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平成14年度 電気通信番号に関する研究会 報告書

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平成14年度 電気通信番号に関する研究会 報告書
平成14年度 電気通信番号に関する研究会
報告書
目
第1章
次
固定端末系の電気通信番号の確保対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.1 固定端末系の電気通信番号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1.2 固定端末系の電気通信番号の使用状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1.3
需要増加に伴う番号逼迫への対応策(短期的対策)について・・・・・・・・・・・・・・・6
1.4
固定端末系の電気通信番号における今後の番号需要及び対応策・・・・・・・・・・・・・7
1.5
IP電話の番号(050)に関するアンケート調査結果と需要予測・・・・・・・14
第2章
ENUM導入に向けての検討課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
2.1 ENUMをとりまく状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
2.2 ENUMの必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
2.3 ENUMの対象とする番号等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
2.4 ENUMの運用、管理等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
2.5 今後の検討の進め方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
第3章
一種・二種の事業区分の廃止に伴う番号計画の見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
3.1 電気通信番号に係る制度見直しの必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
3.2 電気通信番号に係る制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
3.3 電気通信番号の指定基準の見直しの方向性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
3.4
固定端末系伝送路設備、無線呼出しの役務に係る端末系伝送路設備等を
識別するための電気通信番号(0AB∼J)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
3.5
電気通信事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号
(00XY、002YZ、0091N1N2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
3.6 付加機能識別番号(0AB0)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
3.7 付加機能識別番号(1XY)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
3.8 UPTサービスの電気通信番号(060)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
3.9
携帯電話、PHS等に係る端末系伝送路設備の識別番号
(070、080、090)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
3.10 IP電話サービスの電気通信番号(050)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
3.11 その他の電気通信番号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
3.12 番号指定に係る審査内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
3.13 事業者による電気通信番号管理義務、国への報告義務・・・・・・・・・・・・・・・・・49
第4章
その他の検討課題について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52
4.1 MVNOが使用する電気通信番号・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53
4.2 公衆電話からの国際ダイヤル手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
4.3 ダイヤルイン番号の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
4.4
第3世代携帯電話におけるローミングインユーザの特番利用について・・・・・57
4.5 国際ローミングサービスにおける国際信号線利用について・・・・・・・・・・・・・・・58
【参考資料】
用語集
索引
開催要項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(附1)
審議経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(附7)
平成 14 年度電気通信番号に関する研究会報告書(案)に対する意見募集の結果について
携帯電話のポータビリティに関する勉強会報告書1
1
(注)本報告書に添付されている参考資料「携帯電話のポータビリティに関する勉強会報告書」は、
「情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整備の在り方に関する研究会報告書」
(平成14年
1月)の提言を受けて開催された勉強会の報告書である。番号研究会において検討したものではな
いが、参考資料として添付した。
第1章
固定端末系の電気通信番号の確保対策
1
1.1
固定端末系の電気通信番号
固定端末系伝送路設備、無線呼出しの役務に係る端末系伝送路設備等を識別するための電
気通信番号(以下、「固定端末系電気通信番号」とする。)については、総務大臣が市町村等
の区域を勘案して告示で定める9桁又は8桁の番号となっている。
この固定端末系電気通信番号は、いわゆる0AB∼J番号と呼ばれるものであり、市外局
番、市内局番及び加入者番号からなっており、このうち、市外局番を総務大臣が告示で定め、
市内局番については、総務大臣が電気通信事業者ごとに番号の指定を行い、番号の指定を受
けた電気通信事業者が、個々の端末系伝送路設備を識別するために加入者番号の割当てを行
っている。
この番号によるダイヤル手順を図1−1に示しているが、一般には、国内プレフィックス
である「0」を最初に加え、市外局番、市内局番、加入者番号の順でダイヤルすることにな
る。
ABCDE
0
国内プレフィックス
(閉番号域外へ
の接続であるこ
とを示す。)
FGHJ
市外・市内局番
合計5桁(一部地域4桁)
市外局番
1∼5桁
加入者番号
4桁
市内局番
0∼4桁
ABCDE
おおまかな地方識別
概ね県識別
完全な県識別
単位料金区域を識別
加入者交換機を識別
図1−1:0AB∼J番号の構成
市外局番は、市町村等の区域を勘案して告示で定めており、この番号から利用者は地域識
別を行うことが可能となっている。現行の告示で定める番号では、1桁目のAコードで図1
−2のようにおおまかな地方識別が可能であり、またABコードで概ね県識別が可能となっ
ている。なお、現在の市外・市内局番の境界は完全に都道府県の行政区域と完全には一致し
ていないため、0AB∼J番号で識別される地域は、電気通信番号での地域識別となる。
2
市 外 局 番 1桁 目 の 境 界 市 外 局 番 2桁 目 の 境 界
11:
3:
44:
45:
52:
6:
75:
78:
札幌
東京
川崎
横浜
名古屋
大阪
京都
神戸
図1−2:市外局番第1数字及び第2数字(AB)の配分
(注 1) 番号区画
現在の番号計画は1961年(昭和36年)に当時の電電公社の料金区画を基準として番
号区画が制定され、30数年の長期にわたって基本的に維持されてきているものである。 現
在は総務大臣が市町村等の区域を勘案して、告示(電気通信番号規則の細目を定めた件)に
より制定している。
1.2
固定端末系の電気通信番号の使用状況
現状では、固定端末系の電気通信番号については、電気通信番号規則に基づき、いわゆる
地域系電気通信事業者による電話サービスのほか、CATV事業者が提供する電話サービス、
ISDN、無線呼出し、長距離中継系事業者等が提供する直収電話サービスに係る端末系伝
送路設備識別に利用されている。
市内局番使用数
593
1153
2076
25000
20000
96
15000
10000
719
5000
0
9年度
NTT
10年度
電力系
CATV
11年度
無線呼出
12年度
中継系
14.3.1
新地域系
図1−3.これまでの市内局番の使用数
3
19247
固定端末系の電気通信番号の使用状況(事業者分類ごとの市内局番の使用数)を図1−3
に示している。番号使用数全体としては、着実に増加する傾向にあるが、個々のカテゴリで
見ると、無線呼出しについては著しく減少している一方で、新地域系(NTT東西以外の地
域系事業者)及びCATVの番号使用数が著しく増加していることが分かる。
このように、固定端末系電気通信番号の需要に影響を与える要因としては加入電話、IS
DN、無線呼出しといった従来から提供されているサービスの利用者の推移だけでなく電気
通信事業者の新規参入動向、新たなサービスに対する電気通信番号の需要の発生・増大とい
った要因が考えられるが、これら諸要因のうち、加入電話、ISDN、携帯電話等のサービ
ス加入者数の推移、新規事業者数の推移等を個別に示した(図1−4∼1−7)。
(万加入)
8,000
7,280
固定系通信(加入電話+ISDN)
加入電話
移動系通信(携帯電話・PHS)
7,000
6,152
6,000
5,685
固定系
(2001.12末)
5,230
5,000
5,115
4,000
3,000
2,000
1,000
0
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10
H11
図1−4.固定系通信、加入電話等の加入者数の推移
4
H12
H13
(年度)
加入電話
(2001.12末)
無線呼出し
万加入
1200
1000
800
600
400
200
0
H8
H9
H10
H11
H12
H14.1
無線呼出し事業者数
社
40
30
20
10
0
H8
H9
H10
H11
H12
H14.1
図1−5.
「無線呼出しサービス」加入者及び無線呼出し事業者数の推移
ISDN契約回線数(平成12年度まで)
万回線
1000
800
600
400
200
0
H6
万回線
H7
H8
H9
INS64
H10
INS1500
H11
H12
年度
ISDN契約回線数(平成12年末以降)
1050
1000
950
900
850
H12.12 H13.1 H13.2 H13.3 H13.4 H13.5 H13.6 H13.7 H13.8 H13.9 H13.10 H13.11 13.12
図1−6.ISDN加入者数の推移
5
図1−4に示すように、加入電話の加入者数については、平成8年度をピークに減少傾向
にあり、また、無線呼出しサービスについては、図1−5のとおり、平成8年度以降、無線
呼出事業者の事業者数、加入者数のいずれも著しく減少しており、平成8年度には1000
万を超えていた加入者数が平成13年度末には8分の1以下にまで減少している。図1−6
にはISDN加入数の推移を示しているが、平成12年度まで急増していたが、ADSLの
急激な普及に伴い、平成13年度以降は減少する傾向にある。
このように、固定端末系電気通信番号の需要については、減少していく要因が現れている
一方で、図1−7に示すとおり、電気通信事業者の新規参入に加えて、無線呼出し事業者の
急激な減少を加味すれば、新たに固定端末系電気通信番号を使用する新規参入事業者は増加
する傾向にあるといえる。
(社)
450
400
350
300
250
200
150 153
100
53
50
39
0
9 年度
一種事業者
381
344
251
179
60
39
57
32
10 年度
11 年度
うち 0AB∼J 番号使用事業者
42
11
33
12
12 年度
14.3.1
うち無線呼出し事業者
図1−7.新規事業者の参入状況
1.3
需要増加に伴う番号逼迫への対応策(短期的対策)について
これまで、番号需要の増加に伴って市内局番が逼迫した場合には、市内局番の桁数を増加
させる番号変更によって、電気通信事業者に指定可能な市内局番を増やすことを行っている。
具体的な方法は「平成11年度
