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第31集-④

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第31集-④
外国語活動研究部
平良ゆかり新川美紀
I研究主題について
1本研究部におけるよりよく考え学び合う授薬
昨年度は言語や文化を題材に,子どもの日常生活や他教科等の既習内容を外国語活動に活用し
たり,外国語活動で扱った内容を他教科等で掘り下げていったりするような活動を行ってきた。
子どもは,「国語でも勉強したけど,言葉って外国語も歴史や時代とともに変化するんだね」「日
付はふつか,みつかと言うけど,外国語もsccond,thirdって言い方が違うれ」と日本の言語や文
化との共通点や相違点を他教科・領域等や自分の生活と関連させて,言葉の面白さや豊かさに気
付いた。その中で子どもは,「外国語を話せた」「わかった」という達成感や楽しさだけでなく,
外国語を用いることで伝える難しさを感じ,どうしたら自分の思いが伝わりやすくなるのかと内
容について考えていくようになった。
子どもは互いに考えや見つけたことを話し合うことで仲間の違う考えを知り,多様なものの見
方や考え方があることに気付き,自分の考えを別の視点から再考していく。その中で,「気持ち
を込めて伝えたい」「自分も相手もわかる外国語で話したい」「どうしてそう思うのかな」とい
う相手意識(相手の思いや状況,その使われる場面等を推し蚊る気持ち)が子どもに芽生えるのだ
ろう。この相手意識があるとき,「何とかして外国語で伝えたい」「他にどんな言い方があるの
かな」「もつと聞いてみよう」「外国語をもっと話したい」と思う子どもの髪へつながっていく
ように感じた。
これらのことから,子どもが仲間と互いの思いや考えを伝え合う中で,言葉で伝え合う大切さ
に気付き,相手意識を持って日本や外国の言語や文化に対する理解を深めながら,積極的に外国
語を話そうとする姿が見える授業を本研究部におけるよりよく考え学び合う授業と考え,さらに
実践を積み重ねていく。
2本年度の取り組み
本研究部が考える,よりよく考え学び合う授業に近づけるために,外国語を使う場面を大事に
したい。どんな時にその外国語表現を使うのか,日本語ならその後どんな言葉を返し,実際に使
う場面で伝え合う時に大切なことは何か等を考えていくことで,相手意識をもつだろう。子ども
の外国語を使って話したいと思う気持ちを育てていくには,伝わる体験や話すことで相手のこと
がわかる体験の讃み頭ねが大切である。子どもが知っている言葉や相手の分かる言葉を使って,
他教科・領域等と関連づけたコミュニケーション活動をしていく。そして子どもが言葉で伝え合
う大切さに気付くようにするためには,伝えたいことが伝わらない,外国語表現が分からない等
の場耐で,どうすれば伝えられるのか等を考えていく活動も大切である。r・どもが自分の生活や
他教科・領域等と関連づけて,H本と外国の言謡や文化のよさや違いを考えながら,仲間と互い
の思いや考えを伝え合うことで理解を深めていくような場を設定する。
さらに,子どもがなぜそう考えたのか,何をきっかけにそう感じたのか,仲間とどのようにか
かわって理解を深めていったのか蝉の子どもの学びの道筋を,授業中の言励やビデオ嫌の授業記
録,毎時間の振り返りカードから丁寧に見取り,子どもの思いや考えを豊かに解釈し,次時の授
-154-
業づくりや単元購成に活かしていく,
3考察(9月現在)
本年度は,子どもが仲間と互いの思いや考えを伝え合う中で, 相手意識を持って積極的に外国
語を話そうとする姿が見える授業をめざして実践を行ってきた。 実践における子どもの姿から見
えてきたことを以下に述べる。
O子どもの疑問や思いを取り上げた外国語を使う場面設定が大切。
日常生活で外国語を使う機会のほとんどない子どもが目的をもって活動するために,外国人と
の交流会やインタビュー活動といった外国譜を使う場面設定は大切である。しかし実践の中で子
どもは,仲間とのかかわりの中で出てきた「どう言うのかなl「聞いてみたいな」「やってみた
いな」という疑問や思いが取り上げられた時に,より積極的に発話し活動を楽しんでいたのであ
る。振り返りカードの記述もその場面が多く取り上げられていた。これは外国語を話したり聞い
たりする必然性と「やりたい」という意欲が,子どもにより強く生まれたからではないだろうか。
O子どもは.伝えたいことが伝わらないときに,知っている言葉や他教科・領域と関連づけて考
え,コミュニケーションしていく。
実践を通して伝えたいことが伝わらない,外国語炎現が分からない場面に出合ったときに,了・
どもは仲間と自分から話し合おうとし,自分の知っている表現や他教科・領域での学びを振り返
って関連づけ,吟えていくことが見えてきた《,
子どもは伝えたいことを何とか伝えようと,3年生は国語で学んだ言葉を重ねる方法や反対語
を活かして知っている言葉から外│国語表現を考えようとした。6年生は日本語で「見る」と一言
で言う場面で,外国語にはseefJIookのように同じ「見る」でも複数の表現があると言語や文化
の違いを考え,知っている単語を使い分けようとする姿も見られた。子どもは仲間と互いの思い
や考えを伝え合うことで,より理解を深め,自分の生活や学びで得た知識を駆使してコミュニケ
ーションしていく≦そこには「何とかして外国語で伝えたい」という意欲と「わかってもらいた
い」という相手意識があった。
O賭すことで伝わる体験や相手のことが分かる体験の積み重ねが,相手意職を高めていく。
実践例にもあるように,子どもは互いに伝え合う活動を通して仲間の違う考えを知る。自分と
違う多様なものの見方や考え方に気付き.子どもは自分の考えを別の視点から再考していく中で,
相手意識が芽生え,積極的に外国譜を話そうとするだろうと教師は考えていた。しかし,相手に
伝わる体験や相手のことがわかる体験を繭み重ねることで,子どもは伝わる楽しさを知り,相手
意識が少しずつI高まって「もっと話せるようになりたい」と感じていくように思えた。
子どものこうした姿は毎時間の授業記録や授業中の言動,振り返りカードの記述や日々の生活
の様子から見えてきたことである。子どもの学びの遊筋は学年の発達段階や個々によって多様で
ある。しかし,-f・どもが仲間と互いの思いや考えを伝え合う中で少しずつ学びを深め,変化して
いくことが外国語活動での共通性として見えてきた。今後も本研究部が考える,よりよく考え学
び合う授業に近づけるために,日舞の実践を重ねていきたい”
-155-
Ⅱ授業実践例その1(第3学年)
1単元名
新川美紀(HRT)友寄未来(JTE)
生きものランドへようこそ!
2単元について
3年生の理科の単元には「昆虫を育てよう」がある。チョウの卵を採取して育てながら,身の
回りの昆虫についても体のつくりや成長の過程を調べていく。子どもは5月に入ってから毎日の
ように,チョウの幼虫やさなぎに加えてカエルやクワガタ等を捕まえては教室に持ち込み,虫か
ごや水槽に入れ互いに見合って楽しんでいる。家庭でもハムスターや魚等のペットを飼っている
子も多く,生きものに対して興味・関心が高い。
そこで本単元では「生きもの」として動物,虫などと種類を限定せずにWhat'sthis?ノ1t'san
elephant.やWhatanimaldoyoulike?ノIlikeelephants.といった活動だけでなく,仮にelephant
が分からなくても相手になんとか伝えられるように,その特徴を形容詞を用いて考えていく活動
をする。It'sheavy.Thenoseislong.Theearsarebig.といったことが相手に伝えられれば,聞
く側にはゾウだと理解できるだろう。どうにかして伝えなければならない時に「日本語だったら
どんな言葉を使えば伝わるか」を考えることで相手を意識し,その英語表現は「こんなふうに言
えばいいのか」と子どもにとって学ぶ必然性のあるものになる。このように「他にどんな言い方
があるのかな」「もっと聞いてみよう」と子どもが仲間と互いの思いや考えを伝え合う場を設定
す-ることで英語表現に慣れ,理解を深めていけるようにしたい。
コミュニケーションで大切なことは相手の話を聞こうとする態度である。子どもはややもする
と仲間の話をさえぎってまで発言することが多い。話を最後まで聞けば,自分の知りたいことが
分かるようになるという体験を重ね,「仲間が何を伝えたいのかわかりたい」と話を聴き合う子
どもに育って欲しいのである。
また,何度も同じ表現に触れ,伝わる体験や使う場面,伝え方がわかる体験の積み重ねも大切
にしたい。この時期の子どもは繰り返しのある表現が好きで何度か触れるうちに自然と口ずさむ
ため,登場する動物は変化するが,同じ表現が繰り返される絵本を用いる。低学年で触れた動物
の英語表現に鳴き声や様子を表す言葉を加えることで,聞き慣れている日本語と英語の似ている
点や違う点に気付き,言葉のおもしろさを感じていくだろう。そして「あの動物は英語だと,ど
んな風に鳴くのかな?」「重たいってどう言えばいいのかな?」と積極的に聞いてくる姿を期待
したい。まずは単元の導入で絵本のチヤンツ表現を使って,生きものの名前や特徴を問答しなが
らその英語表現に慣れていくようにする。仲間と互いの思いや考えを伝え合いながら英語でどう
表現をするのかを考えていく体験をすることで,活動を通して外国語を使って話したいと思う気
持ちを育てていきたい。
3単元目標
○生きもの(動物・虫)について,色や数,体の部分の特徴を表す英語表現を聞いたり考えたりし
て,互いの思いや考えを伝え合い,仲間とのコミュニケーションを楽しむ。
○生きもの(動物・虫)の英語表現に慣れ,自分の好きな生きものについて積極的に紹介し合い,
仲間の話を最後まで聞こうとする。
-156-
4授業の実際
(1)本単元までに…
本校では,2年生まで年間15時間の外国語活動を行う。What'Sthis?/1t,s∼、やDoyou∼?やI
like∼.等の表現で色・数・形・食べ物・動物について,歌やダンス・ゲームを通して学んでいる。
初めての授業で…
子どもは積極的にIlike∼、を用いて好きな果物や野菜,飲み物と話題を変え,時々日本語を交
えながらも発表した。ミウが「先生たちにも好きなものを聞いてみたい」と発言し他の子も一斉
に教師に注目した。数名が質問し答え終わるまでは注目は続いたが,教師の答えに「私も好き!」
「え∼」といった反応もなく,次に繋がっていかない。また違う質問をするのである。教師は豊
富な発言に喜びつつも,仲間の発言に関心を示さず,自分の言いたいことを言い合う発表ゲーム
をしているような子どもの姿に戸惑いを感じていた。仲間の好きなものがわかったのに,この一
問一答のような活動は子どもの心に残らないのか,あるいは本当に知りたいことではなかったの
か,振り返りの発言やカードの記述にも仲間のことは触れられていなかった。
子どもが関心を示したのはyellow+blue=greenのようなタスクのあるカラーたし算だった。
クララは「1年生の時,色の自由研究をしたのに今日のクイズはわからなかったからもっと勉強
したい」とこれまでの生活経験と重ねて意欲を見せた。また半数の子が「何色になるのか考えな
がらやったから楽しかった」と,仲間と一緒に考えた活動に関心を寄せていたのである。
「どんな時もまず挨拶からだよ!j「いきなり失礼だよ」
単元『自己紹介をしよう』で,初めて会う人に自己紹介をする時に何を話そうかと相談してい
た。子どもは「知っている人だったら名前は言わないjと相手によって話す内容が違うことを理
解していた。まず名前を言うと意見が出たとき,シンタロウが「挨拶からだよ!」と発言した。
シンタロウは集中が続かず,なかなか授業に入り込めない子である。普段なら次の子が別の発言
をし始めるがケンタが理由を聞いた。「朝,犬の散歩する時に知らない人に会っても“おはよう
ございます”って言ってる」というシンタロウの発言に促されるように,他の子も「してる,し
てる」と共感してつぶやき,考えを繋げていった。仲間の共感を得たシンタロウもその日は晶後
まで集中して活動に参加することができた。
次に何を話すのかと問うと「何歳か聞く」とショウタが発言した。高学年でもよくある反応だ。
しかし,ケンタやイッセイが「いきなり失礼だよ」「はじめましてってまずは言うんじゃない?」
と反論した。子どもはここでも,これまでの生活経験を振り返って考えているようであった。JTE
から「はじめまして」はNicetomeetyou.だと聞き,相手に返すときはtOOがついていると気付
いたケンタは「tOOってぼくもつてこと?」と質問した。仲間と一緒に考えた後に聞く英語表現
は,子どもにとって知りたい表現となる。しっかり聴くことで違いに気付き,その意味まで考え
ていったのではないだろうか。
これらの出来事から,発言や考えがつながっていかない子どもとの外国語活動の授業づくりに
迷っていた教師は以下のように考えた。
①よくわからないことを一緒に考えた後に脳語や文を導入する方が,子どもは面白さを感じ,
学習への意欲が咽していくのではないか。
②自分の生活や学習を振り返って考える必要のある場面を股定することで,互いの話を妓後
まで聴き合い,さらに考えていこうとするのではないか。
本単元では上記のことも含めて授業づくりをしていくことにした。
-157-
(2)本単元(全6時間)で…
6月になると,アブラゼミの声や様々なチョウが飛び交い始めた。教室には子どもが捕まえた
セミやザリガニが持ち込まれ,興味・関心も一気に高まってきた。朝も給食時間の話題も捕まえ
てきた虫や飼っている小動物が会話の中心となり,「英語ではどう言うのだろう」と投げかける
絶好の機会が訪れてきた。まずは,これまでに学習している動物で様子を表す英語表現を学習し,
新出となる虫の名前をWhat'sthis?/It's∼.と問うだけの学習にならないようにしたい。
(○・・各時の目標)
(第1時・動物の鳴き声ってちがうの?)
○動物の英語表現に慣れ,動物の鳴き声の表し方が英語と日本語では異なることに気付く。
Openthewindow,
openthewindow,
openthewindow,please.
Who,stheremthehouse?
Openthewindow,please.
外国語活勤は「気付き」が大切である。日本語と英語の異な
る部分があることに子どもが自然と気付くように、DVD「チ
ャンツde絵本③OpentheWindow」を見て,動物の鳴き声表現
に触れる活動をした。子どもは電子黒板の画面を見ながら、
3つめの動物が登場する頃には自然と左のチヤンツを口ずさ
凸
み始めた。視聴後,出てきた動物や聞こえた鳴き声について
警
│
鰯’
話し合った。HRTは日本語と英語の似ているところや違いに子
どもの意識を向けようとした。しかし音声だけでなく映像と音
楽があったためか,子どもの意識は登場する勤物に向きHRT
図1動物が現れる窓
の想定した「鳴き声jには向いていかなかった。そこで他の励物
の英語表現を絵カードで復習したり図lのような窓を利用して確認したりし
ながら,「鳴き声」に目が向くようにしてみた。進め方は以下の通りである。
●絵カードを持って・・・
①
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*グループで協力しながら考え、Trucorlillse?で○×ジェスチャーをする。
②Thisanimalsaysmoo-moo.Whalanimalisthis?とたずねる。
*I【is∼.で答える。
●窓(後に勵物の絵カードを入れる)をチヤンツで開かせて…(図2)
図2聞き入る子ども
③子どもにチヤンツで問いかけさせた後,窓を開き,WhatanimaIisthis?とたずねる。
子どもの返答後,HoWdOeS∼say?とたずねる。
|
チヤンツを口ずさむことで新しい動物が出てくる仕掛けを子どもは気に入り‘普段英語がな
かなか聞き取れず「わからない」とほとんど発話をしないリクも喜んでこの活動には参加した。
牛の日本語の鳴き声を確認し,JTEが英語ではMoo,moo,mooと言うと,ミウが「日本語と似
てる」とつぶやいた。シヨウタは,ブタが現れると牛と同じように日本語と似てると考えたのか
「ブープー」と言い始めた。JTEがブタの鳴き声を英語で伝えると全く違う表現に驚いていた。
振り返りからは大半の子どもが「日本語と英語の鳴き声は全く違う」と書いていた。カナコは
「同じ動物でも国によって言葉が違う。違って聞こえるのかな?」サヤは「同じ動物なのに外国
と日本では何で鳴き声が違うんだろう。不思議だ」と言語や文化の違いを感じているようだった。
(第2時…どうやって動物を紹介しようかなF)
○動物の表現に慣れ,特徴や様子を表す表現や色,数等を使ってその動物を紹介しようとする。
最初にもう一度DVD絵本を見た。子どもは前時から1週間経っているにもかかわらず,自然と
チヤンツを口ずさみ,出てくる動物の名前や鳴き声を絵本の音声と一緒にH1.、THelloと映像に
−158−
向かって声をかけながら楽しんでいた(図2)。見終わってJTEが動物の出てくる順番や鳴き声
をたずねるとすぐに手が上がり,It'sasheep.Baa,baa,baa.と答え,絵本の内容をほとんど理
解しているようだと感じた。
DVD絵本で子どもがチャンツを楽しんでいたので,そのチヤンツを使って電子黒板に映し出し
た窓を開けるように促した。動物を映し出してWhat'sthis?と尋ね,他の動物表現を知る活動をし
た。子どもはJTEの発話から,コアラのアクセントの違いにすぐに気付きリピートしていた。
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>
ぐ
ごl
3年生のみなさん
途中で図3のように手紙が届いた設定しにし.
いろんな動物の
知ってることを
「動物の特徴を英語で紹介してね」という条件を
英語でお話してね
出した。これは言葉が分からなくても相手に何と
か伝えられるように、その特徴を形容詞を用い
図3手紙が届く.
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テレ
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一
一
一
一
一
一
一
て考えていく活動である。まず、ゾウにつ
ウタ:パオーンって鳴くよ。
Cn:……
いて話し合った。ショウタは絵本の内容か
iサトル:鼻が長い。
IHRT:「鼻が長い」って英語でどう言うのかな?
ら考えたのだろう。しかし他の子からショ
鼻って何だった?
ウタの鳴き声につながる発言は出なかった。
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そこでHRTは,サトルの発言から様子を表
IMW'"""ジェスチャーをつける)
│HRT:jジ
ェスチャーしながら)Thenoseislong,
Let'ssaytogether.他には?
|リンコ:Teethisbig
す言葉について考えていくことにした。
続いてリンコがTeethisbig.と発言した。
象牙のことを言いたかったらしい。牙はtusk
ることにした。教師は,子どもが知っている
だ が .ほとんどの子が 納 得 し て い た の で そ の まま認めることにした。
言葉を駆使してゾウの特徴を説明したことに驚き,嬉しかった。
(重たいってどういうの?Big,big. )
ここでキヨシが「1ぴき1トン」と発言した。HRTは何を言っているのかわからず”再度問い
返したが.キヨシは同じ言葉を繰り返した。リョウマが「体重が重いってことじゃない?」と発言
した。「重たいってこと?」と聞くと.キヨシは理解してもらえたからか「そうそう」と嬉しそう
ん
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Howdoyousay重たい、English?
