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使用済燃料棒は毎年1000トン、 もう保管場所がない

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使用済燃料棒は毎年1000トン、 もう保管場所がない
Data5 − 3 − A
5-3
核のゴミ
使用済燃料棒は毎年1000トン、
もう保管場所がない
右の日本地図は、日本の原発内にある使用済燃料棒の量と、貯蔵プールが
●たまりつづける使用済燃料棒地図
ウラン換算トン、
〈 〉内はあと何年で満杯になるか。
使用済燃料棒は数年間冷やされたあと、再処理工場
(六ヶ所村や海外)へ送られる。
東京電力
東通(ひがしどおり)
北海道電力 泊(とまり)
60〈あと5.7年〉
350〈あと13年〉
日本原子力発電 敦賀(つるが)
580〈あと7年〉
あと何年でいっぱいになるかを表している。
使用済核燃棒は、原子炉建屋内の貯蔵プールで数年間冷やされる。その
プールがもういっぱいなのだ。棚の間隔を狭くするなどして貯蔵能力を増や
札幌
関西電力 美浜(みはま)
東京電力
360〈あと6.4年〉
柏崎刈羽(かしわざきかりわ)
してきたが、狭くし過ぎると危険が伴う。原発が動き続ければ、毎年発生す
る使用済核燃料 1000 ~ 1200 トンの行き場がなくなる(72p のグラフ)
。
六ヶ所村の貯蔵量も 2010 年ですでに 94.5%である。
使用済燃料棒は、崩壊熱(16p 参照)を発生させるので、水を循環させ
青森
1350〈あと6.1年〉
北陸電力 志賀(しか)
関西電力 高浜(たかはま)
期点検中だったので原子炉には核燃料がなかったにもかかわらず、水素爆発
中国電力 島根(しまね)
が起きた。貯蔵プールの冷却水が循環できなくなり、冷やせなくなったため
370〈あと5.8年〉
仙台
新潟
東京
名古屋
中部電力
なくなってから、深さ 300 m以上の地下深くに埋める。低レベル放射性廃
浜岡(はまおか)
四国電力 伊方(いかた)
メントで固め、深さ4m 以上の土中に埋めて 300 年間管理し続ける(73
日本は、使用済燃料棒の再処理をほぼフランス・イギリスに委託してきた。
フランスからは、再処理後のガラス固化体(高レベル放射性廃棄物)1310
東京電力
1130〈あと1.9年〉
松山
鹿児島
1820〈あと2年〉
福島第二(ふくしまだいに)
静岡
大阪
佐賀
東京電力
水戸
松江
使用済燃料棒は、冷やされたあと再処理工場へ送られる。そこから出る高
所は見つかっていない。高レベル廃棄物は世界に約 25 万トンもある。
福島
福島第一(ふくしまだいいち)
金沢
福井
に、水が高温になって蒸発し、燃料が露出して、水素が発生して爆発した。
pの図)
。こうした処分方法は決まっているが、高レベル廃棄物を埋める場
東北電力 女川(おながわ)
390〈あと6.7年〉
120〈あと11.4年〉
て冷やし続けなければならない。福島第一原発・4 号機は、地震発生時、定
棄物のうち、液体は除染後、海に放出される。固体はドラム缶に入れて、セ
2800トン
(94.5%)
関西電力 大飯(おおい)
1160〈あと5.7年〉
レベル放射性廃棄物は、ガラス固化され、30 ~ 50 年たって、放射能が少
六ヶ所村・再処理施設
2210〈あと3年〉
1090〈あと6.5年〉
日本原子力発電
東海第二(とうかいだいに)
370〈あと2.3年〉
550〈あと7.8年〉
九州電力 玄海(げんかい)
750〈あと3.4年〉
九州電力 川内(せんだい)
850〈あと8.8年〉
◦日本合計 1万 6330 トン(世界3位)
◦世界合計 約 25 万トン
※こ れらは処理できないまま毎年 1000 トンず
つ増えつづける。半減期は万年単位である。
本が戻ってきている(契約終了)
。イギリスからは、2010 年から 10 年か
けて計 850 本が返還される計画である。
070
電気事業連合会の資料より作図
071
Data5 − 3 −B
Data5 − 3 − C
●増えつづける高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体の本数)
●放射性廃棄物=核のゴミの処理方法
1800
(本)
1600
1400
1022
1056
1000
高レベル放射性廃棄物
高レベル
放射性
廃棄物
ガラス固体にする
1200
1702
◦2
010 年 12 月 末 現 在、1702 本
ある。そのうち、
青森県六ヶ所村、
1664 1664
日本原燃・再処理施設に 1455 本、
1614
茨城県東海村、日本原子力研究
開発機構・再処理施設に 247 本
1551
ある。
◦2
010 年 12 月末までに生じた使
用済燃料を全て再処理した場合、 1398
ガラス固化体は約 2 万 4100 本
分になる(原子炉の中の燃焼分
も含む)
。
◦ガラス固化体の年間発生量は、約
1300〜1600 本と想定。2021 年
頃には約4万本に達する見込み。
ガラスの原料
ガラス固化
使用済燃料を再処理
したあとの廃液をガ
ラス原料といっしょ
に高温でとかす。ス
テンレス製の容器
(キャニスター)の
中でゆっくり固め
る。
地下
300m
高レベル
放射性
廃棄物
冷えて固まった
ガラスと廃棄物
(ガラス固化)
800
743 746
600
561
400
200
334
低レベル放射性廃棄物
190
低レベル放射
性廃棄物をつ
めたドラム缶
2010年
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年
2003年
2002年
2001年
2000年
1999年
1998年
0
◦地下 300 メートルより深い岩盤の中に埋める。この方法で最終処分を行った国はまだひとつ
もない。放射能が低くなるまで 10 万年以上もそこで保管し続けることになる。
◦フィンランドでは、500 メートルの地下施設を建設中だが、放射能が 16 分の1になる 10 万
年後まで、だれかが堀りかえさないようにするために、どうするかを真剣に話し合っている。
10 万年後といえば想像しにくいが、10 万年前はネアンデルタール人の時代である。なお、地
層処分の費用は約3兆円と試算されている。
電気事業連合会の資料より作図
○○○○より作成
072
深さ4メートル以上の土中
セメントで
すき間を補
てん
廃液やフィルター、紙や防護服、金具、工具などをセメントでかためて、
深さ4m 以上の地下に埋める。青森県六カ所村に埋設施設がある。
073
粘土を
まぜた土
鉄筋コンク
リート製の
埋設設備
Fly UP