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日本株「ストック・ピック」 NO.50

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日本株「ストック・ピック」 NO.50
マンスリー・レポート
日本株「ストック・ピック」
NO.50
2016 年 7 月号
目 次
今月のポイント
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.1
「内需・好業績銘柄に注目」
ストック・ピック銘柄
新規紹介
◆西松建設(1820)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.2
新規紹介
◆ジェイエイシーリクルートメント(2124)・・・・・・
P.5
継続紹介
◆エスフーズ(2292)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.10
新規紹介
◆ケンコーマヨネーズ(2915)・・・・・・・・・・・
P.14
新規紹介
◆タカラトミー(7867)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.17
最近の「カンパニーレポート」が視聴可能-オンデマンドで再生できます!
投資調査部
2016 年 7 月のマンスリー・レポート日本株
今月の
ポイント
「内需・好業績銘柄に注目」
○7月の株式相場は、政策期待の高まりが下支えとなり堅調に推移しよう。英国の欧州連合(EU)
離脱による株式市場への影響が警戒される一方で、日銀の追加緩和観測の高まり(7月28・29日:金融
政策決定会合を開催予定)、今秋にも策定予定の経済対策に対する投資家の期待は大きい。政府は、
経済対策において公共投資の拡大や消費支援を盛り込む可能性が高いと言われている。
○今月下旬から3月期決算企業の4-6月期決算発表が本格化する。期初計画発表時に比べ円高
ドル安が進行しており、会社側が公表する決算内容および見通しなどへの投資家の関心は強い。
○このような環境下、投資家の物色対象は内需・好業績銘柄となろう。本レポートでは、建設セクタ
ーから西松建設(1820)、堅調な食品セクターからエスフーズ(2292)とケンコーマヨネーズ(2915)の
ほか、ジェイエイシーリクルートメント(2124)とタカラトミー(7867)をピックアップした。
新規
西松建設(1820)
■
大型土木に強みを持つ準大手ゼネコン
■
17/3期、前期比36%経常増益と会社計画を上回ると予想
■
バリュエーション面から株価に割安感、700円程度を目指すとみる
新規
(廣瀬 治)
ジェイエイシーリクルートメント(2124)
■
人材紹介業準大手で外資系に強み、中高額年収帯の人材とバイリンガル人材紹介に特化
■
人材紹介マーケットの拡大とコンサルタントの増加で成長続く見通し
■
株価は16/12期予想PERで27倍程度の評価は可能とみる
継続
エスフーズ(2292)
■
食肉流通の川上から川下まで行なう食肉準大手
■
各事業の施策効果で高成長を見込む
■
好業績予想から株価は3,870円程度を目指すと期待
新規
ケンコーマヨネーズ(2915)
■
個食化を背景にサラダ・総菜類が伸びる業務用マヨネーズ大手
■
17/3期は会社計画比上ブレ、18/3期も増益持続と予想
■
株価は3,710円を目指し上昇トレンド持続と予想
新規
タカラトミー(7867)
■
ベイブレードを起爆剤に経営改革を進める
■
業績はベイブレード、トランスフォーマーの寄与で回復傾向鮮明に
■
株価は1,300円程度を目指し上値を追う展開を予想
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご参照ください。
1/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.799
西松建設 (1820)
売上高
営業利益
経常利益
2016 年 7 月 8 日
東海東京調査センター
投資調査部 廣瀬 治
売買単位
1000 株
一株当たり
利益
配当
当期利益
株価
(7/5時点)
486.0円
16/3
3,088 ( -10% )
161 ( 86% )
162 (
64% )
145 ( 58% )
52.7
16.0
PER(17/3期予想)
〃(18/3期予想)
8.7 倍
8.7 倍
17/3予
3,350 (
8% )
221 ( 37% )
221 (
36% )
155 (
6% )
56.0
17.0 PBR(16/3期実績)
0.88 倍
18/3予
3,450 (
3% )
220 (
220 (
0% )
155 (
0% )
56.0
17.0 ROE(16/3期実績)
9.7 %
0% )
一株当たり純資産
注)業績予想(連結優先)は東海東京調査センター(栗原 英明) ( )は前期比伸び率
555.1 円
(単位:億円、%、円)
■ 大型土木に強みを持つ準大手ゼネコン
■ 17/3 期、前期比 36%経常増益と会社計画を上回ると予想
■ バリュエーション面から株価に割安感、700 円程度を目指すとみる
詳細は、企業レポート(2016 年 6 月 16 日)を参照して下さい
■ 大型土木に強みを持つ準大手ゼネコン
同社は、上場大手 4 社に次ぐ準大手ゼネコンの一角。創業 1874 年と
1 世紀を超える歴史を持つ。大型土木に強みを持ち、道路、ダム、鉄道
などで豊富な実績を誇る。国内では新東名高速道路、海外では香港の
雨水排水トンネルなどのプロジェクトを完成させた。なお、16/3 期の売
上構成比(単体)※は、国内土木 34%、国内建築 55%、海外 9%、不動産
事業等 3%。
※国内・海外事業別売上高構成の開示は単体決算のみ、受注高も同様
同社の経常利益は、公共投資削減等を背景にして 90 年半ばから長
期低迷期に入ったが、10/3 期をボトムに回復傾向(図表 1)。今後、東京
オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪)に向けた関連施設の建設や
都市部の再開発、リニア中央新幹線の建設、防災減災事業等への投資
が堅調に推移すると予想される。
図表 1:売上高および経常利益の推移
億円
4,500
500
4,000
売上高
400
(左軸)
億円
3,500
300
221
3,000
220
237
200
162
2,500
99
79
2,000
35
22
34
43
61
経常利益
100
(右軸)
0
1,500
予 想
1,000
▲ 100
‐64
08/3期 09/3期 10/3期 11/3期 12/3期 13/3期 14/3期 15/3期 16/3期 17/3期 18/3期 19/3期
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご覧下さい。
2/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
■ 17/3 期、前期比 36%経常増益と会社計画を上回ると予想
17/3 期の受注高(単体、以下同じ)について、東海東京調査センターで
は、前期比 11%増の 3320 億円と会社計画(前期比 8%増の 3,240 億円)を
上回ると予想する(図表 2)。高速道路やリニア中央新幹線など同社が得