電気通信番号に関する研究会」で提言されており、図1−
8のように、複数のパターンがある。
パターン1は、市外局番の末尾が0、1以外の場合に、桁ずらしによる番号変更で、市外
局番の末尾の数字を市内局番の先頭の数字に桁ずらしを行う方法である。これにより、市外
局番の末尾がCコードである地域について、このような番号変更を行うと、Dコードの0、
6
1の市内局番が新たに使用可能となり、20個程度の市内局番を増加させることができる。
パターン2も同様に桁ずらしによる方法であるが、Cコードが0、1の場合には、パター
ン1による方法が採れないため、2桁ずらしを行う方法である。これによりパターン1と同
様に20個程度の市内局番を増加させることができる。
パターン3は0を除いて8桁の地域に適用されてきた方法で、市内局番の先頭に新たな一
桁を挿入する方法であり、市内局番数を10倍にすることが可能である。最近では、平成1
1年に大阪(06)の桁増を行っている。
その他、市内局番の領域に未利用領域がある場合は、利用計画を変更し、当該市内局番を
新たに利用可能とする方法があり、この場合には番号変更の必要はない。
なお、番号逼迫とは関係なく、同一MA(単位料金区域)内で複数の市外局番が存在して
いる場合に住民要望に従って市外局番を統一する番号変更、いわゆる閉番号化も行われてお
り、この閉番号化によっても、桁ずらしの場合と同様に新たに使用できる市内局番を増加さ
せることができる。
パターン1: 桁ずらしによる番号変更
パターン2:桁ずらしによる番号変更(2)
(Cコードが0又は1の場合)
横須賀(神奈川県): 平成15年1月11日
柏(千葉県):平成14年2月11日 (C=1)
0468-△△-××××
046-△△△-××××
0471−△△−××××
04−△△△△ −××××
パターン3: 桁増による番号変更
その他: 未利用番号計画領域の割り当て
大阪(大阪府):平成11年11月1日
06−△△△−××××
06−6△△△−××××
静岡(静岡県):平成10年8月1日利用計画変更
054−200∼299
054−200∼299
054−600∼699
054−600∼699
054−900∼999
その他:市外局番の統一
加計(広島県):平成15年2月1日変更
08262−△−××××
08263−△−××××
0826−△△−××××
MA
市外局番
08262
MA
市外局番
0826
市外局番
08263
図1−8:これまでの番号変更のパターン
1.4
固定端末系の電気通信番号における今後の番号需要及び対応策
「平成11年度
電気通信番号に関する研究会」においては、市内局番の消費動向から見
た番号逼迫想定時期の予測を行うと同時に、その結果を踏まえ、先に述べた短期的逼迫対策
を採りつつ、将来的な番号需要に備え、桁増等の長期的逼迫対策の詳細を早期に検討する必
7
要がある旨、提言がなされた。
このため、本研究会では、固定端末系電気通信番号の需要増加の要因だけでなく、ISD
N、加入電話、無線呼出し等、需要の減少の要因を考慮したうえで、実際に今後の番号需要
を予測し、番号逼迫時期について改めて検証を行った。
(1)
固定端末系の電気通信番号の需要予測
今後の番号需要を予測する方法として、過去の番号消費動向から番号の逼迫が予想され
る地域を抽出し、当該地域における事業者の番号需要をアンケート調査で把握することに
より、今後の番号需要予測を行った。以下では、その具体的な方法及び結果を示す。
固定端末系の電気通信番号逼迫時期を予測するために、第一段階 (①∼③まで) として、
過去5年間の市内局番数の増減に基づく線型予測により、各番号区画単位で番号逼迫が想
定される地域を選定し、当該地域を含む0AB地域全域を予測の対象地域として選定した。
これらの地域を対象として、より高い精度でシミュレーションによる予測を行うため、
第二段階(④∼⑥まで)では、逼迫想定地域でサービスを提供している事業者及び今後提供
を予定している事業者に対して番号需要に関するアンケート調査を行い、調査結果を踏ま
えて需要予測を行った。
【第1段階】(予測対象地域の選定)
①
市内局番の需要増加の動向は地域により異なることから、地域ごと(番号区画ご
と)に番号需要の増加を推計した。
②
固定端末系の電気通信番号において、無線呼出しによるものと、それ以外のもの
における番号消費動向は大きく異なるため、無線呼出用とそれ以外の電話(ISD
N等を含む)用(以下、単に「加入電話用」という。
)に使用される市内局番を区別
した上で、市内局番について、2001年度末の市内局番使用数から1996年度
末の市内局番使用数を差し引いた過去5年間(97年度∼01年度)の増加数を5
で割ったものを今後の1年間の増加数として、2001年度末の市内局番使用数及
び使用可能局番数から逼迫想定時期を推計した。
その際の条件として、市内局番の使用は10個連続の単位で使用することとし、
番号逼迫時期は当該番号区画を含む0AB地域内の使用可能な全ての市内局番を
消費し新たに10個単位の市内局番が必要となる年度とした。
③
2030年度までに番号逼迫時期が到来する0AB地域を抽出した。(⇒予測対
象エリアの選定。)
①から③の作業により抽出された地域は表1−1のとおり。
8
表1−1:予測対象地域
0AB
地域
番号区画コード(数)
逼迫時期
022
宮城
121∼129(9)
2027年度
026
長野
171∼183(13)
2027年度
042
東京、埼玉、神奈川 220∼228(9)
2010年度
047
千葉
242∼253(12)
2023年度
048
埼玉
254∼258(5)
2018年度
052
愛知
267(1)
2025年度
055
山梨・静岡
289∼300(12)
2026年度
056
愛知
301−3∼313(12)
2026年度
072
大阪
364∼372(8)
2016年度
079
兵庫
429∼449(19)
2022年度
082
広島、山口
450∼467(16)
2023年度
【第2段階】(具体的な予測作業の実施)
④
予測対象地域でサービスを提供している事業者及び今後提供を予定している事
業者について、平成14年6月末∼7月中旬にかけてアンケートを実施し、事業者
ごとに番号需要の動向調査を行った。調査対象事業者を表1−2に示す。全般的な
番号消費傾向を表1−3に示しているが、番号需要の著しい増加が見込まれず、C
ATV等の新規参入事業者が必要とする番号の増加が見込まれる結果となっている。
表1−2:調査対象事業者
送付元
送付先
(社)電気通信事業者協会
会員(第一種電気通信事業者)
(社)テレコムサービス協会
会員(第二種電気通信事業者)
(社)日本ケーブルテレビ連 会員(CATV事業者)
盟
総務省
上記以外の第一種電気通信事業者
合計
886事業者(全体として回答189社)
表1−3:今後の番号需要の傾向
(回答・・32社)
回線種類
固定電話
ISDN
⑤
番号需要の傾向
大幅な増減なし
直収
一部エリアで微増方向
CATV
増加傾向
次に、上記各サービス形態(固定電話、ISDN、直収、CATV)について、
9
アンケートの結果から導かれた今後の番号需要の動向から、それぞれのサービス形
態についてアンケートだけでは得ることができない数値に関する条件を表1−4及
び表1−5に示すとおりとして、番号需要の予測作業を行った。
表1−4:10年後予測が未記入の場合の扱いについて
回線種類
前提条件
固定電話
需要が減少傾向であり、現状維持とする。
ISDN
需要が減少傾向であり、現状維持とする。
CATV
5年後までの平均需要を直線的に10年後まで延ばす。
直収
5年後までの平均需要を直線的に10年後まで延ばす。
表1−5:アンケート対象外の年度(2,4,6∼9,11∼20 年後)の予測値について
回線種類
前提条件
固定電話
需要が減少傾向であり、現状維持とする。
ISDN
需要が減少傾向であり、現状維持とする。
CATV
2年後は、1∼3年後の2年間平均需要を直線的に延ばす。
4年後は、3∼5年後の2年間平均需要を直線的に延ばす。
6∼9、11∼20年後は、5年後∼10年後までの5年
間平均需要を直線的に延ばす。
直収
2年後は、1∼3年後の2年間平均需要を直線的に延ばす。
4年後は、3∼5年後の2年間平均需要を直線的に延ばす。
6∼9、11∼20年後は、5年後∼10年後までの5年
間平均需要を直線的に延ばす。
以上の検討を踏まえて、予測作業を行った結果については、別表のグラフに示している。
番号需要予測の結果から、第1段階で選定した番号逼迫想定地域(計116の番号区画)
のうち、今後20年後(2021年度)までに、番号が逼迫すると予測されるのは17区
画であり、それら区画単位での逼迫状況を表1−6に示している。
10
表1−6:番号区画単位での逼迫状況
番 号 区
地域
市外局番
逼迫時期
必要局番数
125
白石
0224
2002 年度
1
221
国分寺
042
2008 年度
12
222
武蔵野三鷹
0424
2014 年度
4
225
相模原
042
2021 年度
1
227
所沢
042
2002 年度
3
228
飯能
0429
2002 年度
2
244
鴨川
0470
2002 年度
1
245
柏
04
2015 年度
5
296
身延
05566
2002 年度
1
368
岸和田貝塚
0724
2007 年度
4
372
八尾
0729
2004 年度
9
452
久賀
0820
2002 年度
1
2003 年度
3
画
08247
456
∼
08248
庄原
460
082485
082486
082488
(2)
番号逼迫地域における短期的な対策
番号の逼迫が想定される地区における逼迫対策としては、従来よリ行われている桁ずら
しによる短期的対策のほかに、次の各対策が考えられる。
①
千番号単位割当
現在、1万番号単位で事業者に割り当てている市内局番について、千番号単位の割り
当てを行うものであり、これにより、特に番号逼迫地域における効率的な番号資源の利
用が図られることとなる。
特に、多くの番号を必要としない、新規参入事業者の増加による番号需要の増大に対
して有効に機能すると考えられる。
この場合、対象地域を限定するか否か、限定する場合の基準は何か、特定事業者のみ
を適用対象(又は適用対象から除外)とするか、公平性の観点から全事業者を対象とす
るか等の検討が必要である。
また、千番号単位の番号指定には、事業者においてシステム改修が必要となるため、
この方法によって対処する場合には、技術的な課題等が残されている。
②
閉番号ダイヤルの廃止
閉番号ダイヤルを廃止することにより、現在使用されていない市内局番の先頭の0と
11
1を使用して容量拡大を行うものである。
「平成11年度
電気通信番号に関する研究会」においては、0AB∼J番号の短期
的な逼迫対策として、1桁市外局番を導入し、市外局番が1桁になるまで、桁ずらしを
行うこととされており、この場合に、B=1のケース(B=0の場合は、0A0番号と
して使用される。B=1かつA≠1,9の場合に限る。)のみにおいて、実際に閉番号
ダイヤル廃止によって市内局番を増やすことができる。
③
市外局番のオーバーレイ
これまでの市外局番以外に同一地区に新しい市外局番を導入するもの。例えば、同じ
県で使われている市外局番で市内局番が空いているものを当該地域でも使用する方法
である。既存利用者は番号変更がないが、同一地区で複数の市外局番の利用となるなど
複雑になる。また、新規・既存事業者で不公平な扱いとなるおそれがあるとともに、利
用者は市外局番からダイヤル先の地域を認識することができなくなる。
④
同一県の他市外局番への移動
同一県で使われている市外局番で、市内局番の番号逼迫のない地区の市外局番・市内
局番へ移動するもの。多数の利用者の番号変更を伴うものであり、現実的な方法とは考
えられない
(3)
番号逼迫地域における長期的な対策
これまでの0AB∼J番号体系に1桁追加(0も含めて11桁化)することにより、抜
本的な番号容量の拡大を行う対策法である。
諸外国の例を見ると、2002年3月1日に、シンガポールでは固定電話の従来の番号
7桁の前に「6」を追加し、番号が7桁から8桁に変更された事例がある(携帯電話・ポケ
ットベル番号は既に8桁)。
しかしながら、11桁化は、利用者及び電気通信事業者双方への影響が大きく、今後の
事業動向、電気通信分野における新たなサービスの展開、並びに利用者の意見を総合的に
勘案するなど詳細な検討が必要である。
(4)
番号需要予測結果の分析
番号需要予測の結果、20年後までに逼迫が予測される17地域について、番号区画単
位での逼迫状況と対策案につき、表1−7に示す。
12
表1−7:逼迫予測及び対策案(2002 年 7 月時点での予測)
番号
地域
区画
市外
逼迫時期
千番号単位割当によ
局番
※1
る逼迫時期のずれ
短期的逼迫対策案
125
白石
0224
2002 年度
同時期
番号領域追加
221
国分寺
042
2008 年度
2 年先
番号領域追加
222
武蔵野三鷹
0424
2014 年度
3 年先
桁ずらし(042 化)※2
225
相模原
042
2021 年度
2 年先
番号領域追加
227
所沢
042
2002 年度
同時期
桁ずらし(04 化)※3※4
228
飯能
0429
2002 年度
同時期
桁ずらし(042 化)※3※4
244
鴨川
0470
2002 年度
同時期
桁ずらし(04 化)
245
柏
04
2015 年度
3 年先
番号領域追加
296
身延
05566
2002 年度
