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スポーツ指導の課題と方法に関する一考察 - ASKA

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スポーツ指導の課題と方法に関する一考察 - ASKA
5
7
スポーツ指導の課題と方法に関する一考察
一小学生に視点をおいて-
AS
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j
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c
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-
松田秀子
Hideko:
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v
1ATSUDA
1
. はじめに
現代社会は、高度情報化や生活様式の変化、さらには少子高齢化などにより生活環境が大き
く変化している。その中で、健康@体力の増進を促すほか、爽快感や達成感をもたらすなど、心
身ともにスポーツの果たす役割は大きい。スポーツとは、運動競技及び身体運動(キャンプ活
動その他の野外活動を含む〉であって、心身の健全な発達を図るためにされるものをいう〔ス
ポーツ振興法
第
2条 J
o子どもの体力について、スポーツ振興を通じ、その低下傾向に歯止
めをかけ、上昇傾向に転ずることを目指して、スポーツ振興基本計画が策定された(平成 1
3年
度"
"
2
2
年度の 1
0年計画)。目標達成のため必要不可欠である施策として、(1)子どもの体力の重
要性について正しい認識を持つための国民運動の展開、 (
2
)学校と地域の連携による、子ども
を窓きつけるスポーツ環境の充実。さらに基本的施策として、(1)教員の指導力の向上、 (
2
)子
どもが体を動かしたくなる場の充実、 (
3
)児童生徒の運動に親しむ資質
a
能力や体力を培う学
校体育の充実、 (
4
)運動部活動の改善@充実が挙げられている O 本稿はスポーツを適して、児
童が運動に親しみ、体力を培うことができるよう、小学校のクラブ活動における指導方法に視
点をおいて考察したものである O
2
. 発青銅発達と指導について
どものスポーツ指導において、身体の成長に部応することは不可欠である o 人の発育発達
については、スキャモンの発育曲線が示すように、器官や機能の成長は年齢によって次のよう
に異なる(図 1)。①リンパ系裂は胸線、リンパ組織などの発育を示し、幼児期に急速に発達
し 7歳頃には成人と同じくらいに、そして 1
2歳頃には成人の 2倍近くになり思春期過ぎから大
人のレベルに戻る O ②神経系型は脳、脊髄などの発育を示し、年齢の低い時期に著しく発達し、
幼児期に成人の 9
0
%まで発達する O ③一般型は骨格、筋肉などの発育状況を示す。乳幼児期に
急速に発途し、その後は緩やかに発達をし、思春期に再び急速な発達をする O ③生殖器系型は
5
8 愛知淑徳大学教育学研究科論集 創刊号
t
マ
'
0
)
豊丸、卵巣などの組織の発育を示し、思春期以
∞
2
降に急激な発育をする O
これらのことから、児童期は著しく神経系が
1
8
0
発達し、さまざまな神経由路が形成される大切
1
6
0
な時期であり運動能力に大きく関わる要素にな
1
4
0
るO 一 般 的 に 運 動 能 力 に 関 わ る 神 経 は 運 動 神 経
1
詔
で表され、脳からの動作の指令を手定などに伝
える役割j
をする O 連 動 を 繰 り 返 す こ と に よ り 、
リンパ裂 j
/¥
∞
i
f
, f
60
なる O し た が っ て 幼 児 期 か ら 児 童 期 に で き る だ
e
運動や遊びを体験させて調
整力を養うことが重要である O この時期に発達
した調整力に、呼吸
e
¥
幅一一イ
8
0
脊髄や大脳の反応が速くなり動きがスムーズに
け多くのスポーツ
主
40
//
/ /
一般型
/
FF//
20
循環器系の発育がさかん
1
8 20
齢{銀)
になる時期(中学生)には持久力を、生殖器系
の発達が著しくなる時期(高校生)には筋肉や
関1. ス キ ャ モ ン の 諜 脊 曲 繰
瞬発力を高めることで運動機能は高まる。
このように発育発達に合わせて、スポーツの指導をすることが技術の習得に繋がることを前
提として、指導方法を考えていかなければならない。本稿はクラブ活動の指導について考究す
ることから、対象である小学校
4年 生 6年生の成長に焦点、を当てると、
この時期は神経系の
発達がほぼ完成に近づき、スポーツの技術の基本構造を習得させるのに最も適した時期(ゴー
ノレデン@エイジ)であることがわかる O 当 然 の こ と な が ら 、 こ の 時 期 を 中 核 に し た 前 後 の 発 育 @
