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濃厚飼料の給与形態が反甥に及ぼす影響

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濃厚飼料の給与形態が反甥に及ぼす影響
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濃厚飼料の給与形態が反甥に及ぼす影響
谷口幸三・山谷洋二・大谷
勲
広島大学水畜 産学部畜産学 科
8日 受 理
1978年 4月 2
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反事号家畜を濃u.飼料多給,粗飼料不足の飼主主条件
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面開
l惑下し,
Fで長期間飼育 すると反鋳胃 内環境が持続 的 ζ
ω低下が見ら
そのため肉牛 では第一胃不 全角化症,肝 膿湯,設張症 などの障害が 生じ,また乳 牛では乳脂ネ
反された粗
i
は摂
れる 0 1)-3) 乙れらの障害 は粗飼料を適 量給与する ζ とによって防 止する乙とが できる。これ
:物理的な刺激 効果を与え, その結果家畜 の胃運動や反 事号機能が活 発化されるた
<
飼料が反傍胃 内 1
内環境が改善 されるものと 考えられる
めに反勢胃
)
04)5
:対する物理的 な評価を胃運 動や反痴を測 定する乙とに よって判定で きると述べ
<
k6) は粗飼料の家 畜 1
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と及ぼす影響については既に数多くの報告があり 1)6)-11j
ている。粗飼 料の給与形態 の違いや化学 組成が反鋳時 間 l
とは飼料の反事事胃内通過時間が速くなり,反事事時間も短くなる
粗飼料を粉砕 したり,細切 して給与した 場合 l
8粗飼料の物理 的性状(大き さ,堅さ,比 重など)と反 努の詳細な関 連について
乙とが認めら れているがわ J
と飼料そ二分する{守地にある濃厚飼料については粗飼料との給与
は依然,不明 な点が多い。 また粗飼料と 共 l
ついては
比率の関速に おいて反努時 間が調べられ ているに過ぎ ず 12) 濃岸飼料の給与形態と反事事との関係に
ほとんど明ら かにされてい ない。
i料が同ーの配
)
)
I
本研究は濃厚 飼料の給与形 態が家畜の採 食,反事事な どに及ぼす影 響を検討する ため,配合
なる飼
極の形状の異
合飼料をペレ ット,マッシ ュおよび結合 剤を加えて, より強固に調 製したベレッ トの 3
l第一司内容の
:給与し,採食 時間,食塊の 形状を調べる とともに,採 食後経時的 ζ
<
料を山羊 1
pH値 を 測 定 し
さらに反鋳行 動を観察した ものである。
試 験 方 法
供試動物
の飼料につい
:収容し,給与 形態の異なる 3種類
<
gのザーネン種 去勢雄山羊 3頭を代謝ケー ジ 1
5-70k
体重 6
0日 聞 に わ た る 給 与 試 験 を 行
計9
回反復し,合
3
により
0日間の 3x 3ラテン方格法
て l期 1
。
」
卜
コ
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試験飼料
供試した飼料 は市販のベレ ット(肉牛後 期肥育用配合 飼料,ベレッ 卜 B) および乙れを 粉砕器
谷口幸二・山谷洋二・大谷
54
勲
を用いて微粉状にしたマッシュ,さらに本試験のために調製した試験飼料(ペレット A) を用いた。ペレッ
トAの調製は市販のペレットを粉砕したものに水溶性で無毒の酢酸ビニノレエ"?}レジョンを結合剤として 10%
の割合(乾物当り)で添加してよく混合した後,小型ペレット整形器を用いて整形し,通風乾燥器で乾燥固
化したものを市販ペレットと同一形態 K切断した。調製したベレットの形状は長さ 1
cm前 後 , 直 径
.
o5cm
(plate 1-a) で , 穀 粒 硬 度 計 を 用 い て 測 定 し た 硬 度 は 縦 軸 で 約 14k
g重 で あ っ た の に 対 し , 同 一 サ イ ズ
g重であった。また 5
0
1
1
1
1遠沈管に第一胃内容液を入れ,振重量器で毎分 60回
の市販ベレットの硬度は約 9k
振塗してペレッ卜の破壊時聞を調べた結果,市販ペレッ卜は 1分以内に完全に形が崩れたが,調整ペレット
では 10時間以上経過しても原形 K近い形状を保った。用いた飼料の一般分析値は Tab1e 1の通りである。
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飼養方法:試験は濃厚飼料単餌として計画し,各山羊とも 1日 1頭当り 1
000!