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b
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g
.
◎
bigじゃないよ。bigは大きいだもん。
大きいはbig。じゃあ小さいは?
Sm劇Ⅱ‐
じゃあ重たいは?
レナ
Itosheavv.
テルユキは言葉を重ねればいいと考えた
のかBig,big.とつぶやいた。イッセイは意味
の違いを指摘した。HRTは言葉の意味も思
い出して欲しくて,大きいがbigなら反対語
は何か聞いてみた。普段日本語として使っ
ているSnl9Ⅱは子どもからすんなりと出てきた。そこからbigは違うと感じたようでまた周りの
子と相談し始めた。恥ずかしがり屋のレナは父親がアメリカ人である。普段は余り発言しないが
困っている仲間を見かねて,重いはheavyだと発言した。初めて聴く言葉だったと思うがほと
んどの子が覚えた。その後,子どもから「耳が大きい」「鼻が長い」「足が大きい」などの様々
な特徴が日本語で挙がり,カタツムリやブタなどの動物からbig,sman,heavy,light、long,short
と言蕊の学びが広がっていった。
その後でIsitheavy?/Trueorfalse?/Isitlongorshort?/Doyoulike∼?等の反対語を取り入
れながら動物クイズをして楽しんだ。振り返りでカズヤが「初めて重いがheavyとわかったけど
軽いがlightってことまでわかった」,ミトが「いろいろなヒントを聞いたので覚えたヒントで.
−159
外国語一
HRT
寸りI0r8→,jb令5?■■●■P6P09ゆり5$Bpq・
●■0↓
S
11イ﹄P
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.j
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り守令。■6句■■9■C叩
Cn
一ヶ画、密
HRT
一恥←﹄
イッセイ
|怖一焔
テルユキ
たi
HRT
一姪馳峰
に答えた。そこで「重たい」は英語で何というのか,みんなで考えることにした。
クイズを友だちとやってみたい」と話した。「英語で何と言えばいいのかな?」と子どもの内側か
ら出てきた問いが解決できたときに.「知りたい」気持ちと「使ってみたい」という気持ちが
同時に高まって理解につながり,さらに活用してみたいという意欲につながっていくように感
じた。またリョウヤ他4名が「クイズに答えるのが楽しかった。ヒントがあったし,友だちと
話し合えたから」と振り返っていた。そこで次時はマサキやコウヤの「ライオンやキリンなど
の他の動物は何というのか知りたい」という振り返りも受けて,もう少し続けることにした。
(蕊3時…どうやって動物を紹介しようかな②)
○動物表現に慣れ,特徴や様子を表す表現や色,数等を使ってその動物を紹介しようとする。
第3時では動物の足跡(fbotprint)を使って,予想して動物名を答えるようにした。大きさや形
を見て考えることもできるだろうし,それでも分からなかったら第2時で学んだ特徴を表す言葉
を使って質問するだろうと考えたからである。選んだ足跡はコアラ,キリン,ゾウ,ライオン,
クマ,ゴリラである。形は電子黒板で見せ,実際の大きさは
黒板に貼って比べられるようにした。
図4の足跡を見せるとショウタが「シカじゃない?」と発
図4キリンの足跡
言した。理由を聞くと「爪がとんがっていたから…」それを
IsitheaVy?
マイク
聞いてほとんどの子が「あ∼」と納得していた。
JTE Y
es・It'sheavy.
ミウ: Neckislong?(首は長い?の意味)
JTE
Yes.Theneckislong.
わかった1It'saキリン。
HRT キ リ ン っ て 英 語 で ど う い う の ?
Cn え − , キ リ ン っ て ど う い う の ? ・ ・
レナ
gira鯉.
Cn
リョウマは「馬じゃない?jと言ってJTEにた
ずねた。子どもは馬でも鹿でないと分かると隣同
士で相談し始め,ざわついてきた。
そこで特徴を考えて質問したらどうかと提案し
ヴク。〃1.画、や
杢句つ口甸
紗
た。マイクとミウは早速前時に学習したheavyや
longを使って質問した。子どもは2人の質問から,足跡がキ
リンだと分かったが,キリンを英語だと思っていたようで,
自信を持ってIt'saキリン.と答えた。しかし「英語で…」とHRT
図5クマの足跡
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い
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時
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クウア?クマ?
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と
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く
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言
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Cn:Bear.あ∼確かに I
Miku・sensei,isit abear?・'もしっかり聞くようになった。
g
JTE9Yes1
;
-J続いて図5を提示した。図4のキリンの足跡の大きさを
基準に考えているグループもあった。初めにユリナのグループ
がゴリラ,カナコのグループがライオンかと聞いた。
JTEがThisisbig.とヒントを出したので、子どもはその後も
ゴリラ,ゾウなどの大型動物を次々とあげ始めた。左のような
やりとりの後,実物大のクマの足跡を見て,「先生,比べてみ
そナ
こと
でも
子の
ども仁
の腹
上さ
履と
き比とへ比 べLて
図 6 わ か っ た ! に v , 」 とた一い貢」
帳と
昌一
し斉
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画言
しい
』出
こし
・た
て。
−ビ
R見
」
せた。「でか∼い」と本物を想像して楽しんでいるようだった。
ライオンの足跡を見る前にJTEがヒントを出した。これまで形や大きさについてヒントを出
していたので,1t!sscary.と印象についてヒントを出した。子どもはJTEのジェスチャーから「寒
い?」と考えた子もいたが,ライオンだと分かると「怖い」と理解していた。最後にゾウの実物
-160-
大の足跡を見せると「先生の頭より大き∼い!」とその大きさにとても驚いていた。
振り返りでいつもは集中が続かないシンタロウやケンタが「動物の名前もたくさん分かったし
足跡も分かったj「虫や鳥についても英語で何て言うのか知りたい」と仲間と考えを伝え合う中
で理解を深め,次の学習の意欲を口にした。そこで次時は虫について考えていくことにした。
(第4時…バッタは英語で何て言うの?)
○特徴や様子を表す表現を聞いて,虫の英語表現に憤れる。
○相手の話を最後までしっかり聞き,自分の好きな虫を仲間に伝えようとする。
蕊
図7TeaChertalk子どもは知る。子どもは何が出てくるのか興味津々でしっかり間い
5両; 懸『耐ぷr嵐ughtsomeincects
HRT:InCect?Reauv?Icaughtabutternv、
JTE:Icaughtabutterfly.too.
HRT:Pleaseshowme.
JTE:(虫かごから取り出す)Thisisabutterny.
Cn:Buttermy
ていた(図7)。3種類目からは絵カードを見せずに
ヒントを出しながら提示した。
次に絵カードを使って2∼3人組で順番を決め,
一人ずつヒントを聞いてカルタ取りをした(図8)。
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淵
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語
表
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に
慣
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と
同
時
に
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英
語
で
虫
の
特
徴
ヒ
ン
ト
蕊
溌
その絵カードを見てフロアにいる仲間が教え合うことができる。このような活動を通して、虫の
英語表現に憤れ,自分の好きな虫を英語で伝え合う活動を楽しませたいと,教師は考えていた。
しかし,子どもは取った後すぐに見せてしまった。敢えて問い直さずともわかる状態だったのに
HRTは再度Whatinsectdoyoulike?と開いてチェックする形になりコミュニケーションがなく
なってしまった子どもも「(今日)初めてわかったけど何だつけ?」と黙ってしまう子が多かっ
た。まだ発話できる段陪ではなかったのである。振り返りでも「今日は1∼2つ虫の名前がわか
ったけど難しかった」と言う子が多かった。HRTが子どもの姿を見とれなかった結果である。
その後の活動で「先生の好きな虫を聞きたい」と全員で尋ねる場面があった。初めての授業と
161-
一
同じ場面である。しかし子どもは意外な答えに驚いたり自分と同じことにとても喜んだりして反
応が違っていた。振り返りカードにケンタは「ぼくはトンボが好きだ。すばやくて一度も捕まえ
たことがないし,目が大きくて口がカッコイイから。だからドラゴンフライはバッチリ覚えた。
他の人はどうかな」と書いていた。HRIl)は子どもの関心が徐々に仲間に向き始めているように
感じた。そこで次時は自分の好きな虫を1つ選び,同じ仲間さがしをすることにした。
(第5時・自分の好きな虫を紹介しよう!)
○相手の話を最後までしっかり聴く,自分の好きな虫を仲間に伝えようとする。
第4時の虫にカブトムシ,アリ,ハチ,セミの4種
類を加えて自分の好きなものができるだけ選べるよう
にした。「カブトムシ(beetle)とクワガタ(stagbeetle)
は似ている」とすぐに覚え,この2種類は人気だった。
またセミ(cicada)も難しいと思ったが,子どもが1番
興味を持っている時期だったからかほとんどの子がそ
図10仲間さがしインタビュー
の日で覚えてしまった。続いてDoyoulike∼?で自分
と同じ虫が好きな仲間さがしインタビューを行った(図10)。振り返りでメイは「だれと同じに
なるかなとわくわくしながらやった,リノは「インタビューするとグループがいっぱいできて,
チョウの好きな人が多いなあと思った」と仲間に関心をもって取り組んだことがわかった。マミ
は「クワガタとカブトムシは同じ仲間だから英語も似ているのかな?」と音声を理科学習と関連
させて考え,サI、ルとサヤは「ハチ(bee)とカブトムシ(beetle)が似ているので気をつけて聞き
たい」と話した。子どもがここまで詳しくしっかり聞いていたことに教師は蝿くばかりであった。
(第6時…友だちの好きな生きものをたずねよう!)
○生きものの英語表現に慣れ,好きな生きものについて積極的にインタビューし合う。
○色や数,体の部分やその特徴を表す英語表現を使って伝え合い仲間とのコミュニケーションを楽しむ。
前時までの復習も兼ねて3ヒントクイズを最初に行った。必ず3つめまでヒントを聞いてから
手を挙げるルールは前時と変わりないが,子どもは2回目なので互いに注意し合って最後まで聞
こうとしていた。最初のクイズでHRTは「長い」ジェスチャーしながらbignoseとピン│、を出
:HRT:Ithas41egs、1t'sheavy.Ithasabignose.iした。すると,モアはbigは大きいだからlong
:アン:1t'sanelephant.
;だと訂正した。子どもは口套に「そうだよ。
:モア先生,デカイ鼻じやなくて長い脚だよ。I先生が間違ってる」と言う。子どもがしっか
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iHRT:何て?Pleasesayonemoretime.
;モア:BignoSeじゃなくてLongnoseだよ
ー
モア:It'sheavy.
マミ:It'sbig.
マリン:Thecolorisgray.
JTE:Iknow、1t'sanelephant.;
Cn?No1
”言葉の意味を把握して聞いていたことがわ
かつた瞬間だった。
そこでJTEに生きものについての3ヒントクイズをみん
なで考えて出すことにした。3ヒントクイズだったがJTE
はさらにヒントを出すように促した。テルユキとキヨシは
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…
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. 「日本語でもいい?」と断ってから発言した。それを聞い
iテルユキ:口が大きい。
Y
Cn:Themouthisbig.
キヨシ:しっぽが短い。
CnsThetaleisshort.
JTE:Iknow1Itnsahippo.
て周りの子は,彼らの発言を英語にしてヒントを出し直し
ていたマミとマリンは「初めて発表できた.もっと話せ
るように頑張る」と発表したことで意欲が増した旨を振り
-162-
鹸後に大型絵本「MyPet」の読み聞かせをしたこれには本単元で学習したheavy,scary等の表
現が動物とともに出てくる。子どもは言葉の意味をたずねることもなく笑ったり鷲いたりしながら
最後までしっかり聞いて絵本を楽しんでいた(図11)。内容がしっかり理解できたからであろう
5実践を振り返って
中学年でのよりよく考え学び合う英語活動の授業づくりは不安と迷いで始まった。わかる単語
も会話に使える文も少ない3年生である。ルールがより明確で‘複数で確認し合うような活動で
ないと子どもはすぐに個人で活動し,わからない子は別のことを始めてしまいがちであった。
①よくわからないことを仲間と一緒に考える
単語を知る場而ですぐに答えがわかるものでなく,タスクを少し加え,仲間と一緒に考える場
をつくることが,より深く考えたりしっかり聴いたりすることにつながることがわかった。マサ
キは「5月は全然できなかったから友だちに聞いて考えてたけど今は自分で言えるようになった。
わかったことで友だちに聞いていくんだとわかった」と書いていた。相手に−度で伝えられなく
ても知っている言葉で何度も伝えていくことで伝わることがわかると子どもは楽しいのである。
②自分の生活や学習を振り返る必要のある場面で,最後まで聴き合い,さらに考える
本単元を終えてリンは「1番最初の時は話を聞かない人がいたけど.最近はちゃんと聞く人が
増えて話しているときに喋らなくなったからいろんな人の発表が増えた」リノも「みんなが集中
して聞きやすいし話しても聞いてくれるようになったから嬉しい」と発言した。最後まで聴かな
いとわからない仲間と考えないと解決できない場面をつくりだしたことで子どもが自分の成長
や仲間とかかわるよさを感じていた。モアの「みんなが協力してお互いに教え合う英語をしたい」
という発言はそれを実感し、「個人じゃない,みんなでしたいんだ」という意欲の現れだろう。
して慣れていくことを実感した。本学級の子どもはまだまだ自分のことを言いたい思いが強い。
しかし.少しずつ「仲間の話を最後まで聴くとよくわかるようになるから緒にしたい」と感じ
る子が増えてきたことが嬉しい。この実感がさらに今後の外国語活動の意欲付けになっていくは
ずである“3年生はこのような体験を重ねていく中で,徐々に「最後まで聴き合い,さらに考え
る』ようになっていくのではないだろうか。これからも実践を積み砿ねながら研究を深めたい。
また,本単元の導入と終末にDVD絵本と音源付き絵本を用いた。絵本は文が精選され短い°
単元内容に沿ったものを選んだことで,-fどもの言語理解を助け単語や英語独特のリズムや言
い回し等を音楽や絵に合わせて何度も繰り返し親しむことが出来た。子どもの理解する過程や変
容も見え,とても効果的であった。教師の肉声で対話しながら読む等の工夫も含めて.絵本の活
用を今後も考えていこうと思っている。
−163−
外国語﹂’
本実践は.子どもが仲間と互いの思いや考えを伝え合う場で生活経験と関連づけて考え、理解
Ⅱ授業実践例その2(第6学年)平良ゆかり(HRT)友寄未来(JTE)
1単元名
WelcometoOkinawa!
2単元について
外国語活動が導入され,子どもは1年生の時から英語を聞いたり話したりする活動に慣れ親し
んでいる。4月の自己紹介の場面では,子どもは,「ただ自分の名前を伝えるだけでは,相手と親
しくなれないよね」というタクヤのつぶやきから,「Mynameis∼.」に加えて,「Mytreasure
is∼.」と自分の宝物を紹介することにした。自分の大事にしている宝物を紹介すれば,仲間に
もっと自分自身を知ってもらえると考えたのだろう。相手により親しみをもってわかってもらえ
るように,写真や実物を見せ合い楽しそうに紹介していた。
一方,総合的な学習の時間では,「世界について知ろう」というテーマで,世界の子どもたちの
様子をスライドで見た後,調べ学習を行った。その中で,尋ねたいことをあげてもらうと,「どん
な遊びが楽しいか」「宝物は何か」等が出された。4月の自己紹介の経験から,外国の子どものこ
とももっと知りたいという思いの現れだろう。その後,外国語活動の時間に,「外国人に,“おも
ち"を知っているか聞いてみたい。」というノリの一言から,交流会がしたいという計画がもち上
がった。さらに「沖縄のいいところを外国人に紹介したい」ということで,「WelcometoOkinawa!j
という単元が生まれ学習の時間と並行させて,外国語の基本文を活用して紹介文を作成すること
にした。
本単元は,総合的な学習の時間に,沖縄のいいところや文化について,図書やパソコンで調べ
たり,史跡を見学したりして,理解を深めていった。一方,外国語活動の時間では,沖縄の文化
の中でも,より身近な食べ物やエイサーなど,グループごとにテーマを選んだ。大切にしたいこ
とは,交流する外国人の出身の国にもI司じような文化があることを知り,子どもが互いの共通点・
相違点をみつけながら伝え合う喜びを体験することにつなげたいということである。
活用する英語表現としては,既習している簡単な英語表現の中で,大きさ,色.形の英語でのい
い方を,It'slike∼size./It'slike∼color./It'slike∼shape.の形にして活用し,各グループのテー
マについて,size,color,shapeの3つの視点から大まかに紹介する文を作成する。この時,子ども
は,身近な文化からテーマを選ぶのであるが,エイサーなどは3つの視点だけではうまく表現でき
ず,伝えづらい場面も予想される。そこで,加える表現として「Iwillshowyouhow∼.」を入
れることで,絵やジェスチャー等を交えながら伝える工夫が見られると考えられる。また,活動を
進める際にどうすれば伝わるかを,ベアやグループで話し合う場面を設定し,仲間と互いの思い
や考えを伝え合うことができるようにしていく。さらに,自分たちの紹介文の伝わり方を確認す
るために,他のグループやJTEの先生に紹介する時間を設けた後,JICAとの交流会で紹介する。
こうした過程を通して,伝わらない時どうするか工夫寸一ることで,伝わる喜びを体験させたい。
さらに,外国人と交流することで,日本や外国の言語や文化にも理解を深めさせたい。
3単元目標
○沖縄のよさについて外国語を使って外国人に伝えることで,伝わる喜びや伝え合う大切さに
気付くことができる。
○外国人と互いに伝え合うことで日本や外国の言語や文化に対する理解を深めることができる。
−164−
4
授業の実際(全6時間)
第1時
【めあて】身近な文房具などを簡単に紹介しながら,紹介文の3つの視点(大きさ,色,形)
の活用に慣れる。
ユウタロウのペアは,絵カードをもとに,「It'slike∼size./It'slike∼color./lt'slike
shape.」と活動に積極的に取り組んでいた。出来上がった紹介文をもとに,他のペアとクイ
ズ形式で,相手の絵カードが何か当てたり,自分たちの絵カードを相手ペアに当ててもらっ
たりし,3つの視点をもとに紹介することに慣れてきたので,第2時に,子どもにとって沖
縄のより身近なものから伝えることを選び,紹介文を考える時間にする。すると子どもは,
実物や写真なども使いながら,より積極的な活動につながるのではないかと予想した。そこ
で,沖縄の身近な文化について,一人ひとりが考えをもちながら仲間と話し合い,テーマを
絞り込める場面を設定することにした。
第2時
【めあて】沖縄のいいところをグループで出し合い,それを簡単な英語で表現する。
交流会で,外国人に「沖縄のいいところ,特にここでしかできないことjを紹介するため
に,グループでそれぞれ意見を出し話し合う。具体的な活動として,「沖縄でどんなことがで
きますか?WhatcanyoudoinOkinawa?」と尋ねられ時,「Ican∼.」とその答えをグル
ープで出していった。
日頃から活動にうまくのれずにいたノリの発言を契機に,ユリやグループの話し合いが活
発になっていった。
沖縄でできることを考えて紹介してみよう
T
リ
リリ
ノCCノユ
各グループ,みんなでアイディア出しあってみて
沖縄そばとかはどうかな?