発達との関連性を持つことが大切である O ゴールデン@エイジを中核にした発育
ω
発達と一貫
指導の課題について、阿部 (
2
0
0
5
) は次のように示している。
①
プ レ ・ ゴ ー ル デ ン ・ エ イ ジ [基礎トレーニング期]
運動の多様化に合わせて、豊かなことばと出合わせることが:重要で、 こ の 時 期 の 運 動 の
多様化は、バドミントンのための高い準備段階となる O
②
ゴ ー ル ヂ ン @ エ イ ジ [発展トレーニング期 1]
あらゆるスキル(技能)の獲得と、よい習慣の獲得にとって最適である O
③
ポスト@ゴーノレデン。エイジ [発展トレーニング期
2]
思 春 期 に 入 り 「 ク ラ ム ジ ー (不器用さ )
J の目立つ時期。
あらゆる函でアンバランスな時期。悪い習慣を矯正することが重要な課題となる O 個 人
差は大きいが、筋の発達(特に速筋)が見られる O
④
イ ン デ ベ ン デ ン ト ・ エ イ ジ [専門トレーニング期]
競技への挑戦
スポーツ指導の課題と方法に関する一考察-小学生に視点、をおいて
5
9
3
. 指導内容むついて
クラブ活動の目標は、学習指導要領第 6章第 2 I
各活動
a
学校行事の呂擦及び内容 Jのクラ
ブ活動の皆様に『クラブ活動を通して、望ましい人間関係を形成し、億l'f:生の伸長を図り、集問
の一員として協力してよりよいクラブづくりに参商しようとする自主的、実践的な態度を育て
る。』と示されている O 指導者は児童の発達段階や経験の差を理解し、クラブ活動の指導を通
して、自己の興味場関心に自信がもてるようにするとともに、自己を生かす能力を養うことが
できるように指導告することが大切であると考える O 本稿では筆者自身にとって、最も身近で
指導に直接、携わっているスポーツ積回(バドミントン)を通して、クラブ、活動の指導につい
て考察する O
(1)特徴
先ずは競技の名称であるが、数あるスポーツの中でバドミントンと濁音が続く競技名はあま
りみられない。そのことによる影響なのか、読みにくさからなのかは不明であるが、ノイトミン
9
9
2
作.のバルセロナ
トンと間違った表記や名称、で言われることも少なくない。しかしながら、 1
オリンピックから正式競技種目となり、近年ではオグシオこと、小椋@瀬田のダブルスが北京
オリンピックを契機にマスコミ等で注目されるようになってからは、正しい名称で表記される
ことも多くなった。筆者の大学時代の恩師であり、自本のバドミントン界に影響を与えた(故)
oodなスポーツなのですが・リ
今井先氏が「パトではなくパド・曲。本当は Badではなく g
と口癖のように言い、バドミントン競技の発展に努めたことが想い出される O 以上、競技名に
ついて述べてきたが、クラブ活動の際には児童に対して、正しい競技名(バドミントン)で指
導することを願いたし 1。現在、バドミントンは日本での競技人口は、年々増加傾向にあり、小
学生から生援スポーツとして楽しむシニアまで多くのプレーヤーが存在し、個性豊かなクラブ
チームが全国各地で活動している O
(
2
) 競技場
天気の良い日に、麗外で行うバドミントンとは異なり、競技として正式な大会を行う場合は、
以下のように規定されている o
①
大会に使用する会場は、屋内で競技中は風を遮断しなければならない。
②
天井の高さはコート面から 12m以上とする O
③
競技区域はコートの外側四廃にそれぞれ 2m0J
二の余裕がなければならない。 1会場に 2
部以上のコートを設ける場合でも、隣接するコートとの関係は 2 m以上とする O
③
会場の照度は、各コートともネットの中央上縁において 1
2
0
0
)レックス以上とする O
③
照明は、コートの真上では遮光されていなければならないし、いかなる発光体もあっては
ならない。また、コートのパックバウンダリーライン上のいかなる位霞から、反対側のパッ
クバウンダリーライン上を見通しでも、その延長戦上はすべて遮光されていなければなら
ないし、いかなる発光体もあってはならない。
⑥
プレーヤー及び観客などに試合の経過及びスコアが明確にわかるように、得点表示装置を
置く
O
6
0 愛知淑徳大学教育学研究科論集創刊号
⑦
空気調節装霞(エアーコンディショナー)使用により生じる気流は、極力避けるものとす
るが、競技会場(観覧席を含む)温度環境維持のため、止むを得ないと判断した場合は外
気を遮断していることを条件として認める O
このように、競技としてのバドミントンは無風状態の会場で、白いシャトノレが見やすいよう
に培幕やカーテンなどで光を遮るように規制されている O しかしながら、小学校のクラブ活動
においては、学校の体育館を使用することを考えると、場合によっては熱中症などにならない
ように嵐通しをよくするなど、安全面を最優先にすることが望ましいと考える O
次にコートであるが、一般的には競技規則に基づいたシングルスとダブルスの兼用コートの
ライン(横 6
.
