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5.スイッチングレギュレータの制御特性

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5.スイッチングレギュレータの制御特性
5. スイッチングレギュレータの制御特性
目的
1
直流安定化電源の一方式であるスイッチングレギュレータの回路動作。及び負帰還を施したとき
の制御特性や安定性を実験値計算により理解する。
原理
2
スイッチングレギュレータは直流安定化電源の一方式である。直列制御方式に比べ、小型、計
量、項効率の特徴を持ち、現在、直流安定化電源の主流になっている。スイッチングレギュレータ
は、スイッチのへ開閉動作におけるオンとオフの時間比を制御することにより、出力電圧の調整を
行う。
2.1
スイッチングレギュレータの基本構成
図 1 にスイッチングレギュレータの基本構成を示す。DC-DC コンバータは直流電圧 Ei を直流
出力電圧 Eo に変換する電力変換部であり、その他の部分は出力電圧を安定化するための負帰還回
路である。出力電圧 E0 は抵抗 R1 , R2 により分圧され、比較回路によって基準電圧 Er と比較さ
れる。比較回路の出力、すなわち誤差電圧は増幅回路により増幅され、時比率制御回路を通して
DC-DC コンバータのスイッチ素子のオン時比率 D(以後、単に「時比率」とよぶ) の変化として帰
還される。図 2 において、時比率 D は D = Ton /(Ton + Toff ) = Ton /Ts で定義される。時比率 D
を制御する主な方法として次の方式がある
1. スイッチング周期 Ts を固定し、オン時間 Ton を変化させる方式。
2. オン時間 Ton を固定し、スイッチング周期 Ts を変化させる方式。
一般に 2 の方が時比率制御回路が簡単になるが、スイッチング周波数 fs (= 1/Ts ) が変化するため、
最低周波数に対しコンバータの出力フィルタが大型になる欠点がある。一方 1 は、周期を固定した
三角波と誤差電圧とを比較する時比率制御回路が必要になるが、これは電源制御用 IC を使用する
ことにより容易に実現できる。本実験は 1 方式で行う。
図 1:
スイッチングレギュ
レータの基本構成
1
図 2:スイッチ素子の状態とパルス波形
2.2
図 3:降圧型コンバータ
図 4:昇圧型コンバータ
図 5:昇降圧型コンバータ
図 6 プッシュプル型コンバータ
DC-DC コンバータの回路方式
図 1 のスイッチングレギュレータの基本構成において電力変換を行う DC-DC コンバータの主な
回路方式は次のように分類できる。
(a) エネルギー蓄積型 (図 3、4、5)
一旦インダクタに励磁エネルギーを蓄え、次にこれを負荷に放出する形態をとり、蓄積と放
出の時間に比を時比率として制御することにより、所要の直流出力を得る。
(b) プッシュプル型 (図 6)
直流入力電圧を一旦交流に変換し、変圧器で所要の電圧にした後、再び整流して直流に戻す。
変圧器により入出力が直流絶縁される。
(a-1) 降圧形 (buck 形)
図 3 の回路においてインダクタを流れる電流を IL (簡単のため、ほぼ一定と考える。以下同
様)、入出力に電圧をそれぞれ Ei , Eo とする。スイッチ (MOS-FET) がオンの帰還にインダ
クタに流入するエネルギー (Ei − Eo )IL Ton と。スイッチがオフの帰還に負荷に放出される
2
エネルギー Eo IL Toff が等しいことにより、次式が得られる。
Eo
Ton
Ton
=
=
=D
Ei
TTo n Toff
Ts
(< 1)
(1)
従って、時比率 D を制御することにより、直流電圧の降圧ができる。
(a-2) 昇圧形 (boost 形)
図 4 の回路において、スイッチがオンの期間にインダクタに蓄えられるエネルギー Ei IL Ton
とスイッチがオフの期間に負荷に放出されるエネルギー (Eo − Ei )IL Toff が等しいことよリ
次式が得られる。
Eo
Ton + Toff
Ts
1
=
=
=
Ei
Toff
Toff
1−D
(> 1)
(2)
従って、時比率 D を制御することにより、直流電圧の昇圧ができる。
(a-3) 昇降圧型 (duck-boost 形)
図 5 の回路において、スイッチがオンの期間に Ei IL1 Ton のエネルギーがインダクタに蓄え
られる。この時、変圧器の 2 次側に誘起される電圧によってダイオードが逆バイアスされ電
流は流れない。次にスイッチがオフの期間に負荷に放出されるエネルギーは Eo IL2 Toff とな