意とするトンネル工事を中心に需要は旺盛とみており、国内土木受注が
会社計画を上回ることは可能と考えるため。また、国内建築は、期初の
段階でかなりの内定案件がある模様である。
18/3 期および 19/3 期の受注高は、東京五輪前の竣工予定物件が一
巡し、一旦はピークアウトする可能性が高いとみる。だが、2020 年以降
に先送りされた工事も多いとみられ、中期的に高水準の受注が期待で
きるとみる。
この高水準な受注高を背景に、当調査センターでは 17/3 期を「売上
高 3350 億円(前期比 8%増)、経常利益 221 億円(同 36%増)、当期利益
155 億円(同 6%増)」と会社計画(売上高 3270 億円、経常利益 165 億円、当期利
益 120 億円)を上回ると予想する。会社計画の国内土木、同建築ともに保
守的な利益率前提と受け止めているためだ。なお、海外 (土木) は前
16/3 期の大幅な赤字(アルジェリアの土木工事で損失計上)から黒字転換の
見通し。香港のトンネル工事におけるクレーム申し立てが認められる可
能性が高まり、利益計上できる見込みである。
続く 18/3 期は「売上高 3450 億円(前期比 3%増)、経常利益 220 億円(同
横バイ)、当期利益
155 億円(同横バイ)」と予想する。採算重視の受注活
動の成果による国内工事の増益で、海外工事の減益を吸収できるとみ
ている。
図表 2:事業別受注高(単体)の推移
億円
4,000
高水準な受注高が持続見通し
3,500
海外
3,000
2,500
国内建築
2,000
1,500
1,000
国内土木
500
0
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
16/3期 17/3期計 17/3期予 18/3期予 19/3期予
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 計は会社計画、予は東海東京調査センター予想
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご覧下さい。
3/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
■ バリュエーション面から株価に割安感、700 円程度を目指すとみる
株価は、5月11日の16/3期決算発表後、軟調な展開となった(図表3)。
会社側公表の保守的な17/3期業績見通しが嫌気されたようだ。だが、
当調査センターでは、同社業績は増益基調が続くと予想し、バリュエー
ション面の割安感から、株価は水準見直しの余地があるとみている。
17/3期予想PERは8.7倍、16/3期実績PBRは0.88倍。安倍首相は、7月
10日の参議院選挙を前に、今秋にも総合的かつ大胆な経済政策を行う
考えを示しており、同社を含む建設業界に追い風となろう。
当調査センターでは、株価は17/3期予想PER12倍に相当する700円
程度を目指す展開を予想する。PER12倍は、建設業界の環境が変化し
た2013年9月以降の同社の平均PERである(目標株価についての根拠および
リスクについては、6月16日付の企業レポートを参照)。なお、17/3期一株当たり予
想配当金について、会社計画の13円に対して、当調査センターでは17
円(予想配当利回り:3.49%)を見込む。16年4―6月期決算発表は8月8日の
予定。
図表3: 株価チャート(週足)と出来高の推移
円
650
600
西松建
(週足)
(15/8/28)
577
(15/9/1)
548
550
500
(16/3/24)
506
450
400
404
(15/4/10)
350
300
250
26週移動平均線
382
(16/2/12)
千株
50000
出来高
40000
30000
20000
10000
0
14/4/7
14/10/6
15/4/6
15/10/5
出所:QUICK より東海東京調査センター作成
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご覧下さい。
4/22
16/4/4
ストラテジーを読みやすく、明快に!
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.800
ジェイエイシーリクルートメント
売上高
営業利益
売買単位
100 株
(2124)
経常利益
2016 年 7 月 8 日
東海東京調査センター
投資調査部 武井 宏彰
当期利益
一株当たり
利益 配当
株価
(7/5時点)
1,694.0円
PER(16/12期予想) 22.3 倍
〃(17/12期予想) 18.5 倍
15/12
112 ( 21% )
35 ( 32% )
35 (
32% )
18 ( 14% )
44.9
19.0
16/12予
139 ( 24% )
47 ( 34% )
47 (
34% )
30 ( 70% )
76.1
25.0 PBR(15/12期実績) 10.07 倍
17/12予
167 ( 20% )
56 ( 20% )
56 (
20% )
36 ( 20% )
91.5
30.0 ROE(15/12期実績)
一株当たり純資産
注)業績予想(連結優先)は東海東京調査センター(細井 克己) ()は前期比伸び率
168.30 円
29.5 %
(単位:億円、%、円)
■ 会社概要:人材紹介業の準大手で、外資系に強み
■ 同社の強み:中高額年収帯の人材とバイリンガル人材紹介に特化
■ 業績動向:人材紹介マーケットの拡大とコンサルタントの増加で成長続く見通し
■ 株価見通し:株価は 16/12 期予想PERで 27 倍程度の評価は可能とみる
詳細は、企業レポート(2016 年 6 月 14 日)を参照して下さい
■ 会社概要:人材紹介業の準大手で、外資系に強み
人材紹介業の準大手で、特に外資系に強みがある。社名の由来は、1975
年に英国に居住する日本人向けサービスの充実を目的として、ロンドンに
誕生した JAC(Japan Agency & Consultancy)がその起源。社名の JAC には、現
地で活躍する日本 (Japan) の方の代理人 (Agency) 、相談相手 (Consultancy) とし
て役に立ちたいという想いが込められている。同社グループは、同社と連結
子会社 2 社で構成されている。子会社 JAC International は、国内外の外資
系企業の中高額年収(年収 500 万円以上)の案件に特化。もう 1 つの子会社、
シー・シー・コンサルティング(13 年 12 月に子会社化)は、主に国内に進出
している外資系企業をターゲットとした求人情報サイト「キャリアクロス」を中
心に求人広告事業を行っている。16 年 5 月末時点で 552 名のコンサルタン
トが、幅広い業界へ対応。紹介者が入社した時点で、成功報酬として年収
の 3 割程度の手数料を求人企業から受け取っている。
図表 1:人材紹介事業の業界別売上高
金融業界 10.3%
その他 0.4%
電気・機械
化学業界
36.5%
IT・通信業界
11.1%
15/12期
人材紹介事業
売上高
10,855百万円
メディカル
医療業界
17.5%
(出所)会社資料より弊社作成
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご覧下さい。
5/22
消費財
サービス業界
24.2%
ストラテジーを読みやすく、明快に!