1
m、 縦 1
3.
4m) が 設 け ら れ て お り 、 ポ ス ト ・ ネ ッ ト に つ い て は 次 の よ う な 規 定 が
ある O
①
ポストは、コート面から1.5
50mの高さとし、ダブルスのサイドライン上に立てる O
②
ネットは暗い色で、一様な太さの縦紐で 1
5
m
mから 2
0
1
聞の網目で作られたものとする O
③
ネットは、丈が 7
6
0
m
mで、 l
揺は少なくとも 6
.
1
mはあるものとする。
③
福7
5
m
mの 白 色 の テ ー プ を 、 二 つ 折 り に し て 覆 い 、 そ の テ ー プ の 中 に コ ー
ネットの上縁は、 i
ド(紐)またはケーブノレ(網)を通す。
⑥
コード(紐)またはケーブル(網)は、ポストの上部と同じ高さでしっかりと張ることの
できるものとする o
⑦
コート面からネットの高さは、中央で1.5
24m、ダブルスのサイドライン上では1.550mと
する O
⑧
ネットの両側とポストむ間に i
強閣があってはならない。必要な場合にはネットの両側(丈
全部)をポストに結び付けなければならない。
小 学 校 の ク ラ ブ 活 動 に お い て は 、 体 育 館 に 設 け ら れ た コ ー ト が 競 技 場 と な る O コートのライ
ンを設けることは少ないと思われるが、ポスト(支柱)の設置に関しては、運搬の際に足など
にポストを落とさないように留意させること O さ ら に ネ ッ ト を 張 る 時 に は 、 ポ ス ト の 金 具 に 指
を挟まないことようにすること、ネットの紐についてはポストとの際閣がないように結ぶこと
などを約束事として指導することが必要である O
(
3
) 賂呉
先ずは、シャトノレである O 競 技 と し て 使 用 さ れ る シ ャ ト ル は 大 き く 分 け る と 天 然 ( 水 鳥 ) と
合成がある O 天然の羽をつけたシャトノレは、重量
(先端から台の上まで、
直径は 2
5蜘
(
4
.
7
4g"
'
5
.