る。これらの両方のエネルギーが等しいことにより、次式が得られる。
Eo
1 Ton
1 D
=
=
Ei
n Toff
n1−D
(3)
従って、時比率 D を制御することにより、直流電圧の昇圧及び降圧ができる。
(b-1) プッシュプル形 (push-pull)
図 6 の回路において、上下のトランジスタスイッチが交互にオンとオフを繰り返し、入力電圧
Ei を波高値、幅を Ton とする変形矩形波電圧が変圧器に加わり、出力は全波整流される。こ
の場合、平滑用インダクタがエネルギー蓄積用インダクタとして働く。このインダクタから
出力側を見た動作は (a-1) の降圧型と全く同じであり、出力電圧は時比率により制御される。
Eo
1 Ton
1
=
= D
Ei
n Ts
n
2.3
(4)
昇圧型コンバータの解析
本実験では図 4 の昇圧型コンバータ回路を例にとり、制御特性を調べる。まず、スイッチ (MOS-
FET) がオンの時とオフの時に分けて回路方程式を立てる。ここで、インダクタ電流 iL と出力コ
ンデンサの電圧 eo を状態変数にとる。図 7 に第 k 周期のスイッチングの状態を示す。
図 7:第 k 周期のスイッチン
グの状態
3
1. スイッチのオン期間 [kTs ≤ t ≤ kTs + tkon ]
この期間の回路方程式は
Ei = r1 iL + L
0=
図 8:オン期間の等価回路
diL
dt
(5)
deo
eo
+C
R
dt
(6)
2. スイッチのオフ期間 [kTs + tkon ≤ t ≤ (k + 1)Ts ]
この期間の回路方程式は
Ei = r2 + iL + eo + L
iL =
図 9:オフ期間の等価回路
diL
dt
eo
deo
+C
R
dt
(7)
(8)
ここで r2 は巻き線とダイオードの損失抵抗を表す。
(5)、(6) 式を解くと、(9),(10) 式が得られる。
[
]
Ei
Ei − r1 (t−kTs )
iL (t) =
+ iL (kTs ) −
e L
r1
r1
(9)
eo (t) = eo (kTs )e− CR (t−kTs )
1
(10)
(7),(8) 式を解くと (11),(12) 式が得られる。
iL (t) =
eo (t) =
]}
]
[
{
[
Ei
+ β cos β t − (kTs + tkon ) + (α + bo ) sin β t − (kTs + tkon )
R + r2
[
]
k
1
Ei
×
iL (kTs + tkon ) −
eα[t−(kTs +ton )]
β
R + r2
]}
{
[
]
[
REi
+ β cos β t − (kTs + tkon ) + (α + ao ) sin β t − (kTs + tkon )
R + r2
[
]
k
1
REi
×
eo (kTs + tkon ) −
eα[t−(kTs +ton )]
β
R + r2
ここで
√
) ( 1
1 ( r2
β=
+1 −
+
LC R
2CR
(
r2
iL (kTs + tkon )
REi
1
k
eo (kTs + ton ) +
−
+
L
C
R + r2 CR
1
r2
α=−
−
,
2CR 2L
ao =
eo (kTs + tkon ) −
Ei
L
+
iL (kTs + tkon )
CR
−
bo =
iL (kTs + tkon ) −
4
L
REi
R + r2
eo (kTs − tkon )
L
)
r2
2L
)
r2
−
Ei
R + r2
Ei
R + r2
(
1
CR
+
r2
L
)
(11)
(12)
(9),(10) において t = kTs + tkon 、(11),(12) 式において t = (k + 1)Ts とおくと、それぞれ次のよう
になる。
iL (kTs + tkon ) =
[
]
Ei
Ei −(r1 /L)tkon
iL (kTs ) −
e
r1
r1
(13)
eo (kTs + tkon ) = eo (kTs )e−(1/CR)ton
k
(14)
}
{
Ei
+ β cos βtkoff + (α + bo ) sin βtkon
R + r2
[
]
k
1
Ei
k
×
iL (kTs + ton ) −
eα[t−(kTs +toff )]
β
R + r2
iL ((k + 1)Ts ) =
(15)
}
{
REi
+ β cos βtkoff + (α + ao ) sin βtkoff
R + r2
[
]
k
1
REi
×
eo (kTs + tkon ) −
eαtoff
β
R + r2
eo ((1 + k)Ts ) =
(16)