同時期
桁ずらし(0556 化)※4
368
岸和田貝塚
0724
2007 年度
6 年先
桁ずらし(072 化)
372
八尾
0729
2004 年度
2 年先
桁ずらし(072 化)
452
久賀
0820
2002 年度
同時期
番号領域追加
2003 年度
同時期
閉番号化(0824 化)※4
08247
456
08248
∼
庄原
460
082485
082486
082488
※1: 2002 年 6 月末∼7 月中旬に実施した事業者アンケートの結果から予測したもの。
※2: 04240 は国分寺で使用中のため、桁ずらしで 04241 を割当。また番号区画 220 の武蔵野三鷹(0422)
との閉番号化によっても対応可能である。
※3: 所沢と飯能で共用している 0429D の空き D コードが 04291 のみであり、かつ 042D での県識別
が必要であることから、所沢と飯能の何れかで 04 化が必要。この例では、飯能を 042 化した上
で 042-91x を割り当て、所沢を 04 化することとした。
※4: 平成 15 年 5 月に告示改正を実施。
この番号需要予測の結果を検討した結果は次のとおりである。
①
第一段階で抽出した番号逼迫想定地域(計116の番号区画)のうち、今後20年
後(2021年度)までに、番号が逼迫すると予測されるのは17区画である。
②
番号逼迫が予測される17区画についてはいずれも、
「1.3
需要増加に伴う番号
逼迫への対応策(短期的対策)について」で述べた固定端末系電気通信番号の番号逼
迫の短期的対策により対処可能である。
③
事業者への新規番号指定単位を現在の市内局番単位から千番号単位へ変更した場合
の効果は、空き市内局番のある区画について、逼迫時期が数年延びる程度であり、空
き市内局番のない区画については、効果がない。
13
したがって、今後20年間において番号が逼迫する地域については、現行の短期的対策
により0AB番号エリア単位での逼迫を回避可能であるとの予測が結論として得られてい
る。よって、システム改修等の課題が付随する千番号単位の番号付与等の新たな逼迫対策
については、基本的に必要ないものと考えられる。さらに、閉番号ダイヤル廃止、市外局
番のオーバーレイ、同一県他局番への移動などの対策についても、番号変更、ダイヤリン
グ手順の変更など、ユーザへの影響が生じることから、現時点での対策を行うことは適当
ではないと考える。
なお、今回の予測結果は一種・二種の事業区分に基づいた現行制度を前提としたもので
あり、今後、第3章、第4章を踏まえた制度変更が行われることにより、電気通信事業の
動向等の変化によって電気通信番号の需要動向に変化が生じる可能性があることにも十分
に留意することが必要である。
1.5
IP電話の電気通信番号(050)に関するアンケート調査結果と需要予測
(1)
目的
平成14年6月、関係省令の改正を実施し、公衆網からIP電話へ着信するための電気
通信番号として「050」から始まる電気通信番号(11桁)を制定したところであるが、
今後IP電話が急激に普及することも予想されることから、各電気通信事業者にアンケー
トを行い、現時点で想定される今後の需要動向の把握を行った。
(2)
実施方法及び回答状況
前項の「固定端末系電気通信番号の需要予測」で実施したアンケートと併せて、IP電
話用050番号の需要に関する調査を行った。050番号の取得に関して、114事業者
より、
「予定あり」もしくは「検討中」と回答があった。うち、開始予定時期、番号需要数
ともに回答が得られたのは、64事業者であった。
(3)
需要予測方法
次の条件に従い、事業者ごとに、平成15年度から平成24年度までの各年度の需要予
測番号数を算出した。
算出にあたっては、CDEFコード単位で指定を行った場合の需要のほか、番号の指定
単位を千番号単位とした場合に番号ひっ迫対策としてどれだけの効果があるか検証を行う
ため、あわせて千番号単位で指定を行った場合の需要も算出した。
①
サービス開始後10年後の予測が未記入の場合には、5年後までの平均需要増を基
に10年後の番号数を算出
②
アンケート対象外の年度(サービス開始後2、4、6∼9年後)の予測値について
は、以下のとおりとする。
・2年後は、1∼3年後の2年間平均需要から算出
14
・4年後は、3∼5年後の2年間平均需要から算出
・6∼9年後は、5年後∼10年後までの5年間の平均需要から算出
(4)
番号需要予測結果
予測に基づく番号需要の動向を図1−9(CDEFコード単位)
、1−10(千番号単位)
に示す。
予測の結果、需要はほぼ同じ比率で増加し、10年後における番号の総需要は、どちら
で指定を行った場合でも同程度であり、CDEFコード単位で8千番号程度となった。
(5)
番号需要予測結果の分析
この予測の範囲では、050の番号空間での逼迫は10年間ないものと考えられる。
なお、今回のアンケート調査は050番号によるIP電話のサービス開始前での需要予
測であるため、今後のサービス開始後の動向を踏まえ、必要な時期に改めて、需要予測に
ついて検証していく必要があると考えられる。
15
(CDEF)
9000
8000
7000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
0
H15
H16
H17
H18
図1−9
H19
H20
H21
H22
H23
H24
050番号需要見込み(CDEF コード単位)
(千番号)
90000
80000
70000
60000
50000
40000
30000
20000
10000
0
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
図1−10 050番号需要見込み(千番号単位)
CDEF コード
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
839
1,448
2,031
2,855
3,733
4,600
5,498
6,361
7,220
8,085
8,378
14,194
20,050
28,315
37,109
45,815
54,762
63,396
72,035
80,671
単位
千番号
単位
16
年度
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
40
0
20
0
年度
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
︶
︵
︵
︶
40
30
20
10
0
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
60
年度
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
20
20
20
20
20
20
20
20
80
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
80
︵
︶
80
70
番
号 60
需
要 50
20
年度
国分寺(042 番号区画221)
【局番需要】
140
1400
120
番 1200
号
需 1000
要
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
単
位
・
千
番
号
20
武蔵野三鷹(0424 番号区画222)
【局番需要】
900
番
号
需
要
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
単
位
・
千
番
号
相模原(042 番号区画225)
【局番需要】
1400
120
60
40
単
位
・
千
番
号
所沢(042 番号区画227)
【局番需要】
800
︶
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
年度
17
番
号
需
要
700
単
位
・
千
番
号
400
300
年度
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
09
08
07
06
05
04
白石(0224 番号区画125)
【局番需要】
20
20
20
20
20
03
単
位
・
千
番
号
20
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
02
01
番
号
需
要
20
25
20
20
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
0
︶
140
︵
番
号
100
需
要
︵
単
位
・
局
番
5
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
︶
単
位
・
局
番
10
︶
︵
番
号
需
要
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
02
15
︵
01
単
位
・
局
番
20
︶
20
単
位
・
局
番
︶
番
号 100
需
要
︵
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
︶
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
番
号 20
需
要
︵
︵
単
位
・
局
番
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
■番号需要グラフ(番号区画毎)
(別表)
白石(0224 番号区画125)
【千番号需要】
250
200
150
100
50
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
0
年度
国分寺(042 番号区画221)
【千番号需要】
800
600
400
200
0
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
年度
武蔵野三鷹(0424 番号区画222)
【千番号需要】
800
700
600
500
400
300
200
100
0
年度
600
400
200
100
0
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
相模原(042 番号区画225)
【千番号需要】
番 1200
号
需 1000
要
800
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
0
年度
所沢(042 番号区画227)
【千番号需要】
600
500
200
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
年度
18
年度
20
20
20
20
20
20
20
20
21
20
19
18
17
16
15
14
13
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
年度
20
12
年度
11
10
年度
20
20
20
09
柏(04 番号区画245)
【局番需要】
20
08
身延(05566 番号区画296)
【局番需要】
20
07
鴨川(0470 番号区画244)
【局番需要】
09
08
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
20
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
09
08
07
06
05
04
03
02
01
飯能(0429 番号区画228)
【局番需要】
20
07
岸和田貝塚(0724 番号区画368)
【局番需要】
20
単
位
・
千
番
号
06
︶
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
︵
番
号
需
要
20
90
06
0
20
︶
︶
50
40
30
20
10
0
︵
︵
番 80
号 70
需
要 60
単
位
・
千
番
号
05
2
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
600
20
8
番
号
需
要
単
位
・
千
番
号
05
10
1000
20
0
04
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
番
号
需
要
20
4
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
120
04
0
20
20
︶
6
単
位
・
千
番
号
03
40
番
号
需
要
20
10
03
12
20
年度
20
0
02
60
80
︵
︶
単
位
・
局
番
2
単
位
・
千
番
号
20
4
番
号
需
要
02
単
位
・
局
番
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
20
6
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
単
位
・
局
番
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
︶
︵
番
号
需
要
8
01
25
20
番
号
需
要
︵
100
︶
番
号
需
要
︵