どうやって説明する?
そばは,持って来れないしね
。 ● ●
じゃ,エイサーがいいんじゃない。踊ってみせることもできるし。みんなで盛り
上げられるよ,きっと。
ノリが,「沖縄のいいところ,特にここでしかできないことjは,「沖繩そばが食べられる
こと」で,それを是非,外国人に伝えたいという熱い思いが出たのであろう。しかし,仲間
に「そばは,持って来れないしね」と,否定され,次のアイディアが出なくなり黙ってしま
う。おそらく,絵や写真で伝えることには,考えが及ばなかったのだろう。ここで,日頃ノ
リと同じように活動に消極的だったユリが提案してきた。彼女は,歌やゲームなど,リズム
に合わせて活動することが苦手であった。しかし,他教科の活動を見ていると,グループで
の話し合い活動などでは,しっかりと自分の意見をもって,賛否を主張できる一面があった。
そのユリが,「エイサーがいいんじゃない。踊って見せられるし,一緒に蹴って盛り上げら
-165-
れるよれ。」と提案してきた。5年生の時に踊ったエイサーには,自信があり.またそれを
外国人にも知ってもらい,一緒に踊って伝えたいという思いが強く出たのだろう。
活動中.グループごとに沖縄でできることが出された時,ハナが「見えるは,Lookでい
いのかな?」とか,ミソノが「首里城が見られるは,IcanseeShuri-castleでいいかな?」
などと英語で知っている単語を出し,いいかどうかを吟味し始める。相手にただ伝えるので
はなく,同じ意味でも,他に適切な言葉はないか悩む様子が表れてきた。ケンシが「見るに
はGGLook''とか$gsee''いろいろあって,伝える時に考えないといけないな」と振り返って
いた。語彙が増えるごとに、どのような英語表現が適切か使い分けることも必要だと,気付
いたようである。
マサオミも,ノリやユリと同じように,日頃は活動に対し関心が見られなかった。活動内
容に対し,どんな手順で始めたらいいのか見当がつかない様子だった。ところが,グループ
で仲間と話し合うという場而をもつと.仲間の活動を真似ながら,安心して取り組めるよう
になってきた。そこで,3時では,それぞれのテーマについて.まず自分なりの紹介文を考
えた後,グループで話し合う活動の時間を多めに取ることにした。
表1各グループのテーマ
テーーマ
グループ
テーマ
グノレーブ
1
イリオモテヤマネコ
4
首里城
2
ゴーヤーチャンプルー
5
サーターアンダギー
3
エイサー
6
ノ、イビスカス
第3時
【めあて】グループのテーマについて,紹介文作成の3つの
紹介文作成の3つの視点から紹介文を考える。
ワークシートを活用し,3つの視点をもとに.グループ
のテーマについて,大きさ,色や形などの説明を書き出し
その後グループで考えを出し合いながら、まとめていく。
はじめに個人で,次にペア,峨後にグループで意見を出し
合い,紹介文をまとめる計画であった。しかし,子どもは
すぐにペアや自分の席近くの仲間と話し合いを始めた(図
1)。まだ各自で考えることには抵抗があったのだろう。
子どもの活動の様子から,そのままペアなどでの話し合い
図1仲間と話し合う
活動を見守ることにした。
ノブオミ
パーランクーの説明から考えていこう。大きさは,facesizeでいいんじゃ
ない。色は,It'slikethisshirt.
コウイチ
わかりやすい,それ!
ノリ
じゃ,僕が外国人の役になって説明を聞いておくよ。わかりやすいかどうか。
ユリ
エイサーでは,祖先のために踊ることも説明に入れられるかも
-166-
3つの視点を活用して,エイサーを説明するには,踊る時に使うパーランクーの説明から
始めるとわかりやすいと考えたようである。ノプオミの提案から紹介文作りが活発になって
いった仲間の提案に対し、目に見える物で紹介するとわかりやすい,と納得したコウイチの
言葉が,活動をさらに活発にしていった。仲間から支持されているという安心感が他の仲間
にも,波及していったのではないか(図2)。
それからはⅧノリも,相手にわかりやすくするために,外国人の役になることを切り出す
そこで,自分ができる役割を見つけ,仲間とかかわりながら活動を進める様子から,伝わり
やすくする工夫がしたいと積極的にアイディアを出したのだろう。第2時の活勤で.エイサ
−を伝えることに意欲的だったユリは,自分が知ってい
るエイサーについての歴史や背景も合わせて伝えたいと
紹介文作りに讃極的になっていた。グループで、仲間が
話し合いから脱線するとアドバイスし,活動を促すよう
になっていった。
解が深まっていく様子とともに,次のような,外国語の
▲遁
この紹介文を考える活動で,沖縄の身近な文化への理
難
L
I
=4
図2グループでの話し合い
音声へ慣れ親しむ活勤も見られた。
ユウタロウ;まずは,ゴーヤーの説明から考えていこう。大きさは,middle,
1t'smiddlesize.
マサオミ:味は●
ユウタロウ:ん・・・ワ
マサオミ,ユウタロウ:Helpme!/Howdoesitsay味.inEnglish?(JTEに向かって)
JTE81tsaytaste,inEnglish
ユウタロウ:Oh,tasteね。Thankyou!
マサオミ:Tbste,tastingtime,tastingtime!
マサオミは,仲間がさらにわかりやすく伝えようと質問した味について,JTEからの返答
の終わりに「何度も唱えると楽しい。交流会まで忘れないように練習したい」と話していた。
外国語の音声の響きのよさが、いつもの活動で内容をつかめず楽しめずにいたマサオミを引
き込み.交流会の日をイメージして練習する意欲にまでつなげていったと考える。
また、3つの文で紹介できないとき,「絵を見せるを.英語で何と言えばいいですか?」と,
あるグループからJTEに質問がされた。ここで,「Iwillshowyouapicture」とわかり,聴
きとった英文をメモする姿があった。この文を使って,実物を見せながら紹介すると分かり
やすいということをみんなに確かめることにした。
次時で出来上がった紹介文を,外国人に伝わるかどうか試す-ため前に.他のグループに聞
いてもらい.伝わるかどうかを試す時間を持つことにした。
−167−
|外国語一
を聞き,そのリズムの感じが楽しかったのか,その後も繰り返し唱えて楽しんでいた。学習
第4時
【めあて】各グループの紹介文を聞き合い,相手(外国人に)に伝わるかどうか,気付きや感
想を発表する。
前時で出てきた「Iwillshowyou∼.」の意味と使い方をみんなで確かめ,紹介する活動
に取り入れる。紹介文の3つの視点から各グループのテーマについて説明し,紹介文をみん
なの前で発表する時,伝わりづらい場合には,絵やジェスチャーを加える。この時,「Iwill
showyouhow∼.」を活用して説明を加えることを全体で確かめる。その後,前時の紹介文
を各グループで紹介し合い,外国人に伝わるかを聞き合うことにした。気付いたことがあれ
ば,メモをとり,アドバイスや意見を伝え合うことにする。
すると,エイサーを実際に踊ってみせた3グループや,実物のゴーヤーを持ってきて見せ
ようという2グループのアイディアを見て,「実物があるとやっぱりわかりやすいね。jと他
のグループの仲間から意見が出された。
サーターアンダギーを,作り方だけで説明しようとしていたリオは,「交流会の日,作って
持ってきてもいいかな?」とグループで相談し始める。紹介文の3つの視点だけよりは,やは
り本物を持ってきて見せる方が伝わりやすと考えたようだ。この時間.どのグループも.互い
の発表を見ることで,3つの視点を活用しながら紹介文に合わせ,絵やジェスチャーなどで説
明を工夫する大事さに気付きがもてたようであった。この発表やアドバイスをもとに交流会
を行った。
第5.6時JICAとの交流会
紹介文の3つの視点で伝えたり
【めあて】各グループのテーマについて,紹介文の3つの
■ ▽
交え,伝える工夫をする。
M
ジェスチャー等を
−
−
−
グループごとのテーマについて.紹介文と写真,実
物,動作を入れながら紹介する。
各グループで作成した紹介文を活用しながら,交流会
を行った。マサオミも,仲間と一緒にゴーヤーチャンブ
ルーについて説明をすることができた。ゴーヤーをみん
1
4弘守と
なの前で高々とあげ,大きさ,色や形を説明するユウタロ
ウや仲間に合わせ,「Tastingtime!Look!」と自信満々に
‐、. '一‘当"‐ー,‐……画一……ー』ー唇'日'i卿』、'ー図3交流会で紹介する様子
外国人に紹介していた。(図3)仲間との話し合いなどで,
活動に意欲的になり、しっかりと外国人に伝えようという気持ちが高まったようである。そ
の後ゴーヤーを外国人に手渡し,触れてもらったり,匂いを嗅いでもらったりし,ゴーヤ
ーチヤンプルーのイメージがわかりやすく伝わるようにと工夫していた。
ノリは,グループの仲間とエイサーについて紹介したり,パーランクーの叩き方を「見て,
Showme!」と,勇ましく叩いて見せたりしていた。和太鼓のチームに所属し、太鼓を叩く
ことに親しんでいることがノリの自信となって,太鼓の叩き方を説明する時にも余裕の表情
が見て取れた。さらに交流中,外国人とのふれあいタイムでは,もちを知っているか尋ねる
場面があった。ノリは,「もちを知っていますか?DoyouknowMochi?」と質問し,相手の
タイ人が,「No,Idon't.Whatisthis?」と答えると,もちを知らないことに驚いていた。そ
こですかさず,「1t'ssmal1.1t'ssweet.1t'sgoodtaste.Ilikeit」と説明していた。外国人
−168−
に直接尋ねることができ.とても嬉しそうな笑みを浮かべていた。これまで,是非尋ねたい
という思いを高めていたが.その思いが叶い嬉しくなったのだろう。尋ねられた外国人は,
「もちではないが,タイにも似たようなものがあるよ。」と,簡単に紹介していた。ノリは
互いの文化を伝え合い.コミュニケーションを図ることができ,世界とつながる交流の時間
がもてたことがうれしかったのだろう。
サーターアンダギーをテーマとしていた5グループは,3つの紹介文に合わせ.作り方や実
物を見せながらうれしそうに紹介していた。本物のサーターアンダギーを見せ,味わっても
らい,相手に喜んでもらえたという思いがあったからだろう。満足して,笑みを浮かべてい
たことが印象的だった。
5実践をふりかえって
本単元で,外国人に「沖縄のいいところ」を実際に伝える場面を設定して活動を進めた。相手
意識をもって伝えようとする時,限られた英語表現でも,なんとか伝えようとする意識が強くな
り.創意工夫する姿が見られた。
ノリの提案で始まった単元であったが,仲間と知恵を出し合って,自分ができること(方法)
で役割分担し,伝える工夫ができるという気付きが生まれた。外国人が見たことのないものをわ
かりやすく伝えようと簡単な英語表現にジェスチャーを加える等して,思考錯誤する様子が随所
に見られた。これは.よりよく考え学び合っていた姿といえるだろう。
マサオミは,仲間やJTEに尋ねて聞いた言葉を繰り返し,リズム良く唱えることで,だんだん
外国語の音声に慨れていったようである。活動に抵抗を感じていた子どもも,音声を繰り返し唱
えたり、それを伝えたりする場面を設定することで,伝えたい,話してみたいと意欲が高まって
いったと考える。その結果次の単元で「できることを紹
介しようWhatcanvoudo2の単元では,自分ができるス
〆
ポーツや演奏できる楽器を,言葉やジェスチャーを交え、
伝えている子どもが増えてきた。また,「仲間ともっと自由
にインタビューして,相手のできないことも知りたい。」と
いう言業が聞かれ,仲間への関心が高まってきている。
ローズのグループでも,交流会でのふれあいタイムの時
間に,身近なかるた遊びのやり方を,ノートにかるたの文
図4説明を工夫する様子
とったり.慣れ親しめるような取り組みが必要がある。外国語を使って話すことが楽しいと感じ,
リズムにも興味かもてるような毎時間の活動の工夫・改善をこれからも図っていきたい。
-169-
外国語一
字を書いて見せ.外国人に工夫してわかりやすく伝えようとしていた(図4)。
しかし,外国語の音声を聴いたり話したり,リズムに親しむという点では,さらに活動時間を
総合的な学習の時間研究部
桃原のぞみ
I研究主題について
1本研究部におけるよりよく考え学び合う授業
本研究部における,よりよく考え学び合う授業とは,身近な物事や事象と出会い,互いの意見
や考えを出し合い,議論し,振り返りながら仲間の考えを受け入れ,様々な方法で確かめ合うな
ど,課題の解決や体験的な活動を主体的・協同的に取り組む探究的な学びのことであると考えて
いる。
昨年度は,理科との関連で生活に密着したテーマ「土」から,ひと・もの・こととのかかわり
を重視し、焼き物職人にインタビューしたり,博物館で調べたりした。実際に作成し実験で確か
めたりするなど体験的な活動を多く取り入れることで探究的な学びにつなげることができた。本
年度も,教科等との関連を意識しながら自分自身に引きつけて考えることができるように,身近
な地域をテーマに探究活勤を展開していく。
子どもは,この学びを通して他者のよさを知り,自己のよさを自覚しながら振り返り,自分の
考えを再構築していくと考える。
つまり,総合的な学習の時間では,探究的に学ぶことにより,互いに考えを深め合い,子ども
が,自ら学びをつくっているんだという学習に対する自信をつけ,自己決定するという経験を繰
り返す-ことで,実社会や実生活で活用できる生きる力を身につけていくであろうと考える。
2本年度の取り組み
総合的な学習の時間では,各教科・領域等で習得した知識や技能を必要に応じて活用し,関連
づけ,学習や生活に生かし,総合的に働くようにすることが大切である。社会の物事や事象に自
らかかわろうとしたり,自分を見つめ直したりするような状況づくりが,よりよく考え学び合う
授業につながると考え,以下のような取り組みを行っていくこととする。
まず,探究的な学びを繰り返すために,校外学習及び体験学習を取り入れ,その道に精通して
いる人々や地域社会の人々と関わりを持つことで,事象に対する思いや願いに触れる場をつくる。
そこで,子どもの課題意識が情報の収集・分析.まとめ・発信と継続できるように,課題の必
然性・明確化・焦点化を図っていくことが必要であると考える。
また,自分や仲│冊の考えの遮いに気づき共有するために,予想や課題解決の方法などを話し合
う場をつくることも大切だと考える。ここでは,グループ学習に主軸に置き,一人ひとりが仲間
と関わりながら,日々の自己到達目標を明確にし,自主的に活動していくことで達成感を育てた
い。
以上の取り組みを通し,子どもの'、族びを.「章に兄取るために,毎日の生活を注意深く観察し,日
記や振り返りシートを活用して,自己評価や相互評価等を行う,そこから,子どもの興味や関心,
困りごとなどを見取りながら,子どもが自分自身を振り返って見つめる能力や,目的に沿って自主
的に学習を進める能力を育てていきたい。つ主り,子どもの学習状況をより丁寧に見取り,多面的
に把握することで,学びをのストーリーをつむぎ出していこうと考える。
−17()一
3考察(9月現在)
よりよく考え''綻び合う授業を創り出ず-たいに,毎[1の生活を注意深く観察したり,日記や振り
返りシートに目を通し気づいたことなどを兇取レ)ながら,子どもを支援してきた。
口必然性のある学びをつくる
何をどのように調べるかは,1こども自身が決定する“グループを決定するときなどは,なるべ
く子どもの意志を尊煎してきた“その課題に対し,普段の生活の中から知りたいと思う理由を持
っているからだ。それは,家族の言染だったり,仲間の言嬢だったりする。しかし時には,イメ
ージしていたことが大きく糧ることもあるが,子どもは,そのずれから学びを再構築するという
礎も見えてきた.このように必然性をもって探究した学びは自伯に変わり,堂々と発表できる力
をf-どもに与えるのだということも分かった。これからも,子どもの生活に密耕した-fどもの視
点からの課題を追究することを意識していきたい。
口仲間とかかわり合いながら学び合う場を設定する
課題を設定する時,テーマに合っているのか,本当に調べる価価があるのか,またそれが調べ
ることが可能なのかをよく考えず,テーマから離れることがしばしば見られる”そこで,課題検
討会を持ち,調べる価値について仲間と吟味し〃〕う場を設定した。その際,視点に沿って話し合
いグループごとにお互いの課題を確認し合うことで,裸題の明確化・焦点化につながり最後まで
ぶれることなく探究し続けることができた。また,常にグループ学習に主軸を職き,仲間と共に
撚題解決の方法や発表について論し合った,他のグループから批判的な意見が出てきた時でも,
グループで何度も調べたり諭し合ったりするなど,お互いの考えを確かめ合っていた.また発表
原稿や図絵をまとめる時も,課題をもとに│'旧番を考え,お互いの得意なことを兇つけて仕蛎を分
担し発表の準備を進めていた。仲間とかかわり合うことで,苫手なことや--人では解決できない
二とでも考えが深まったり,互いの良いところを認め合ったりしながら学び合う姿がみえた。
口体験学習を通して事象に触れる場をつくる
fどもは,お互いの言葉や行動のやり取;jのII!で学ぶ.しかしそれだけでは足りないこともあ
るという事が見えてきた、自らが体験をする中で.兇たこと感じたことをフ‘ラスして納得すると
い.)ことが分かった。実際に見たり触れたり,それに携わっている人の話を聞くことで,既かに
想像したl),新たに理解が深まったり,自らが何をすべきかを考えるチャンスとなる“しかし,
当初の‘汁画に2回目のフィールドワークが計画されていなかったことや学校から山原迄で往復で
4時間もかかることもあり,教師はなかなか踏み切れずにいた。そのような時,参観者からの助
『『により教師の想いが強くfどもの学びに寄り添っていないということに気づくことができた‘
実際に山原へフィールドワークする前と後では,子どもの見方や考え方が大きく変化した。具体
的にやるべきことを見つけるだけでなく,lll原への愛情と誇りを感じるようになってきたという
ことである,今隆,数回,lll原や大学内のI測頭マージ(山原の土)の森を活用するなど,子ども
に寄り添いながら丁寧に見取り,学びを深y)なければならない.