Iを 給 与 し て 試 験 を 開 始 し
たが,給餌開始 1週 間 後 に 1頭 (2号 山 羊 ) が 著 し い 食 欲 不 振 に 陥 っ た た め に 止 む を 得 ず 3頑 と も に 濃 厚 飼
料 1
00!
Iを稲わら 1
00!
Iに代替給与して試験を行った。給餌は朝夕
2回行ったが濃厚飼料は午前 9時と午後
5時,稲わらはその 30分 後 I
L給与した。水は第一胃内容物採取日に朝の飼料給与後の 1時間 j
之
1峰 給 与 を 中
止した他は自由飲水させ,固形塩も第一胃内容物採取日以外は自由に抵めさせた。
調査・測定方法:採食,反事事行動の測定は試験開始後 9日目 I
L朝 の 給 餌 か ら 24時間,
1分 間 隔 観 察 法 l
と
より行った。第一胃内容物の pH値の測定は各期の最終日 K朝 の 給 餌 直 前 お よ び 給 餌 1, 2, 4, 7時間後
の 5回,カテーテノレを用いて吸引採取し,乙れらについて直ちにガラス電極 pHメーターにより測定した。
また食塊の形状を観察するために第一胃フィステノレを装着した成去勢雄山羊
1頭 に 3種類の試験飼料を個別
に給与して,飼料摂取後,噴門部から反事事胃内 ζ
l 甲高下する直前に食塊をフィステノレを通して採取した。
試 験 結 果
1
. 採食時間:各山羊 1
1::ついてペレット A ,ペレット Bおよびマッシュの一日当りの採食時聞を 3回の測
定値の平均値として表わした結果は Tab1e 211::示す通りである。
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供試飼料の採食時聞は供試山羊個体による変動が大きかったが,マッシュの約 50分 I
L対 し , 合 成 の り を
添加して調製したペレット Aで約 20分,市販のペレット Bでは約 1
1分であった。何れの山羊でもマッシュ
濃厚飼料の形態と反事事
55
l 比 べ て 長 く (pく. 0 5), ま た ベ レ ッ ト A がペレソト 81c比べ短くなる傾 向が
の採食時間は│両]ペレッ卜 ζ
C有意売はなかっ た。
認められたが統 計的 I
受取量は増加することが一般に認められており,本,0¥験においてもぺレ
¥飼料をペレッ ト化すると J
岐に濃 l
ットと 7 ツゾュの同量給 与ではベレソ卜 の採食速度が著 しく単くなると とが観察された o
l ベレッ卜 Aでは多くなる傾 向が見
数が少なく,逆 ζ
lしゃく但 l
l
l
l ぺレソト Bの I
採食中の行動を鋭雪ざした際 ζ
以り込み,膜下 から次の
1
C
1中 I
と付活させて 1
とは制料を辞め るように舌先 l
昨l
られ,また -:(7 "J シュを採食する l
年間が長くかかるように思われた。
町民下までの H
C示した。ペレッ卜 B採食
ate 1..bI
フィステノレ装お山干ーから採取した膜下食塊形状そ p1
b
こ
C礁ドされ f
(径 4-6ι加 の 先 端 が や や 尖 っ た 円 柱 状 と な っ て 凶 内 I
r
, [
0湘
時の食塊は噴門 部から長さ 8- 1
を塊形態
. i
2
ペレ
唾液混入により 容易に崩地する ために,食塊中 のベレッ卜は
Y 卜Bは口股内での岨 しゃくによる磨 砕と l
ほとんど阿形を 留めていなかっ た。
ζ
れに対しペレッ ト Aの食塊はペレッ 卜 BIと見られたよう な一定の形状
与を保ったもの
形が崩れている ものもあったが , IW
;
l
与の凹しゃくによってベレッ卜のiJ
を示さず,また 採食 H
7 ッシュに多量の
が,乙れは
って膜下された
比べて泥状とな
l
ζ
ペレット
が多く認められ た o '7ッシュ食塊は
唾液が混入して 著しく湿潤化し たためである。
l
3 第一胃内容の pH値
各供試制料 2:at(PH).
41-、
6.
U定した結果を Fig.llC示した。
l
l
寺的に i
1
経1
各山三千ともに制本↓給与後 pH値は低
‘
I¥
給与時における 第一肖内容物 ω p H値を
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Fし
2
.
6
r:z低値となり
とl
時間から 41時間後 l
給勺 11
0
.
6
¥Jの経過に伴って L界 似 向 が 認
f
そ ω後時l
8
.
5
められた。
門内容 pH の~低値を削料ごとに全頭
jするとぺレット A 5.97,ベレット B
、ι
ド
とほとん
¥1
J
7.;シ.,_5.87 で飼料 n
5.91,'
4
6.