5g)、 枚 数 ( 16
枚)、羽根の長さ
6
2阻 '
"
'
'
7
0四)、羽根の先端(直径 5
8
m
mから 6
8
m
mの円形)、コルク(台の
2
8
m
mで、底は丸く)と規定されている
O
一右の天然の羽でないシャト jレは素材の
特徴からナイロンシャト jレ、合成シャトノレと呼ばれ、
1
9
8
0
年代から関内の中学生大会にも公式
採用されていたが、最近では打球感やジュニア選手の育成を考慮して公式採用が少なくなって
いる O 確かに天然シャト jレは消耗が激しいが、合成シャト jレに比べて速調の変化がある O
一 方 の 合 成 シ ャ ト ル は 耐 久 性 に す ぐ れ 、 取 り 扱 い が 容 易 で あ る O シャトノレは重いほどよく飛
ぷ。また、気温が上がれば空気の密度が低くなり、空気抵抗が減少しょく飛ぶ。夏期には軽い
スポーツ指導の課題と方法に関する一考察一小学生に視点、をおいて
6
1
シャトノレ、冬期は震いシャトノレの方がよく飛ぶ。シャトルの正しい速謁は「パックバウンダリー
ラインの上に打点がくるようにして、アンダーハンドストロークで上向きに全力で打ったとき、
3
C
l
I
l
か
ら9
9
c
mまでの範囲に入ったもの」であると規
向かいのパックバウンダリーラインの手前 5
定されている O 以仁、シャトノレについて述べたが、児童の技能・技術レベルに応じたシャトル
選びをすることが大切で、あると考える O フライトの特性と筆者の経験から、小学生のクラブ活
動の場合は、合成シャトノレの使用が望ましいと考える O
次にラケットについて示す。ラケットは、ハンドル(ラケットを握るための部分〉、シャフ
ト(ハンド lレをヘッドに繋ぐ部分入ヘッド(ストリングド・エリア、シャトルを打つための
部分〉で構成される O 初期の頃は、木の素材のみで作られていたラケットも、アルミやスチー
ノレ、最近ではカーボンやチタンが素材として使用されるようになり、軽量化が進んでいる O
大会で使用するラケットは、全長は 6
8m
m以内、幅は 2
3
0
m
m以内とし、ストリングド@エリア
は全長(縦の長さ) 2
8
0
m
m以内、幅は 2
2
0蹴以内と規定されている O ラケットは自然にストリン
グス(ガット)が緩くなってしまい、緩くなるとシャトルが飛ばなくなるので、できれば一年
0ポンド前後のテンションがよいと考える O また、
に一度は張替することを勧める O 初心者には 2
グリップは太いほど強いショットが打ちやすく、細いほどコントロールがしやすいが、小学生
については手のひらの大きさから一番組いグリップが適しているのではないかと考える。
(
ヰ
) )レール
競技の反則(フォルト)については以下に示すとおりである O
①
サービスが正しくない場合。
②
サービスでシャトルがネットの上に乗ったとき、ネットを越えた後、ネットにひっかかっ
たとき O
③
レシーパーのパートナーによって打たれたとき O
④
サーピスをしようとして空振りしたとき。
⑤
インプレーのシャトルが
1)コートの境界線の外に落ちたとき O
2)ネットを通りぬけるか、ネットの下を通ったとき O
3)ネットの上を越えなかったとき(サービスの時以外はポストの外側を通ってもよい )0
4)天井または壁に触れたとき
O
5)プレーヤーの身体または着衣にふれたとき O
6)コート外の物または人にふれたとき O
7) 1自のストロークで¥ラケット上に捕えられ保持されて、振り投げられたとき O
8)同じプレーヤーによって 2回連続して打たれたとき O
9)プレーヤーとそのパートナーによって連続して打たれたとき。
1
0
) プレーヤーのうケットに触れて、相手コートに向かつて飛ばなかったとき O
⑤
インプレーで、プレーヤーが
1)ラケット、身体または着衣で、ネットまたはその支柱物に触れたとき
O
6
2 愛知淑徳大学教育学研究科論集創刊号
2)ラケット、身体または着衣で、ネットむよを越えて、少しでも相手コートを侵したとき、
また、ラケットとシャトノレとの最初の接触点が、ネットより打者艇でなかったとき(た
だし、打者が、ネットを越えてきたシャト jレを、 l凶のストロークで寸了つ場合、ラケッ
トがシャト jレを追ってネットを越えてしまうのはやむをえない)。
3)ラケット、または身体で、ネットの下から、相手コートを侵し、著しく相手を妨害した
り、相手の注意をそらしたりしたとき O
4)相手を妨害したとき、すなわち、ネットを越えたシャトルを追う相手の正当なストロー
クを妨げたとき O
5)プレーヤーが大声や身振りなどの動作をして、故意に相手の注意をそらしたとき。