出力電圧 e0 とインダクタ電流 iL の、t = kTs と t = (k + 1)Ts の関係 (差分方程式) を導くため、
(13)(14) を (15)(16) 式に代入する。そして、sin , cos , exp をテイラー展開し、高次の微小項を無視
すると、差分方程式が次のように得られる。
)
(
r2
tk
Ei Ts
r1
iL ((k + 1)Ts ) = 1 − tkon − tkoff iL (kTs ) − off eo (kTs ) +
L
L
L
L
(
)
tk
Ts
e((k + 1)Ts ) = off (kTs ) + 1 −
eo (kTs )
i L
CR
2.4
(17)
(18)
定常特性
定常状態では eo (t) , iL (t) は定数となるため、eo (t) = Eo , iL (t) = IL とおくことができ、また、
ton (t) = Ton , toff (t) = T off で表すと、(19)(20) は次のように書ける。
dIL
r1 Ton + r2 Toff
Toff
Ei
=−
IL −
Eo +
=0
dt
LTs
LTs
L
(19)
dEo
Toff
1
=
IL −
Eo = 0
dt
CTs
CR
(20)
これらの式を解くと次の定常特性が得られる。
(
Ei
1
Toff
Eo = 0
但し、D0 = 1 − D =
D 1 + Zo /R
Ts
D=
Ton
Ts
)
(21)
ここで、Zo は (帰還を施さないときの) 出力インピーダンス (出力抵抗) を意味し、
Zo =
r1 D + r2 D0
(D0 )2
(22)
で表される。また、(23) と R= Eo /Io の関係式より、次式が得られる。
Eo =
Ei
− Zo Io
D0
5
(23)
2.5
動特性
定常状態において、時比率 D、負荷抵抗 R に微小変動が生じた場合の伝達関数を導く。(19)(20)
に D → D + ∆D(t) , Eo → Eo + ∆(t) , R = R + ∆R(t) なる微小変動を与え、2 次の微小項を無視
し、ラプラス変換を施すことにより、次式が得られる。
1 − s/ωz
1 + s/ωr
∆D(s) + Gro
∆R(s)
P (s)
P (s)
( ) ( )2
s
s
ただし、 P (s) = 1 + 2δ
+
ωo
ωo
∆Eo (s) = Gco
(24)
(25)
ここで、δ , ωo , ωr , Gco , Gro パラメタは、(19)(20) より求めることができる。
次に、∆D(s) = −K∆Eo (s) なる帰還を施した場合を考える。ここで K は帰還回路の利得であ
る。これを (26) に代入して、
∆Eo (s)
Gro
1 + s/ωr
=
∆R(s)
1 + Gco K 1 + 2δf (s/ωf ) + (s/ωf )2
が得られる。ここで、
δf =
δ − (ωo Gco K)/(2ωz )
√
1 + KGco
(26)
(27)
(29) において、δ , ωo , Gco , ωz , K > 0 であるから、帰還回路の利得 K を大きくしていくと、δf は
減少し、負になると伝達関数 (28) の極が右半平面に生じ回路は不安定となる。δf = 0 のとき安定
限界となり、この時の K を Ccrit とすると、
[
]
D0
CR
0
Kcrit =
1+
(r1 D + r2 D )
Eo
L
(28)
となる。
2.6
帰還を施したときの出力インピーダンス (出力抵抗)
負荷抵抗を ∆R だけステップ変化させたときの出力電圧の定常偏差 ∆Eo は、(28) にラプラス変
換の最終値定理を用いると、
[
]
Gro
1 + s/ωr
∆
Gro
∆Eo = lim s
=
∆R
s→0
1 + Gco K 1 + 2δf (s/ωf ) + (s/ωf )2 s
1 + Gco K
(29)
となる。
いま、出力電圧と出力電流の関係式 Eo = R · Io において、負荷抵抗を微少変化させたことによ
り、出力電圧、電流が微少変化したとすると、
(Eo + ∆Eo ) = (R + ∆R) · (Io + ∆Io )
が成り立つ。
Eo ∆R
∆Io
+
=1
∆Eo
R ∆Eo
と書ける。従って、帰還を施したときの出力インピーダンス Zf は、
R
Zf = −
∆Eo
1
=( ) (
)
∆Io
∆Eo
1
Eo
/
−
2
R
∆R
R
6
(30)
(31)
図 10:実験回路 (原理図)
7
実験結果
3
帰還無し、負荷を変化
3.1
共通条件
Ei =10V
Ton = 8µs
fs = 51.3kHz
D = 0.410
Ts = 19.5µs
D0 = 0.590
Eo [V]
17.08