単
位
・
局
番
5
20
10
01
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
20
15
20
︶
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
単
位
・
局
番
︶
︵
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
20
︵
︶
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
︵
番
号
需
要
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
■番号需要グラフ(番号区画毎)
(別表)
飯能(0429 番号区画228)
【千番号需要】
250
200
150
100
50
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
0
年度
鴨川(0470 番号区画244)
【千番号需要】
120
100
80
60
40
20
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
0
年度
柏(04 番号区画245)
【千番号需要】
1200
800
400
200
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
0
年度
身延(05566 番号区画296)
【千番号需要】
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
年度
岸和田貝塚(0724 番号区画368)
【千番号需要】
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
■番号需要グラフ(番号区画毎)
(別表)
八尾(0729 番号区画372)
【千番号需要】
八尾(0729 番号区画372)
【局番需要】
20
21
19
20
20
17
18
20
16
20
20
14
13
15
20
20
20
11
12
20
20
加入電話
番号容量
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
年度
庄原(08247、08248、082485、082486、082488 番号区画456∼460)
【千番号需要】
21
20
20
18
19
20
20
17
20
20
16
15
20
20
14
12
13
20
20
10
11
20
20
09
20
20
08
20
07
06
20
20
05
20
04
20
20
20
20
年度
03
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
01
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
︶
単
位
・
千
番
号
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
02
番
号
需
要
︵
︶
0
20
40
︶
︵
5
CATV
直収
ISDN
60
0
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
10
09
80
単
位
・
千
番
号
庄原(08247、08248、082485、082486、082488 番号区画456∼460)
【局番需要】
単
位
・
局
番
10
100
年度
番 20
号
需 15
要
20
120
番
号
需
要
︵
︶
6
4
2
0
20
07
久賀(0820 番号区画452)
【千番号需要】
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
︵
単
位
・
局
番
08
06
05
年度
久賀(0820 番号区画452)
【局番需要】
番 12
号 10
需
要 8
20
20
20
20
20
年度
20
01
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
20
06
20
07
20
08
20
09
20
10
20
11
20
12
20
13
20
14
20
15
20
16
20
17
20
18
20
19
20
20
20
21
0
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
03
︶
︶
20
単
位
・
千
番
号
04
CATV
直収
ISDN
加入電話
番号容量
40
20
︵
︵
60
単
位
・
局
番
02
80
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
20
番
号
需
要
20
100
番
号
需
要
年度
※ 庄原の市内局番なしの3区画は2003年度に需要見込みがあるため、千番号単位の場合も
同様に2003年度に逼迫となる。 グラフは、庄原全体の番号容量として表している。
19
第2章
ENUM導入に向けての検討課題
20
2.1
ENUMをとりまく状況
(1)ENUMとは
ENUM(Telephone Number Mapping)とは、DNS(Domain Name System)の機能
を用いて、電話番号(E.164番号)を使用して、電話、e−mail等のIPネット
ワーク上の様々なアプリケーションに接続するためのアーキテクチャ及びプロトコルとし
て、現在、ITUとIETF(Internet Engineering Task Force)が共同で開発・導入を
検討している。
具体的な変換手順について図2−1に示しているが、先ず、通常の電話番号をドメイン
名に変換する(変換方法は、IETFのRFC2916において規定。)。次に、ドメイン
名をDNSサーバに照会すると、DNSサーバから着信先のURIを回答する。最終的に
は、このURIが対応するIPアドレスに変換し着信先に接続することになる。
通常の電話番号※1: +81-3-5253-5111
下位ドメインから電話番号の順序を反対にして並べる
ENUM機能
ドメイン名へ変換: 1.1.1.5.3.5.2.5.3.1.8.e164.arpa※2
5111 5253
3 +81 ICANNが用意したトップレベルドメイン
DNS※3によりドメイン名を着信側が予め登録したURI※4に変換
URIへ変換:
・sip:[email protected] ・mailto:[email protected]
・http://taro.soumu.go.jp ・tel:+81-3-5253-5862
・h323:[email protected]
同一の電話番号で、
IP網の様々なアプリ
ケーション(電話、
e-mail、faxなど)
にアクセスすること
が可能
URIを基に、対応するIPアドレスに変換
IPアドレスへ変換: 172.31.47.254( 8ビット毎に区切った32ビットの数字(IPv4の場合))
※1:ITU-T勧告E.164で規定される国際公衆電気通信番号。外国からの着信も可能な、国番号を含めて15桁以内の番号
※2:address and routing parameters area top level domainの略。ENUMで使用されるDNSドメインとして提案された
ものであり、現在、その使用についてはITUにおいて検討中。
※3:domain name systemの略。ドメイン名に対応するIPアドレス(ENUMではURI)へ変換する分散型データベースシステム
※4:uniform resource identifierの略
図2−1:ENUMにおける電話番号からIPアドレスへの変換手順
(2)ITUにおけるENUMの検討状況
ENUMについては、2000年1月、ITU−Tにおいて開催された「公衆網とIP
ネットワークとのインターワーキング・ワークショップ」において、IP電話の番号を検
討する上での課題の 1 つとして取り上げられ、ITUとIETFが協調して検討を進める
こととなった。
具体的には、ITU−T
SG2において、ENUMの管理・運用に関する検討を行っ
ており、関連プロトコル等の技術的な事項については、IETFのENUM−WGにおい
て検討が行われている。
2000年10月に開催されたITU−T
SG2
WP1会合においては、ENUM
D N S に 設 定 さ れ る E . 1 6 4 番 号 の 管 理 手 順 に つ い て 議 論 さ れ た 。 具 体 的 に は、
「x.x.x.x.x.x.x.e164.arpa」を3つのゾーン(ドメイン(e164.arpa)
、国番号、国内)に
21
分割し、それぞれの管理主体を明確にし(ドメイン:未定、国番号:ITU、国内:各国
主管庁等)
、それら管理主体がDNSの管理者に責任をもって、各ゾーンにおける番号割当
情報や更新情報をインプットすること等が確認された。また、当該管理手順をガイドライ
ンとして策定することについて検討を行っていくこととなった。
2001年1月に開催された「ENUMワークショップ」では、技術面及び規制面の観
点から、ENUMの導入にあたり配慮、注意すべき事項について各国関係者の間で意見交
換が行われ、ENUMの管理手順に関する課題のリストアップを行った。
その後、ITU−T
SG2会合では、ENUMの管理手順(番号情報のDNS管理者
への提供方法)に関するガイドラインの策定作業が継続的に行われており、2002年5
月に開催された同会合においては、地域別国番号用のITU−Tの補遺文書(supplement)
が取りまとめられており、他のENUMに関する勧告及び補遺文書についても、2003
年中のとりまとめを目標として、現在作業が進められている。
図2−2:ITUにおけるENUMの主な検討経緯
ENUMにおけるDNSの構成は、図2−3のとおりであり、ITUにおいては、EN
UMの運用・管理に関する役割分担を表2−1のとおり定め、このなかにあるTier0
及びTier1に関する管理運用手順の検討を行っている。
22
Tier1のDNSへポイント
Tier0
e164.arpa
Tier2のDNSへポイント
ITU
日本
Tier 1
米国
1.8.e164.arpa
英国
1.e164.arpa
4.4.e164.arpa
・・・・・
Registry
国内主管庁、または
それが任命する登録
団体(国内マター)
サービスA
サービスB
X.X.1.8.e164.arpa
Tier 2
※
Service Registrar 事業者A
事業者B※
Y.Y.1.8.e164.arpa
サービスC
Z.Z..1.8.e164.arpa
・・・・・
事業者C※
通信事業者、企業等
・・・・・
※番号に対応する
URI情報を保持
※サービス提供事業者と実際にDNSサーバを運用する組織が同じとは限らない。
図2−3
表2−1
ENUMにおけるDNS構成
ENUMの運用・管理に関する役割分担
(3)国際的な検討状況
ENUMについては、ITU、IETFを中心として検討が進められているところであ
るが、諸外国においても、次のとおり、フォーラムや標準化機関のなかで検討が行われて
いる。
①
ENUM
Forum
北米番号計画(North American Numbering Plan)の下で、E.164番号を対象とす
るENUMを取り入れるための枠組みの構築を目的として、2001年8月に設立されて
いる。
23
2002年11月には、Tier1及びTier2に対する要求条件に関するドキュ
メントをとりまとめている。
②
The
UK
ENUM
Group(UKEG)
英国におけるENUMを導入する際の課題及び解決策について、産業界の立場からと
りまとめ、英国貿易産業省(DTI)に提言することを目的として、2001年9月に設
立されている。
2002年4月には、Preliminary 報告をとりまとめており、同年9月にはトライア
ル参加の呼びかけを行っている。
③
ETSI(欧州電気通信標準化機構)
IPネットワーク上での音声通話やマルチメディア通信の商用サービス化に向けた統
一仕様の策定について検討を行っているTIPHON(Telecommunications and Internet
Protocol Harmonization Over Networks)プロジェクトでは、2002年10月に欧州に
おけるENUM相互接続のための最低要件について提言を行っている。
また、各国でENUMのトライアルを行うため、RIPE
NCCの管理の下で、
「国
番号.e164.arpa」のドメインが付与されている。
(4)国内における検討体制等
我が国においても、平成14年9月には、インターネット電話の進展に貢献できるよう、
日本の実情に即したENUMの管理運用方式や技術標準を民間主導で提案することを目的
とする非営利の任意団体「ENUM研究グループ」
(議長・研究会長 後藤滋樹教授(早大)
)
が設立され、平成14年12月にはENUMの概要、ENUMによって解決できる課題等
について、また、平成15年5月にはENUMの登録モデル、個人情報保護とセキュリテ
ィ等についてとりまとめた報告書が公表されたところである。
このような民間における取組との連携を図りながら検討を行い、本研究会でのENUM
導入に係る制度面の基本方針の検討に資することを目的として、総務省において「ENU