以上が反射であるが、これ以外に不測の事態や事故が起きたとき、プレー中にシャトルが分
解してシャトルの台が他の部分と完全に分離したとき、サーピスのときレシーパーとサーバー
の両方がフォルトをしたとき、レシーパーの態勢が整う前にサーバーがサービスをしたときな
どはプレーを停止させるため「レット」という規則がある O
また、「フォルト Jまたは「レット Jとなったとき、シャトノレがコート街に触れたとき、シャ
トノレがネットやポストに当たり、打者側のコート部に向かつて落ち始めたときはインプレーで
ない場合とする O
さらにプレーヤーに対して①プレーを故意に遅らせたり中断したりすること O ②シャト jレの
スピードや飛び方を変えるために、故意;にシャトルに手を加えたり破損したりすること O ③ 見
苦しい服装でプレーをしたり、審判員や観客に対して横柄な振舞いをしたりするような、下品
で無礼な態度、言動。③ラケットや身体でネットなどのコート施設を叩くとか、耳障りな掛け
声や叫び声を発するなど、競技規則を越えた不品行または不快な行動を禁止している O
(
5
) マナー
バドミントンをプレーする上でのマナーは次の通りである O
①
ラリー、対戦の前後に相手と握手をして審判に挨拶をする O
②
パートナーにシャトルを渡すときは、手渡しをするか、ラケットに乗せてだす。
③
相手にシャト jレを渡すときには、手渡しをするか、ラケットに乗せてだす。
③
ネットにiJI
っ掛かったシャトノレは、ミスをした本人が拾う O
⑤
エンドを変えるときは、ネットの下をくぐらないようにする O
⑥
パートナーや相手に対して好感のもてる態度をとる O
⑦
審判の判断には素直に従う O
4
. 指導方法について
バドミントンに関する指導書 1)-刊の中でも、ジュニアを対象とした指導書叩お)舶は少ない。
指導書は、当然のことながらトップアスリートを自指すための技術部を中心とした内容で講成
されていることが多い。これらの指導蓄を参考にして技術指導をしていくことは選手にとって
は望ましいことではあるが、限られた時間の中で多人数の児童が活動する小学校のクラブ活動
スポーツ指導の課題と方法に関する一考察一小学生に視点、をおいて
6
3
においては、必ずしも相応しいとは限らない。しかしながら、小学校のクラブ活動の経験が、
地域のスポーツクラブやさらには中学校のクラブ活動に繋がる可能性があることも視野に入れ
る必要がある O こ れ ら の こ と を 鑑 み 、 小 学 校 の ク ラ ブ 活 動 ( バ ド ミ ン ト ン ) の よ り 効 果 的 な 指
導方法を探ることにする O
(1)ラケットの援り方
ラケットの撮り方は、代表的なものとして
イースタングリップ¥ウエスタングリップ¥
イングリッシュグリップの三議類がある(図
2) 。 イ ー ス タ ン グ リ ッ プ は 、 握 手 を す る よ
ウエスタングリップ
うにハンドルを握る方法で、ラケットのフェ
イス面と床が垂直になるグリップである O 一
図2
. グリップ
方 の ウ エ ス タ ン グ リ ッ プ は ハ ン ド jレの広い面
をパソコンのマウスを扱う時のように上から
援 る 方 法 で 、 ラ ケ ッ ト フ ェ ー ス と 床 面 は 平 行 に な る グ リ ッ プ で あ る O この中で、イースタング
0
リッ 7 が 握 り 方 の 基 本 と さ れ 、 プ レ ー の 上 達 に は 欠 か せ な い グ リ ッ プ で あ る と さ れ て い る O し
かしながら、初心者はイースタングリップで前腕を回旋させて、シャトノレを当てることが難し
い。このグリップでラケットを操作できるには学習の時間が必要である O
j
J
心
、
者
一方のウエスタングリップは、シヤト ルレをラケツトに当てやすく、選手を臼指さない初
心
L
には最適な握り右方'である O ラケットのハンドノレ部分(プレーヤーがラケットを握る部分)を短
く握れば、遠心力が小さくなりラケットは操作しやすくなる o 逆 に ハ ン ド ル 部 分 を 長 く 握 れ ば
遠心力が大きくなり操作はしにくくなる O 初心者や腕力のない人、ダブルスゲームの前衛など
はグリップを短く握る方が適していると考える O さらにインパクト時にグリップ。を握りしめる
ことでストロークの威力は増すので、グリップを軽く握るようにすること O 特 に 初 心 者 は ハ ン
ドjレ部分を強く握りしめないようにすることで、身体に余分なカが入ることが防ぐことができ
るO
(
2
) サーピス
