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D2-36 - 日本大学理工学部

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D2-36 - 日本大学理工学部
D2-36
自動車を
自動車を運転時における
運転時における人
における人の覚醒度の
覚醒度の評価法に
評価法に関する研究
する研究
The Estimation Method for the Level of Concentration and Consciousness
While Driving an Automobile
○蒋立旻1, 杉本隆夫2
*Limin Jiang1, Takao Sugimoto2
Abstract: Automobile industry is required extremely energy saving, and active safety technology. The study has been estimation
consciousness and concentration using shoulder line, quantity of steering angles and quantity of gas pedal. And also the study shows
the driving skill of vehicle driver using the deviation for distance of standard deviation between vehicle and shoulder line. The
deviation of standard deviation value is going to change obviously. It can estimate consciousness and concentration while driving
vehicles.
3. 実験装置
1.はじめに
自動車の諸性能が著しく向上していく中で,マンマ
本実験は,自作したドライブシュミレータを用いて
シンインターフェースのあり方も変化し,高度な機能
行う. シミュレータは PlayStation2 用ソフト「GRAN
が求められている. 人が自動車を運転するときは常に
TURISMO4」及びその専用コントローラ「GT FORTH
緊張状態にあるわけではないが,十分な注意を払って
Pro」で構成されている. シミュレータの車線幅と車両
いなければいけない. そこで高覚醒時と低覚醒時の車
幅の比率は実車の高速道路と同一である. 装置構成
の蛇行量,ハンドルおよびアクセルの操作量を調べ,覚
は白線認識用パソコン,アクセル操作検出用パソコン,
醒度が推定できるかどうかの検討を行った. また,シミ
アクセル操作検出用回路,ディジタル入力ボード,顔画
ュレータと実車を用いて実験を行い,シミュレータで
像取得用カメラ,プロジェクタを使用する. 走行画面は,
の実験妥当性の確認もあわせて行った.
白線認識用パソコンとプロジェクタと走行画面録画用
パソコンの3方向に分岐させる. プロジェクタは,被験
者の後方から画像を照射させ,90インチのワイド画
2. システム概要
本システムの構成は,道路の白線座標,ハンドルの操
面で実験を行う. これは,被験者により実車走行に近い
作角,アクセルの開度のデータを取得するための各種
環境を設定させるためである. また,顔画像を取得する
センサーと処理装置からなっている. 白線座標からは
ことにより,表情,まばたきなどから注意力が低下して
車両の蛇行量,ハンドルからは操作角と操作量,アクセ
いるかを検討する1).
ルからは開度,操舵頻度を取得する. これらのデータを
データ蓄積部へ送り,そこから変化曲線を作り,その曲
線により運転者の覚醒度とを判別する.
Figure 2. The experimental device
4. 実験方法
被験者が前日十分な睡眠と休息をとったことを確認
Figure 1. System configuration
し,以下に示す方法により実行した. 実験はシミュレー
タを使用して,高覚醒時から低覚醒時に移行する段階
1:日大理工・院・医療
2:日大理工・医療・教員
369
を繰り返し実験し,高覚醒時においてシミュレータに
Figure 4 にシミュレータと実車での蛇行量の箱ひげ
よって得られた蛇行量と実車を用いて高速道路を運転
図の比較を行った. シミュレータと実車とがよく一致
したときの蛇行量とを比較した. 実車では高覚醒時の
していることがわかる.
みのデータを採取し低覚醒時の蛇行量は計測していな
い. 以下に条件を示す.
①運転速度 いずれも 100km/hを維持した.
②被験者の眠さは参考のために運転者の顔の動きを
ビデオカメラで収録した.
③シミュレータにおいて被験者がレーンを何回も逸
脱したとき低覚醒と認識され実験を終了する.
5. 実験結果
運転技術の異なる被験者で高覚醒時から低覚醒時
までの蛇行量を測定した. できたデータを箱ひげ図に
した. Figure 3は被験者 A 君,B 君,C 君と D 君の蛇行量
の箱ひげ図である. 図の中の A1,B1,C1と D1 は高覚
醒時 5 分間の蛇行量の箱ひげ図である. A2,B2,C2と
Figure 4. Standard deviation of the simulator and on
vehicle
D2は実験終了直前 5 分間(低覚醒状態)の蛇行量の
箱ひげ図である. この図を見ると,被験者が運転し始め
た時いわゆる高覚醒時蛇行量の絶対値は高くなく,蛇
6. まとめ
行量の変化も激しくない. 低覚醒時蛇行量は非常に高
以上示したように蛇行量を計測することによって覚
く,変化も激しくなる. 運転者の覚醒度は蛇行量から判
醒度を評価することができることが判明した. 本研究
断できることが分かる. そして,同じ覚醒状態の場合,D
より,覚醒度と車両の蛇行量に相関関係があることが
君の蛇行量は他の実験者と比べると,明らかに蛇行量
確認できた. 実車データとの比較から,シミュレータに
の絶対値高く,その変化も激しい. その原因は実験者の
よる覚醒度評価の妥当性が明確になった.
運転スキルの差異だと考えられるため,運転スキルの
以上のことから本手法により覚醒度の推移を判別す
判別が必要だと思う.
ることは可能であることが分かる.
参考文献
[1] 朱倉治:
「人の自動車運転時における覚醒度の評価
法に関する検討」
,平成 20 年度日本大学理工学部学術
演会,
(2008)
Figure 3. Standard deviation while participants
are driving
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