16.8
16.61
16.45
16.31
16.18
16.04
15.9
Io [mA]
100
200
300
400
500
600
700
800
帰還無し、入力電圧を変化
3.2
共通条件
R = 30Ω
Ton = 8µs
fs = 51.3kHz
D = 0.410
Ts = 19.5µs
D0 = 0.590
Ei [V]
13
12.5
12
11.5
11
10.5
10
9.5
9
8.5
8
7.5
7
Eo [V]
21.15
20.32
19.49
18.67
17.84
17.02
16.2
15.36
14.56
13.71
12.9
12.08
11.26
帰還有、負荷を変化
3.3
共通条件
Ei = 10V
fs = 52.6kHz
Ts = 19µs
帰還回路の利得:K = K1 = 1.05
Eo [V]
16.99
16.9
16.84
16.79
16.79
16.69
16.64
16.59
Io [mA]
100
200
300
400
500
600
700
800
Toff [ µs ]
11
11
11
11
11
11
10.5
10.5
0.58
0.58
0.58
0.58
0.58
0.58
0.55
0.55
D
0
共通条件
Ei = 10V
Eo [V]
16.98
16.96
fs = 52.6kHz
Ts = 19µs
16.94
16.92
16.93
帰還回路の利得:K = K2 = 11.0
16.9
16.89
Io [mA]
100
200
300
400
500
600
700
Toff [ µs ]
11
11
10.9
10.8
10.7
10.5
1.8ms
D0
0.58
0.58
0.57
0.57
0.56
0.55
0.55
帰還有、入力電圧を変化
3.4
共通条件
R = 30Ω
fs = 52.6kHz
帰還回路の利得:K = K1 = 1.05
Ts = 19µs
Ei [V]
13
12.5
12
11.5
11
10.5
10
9.5
9
8.5
8
7.5
7
Eo [V]
18.16
17.93
17.69
17.45
17.21
16.96
16.7
16.44
16.18
15.9
15.62
15.34
15.03
Toff [ µs ]
13
12.8
12.4
12
11.5
11
10.8
10
9.8
9
8.9
8.2
7.9
0.68
0.67
0.65
0.63
0.61
0.58
0.57
0.53
0.52
0.47
0.47
0.43
0.42
D
0
共通条件
R = 30Ω
fs = 52.6kHz
Ts = 19µs
帰還回路の利得:K = K2 = 11.0
Ei [V]
13
12.5
12
11.5
11
10.5
10
9.5
9
8.5
8
Eo [V]
17.1
17.07
17.04
17
16.97
16.94
16.9
16.87
16.83
16.8
16.76
Toff [ µs ]
13.8
13
12.7
11.9
11
11
10.5
10
9.2
8.9
2.0ms
0.73
0.68
0.67
0.63
0.58
0.58
0.55
0.53
0.48
0.47
0.53
D
0
8
課題
4
4.1
実験 3.1 で得られた測定値と (25) で求めた計算値を比較し、誤差原因につ
いて考察せよ。ただし r1 = r2 = 0.5Ω
18
Equation (25)
(24)(25) 式より
Ei
− Zo Io
D0
Zo =
17.5
r1 D + r2 D0
= 1.44 Ω
(D0 )2
Ei
− Zo Io = 17.0 − 1.44Io
D0
これを実験データと共にプロットしたものを図 11
に示す。r1 = r2 = 0.5Ω という多少適当な値で
∴ Eo =
17
Eo [ V ]
Eo =
16.5
16
Eo/ Io=-1.60595
あるが実験値とよく一致する。出力電流 Io が小
15.5
さい所では出力電圧は直線からはずれて高い値を
15
とっているが、これは回路に含まれるダイオード
0
の非線型性によるものと思われる。
100 200 300 400 500 600 700 800 900
Io [ mA ]
図 11:負荷特性 (無帰還)
4.2
実験 3.2 で得られた測定値と (23) で求めた計算値を比較し、誤差原因につ
いて考察せよ。ただし r1 = r2 = 0.5Ω
25
(23) 式、実験 3.2 のデータより
Ei
1
= 1.62Ei
0
D 1 + Zo /R
20
実験データと共にプロットしたものを図 12 に示
す。
Eo [ V ]
Eo =
15