以上ひ)ように,本噸元を行う中で,沖縄の自然について探究し,仲間と学び合う姿を見とって
きた。しかし教師が,無意識のうちに、li初の計画に当てはめようとこだわってし去ったことで,
ナ.、ども(/)学びに寄り添えずに,授業が停滞する場面もあった二改めて,想定へのこだわりを持た
ないということの難しさを感じた.今後は,いかにこだわし)にとらわれることなく,1'・どもの学
びを丁唯に兇取り,寄り添いながら,探究的な学びを支えていけるのかを考えていきたい。
-171-
Ⅱ授業実践例その1(第4学年)
桃原のぞみ
1単元名「守れ!ちゅら島ウチナー」
小単元①沖縄の自然について学ぼう
2単元について
子どもは,3学年で初めて総合的な学習の時間に出会い,理科の学習との関連から植物や生き
物について調べ,本学内にある博物館に行き聞き取り調査をしたり,調べたことをまとめ発表会
を開いたりするなど学習の進め方についても学んできている。
これまでの学習を活かしながら,環境をテーマに総合的な学習を進めていきたいと考え,3学
年での学びを振り返りながら,テーマや課題設定・課題の追究.まとめ・発表会など,大まかな
見通しをもって今年の学習計画を立てた。
単元構想を組み立てるにあたって,対象の地域を考えると,本学級の子どもの通学範囲は6市
町村にまたがっており(宜野湾市・西原町・中城村・浦添市・那覇市・与那原町)地域の特性を
絞っていくには難しい面があるため,沖繩全体をひとつのエリアとしてとらえることとした。
本単元では,生活と密着した課題を取り上げるため,社会科の単元「健康と安全な暮らし」で
水の確保と自然破壊について考えさせたい。沖細は高温多雨な地域ではあるが,水の確保が難し
く,昔から大変苦労してきた。解決策としてダムを北部地域に多く造ってきたが,森林だけでな
く動植物の住処など自然環境を大きく変えてきていることも事実である。このことから,私たち
の生活と自然環境は微妙な関係で成り立っていることに気付かせていきたい。
はじめに,社会科の水はどこからの学習の発展として「ダムに沈む村」を扱い,ダム建設で生
まれ育った村を去った人々の話をもとに,住処を奪われた人々の心情に触れる。その後,理学部
の横田昌嗣先生に,ダム建設のために絶滅寸前にある植物,オリズルスミレの発見と保謹につい
ての話を聴くことで本単元につなげていく。次に,フィールドワークを行いダムやその周辺の環
境を実際に見学することで,その面積の大きさを実感し,住処を失ったのは,人間だけではなく
励植物も大きな被害を受けてきたことにも気付かせたい。
また,専門家の先生方の講話やインタビューから,沖繩の自然の豊かさや開発による危機的な
状況について知り,フィールドワークを通して実際に目で確認し,体で感じながら自分事として
関心を持って探究していく。その後,各グループの考えた多様な視点から,互いに協力して沖縄
の自然の豊かさや現状について伝え合った後に,沖縄の開発と保全について考える場面をつくり,
どうすれば沖縄の自然を守れるのか,今後の活動ややってみたいことなどについて話し合う。
そのほか,課題設定やインタビュー練習の際などは,各グループの仕上がり具合について,学
級で発表し,互いにアドバイスをもらう。そこで自らの状況についても振り返るなど,常に自他
のグループの学びを確かめ合いながら進めていきたい。
このような取り組みを通し,仲間とかかわりながら探究的に学ぶ子どもを育てたいと考える。
3単元目標
沖繩の自然と開発について知り,仲間と学び合いながら感じた事や調べた事をまとめ,発表す
る活勤を通して,魁かな沖縄の自然に誇りを持つと共に大切に守っていこうとする態度を育てる。
−172−
4授業の実際
時間
1
2∼5
学 習 の 経 過
理学部横田昌嗣先生のオリヅルスミレの調胞を聞く絶滅した花を見つめて
絶滅した花を見つめて
漢那ダム観察フィールドワークエピ
エピソード①
ソード①
6
タイムリーな話題「富士山世界遺産登録」
テーマを設定しようタイムリーな
話題「富士山世界遺産登録一
7
課 題 を 設 定 す る エ ピ ソ エピソード②
ー ド ②
18
課 題 検 討 会 ど ん な 場 所 が 自 然 遺どんな場所が自然遺産にふさわしいのか知りたい
産にふさわしいのか知りたい
9∼13
14
課 題 を 調 べ る エ ピ ソ エピソード③
ー ド ⑧
理学部立原先生のリユウキュウアユの講話を聞く
15∼16
イ ン タ ビ ュ ー の 練 習 新 た な
新 た発
な発
見
見
17∼18
専門家にインタビューしようエピ
エピソード④
ソード④
19∼24
課 題 を ま と め る 自 然 を 宮 る た め自然を宮るために何ができるかよりもその前
に何ができるかよりもその眉
25∼26 調 ぺ た こ と を 伝 え 合 う 発 表 会 に
に
27
エピソード⑤
沖縄の自然についてまとめようエピ
ソード⑤
28
自然を守るために何ができるかよりもその前に
29∼32
待望の山原フィールドワーク待望の山原フィールドワークエピソード⑥
33
こんなに多くの壁があるとは!
沖縄の自然預痒登録のために頑張っている人の8舌こんなに多くの壁があるとは1
34
ゴ ミ ひ ろ い 大 会 エ ピ ソエピソード⑦
ー ド ⑦
{絶 滅 し た 花 を 見 つ め て
エピソード①
}
社会科でダムに沈む村の学習をした後、リヨウは「ダムの水を利用しているのは自分たちだ
から,もし自分の住む土地がダムの建設地になっても反対はしない」と日記に書いた。リョウ
は,この学習を通して沖縄の水事情とその大切さを学び,みんなのために役に立つのなら協力
しなければならないと考えたのであろう。しかし,住処を奪われたのは人間だけではないとい
うことに,まだ気付いていない。他の子についても同様であった。ダムに沈むのは、その土地
に住む動物や植物など多くの生き物全体なのだ。そこで自然に目を向けてもらいたいと考え,
沖純の生物について詳しい横田先生を招き,当時のダム建設予定地で発見された,絶滅寸前の
オリヅルスミレに対する切実な想いを語ってもらった。
俄田先生:今となってはオリズルスミレは,絶滅した植物とされ,人工的に栽培されているもの
だけになってしまった。沖縄には,沖縄にしかいない動物や植物がいっぱいあって,そ
れくらい豊かな島なのだ。
総合
先生の言葉を聞いたとたん,教室は重苦し
い雰囲気に包まれた。ヒカリは,貴重なオリ
その日の振り返りでは「オリズルスミレが育
つような環境を取り戻し,増やしていきたい」
5,▼二
患・EWr
q且■■q
一
もうなくなってしまうんだね」とつぶやいた。
’一︲
ヅルスミレの花を見て「誰かが守らないと,
卜
"
:
i
・
タ
゙
ル
と振り返っていた。
図1漢那ダムフィールドワーク
−173−
F
A
実際にダムの広さから,そこに沈んだ自然について感じ取ってもらいたいと考え.教師はダ
ム周辺へのフィールドワークを計画した。
数日後宜野座村にある漢那ダムに出かけた。着いて間もなくキコが「このダムはどれくら
いの深さがあるのかな。広さはどれくらいだろう。この広さの分,森がなくなったということ
になるんだよね」とつぶやいた。キコはこのダムの湖底の様子を想像していたようだ(図1)。
キコ:これはなんて名前ですか?(ダム周辺の散策の途中,先生の顔を見て)
横田先生:タヌキモ。
キコ:これは?
横田先生:モウセンゴケ。みんな,とても数が減っていて,ここにしかないものもあるんだよ。
キコ:絶滅しそうってこと?
横田先生;そういうことだね。
漢那ダムの周辺には,絶滅が危娯されている植物がわずかに残っていた。キコは,次々に先生
に質問しながら,オリヅルスミレ以外にもそんな植物があることが分かってきたようだそ
の日,キコの日記の中には「ダムを造るために,こんなに多くの森の木が切られ自然が壊され
ている。みんなで守らないと,絶滅してからではもう遅い」と強い調子で書いていた。リョウ
も当初の考えを大きく変えていた。「ダムは,大切だけどこれ以上ダムは必要ないと思った。
自分たちがしっかり節約すればいい」と話していた。子どもは,自分たちの生活が自然と大き
くかかわっていることに気づき始めているようであった。フィールドワークの後,子どもは、
口々に沖繩の自然をもっと調べたいと言い始めた。
世
(タイムリーな話題「富士山世界遺産議録」
エピソード②
)
自然をテーマに学んでいくことをみんなで確認した後,それぞれ詳しく調べたいことについ
て話し合った(図2)。
キ
.
−
森も大切。一度切
-
8
った森は簡単には
戻らない。
キヨシ
自然遺産!富士山
が世界遺産に登録
されたと,今ニュ
ースで話題になっ
ています。
キ コ
そう言えば、横田
先生も,沖繩を自
ー
然
遺産
に蓋
録す
る登 録 す る 図 2 課題設定のためのウェビング
然
越
筐
に
ために頑張っているって話していたよね
沖繩も自然遺産に登録できるといいね、
表19つの課題
植物・動物
・森・海
・自然があぶない
天然記念物
・自然遺産
.絶滅危愼種
−174−
・外来種
’
最終的には,テーマの中から9つの裸題(表1)があがってきた。大きく分けて自然の豊かさに
関することと,それ以外に自然を脅かすものがあがった。キコは↑「自然があぶない」に特に関
心を寄せていたがグループの人数調整をしているうちに,第二希望の「自然遺産」のグループに
入っていた。「本当は『自然があぶない』のチームに入りたかったのになあ」とこぼしていた。
キコは熱い想いを注ぎ込めない様子で少々トーンダウンしていたしかし,ここで富士山が世界
遺産に登録されるという話題で盛り上がるとともに,心強いリホとの出会いがあった。もちろん,
ふたりは同じクラスの仲間ではあるが,学習の場で本音で話し合う機会としては,これが初めて
であった。リホは,口数こそ多くはないが,ここぞという時にしっかりと自分の想いを発言でき
る子である。発言は多いが周りの子に,言われると少し弱気になる傾向にあるキコにとって,今
後心強い存在になっていく。教師は,決まった課題について根拠を明確にし探究し続けることが
できるように,グループごとに課題を検討し合う場を設定した。
{ど ん な 場 所 が 自 然 遺 産 に ふ さ わ し い の か 知 り た い
エピソー
雨〕
課題検討会では視点に沿って.各チームの課題について話し合った。
【自然遺産チーム】
【視点】
キ.:日本の自然遺産には,どんなものがあるのか
と合っているか
①テーマと合っているか
②調べる価値(役に立つ)があるか。
価値(役に立つ)があるか。調べたい。
③本当に調べることができるのか。
調べることができるのか。
リョウ:他の地域の自然や自然過産を調べたところで
何の意味があるのですか?
キコ
沖繩には自然遺産がまだないので,どんな場所が選ばれているのかを知るのは,参考
になると思うからです。
キコは強気で話した。実は,このような質問が出ることを予想していた「自然遺産」チームは,
質問の回答について前もって話し合っていたのだ。リホがグループの場で「どんな場所が選ばれ
ているのかしっかり確かめておかないと,どんな場所が自然遺産にふさわしいかわからないよ
ね。」と話しているのをキコは受け止めていたのだ。この話し合いから、それぞれがやるべき課
題の確認や焦点化につながっていく様子がみえた。
(新 た な 発 見
エピソード④
)
本当に調べたいことを,インターネットや図
苔資料から見つけ出すことができず困ってい
た子どもは.専門家の先生にお話を聞きたい
と言い出した。子どもは.各チームの課題に
合った大学の先ノkの所にインタビューにいく
インタビューの時,専門家の先生は,子ど
ものI漂題にそって、画像や実物に多く触れな
がら説明を進めた(図3)。環境省の阪口先生
から話を聞くと自然遺産チームのキコは,「沖
繩を自然遺産に登録するためにはいろいろと雌図3専門家にインタビュー
しい問題があるんだって」と自信をなくしたようにつぶやいた。|坂口先生は難しい問題について
詳しく語ってはくれなかった。気を取り直し.調べ始めた自然遺産も難しい局面ばかりで前に進
-175-
総︿巴
計画を立てた。
めないのではないかと不安な気持ちになっていたのであろう。ヒカリも「自然を壊しているのは
自分たちの生活一つ一つ」と少し神妙な面持ちで話した。沖縄の動植物を守りたいと思っている
のにもかかわらず,実は自分たち自身の行いに問題がある事を感じているのであろう。教室の雰
囲気は,少しいつもと違った。自然の豊かさの話に触れて高揚した子どもや自分の生活を問われ
て考えている子どもなどグループによって温度差があった。この様子から教師は,それぞれの想
いを共有する場が必要であると考え,調べてきたことをまとめ,みんなに伝える場を設定した。
自然を守るために何ができるかよりもその前に
エピソード⑤
予め宿題に出した「自然を守るためにみんなでできること・自分でできること」を参考に,グ
ループで話し合った。子どもの話は,主に身の回りのゴミ拾いのことであった。その中にキコの
「自然遺産への登録」やソウの「他の場所の生き物(外来種)をここで放さない」などの意見が
出た。しかし,それもごく少数の意見である。まだ,子どもはこれまで自分で調べた学びに結び
つけて考えていないということが,授業リフレクションで話題になった。他に何ができるか考え
に迷ったアイやソウは,「山原に行って本当に自然が壊れているのか確かめたいjと声をあげた。
教師は,自然を守るために何ができるかを各自の学びに結びつけて考えることができるよう話し
合う場を再度設定しなければならない。また,それと同時に山原へ自然の様子を確かめるために
出かける計画を立てようと考えた。
次の時間,グループで自然を守るためにできることについて「今まで調べたことから考えてみ
よう」と再度検討の時間をとった。
森チーム「山原の森の様子を見てみたい」「原生林が壊れていることろを見たい」
絶滅危倶種チーム「ヤンバルクイナなど絶滅危倶種の保護活動の様子を見たい」
多くのグループの子が,同じような気持ちであった。つまり,今一番必要な活動は,何ができ
るかではなく,自分の目で確認することであった。次に,自然遺産チームから,自然遺産への登
録が出てきた。
アイ:子どもの力では登録は無理だと思う。
(他のほとんどの子どもも,同じ意見だとばかりに頷いた)
(行き詰まった雰囲気に一瞬,教室は牌かになっていた)
リホ:登録ができなかったとしても,登録に協力する価値はあるんじゃない?
自然を守るのに他の方法が見つからないのなら,これしかないんじゃないの?
(思い切ったようにリホが話し始めた)
リョウ・アイ
:協力することで,少しでも自然が良くなるのならそれでいいと思う。
キコ:それなら自然遺産の登録で難しい問題となっていることが何か調べないといけないね!
(この時を待っていたように,いきいきと話しはじめた)
このリホの言葉に動かされ,ほぼ全員が「協力する価値はある」と考えを変えていた。山原を
実際に訪れることで,当初考えていたゴミ拾いやボスター貼りだけでは,この環境を守れないと
感じた結果であったのであろう。キコやリホはずっと自然遺産登録なんて無理だからといってみ
んなが向き合ってくれないのが悔しかったようだ。毎日のように,日記や会話の中でも自然遺産
についてネットで調べたり,家の人と話し合ったことが多くつづられていた。自分たちの意見が
みんなに通じて良かったとキコは,嬉しそうに語った。そこで,リョウが「本当に自然遺産のた
−176−
めに頑張っている人がいるのかなあ」I自然遺産肇録のために頑張ってる大人の話を聞いてみた
い」と付け加えた。自然遺産登録のために頑張っている大人は,横田先生や立原先生だけでは.
少なすぎると感じたのであろう。また環境省の阪口先生も具体的な問題について触れなかったこ
とから,一体,山原を自然遺産に登録するためにどんな壁があるのか,具体的に知りたいという
気持ちが強くなったのであろう。リョウの発言に多くの子どもがうなづいた。早速,NPO市民
団体の方に連絡を取ることにした平行して.前時に多く出てきたゴミ拾い活動も自然遺産登録
への協力の入り口だとして,継続して行えるような計画を立てる事になった。
(待 望 の 山 原 フ ィ ー ル ド ワ ー ク
エピソード⑥
]
目的別にジュゴンの里,大国林道,やんばる野生生物保謹センターの3カ所に分かれて観察す
ることになった子どもはそれぞれの場所で,沖縄の自然について学んだことを目で確かめたり‘
肌で感じたりしながら学習に取り組んでいた(図4)。
チサト「ヤンバルクイナのロードキルは年々ひどくなっている。山原に行くときは,お父さんお
母さんに安全運転してねと声をかけたい」
リホ「川の水はとても冷たく、オリズルスミレなど冷たい環境が好きな植物はこのような環境
の場所を好むそうです。いい環境を守りたいから,これ以上林道を造らないで欲しい」
キ.「山原はやっぱり美しかった。だけどダムを造ったり林道を造ったりするともう戻らない」
ヒカリ「森の中に遊具があったけど.遊具は木を切って作られていた。公園の場所を作るためそ
この木が切られるのは無駄だと思う」
チサトやリホ・キコ・ヒカリは,山原に行っ
て具体的に何をやるべきか何をやってはいけな
いのかを学んで来たようである。キコは.森の
中を散策しながら,この森の良さを再確認して
きたようであった。また後日,大国林道の地図
(分布図)をネッl、で確認していた。ダムや林
P
道の開発により,見てきたような自然が壊され
ていく犠子を想像していたのだろう
図4渓流沿いを散策
(こんなに多くの壁があるとは!
