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カラスの子 川村 弘子 昨年の今頃でしょうか、生まれて初めてちょっと

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カラスの子 川村 弘子 昨年の今頃でしょうか、生まれて初めてちょっと
<職員の独り言>
カラスの子
主任
NO,2
川村 弘子
2009.6
昨年の今頃でしょうか、生まれて初めてちょっと怖い体験をし
<お母さんの子育てメモ>
虫の命
山本 淳子
我が家は実家の敷地内にあります。農家だった祖父の庭に私と
ました。それは附属中高の正門の横に大きな木があり、その木の
両親とで木や花を植えて15年、現在緑が濃くなってとてもいい
下に1羽のカラスのヒナを見つけたことから始まりました。その
感じになりました。周囲は田んぼや畑なので虫もいっぱいです。
岐阜聖徳学園大学附属幼稚園
ヒナはまだ羽も十分生えていなくて飛ぶことすらできません。ど
今一番面白いのはアゲハチョウでしょうか。鳥の糞そっくりの幼
虫が脱皮して目玉模様の緑色になり、脅すとちょろりとオレンジ
うも木の上にカラスの巣があり、その巣から毎年ヒナが必ず落ち
運動会が終わり、いよいよ梅雨の季節を迎えました。ひとつの
色の角を出す、うろうろしていたところを木につけてやると、じ
私が追いかけるとそのヒナは小さな足でぴょこぴょこ歩きまわ
行事をやり遂げたことで、子どもたちは満足感や充実感が味わえ
っとしてサナギになる、そんな様子を教えてあげたり教えてもら
り、可愛いその姿に見とれていました。しかし、どうも上から眺
たようでクラスでの様子もずいぶん落ち着いてきました。友達と
ったり、親子で毎日楽しんでいます。
めていたカラスの親には我が子をいじめていると映ったらしく、
一緒に活動することの楽しさやおもしろさを今後の活動へも繋げ
それからが悲惨な状況でした。正門から幼稚園に戻るまでの短い
ていきたいと思っています。室内での活動が多くなる時期ですが、
エスカレートしていきます。小さな虫を捕まえるつもりが握りつ
距離を何とカラスが低空飛行を繰り返し、私を攻撃し始めたので
雨上がりには積極的に外に出たり、室内でも体を十分動かして楽
ぶす、ダンゴムシを水に入れる実験をしてそのまま忘れてしまう、
す。もう怖くて怖くて体を低くし震えながら少しずつ歩いていた
しめるような遊びを提供していこうと考えています。
カマキリにバッタを食べさせる、思わず「ぎゃー、やめてー!!」
てくるのだという事を後になって知りました。
と言ってしまいたくなることばかり。
のですが、そんな私の姿を気にして近くに来てくださった警備員
さんの帽子を口ばしで勢いよく跳ね飛ばしてしまったほどでした。
ところが子どもが大きくなるにつれて虫への親しみがだんだん
<子どもの姿>
雨上がりの園庭で、シャボン玉や水遊びに夢中です。
でもこんな時、子どもの行為を止めてはいけないらしいのです。
それから小さなヒナは道路を渡り、用水に落ちてしまったので
一見残酷ですが生き物の命に関心を持っている証拠で、これはあ
助けようと試みましたが、やはりカラスが襲いかかって危険な状
らゆる命あるものへの興味に繋がっていくといろんな子育て情報
況になってしまったので断念せざるを得ませんでした。結局、ヒ
誌に書いてあるのです。特に以前幼稚園でいただいたものには、
ナは死んでしまい、翌日になってもすくいあげたヒナの傍から離
子どもの時に虫などを殺した経験がないと、大きくなった時に生
れようとしないカラスの姿がありました。
き物を殺してはいけない、命は大切だということが‘胸にすとん
と落ちてこない’とあり、読んだ時はずいぶんびっくりしました。
からす
なぜ鳴くの
可愛い
可愛いと
山の古巣へ
からすは山に
からすは鳴くの
行って見てごらん
私も子どもの頃は昆虫採集に興じ結果的に多くの虫を殺してきま
可愛い七つの子があるからよ
可愛い
丸い目をした
可愛いと鳴くんだよ
したが、そういう経験が実は大事だったとは!
歯みがきをはじめた年少さん
子ども達には虫は勿論すべての生き物の命を大事にしてもらい
いい子だよ
たい、虫の足が取れたら接着剤でくっつければいいと言ったり、
子どもの頃から口ずさんだ「七つの子」という歌ですが、歌詞
動物の命である食べ物を平気で残す人にはなって欲しくないとい
からは親子の会話が読み取れるのだそうです。「なぜ鳴くの」と
つも思っています。とは言ってもやめさせるのを我慢するのは結
素朴な疑問を投げかける子どもに、「七つの子がいて、可愛い可
構つらい。園バスを待ちながら今日も下の子はアリの巣を足で踏
愛いと鳴くんだよ」と答える母親。そして、更に父親も「…鳴く
み潰しています。私はアリごめんと思いつつ、今日も見て見ない
んだよ」と母親をフォローし、最後に「山の古巣へ…いい子だよ」
振りをしています。
と結びます。
ミニトマトの実が赤くなってきたよ
自然と共にゆったりと暮す温かい家庭、両親の愛情を一身に受
<保護者会から>
けて育つ子どもの希望に満ちた笑顔。本来ならば自然との関わり、
※6 月 17 日(水)10 時半∼「すくすく子育てサポート講習会」を幼稚園 2
親と子のあるべき姿をカラスという身近な題材を通して私達に教
階ホールで行います。とっさの病気や事故から子どもを守るためにも正しい
えてくれているのですが、どうも時代と共にカラスも私たち人間
知識と技術を覚えましょう。多くの方の参加をお待ちしています。
も何かが少しずつ変わってきてしまったのかもしれないと思いま
※運動会には保護者の皆様にご理解、ご協力をいただきありがとうございま
した。しかし、子を思う親の気持ちはカラスも人間も変わらない
した。クラス対抗の綱引きでは子ども達の声援を受けながら大いに盛り上が
という事だけは忘れないでいようと思います。そして、共生の大
切さをこれからも考えていくことの必要性を痛感しました。
課外の体操クラブが始まりました
ることができました。次は 7 月 18 日の夏まつりに向けて準備を進めていき
ます。楽しい夏の思い出になるよう役員一同がんばります。
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