同社の顧客は人材を求める企業と転職希望者。人材紹介会社を利用す
るメリットとして、企業にとっては人材紹介業は完全成功報酬型であることか
ら、採用が決定するまで費用が発生しないため、リスクを取らずに優秀な人
材を採用することができる。一方、転職希望者にとっては、経験が豊富なプ
ロフェッショナルコンサルタントと面談することで、求人情報に加え、職務経
歴書や面接などのアドバイス、自己スキル分析等のコンサルティングを受け
たり、入社時期や年収や条件等の交渉をすべて無料で代行してもらえるな
どのメリットがある。
また、人材派遣と人材紹介とではビジネスモデルが異なる。人材派遣の
場合、人材派遣会社に登録した人材を企業へ派遣し、派遣先企業から派
遣料を得る。人材派遣会社はその派遣料から派遣スタッフの給与や各種社
会保険料(売上原価)を差し引いた額を利益として得ることができる。そのた
め、人材派遣と人材紹介で同じ売上高を上げていても、利益額は大きく異
なる点が特徴。
図表 2:人材紹介業と人材派遣業のビジネスモデル
人材派遣業のビジネスモデル
人材紹介業のビジネスモデル
指揮命令関係
面接・雇用契約
派遣
スタッフ
派遣先
企業
転職希望者
(登録型)
求人企業
(全産業)
紹介手数料
派遣
会社
JAC
成功報酬型
(出所)会社資料より弊社作成
図表 3:人材紹介業と人材派遣業の売上高総利益構成
●人材紹介業
売上高(手数料:転職者の年収×料率)
売上総利益
●人材派遣業
売上高(労働者派遣料)
売上原価
( 派遣ス タッフ給与+各種社会保険料)
(出所)会社資料より弊社作成
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6/22
売上
総利益
ストラテジーを読みやすく、明快に!
■ 同社の強み:中高額年収帯の人材とバイリンガル人材紹介に特化
同社の強みは主に 2 つある。1つは、求人企業、登録者両方を一人のコ
ンサルタントが担当する「両面型」のビジネスモデルを導入し、求人企業の
ニーズに迅速かつ正確に応えるとともに、1 件当たり成約手数料の高い中
高額年収帯の人材紹介を可能にしていること。中高額年収帯はコンサルタ
ントの質への要求が高くなり手間がかかるため、同業の大手は低額年収帯
の人材紹介が中心で、手間がかかる中高額年収帯の紹介には消極的な傾
向にある(若年層の低額年収帯では紹介量が勝負となる)。また、低額年収帯の人
材紹介と比べ約定件数が減少することから、コンサルタントによっては短期
的には成績が上がらず、離職率が高まることもある。そのため、同社のコン
サルタントの成績評価は、同業他社の多くが基本的に個人成績で評価する
のに対し、数人でグループを形成するグループ制をとっている。これは個人
成績が目標に達しない場合でも、グループの目標が達成されれば一定のイ
ンセンティブがつくというもの。グループ制には、各コンサルタントが抱える
案件を他のコンサルタントへ紹介する動きや、離職率を低下させる効果が
ある。
2 つ目の強みは、紹介の質の高さ及びバイリンガル人材で他社との差別
化を図っていること。人材紹介会社は初期コストが低いため新規参入が容
易だが、一定の規模以上になるには、IT を駆使して大量の人材を紹介す
るか、優秀なコンサルタントを多数抱えて紹介の質を高めることが必要であ
り、同社は後者に注力している。また、JAC International を中心に、外資系
企業の国内求人、国内企業の海外勤務求人に対応。企業のグローバル化
が進み、これまで需要がなかった中小企業まで海外へ派遣する人材のニ
ーズが拡大しており、同社の追い風となっている。
また、これらの強みが、同業他社と比べて高い同社の売上高営業利益率
を可能にしている(図表 4)。
図表 4:同業他社との売上高営業利益率の比較(過去 5 年)
35.0
(%)
2124
30.0
JACR
2379 ディップ
25.0
2175
20.0
9744 メイテック
SMS
3654 ヒトコム
15.0
2154 トラスト・テック
10.0
6098 リクルートHD
5.0
2181 テンプHD
2427 アウトソシング
0.0
11年度
12年度
13年度
14年度
15年度
(出所)QUICKより弊社作成。リクルートHDのみ12年度から表示。社名はQUICK表記
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご覧下さい。
7/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
■ 業績動向:人材紹介マーケットの拡大とコンサルタントの増加で成長続く見通し
16 年1-3 月期の売上高は前年同期比32%増の 32.7 億円、経常利益は同79%
増の 11.8 億円で着地(4/28)。会社上期計画(16 年1-6 月期)の売上高63.1 億円、経
常利益 18.0 億円に対する進捗率は、売上高が 51.9%、経常利益が 65.9%と高水
準となった。国内の有効求人倍率が高水準で推移する中、コンサルタント数を増
加させたことで、中高額並びに専門性の高い求人の成約が高まった(図表 5)。また、
月次売上高は 4 月が前年同月比 33.1%増、5 月が同 21.5%増と高い成長が続い
ており、上期業績は会社計画比上ブレの可能性が高いと考える(図表 6)。
図表 5:コンサルタント人員数の推移
図表 6:月次売上高と前年同月比伸び率の推移
コンサルタント人員
(人)
600
(億円)
(%)
50
25
前年同月比伸び率(左軸)
552
500
40
20
400
30
15
300
20
10
200
10
5
月次連結売上高(右軸)
100
0
10年12月31日 11年12月31日 12年12月31日 13年12月31日 14年12月31日 15年12月31日 16年5月31日
(出所)会社資料より弊社作成
15年12月期
(出所)会社資料より弊社作成
12月
11月
9月
10月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
12月
11月
9月
10月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月
0
0
16年12月期
弊社では、16/12 期通期の売上高を前期比 24%増の 139 億円、経常利益を同
34%増の 47.3 億円と、会社計画の売上高134 億円、経常利益40.5 億円を上ブレ
ると予想。引き続き、国内の労働力人口減少による人材不足は続く見通し。会社
側は、今後コンサルタントの人数を現在の 552 名から将来的には 800 名程度まで
増加させる計画で、コンサルタントの増加による収益拡大は当面続くと考える。ま
た、同社は外資系企業の国内求人と国内企業の海外勤務求人をあわせたインタ
ーナショナル領域が売上高の約半分を占めている。同領域の2015 年平均の成約
単価は219万円と、同期間の全社平均成約単価204 万円を上回り収益性は高い。
今後も日本企業のグローバル化が予想され、人材の流動化が加速すれば、中高
額帯の人材紹介ビジネスは大きく拡大する可能性がある。会社側は、人材紹介マ
ーケットの市場規模が 2014 年の約 1850 億円から、2020 年には 2390 億円と約
30%成長するとしている(図表 7)。
図表 7:人材紹介マーケットの見通し
図表 8:売上高と経常利益の推移
(億円)
3000
(億円)
2014~2020年で
人材紹介市場は
30%程度成長へ
2750
(億円)
100
200
90
180
売上高(右軸)
80
2500
2250
2140
2210
2270
2320
2390
56.8 60
47.3 50
2040
2000
160
67.3 70
35.2 40
40
経常利益(左軸)
10
0
1500
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
(出所)JACRの「15年12月期決算説明会資料」より弊社作成。2016年以降は会社予想
2019年
2020年
20
0
11/12期
12/12期
13/12期
(出所)QUICKより弊社作成。予想は弊社
このレポートの取り扱いに関する重要事項は末尾の注意事項をご覧下さい。
8/22
100
60
20
1750
120
80
30
1850
140
14/12期
15/12期
16/12期予 17/12期予 18/12期予
ストラテジーを読みやすく、明快に!