エピソード⑦
]
山原から帰ってきて子どもは,より自然遺産登録に興味を持つようになっていた。NPO市民
団体で自然遺産登録のために頑張っている吉川さんに話を聞くことになった‘子どもは,吉川先
生の問いかけに自然に反応しⅧ夢中に聞き入っていた。今までの鯛べ学習が役に立ち,吉川さん
つもあったようだ鰺
シント
ええ−1人工ビーチこんなにあるの?(人工ビーチの分付図を見ながら)
シ ホ
きらきらビーチやトロピカルビーチ私たちがよく行っているビーチは人工ですか?
吉川先生
ほとんどがそうだね。ビーチの砂も運んで来て盤傭しているんだよ。
キ.
どこから砂をとってくるの?
吉川先生
沖合の海の底から船で取ってくるんだよ。
C
え一?わざわざそこまでして!
−177−
’
総︿巴
の話す、難しい言葉でも理解できているようだった。しかし,子どもにとって衝盤の邪実がいく
沖縄島に37以上の人工ビーチが点在している。子どもが行ったことのあるビーチはほぼ,人
工のビーチであったようだ。まさに自分たちの生活の一部そのものである。「こんなことも分か
らずに利用していたのか」そんな声が聞こえてきそうな時間であった。他にも,埋め立て地の拡
大やアメリカ軍の基地での波習,森林伐採,さらに国立公悶指定の維持保全について様々な問題
が出てきた。国定公園にすでに指定されている西表島は,法律でいろいろなことが規制されてい
る。その法律はどんな内容なのか。知らないことばかりであった。ヨシキは「登録のためにこん
なに多くの鼈があるとは!」とllll.んだ。リホは「吉川さんの言葉に今私たちにできることは,こ
の問題をもっと知ることと,周りに知らせることで1−と言っていました。この問題についてたく
さん勉強したい」と最後にあいさつした。この後子どもは,次のテーマを出し合いグループを再
編し,調べ学習の準備を始めた。
5実践を振り返って
よりよく考え学び合うために,総合的な学習の時間では問題解決や体験活励を通し主体的・協
同的に取り組む学習を行ってきた。そこで仲間と共に探究的に学ぶキコの姿を中心にストーリー
をつむいでいった。
キコは,横田先生に出会い,ダム周辺のフィールドワークを通して沖純の自然の素購らしさと,
その自然が危ない状況にあることを知り,絶滅に瀕した生き物を守りたいと考えていた。その後
調べ学習のグループ分けの時,キコは,第一希望の「自然があぶない」グループに入れず残念が
っていたが,小笠原諸島など他の自然遺産の地について,仲間と調べたり,話し合ったり寸一るう
ちに,自分の考えている自然を守るという点では同じように価値のあるテーマだと思ったのか,
次第に秘極的に調べ学習を行うようになっていた。しかし,環境省の阪口先生のインタビューの
あと,「沖繩の自然遺産の蕊録は,子どもの力では薙録は無理であろう」というクラスの仲間の
言葉に,キコや同じグループの仲間は,次第に元気をなくしていった。「沖縄は自然遺産登録は
無理なのでしょうか」キコの日記に連日のように,このような苦しい心借が伺える言葉が出てき
た。そのような状況の中でも,キコは目標を見失わず探究し,グループの主張を続けることがで
きていた。それは,同じグループの仲間との学び合いの中から,沖縄の自然や自然遺産に登録す
る本当の価値を見いだしていたからであろう。今までのキコであれば,周囲の多くの子の言葉に
流され,あきらめていたと思われる。特に,リホとの関わりや家族の支えは大きかったであろう。
リホは,沖繩の自然遺産登録に対するクラスの子の言葉や考えを客観的に受け止めていて,くじ
けそうなキコに「あきらめないで」と声をかけていた。キコは家へ帰ると自然遺産の価値につい
て,家族と話し合ったり調べたりという作業を繰り返し,自分の考えをグループの仲間と共に何
度も話し合ってきていたのだ。さらに,山原へのフィールドワークを行い実際の自然を感じ,良
さを確認し誇りに思う気持ちと共に,次第に姿を変えようとしている場而を目にしたことで,守
りたいという想いがより強くなっていったのではないかと考える。
このように単元を通して設定した裸題について調べ学習や体験学習をすることで,仲間と共に
探究的に学ぶ姿が見えてきた。しかし,教師が当初の計画にとらわれ,子どもの学びに寄り添え
ていない場面もあった。今後は,より丁寧に子どもを見取り,学びに寄り添いながら探究的な学
びを支えていかなければならないと考えた。
−178−
=
一一
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総合
179
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吟
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6
−
P
特別活動研究部
井崎重新埴寿志
I研究主題について
1本研究部におけるよりよく考え学び合う授業
三月に開かれた学級会でのことである。「秋に取り組んだ全員大なわとびの記録を更新し,自分
たちのきずなの深まりを確かめたいjと全員大なわとび再挑戦の実践について誠合っている中で,
アヤコが「大なわとびの練習を全員が必ずやらないといけないとなると,みんなが楽しい思い出
にならなくなると思う。だからできる人ややりたい人で練習しようjと提案した。その時レイコ
は何も言わず話合いは続いた。しかしレイコは,アヤコの提案に対して自分なりに向き合ってい
た.レイコはその日「この大なわとび集会は,自分たちが楽しむためにするのではなく,これ主
での13分たちのきずなを確かめるためだと思う。だからわたしは,みんなが集主勺て練習し,秋
の大なわとびの記録を上まわるようにがんばりたいと思った」と日記につづっていたのである‘
本研究部は,話合いを終えた後も問い続け,自分なりのこたえを見つけ出したレイコのような
姿を大切にしたい。同様に全員を強制的に取り組ませるのはよくないと自分の言葉で表現できた
アヤコのような姿も大切にしたい。アヤコもレイコも,学級で取り組んできた数多くの共通体験
とそこから学び得たことに手応えを感じ,これから取り組む活動に期待を抱き,集団の一員とし
て主体的に引き受けていたのだと思う《,
アヤコとレイコの姿を通して見えてきたことはこれだけではない。例えば,アヤコの発言はど
のような経験やかかわりの中で気付き表出されたものなのか,レイコが話合いの場で反論しなか
ったのはなぜなのか,アヤコの発言を聴いてレイコと同じような考えに至った子どもはどれくら
いいたのか,といった見取りと解釈の必要性である。アヤコやレイコのような姿から,その周囲
の子どもを含めてより丁寧かつ柔軟に見取り,より豊かにとらえていく必要があると考えている_
以上をふまえ,本研究部におけるよりよく考え学び合う授業とは,よりよい生活や人間関係に
ついて課題を持ち,主体的に考え,仲間と共有しようとする子ども,その課題解決に向けて子ど
も自身がよりよい方法を考え,仲間との関係性において自分の考えを表現し吟味し決定したこと
を実践す-る子どもの窪があらわれる授業であると考える。一人ひとりが集団に主体的にかかわり,
ともに個が生きる集団に高めようとする子どもを育てるために,一人ひとりの学びの道筋をもと
に個と集団の相瓦作用のありようを明らかにしていきたい。
2本年度の取り組み
本研究部におけるよりよく考え学び合う子どもの姿が表出するためには,−・人ひとりの子ども
が集阻の・員として所属感を持つことが重要である。そのことで安心感が生まれ,仲間を承認し
自ら主体的に課題解決に向けて仲間に働きかけるようになるだろう。また,、哲見や考えの異なる
仲間に対してその背緊を探ろうとして聴き,仲間の想いや願いを受け止め,共有することも重要
である。そのことで個や集団の課題を一人ひとりが自分にとって切実なこととして見つめること
ができ,共感性の構築へとつながっていくだろう。このような考えのもと特別活動の原点である
学級活動において話合いから実践.そして話合いへと張る一連の活動を繰り返しその都度振り返
ることを欄み重ねていく。
-180-
◇日常的に自分のくらしについて語り合ったり,あるテーマについて互いの考えを伝え合った
りする取り組みを積み重ねる。
◇事前に議題の提案理由と話合いの柱を明確化し,共有し,なぜ話合うのか,どのように解決
していくのかについて一人ひとりが考える場を設定する。
◇話合いにおいて,相手の想いを受け止め,一人ひとりが自分の立場と全体の立場を比べなが
ら課題解決に向けたよりよい方法を考える場を工夫する。
◇自分と仲間とのかかわりや諸活動を通した学びについて自ら明確にできるような視点を設け,
話合いから実践までの活動を振り返る活動を積み重ねる。
3考察(9月現在)
子どもの学びの道筋を丁寧に見取り,解釈し,学びの可能性を想定しながら働きかけを工夫し
ていく中で,本研究部におけるよりよく考え学び合う授業を追求してきた。子ども一人ひとりが
集団に主体的にかかわり,ともに個が生きる集団に高めようとする子どもを見出していく営みに
おいて以下のようなことが見えてきた。
集団の共通の目標や方向性を持つために,互いの想いを伝え合い聴き合うかかわりを大切に
する。
集団には,清掃という活動そのものの意義や働く喜びを実感したい子どもや清掃を集会活動と
して仲間とともに楽しみ,生活づくり目標の達成を目指したい子どもがいる。よりよい集団決定
につなげるためには,子ども一人ひとりの追い求める喜びや楽しさの差異を確認し,その背景に
ある想いを伝え合うことが大切になる。また,自分がこだわる考えに反対する仲間に対して,思
わず「君が全部決めているよね(おかしいじゃないか)」と想いを直接伝える子どもがいる。ここ
でいったん立ち止まり,なぜそう考えたのかと→人ひとりの経験や体験を通したこだわりについ
て,その想いを引き出し全体で共有することの必要性を実感できた。そのような積み重ねが互い
の納得と共感につながり,集団の共通土台を形成していくのだろう。
仲間とのつながりを通して,個の学びを深めたり共有したりしながら集団の学びへと結び付
ける。
ベアトークの中で互いの考えを伝え合い共有することで,二人で一つの考えを生み出し,手を
つなぎながら発表した子どもがいる。仲間とつながることで,互いの考えを結び付けることの喜
びや安心感を実感できたにちがいない。学級活動の一連の活動を通して,教師が子ども一人ひと
りの学びの変容と,集団において共有できた学びとのつながりを見出していくことが大切である。
集団において子ども一人ひとりがどのように学び,何を伝えようとし,どう受け止めたのか等を
丁寧に見取り,解釈することで個々の学びをよりよくつなげていく。その積み重ねを通して集団
の学びを高めていけるのではないだろうか。
子どもが自分や仲間のよさを知り,そのよさを生かした諸活動を実践していこうとする姿は,
本研究部のめざす子どもの姿につながっていくのではないか。それは,仲間の考えの背景にある
想いを聴き合い,受け止め,共感し合いながら自分の想いをより深めていこうとすることと深い
かかわりがあるのではないか。これまでの実践から見えてきたことをふまえ,今後もより子ども
--.人ひとりの学びの道筋に寄り添う授業づくりを積み重ねていきたい。
-181-
井崎童
Ⅱ授業実践例その1(第1学年)
1題材名「いつも心にやさしい笑顔ぐんぐん育つ1年2組のしあわせものがたり」
識題名「1の2リレ−たいかいをしよう!」(1)−ア
2題材・議題について
1年生の子どもにとって,「わたし」を大きく変化させ,成長させる存在としての「仲間」はあ
まり意識にないことが多い今後,授業や生活の中で「わたし」を取り巻く「仲間」の存在を認
め、仲間とともに力を合わせる瞥び’楽しさ,何かを成し遂げる達成感を数多く味わう場を設定
し,子どもが仲間とともに学校生活の歩みを進めながら自分たちの「しあわせものがたり」をつ
‘
墓
ワ
湾竺琴離しい,過
て,1年間の学級活動を通して本学級が学んでいく熾
図1わたしたちの生活づくり目標
道筋をあらわしたものである。
5月.はじめての話合い活動に取り組む際に,教師は「今年はみんなでいろんなものをつくろ
う」と宣言した。おりがみでかざりや花をつくる,みんなのルールをつくる、野菜をつくる,そ
の野菜でサラダをつくる,段ボールで秘密基地をつくるなど,子どもが様々な「つくる」を仲間
とともに共通体験できるようにしたい「つくる」ためには,−人ひとりの自分の想いや願いをも
とにして仲間とかかわることが不可欠となる「つくる」ことを通して生活そのものをよりよく「創
る」ということを具体的に実感できるようになるだろう。「創る」というプロセスには仲間が必要
であり,互いに受け入れられ認められ,誰もが自分らしく存在できる集団を創ることが重要なの
だということが体験的に認識できるようになるだろう。
第2回の話合い活動となる本織題では,計画委員会の子どもが「楽
しく元気に,みんなができること」という基本方針を打ち出し.それ
に学級生活づくり目標にある「あきらめない」という言葉と結びつけ
ながら「lの2リレー大会の取り組み」を進めることにした(図2)‐
彦宮泌
堅︲︼
P
リレーに取り組むことでチームの仲間とのかかわりが深まり,感動や
喜びを通して連帯感が実感できるだろう。また,1年生は秋の運励会
で折り返しリレーに取り組む予定であり,その際に本実践を振り返っ
図2活動計画を伝えるて.あらためて秋に自分や仲間の成長を実感できるだろう。
本実践では,勝ち負けにこだわり仲間を責める子どもが出てくることも考えられる。また走る
ことが苦手な子は,活動に楽しさよりもつらさを感じることも考えられる。そのような仲間とも
向き合いながら、多様な仲間とかかわることの困雌さと,だからこそ互いに認め合い‘高め合う
ための一定の約束をつくることの必要性を実感できるようになればと願っている。
3目標
学級活動における話合いから実践,そして話合いへと至る一連の活動を繰り返し,振り返るこ
とを誠み重ねることで,自分と学級生活,仲間とのかかわりに気付き,よりよい生活や人間関係
をつくるために主体的に活動し,仲間に働きかけともに歩むことを楽しむ態度を育てる。
182-
4授業の実際
学級活動におけるよりよく考え学び合う授業づくりに迫るため,継続的に取り組んできた棚の
会,本学級活動の事前の活動,本時の活動,4IF後の活鋤および実践における幾人かの子どもの学
びに焦点を当て,個々の変容や仲間とのかかわりを丁寧に振り返っていく。その際には,4〃当
初より教師が子どもの意外な姿や新たな表れ等について,具体的にそして簡潔に書き記してきた
「lの2つむぎノート」をひもときつつ学びのストーリーをつむぎ出していきたい。
朝の会(継統的な取り組み)
本学級では,朝の会を「互いの想いや考えを伝え合い,聴き合い.受け止め合って一人ひとり
が安心感を持ち,学級の所属感を高め共感性を蕊う場」と位置づけ,継続的に取り組んできた。
朝の会の主な活鋤は2つある”一つは「元気チェック」である。これは健康観察として一・人ひと
りが健康状態についてみんなに伝えた後に一言コメントを話すというものである。もう一つは「ト
ークタイム」である。これは毎回一人の代表者がテーマを決め,テーマについてみんなで語り合
うものである。テーマは様々でよいが,テーマ選定の基準として「みんなに聞いてみたいこと」
「みんなに相談してみたいこと」「みんなにぜひ話したいこと」を挙げている。
…・………・….……・…'……。。……・…………・・・・………・・.……..………。.……・…・…・…...………・・….…'・……...………,.。。….…………….…………・…・…………..……・……・…・……………・…''1
○「すきな色はぜんぶです。にじ色がすきです」∼ハナコの想い∼
ハ・ノ・コは,入学当初から11数は多くないがしっかりと仲間の方を向いて自分の考えや経験を雑ることがで;
きた.トークタイムで「好きな色は何ですか?jがテー丙'の時,ハナコは「好きな色は全部です。色が全部;
入っているにじ色が好きです」と語った
‐・つの色に限定してお弧に入りの色を発表する仲間の中で,ハ・ノー!
.の「好きな色は全部」という考えを伝える0)は恥弧が必要だったにちがいない”おそらくハ・}..には.どI
んな色もそり)色:として大切な存征なのだという想いがおぼろげながらあるのではないだろうか“それは,わI
たしたら・人ひとりも「わたし」というたった‐‐ノ、のかけがえのない存在で‘らり.その一人ひとりを大切にI
Lたいという憩いにつながっているのではないだろうか,ハー)-コは.後日の'稚級活動「学識の、標をつくるi
う’において.生活科で取り組んでいる言'・サガオの育成とつなげながら「1年2組には,優しい心の極を青’
てることが.g、要だと思いますjと述べた”学級の仲間・人ひとりの存イI;を大切に言j-ろkうな優しい心が花をi
咲かせ、学級いつぱいに広がって欲しい‘そんな黙いを抱くハナコでル)るゞ
___圭一圭圭圭一一一一一一一一一一一二一一一一一一一一-二一.色色.▲ぬ凸凸ユーュュュ。a凸▲▲■凸。■■■■■■a■■■■■■■■昏■■■昏昏●GGB。。q●◆◆。。■。●。●。C●●●●●●■g▽色●●pUp■e●■■●やFpe■●●●●●①。*◆bゆり■O■▲●b■巳●。■G▲●■b
Q9e▽qr■r■●■■Gee①●●■。■●■■■■■白UUebc●●●●●●●。。。昏●●。。●。●CD●bpGpp。●p●●旬■■■■●▲●■■●b①。●●●●。■■■■bb■■今UbbGq●。■Gcb●■■●●。●●●●●。。。。●qrpFFpeeb●●●。-ゅGee●心。■■■、■守◆4■■巴●●aBG■巳●●
○長い沈黙・・・「あとで言います」∼マサオの想い∼
マサ才は,トークタイムでいつも仲間に対して質問する:‘マサオの間間に。kって周りの仲間が「そういう
二,とだったり)か」「うん,その気持ち分かるよ」という納得や此感を抱くことにつながることも多い〆そり)k
うな実感の臘率煎れが亜いに聴き合う二との大切さを感じ,聴き合いたくなる側(系の桷築につながるのだと
舞えられる‐マサオは.授鴬においても教師や仲問ゾ)発‘すに対してよく反応-I-$=-・ノ、っf・のマサオにとっ
て.たくさんの仲間が鵬う学級がとても刺激的な")だろ・)_I2!分の考えや体験,感覚と似ていたり異なって
いたり.i,ることを紫!h:に楽しんでいる.つまり,仲間や教師&lでのかかわりをとても大切にしているのだ.