M検討小グループ」が設けられ、その検討結果が本研究会に提案された。これを受け、本
研究会において、ENUM導入に係る制度面の基本方針の検討を行い、その検討結果を以
下のとおりとりまとめたものである。
2.2
ENUMの必要性
ENUMは、DNSの機能を用いて、電話番号(E.164番号)を使用して、電話、
e−mail等のIPネットワーク上の様々なアプリケーションに接続するためのアー
キテクチャ及びプロトコルであり、①複数の事業者のネットワークが相互接続されたIP
電話におけるIPアドレスと番号の変換スキームとして期待されているだけでなく、②電
話番号とIPアドレスを対応させることによって、IP電話以外のインターネットを利用
24
したサービスに活用することが考えられる。
ENUMの導入目的からは、次のとおり、電気通信事業者がルーティング等を行うため
に必要とする事業者ENUMと、ユーザが電話番号(E.164番号)に対応するDNS
に登録されているデータを管理するユーザENUMの2つの形態に分類することができ
る。
(1)事業者ENUM
IP電話事業者が、電話番号によって、IP電話の接続を行う場合の電話番号とIPア
ドレスを対応づける方法として、事業者がENUM技術を利用して実現する場合など、電
気通信事業者が電話等の電気通信サービス実現のために導入するENUMを事業者ENU
Mとする。事業者ENUMにおいては、事業者が主体となって、IP電話の呼接続のため
に、電話番号に対応するDNSレコードの管理を行う。
平成14年9月から、IP電話に着信するための電話番号として、新たに「050」か
ら始まる番号を使用できることとなったが、今後、複数の事業者のIPネットワークが相
互接続された場合においては、相互接続に係る技術的検討が必要となり、その一つとして、
電話番号からURIへの変換及び変換情報の管理について、事業者間の共通のスキームを
構築することが有効である。事業者ENUMは、このスキームの有望な一方法と考えられ
る
(2)ユーザENUM
一方、ユーザENUMは、ユーザが自らの意志で電話番号に対応するDNSレコードの
登録や、電話番号に対応するアプリケーションを特定し、インターネット上で電話番号を
活用するためのスキームである。
発信側のインターネット接続ユーザは、電話番号によって、着信側のユーザが予め登録
したレコードを参照し、適切なアプリケーションを起動することが可能となる。
IETF等において、広く検討が進められているENUMは、このユーザENUMとし
ての議論が中心となっている。
(3)ENUMに関する検討
我が国におけるENUMの導入を検討するにあたっては、事業者ENUM及びユーザE
NUMのいずれも検討対象とすることが適当と考える。国際的な検討のなかではユーザE
NUMが主に議論されていることから、ENUMの技術的な課題については、まずはユー
ザENUMを中心として、国際的なフォーラムとの連携を図りながら、ENUM研究グル
ープなどにおいて検討することが適当と考えるが、我が国における電気通信番号の在り方
に密接に関連する課題については、電気通信番号に関する研究会等の場において検討する
必要がある。
具体的には、事業者ENUMについてはIP電話の番号管理の在り方として、ユーザE
NUMについてはユーザENUMで用いるE.164番号の利用の在り方としての検討が
必要であり、電気通信番号を利用する利用者に与える影響、電気通信番号の効率的な使用
25
等の観点から広く検討を行う必要がある。
(4)ENUM導入の必要性
国際的に検討が進められていることから、国際的な協調を図り、相互接続を確保するた
めには、国際的に有効とされるスキームであるユーザENUMの検討を進めることが適当
と考えられる。また、ユーザENUMの具体的な利用目的が、現時点においては必ずしも
明らかであるとは言えないが、新たなアプリケーションの可能性から、国際的な動向に遅
れることなく、早期に検討を進めていくことが必要である。
また、IP電話における事業者ENUMについては、IPアドレスと電話番号を対応さ
せる唯一の方法ではなく、事業者によっては他の方法を採用することも考えられる。
しかしながら、国際的な協調を図るとともに、相互接続性を確保するためには、共通の
方法によって、多数の事業者が参加できることが求められることから、現時点で有望な方
式と考えられる事業者ENUMについても検討を進めることが適当である。この場合、事
業者ENUMを導入する事業者間において、相互接続性が確保できるよう共通の枠組みを
構築することが望ましい。
2.3
ENUMの対象とする番号等
事業者ENUMについては、IP電話の呼接続のために使用されることから、
「050」な
どIP電話に使用する番号を当面の対象とすることが適当と考えられる。
一方、ユーザENUMについては、ユーザが自らの意志でE.164番号に対応したDN
Sレコードを登録することとなるため、その対象は「050」などIP電話に使用する番号
に限られるものではなく、全てのE.164番号が対象になり得ると考えられる。
(1)E.164番号(既存)を対象とする場合(050、0AB∼J等)
E.164番号は、電話網においてサービス、設備等を一意に識別することとなっている。
この際、既に使用されているE.164番号を事業者ENUMの対象とする場合については、
事業者が電話網にて本来の番号の目的で使用することが条件となるため、問題はない。
一方、既に使用されているE.164番号をユーザENUMの対象とする場合には、電話
網とは異なる世界で使用することとなるほか、本来、その電気通信番号により識別すべきサ
ービス、設備等を識別するとは限らないことになる。このように、本来の電気通信番号の目
的とは異なる目的で使用することを許容することとなるため、制度的可否も含め、利用者に
混乱を与えることのないよう慎重に検討することが必要である。
(2)E.164番号(新規/未使用)を対象とする場合(新規0A0、及び050、0A
B∼J等の未使用番号)
事業者がENUMを用いて既存と異なるサービスを実現する場合、既存のE.164番号
に影響を与えないという観点から、新たな体系のE.164番号(例えば新規0A0等)を
定めることが考えられる。この場合、電話番号の有効な利用の観点から、例えば事業者が責
26
任を持って電話網で着信することを保証するなど(事業者ENUM)、サービスの条件及び指
定の妥当性について、十分な検討が必要である。また、他の電気通信番号を含めて番号空間
が逼迫することにならないよう、番号容量を十分考慮することも必要である。
ユーザENUMの場合、諸外国の動向等から、既存電話番号を様々なアプリケーションと
関連付けて使用するのが基本と思われることから、電話網からの着信を目的としない用途、
あるいは電話網から着信できないサービスに有限なE.164番号の空間を与えることの是
非について、慎重な検討が必要である。
いずれにしても、番号桁数変更等による番号容量の拡大については、利用者に影響を与え
ること、交換設備等の改修などを伴うことから、慎重な検討が必要とされる。
また、ユーザENUM及び事業者ENUMの導入を円滑に進めるために、例えばユーザの
混乱を避ける等の理由により、既存と異なる番号(新規0A0または050、0AB∼J等
の未使用番号)を、トライアルを目的に一時的に指定するという議論もある。これについて
は、利用目的の妥当性やトライアルの詳細などを明らかにした上で慎重に検討を行うことが
必要である。
なお、ENUMに限らず、トライアル用の番号指定という考え方は、今までの我が国の番
号体系にはなかったものであることから、その考え方についても十分な議論が必要である。
(3)ENUMにおいて番号と関連づけるサービス(アプリケーション)
電気通信事業者が電気通信番号規則等の基準に従って電気通信番号を利用することによっ
て、利用者は、ダイヤルする番号からサービス等が識別できるようになっている。
すなわち、事業者ENUMの対象とするサービスについては、それぞれの電気通信番号に
定められているサービスでなければならず、従って、事業者ENUMにおいて「050」番
号を対象とする場合は、そのサービスはIP電話でなければならない。
一方、ユーザENUMについては、ユーザの意志により電気通信番号を他の用途に活用で
きるものであり、その目的からは、対象とする番号やサービスを限定するものではなく、現
行の番号体系におけるUPTの考え方に近いものであるといえる。従って、ユーザが求める
場合には、WWW、e−mail、インスタントメッセージ等を含め電話以外のアプリケー
ションにも接続させることが適当と考える。
また、ユーザENUMは、電気通信番号を使用する他の利用者に支障を与えないよう利用
されることが必要である。すなわち、他の利用者が通話を目的として、電気通信番号を使用
した場合には適切にルーチングされ、これまで同様のサービスを受けられることが確保され
なければならない。従って、ユーザENUMは電気通信事業者が電気通信番号を用いて提供
する電話等のサービスとは独立のものとしてとらえることが必要である。
(4)ENUMの検討対象とする電気通信番号に関するまとめ
国際的な検討が進められているものの、ENUMの必要性が必ずしも明らかとなっていな
い現状においては、事業者の要望があれば事業者間の相互接続のスキームとしての事業者E
NUMの検討を行い、ENUMの対象は、事業者ENUMで必要とされる「050」番号を
当面の対象に検討を進めることとすることが適当と考える。
27
また、ユーザENUMを検討する場合においても、利用者に混乱を与えることがないよう
配慮しつつ、「050」番号を対象に検討を開始することも考えられる。
「050」以外のE.
164番号の利用については、今後、ユーザENUMの必要性や新たなサービスが明確にな
った段階で、利用者に与える影響等を十分考慮して、慎重に検討することが適当と考える。
2.4
ENUMの運用、管理等
ENUMの運用、管理にあたっては、国内で未整理であるTier1、2の構成要素(マ
ネージャ(管理責任者)、レジストリ、レジストラ(登録審査者)、レジストラント(登録申
請者)等)と役割の定義を踏まえた検討が今後必要である。本章では、以下に本研究会にお
いて検討したひとつの考え方を示す。
(1)ENUMにおける番号の管理主体
E.164番号については、番号の指定を受けた電気通信事業者が適切にルーチング等を
行う必要があることから、番号の管理主体は番号指定を受けた電気通信事業者であり、設備
や役務を識別するため個々の利用者に付与された番号については、個々の利用者が、当該番
号の指定を受けた電気通信事業者の管理の下で、使用するものと考える。
したがって、ENUMが導入された場合においても、E.164番号は、番号の指定を受
けた電気通信事業者が管理するものと考えられる。
(2)ENUMの運用・管理に関する役割分担
ITUにおけるENUMの運用・管理に関する役割分担では、国内の電話番号に関する運
用・管理については国内マタ−となっている。このため、国内におけるTier1以下の体
制の在り方について検討することが必要である。
また、Tier1、Tier2それぞれにおけるマネージャ、レジストリ、レジストラ、
レジストラントとE.164番号の管理者の関係、役割分担についても検討することが必要
である。
(3)ENUM
ENUM
DNSの運用(管理)組織及び要件
DNSを運用・管理するためには、技術的な課題等を今後検討していくことも
必要であるが、Tier1、Tier2それぞれの階層における運用組織に必要な条件を検
討する必要がある。例えば、Tier1については中立性や技術的能力を有すること、Ti
er2については、プライバシーの保護、データ登録等に係る共通ルールの維持等が考えら
れる。
(4)ENUM
ENUM
DNSのデータ登録申請手順等
DNSのデータ登録・書き換えが必要となるが、その場合には、番号の使用を
電気通信事業者より認められている者のみが、ENUMレコードの登録・変更の申請を行う
ことができるよう、レジストラント本人の認証、及びレジストラント本人と番号の検証が不
28
可欠と考える。また、Tier2のレジストラ・レジストリの参入基準や登録申請内容の検
証方法等についても検討が必要である。
事業者ENUMについては、それぞれの電気通信事業者が加入者のデータ登録等を行うこ
ととなるが、データ登録に係る申請・受付・審査のそれぞれ組織・役割・手順等について、
検討していくことが必要である。
ユーザENUMの場合は、ユーザがデータ登録等を行うこととなるため、本人確認は厳格
に行われることが求められる。このため、ユーザENUMにおける申請・登録に係る手順並
びに本人認証手段等については、その安全性を含め、詳細に検討することが必要である。
(5)DNS登録情報の管理
ENUM
DNSに登録された情報については、相互にオープンに参照できることが望ま
れるが、こうした、相互にオープンに参照できる番号関連データベースを政策的に構築する
ことの可否についての検討をふまえた上で、登録情報の管理及びアクセスについては、厳格
に管理するなど、不正アクセス、なりすまし(データ更新者のなりすましを防ぐための更新
者の認証等)、改竄等へのセキュリティ対応(更新の通信途中でのデータ置き換え防止のネッ
トワークセキュリティ)、DNSの技術標準への準拠、情報漏洩の防止などの要求条件を明ら
かにすることが必要である。
また、事業者ENUM、ユーザENUMそれぞれについて事業者の参加不参加に関する考
え方等の検討が必要である。
(6)ENUMの番号ポータビリティ