どズがなかった が月内公 pH値の経時的
とより相違が認められ,
変化は供試山羊 l
2
.
6
2
2号山
0
.
6
i¥J後で段低値となったが
f
j
!
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羊では給制 1I
8
.
5
,
1羊
I
特 Kベレット A給与の I号 1
手山羊では給削 後の時間の経過 ととも
3I
に緩慢に低下し,
C主主低値とな
4時間後 I
。
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朝,タの給制後,
各浪!手飼料を摂取してから反鰐開始まで
C示
に要した時!日]の測定結果を Fig.2 I
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6
。
こ
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'料ともにかなり の
i
反事司開始時間は各自J
変動が認められ たが,ベレッ卜 A では平
6分 後 , ベ レ ッ 卜 B
均して朝の給飼 で 1
;起
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'
C反鋳 7
149分'7.;シュで 97分 後 I
き,特にペレソト Aの給与では反 務開始
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C比べて夕方
昨年間が早くなった (pく. 05)。夕方給制の場 合には飼料聞に 差が認められな かった。また朝 I
給館後の反鋳開 始時間は各飼料 ,各山羊とも遅 くなる傾向を示 した。
5 反事事の日内変動。各飼料を給与して午前 9時から 24時間反事事行動 を勧察した結果 について反第時 間
谷口幸二・山谷洋二・大谷 勲
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を 3時間ごとに集計して Fig.3 ζ
I 示した。
反事事発現の日周期性は各飼料,各山羊ともほぼー Goat
定しており,早朝 3時から 6時にかけて反興行動が
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一 PelletA
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・ Mash
最も盛んとなり,日中に もそれよりも弱いが反鋳 が
盛んになる時間帯が観察された。しかし日中の反事事
1 4
0
発現の変化 Kついてみると,飼料およ び供試山羊 l
と
2
0
よりずれがあり,ペレッ ト
B,..,.ッシュ給与の各山
羊およびペレット A給与の l号山羊では日中のピー
ク時は 1
2~ 1
5時であったが,ペレット A給与の 2
6
0
号山羊, 3号山羊では 9~ 1
2時の聞にあった。
6
. 反働時間:各飼料給与に よる各山羊の 1日当
りの平均反鋳時聞を集計 して Table41C示した。
2
0
ペレット A給与における反務時間は 1号山羊 232
分
,
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、
九
、
.
、
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7
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ノ
2 4
0
.
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2号山羊 206分
, 3号山羊 257分,全頭平均 232
分,平均 1
94分であり,また 7 ッシュでは 203分
,
215分
, 234分,平均 218分となり,ベレット Aが
マッシュ,ペレット BIL比べて反事事時聞が長い傾向
M
q
¥
分でベレット Bではそれぞれ 1
86分
, 1
85分
, 2
11
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0
,
3 4
0
2
が観察されたが飼料開に は有意差はなかった。い ず
れの飼料においても山羊 の個体差が大きく,特1 L2
号山羊, 3号山羊問ではレペッ卜 A給与時 lζ51分
の反努時間差があった。 また同一飼料,同一個体 に
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3
218土 2
ついて 3回測定を行ったが, 測定日による変動も 大きく, 3号山羊にペレット Bを給与した時に 51分 も の
測定自による差が観 察された。
. 再岨しゃく回数: 第 2,第 3試験の反事事行動調査時 K再岨しゃく回数を数取り器を用いて測定し, 1
7
1:示した。
日の再岨しゃく回 数および反錫時間 当りの再阻しゃく 回数(回数/分〕 を算出して Table4 1
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再岨しゃく回数は ペレット A 9281回,ペレット B 7836回,マッシュ 8583回であり,ベレット Aが他の飼
料 K比べて再岨しゃく回 数が多くなる傾向が 観察された。反事事 時の再但しゃく回数 は反鋳効果を最も直 接的
K表わす数値と考え られているととか ら 14〉,濃厚飼料に物理 的性状を付与するた めに合成のりで閲化 したペ
7回,ペレ
.