しかしこんなマサオも,元気チェソクで一計コメントをいう際にはじっと黙り二んでしまうことがある
そんなlどき仲間はじっと符つ。30秒ほど綴ってから発炎しはじめたこともル)る,、マサオは,1,1分の出誰鵬
でにコメントを猪えておく二とを忘れていたのかもしれない。考えていたことをふと忘れてし史ったのかも
しれない‐い寸寓れにしても-、'サオはその時(こ伽分が思ってもいないことをさっとつくり出して発‘苛寸.ろこと
(:tしたくないのだろう沈黙するマサォ.i二教師が「二んナ食時は、後で古いま=l.,と言おうね」と伝え,fll
が‘_すい終わって雌後にもう−度マサオが指名される”その時It必言1塁コメン}、十ることができるのでき》ろ二
I
−183−
∼
子どもは朝の会において,ハナコとマサオのように彼らの考え方,生き方のようなものを垣間
見せてくれる。毎日学級で自分のくらしや考え,想いを伝え,聴いてくれる仲間がいる。自分の
話に納得したり共感したりしてくれる仲間がいる。ハナコやマサオだけでなく1年2組のみんな
がこのような実感を持てる場となりつつある。教師は,子どもだけでは気付かない小さな変化や
成長に驚き,価値付け,全体に共有することが大きな役割であると感じている。
頴活罰:蟻題名「1の2リレ−たいかいをしよう!」
(1)事前の活動
5月13日に第1回の話合い活動に取り組んだ。議題は「みんなで初めてのおりがみづく
りをしよう」とし,話合いの柱を「おりがみで何をつくるか?」と設定した。この話合いは
おりがみをつくって何をするのか?が真の問いとなっていた。子どもへのアンケー│、や計画
委員会との話合いをふまえ,事前に「かざり」「ひこうき」「お花」の3つにしぼり込んだ。
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○「ひこうきは,きけんです」∼ミチとユミの想い∼
ユミは,朝の会でも自分のことをしっかり表現することができる。ただ自分のことに梨中しすぎて仲側の
話を峨後まで聴けなかったり,周りの仲間の動きにうまく合わせることができなかったりすることがときど
き見られた。自分の世界があり,自分の納得いく方法にこだわりのある子である。
話合いが始まると,ユミは「かざりつけがいい」と意見表明した。ハナコも続いて「かざりつけがいいで
す。どうしてかというときれいになるし楽しいからです」と発言した。意見表明の場面では「かざりつけ」
が多かったが,ミライとミユキは「お花づくり」,カナダやリクトは「ひこうきづくり」にこだわりを見せ
ていた。リクトらは休み時間にもおりがみひこうきをつくって飛ばし合いをして楽しんでいた。カナダは「ひ
こうき大会をしてぼくが1位になりたいです」と決定前にもかかわらず宣言するほどであった。教師は話合
いを収束させるに当たって「みんながいっしょにつくって仲良くしたり名前をおぼえたりしてかかわりを深
められる遊びであるか」を視点として考えていた。ひこうきとばし大会のアイデアを,みんなでかかわりを
深めつつ楽しめる遊びとして全体に価値付けようとした。その時,かざりつけ意見のミチが「紙ひこうきが
棚の上とかサッシの上にのってしまってもちゃんと先生に伝えてそのままにしないのだったらいいかな」と
述べた。少し前の休み時間に,飛ばされた紙ひこうきが棚やサッシの上に放世されているのを教師が注意し
たことがあった。そのことを念頭に世いての発言である。さらにミチは続けて「でも,前にユミさんの目の
近くにひこうきが当たったことがあります。そんなことがあるといやだなと思います」と伝えた。これも休
み時間に飛ばしていた紙ひこうきがユミの目の近くに当たり,教師が注意呼びかけをしたことを思い出して
発言しているのである。ミチは,かざりつけの意見を持ちながら,カナダの「ひこうきの飛ばし方を教え合
ったらみんなが仲良くなれる」という考えを聴き,自分なりに条件付きで折り合いをつけようとしたのだ。
1年生の5月にこうして折り合いをつけようとするミチの姿に驚きを感じた。さらに折り合いをつけながら
も経験を語りながら懸念される状況を予測している。ミチの言葉にユミはつなげて「やっぱり,ひこうきは
危険なのでやめた方がいい」と発言した。ユミは自分の経験をみんなに伝えてくれたミチに触発され,本当
に言いたかったことを表明することができたのではないか。
話合いにおいて,自分の考えが全面的に支持されることはなかなかない。しかしたとえ自分の意見がみん
なの支持を得られなくても,自分が本当に貢いたかったことや伝えたかった想いを全員に言えたという邪実
は大切なことではないだろうか。仲間とのかかわりにおいて勇気を得て自分の本音を伝える。そのような実
感のある言葉は仲間への説得力を持ち,納得と共感を得る脱助力となる。
8.…00・OO…・……………。。……。。………■……・…・・・・…・ODODOO・OqO……….◇………■………………・・U・……0000……・・・…。………。O…。…・…・・・・・・・…・OUq…。。…・・・……・・・…。。………令言一…・……=二:ニニーーコO・;
-184-
'○
「かざりでお花をつくりたい」∼ハナコの想い,いっしょにつくったユウタの想い∼
おりかみづくりの実錐はⅢ輪かざりや切り紙力、ざりグループ‘昆虫や′とき物かざりグループひこうき〃、
ざりグループに分かれて活動が始去った。′、ナコは家からお花のつくり方ばかり倣っているおりがみ本を持
ってきてお花を折りはじめた“しかし.他の仲間はいろいろなかざりづくりに夢[l1でハナコといつし、上にお
花をつくろうとするものはいない「一人でもいいよ〃わたしは楽しいkjそう心でつぶやく′、ナコの市か
聞こえくるようであった教師はこのノ、ナコの盗を見ながら,何と力、だれかにハナコの想いを伝え、いつし
上に活動十る仲間とつなげたいと諸えていた
ユウヤ{tマサオらとともに,ひこうきづくりにこだわった人である話合いでかざりつけに決定しひ
二うきとばし大会はできなくなったかひこうきかざりグループとしてひこうきづくりをはじめていたユ
ウタは運動能力が尚<,明るく兀笂な性格だがまだまだ学級の中で自分'》本当の湊を出し切れていないユ
ウタ('kマサオらとともにはじめたひこうきづくウ)に熱中できず,シンタやユキヤかつくっているかざりをじ
っと兇ていたり.他のグループに↑1.ってみたりし始y》たマサオもまたユウタについて同じよう(−ウr7ウロ
し始めた二人は,内分が本Jiにつくりたいものが何か決められないのだろうおりが卑自体得愈な万では
/fl、ひこうきはいつもつくっていて飽きているし何よりひこうきはつくって飛ばすことが難しいのであっ
てひこ・)きかざりはおもしろくないそんな思いル‘あったのだろう
戦師は,−んなユウタとマサオにどう声を力・けるべきか悩んだユウタやマサオ;こも水実灘のp的をふ堂
えやってよかったという実態を持ってほしいしかし無難やりさせられたという気持ちにはなってぼし<
ないそこで‘たった一人でこつこつと取り組んでいるノヅーコとつなげるこしにした。‐二人にそっと『ハナ
コさんが、いろんなお花かつくれる本をもって↓、ろよいつし上につくって
ごらん」と語りかけたすると二人はゆっくりと′、ナコに近づき,おりがみ
をいじり始めた気付-いたハナコは「今.この花をつくっているよjと戒を
かけ,うれしそうにイ亀を:人の方に向けた(IKI3)こうして3人でのお花
づくりか始夫ったユウタにとってはつくり方がはっきり分かることがやる
弧を起こさせたのかもしれない何をと'うつくっていいのか分からなかった
図3仲間とかかわる
ユウタにとって′、ナコのおりがみ本は必喫なも〃)だったのだろう
1年生にとって自ら仲間とかかわっていくことは案外難しい教師もいっしょになって子どもとかかわり
なから,全体を見渡し子どもと子どもをつなげる力、かわりや働きかけか大切になると感じたユウタはその
IIJ)11jill-今日はわりかみづくりでマサオぐんと′、-ナーーさんと花をつくりました楽しかったですIと記
したユウャの心の中で.小さな何かが変容したの-ではないかと感じさせてくれた
②
本時の活動(第2回しあわせ会議)に向けた計画委員会の活動から
本時に向けた活動は.第1回おりがみづくりの実践をふまえ「つくる」をキーワードにど
のような実践に取り組むのかについて計画委員会と話し合うことからスターl、した。計画委
員の役割分担で司会を担ったのはサヨとチオリであった。教師は,前1回lの話合いで決定され
なかったひこうきとばしを念頭に,「仲間と力を合わせてできる競争みたいなものはどうだろ
会のアイデアである‘,カナダは前回の実践でひこうきとばしをとてもやりたかったはずであ
るその想いを今回の実践で満足できるようなものにしたい。そういう願いが教師にあった.
すると,司会のサヨが「かけっこ.いやだなあ」とつぶやいた。
−185−
特活
うか」と投げかけ・た。すると記録係のカナダが『かけっこはどう?」と提案した。リレー大
...寺p、P....。..44◆◆.やや.............曲...◆...。◆・◆・伊■・■。■■■■■■■■■■■■■■■■■。。。◆◆◆◆。。■■pppp■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■・■■■odeeqqqqeq■己■■■巳■・■■・巳・・■口■■■■■■■■degqge6G・◆争◆■■
:○「身体を励かすのが苦手だから,走るのはいやだなあ」∼サヨの想い∼
・リ.ョは,朝の会のトークタイムでは閥分の考えと根拠をきちんと述べることができた”しかし元気チエツ
ミクでの−.言コメン1,では何も言えずに終わることが時折あった.また,授業等の振り返りカードに分かった
§二とや感想を沸く際にも,何をどう瞥けばいいのか分からずなかなか進まないこともあった『サヨは,自分
:の簿えや行鋤に,きちんと典付けがあり自俄を持ってできるという状況になるまでは慎爪になる・子なのだ”
:その中でサ・ョの本時の紬合い活仙で自ら司会を担うという決意にはどのような意味があったのだろう。いつ
;し"kに司会を担うチオリの存在も大きいと思うが,少しずつ今の自分を礎えていこう,摘極的にできる自分
畠になろうという決心があるのではないだろうか”教師は,サヨのような子どもが司会という役割を通して自
i己礎献できるように,全てを任せるのではなくともに歩んでいく姿勢が必要である。
カナダが提案した「かけっ二」について.サヨは「走るのが苦手」と伝えた,・り・ヨは走ることに自帖がな
;く,競走することで自分が尚められるのではないかという懸念を示したのである.教師は『他に走るのが緋
;手だなと思う人はいる?」と計画委員に投げかけた,「はいjとチオリが手を雛げた‘,敦師は「サヨやチオリ
:だけではなく、走るのが苦手な人はけつこう学級にいると思い潰す。だからこそリレーが糾愈な人も群乎な
;人もみんなで力を合わせてがんばることが大切になると思います。学級の生活づくり目標にもあきらめない
Iという勘集がある”。勝手な人はあきらめずに股後までがんばること,得意な人は自分の力を出し切って,
i苦手な人を応援したりコツを教えたりすることをめあてにできそうですねjと伝えた”サヨやチオリが納得
;し.計画委員会として本時の話合い活弛の難題を「1の2リレー大会をしよう!」に決定し,提案理由とし
;てi1の2みんなでリレーをがんばると,元気になって。もし負けてもあきらめない気持ちを持てる、kうに
:なると思うから」と設定した。サヨとチオリは,帰りの会で学級のみんなに淡々とお知らせしていたゞ
■ddGG◆●●●●。◆・●令CG■■■毎G■●■。。●■■■■Gd■。G白■■■■ご■■■■■●●■今■●⑧も寺●◆の●■●⑧■■■■■■■■■■■■■■■■■●●■●■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■q■■■■■■q●Oge●q弓q◆◆●◆◆
(2)本時の活動(第2回しあわせ会識)
難題「1の2リレ−たいかいをしよう!」について学級会を開催した。話合いの柱として「1
年2組だけのリレ−たいかいのやくそくを決めよう」を設定した。リレーそのもののルールは
事前に試しのリレーを行う中で確認していた.この試しのリレーをふまえて,学級全体で決め
ておきたい約束事,自分たちで目標達成のために守りたい約束聯を決定し実践していくことを
ねらいとした。話合いにおいては.議題に対して期待を抱き,楽しい活動となるように自分の
考えを横極的に表明する子どもの姿(ユキヤ,ミライ,ハナコ,ユウタなど),根拠を明確にし
ながら仲間に分かってもらおうとしながら話す子どもの姿(サクラ,ヒナノ,リク│、など),仲
間の考えをよく聴き,くわしく知ろうとおたずねしたり自分の考えとつなげようとしたりする
子どもの姿(カイ,タイチ,マ、り・オ,チオリなど)を想定し,価値付けていくことにした&
ap●p、DDpDQ●叩pロ●ロpmM0●●ロロ■■■ロロロ●●ロ■ロ■■■■■■ロロロ■■■ロ■■■●ロロ■●●●●の●のD■■■■■■■■■■■ロ“等◆●…■■Dロ●●oDObq●e●■●●。●●●。●。●●bGp■■■■■ロ■ロ■■■■■■■己ロロ●●●●●●■■■■■■■Qqq弓凸●““●■
;○「運動場の砂で遊ばない!」∼サクラとコウジの想い∼
諸合いは.みんなでめあてを速成できるために必嬰なリレー大会の約!k3IFを出し合い,その根拠を聴き合
§い、出てきた約束躯を仲間分けして,蛾も必要な約束事に災剛決定していくという流れであった‘話合いの
;場の工夫として,教室に実際にリレー大会で使用寸一るカラーコーンを持ち込み,子どもが自分の考えを説明
;する時に使州できるようにしていた.
サクラは。隅合いの前半から徽極的に自分の好えを槌炎し,本実跳を楽しもうという気持ちがよく伝わって|
iきたゞ自分の考えを発喬するだけでなく.カイの迩見を聴いてその説明を引き継ごうとしたりシンタの意見|
:に反応したマサオに対して解決箙を〃fろうとしたりする盗が見られた。サクラはI:I分の考えを鋭'ソlする際に!
:よく身体を助かし身振り手帳りを使う。この時も日の前にあるカラーコーンを使って挽明をし始めた。サクi
iラにかぎらず,‘#葉での表現だけでは伝わらないことが多い1年生にとって,より具体的に理解弓rる=塀立て!
-186-
としての1↓体物は大変有効である(図4)ただ.自由に具体物を使用してよ
いという状況ではかえって話合いの本筋からはずれてし資い、思考停止につ
な力‘ってしまうことが分かったカイが説明十るたぬにカラーコーンを使い
始めると.思わずユウタやリクト”コウジらがいつしkI-なって具体物に集
まり,収拾がつかなくなる蝿面が兇られた
何度力話合いの中断もありながらも約束01fの愈見を州し合っていったが,
だんだん愈見か出なくなり,間か空くようになってきたそこで.教師は司
図4具体物で説明する
会と相議してヘアトークの時11IIをとる二と!こしたこれまでの‘活合いで出てきた意見だけでは学級みんな")
堵えか反映されておらず.まだ意兇表明し寺い郷、仲問う零えを述<やす↓、状況をつくることで、もっと多
様な‘意見力,出るのではない力‘と考えたかbと』である
その後司会のチオリが全休に投げかけると鍵人かが手を挙げたその時.サクラはとなりトーいるコウジ
の手を取って-人で聴手したり)であるサクラごコウジぴ)婆を見て,ハーナ。.とアキト‘カイとミユキも手を
取り合って挙手したチオリか「サクラさん』し指名したするとイj-クラは『え?-二人だよ」と指摘し、
人か指名されるとコウシとともにj〃をそろえて「運批j紗の砂で遊ばない」と苑炎した仲間からもっと詳し
く脱明して(呈しいと芦が誰かり,サクラは写'ウジに折示しながら弓人でカラーコーンを使いながら,脱明し
たつ童り二人が言いたいことは「次の人力.遊んでいて,走ってきた人を見ていなかったら雛伽ができず』上
ってきた人がだれにバトンハスを寸るのか分からなくなってし,臭う」とb!う懸念でありその解決のために
は「次の人は遊ばないできちんと立って待っておく」ことが大切だしいうこしなのだ
サクラとコウジか手を取り合って挙手したことlt,.謨級の仲I洲に採々な相亙作用を引き起こしたようだ
サクラはこれまで,となりにいるコウジの考えかどうなのかほとんど関心がなかったヘアトークをきっか
けとLて、コウジのぢえにも触れるこしとなったのだろう互↓、の巻えを出嘗合い.十り合わせ.結論に韮
")た時.その考えはサ・クラにとっても.,シジi-と=ても「 1人の考え」と位慨付けられたのだろう.コウジ
1-t日頃ノートを苔いたり作描したりすることか鮮手でみんな力‘ら遅れがちであるピ1分の薙えをまとめて
炎明するにも時間がかかる子であるそんなコウジにとって.サクラは自分の考えをいっしょに表明でき、
r1分が話合いにかか*り学級典阻の一員として所帆感を実感させてくれた仲間である。サクラが当然のよう
‘こ‘弓・った『二人で発炎するんだよ」という言蛎に,コウジはうれしさと再びと自傭を感じたにちがいない
○
「カイくんが全部決めているよね」∼マサオの想い∼
様だた約‘梗事か黒恢にならび、同じ内容てあったり,菱現はちがうが想いは似ていたりする意見を分頑し
主歩めていくこし’こした振り返ってみると.1年生iことってこのような比較険討は難しく,学級全員が参
加できる課題と!t言い難かったしかも板苫された子L′もの意見かキーワードとして短くまとめられておら
-#輿,分領するにしても恨拠か明確にならずに蝿約-1-ることか難しくなってしまった意兇発麦者に確認しな
ル、,〕つひとっぴ)意兇や与えをもっと短く主とy)ていく必要があった
鷹と〃》ていく過程で,マサオが「ぼくは.ノゼっている人をしっかり見る.という約束としっかり次の人に
トノ見るとい。 jのはちがうと思)」とⅨ諭したマ・リオは「やっぱりぼく.ち上っと似ていると思う」とつぶ
や.<かカイは『ちかう!jと腕でバツをつく"ノたこのことで,2つの約束はちがうという雰囲虹になった
麦史話か進んでいったその後も,ミライやカナダの考えに『うん,これは似ている」「これはちがうと思う」
と明確‘こ意思菱・j:をするカイカイは知識が豊揃で紺危も多い理解力も高く,ド1分の発‘『にはきちんと
-187-
特活
バトンを波イー,という約束は同じだと思います」し伝えた十るとカイか「ええ?バトンを波す,》としっ力・
した根拠があり自僧を待っている。そのようなカイの画葉に,学級全体の雰朋気も流されがちになる
そのとき,マサオがカイの前に来て「カイくんが,全部決めているよね」と伝えたマサオにとって先ほ;
どの議論は終わってはいない。カイが否定しようと,マサオの考えはどうしてもバトンを渡すのとしっかり|
見るのは同じなのだ。教師は二人の議鵠を他の仲間に広げることなく授業を進行させてしまった。カイにと
っては,もう過ぎ去った議論なのかもしれない,しかしマサオの直接の意見表明は.カイにとって「仲間の
意見を分かろうとして聴き,自分と異なる意見に対してその意見の背緊にある想いや願いを知ろうとする」
ことに!少しではあるが気付かせてくれる出来聯だったのかもしれない。教師は,マサオとカイの姿を通し
て,子ども一人ひとりの意見をより丁寧に扱い,なぜそう奪えたのか,その想いや願い、背繁を立ち止まっ
て引き出していくことの大切さを学ぶことができた。そしてなにより、自分の想いに素直にこだわるマサオ
に出会えたことのありがたさを感じることができた
(3)事後の活動および実践
話合いでは「力を合わせ,協力する」「ふざけないでしっかり見る」「あきらめないでがんば
る」「マナーを守る」という4つの約束事を決定し,実践に向けての準備を開始した。計画委員
でチームづくりを行い.各チームで走順を決め練習を誠み重ねることになった。また.カナダ
の提案により,優勝チームなどへの賞状.メダル,そしてプレゼントをつくることになり学
級全体に呼びかけることになった
実践では.どのチームも力強い声援を送りながら1の2リレー大
会を楽しむことができた。開会式では,カナダが代表として各チー
ムに賞状とメダルを授与し,あたたかい拍手が会場全体を包んだ。
多くの子どもが参加してつくったプレゼントは,4位チームのメン
バー全員に贈られることになった(図5)‘
実践後には,話合いで決定した約束事について振り返りを行った。図5全員にプレゼントする
一人ひとりが振り返ったワークシートを掲示し,みんながいつでも共有できるようにした
○「すこしだけ,約束をまもれませんでした」∼ハナコとチオリの想い∼
振り返りの視点は「みんなで決めた約束班はどうであったか」である活動を振り返ることで子どもが.