番号ポータビリティについては、利便性向上のため提供が望まれるが、整理すべき技術的
な課題や制度面の整理も多く、また提供時の事業者負担も大きいことから、当初の段階にお
いてはポータビリティを想定せずに、検討を行うことが適当であり、ある程度、ENUMに
関する検討が進み、方向性が明らかになった段階で、検討することが適当である。
2.5
今後の検討の進め方
ENUMに関する検討は、
「ENUM研究グループ」と連携しながら引き続き検討していく
ことが必要である。ENUMを実現するための技術的な課題、システム等の検討は、「ENU
M研究グループ」のなかで検討を行うこととし、ENUMを導入する場合におけるE.16
4番号の利用の在り方、ENUM
DNS登録情報に関する要求条件等の制度面の課題につ
いては、総務省に設けた「ENUM検討小グループ」等の場において検討していくこととす
る。いずれの場の検討においても、ユーザENUMと事業者ENUMとで要求される条件や
課題が異なることから、今後の検討においては、この分類を明確にした上で検討を進める必
要がある。
また、諸外国において、ENUMのトライアルが進められている状況から、我が国におい
ても、ENUMに関する技術的な検討を進めるにあたっては、ENUMトライアルの実施に
ついても併せて検討することが必要である。
29
なお、ENUMトライアルを実施する場合には、既存の電気通信サービスの利用者に影響
を与えないことが確保できることを条件として、トライアルに必要な番号が利用できるよう
に措置することが必要である。
30
第3章
一種・二種の事業区分の廃止に伴う番号計画の見直し
31
3.1
電気通信番号に係る制度見直しの必要性
電気通信事業を巡る環境の変化をふまえ、平成15年3月に閣議決定された電気通信事
業法改正案においては、電気通信事業における一種・二種の事業区分を廃止することとし
ている。
これに併せ、現行制度においては、電気通信回線設備の設置の有無、すなわち、一種・
二種の事業区分に着目して一律に適用の有無が規定されていた参入・退出、接続、契約約
款、技術基準等の規律について、その規律の必要性を勘案し個々の規律毎に適用範囲の見
直しを行っているところである。
電気通信番号についても、現在は一種・二種の事業区分を前提として策定された電気通
信番号計画に従って電気通信事業者に指定しているが、事業区分の廃止に伴い、その指定
の在り方等を見直す必要が生じている。
3.2
電気通信番号に係る制度
(1)電気通信事業法
第48条の2において、電気通信事業者は、電気通信番号を用いて電気通信役務を提供
する場合においては、その電気通信番号が総務省令(電気通信番号規則)で定める基準に
適合しなければならないと規定されている。また、この中で、電気通信番号は、「電気通
信事業者が電気通信役務の提供に当たり送信の場所と受信の場所との間を接続するため
に電気通信設備を識別し、又は提供すべき電気通信役務の種類若しくは内容を識別するた
めに用いる番号、記号その他の符号」とされているところである。
さらに、電気通信事業者が他の電気通信事業者と電気通信設備の接続をしている場合に
用いる電気通信番号又は緊急通報を取り扱うための電気通信番号が、基準に適合しない場
合は電気通信番号の適合命令の対象となる。
なお、その基準は、次の事項が確保されるものとして定められなければならないものと
されているところである。
①電気通信番号により電気通信事業者及び利用者が電気通信設備の識別又は電気通
信役務の種類若しくは内容の識別を明確かつ容易にできるようにすること。
②電気通信役務の提供に必要な電気通信番号が十分に確保されるようにすること。
③電気通信番号の変更ができるだけ生じないようにすること。
④電気通信番号が公平かつ能率的に使用されるようにすること。
(2)電気通信番号規則
ア
電気通信番号の基準
電気通信番号の基準については、具体的には、電気通信事業者は次の基準に従って電
気通信番号を使用しなければならないとされている。
①電気通信番号の使用は電気通信役務の提供のために必要なものに限ること。
②電気通信番号により電気通信設備又は電気通信役務の種類若しくは内容を識別で
32
きるようにすること。
③電気通信番号の効率的な利用を図ること。
④利用者が公平に電気通信番号を使用できることとすること。
⑤第三章に規定する電気通信番号の指定に係る手続きに基づき総務大臣が指定する
電気通信番号を使用すること。
イ
電気通信番号計画
電気通信番号計画においては、電気通信番号の種類の別に指定要件等が規定されてお
り、以下のとおり、現行の電気通信番号は、①②③の電気通信設備を識別する電気通信
番号と、④の電気通信役務を識別する電気通信番号に大別される。
①端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号(地理的識別番号)
固定端末系伝送路設備、無線呼出しの役務に係る端末系伝送路設備等を識別す
るための電気通信番号(0AB∼J)
②端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号(非地理的識別番号)
携帯電話(080,090)
、PHS(070)
、無線呼出(020)、衛星移動
(881)の端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号
二種事業者の端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号(091CDE)
③事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号
一種事業者の電気通信回線設備を識別するための電気通信番号(00XY、0
02YZ)
二種事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号(0091N1N2)
④役務の種類又は内容を識別するための電気通信番号
UPTサービスの電気通信番号(060)、IP電話サービスの電気通信番号(0
50)、付加価値サービスの電気通信番号(0AB0、1XY)
⑤その他の電気通信番号
信号用伝送装置の識別、携帯電話端末設備の識別、データ通信設備に係る端末
系伝送路設備の識別、電子メール通信網の識別
ウ
電気通信番号の指定に係る手続き
電気通信番号の指定を受けようとする電気通信事業者は、申請書に必要とする電気通
信番号の数、電気通信番号を必要とする理由、その根拠となる需要の見込み及び電気通
信役務の提供計画を総務大臣に提出することが求められている。また、総務大臣は申請
に係る電気通信番号が使用可能であると認めるときは、需要に応じるために必要な数の
電気通信番号を指定するとされているところである。
この他、電気通信番号の使用の状況についての電気通信事業者による報告、指定した
電気通信番号の取消等が規定されている。
3.3
電気通信番号の指定要件の見直しの方向性
33
(1)電気通信番号に係る制度に求められるもの
電気通信番号の指定の在り方等の見直しを行うにあたっては、以下の事項に十分留意す
べきであると考えられる。
ア
利用者の利便性の確保
①サービスの種類が識別可能であり、当該サービスと特定されるための品質が確保さ
れていること。
②電気通信番号の変更ができるだけ生じないこと。変更する場合も、利用者への影響
を最小限にするため、過去の利用方法との連続性を極力確保すること。
③電気通信番号の最初の部分で料金に係る類推が可能であり、特に料金が高い電気通
信番号は容易に判別可能であること。
④地理的識別性を有する番号については、地理的な位置の識別が可能であること。
(地
理的な位置のなりすまし等が困難であること。)
⑤電気通信事業者等の選択が容易で解りやすいこと。
⑥電気通信番号の桁数ができるだけ短いこと。
イ
電気通信事業者間の公平性の確保、公正競争の推進
①電気通信番号の容量に余裕があること(今後の新規参入事業者にも配慮)
②特定の事業者に著しく不利なダイヤル手順とならないこと
③可能であれば番号ポータビリティを実現すること。
ウ
電気通信番号の公平かつ効率的な利用
①指定された電気通信番号の管理が適切に行われ、電気通信番号が効率的に利用され
ること。
②電気通信番号の指定に伴う分割損等が少ないこと。
③電気通信番号を効率的に使うインセンティブが図られること。
エ
その他留意すべき事項
①番号制度の変更に伴う既存設備の改修費用等が著しく大きくならないこと。
②緊急通報の電気通信番号が確保されること。
③当該電気通信番号の種類から、当該役務における緊急通報等の重要通信の扱いの状
況を推測できること。
④国際標準との整合性が確保された電気通信番号体系であること。
⑤技術的中立性が確保されるものであること。
⑥電気通信の発展に資するものであること。
(2)電気通信番号を取り巻く状況の変化と新しい制度の方向性
ア
参入規制の規制緩和(一種・二種の事業区分の廃止)
34
一種・二種の事業区分の廃止に伴い、第一種電気通信事業者、すなわち参入時の許可
制や技術基準適合維持義務等の規律が課されている事業者という区分がなくなること
から、現在当該事業者に限定している電気通信番号の基準について見直しを行うことが
必要になってくる。
一種・二種の事業区分の廃止後の新しい電気通信番号規則においては、電気通信番号
の指定に係る電気通信事業の確実性(電気通信番号の公平かつ効率的な使用の確保)や
安定性(電気通信設備又は電気通信役務の種類若しくは内容の識別の確保)の条件等に
関して、電気通信番号を指定する上で必要な事項を、具体的な要件として規定していく
とともに、各種手続きを明確化していく必要がある。なお、この際には、今回の電気通
信事業法の改正が、一種・二種の事業区分を廃止し、全体として規制緩和を行うもので
あることに留意することが必要である。
イ
物理的なネットワークから論理的なネットワークへ
接続ルールの整備やIP技術をはじめとする電気通信技術の進展により、電気通信事
業者は自ら電気通信回線設備を設置しなくても、他の電気通信事業者の設備を活用する
ことにより、電気通信ネットワークを柔軟に構築することが可能となってきており、自
ら設置する電気通信設備に着目して電気通信番号を規律する必要性について改めて検
討することが必要になってきている。
この点については、電気通信番号の指定対象について、
①呼接続にとって必要なものであること、
②電気通信役務を安定的に提供する能力が確保されていることが必要であること、
③電気通信番号の使用による分割損を最小限にとどめることが必要であること
等を考慮すると、電気通信設備に着目して指定する電気通信番号は今後ともその考え方
を維持していくことが適当である。
(3)電気通信番号の指定要件の見直しに係る基本的な考え方
現在、第一種電気通信事業者が使用している電気通信番号については、現状では第一種
電気通信事業者が事業参入時に許可を受けることや技術基準適合維持義務が課されるこ
と等が前提となっている。このため、電気通信番号規則においては、第一種電気通信事業
者を指定対象とすることによって、個別具体的な要件の記述はなされていなくとも、第一
種電気通信事業者に課されている規律を満足することが電気通信番号を指定する際の実
質的な要件となっていると考えられる。電気通信番号の指定要件を見直すにあたっては、
この点を考慮することが必要である。
また、電気通信番号は広く一般の利用者に利用されていることから、利用者の利便性を
確保することが重要であり、特に、これまで利用してきている電気通信番号については、
継続的な利用を確保することが必要である。
このため、事業区分の廃止に伴う電気通信番号の指定要件の見直しにあたっては、次の
事項を考慮することが望ましい。
①
主に電気通信設備を識別する電気通信番号については、現状では、技術基準適合維持
35
義務等によりサービスの安定的供給等が確保されている電気通信事業者に限定、又はこ
れを区別していること。
②
主に電気通信役務を識別する電気通信番号については、当該番号を定められた目的に
使用し、それに必要な機能を有している限りにおいて、原則として全ての電気通信事業
者を対象とすること。
③
これまで利用してきている電気通信番号については、継続的な利用を確保し、利用者
に対する混乱をもたらさないようにすること。
④
国際電気通信連合条約に基づく勧告等によって、その番号を国際的に定められた共通
の基準に従って利用することが必要な場合には、国際的な整合が図られたものとするこ
と。
3.4
固定端末系伝送路設備、無線呼出しの役務に係る端末系伝送路設備等を識別
するための電気通信番号(0AB∼J)
(1)現状
0AB∼J番号は、従来より、国民生活に最も浸透した電気通信サービスである固定電
話サービスに使用される端末系伝送路設備の終端を識別するものとして、アナログ電話、
ISDN、一種事業者が提供する直収電話サービス等に対して、市町村等の区域を勘案し
て指定しているところである1。
昨今は、電気通信技術の進展により、多数の電気通信事業者が様々なビジネスモデルに
より電気通信事業に参入してきており、固定電話サービスについても、様々なネットワー
ク形態で提供されるようになってきている。このように様々な電気通信事業者が、国民生
活に最も浸透した電気通信番号である0AB∼J番号の使用を希望するケースが今後増
加していくことが予想される。
特に、IP電話サービスについては、電気通信番号として050番号を当該サービス専
用の番号として指定しているところであるが、総務大臣が必要と認めるときには、0AB
