシステムの確立
○認知症高齢者ケアシステムの確立
○介護家族への支援の充実
「支え合う地域社会の形成」
○住民参画の地域づくり
○自助・共助・公助の適切な組み合わせ
○互助の助け合いの仕組みの充実
72
2.計画の基本目標
基本理念の実現に向け、計画期間の 3 年間で実現すべきこととして 4 つの基本目標を設定し、高齢
者施策の体系的推進と円滑な実施を目指します。
基本目標 1 「心身ともに健康である」
○生活習慣病やがん等の予防及び健康づくりの継続
健康は、市民一人ひとりの夢の実現や充実した暮らしを送るための基礎となるものです。
市民が、生きいきと暮らし、満足した人生を送るためには心身の健康が基本となります。
市民が、健康な生活習慣を学び自分の健康に対する自己決定力を高め、生活習慣病やがん
等を予防し、心身ともに健康で生活できる社会を目指します。
基本目標 2 「生きがいがある」
○自己実現や社会参加につながる自立した生活の確保と継続
介護や支援を必要とするようになっても、その人らしい生活を自分の意思で送り、自己実現や
社会参加が可能になるよう、自らサービスを選択し、持てる能力を充分に発揮しながら生きがい
と誇りを持って生活できる社会を目指します。
基本目標 3 「病気や障がいがあっても安心して自立した生活ができる」
○身近な地域でのサービスの包括的・効果的な提供
高齢者一人ひとりのニーズに応じた保健福祉サービスが、身近な地域で多様な供給者から、
包括的・効果的に提供できる体制や仕組みが整った社会を目指します。
基本目標 4 「地域の助け合いがある」
○市民・地域の連携強化
市民や地域がそれぞれの立場に応じた役割を担い、連携し、相互に支えあうことにより、様々
な支援やサービスが身近に提供され、高齢者が、地域の中での生活を継続できる社会を目指し
ます。
以上の基本目標のもとで、各種の施策を推進することにより、「元気で生きいきと暮らせるまち」の実
現を目指します。
73
3.重点施策
計画の策定にあたり、計画の 3 年間で重点的に取り組むこととして、以下の 4 つの重点施策を設定
します。
1)高齢者の居住にかかる施策との連携
一人暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が増加する中、可能な限り住み慣れた地域で安心して
暮らし続けるためには、高齢者の居住環境の整備を図ることが重要となります。
介護保険における居宅サービスや各種生活支援サービスが適切に提供されるよう、地域包括支援
センターをはじめとする関係機関との連携を図り、現在の住まいをベースとしたより安全、快適な生活
が維持できるような環境整備に中長期的な視点で取り組みます。
また、24 時間対応の「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」などの導入を視野に入れ、次期計画
期間における新たな住まい環境について、検討を進めます。
2)医療との連携
在宅療養が必要な高齢者の増加や療養病床の削減に伴い、24 時間対応の在宅療養サポート体
制の確立が極めて重要となっています。
地域の病院、施設、居宅サービス事業所や、地域包括支援センター、ケアマネジャー等の関係機
関による新たな連携システムの構築に向けた取り組みを進めるとともに、訪問介護や訪問看護、居宅
療養管理指導、リハビリテーション事業等の充実を図ります。
また、介護職員等によるたんの吸引等の実施については、医療行為が安全に提供されるよう、各
事業所に対する情報提供に努めます。
居宅介護支援
事業所
ケアマネジャー
訪問介護
訪問看護
医療機関
かかりつけ医
訪問リハ
通所リハ
居宅療養
管理指導
24 時間対応の
在宅療養サポート体制の確立
地域包括支援
センター
介護保険施設等
74
3)認知症高齢者支援策の充実
高齢者人口の増加に伴い、認知症高齢者も増加することが予想されています。
認知症サポーター養成講座等を通して、認知症に対する正しい理解の普及を図るとともに、予防方
法に対する講座の機会や地域における認知症高齢者の見守り支援体制の充実に努め、認知症ケア
体制の整備に取り組みます。
また、家族介護者が地域で孤立しないよう、身体的・精神的な負担の軽減を図るための支援策の
充実・普及を図ります。
天草市地域福祉ネットワーク
医師
(認知症疾患
医療センター)
地域包括
支援センター
事業所・会社
学校
民生委員・児童委員
保健師
看護師
ボランティア
婦人会
老人クラブ
区長
消防団
子供会
認知症高齢者
あまくさ♡認知症
を地域で支える会
家族・友人 近隣住民
認知症サポーター
新聞配達員
牛乳配達員
福祉施設
商店
郵便局員
電気・水道・
ガスメーター検針員
通報 ・ 相談 ・ 連絡
地域包括支援センター
(認知症地域支援推進員)
警察
消防
社会福祉協議会
天 草 市
連 携 強 化
75
4)生活支援サービスの充実
地域ごとに多様化する高齢者の福祉ニーズの把握に努め、見守りや配食などの組み合わせによる
総合的な生活支援サービスの充実を図るとともに、適切な提供体制についても検討を進めます。
地域のサービス
○家族会
○あまくさ♡認知症を地域で支える会の活動
○買い物支援
○ふれあいいきいきサロン
○シルバーヘルパー
高齢者福祉サービス
高齢者福祉サービス
○高齢者実態把握事業
○生きがいデイサービス事業
○ヘルパー派遣事業
○ショートステイ事業
○配食サービス事業
地域福祉ネットワーク
協力事業所等の見守り
○災害弱者緊急通報システム事業
○外出支援サービス事業