■ 株価見通し: 株価は 16/12 期予想PERで 27 倍程度の評価は可能とみる
図表9は、同社と同業の上場人材関連企業のバリュエーションを比較した
ものである。同社の16/12期予想PERは22.3倍と、同社を除く上場人材関
連企業の平均26.2倍と比較して割安感がある。また、前期のROE(自己資本
利益率)も29.5%と、比較的ROEが高水準な人材関連業界の中でも高い水
準を維持している。弊社では、人材関連業界の中でも、中高額年収帯とバ
イリンガル人材に焦点を当てた独自のポジショニングにより、今後も同社の
高い成長が続くと考える。弊社(細井克己)は、16/12期弊社予想EPS76.1円
に、上場人材関連企業の予想PERを参考に27倍程度の評価は可能と考
え、目標株価を2050円としている。PER27倍は、6/14に発行した企業レポ
ート作成時の上場人材関連企業の平均PER(6/13終値ベース)。16年1-6月
期決算発表は7月29日の予定。
図表 9:上場人材関連銘柄のバリュエーション
7 月5 日
今期予想
前期実績
終値
時価総額 決算期 経常増減率 EPS PER PB R ROE
(円)
( 億円)
( %)
( 円) ( 倍) ( 倍) ( %)
6098
リクルートHD
3,730.0
21,086 17年3月
6.0
108.9
34.3 2.73
8.5
2181
テンプHD
1,747.0
4,120 17年3月
7.1
81.0
21.6 3.22
15.4
2379
ディップ
2,893.0
1,794 17年2月
18.6
101.9
28.4 15.74
55.7
9744
メイテック
3,575.0
1,119 17年3月
-5.0
238.4
15.0 2.80
21.5
2175
SMS
2,315.0
970 17年3月
20.1
67.0
34.5 10.97
29.5
2427
アウトソシング
4,585.0
799 16年12月
58.1
137.9
33.3 6.84
19.5
2124
JACR
1,694.0
699 16年12月
34.3
76.1
22.3 10.07
29.5
3654
ヒトコム
2,020.0
362 16年8月
8.7
81.0
24.9 5.39
20.9
2154
トラスト・テック
1,366.0
264 16年6月
54.0
77.7
17.6 5.99
24.9
上場人材関連企業の平均( JACRを除く) 2 6 .2 6 .71
2 4 .5
(出所)QUICKより弊社作成。予想はJACRが弊社予想、それ以外は会社計画。順番は時価総額の大きい順
銘柄名はQUICK表記
コード
銘柄名
図表 10:株価(日足)チャート
2000
(16/6/10)
1849
円
JACR(日足)
1500
1000
75日移動平均線
千株
815
(16/1/18)
1000
800
600
400
200
0
出来高
500
16/1/4
16/2/9
(出所)QUICKより弊社作成
16/3/16
16/4/21
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9/22
16/6/1
16/7/6
ストラテジーを読みやすく、明快に!
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.801
エスフーズ (2292)
売上高
営業利益
16/2
2,425 ( 13% )
84 (
17/2予
2,780 ( 15% )
98 ( 17% )
18/2予
3,193 ( 15% )
114 ( 17% )
経常利益
2016 年 7 月 8 日
東海東京調査センター
投資調査部 関 邦仁
売買単位
100 株
一株当たり
利益 配当
当期利益
株価
(7/5時点)
2,867.0円
50 ( 17% ) 181.6
32.0
PER(17/2期予想)
〃(18/2期予想)
14.4 倍
12.4 倍
102 ( 17% )
55 (
9% ) 198.7
35.8 PBR(16/2期実績)
1.61 倍
1785.5 円
119 ( 16% )
64 ( 16% ) 231.3
41.6 ROE(16/2期実績)
10.7 %
87 (
2% )
2% )
一株当たり純資産
注)予想(連結優先)は東海東京調査センター(荒木 健次)、()は前期比伸び率
(単位:億円、%、円)
■ 食肉流通の川上から川下まで行なう食肉準大手
■ 各事業の施策効果で高成長を見込む
■ 好業績予想から株価は 3,870 円程度を目指すと期待
詳細は、企業レポート(2016 年 5 月 30 日)を参照して下さい
■ 食肉流通の川上から川下まで行なう食肉準大手
牛肉や内臓肉輸入を先駆けて手掛けた食肉の準大手。味付けホルモ
ンの「こてっちゃん」が代表商品。同社は、総合食肉企業集団を目指し
ており、畜産から製造・卸売、小売、外食と食肉流通の川上から川下ま
で一貫した食肉サプライチェーンを構築していることが特徴。
16/2 期の売上高および営業利益の構成比を見ると、製造・卸売事業が売
上高で 87%、営業利益では 77%と大半を占める主力事業(図表 1、2)。同事
業の売上高伸び率は高く、今後も同事業が全体の売上高の拡大に寄与す
ると期待される。
一方、利益率については、製造・卸売事業の売上高営業利益率が相対
的に低水準に留まっていることから、主力商品である「こてっちゃん」シリー
ズのラインナップの充実など、付加価値を生み出す食肉製造分野の強化を
実施している。
<図表 1:事業別売上高構成比>
外食事業
3%
<図表 2:事業別営業利益構成比>
外食事業
6%
その他
1%
その他
1%
小売事業
9%
小売事業
16%
16/2期
営業利益
84億円
16/2期
売上高
2425億円
製造・卸売事業
77%
製造・卸売事業
87%
(出所)会社資料より東海東京調査センター作成
(出所)会社資料より東海東京調査センター作成
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10/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
また、同社を取り巻く外部環境は良好となっている。総務省の家計調
査のデータによると、一世帯あたりの月間食料品消費支出(年平均)は
2000 年の 73,954 円から 2015 年には 71,744 円に減少しているものの、
同肉類の消費支出は 2000 年の 6,525 円から 2015 年には 7,216 円に増
加している。また、年々食料消費支出に対する肉類の比率も増加基調
にあり、食事をする際に肉類を選択している消費者が増えていることが