7
レットも何らかの効 果があるといえよう 。一分間当りの再岨 しゃく速度は平均す るとペレット A3
ット B38.0回,マッシュ 39.4回でほとんど差が認 められなかった。
考 察
本試験の結果から 濃厚飼料をペレッ トとして給与する と食塊は噴門部を 通して円柱状とな り反鋳胃内に圧
1:市販のベレットでは Plate1-blL示したような食塊となって嘆下されるのに反し,マッシュでは
出され,特 1
泥状となって礁下 される乙とを観察 したが,金塊の形 状は採食行動と密 接な関連があり, さらに採食状態は
谷口幸二・山谷洋二・大口
58
勲
飼料の種類,性状に大きく影響される乙とから11〉,同一組成の濃厚飼料においても給与形態を替えることに
より礁下食塊の形状 K影響を及ぼす ζ とが確認された。すなわち同一組成のペレット B,マッシュの食塊形
状からみるとペレット Bは口腔内で岨しゃくと唾液の混入 I
Lよって原形を失ない,定型的食塊になるが,マ
ッシュではその採食時間は他の飼料 K比べて長いととから,多量の唾液が混入して泥状となって礁下される。
一方,合成のりで固化したペレット
Aではペレッ卜 Bの よ う に 採 食 時 に 口 腔 内 で 簡 単 に 磨 砕 さ れ た り , 唾
液を吸視しないために,定型的な食塊を形成せず,また食塊中の飼料粒度も他の 2つに比べて粗い状態にな
ったと判断される。しかし,同一,同量の飼料を給与した時でも採食時間の長短,岨しゃく回数の多少が食
L影響することが当然考えられる。従って Table21C示したように同
塊の形状や,食塊を形成する飼料粒度 I
じぺレット Aを給与した 1号山羊, 2号山羊と 3号山羊では採食時間がかなり違い,
1号山羊, 2号山芋は
3号山羊の 2倍を要したととからこのような山羊では食塊中のペレットの粒度は小さくなっていると推測さ
れる。
礁下食塊は反鋳胃内で胃運動による撹伴,混合や反鋳などによる物理的作用を受けると同時 I
C胃内微生物
による化学的作用も受け,揮発性脂肪酸などを産出し,胃内容物の pH値を変化させる。反鋳胃内では帯留
時間が同じであれば飼料の粒子が小さい程,飼料表面積が大きくなるため微生物の分解作用を受け易くなる
F
i
g
.1),ペレット Aを給与し
ととが知られている酎。摂食後の第一胃内容の pH値の経時的変化をみると (
た 1号山羊, 2号山羊ではペレット B,マッシュ給与時と同様に推移しており,採食後 pH値は急激に低下
したのに対し 3号山羊では比較的緩慢に低下した ζ とは他の山羊 I
L比 べ て 採 食 時 間 が 短 く , 従 っ て 食 塊 は
plate l-b1
1:示したものと同様な状態で燃下され,微生物の分解作用が遅延したものと推察される。
反事事の日内変動について, Gordon13) は緬羊を供試して調べたと乙ろ夜間から早朝にかけて反第のピーク
があり,逆 K午後 4時から 8時にかけて常に反努は低下する乙とを報告しており,春本ら 14)15) も和牛で同様
な結果を得ている。本試験の結果 (Fig.3)も各飼料ともに類似したパターンを示したが,同時に彼らの報告
では飼料給与後の反事事時聞が非常に短くなっており,本試験での朝方,ペレット Aを摂食した 2号山羊, 3
号山羊の結果とは異なっている。乙れは先に述べたようにペレット Aが摂取された後も反鋳胃内で比較的粗い
粒子で滞留し,これが"反努の受容器"16) を刺激し, Fig.21L示したように反筋肉始時間を早めたものと考
えられる。一方,ペレット B,?'/シュを採食した時に反事事開始時聞が遅れたのは,
ζ れらの飼料
誘起させる作用がなかったためであり,粗飼料でも給与形態を変えると反事事開始時聞に影響する
ζ
I
L反事もを
とが指摘
されている 100 しかし夕方の給飼後において濃厚飼料の形態の相違が明確 K ならなかったことは,反鋳発現
は飼料の給与時刻を変えても 13)
また絶食させても変化しな~ ,
1
5
)17)程強い定型的パターンを示し,家畜特有
の生理的な日局リズムと密接な関係があるためであろうし凶,また,本試験では濃厚飼料給与の
3
0分 後 に
与えた稲わらの影響が強かったものと推察される。
B
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k6)は牛に濃厚飼料を単独で給与すると反努はほとんど見られないと述べており,また Sudweeks
ら1田は去勢牛ζ
l濃厚飼料と粗飼料の給与割合を変えて給与し,摂取乾物当りの採食および反鋳時聞を外挿法 I
と
L比べて非常 ζ
l短く,摂取乾物 k
g当り 5 - 8
より算出したところトウモロコシ,大豆粕の反事事時間は粗飼料 I
分であると報告している。本試験では濃厚飼料の給与形態,特 I
C結合剤を添加して強固に調整したペレット
が反鰐などに及ぼす影響を市販ペレッ卜,マッシュと比較検討することを目的としたが, Table31C示したよ
うに反事事時聞には給与形態による差が見られなかったことは,反事事のほとんどが濃厚飼料よりも稲わらの採食
によって行なわれたものと考えられる。
以上の乙とから濃厚飼料を硬質ペレットとして給与すると,朝の給飼後の反勢開始時聞は早まるが全反鋳
時間には影響が認められなかったものと結論づけられる。乙のととは試験飼料の物理的性質として硬度のみ
を取り上け'た本試験結果 I
C照らして,採食時 I
C口腔内でほとんど岨しゃくせずに喰下可能なペレットの大き
さや市販ペレットの如く口腔内で容易 I
C崩壊しない結合剤の開発などが検討課題 l
となるととを示唆しており,
同時に本試験で観察された個体差から,今後乙の種の試験においては動物を十分に選別して供試する必要が
あろう。
濃厚飼料の形態と反事事
59
要 約
原料が同ーの配合飼料を市販ペレット7"ッシュおよび結合剤を加えて 硬く調製したペレットの 3種の物
理的性状の異なる飼料を山羊 ζ
i 給与し,採食時間,牒下食塊の形状,第一胃内容 p H値の経時的変化および
反事事行動を観察した。その結果,採食時聞は 7 ッシュ,調製ベレッ卜,市販ペレットのIi頃 ζ
l長かった。膜下
食塊は 7 ッシュと市販ベレットでは反努胃内に入ると直ち ζ
l崩壊したが調製ペレットは粗い形状で反鋳胃内
ζ
l滞留した。そのため K採食後の反事事胃内 p H値の低下が他の飼料に比べて比較的緩慢であり,また採食後
の反事号開始が早くなる傾向を示した。反事事に伴う再岨しゃく回数は調整 ベレット給与で多くなったが,山羊
聞に顕著な個体差が見られたため濃厚飼料の形態による違いは明確なもの とならなかった。 1日当りの反餌
時聞には飼料による差は見られなかった。
文 献
1
)HARVEY,R