○高齢者住宅改造助成事業
○生活支援ハウス入居措置事業
○養護老人ホーム入所措置事業
地域支援事業
地域支援事業
○通所・訪問型介護予防(運動、口腔、栄養改善)事業
○介護支援ボランティア事業
○認知症サポーター養成講座
○家族介護教室
○家族介護者交流事業
○家族介護用品支給事業
○寝たきり老人等介護者手当
○配食サービス事業
○オレンジネットワーク事業
○徘徊模擬訓練
○成年後見制度利用支援事業
介護保険サービス
介護保険のサービス
在宅サービス
地域密着型サービス
○訪問介護サービス
○通所サービス
○短期入所など
76
4.地域包括ケアシステムの実現に向けて
「地域包括ケアシステム」とは、地域の様々な資源を統合し、「医療」、「介護」、「予防」、「住まい」、
「生活支援」が切れ目なく提供されることで、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を送れるよう、
包括的に支援を行う仕組みです。
「地域包括ケアシステム」の実現に向けては、地域の拠点であり中核機関となる地域包括支援セン
ターの機能を強化しながら、高齢者の見守り体制の構築を図ることが重要です。また、一人暮らし、高
齢者のみの世帯の増加、認知症高齢者の増加を踏まえ、介護サービス及び生活支援サービスの充
実を図る必要があります。
介護予防の推進については、本市が提供する介護予防事業の充実及び参加率の向上を図る必要
があります。
医療については、医療ニーズの高い要介護者が安心して在宅での生活を続けられるよう、医療と
介護の連携を強化するとともに、認知症の方やその家族への支援、高齢者を家族で介護している方
への支援の充実も必要となります。
高齢者の住まいについては、住み慣れた地域で安全・安心に暮らし続けられるよう、介護保険サー
ビスを組み合わせた在宅を中心とする支援に向けた検討を進めるとともに、ハードについては中長期
的な視点で、計画的に整備していくことが求められます。
「団塊の世代」のすべてが 75 歳以上の後期高齢者となる平成 37 年(2025 年)を目標に、「地域包
括ケアシステム」の実現に向けた最初の計画として、施策の展開を図ります。
介護
生活
支援
医療
住まい
予防
77
第4章 日常生活圏域の状況
3.日常生活圏域ごとのサービス資源(基盤)の状況
平成24年4月1日(予定)の日常生活圏域ごとのサービス資源は以下のとおりとなっています。
日常生活圏域ごとのサービス基盤状況
認定者(H23.9)
認
定
者
数
(床)
100
78
(箇所) (箇所)
本渡南
2,417
379
15.7
本渡北
3,963
695
17.5
本渡稜南
2,184
402
18.4
58
本渡東
1,498
279
18.6
50
本渡計
10,062
1,755
17.4
90
208
78
3
牛深東
1,748
435
24.9
70
50
16
2
牛深西
730
200
27.4
牛深南
2,961
622
21.0
牛深計
5,439
1,257
23.1
70
有明
2,082
372
17.9
80
御所浦
1,335
287
21.5
40
倉岳
1,248
215
17.2
栖本
973
210
新和
1,311
五和東
90
(床)
居宅サービス
居
宅
介
護
支
援
事
業
所
訪
問
介
護
通
所
介
護
通
所
リ
ハ
ビ
リ
テ
その他
訪
問
看
護
訪
問
リ
ハ
ビ
リ
テ
シ
シ
ン
ン
1
18
4
5
4
2
1
1
18
8
5
5
1
ム
1
1
1
1
9
4
1
3
2
1
1
1
18
2
1
2
1
3
63
18
12
14
6
2
4
1
9
5
2
3
2
1
1
1
1
1
4
1
1
1
9
18
2
2
2
1
1
2
56
4
2
36
7
4
5
3
2
3
1
9
4
3
3
1
1
1
9
2
1
1
1
30
1
9
2
1
4
21.6
45
1
9
1
1
1
279
21.3
50
1,544
269
17.4
五和西
1,876
384
20.5
158
五和計
3,420
653
19.1
158
天草
1,561
347
22.2
50
河浦
2,131
495
23.2
60
50
3
合計
29,562
5,870
19.9
673
378
163
1
1
1
9
3
1
3
1
1
1
8
1
9
1
1
1
2
1
2
9
1
1
2
1
18
2
2
3
2
1
9
2
2
2
1
1
1
9
4
1
4
1
11
10
180
45
28
40
16
78
0
1
1
0
0
2
18
8
ム
1
1
70
ム
1
1
70
養
護
老
人
ホ
2
40
50
軽
費
老
人
ホ
(箇所) (箇所) (箇所) (箇所) (箇所) (箇所) (箇所) (箇所) (箇所)
1
1
有
料
老
人
ホ
ー
(床)
認
知
症
対
応
型
共
同
生
活
介
護
ー
(床)
小
規
模
多
機
能
型
居
宅
介
護
ー
(%)
認
知
症
対
応
型
通
所
介
護
ョ
(人)
地域密着型サービス
介
護
療
養
型
医
療
施
設
ー
(人)
介
護
老
人
保
健
施
設
ョ
高
齢
者
数
介護保険施設
介
護
老
人
福
祉
施
設
ー
日常生活
圏域名
認
定
率
1
1
1
2
2
0
1
0
9
2
3
1
8
11
2013年3月1日号「市政だより天草」(第166号)より抜粋
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