∼J番号を指定することができることと規定されている(電気通信番号規則第10条第2
項)ところである。
IP電話サービスへの0AB∼J番号の指定については、IPネットワーク技術に関す
る研究会報告書(平成14年2月)において、固定電話相当のサービスであることが必要
であり、具体的には、
①
地理的識別が必要
②
IP電話に発信する側の料金が固定電話に発信する場合と同等
③
既存の固定電話に求められている品質(事業用電気通信設備規則で規定される通話
品質、接続品質等)と同等
1
この他、0AB∼J番号は、無線呼出しの役務に係る端末系伝送路設備等を識別するものとしても
指定されているが、以下では固定端末系伝送路設備の識別に係るものについて検討を行うこととする。
36
④
接続方式が既存の固定電話の事業者間接続に認められる方式と同等
であるようなサービスと例示されているところである。
電気通信技術の進展に伴い、IP技術を用いた固定電話とアナログの固定電話とのサ
ービス品質に格差がなくなっていくことが見込まれる中、IP技術を用いた固定電話サ
ービスへの0AB∼J番号の指定要件、すなわち「総務大臣が必要と求める場合」の明
確化が課題となっている。
(2)米国の動向
FCC規則パート52において、「北米番号計画に係る管理方法は、North American
Numbering Council がFCCに勧告する」とされている。
North American Numbering Council は 、 民 間 事 業 者 等 の 集 ま り で あ る Industry
Numbering Committee 等での検討結果を尊重しているところ、同 Committee がとりまとめ
ている番号管理に関するガイドラインでは、
「Central Office Code(市内局番)は交換局
や接続ポイント(POI)に指定するもの」としている。
米国においては、電気通信番号は、電気通信サービス(規制)を提供する電気通信事業
者に対して指定されており、緊急通報、ユニバーサル基金への拠出等の義務が生じている。
なお、電気通信サービスを提供する電気通信事業者は、州の公益事業委員会において、事
業者としての認定を受ける必要性がある。
いわゆるIP電話は「情報サービス(非規制)」に位置付けられており、番号指定の対
象となっていないが、「電気通信サービス」にかかる義務(緊急通報の義務、品質にかか
る義務等)を果たす場合には、「電気通信サービス」と位置付けることにより、IP電話
であっても固定アナログ電話と同じ番号形態の指定は可能と考えられている。
(3)欧州の状況
EUの新しい電気通信規制パッケージでは、電気通信事業に対する参入要件を緩やかに
するとともに、無線周波数、線路敷設権、番号指定については、それぞれの規律において
必要な規制を行うこととしている。番号指定の対象となる固定電話については、緊急通報、
ユニバーサル基金への拠出等の義務が生じる。
英国 にお い ては 、Frequently asked questions on the regulation of Voice over
Internet Protocol services (Oftel, ’02.4.2)(VoIP サービスの規制に関するよくあ
る質問)をとりまとめている。
この中で、「VoIPであっても、①伝統的なPSTNの代替として宣伝されるサービ
ス、②public voice telephony の代替として利用者に認識されるサービス、③伝統的な
回線交換を用いたPSTNにアクセスする単一の手段として顧客に提供するサービスに
ついては、public voice telephony として規制するべき」とされている。
一方、「①伝統的な回線交換方式によるPSTNに加え利用するもの、②2番目のサー
ビスとして利用するものは public voice telephony とは位置づけない」としている。
(注)Revised Voice Telephony Directive に、緊急通報へのアクセス、番号案内やオペレータサ
37
ービスの実施等の要求条件あり。Internet telephony(公衆インターネット網を利用するVo
IP)は、public voice telephony(=レギュレートされるべきもの)とは言えないとされて
いる。
(4)指定にあたって考慮すべき事項
0AB∼J番号は、我が国の国民生活に最も浸透した電気通信番号であることから、
指定要件を見直すにあたっては、国民生活においてこの電気通信番号に期待される事項
を明らかにし、利用者利益の確保の観点からこれらの事項に十分に留意する必要がある。
具体的には、
①
従来のアナログ固定電話と同等レベルのサービス品質
②
電気通信番号による地理的識別性
③
同じ市外局番や市内局番への発信における一定の通話料金
④
緊急通報の実現
等が想定される。
一方、0AB∼J番号は、その最大の特徴として、地理的識別番号という性格を有し
ており、今後、使用を希望する電気通信事業者が急増した場合には、
①
番号変更の起こる可能性が大きい(市外局番毎に番号需要に対応できることが必
要)
②
番号変更に伴う社会的費用が大きい(企業等の代表番号等に用いられており周知
費用等の社会的費用が発生)
③
分割損が大きい(現在、番号の指定に際して、市外局番毎に市内局番(1万個単
位)を指定)
等の問題が生じることが予想される。
したがって、0AB∼J番号の指定要件を見直すにあたっては、こうした問題が生じ
ることのないよう、十分に配慮することが必要である。
なお、「番号の需給状況が逼迫した場合には番号の桁数を増やせばよい」との考え方
もあるが、上述したとおり、利用者の利便性や桁増に伴う社会的費用を考慮すれば、慎
重に対応することが必要であると考えられる。
ア
固定電話と同等なサービスである必要性
電気通信事業法においては、電気通信番号の基準の一つとして「電気通信番号は、電
気通信設備の識別又は電気通信役務の種類若しくは内容の識別を明確かつ容易にでき
るようにすること」と規定しており、これについては電気通信事業法の改正後も変更は
ない。
従って、我が国においては、現状では、設備毎、サービス毎の番号体系を基本として
いるが、利用者の利便性の確保の観点からは、今後ともその考え方は維持されることが
適当であると考えられる。
また、上述したように、0AB∼J番号で提供される固定電話サービスは、利用者の
共通的な認識として、従来のアナログ固定電話と同等レベルのサービス品質が求められ
38
ていると考えられる。
従って、例えばIP技術のように新しい技術を活用した固定電話サービスに0AB∼
J番号を指定する場合においても、固定電話と同等なサービスとしての各種要件を満足
することが必要になると考えることが適当である。
(注)米国では、異なるサービス(例:固定電話、携帯電話、無線呼出)に同じ種類の番号を用
いているが、料金制度としては、各事業者がそれぞれのネットワークの利用料金を利用者か
ら徴収するいわゆる「ぶつ切り料金制度」を採用しているため、発信者の料金はサービスの
種類によらず同水準となっている。
イ
地理的識別性の担保の必要性
現行制度においては、地理的識別番号である0AB∼J番号が、利用者が使用する地
域を識別することを総務大臣の告示により担保している。昨今は、技術の進展により、
IP技術を活用した固定電話サービスなど新しいネットワーク形態の固定電話サービ
スが登場しつつあり、利用者が地理的識別区域を越えて利用することが容易になるケー
スも想定されるところである。
しかしながら、0AB∼J番号については、その地理的識別性が緊急通報の発信場所
を特定する上で重要な機能となっているほか、番号により地域が識別できること自体が
国民生活に深く浸透しているものであり、従って、引き続き0AB∼J番号の地理的識
別性を担保することが必要である。
このため、電気通信事業者においては、利用者が地理的識別区域を越えて利用するこ
とを防止するために適切な措置をとることが求められるものであり、事業者がこれを担
保できない場合は、0AB∼J番号は指定されるべきではない。
また、現行制度においては、電気通信番号が本来識別すべき地理的地域を越えて用い
られた場合には、当該事業者に電気通信番号の適合命令が発出されることになるが、こ
の枠組みは引き続き維持されるべきである。
ウ
番号ポータビリティへの対応
0AB∼J番号により提供されるアナログ電話、ISDNについては、サービス及び
事業者間の番号ポータビリティが実現している。
「現在利用している0AB∼J番号を変更したくない」という利用者ニーズに応え、
利用者の利便性を確保するためには、IP技術を用いる固定電話サービスについても、
番号ポータビリティの実現が期待される。ただし、既存の固定電話における事業者間の
番号ポータビリティでは、移転先において、利用者からは見えない形で新たな0AB∼
J番号(裏番号)を使用することになるため、番号逼迫の観点から注意が必要である。
エ
緊急通報の扱い
0AB∼J番号を用いている電気通信役務においては、一部の直収サービス等を除き、
アナログ固定電話とISDNについては緊急通報が実現している。
39
今回の事業法改正案においては、電気通信事業者に対して、利用者と電気通信役務の
契約を行う際にサービス内容に関して情報提供義務を新たに設けることとしているが、
同番号が国民生活に最も浸透した電気通信番号であることを踏まえれば、個人の利用者
に対して提供される固定電話サービスについては、IP技術を用いたものも含めて、そ
の実現が求められる。
3.4(3)で述べたとおり、英国においては、VoIP であっても従来型の固定電話
の代替として宣伝され、利用者に認識されるサービスについては緊急通報等の義務を課
すべきとしているが、他方、public voice telephony に分類されないものは当該義務
が免除されている。
このような海外の事例も踏まえ、少なくとも、「従来の固定電話の代替となる電話に
ついては、社会通念上、緊急通報が求められるもの」と言えるものと考えられる。
オ
他事業者の端末系伝送路設備を用いて提供する直収電話サービスへの番号指定
平成7年度電気通信番号研究会において、「長距離系事業者が専用線を利用して提供
する直収電話サービスの直収端末を識別する番号については、一般の固定電話と同様に
基本サービスとして提供されることが前提であれば、0AB∼J番号を割り当てること
ができる。当該番号は、市外局番を専用線の一端に接続される端末の位置で割り当てる
ことが望ましい」旨が報告されている。
0AB∼J番号は、端末系伝送路設備を識別する番号であるが、直収電話サービスの
ように、他事業者の設置した端末系伝送路設備を利用してサービスを提供している場合
であっても、固定電話と同等なサービスを提供する場合であり、当該端末系伝送路設備
を特定できる場合には、0AB∼J番号の指定を可能とすることが適当である。
なお、このような形態のサービスについては、緊急通報が実現されていない。IP技
術を用いた固定電話も同様であるが、これらの新しいサービスにおける緊急通報の扱い
その他の要件を明らかにしていくことが必要である。
(5)指定要件の見直しの方向性
0AB∼J番号は、固定電話サービス(アナログ電話、ISDN、IP技術を用いたも
の)の端末系伝送路設備の終端を識別する地理的識別番号である。また、国民生活基盤と
なっている電気通信番号であり、国民がこの電気通信番号に求める事項を、利用者利益の
確保の観点から、今後も引き続き維持していく必要がある。
すなわち、現行制度においては、0AB∼J番号が、事業参入の許可を受け、技術基準
適合維持義務や接続義務等が課されている一種事業者に指定されていることを踏まえ、法
改正後においても、地域毎の需給のアンバランスに起因する既存利用者の不利益(電気通
信番号の変更等)を最小限に抑えるとともに、そのサービスの安定的な供給が確保される
ようにするため、電気通信番号規則等において必要な要件を明確に規定していくことが必
要となる。
具体的には、事業用電気通信設備規則の見直しの方向性を踏まえつつ、以下の要件を付
40
すことが適当であり、今後その確認手続きも含めて電気通信番号規則等において明確化を
図る必要がある。
要件1:固定端末系伝送路設備を収容し、これを識別する交換設備を設置していること。
要件2:固定電話サービスを提供するための設備が技術基準適合維持義務の対象であり、
サービスの安定性等(音声品質、接続品質、安定品質等の品質保証を含む。
)
が担保されていること。
要件3:固定電話サービス(IP技術を用いたものを含む)については、当該地理的識
別地域と異なる電気通信番号が利用されないための技術的措置及びその他の
措置が講じられていること。
要件4:指定を受けようとする市内局番毎に、相当程度の需要が見込まれ、そのための
サービス提供計画に確実性があること。
なお、当該固定電話がいわゆる従来の固定電話の代替となる電話に相当する場合には、
従来の固定電話が担っているライフラインとしての役割を果たすため、緊急通報が利用可
能であることが求められる。
また、電気通信番号の指定を受けた事業者が番号により識別される最終利用者への当
該役務の提供に関し、上記の要件の履行が担保できる場合に限り番号を利用可能とするこ
とが適当であり、他事業者の設置した端末系伝送路設備を利用(他事業者の端末系伝送路
網と接続される場合を含む)してサービスを提供する場合には、番号指定の際は、その履
行のための担保措置を確認することが適当である。また、指定要件を満足させるための機