バドミントンのサーピスは、他の球技積回(テニス
e
バレーボールなど)に比べて、攻撃性
が制限され、以下のように正しいサーピスについて規定されている O
①
正しいサービスとは
1) サ ー バ ー と レ シ ー パ ー が そ れ ぞ れ の 態 勢 を 整 え た 後 は 、 両 サ イ ド と も サ ー ビ ス を 不 当 に
遅らせではならない。
2) サ ー バ ー 及 び レ シ ー パ ー は 、 斜 め に 向 か い 合 っ た サ ー ビ ス コ ー ト の 境 界 線 に 触 れ ず に 立
つものとする。
3) サ ー バ ー 及 び レ シ ー パ ー の 両 足 の 一 部 分 は 、 サ ー ビ ス を 始 め て か ら サ ー ビ ス が な さ れ る
まで、その佼震でコート面に接していなければならない。
4) サ ー バ ー は 、 ラ ケ ッ ト で 最 初 に シ ャ ト ル の 台 を 打 つ も の と す る O
6
4 愛知淑徳大学教育学研究科論集創刊号
5)サーバーのラケットで打たれる瞬間に、シャトル全体がサーバーのウエストより下にな
らなければならない。ここでいうウエストとは、肋骨の一番下の部位の高さで、腕体の
周りの仮想の線とする O
6)サーバーが持つラケットのシャフトは、シャトルを打つ瞬間に下向きでなければならな
し
、
。
7)サーバーのうケットは、サービスを始めてからなされるまで前方への動きを継続しなけ
ればならない。
②
それぞれのプレーヤーのサービスの態勢が撃った後、サーバーのうケットヘッドの前方へ
の初めての動きが、サービスの始まりである O
③
サービスは、いったん始められると、シャトノレがサーバーのうケットで打たれるか、サー
ピスをしようとしてシャト jレを打ちそこなったときに終了する O
④
サーバーは、レシーパーが位置について態勢が整う前にサーピスは始められないが、サー
パーがサービスをし、レシーパーが打ち返そうと試みたときは、態勢が撃っていたものと
みなす。
⑤
ダ
ブ
、 jレスでは、サーピスが始まり終了するまで、それぞれのパートナーは、相手側のサー
ノfーまたはレシーパーの視界をさえぎらなし叶〉ぎり、それぞれのコート内ならどこの位震
にいてもよい。
このように選手として競技会に出場するためには、これらの規則守らなくてはいけない。し
かし初心者(選手を目指さない)の場合は、規則を緩めてサーピスが入ることを最優先し、ゲー
ムを楽しむことが重要である O 例えばラケットにシャトノレが当たらない場合は、手でシャトル
を投げることをサーピスとする O あるいは、ウエストより上でヒッティングしでもよいとする
などである。指導者が児童の技術レベルに応じたサービスの規則をつくり、サービスからラリー
へとさらにはゲームへと展開することができるように指導することが大切である O
サービスは、フライトの特徴からロング・サービスとショート
e
サービスに大別される O ロ
ング@サーピスは主にシンクツレスゲームに多く用いられる O 一方のショート@サーピスは主に
ダブノレスゲームに多く用いられる O 児童への言語教示としては、ロング@サービスは「高く、
大きく」、ショート
e
サービスは「低く、小さく」など、フライトをわかりやすい言葉で伝え
ることができるとよいと考える O
技術面においては、ロング。サービスは躯幹や上腕、前腕の軸回転を利用したストロークを
行わなくてはいけないので難しい。それに比べてショート・サービスはインパクトをセーブす
ることが課題であり、初心者向きである O さらに、ショート
nつフォア
e
e
サービスには、フォアハンドで
ショート@サービスとノ f ックハンドで、 f
了つノてック@ショート@サーピスがある O
初心者には技術的に簡単で空振りも少ない、パックハンド
e
サーピスの活用が望ましいと考え
るO パックハンド・ショート@サービスの打ち方は、ネットに対して正対し、利き腕側の足を
前に出す。次にラケットの先を手首より下に向けてガットの前にシャトルを持っていき、押し
出すようにして打つ O
づら¥フォア
a
ショート
a
サービスの打ち:方は、肘を 9
0度に曲げて腹部
スポーツ指導の課題と方法に関する一考察一小学生に視点をおいて
6
5
の脇に着ける O 次に前腕をそして腕を動かさないようにして腰を回して打つ O
ロング・サービスの打ち 1
J
t立、サービスを打つ方向に左足を向け、右足を左足に対して 4
5度
ぐらい外側に開く
O
空振りをしないように、左手を前方に伸ばして、シャトノレを離すタイミン
グを合わせる O
