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第3号 - 静岡市

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第3号 - 静岡市
第3号
2007年11月末日発行
発行:静岡市こころの健康センター
〒422-8006 静岡県静岡市駿河区曲金三丁目1-30 Tel 054-285-0434 Fax 054-285-0404
http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/index.html
はればれメンタルヘルスフェア ’07
∼支えあうこころと命∼
ふれあい交流コーナー
10月27日㈯ 静岡市民文化会館 中ホール前には、開場を待って人々
の列ができました。このフェアは、静岡市が政令指定都市となった2005
年に始まり、 回目となりました。今年は、「うつ・自殺予防対策」を大
きなテーマとして掲げ、パネルディスカッション、講演、ふれあい交流
コーナーを行いました。雨天にもかかわらず、市民800人が参加し、大
盛況となりました。授産製品等の販売(地域生活支援センターおさだ・
静岡市支援センターなごやか・ひこばえ作業所・グループショップぱれっ
副市長(右)
とが出店)では、プリン等お菓子類が飛ぶように売れていました。
ノーベル文学賞作家 大江健三郎氏が講演!
<講演> テーマ「壊すこと」と「恢復する・恢復させること」
講師 ノーベル文学賞作家 大江健三郎氏
大江氏は「心の問題は、自分の経験に結び付けて話さないと、伝わ
らないと思う」と、高校・大学へ進学、結婚もして順調であった28歳
のときに、長男が障害を持って誕生したことを話された。
「これは自
分が壊れてしまうような、今までの人生が壊れてしまうような事件」
であった。しかし、夫婦でこの子を救うことが、自分も恢復すること
につながった。
子どもはよく病気になったが、 ヶ月もたつと恢復し
てくる。それをくり返し見ていると、この子には「恢復していこう」
という意志があり、また恢復すると、その前の水準より明らかに身体
も心も成長していることを発見した。これが「人間が生きる」という
ことではないか。恢復させようと力を尽くし、恢復することに立ち会うのは、人間として喜びに満ちた生産的な日々
であった。恢復すること、恢復させることがいっしょになって、互いに苦しい状況から恢復することを共有していく
人生であったと思う。そしてそこで大切なことは、「注意深さ」と「勇気」である。障害のある子、苦しんでいる人
に対して、
「どう苦しいのか」注意深くあること、そして「どこが苦しいのですか」と問い掛ける勇気が大切。良い
方向に社会が進むためには、自分自身、家族、隣人への注意深さが大切であり、それが苦しみを作り出している問題
点を解決していくと締めくくられた。
はればれメンタルヘルスフェア ’07
<パネルディスカッション>
日本では、平成10年から、年間
万人を越える方が自殺で亡くなっています。
大切な命を守るために、佐野光正静岡市こころの健康センター所長がコーディネーターとなり、自殺予防対策を
率先して実践しているパネリスト達が、ディスカッションをすすめました。
パネリスト
西 田 正 弘氏 NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンク副代表
西原由記子氏 NPO国際ビフレンダーズ東京自殺防止センター 創設者
小野塚良子氏 新潟県 十日町市松之山支所 健康福祉課 保健師
西田氏は、12歳の時に父親を交通事故で亡くしたが、自殺者の遺児達
が、
「自殺」のことを誰にも言えず、自分を責めていることを知った。
西原氏は、普通の主婦だったが、身近な青年が自殺したことをきっかけ
に、電話相談だけでなく面接・訪問までできるセンターを作った。小野
塚氏は、豪雪地帯である松之山町の自殺率がとても高いことに気付き、
昭和60年から高齢者の自殺を減らそうと、保健師として取り組んできた。
自殺は「追い詰められた末の死」であり、しかし「防ぐことのできる死」
であるということ、
「自殺を社会的な問題としてとらえ、互いの身になっ
て支えあうことが大切」と、実践を通して語られた。
Dr. ジョージの
お役立ち情報
第2回 思考パターンの工夫で
ストレスを軽減