これも実験値とよく一致している。Zo に比べ R
が比較的大きいため (23) 式分母の Zo /R は 1 に
10
比べ十分小さくなり Eo への影響が小くなる。つ
まり誤差の要因として考えられる r1 , r2 の影響が
小さいため、実験値と計算値がよく一致する結果
Equation (23)
5
6
7
となったと考えられる。
8
9
10
Ei [ V ]
11
12
13
14
図 12:入出力電圧特性 (無帰還)
4.3
実験 3.3 得られた測定値を用い、負荷特性グラフを描け。また安定動作範囲
と帰還回路の利得 K について考察せよ
実験 3.3 で得られた測定値を用いて、負荷特性のグラフを描いたものを図 13 に示す。K = 11.0
のときには、Io = 800mA 以上では不安定となっている。帰還回路のゲインが大きいと安定動作範
囲が狭くなるのがわかる。
また (30) 式から、r = r1 = r2 とすると、Io = Eo /R より
9
18
19
K=K1=1.05
K=K2=11.0
17.5
18
Eo [ V ]
Eo [ V ]
17
16.5
Eo/ Io=-0.541667 (K1)
Eo/ Io=-0.146429 (K2)
16
17
16
15
15.5
15
K=K1=1.05
K=K1=1.05 (Equation(23))
K=K2=11.0
K=K2=11.0 (Equation(23))
14
0
100 200 300 400 500 600 700 800 900
Io [ mA ]
6
7
8
9
10
Ei [ V ]
11
12
13
14
図 13:負荷特性 (帰還有)
図 14:入出力特性 (帰還有)
]
[
0
D
CR
D0
D0 Cr
Kcrit <
1+
(r1 D + r2 D0 ) = Kcrit =
+
Eo
L
Eo
LIo
Io <
rD0 C
L(Kcrit − D0 /Eo )
となり、これからも帰還回路の利得が大きくなると安定に制御できる出力電流の上限が小さくなる
ことがわかる
4.4
実験 3.4 で得られた測定値と (23) 式で求めた計算値を比較して、入出力特性
のグラフを描け。安定動作範囲と帰還回路の利得との関係について考察せよ
r = r1 = r2 = 0.5Ω とすると (24) 式は
Zo =
r1 D + r2 D0
r
=
(D0 )2
(D0 )2
これより (23) 式は
Eo =
Ei
Ei
1
Ei
1
= 0
= 0
D0 1 + Zo /R
D 1 + r/(RD0 2 )
D + r/(RD0 )
となる。この式と実験 3.4 の結果より Eo を計算したものを図 14 のグラフに黒点で示した。Ton , Toff
の値をオシロスコープで直接を読んだため大きな誤差が出ているがおおよそ実験値と等しくなって
いる。
K = 11.0 のときには Ei < 8V の範囲で不安定となった。帰還回路の利得がを上げると入力電圧
に関して安定動作範囲が狭くなっている。
4.5
実験 3.1 と 3.3 で得られた測定値による負荷特性のグラフより、各場合にお
ける昇圧型コンバータの出力インピーダンスを求め、比較せよ
図 11、図 13 の負荷特性から傾きを求め、出力インピーダンスを求める。帰還無し、K1 、K2 で
帰還をかけた場合の出力インピーダンスをそれぞれ Zo , Zf 1 , Zf 2 とすると
Zo = −
∆Eo
= 1.61 Ω ,
∆Io
Zf 1 = 0.542 Ω ,
10
Zf 2 = 0.146 Ω
となる。帰還の利得が上がるにつれ出力インピーダンスが下がっているのがわかる。
4.6
(31)(33) より昇圧型コンバータの出力インピーダンス Zf を表し、帰還回路
の利得が Zf にどのように影響するかを論じよ。また、4.5 と比較せよ。
(31) 式より
Gro
∆Eo
=
∆R
1 + Gco K
これを (33) 式に代入すると
(
Zf =
Eo 1 + Gco K
1
−
2
R
Gro
R
)−1
(
=
Gco
Eo
1
K+ 2
−
Gro
R Gro
R
)−1
=
1
αK + β
のような関数の形になる。これと実験値 4.5 と比べた図を下図に示す。データ点の数が少ないがお
およそ正しいとおもわれる。
1.8
Z
(aK+b)-1
1.6
Output inpedance
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
0
2
4
6
8
K (Feedback gain)
11
10
12
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