(
3
) フライトとストロ -7
シャト jレの飛び、方をフライトとして表して、その種類を示したものである(図 3。
)
①
クリアー
高く大きく打つハイクリアーと低くスピードのあるドリブンクリアーがある O いずれにし
ても、初心者には難しい技術だが、肘を伸ばしきらないようにして、ラケットを振り抜くよ
うに打つ O
②
ドロップ(図では③のフライト)
コートの後方から相手のネット際に落とすショットである O インパクトの瞬間に力向くよ
うにして、ラケット面を真っ直ぐに押し出すようにする O
③
ドライブ(図では③のフライト)
ネットぎりぎりの高さで床とほぼ平行に飛んでいくショットである O 児童にシャト jレのス
ピードを体感させることができる一番楽しいショットである O 足を軽く前後に開き、おじぎ
をしないように重心を低くして、体の前でシャトノレをとらえるようにする O ウエスタングリッ
K
.R.ダピドソン・L..R.ク守スタフソン:ウインニング・バドミントン
89貰 図 57より作図
①クリアー
⑦ロンク号ハイサーピス(ダブソレス)
をj ドリブンクリアー
③ドライブ
⑨ハーフコートドライブ
⑬ドロップショット
⑬へアピンドロップ
⑫ハーフスマッシュ
③ ドロップ、ンヨット
③スマッシュ
⑤ロングハイサービス(シン,グノレス)
⑥ショートローサーピ、ス(ダブルス)
函3
. フライト(シャトんの飛び方)の種類
6
6 愛知淑徳大学教育学研究科論集創刊号・
プでラケットを短めに持たせ、ラケットヘッドが罵より下がらないようにし、打ったらすぐ
に構えるようする O
④
スマッシュ
初心者はスピードよりも角度をつけることを目標に打たせるとよい。全身に力が入りすぎ
ないようにし、肘を肩の高さより上に挙げ、ラケットヘッドが下を向くように打つ O
⑤
へアピン(留では⑬のフライト)
ネットを横からみて、髪を止めるへアピンのような飛び;右をするショットである O ネット
に近づき過ぎないようにし、片足の足はショート・サービス
s
ライン付近に位寵させる O で
きるだけ高いところでシャト jレをとらえ、目線はシャトルと同じくらいにして肘を伸ばしき
らないようにする O 打つというよりは、ラケットにシャトルを乗せる感じでとらえる O
5
. おわりに
スポーツを通して、児童が運動に親しみ、体力を培うことができるよう、小学校のクラブ活
動(バドミントン)における指導の課題と方法について考察した。限られた時間の中で多人数
i
旨した指導書を参考にす
の児童が活動する小学校のクラブ活動において、技術レベル向上を目'
ることは児童にとって適切な指導であるとは言い難い。しかしながら、小学校のクラブ活動の
経験が、地域のスポーツクラブやさらには中学校のクラブ活動に繋がる可能性があることも視
野に入れる必要がある O そこで本稿は競技に関する知識を基に、児童が楽しく身体を動かすこ
とができるような言語教示をすることを提案した。例えばショート@サービスは「低く、小さ
くJなど、基礎理論に基づいた児蜜にとってわかりやすい言葉での教示である O さらに技術指
導においては、ラリーが続けられることを重点に霞いたラケットの持ち方、パックハンドのショー
ト a サービスの導入と打ち方、ドライブ、ドロップ、へアピンなどのフライトを中心としたス
トロークの指導方法について考察した。今後は、これを基にした簡易ゲームへの展開や試合方
法などについて考究し、児童が運動に親しみ、体力を培うことができるようなクラブ活動の指
導方法についてさらに研究を進めたい。
引用・参考文献
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ープレーヤーとコーチのた
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詳 解 ノf ドミントンの新ルー jレ』大修館書!吉 1
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) ジェーク@ダウニィ
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f ドミントン教室』大修館書応
阿部一位他訳『ウイニング・バドミントン
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ダブ jレス』大修館書:
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競 技 規 則J
TOP20のワザ
Fly UP