分かる(図表 3)。この傾向は同社にとって追い風となろう。
<図表 3:一世帯あたりの月間肉類支出(年平均)と食料に対する肉類の割合>
9,000
8,500
10.5%
(円)
一世帯当りの月間肉類消費支出(年平均):棒グラフ(左軸)
食料支出に対する肉類の比率:折れ線グラフ(右軸)
8,000
10.0%
9.5%
7,500
9.0%
7,000
8.5%
6,500
8.0%
6,000
5,500
7.5%
5,000
7.0%
(出所)総務省統計局資料より東海東京調査センター作成
■ 各事業の施策効果で高成長を見込む
東海東京調査センターでは、17/2 期の売上高を 2,780 億円(前期比 15%
増)、経常利益を 102 億円(同 17%増)と会社計画(売上高:3,000 億円、経常利益
100 億円)を利益面で上回ると予想する。
主因は、①アジアでの日本産農産物に対する需要の高まりを取り込むた
めのアジア地域強化、②主要ブランド「こてっちゃん」の販売強化や子会社
である㈱フードリエ(旧グリコハム)を中心としたハム・ソーセージ事業の再編と
事業効率化、③小売事業における各店舗の活性化や新規出店、④外食事
業において競争力のあるステーキレストランおよび焼肉・しゃぶしゃぶチェ
ーン事業の展開などの施策が奏功すると見ていること、などである。
17/2 期以降においても、さらなる一貫経営に向けた投資を行なうことで、
売上高の増加と採算の改善が継続すると見る(図表 4)。
会社側は中長期的な目標として、売上高 5,000 億円(16/2 期売上高 2425 億
円)、経常利益 200 億円(16/2 期 87 億円)を掲げている。同目標は時期につ
いては示されていないものの、今後も目標に向けた積極的な事業拡大が期
待される。
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11/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
<図表 4:売上高と経常利益の推移>
4000 (億円)
(億円)
3500
3000
160
140
売上高:折れ線グラフ(左軸)
経常利益:棒グラフ(右軸)
120
2500
100
2000
80
1500
1000
60
500
40
(出所)会社資料より東海東京調査センター作成、予想は東海東京調査センター
■ 好業績予想から株価は 3,870 円程度を目指すと期待
株価は、6 月の高値から株式市場全体に連れ安した。しかし、内需関連株
の物色の流れと、好業績見通しの同社株に再度買いが入っている模様(図
表 5)。当調査センターでは、継続的な成長性が期待されることから DCF(デ
ィスカウント・キャッシュ・フロー)モデル※を用いて、株価は 3,870 円程度を目指
すと見る。なお、目標株価算定の根拠およびリスクについては、5/30 付の
企業レポートをご参照ください。
※DCFモデル:事業が生み出す将来のキャッシュフローを予測して、それをある一定
の割引率で割り引いて現在価値を求める手法
<図表 5:エスフーズの日足チャート>
円
3200
(16/6/6)
3095
S Foods(日足)
3000
2800
2600
25日移動平均線
(16/2/1)
2463
2578
(16/6/24)
2400
2200
千株
600
2125
2002
(16/2/23)
(16/1/12)
2000
1800
400
出来高
200
0
15/10/1
15/12/15
16/3/1
16/5/17
(出所)QUICKより東海東京調査センター作成
足元の株式市場では同社のような売上高の伸び率が高い企業を評価す
る動きが強い(図表 6)。日経予想で、東証1部の時価総額 500 億円以上(除く
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12/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
金融)の企業のうち、前期実績・今期予想が2桁増収で経常増益となってい
る企業 48 社(参考 1 を参照)の合成株価と日経平均を比較した。図表 6 から
も分かるように、今年の 2 月中旬から日経平均を上回る上昇となっており、
スプレッドは拡大傾向にあるのが分かる。また、同 48 社の予想平均 PER は
36.6 倍だが同社の今期予想 PER は 14.4 倍となっており、相対的に割安感
がある。同社の株価は今後も継続的な上昇が期待できよう。なお、同社の
16 年 3-5 月期決算発表は 7 月 13 日を予定。
<図表 6:連続2桁増収、連続経常増益の企業と日経平均の比較>
120
前期・今期連続2桁増収、連続経常増益を見込む48社の合成株価
110
100
90
80
日経平均
2015年末=100
70
15/12/30
16/01/30
16/02/29
16/03/31
16/04/30
16/05/31
16/06/30
(出所)ブルームバーグより東海東京調査センター作成、合成株価は時価総額500億円以上、予想は日経予想
<参考 1:連続2桁増収、連続経常増益の 48 社>
2120 ネクスト
2379 ディップ
3091 ブロンコB
3398 クスリのアオキ
2124 JACR
2413 エムスリー
3092 スタートトゥ
3668 コロプラ
2127 M&A
2427 アウトソシング
3141 ウエルシアHD
3769 GMOPG
2175 SMS
2492 インフォマート
3254 プレサンス
3774 IIJ
2193 COOK
2931 ユーグレナ
3258 ユニゾHD
4528 小野薬
2222 寿スピリッツ
3046 JIN
3288 オープンハウス
4541 日医工
2292 S Foods
3064 MonotaRO
3360 シップHD
4555 沢井製薬
2337 いちごHD
3076 あいHD
3387 クリレスHD
4587 ペプチド
2371 カカクコム
3085 ALサービスH
3391 ツルハHD
6055 Jマテリアル
(出所)QUICKより東海東京調査センター作成、社名は略称、コード番号順
6619
6788
7148
7575
7599
7717
8871
8876
8905
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13/22
WSCOPE
日本トリム
FPG
日本ライフL
ガリバー
Vテクノロジー
ゴールドクレ
リログループ
イオンモール
9627 アインHD
9684 スクエニHD
9697 カプコン
ストラテジーを読みやすく、明快に!