一連の活動がバラバラに存在するのではなくつながりの中に位樅付けるという意識を持てるようにすると
ともに,その積み重れによる自分自身の変容を自覚できるようにすることを
砿視したい子どもは学んだぱ力、りのひらがなを使って自分や仲間の行動
4
F
や想いを書いていった‘
子ども一人ひとりの短い文章の中に.どんなことに心が動かされ,どんな
』
F
P
図6最後までがんばろう!
経験を心に刻み込んだのかが伝わってきたユキヤは,3回とも股下位にな
ってしまったチームの中で「最後まであきらめないでがんばったlと自分や
仲間を価値付けることができた(図6)カイは,リレー大会中『すぐに約
束を読めるようにして.忘れないようにした」ために,常に意縦して活動することができた“多くの子ども
の振り返りは,話合いで決めた約束聯について,うまくできた.守ることができたと振り返っていた
しかし二人だけ,他の仲間と異なる振り返りを書いていた,ハナコとチオリであった.ハチーコは『少しだ
け,約束を守れませんでした」チオリも「ちkつと約束を守れないことかあり実した』と書き始め.それぞ
れ理由が書かれていたほとんど全貝か『できたjと満足する中で『あまりできなかった」と摂り返ること
ができる二人は,他の仲間と何がちがうのだろうか.二人は同じチームであし).擬勝したチームであった‘
−188−
:しかしリーダー的な存在であるカイが作戦を立て,その作戦をうまく実現できない仲間にいらだつ姿が見ら;
胃れた。自分ができなかったことをカイに鋭く指摘されたことが,二人の振り返りにつながった可能性がある“:
;教師は,このようなハナコやチオリのような振り返りをきちんと見取り,解釈し,次につながるように全体:
;に共有できるようにしたい。どんなにうまくいったと思える活動にも,よりよいものにするためのヒントが;
;あるはずだと自己を反省的に振り返ることこそ,次への学びにつながる振り返りであるといえるからだ。li
;年生であってもこのような振り返りができる子どもがいる。ハナコとチオリの姿を価価付けることで,全体:
;の子どもが気付き,学ぶことができるよう働きかけることが教師の大きな役割なのだ。
0““““b■■●■“■■●●●●●●◆■B●■B●■““●●“●“ゅ。■■■aqep。■““eqG◆・●◆◆・心◆”・◆B◆◆●G■●●●qGee““巳。◆◆“p●”q“◆合■●epcUやpDbc●“◆◆◆◆も“bD■。■■▽◆■”■旬■●q旬■”●■●“●。■●●■■●●●“●●■“■
5実践を振り返って
○ハナコやマサオが伝えようとする想いをみんなで聴き合う,という状況を日々の暮らしの中
に位置付けることで,互いの納得や共感の実感を共有することにつながる。教師は,子どもの
小さな変化や成長に驚き,価値付け,広げていくことが大切である。
○ミチの考えに触発されたユミのように,たとえみんなの支持を得られなくとも自分が本当に
伝えたかった想いを伝えることが,仲間への説得力を持ち納得と共感を得る原動力となる。こ
のような本音を出し合い語り合うためには,子どもに「課題を解決しなければならないという
切実な想い」が必要である。
○ユウタやハナコらのように,子ども自身で仲間とかかわっていくことが難しい状況では,教
師が子ども同士をつなげていく働きかけが必要となる。その際のかかわり方については,一人
ひとりの子どもの学びの道筋を見取り解釈しながら丁寧に行い,その後の子どもの姿を見取り,
次の学びへとつなげていけるようにしたい。
○子どもが思考し,自分の考えをまとめて表現する際には,一定のきまりのもとで具体物を使
用できる状況があると効果的である。
ペアで話し合う場を設定すると話し合いがより具体的になり子ども同士がつながりやすくな
る。サクラとコウジのように互いに考えを出し合い,すり合わせ,結論に至った時には一人ひ
とりの考えではなく「二人の考え」ととらえ位置付けることがある。このことは,学級集団の
一員としての所属感を高めることにつながるだろう。
子どもの学びの姿を振り返ってみると,子ども一人ひとりにこだわりや欲求があり,仲間や場
とのかかわりに応じて多様な道筋を見せるのだということにあらためて気付く。子ども自身がつ
むぎ出そうとする学びのストーリーを,教師が学びのねらいを明確にしつつできるかぎり丁寧に,
そして豊かに結び付けていく。そのことが子どもの姿を通して学びのストーリーをつむぎ出すこ
とにつながるのだろう。これからも子ども一人ひとりの見取りと解釈を継続していく。その際に
は一人ひとりを豊かに解釈し,そのつながりを見出せるようにするとともに個と集団のつながり
を見出し,子どもの学びの可能性を授業づくりに生かしていきたい。
6主な参考文献
上田薫静岡市立安東小学校2005年「個が深まる学び∼安東小学校の挑戦∼」明治図譜
杉田洋2009年「よりよい人間関係を築く特別活動」図書文化社
宮川八岐2011年「学級会で子どもを育てる」文溪堂
奈須正裕監修山口大学教育学部附脇山口小学校2012年
「学びの実感がある授業をつくる一附属山口小の授業とフリートークの取り組み−」学校図書
-189-
新垣寿志
Ⅱ授業実践例その2(第5学年)
1題材名仲間と協力できる世界でひとつの5年3組ストーリー
議題名クリーンフェスティバルを計画しよう【内容(1)一ア】
2題材・議題について
学級活動で目指す自主的,実践的な態度は,望ましい集団活勧を通して学級生活の目標をみん
なでつくり,みんなで話し合い,協ノjしてII標の実現を目指す態度である。そして,その中には
自己の良さや可能性をいかして楽しく豊かな生活づくりに参画できるような自発的,自治的態度
も含んでいる『、楽しく豊かな学級生活づくりの為には,どのような学級にしていきたいのかを思
い描きながら学級の目指す姿を話し合っていくことが必要である。学級生活づくり目標は,学級
目標や子どもと教師の想いをもとに,子どもと教師で@l1りあげる目標である。
できる世界でひとつの5年3組」が決寵仰学級の目指
す方向性が定まったころ,学級生活づくり目標に近づ
くためにはどん旅活動ができるのかというアンケート
を行った.アンケートには,「集会活動をすることで
学級生活づくり目標を目指したい」や「生活上の探題
を話し合うことで課題解決していきたい」という意見
が出されていた。本題材「仲間と協力できる世界でひ
とつの5年3組ストーリー」は,この子どもの思いを
学級活動の年間計画として配列し年間を通して取り組
んでいく学級活動である(表1)。学級生活づくり目
標の実現を目指した議題に取り組む子どもの活動を見
取りながら,個と集団の学びに寄り添い変容の可能性
を想定して働きかけ支援していく.
本議題では生活上の課題の中から「そうじ大会をし
たい」「油掃について見直したい」「朝の滴掃の工夫を
月一帽一銅一胡一胴一朋一帽一順順一胴一胴一調
本学級においても,学級生活づくり目標「仲間と協ノ]表1綴題一覧
唾 電
@学駐活づくり目駝鋤よう
鱸識を鋤よう
師@噸でOとつ鑑詠画しよう
@クリーンフェスティルを計画しよう
i@"0ルール髭えよう
@髄艀習の出し鱸測よう
噸諭を罷そう
、
@世界で0と獲会ハート2を寵しよう
@千鰐り咄し鱸翫よう
@素足
@体静習フェスティ脚テーマを知よう
@鋼の蛎魏鋤よう
@"んし縊詠園しよう
一 一 一 一 - - - - - - - . 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一
C
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
隆@策定
@異学年蛾会諦画しよう
@策定
@5E3附ストーリーの費し万を者えよう
峰-‐---‐‐,一一一−-------------_‐−−_‐
鰊定
3
月
扉團砺力できる噸でOとう鑑を誼しよう
したい
営学 級 で は , 清 掃 活 肋 を 時 間 内 に 終 わ ら せ る
い」
」と
とい
いう
う意
意見
見を
を取
取り
り上
上げ
げて
て計
計画
画ををししてていいるる。。本本
4fはできるが,取り組み方が独りよがりになっていたり,きちんと最後まで,協力して行うこと
ができなかったりする場面が見られる。当番活動のひとつである清掃活動は,学級の全員で学級
生活_l二必要な仕'Ifを分担して行う活動という位置付けであるが,子どもによって清掃活動に対す
る考え方が異なっている実態がある。‐1塁どもの中から「消掃活動で心もきれいになり自分たちの
クラスが一致団結できる」という想いが出され,仲間と協力することを深める取り組みをしてみ
たいという声が出てきた。この綾題は学級の生活を発展的に創っていくための貴重なものになっ
てきている。また同時に,「そうじで雌後まで一緒にがんばってくれない時があるのでなんとか
したい」という学級の課題を解決したいという子どもの願いもある。子どもたちにとって清掃活
動は毎日のことであり,身近な自分たちの生活環境に関わる大切なことであると考えてはいるが,
−190−
課題意識には温度差があることが現実である。そこで,普段の生活の場面を映像を見ることや振
り返りで想起しながら提案理由に納得して活動に向き合っていけるようにしたいと考える。
議題に関わる具体的な話合いでは,日常の清掃活動における清掃の仕方や約束についての課題
を学級活動(2)で中心的に扱っていく。本議題『クリーンフェスティバルの計画を立てよう』
の話合いでは,清掃活動の楽しさを実感するための具体的な取り組みの方法を考える。本縦題に
おける「話合い・実践.振り返り」の一連の活鋤を繰り返して,清掃活勤に対する課題解決や仲
間と協力することの大切さを考える機会としたい。さらに,活動全体を血して勤労観を育て,学
級生活を主体的に作り出していこうとする態度を育てることを視野に入れ活動を支援していきた
いと考えている。
3題材目標
「学級生活づくり目標jを目指した学級活動を各段階の振り返りでつないでいくことを通して,
仲間の想いを共有・共感しながらよりよい集団活動を行い,学級生活を主体的に創って行く自主
的実践的な態度を育てる。
4授業
菜の実際
瞭
本題材に関わる子どもの学びの道筋を,
胴両享司廩面両軍詞
各学級活動の実践を追いながら,明らかに
vもが学級活動の
火践で学んだ内拝
践の中で話合いを主軸に共有・共感のある
:体’)仲lillで砿かめた|
:内.がA
○●。②一一一●一一一●一一一一一一一一
●0
シ
GB
<
ーク61﹂幸
るよりよく学び合う湊に迫っていく。
升C個人の捲言が学級余1
、グー
のように表していきながら特別活動におけ
● ①
一辮三 1体へ関わり.学級余|
094]
(蠣団)とどのように関わるのかを(図1)
●
申
学級活動を通して,学級の子どもの集まり
○ 争 一 。 ● ● ー ■ ● 1 ■
一
エ寺一戸幸
ア
.
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040401109101△J
人ひとりの
e000DD00■■0004000906
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子ども一人ひとり(個)が,学級活動の実
。︵﹀
●11
900066B90QQ0G09090
していく、視点としては,教師が見取った
9
1話!
⑩矢印は.学んだ内容が仏わ6ノ此イ1.される流れ
(2)各JTIIW)縦I;t時系リで妃列
,3‘双力向の学びもある
(1)事前の活動
〉 事 前 の 活 動 図 1 個 ・ 集 団 の 学 び 相 関 図
第
第一
一回 学 級 会 学 級 生 活 づ く り 目 標 を 決 め
6よ う
子どもの学級生活における目標を考えるにあたって,学校H標,学年目標を知り,担任の想
いを聞きながら,子ども達一人ひとりが思い描く学級の姿を考える活動を行った。その後,弩
えを集約し,自分もよくて,5年3組のみんなにとってもよい目標の前半を決定した。
○仲間と協力できる元気で楽しいスマイルキッズ
笑顔のあるクラス(ll名
絆のあるクラス(10名)
○仲Ⅲlにやさしく友逓と絆を深める世界一・クラス
jj
元気なクラス(12名)
安心できるクラス(11f
○元虹で明るく,仲illlと(I;頼できる楽しいクラス
C緋を大切に安心できるクラス
○笑敵きらきら仲問を│高頼スーザイルキ・ソズ
協力できるクラス(8名) 楽しいクラス(8名)
侭頓できるクラス(9妬)
努力できる(6端)
仲間を思いやる(8端)
世界一・のクラス(1名)
きらきらかがやく(1名)
やさしい(I名)
よ上
仲間と協力できる世界でひとつの○○○
図2学級に対する願いの童見分布図3第一回学級会の集団思考の流れ
学級生活づくり目標を決める話合いで、子どもは,自分の生活を作っていくよりどころとなる
学級のイメージを思い描いていた.5年生になるまでに,生活でおこったいろいろな体験を思い
起こし,仲間との関わりの胆│'で起きてきた成功と失敗を含めた経験と願いが子どもの学級に対す
る願いの意見分布(図2)に表出されていた,集約された5本の案からさらに,自分も良くて全
体としてもよい目標を考える場面でアヤコから「絆ってクラスのみんなで何かをやって雌後仁で
-191−
きるものだと思う」と言う意見が出された。さらにアキラの「信頼は仲間と協力する事から始め
て,結果としてできると思っている」という発言から仲間と協力していくことの先にある学級の
姿のイメージが少しずつでき意見の集約が行われた。リエは「世界一クラスは誰がきめるもので
もなくて,自分た・らにとってよかったなと感じられるクラスが世界一だと思うので,世界でひと
つにしたい」と自分たちで実感できる大切さに目をつけていた。この発言が学級全体の思考へ関
わり前半部分が決められた。(図3)しかし,最後の言葉である学級集団の呼び方を決める段階
で「5年3組」「5の3」「スマイル5の3」「スマイルキッズ」の意見が出され,アズサが「ど
うしてもスマイルを入れたい」と折り合うことができずに時間となった。担任としては.生活づ
くり目標は全ての子どもの納得が必要だという考えから第二回で話し合うことにした。
喋団の学酬
│個の学訓
○相手の意見を取り入れながら,まとめて〆
/
ラ
行くことの大切さに気づいた
一
するど
一二
○尋ねることで.生活づくり目標に対
想いの遮いが分かった。
/
.○学級の目指す姿の具体的なイメージ化を図った。
(元気があるクラス.安心できるクラス,笑顔があ
るクラス、協力できるクラス,支え合うクラス)
,○絆を深めることは,日々の砿み破れが必要である率
を気づき確認した。
p目指す姿に近づいたかを評価する為には一人ひと
りの実感を大切にして判断する事を確認できた。3
月までには達成できるようにしたい。
第二回学級会学級生活づくり目標を決めよう
意見分布にも笑顔・スマイルの意見が出されており,シュウジは「笑顔がないと楽しくないか
らぜひ入れた方がいい」,アズサは「スマイルキッズは自分のこだわりの意見なので絶対入れて
欲しい」という考えが出された。しかし,大多数の子どもはあえて入れなくても良いと考えてい
た少数意見をどのように扱えばよいかは,学級活動における大きな課題である。アズサの思い
も大切にしたいが,全体の考えとどのように折り合わせていけるかが教師の助言が必要になる場
面である。今回は.話し合いを立ち止まらせアズサの想いに焦点を当てる支援を行った。多くの
子どもはアズサの気持ちは分かったが,やはり5年生としては,少し幼い表現だと考える子ども
が多く.スマイルキッズを取り上げることはできないと判断をした。しかし,学級の目指す姿と
して.アズサの話す笑顔のたくさんあ
るクラスにしていくことを確認し,学
級生活づくり目標は「仲間と協力でき
る世界でひとつの5年3組」とするこ
とに決めた。(図4)後H,アズサの思
いを汲んで学級会の名前を「スマイル
会議」とする事になった。教師は,子
どもが少数意見への配慮を気づいたこ
とへの価値付けを行った。図4学級生活づくり目標
個房事訳
O相手の意見を聞き研り合いをつける話し
合いの仕方を意識した。
喋団の学ひ1
○少数の意見を大切にしていくことの必要性を知った。
-192-
’
第三回スマイル会議
学級生活に慣れ始めた頃,カホより「学級の係活勤をやってみたいjという声があり,他の子
どももいきもの係や新聞係を作りたいとの気持ちが高まってきた。提案をカホが行い第三回スマ
イル会議で係活動を決める話し合いを行った.子どもたちの中には,当番活動と係活動の違いが
明確ではない発言が見られたので,それぞれの違いを確認し進めた。
生き物係自然係体育・保健係
新聞係宿題係落とし物交番
BOOK係おたより係保健係
お助け係掃除係情報係
お誕生係学習係調べががかり
Ⅱ
、/
生き物係自然係体育係
新聞係落とし物交番
BOOK係おたより係
保健係ボランティア係
実施する係活動
既知の経験をいかして
1週間お試し
お試し無し
2週間お試し
自由に変更
且
両
ア
Lダ
2ケ月の期間で係活動の見直しをする
宿題係
畢
お助け係
お誕生係
新たな係り活動
調べ係学習係
当番・その他
図5子どもの意見分布(係の種類)図6係活動の運用について
子どもから出された係内容を確認し修正と係の統合を進めていた。(図5)ユウリから「去年
の係で,上手くできずに,途中でほとんどバラバラになった係もあった」また,リョウタから「仕
事内容もあんまり分からないのでお試しに1週間してから決めようjという意見が出された。子
どもは,これまでの自分の体験を話合いの内容につなげ,さらに良い方法はないかを吟味し,最
終的には2ケ月は今回のスマイル会議で決めた係活動を行い,2ヶ月後に見直しをする事で集団
決定する事ができた。(図6)
第四回スマイル会蟻
学級生活づくり目標の姿に近づくための取り組みとして,リョウタは「みんなが協力しあって
笑顔になれるために,学級で集会をしたい」という想いをもっていた。キミコは「協力するため
には仲良くならなければいけないので,学級で--緒に遊ぶ事が大切」だという考えを持っていた‘
子どもは,‐-・緒に遊んで楽しめる4Fや体を動かしてみんなで一緒に活動していく共通体験の積み
重ねが,生活づくり目標につながる事だと考えている事が分かった。子どもの想いを年間の5年
3組ストーリーに位置づけ議題として話合いを行った。ユイは「ドッチボールはみんな好きなの
で笑顔ができると思うjカズキは「野球はみんなで応援しあえたり男子が教えてあげたりできる
ので良いと思う」そして,メグミは「大なわは全員でできるので協力が一番できると思う」とそ
れぞれの意見を伝えていた。シールゲームのミドリやなぞなぞ人物捜しのタケフミは,意見をき
いて今回は他の仲間の意見を受け入れることになり,話合いの中心は大なわとドッチボール,野
球になった。ナオキの野球をTポール野球に変える提案で,大なわの意見が揺らぎ最終的には,
−193−
二つを選び多数決で決定された決定に当たっては.生活づくり目標に近づけるための活動だと
いうことを確認した。(図7)
1
(統合案】
1
大なわ(15名)野球(4名)
:.憾夛蝉藤の二つを行う
ドッジボール(14名)
バレーボール(5名)
シールゲーム缶蹴り
なぞなぞ人物捜しハンター
図7子どもの意見分布(種目)
■
集会実践後の振り返りの中から、リョウの「'『ボー
ル野球とドッジボールを両方行う事は、時間がたり
J
なくてどちらも中途半端な感じがした」という意見
甲も
が出された。全体で二つを合わせる統合案を出した
が,実施してみると内容的に時間が足りず,子ども
■
。
p
7.