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.,27,1438-1444
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)COPPOCK,C.E
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.,57,926-933(
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)LATHAM,M.J
.,SUTTON,J
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i,57,803-810(
1
9
7
4
)
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4
)農林水産技術会議編 日本飼長標準,乳牛, 1
9
7
4年版, p
.29-30,中央畜産会出版,東京(1974)
5
) 向
上
,肉牛, 1
9
7
5年版, p
.4
9,
向
上
(19
75)
6
)BALCK,C.C. :B
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.,26,383-392(
1
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5,635-644(
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1,78-80(
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.,28,813-818(
1
9
6
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)
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1
1
)大 符 勲 ‘ 広 大 水 畜 紀 要 , 4, 211-317 (1962)
1
2
)SUDWEEKS,E
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.,44,694-701(
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)
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)GORDON,J
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5
1,81-83(
19
5
8
)
.
1
4
)春本 直・加藤正信:島大農研報, 8, 1
5-2
1 (1974)
1
5
) 同 上
1
0, 2
1-2
6 (1976)
1
6
)松 本 英 人 乳牛の科学,第 l版,梅津元昌編, p.77-79, 農 文 協 出 版 , 東 京 (1966)
1
7
)WELCK,J
.G.andSMITH,A.M.:J
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.,27,1734-1737(
1
9
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8
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1
8
)SUDWEEKS,E
.M.,
MCCULLOUGH,M.E
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dLAW,S. E
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1,219ー
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5
)
.
1
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)WELCK,J
.G.andSMITH,A.M.:J
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nim.S
ci
.,33,1118-1123(
19
7
1
)
.
60
Summary
This study was conducted in order to estimate the effects of the three types of
formular concentrate different in its physical form on the rumination of goats. The used
feeds were pellet and mash of commercial feed and hardened pellet by adding I 0%
synthetic bond to mash.
(l) The eating time for hardened pellet was longer than for pellet and shorter than for
mash. The boli of pellet became fine particles in the rumen at once.
(2) The time spent before the first rumination was shorter in the case of hardened pellet
than in the case of the other two feeds.
(3) The daily duration for rumination was not longer in the case of hardened pellet
than the otherwise significantly.
61
Pellet ll
Pellet A
Mash
Plate 1-a. The used feeds in this experime nt;
pellet A is hardened pellet made by
adding synthetic bond to mash ,
pellet B is commerc ial pellet and
mash is grinding powder of pellet B.
Pellet A
Pellet B
Plate 1-b. Picked boli from the fistulated goat
fed each concentra te.
Mash
Fly UP