こころの元気がなくなると不快な考えに悩まされることが多くなります。否定的なことを考えれば考えるほど気持ち
は沈んでいきます。否定的な考えは、無意識のうちにふっと浮かんでくるものです。その考えは事実に基づくもので
はなく、自分に関してくだす低い評価に基づいています。その考えは不合理で役に立たないものなのに、どうしても
理屈にかなって正しいものと判断してしまいがちです。そして、否定的な考えを信じれば信じるほど気分は暗くなりま
す。元気のないときの否定的な考えは事実に基づいていません。悲しむ理由がなくても否定的なことを考えると悲し
くなります。まず、自分の考えていることが現実的なものかどうか知る方法を学んでいきましょう。嫌に思われていた
出来事にも気分を害されないようになります。否定的な考えに気付き、次に否定的な考えを修正してもっと現実に即
した考えに置き換えることです。
このように「考え方」や「ものの見方」を変えることで、嫌な感情や行動を修正する方法を「認知療法」といいます。
この治療法は方法を学べば自分ひとりでも行える治療法になります。当センターでもうつ病集団認知療法を行っていま
すので興味のある方はホームページをご覧になってください。
歪んだ認知にはいくつかパターンがあります。主なパターンは以下のものです。
① 0か100か、白か黒かで考える
両極端の見方をして、中間の見方ができないことです。1つでも失敗すると、
「全部だめだ」と思ってしまいます。
② すべき思考
何かやろうとするときいつも「∼すべき」
「∼すべきでない」と考えてしまうことです。それができなかったら、自
分を追いつめ自責感にとらわれやすくなります。
③ 誇大視と最小評価
自分の短所や失敗を過大に考え、長所や成功したことを過小評価することです。自分のいいところが見えにくくな
ります。
2 しずおかこころ
ひきこもりについて考えよう
市内で活動している2団体にインタビューしてきました。
ひきこもり親の会 KHJ 静岡県「いっぷく会」事務局
三森 重則氏
☎090−5036−2552(阿形様)
☎054−245−0766(中津川様)
1.どんなことをしていますか?
ひきこもり親の会 KHJ 静岡県「いっぷく会」の活動を、事務局としてサポートしています。ひきこもり本人
や家族への面接・相談・訪問を行う中で、親や本人からの要望もあり、
NPO法人 サンフォレストを平成20年
度に立ち上げることになりました。
2.現代の青年たちを見て思うことは?
今の若い子たちは、生きづらい時代を生きています。多くは、その生きづらさすら自覚していません。
青年のアイデンティティの確立が希薄になっている一方、物質的には非常に豊かで、選択肢が多すぎるほどで
す。でも確固とした拠りどころのない状態で選択肢だけ用意されて、どれにするか決めなければならない残酷さ
が今の世の中にはあるように思います。
親の世代は、選ぶ選択肢も少なかった時代。豊かさの裏にある残酷さに気づける親はなかなかいません。
性格的や、環境による“なりやすさ”は多少あるかもしれません。しかし誰でも、どんな子でも、不登校やひ
きこもりになりうる可能性のある時代なんだと思います。
3.今後の取り組みについて教えてください。
身近にあたたかい関係をもてる人がいるかどうかがポイントだと思います。
身近な、生活に密着した人や機関が、あたたかく本人を理解できるようになるといいですね。これからは専門
家の「先生」ではなく、近所のお兄さんとか、おじさん・おばさんみたいな身近な存在が必要ではないかと思います。
昔の家族のように祖父母がいて、叔父叔母も同じ家に住んでいて…すると、色んなことを多様な視点で見るこ
とができるようになります。今足りないのは、その大家族のようなコミュニティ。本人をエンパワーメントする
他に、身近にあたたかくよりそってくれる人や機関が増えるといいですね。
青少年交流スペース「アンダンテ」所長
松下 喜彦氏
馬渕1丁目あざれあ5階 ☎054−255−0600
1.どんなことをしていますか?
社会的ひきこもり状態にある、或いは人間関係に悩む青少年や親の支援活動をしています。
「アンダンテ」では、個別相談や青少年の集える場所の提供としてフリースペースを設けています。また、社会
的ひきこもりの青少年を抱える親の方々を対象に学習会を開催しています。様々な活動の基本として、信頼関係
を作る場づくりを心掛けています。
2.現代の青年たちをみて思うことは?