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.802
ケンコーマヨネーズ
(2915)
2016 年 7 月 8 日
東海東京調査センター
投資調査部 川又 信之
売買単位
100 株
一株当たり
利益
配当
株価
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
16/3
669 ( 11% )
34.3 (
14% )
34.2 (
23% )
20.8 ( 27% )
146.8
28.0
17/3予
712 (
6% )
38.6 (
12% )
39.2 (
14% )
24.3 ( 17% )
171.0
34.0
18/3予
767 (
8% )
41.3 (
7% )
41.4 (
6% )
25.6 (
180.8
36.0
6% )
(7/5時点)
3,140.0円
18.4
17.4
2.31
1,358.9
PER(17/3期予想)
〃 (18/3期予想)
PBR(16/3期実績)
一株当たり純資産
円
11.2 %
ROE(16/3期実績)
出所)予想(連結優先)は東海東京調査センター(荒木 健次) ( )は前期比伸び率
倍
倍
倍
(単位:億円、%、円)
■ 個食化を背景にサラダ・総菜類が伸びる業務用マヨネーズ大手
■ 17/3 期は会社計画比上ブレ、18/3 期も増益持続と予想
■ 株価は 3,710 円を目指し上昇トレンド持続と予想
詳細は、企業レポート(2016 年 6 月 15 日)を参照して下さい
■個食化を背景にサラダ・総菜類が伸びる業務用マヨネーズ大手
外食店や給食向け業務用マヨネーズ大手だが、売り上げの中核はこれら
の業態やスーパー、コンビニエンスストア向けのサラダ・総菜類や、寿司、
弁当などに使われる厚焼き玉子、錦糸玉子などの加工食品(図表 1)。
健康志向と少子高齢化による個食化を背景に、これら加工食品、総菜が
好調。とくにコンビニエンスストアやスーパーなどで販売される、冷蔵で 15~
60 日程度保存できるサラダ類が好調。同社はこうした長期冷蔵保存サラダ
を開発し、ごぼうサラダ、かぼちゃサラダを世に広めるなど、商品開発力に
も定評がある。会社は 16/3 期~18/3 期の中期経営計画で、18/3 期の売上
高を 750 億円(16/3 期実績 669 億円)、売上高経常利益率 5%(同 5.1%)を目
標に掲げる。
図表 1:商材別売上高
図表 2:経常利益と売上高経常利益率
マヨネーズ ドレッシング類
その他
サラダ・
総菜類
27%
タマゴ類
6
5
%
売上高経常利益率(左軸)
5.3
4.7
4
16/3期
売上高
669億円
46%
27%
4.0
3
2
4.6
5.1
3.9
34
26
1
20
25
22
70
5.5
39
5.4
41
27
50
40
30
20
経常利益(右軸)
0
(出所)会社資料・HPより東海東京調査センター作成
60
億円
10
0
11/3
12/3
13/3
14/3
15/3
16/3 17/3予18/3予
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター
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14/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
■17/3 期は会社計画比上ブレ、18/3 期も増益持続と予想
16/3 期の売上高は前期比 11%増の 669 億円、経常利益は同 23%増の
34.2 億円になった(5 月 10 日発表)。
会社は 17/3 期の売上高を前期比 5%増の 700 億円、経常利益を同 2%
増の 35.0 億円と予想。サラダ、総菜類、タマゴ加工品などの増収率鈍化や
生産効率向上幅の縮小などを見込むため、経常増益率は鈍化を見込んで
いる。
東海東京調査センターは、売上高が前期比 6%増の 712 億円、経常利益
が同 14%増の 39.2 億円と、会社計画に対し上ブレを見込む。会社計画は
保守的で、長期冷蔵保存サラダ、総菜類など、同社製品のコンビニエンス
ストアや外食、スーパーマーケットでの需要が高まるとみているため(図表 3、
スーパーマーケットは「量販店」に含まれる)。
図表 3:仕向け先別売上高の推移
億円
1000
その他
*( )は全売上高に占める構成比(%)
給食
800
パン
600
400
(26)
(29)
(33)
(37)
(41)
(45)
コンビニエンスストア
量販店
200
外食
0
16/3 17/3予 18/3予 19/3予 20/3予 21/3予
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター
とくに、コンビニエンスストア向けについては、100 円~150 円程度で販売
される 1 人分のごぼうサラダなど、少量パッケージの長期冷蔵保存サラダが
好調で、採用品目が拡大している。料理に時間をかけにくい独居世帯や働
く主婦層、高齢者などに利用されているようだ。17/3 期のコンビニエンススト
ア向け売り上げは前期比 21%増と予想。中期でも、同様の伸び率が続き、
売上構成比が上昇するとみている。
こうした少量パッケージの製品は採算が比較的高いとみられ、これら製品
の好調は売上高経常利益率の上昇に寄与するとみられる。
18/3 期についても、売上高は前期比 8%増の 767 億円、経常利益は同
6%増の 41.4 億円(売上高経常利益率は 5.4%)と予想する。会社側中期経営
計画の目標値である売上高 750 億円、売上高経常利益率 5%は達成可能
とみている。
18/3 期の経常利益の伸び率が売上高の伸び率を下回るとみているのは、
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15/22
ストラテジーを読みやすく、明快に!
需要の増加に伴い、工場の稼働率が高まっていることから、この期に新工
場への投資(50 億円程度を想定)を行うとみるため。それに伴う減価償却費の
増加を見込む(16/3 期 15.0 億円、17/3 期予想 16.0 億円→18/3 期予想 18.3 億円)。
この投資により、中期ではさらなる収益拡大と生産性向上を見込む。
当調査センターは、女性の勤労化や高齢世帯の増加を背景に、中期的
にも、①消費者の同社製品への需要は高まるとみること、②豊富な商品点
数と提案営業による同社の商品提案力は競合に対し優位が続くとみること、
③新工場設立による利益率改善と売上高の拡大を見込むこと、などから、
業績は好調を持続するとみている。
■株価は 3,710 円を目指し上昇トレンド持続と予想
同社株は、足元で上場来高値更新など強い動きとなっている。17/3期予
想PERは18.4倍と、東証1部平均の約14倍に比べるとやや高い。しかし、足
元の業績好調と、高齢化や女性の勤労化に伴う個食化など社会の中期的
な変化を捉えて業績拡大が続くと見込まれること、などから割高感は少ない
と考える。
東海東京調査センターは、同社株について、将来生み出すキャッシュフ
ローを現在価値に割り引いて理論株価を算定する割引キャッシュフローモ
デルに基き目標株価を試算した。株価は3,710円を目指して上昇トレンドを
持続すると考える。
*目標株価の詳細およびリスク等は、6月15日付企業レポートをご参照ください
図表 4:株価(週足)と出来高
3500
円
3000
3275(16/7/5)
ケンコーマヨ(週足)
2500
2000
2040
(16/2/12)
1500
1470
(15/8/25)
1000
26週移動平均線
千株
800
600
出来高
400
200
0
14/10/27
15/2/9
15/5/25
15/9/7
15/12/21
出所:QUICKより東海東京調査センター作成
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16/22
16/4/4
16/7/18
ストラテジーを読みやすく、明快に!