功
は安易な統合案では.うまくいかないこともあると
感じた。そして、タダシは「集会は楽しかったけれ
一
を束
守を
ら守
なら
いで
句に
を文
言句
うを
入が
ど途
.中
途で
中約
で束約
な審
い判
でに
審文判
言い
う入がい図8スポーツ大会
たので残念」ホノカからは「司会をするのが大変だったので,もっと時間を計画通り進めること
が必要だと思った」という意見が全体の振り返りで出されていた。
│個の学訓
│函扇…E
○司会団で事前に,進め方を計画する事が一 一ラ
ー
喧婆だと気づいた
○生活づくり目擦を意識して話合う事がよ〆
り.ねらいに近づける率を意識できた
〆
P蕊螺蕊鯛M識潔鰹藤瀞型誇
法を吟味寸一る必嬰がある事を知った
第五回スマイル会議柱づくり(たねまき)
次の学級会の内容である清掃活動を振り返るために,浦掃の様子のビデオを見なから話合いを
行った朝の活動の様子普段の清掃の様子を楽しそうに見ている子どもたちの姿があった。階
段の清掃の場面では,エリ「扉日汚れるし大変だよね」リョウコ「掃除している時におわったと
思ったらもう砂が落ちていたりするよね」と苦労を語る場面が多かった。リョウタ「きれいにな
ると、達成感はあるよ。だから掃除は、楽しいよ」タクヤ「なんか最近楽しいような気がしてき
ているよ」という意見も出されていた反対にリョウは「掃除の楽しさは,全く分からない。楽
しさってなんなの?だから㈱逆に楽しさを実感したいとは思っているよ」という意見を全体に投
げかけたこの発言で学級の多くの児童が清掃の楽しさやよさについて考えることになった。「掃
除に楽しさやよさはあるのか?」,「それはどんなものか」という問いが生まれてきたアンケ
ートからは,ほとんどの子が楽しさやよさがあると考えている実態があったモエは「清掃の楽
しさとかよさを体験するとみんな進んで(掃除が)できるようになると思うので.話し合った方
がいい」と話しており、リョウの意見が学級全体に広がっていった教師は清掃活動を改善して
いきたいという子どもの想いは,学級生活をさらによくするために貴重な気付きであり大切に扱
っていきたいと考えている。また.子どもの中にある清掃活動に対する考えのずれや認識の違い
も話合う機会になるのではないかと想定した。「掃除の楽しさを実感する活励」は個人の問いか
らの出発であるが.学級全体の議題として意味のあることと考え”5年3組みんなの議題として
引き受けることとなった。
−194−
(2)話合い活動
第五回スマイル会謹6月11日(火)
議題「クリーンフェスティバルの計画を立てよう」
めあて○5年3組のみんなが,そうじの楽しさを実感できる
クリーンフェスティバルの場所を考えよう.
話合いの柱場所を決める
図9第五回スマイル会識
話し合いの住はクリーンフェスティバルの場所を決めることである。教室・ろう下,階段.
図工室図書室と意見が分かれた学校全体の子どもの場所.あるいは5年3組の子どもが生活
している場所のどちらををきれいにした方が良いかで賛成意見,反対意見が出された。ヒロコは
「教室はみんなが毎日見ている所なのできれいにしたい」リョウは「附属小のみんなが使ってい
る場所をきれいにできると良いと思う」という考えを出した(図9)。折衷案のリエは「教室と
階段は学校全体の場所でもあるし,5年3組の場所でもあるのでいいと思う」という提案をして
いた。子どもの意見や考えは,スマイル会議メモ(図I0)
−−−
に、記録しながら話合いを盤理するように支援した。
意見の表出が苦手な子どもも,メモを地道に記録する
姿か見られ参加に対する意欲の高まりを感じた。それ
丁
ぞれの意見が出される中,リョウから「ただ集会をや
っていくと,掃除の楽しさの実感ではなく,遊びの楽
即今
しさになるのではないか」の意見が出された教師は
L
_
この発言を取り上げ楽しさを確認する働きかけをした。
子どもの反応から掃除の楽しさのとらえが,異なって
いることが明らかになっていった楽しさとは、生活
−
する場所を心からきれいにして満足感を得ることだと.
上礎ミ
ー − 一
と捉えている子どもと,仲間と協力してイベント的に
−
−
フゥゼ、ろ,L
楽しむことができることが楽しさだと考える子どもの
'”γ叩篭『4
姿があった。集団決定に向けた話合いに入る段階で.
8註品
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間時
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,っ て , 図 1 0 ス マ イ ル 会 議 メ モ
折り
り合
合い
いをを
集決
団定
決を
定考をえ考
間分
をと
2っ分てと
自分の考えと全体の考えを比べながらよりよい決定方法を考える支援をした。子ども−人ひとり
の拡散した意見を,収束するための支援であり,高学年で望まれる効率的なよりよい集団決定の
方法を考える場として行った。この支援の後教室・ろう下を徹底的にきれいにしたいという意
見に,ネームプレートを移動させる子どもが増え多くの子どもは意見の統合に向かった。しかし,
リョウコが場所を合わせる折衷案を提案するが,子どもの楽しさのとらえのずれから決定ができ
なかった。最後の多数決をとる段階で、リョウからはこのまま多数決に入る決め方では活動の
意味が無くなり,掃除の楽しさを実感できないよ」という声があり教師はここで決めることはで
きないと判断し,後日,帰りの会で話合うことを確認し授業を終えた。
−195−
特活
図書室をきれいにしたいという思いもまだ強く,折り合いが付けられない状態になった。マサキ.
縢団の学訓
うた
行し
てを
しけ
とか
」清 掃 の 楽 し さ の 考 え の 違 い に 気 づ い た 。
、
心き
中働
のの
勤め
活た
をの
所年
場学
のの
体他
全‘
○
校で
学事
グ
ツヘゾ
楽いね峰
のれえ掃
癖窪跨清
のろいの
ルこしル
バと楽パ
イるがイ
テいとテ
エれるエ
一は感一
フ汚得フ
ン・をン
スてこス
リと実リ
クj充ク
rさてr
○○
いと考えた。
│個の学酬
‘○生活づくり目標に近づく活動になるのか考え
る事ができた。
∼
〆
ラ ○安易な統合案 による集団決定は、活動のめあ
てに迫れない ことを再確認した。
れいにして仲間と積極的に清掃するこ〆
(第四回スマイ ル 会 議 の 学 び を ふ り か え っ た )
とを楽しみたいと考えた。
さ」は、普段清掃していないところをき
(3)事後の活動
帰りの会
帰りの会の時間で,こだわりの強かったタケシの考える掃除の楽しさを再度確認した。フェ
スティバルなので仲間と楽しむことが楽しさだととらえていた。しかし,他の仲間の意見を聞
き,仲間と協力してきれいにしたとき気持ちがすっきりすることが楽しさであるととらえ直し,
納得して考えを変える姿が見られた。「掃除の楽しさ」について共通で確認後の話し合いでは,
リョウコは「充実感を感じるためには,普段の場所を行いたい」リョウは「ろう下と教室と階
段までは合わせると.学校全体の場所もできるのでいいと思う」の意見が出された。リョウの
統合案が全体に認められ合意形成に歩み寄ったが,あらかじめ決めていた時間になり,多数決
で教室と廊下を徹底的にきれいにすることに決まった。
壷
虻
計画委員会の進行で,道具を準備し「クリーンフェス
l
■
0
f
ティバル」の活動を開始した。ユウは「やっぱりみんな
でやると楽しい」リョウ「スカッチをマサキさんと一緒
!
クリーンフェスティバル
クリーンフェスティバル
『
藍
にできた」サクラ「普段なかなかできなかったけれど,
集中してできて良かった」という感想があった。子ども
剖
は一連の活動で清掃活動について考えることができた。
同時に計画委員会の事前の準備の大切さも改めて考える
機会にもなり今後の学級活動で配慮する点を学級全体で確
図11クリーンフェスティバル
認した。
│照罰…
│個の学ひ1(クリーンフェスティバルふりかえりより)
クリーンフェスティバルをして,いつ
らないといけないからや っているよう
けれど,このプェスティ バルできれい
っ て 良 か っ た な と 実 感 で きて気持ちが
た・いつもの掃除にもい力 、して行きたし
”“呼秒志
ユイ
清掃はや
じていた
○典会活鋤を通して滴掃について改めて考える事
た鞭でや
〃ができた。
としまし
○普段感じていなかった掃除の楽しさを実感寸一る
できた。
役割分担を事前に叶画委員会で話合い学級全体
へ連絡する班の大切さを知った。
タカフミ
フェスティバルでろう下ができて良かったです。
特に友達と一緒に協力して消掃できた斗Fが良かった
と思いました.ぼくたちの生活づくり目傑に近づい
たと思いました。
/
○役割分担や方法を事前に具体的に知らせる事が
○仲間と一緒に活動することの楽しさや喜びを感じるこ’
とができた
-196-
とても大切だと分かった。
5実躍をふり返って
本題材は年間を通した活動であり5年3組の学級づくりの基盤になるものである。4月当初,
子どもはこれまでの学校生活で学んできた既知の知識,経験を生かして,新たな集団である5年
3組の中で第一回の生活づくり目標を話合い,自分の想いを伝える姿が見られた。そして,学級
活動を繰り返すことで,個の学びが深まったり,または,個の発言が集団の学びに関わる場面も
多く見られた。さらに,学級活動の実践が各活動のふり返りでつながっていくことで話合い活動
のスキルが高まったり,学級生活の課題に気づき生活をよりよくしていこうする姿を見取ること
ができた。
今回研究の中心となる議題である『クリーンフェスティバルの計画をしよう』で,子どもは自
分事として話合いに参加することができていた。リエの「私はきれいにすると気持ちがすっとす
る」ユウは「みんなが一致団結して掃除ができると学級はさらに良くなる」という発言や参加の
様子から自分事にできている姿が見られた。しかし,集団決定に向けての話合いでは,それぞれ
の意見を折り合わせることができずに,より良い集団決定につながらなかった。意見を整理する
ワークシート,建設的な意見に目を向ける声かけや折り合う意見を考える時間を確保することで,
意見の収束に向かうと考えた。子どもの拡散した思考が,収束に向かう動きは見られたが,最終
的には平行線をたどり,よりよい集団決定には到らなかった。今回の議題では,リヨウの考える
掃除の楽しさと,タケシの考える楽しさが違うことが折り合えない原因になっていた。子どもは,
それぞれの考える楽しさにとって最善の場所を自信を持って考えているので,どうしても相手の
意見を受け入れる事ができなかったことが参観者の見取りで分かった。話合いの提案理由やめあ
てに現れてくる言葉を学級の仲間で確かめ,活動に対する共通の目的を持って話合いに望むこと
の重要性を改めて感じた。さらに,事前に図醤室で調べたメモをもとに意見を述べるような切実
感の伴った子の場面では,発言を立ち止まらせたり考えを広げる支援が求められる事も再認職で
きた。子どもの発言や行動が集団にどのように関わるのかを見取り解釈していくことで,子ども
がどのような場面で自分の想いを持って活動するのか、または、活動が停滞するのかを理解する
ことができた。
今後は,見えてきた子どもの変容の可能性をどのように支援していくのかをさらに検討してい
きたいと考えている。具体的には,1単位時間に議題のどの部分を話し合えば,よりよく考え学
び合う子どもの姿が表出するのか,また,議題の選定における生活課題の扱い方や話合い活動の
ルールのあり方をさらに検討していきたいと考えている。
6主な参考文献
杉田洋2013年『特別活動の教育技術』小学館
児島邦宏宮川八岐2008年『小学校学習指導要領の解説と展開特別活動編』教育出版
-197-
お わ り に
本校では研究主題を「よりよく考え学び合う授業の創造」と設定し研究を進めて4年が
経過いたしました。今年度は研究副題を「子どもの姿から学びのストーリーをつむぎ出す」
と設定して,実践してきました。
研究内容としては昨年度からの継続ですが,子どもの姿をとらえそれをふまえて授業創
りを行っていく事を昨年度以上に意識して取り組んできました。
そこでは,一人ひとりの子どもの事実を詳細かつ的確に見とれ,柔軟かつ子どもに寄り
添うことができる教師であることを意識して,授業創りをしてきました。
本校の先生方の授業を観るにつけ,子どもの姿は,教師が投げかけた状況(教材,発問,
板書,場の設定等)とのかかわりのうちで生じることを忘れてはいけなこと。教師として,
授業のねらいや見通しをしっかりもって授業にのぞみながら,授業者自身が目の前の子ど
もと共に創りだす授業が大切であることを確信してきました。
本日の授業や研究報告でその一端をご紹介できたのではないかと考えています。
さて,研究を進める上で今年度も大切にしたのが「日常化」の授業です。互いに授業を
日常的に公開し合い放課後,参観者とリフレクションを行うという実践を通して研究を深
め教師一人ひとりの資質・技能を高めて参りました。そのために今年度も時間割の工夫や
放課後のリフレクシヨンを保証するために30分間の帯タイムを設けるなどを継続して参
りました。
また,公立学校に研究を発信するという本校の使命を果たすため,今年も校内での授業
研究会を公立学校に公開する事で,より多くの方々に授業を見ていただき多くの示唆をい
ただく事ができました。参観していただいた多くの皆様にお礼を申し上げます。
結びになりますが,本研究会を開催するに当たり,ご多忙にもかかわらずご挨拶を賜り
ました沖縄県教育委員会教育長諸見里明様にお礼を申し上げます。あわせてご後援をいた
だきました沖縄県教育委員会ならびに沖縄県校長会。研究を進める上で様々な指導や示唆,
厳しい指摘をいただきました上智大学教授の奈須正裕先生,また今年度も共同研究者の立
場で毎回の校内研や推進部会にご参加いただき支えていただいた琉球大学教育学部教授の
道田泰司先生。校内研究で適切丁寧な指導や助言をいただきました琉球大学教育学部の先
生方。先輩研究者としてご助言をいただきました諸先生方や本校OBの先生方。本日の研
究会に向けて陰で支えていただいた保護者の皆様。多くの方々のおかげで本研究会を開催
す-ることができました。紙面を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
平成25年11月23日
副 校 長 浅 井 利 填
研 究 同 人
副校長
浅井
教頭・主幹
根保
利
奥田
実眞輝
校 長
一
垂叩
国
辺土
翼子
米嵩
睦子
千秋
上原
家 庭
安慶名名奈
体 育
社
会
清貴
仲村
恵子
新川
謝敷
林
次郎子
健武史
算 数
米須
下里樹理
玉城
健
兼城
賢多
道 徳
眞榮城善之介
外国語活動
新川
平 良 ゆかり
友寄
理 科
東恩納巧
田嶋文彦
音
楽
図画工作
美紀
上間
輝代
成田
美雪
富 川 淳
来(JTE)
未来
総合的な
学習の時間
桃原のぞみ
特別活動
井 崎 重
新垣寿志
健康教育
與那覇淳子
照屋誠子
共同研究者道田泰司(琉球大学教育学部教授)
琉球大学教育学部附属小学校研究紀婆第31集
平成25年10月発行
発行巷琉球大学教育学部附属小学校
〒903-0129沖繩県中頭郡西原町字千原l番地
電話098−895−8454
印刷(有)巴印刷
沖縄県うるま市石川2287−2
電術098−964−2437
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