「アンダンテ」の活動を通して感じているのは、社会的ひきこもりの青年や親の悩みも深いのですが、それを
取り囲んでいる社会の有り様が気になっています。社会的ひきこもりの青年だけでなく、我々にとっても適応す
るのに大変なエネルギーを必要とする社会になっているのではないかと思います。
3.今後の取り組みについて教えてください。
いままで相談活動やフリースペースの提供そして親の方々への支援活動を行ってきましたが、今後更に社会に
向かって働きかけていく必要性を感じています。今後の展開については模索中ですが、人と人とが信頼できる関
係を作ることの大切さを伝えていけたらと考えています。
しずおかこころ 3
静岡から
第2回
精神保健福祉ボランティアグループ
こんにちは
市内を中心に活動している精神保健福祉ボランティア
グループをご紹介します。
フォルテシモ
▷定 例 会 毎月第 金曜日
▷活動内容
保健所デイケア「若草クラブ」との合同昼食作り、
会食会、
クラブ員との交流・
話し会い・例年行われるメンタルヘルスフェア、ジョイントコンサート、ハー
トフルアート展での受付・会場係・来賓接待などの活動・ハートフルアート
展での作品制作指導及び手伝い・若草クラブのバス旅行付き添い・精神保健
ボランティア全国大会への参加
全国障害者スポーツ大会(静岡大会)の支援活動
ふ だ ん 気
昨日、今日と歩み続けて22年目。明日へと道は続く「ふだん気」です。
「気負わず出来る事を出来るように」を合言葉に、会員 名 会員募集中
▷定 例 会 毎月第 火曜日
▷活動内容
作業所、支援センターの活動(食事作り、手伝い、ちえ袋を伝える 等、行事参加)
ボランティア、ショップ活動(月 回 日間資源の再利用、場所作り、活動資金 等)
サロン「みんなの家」 月 回(スムーズな地域生活をするために社会見学、体験、調理実習)
関係機関、団体に協力
静岡ほのぼの会
「静岡ほのぼの会」です。私達の会は、平成 年 、10月に実施された精神保
健ボランティア養成講座受講者により、平成 年 月に会員数20名で発足しまし
た。以後会員数も減少し現在数は7名ですが、一致団結しながら活動しておりま
す。
▷活動内容
毎月 第 水曜日 10時∼16時 定例会 つくし会支援
毎月 第 土曜日 13時∼17時 自助グループ虹の会支援
上記の他、各関係機関の要請による活動もあります。
■お問合せ 社会福祉法人 静岡市社会福祉協議会
ボランティア・市民活動センター静岡 ☎054−254−6330
インフォメーション
市内関係機関からのお知らせです。
静岡市からのお知らせ
第3回こころの健康講座
地域交流もちつき大会
日 時 平成20年 月21日㈪ 13:30∼15:30
場 所 グランシップ 階 908会議室
講 師 白井 孝一氏(弁護士)
オーシャニック法律事務所
寺田 倫(精神科医)
静岡市こころの健康センター
内 容 「もしも!が本当に起こったら・・・
事件や事故後のこころの傷」
申 込 12月26日㈬∼ 月16日㈬
静岡市コールセンターへ
☎054−200−4894
りんどう相談室
自殺者ご遺族のためのメンタルケア相談
大切な方を失い、一人で悩んでいませんか?
誰にも話せなかったことを話してみませんか?
水曜日 午前 予約制 精神科医等による相談
申込み 静岡市こころの健康センターへ
☎054−285−0434
てるてるハート
月・水・金 13:00∼16:00
☎054−285−0316
4 しずおかこころ
うつ病に関する電話相談
日 時 平成19年12月22日(土)
場 所 ひこばえ作業所
葵区古庄6 14 17
内 容 お餅食べ放題・ミニバザー・
ゲ ー ム、ダ ー ツ で 景 品 を
ゲットしよう。
申 込 直接会場へどうぞ。
問合せ ひこばえ作業所
☎054 264 2454
カラオケ紅白歌合戦
日 時 平成20年1月26日(土)
場 所 はーとぱる地域交流室
清水区村松原3−14−8
内 容 紅白各 10 組がカラオケを
歌い審査員5名により順位
を決定します。出場者・応
援者を募集します。
申 込 はーとぱる
☎054 337 1746
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