個人投資家のためのわかりやすいカンパニーレポート No.803
タカラトミー
売上高
営業利益
16/3
1,630 (
17/3予
1,815 ( 11% )
18/3予
1,966 (
9% )
8% )
26 (
9% )
14 ( -28% )
65 ( 142% )
57 ( 292% )
110 (
69% )
102 (
売買単位
100 株
(7867)
経常利益
一株当たり
利益
配当
当期利益
-67 (
79% )
2016 年 7 月 8 日
東海東京調査センター
投資調査部 川又 信之
-)
-
10.0
33 ( 黒転 )
39.3
10.0
60 ( 80% )
70.8
10.0
株価
(7/5時点)
923.0円
PER(17/3期予想)
〃 (18/3期予想)
PBR(16/3期実績)
一株当たり純資産
23.5
13.0
2.13
432.9
ROE(16/3期実績)
出所)予想(連結優先)は東海東京調査センター(栗原 智也) ( )は前期比伸び率
16/3期は最終赤字のため、一株当たり利益、ROEは記載せず
詳細は、企業レポート(2016 年 6 月 13 日)を参照して下さい
■ベイブレードを起爆剤に経営改革を進める
2006 年に旧タカラ、旧トミーが経営統合した国内 2 位の玩具大手。トミカ、
プラレール、リカちゃん、ベイブレード、トランスフォーマーなどの定番、ヒット
商材を有する。経営統合後の 07/3 期以降、同社の業績は、第 2 次ベイブ
レードブームで利益が急増した期間を除くと、一貫して低迷(図表 1)。国内
玩具市場低迷、北米玩具メーカー買収失敗(2011 年)などがその要因。
こうした状況下、創業家一族の富山氏が経営の一線から退き、新たな社
長として 2014 年に招聘されたのがオランダ人のハロルド・ジョージ・メイ社長
兼 CEO。日本コカコーラのマーケティングを担当していたメイ社長の下、経
営改革を進める。経営改革の内容は、グループ再編、収益機会の拡大、ネ
図表 1:売上高と経常利益
ベイブレードブーム
(第2次)
億円
140
売上高(左軸)
億円
予想
103 101 98 102 100
60
57 54 44 26 33 14 出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター
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40
20
20 07/3 08/3 09/3 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3
17/22
120
80
経常利益
(右軸)
54 円
- %
(単位:億円、%、円)
■ ベイブレードを起爆剤に経営改革を進める
■ 業績はベイブレード、トランスフォーマーの寄与で回復傾向鮮明に
■ 株価は 1,300 円程度を目指し上値を追う展開を予想
2200
2000
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
‐200
‐400
‐600
倍
倍
倍
0
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ットや SNS(交流サイト)を活用したマーケティング、店頭広告の活用、など。
足元では過去 2 回の大ヒットとなったコマ玩具「ベイブレード」の新商品を
約 7 年ぶりに投入、起爆剤とする方針。同社は、これまで中期経営計画を
打ち出しては下方修正、といったことを繰り返してきたが、現在の目標は、
17/3 期の営業利益 40 億円、18/3 期 80 億円と
している。
図表 2:ベイブレード
ベイブレードは、過去に 2 回、数年にわたるブ
ームを起こしている。昔のおもちゃ、ベーゴマに
ヒントを得たコマだが、商品の発売後、マンガの
連載やテレビアニメでブームを起こした。
今回も、2015 年の夏に新商品「ベイブレードバ
ースト」を発売し、マンガの連載を開始。そして
出所:会社資料より
16 年 4 月からテレビアニメを放送開始した。滑り出しは好調なようだ。前回
の第 2 次ブームでは、国内外合わせて年間 200 億円を超える売上高を記
録。タカラトミーの年間売上高 1630 億円(16/3 期)からみても、前回のようにヒ
ットすれば大きく収益を押し上げよう。
なお、同社は 6 月 7 日には「日本おもちゃ大賞 2016」全 7 部門中 3 部門
で大賞を受賞したと発表。とくに、ボーイズ・トイ部門で「ベイブレードバース
ト」が大賞を受賞したことは、今後の販売に追い風と期待される。
■業績はベイブレード、トランスフォーマーの寄与で回復傾向鮮明に
東海東京調査センターでは、17/3 期の売上高を前期比 11%増の 1,815
億円、経常利益は同約 3.9 倍の 57 億円と、会社計画(各々1,680 億円、32 億
円)比上ブレと予想。「ベイブレードバースト」が、3 度目のヒットになるとみる。
18/3 期の売上高は前期比 8%増の 1,966 億円、経常利益は同 79%増の
102 億円を予想。ベイブレードに加え、トランスフォーマー(※)の新作映画
公開の寄与を見込む。2 期連続で、上記会社側中期経営計画を上回るとみ
る。
図表 3:トランスフォーマー
※トランスフォーマー
北米の玩具大手ハスブロ社との協業商品。自
動車や飛行機などに変形するロボットの玩具。日
米で作られた TV アニメや、スティーブン・スピル
バーグ制作の映画でも知られる。
過去、北米で映画が公開された年には、年間に
内外で 150 億円程度の売上寄与。トランスフォー
マーの映画は、これまで 1 年おきに公開されてい
たが、2017 年から 3 年連続で新作映画が公開さ
れる予定。
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18/22
出所:会社資料より
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「ベイブレード」「トランスフォーマー」の二つの強力な商材が売上拡大の
起爆剤となり、これに経営改革の効果が加わって、利益が V 字回復すると
東海東京調査センターは予想する(図表 4)。
図表 4:V 字回復が予想される経常利益
140
億円
ベイブレードの寄与
120
トランスフォーマーの寄与
+
100
80
102 経営改革効果
60
57 40
20
33 14 20 0
14/3
15/3
16/3
予想
17/3
18/3
出所:会社資料より東海東京調査センター作成 予想は東海東京調査センター
■株価は 1,300 円程度を目指し上値を追う展開を予想
株価は足元で年初来高値を更新(図表5)。ベイブレードの3度目のヒット、
経営改革進展による業績回復期待が背景と考える。
当調査センターは、将来に生み出されるキャッシュフローを現在価値に
見直し算定した割引キャッシュフローモデルを基に、株価は1,300円程度を
目指し、上値を追う展開を予想している。
*目標株価の詳細およびリスク等は、6月13日付企業レポートをご参照ください
図表 5:株価(週足)と出来高
1000
円
900
タカラトミー(週足)
851.0(15/4/13)
(16/6/9)
(16/3/23) 925.0
878.0
800
700
690.0(16/5/13)
631.0(16/2/10)
600
500
400
26週移動平均線
千株
518.0(15/8/25)
15000
出来高
10000
5000
0
14/11/10
15/2/9
15/5/11
15/8/10
15/11/9
出所:QUICKより東海東京調査センター作成
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19/22
16/2/8
16/5/9
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【レーティングの定義】
投資判断の定義
Outperform
Neutral
Underperform
NR
今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して 15%以上上回るとアナリストが予想
今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して±15%未満とアナリストが予想
今後 6 ヵ月間における投資成果が TOPIX に対して 15%以上下回るとアナリストが予想
レーティング、目標株価を付与せず
【レポート利用に関する注意事項】
このレポートは、東海東京調査センター(以下「弊社」)が作成し、弊社の許諾を受けた証券会社、及び情報
提供会社等から直接提供する形でのみ配布いたしております。提供されたお客様限りでご利用ください。この
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予告なく変わる場合があります。このレポートの一切の権利は弊社に帰属しており、いかなる目的であれ、無断
で複製又は転送等を行わないようにお願いいたします。
レーティングの表記は、TOPIX に対して Outperform、Neutral、Underperform の 3 段階で区分表記していま
す。また、レーティングが無い場合は「NR」と表記しています。対象期間は、投資評価が付与された日を起点と
して、6 ヵ月程度を想定しております。アナリストがレポートにおいて企業の目標株価に言及した場合、その目標
株価はアナリストによる当該企業の業績予想に基づくもので、期間は 6 ヵ月程度を想定しております。実際の
株価は、当該企業の業績動向や、当該企業に関わる市場や経済環境などのリスク要因により、目標株価に達
しない可能性があります。
このレポートで述べられている見解は、当該証券又は発行会社に関する執筆者の意見を正確に反映したも
のです。執筆者の過去、現在そして将来の報酬のいかなる部分も、直接、間接を問わず、このレポートの投資
判断や記述内容に関連するものではありません。
弊社は、このレポートを含め、経済・金融・証券等に関する各種情報を作成し、東海東京証券に提供すること
を主たる事業内容としており、弊社の収入は主に東海東京証券から得ております。
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【金融商品取引法に基づく留意事項】
このレポートは、東海東京調査センターが作成し、東海東京証券株式会社が許諾を受けて提供いたして
おります。投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
金融商品取引法に基づきお客様にご留意いただきたい事項を以下に記載させていただきます
東海東京証券の概要
商 号 等 : 東海東京証券株式会社
金融商品取引業者
東海財務局長(金商)第140号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融
商品取引業協会
リスクについて
◎ 国内外の金融商品取引所に上場されている有価証券(上場有価証券等)の売買等にあたって
は、株式相場、金利水準等の変動や、投資信託、投資証券、受益証券発行信託の受益証券
等の裏付けとなっている株式、債券、投資信託、不動産、商品等(裏付け資産)の価格や評価
額の変動に伴い、上場有価証券等の価格等が変動することによって損失が生じるおそれがあり
ます。
◎ 上場有価証券等の発行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合や、裏付け資産の発
行者等の業務や財産の状況等に変化が生じた場合、上場有価証券等の価格が変動すること
によって損失が生じるおそれがあります。
◎ 新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行使でき
る期間に制限がありますのでご留意ください。
◎ 上場有価証券等が外国証券である場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することに
より、為替相場が円高になる過程では外国証券を円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる
過程では外国証券を円貨換算した価値は上昇することになります。したがって、為替相場の状
況によっては為替差損が生じるおそれがあります。
※ 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場合
には、その最終的な裏付け資産を含みます。
※ 新規公開株式、新規公開の投資証券及び非上場債券等についても、上記と同様のリスクがあり
ます。
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手数料等諸費用について
Ⅰ 国内の金融商品取引所に上場されている有価証券等
国内の取引所金融商品市場における上場有価証券等の売買等についてお支払いいただく委託手数料
等は、次の通りです。
(1)国内の金融商品取引所に上場されている株券等(新株予約権付社債券を除く。)
委託手数料の上限は、約定代金の1.242%(税込)になります。
(2) 国内の金融商品取引所に上場されている新株予約権付社債券等
委託手数料の上限は、約定代金の1.08%(税込)になります。
※上記金額が2,700円(税込)に満たない場合には、2,700円(税込)になります。
Ⅱ 外国金融商品市場等に上場されている株券等
外国株券等(外国の預託証券、投資信託等を含みます。)の取引には、国内の取引所金融商品市場に
おける外国株券等の売買等のほか、外国金融商品市場等における委託取引と国内店頭取引の2通りの
方法があります。
(1) 外国金融商品市場等における委託取引
① 国内取次ぎ手数料
国内取次ぎ手数料が約定代金に対して掛ります。
当該手数料の上限は、約定代金の1.404%(税込)になります。
② 外国金融商品市場等における委託手数料等
外国株券等の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における委託手数料及び公租公
課その他の諸費用が発生します。当該諸費用は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて
決定されますので、本書面上その金額等をあらかじめ記載することはできません。
(2) 国内店頭取引
お客様に提示する売り・買い参考価格は、直近の外国金融商品市場等における取引価格等を基
準に合理的かつ適正な方法で算出した社内価格を仲値として、仲値と売り・買い参考価格との差
がそれぞれ原則として2.75%(手数料相当額)となるように設定したものです。当該参考価格には
手数料相当額が含まれているため、別途手数料は頂戴いたしません。
※ 外国株券等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際の為替レートは、外国為替市場の動
向をふまえて当社が決定した為替レートによるものといたします。
Ⅲ その他
募集、売出し又は相対取引の場合は、購入対価をお支払いいただきます。また、お客様との合意に基づ
き、別途手数料をいただくことがあります。
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