能を端末設備に委ねている場合には、ユーザが自ら端末設備の設定を変更することを無効
とする技術的措置等がなされている場合に限り番号を利用可能とし、それを番号指定の際
に確認することが適当である。
この他、相互接続して利用可能となる通信サービス(アナログ電話と同等の相互通信サ
ービスの提供)、提供する付加サービス機能、端末の認証機能を含むセキュリティ機能、
重要通信の優先的取扱機能、故障回復、災害時の輻輳制御等のネットワーク機能、番号ポ
ータビリティ等の要件についてもさらに検討していく必要がある。また、番号需要の動向
により、千番号単位の指定等についても検討を進めていく必要がある。
一方、ユニバーサルサービスは、国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国にお
ける提供が確保されるべきサービスであることから、0AB∼J番号の逼迫が生じている
番号区画においては、当該番号区画における番号逼迫が解消されるまでの間に当該サービ
スの提供に不都合が生じないよう、当該サービスのために優先的に指定する番号を確保す
ることが適当である。
41
3.5
電気通信事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号(00XY、
002YZ、0091N1N2)
(1)経緯
現行の制度においては、電気通信事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号
(以下「事業者識別番号」という。)として、一種事業者には00XY、002YZとし、
二種事業者には0091N1N2と定め、一種・二種の事業区分によって異なる番号が指
定されている。2
新規の事業者識別番号の取得を希望する事業者に対しては、事業の形態に応じて、事業
者識別を目的とした番号1つの他、付加価値サービスの提供を目的とした番号として別の
事業者識別番号1つを指定している。
2001年5月に国際プレフィックス010が導入され、本年4月末には旧国際ダイヤ
ル手順の併行運用期間が終了したことに伴い、各事業者は、基本接続に用いる事業者識別
番号のみを用いることにより、付加価値サービスを提供することが可能となった。
(2)欧米の動向
米国においては、事業者識別番号は、従来10XXX(5桁)(番号容量:千個)であ
ったが、逼迫対策のため、1995年4月に全番号空間を2桁増して、既存事業者を含め
101XXXX(7桁)(番号容量:1万個)を割り当てている。ただし、既存5桁番号
の併行運用も期限未定で許容されている。
英国においては、事業者識別番号は、従来1XX(3桁)であったが、逼迫対策のため
空き番号空間等を1桁増して、1994年から原則1XXX(4桁)としている。ただし、
利用者の利便性などのため正当と認められるものは引き続き3桁で利用できるものとさ
れている。
(3)指定にあたって考慮すべき事項
事業者識別番号については、マイラインの導入によって利用者が意識することは以前よ
り少なくなってきている。しかしながら、一種事業者の事業者識別番号は二種事業者より
もダイヤル長が短く、利便性が高い番号となっており、一種・二種事業者間で不公平感が
あることや、1つの事業者に複数の事業者識別番号が割り振られていること等の課題があ
る。
これらの課題の検討にあたっては、
①現在その番号を利用している利用者の利便性の確保、
②ダイヤル長が短い事業者識別番号が有する利便性への配慮、
③既存の識別番号を廃止することに伴うシステム改修コスト等への配慮
が必要である。
なお、マイライン制度の導入に伴い、事業者識別番号自体をダイヤルする頻度は相対的
2
00XYについては容量60個に対し、17事業者50個指定済み(001除く)
。0091N1N2
については容量80個に対し、11事業者16個指定済み。
(平成15年5月現在)
42
には下がってきているが、一方で、携帯電話の料金設定権を、事業者識別番号を用いる形
で中継系事業者に対して付与する議論が行われているところであり、事業者識別番号の需
要が増加したり、利用者がダイヤルする頻度が再び増加する可能性もある。
(4)指定要件の見直しの方向性
事業者識別番号は、基本的に中継ルーティングに用いる番号であり、その指定において
は、中継ルーティングに必要となる設備の設置(既存の電話網と網間信号接続を行う機能、
他事業者との相互接続の見通しを含む)を要件とすることが適当である。また、国際プレ
フィックス010への完全移行(平成15年5月)に伴い、事業者に対し、基本接続に用
いる事業者識別番号の他に付加価値サービスのための事業者識別番号は指定しないこと
とすることが適当である。
一種・二種の事業区分の廃止後の事業者識別番号の指定の考え方については、例えば、
次の2つの方法が想定される。
方法1:電気通信回線設備を設置する事業者は、技術基準適合維持義務や接続義務を課
されていることから、サービスの安定性等が担保されているということから、
00XYを、それ以外の事業者には0091N1N2を指定する。
方法2:新規の事業者に対しては、一律に002YZ番号を割り当てる。現在用いられ
ていない00XY番号や、既存事業者から返却された00XY番号については、
002YZが逼迫した場合に00XYZという形で利用する新たな番号空間
として留保するものとする。現在使用されている0091N1N2については、
002YZへの移行を可能とする。
現在、使用されている00XY番号については、1つの事業者に多くの番号を付与し
ているケースがある。また、今後も事業者の合併等により複数の事業者識別番号を持つ
ケースが出てくることも想定される。
これについては、事業者間の公平性確保、新規番号空間の確保の観点から新規に提供
する付加価値通信サービスは1つの事業者番号において提供するものとし、必要に応じ
て、事業者識別番号の返却について検討することが必要である。なお、その際には、利
用者の利便性の確保や、番号使用の廃止に伴うシステム改修コスト等に配慮することも
必要である。
今後、事業用電気通信設備規則の見直しの方向性等を踏まえて、方法1と方法2を中
心にどのような方法が適当か検討を深めることが適当である。
3.6
付加機能識別番号(0AB0)
(1)現状
着信課金機能(0120、0800)
、情報料代理徴収機能(0990)
、大量呼受付機
能(0180)
、統一番号機能(0570)
、特定者向けメッセージ蓄積・再生機能(01
43
70)については、一種事業者のみの指定となっている。
一種事業者のみの指定となっているのは、一種事業者であれば、
① これらのサービスに必要な設備を自ら設置していると考えられること。
② 技術基準適合維持義務等の義務があること。
③ 参入における業務の確実性等の審査を経ており、確実な業務遂行が可能であること。
を背景とするものである。
(2)指定にあたっての考慮すべき事項
付加サービスの提供は、電気通信回線設備の設置の有無と必ずしもリンクしないもので
あるが、既存の電話網からも利用可能であることが求められることから、サービス制御機
能(番号変換機能、課金機能等)を基本的に有する事業者に対して番号を指定する必要が
ある。
着信課金番号については、0120番号の指定状況が95パーセント(全体で100万
個の番号が収容可能)であり、0800番号についても8パーセント(全体で1000万
個の番号が収容可能)であること、我が国において、さらに需要が増大することが見込ま
れ、また、産業活性化の面からも利用の拡大をサポートすることが適当である。
(3)指定要件の見直しの方向性
付加サービスを提供するためのサービス制御機能を有し、既存の電話網との接続を行う
ことで、付加サービスが確実に提供できる事業者に対し、一種・二種のような事業者の区
別を設けることなく番号を指定することが適当である。
なお、利用者の利便性の確保、番号の効率的な利用の観点から、付加サービス毎に、サ
ービス定義、実現方式、提供条件等のさらなる明確化を行うとともに、他の電気通信番号
に比較して、より詳細に①需要の見積もりに対する審査、②利用状況に関する報告徴収の
実施等を行っていく必要がある。
一種・二種のような事業者の区別を設けることなく指定を行うと、番号需給が逼迫する
ことが想定される。このため、利用者の多様な通信ニーズに応えていくためにも、新たな
番号容量の確保に向けた各種検討を推進していくことが望ましい。
3.7
付加機能識別番号(1XY)
(1)現状
1XY番号は現状でも一種・二種の事業区分に関係なく事業者に指定(事業者毎にその
下位の番号を指定するのではなく、当該1XY番号の使用を認めるという指定)できるも
のとされている。
平成10年度電気通信番号研究会報告書では、1XY番号について、優先度の高いもの
をA分類(緊急通報、番号案内、故障受付、天気予報等)、それに準ずるものをB分類(コ
44
レクトコール、ボイスメール、転送機能の開始や停止等)として区分している。
A分類については、広範囲の利用者により容易に認識できる必要があることから、1X
Y番号の3桁を事業者間で統一して使用するものとし、一方、B分類については、3桁目
までを番号として大枠で用途設定した上で、4桁化等によりできるだけ番号空間を拡大し
て使用することとし、4桁目以降は事業者の創意工夫で使用するものとしている。
(2)指定要件の見直しの方向性
1XYを用いた付加価値サービスを提供するためには、事業者がいわゆる直加入型のサ
ービスを提供している必要がある。他の事業者との接続等を含め、サービス提供のための
機能を有しており、該当する付加価値サービスが確実に提供できる事業者に対し、事業者
の区別を設けることなく番号の指定を行うことが適当である。
3.8
UPTサービスの電気通信番号(060)
(1)現状
UPT(Universal Personal Telecommunication;個人通信)サービスは、端末ごとに
個別に番号が与えられるのではなく、利用者がどこにいても、どの端末でも同じ番号でサ
ービスを受けることを可能とするサービスである。
「060」は、電気通信番号規則において、「第一種電気通信事業者が、利用者からの
随時の請求により特定される端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号」と規定さ
れており、指定対象は一種事業者に限定されている。
UPTサービスは、「ユーザが自ら選んだサービスに加入し、任意の固定・移動端末上
から意識することなく多様なネットワークを介して個々のUPT番号で発着信を行うも
ので、地理的制約はなくネットワーク能力及びネットワーク・オペレータによって課され
た制限にのみ制約を受けるサービス」として、国際電気通信連合条約に基づく勧告に定め
られるものである。
具体的には、電気通信サービスで接続される端末が一意に定まるものではなく、それぞ
れの利用者の随時の請求により、その相手方の端末系伝送路設備が特定されるものである。
したがって、このUPTサービスの電気通信番号は、個々の端末系伝送路設備に固有の
番号として定めるものとは異なり、それぞれのサービス利用者に固有の番号として与える
ものである。
(2)指定要件の見直しの方向性
従来は、UPTサービスの電気通信番号は、一種事業者に指定されてきているが、端末
系伝送路設備が無い場合であってもサービスの提供は可能であることから、事業区分が廃
止された場合においては、番号の効率的利用を確保するために、番号の指定を行うUPT
サービスの対象を具体的に定めた上で、該当するサービス提供のための機能を有しており、
サービスが確実に提供できる事業者に対し、事業者の区別を設けることなく番号を指定す
ることが適当。
45
省令に記載されている「個人通信サービス」はITU/TTCで規定されているUPT
サービスに準ずるものを対象としたものである。ITU/TTCにおいては、UPTサー
ビスは、サービス概念のみならず実現方式(信号手順など)も一連の勧告によって標準化
されている。番号指定にあたっては、これら標準で定める内容を満足していることが必要
であり、番号の指定要件の中でこれら勧告の内容をできるだけ明確に定め、本来「060」
の番号を必要としないサービスには、番号資源の公平かつ効率的な利用の観点から、当該
番号を指定しないこととすることが適当である。
(注)第3期電気通信番号研究会(平成3年度∼5年度)報告書では、「UPT番号は、エンドユ
ーザをユニークに識別し、かつ、発信者がユーザに到達するために使用される」
(CCITT 勧告
E.168 を引用)、また、
「UPT番号は着信者(個人)を識別する番号である」旨記述されてい
る。
(3)UPTの電気通信番号(060)とIP電話
現在提供されているUPTサービスでは、電話、携帯電話、FAX、eメールがUPT
番号で利用されているが、特にUPT番号の指定対象を二種事業者に拡大した場合には、
IP電話も含めてUPTの電気通信番号で利用できるようなサービスのニーズが高まっ
てくると考えられる。この場合、ITU−Tの勧告に従ったサービスである場合に、IP
電話を着信サービスの一つとして、UPT番号を利用することは、利用者利便にも資する
ものであることから、当該IP電話サービスが品質等において一定の要件を満たし、既存
電話網と接続し050番号が付与されている場合には、UPT番号の利用の在り方として
特段の問題はないと考える。
(4)番号の払い出しの単位
現在は、060−CDE−FGHJKのうち、CDEが一種事業者ごとに指定されてい
る。「060」の番号付与を二種事業者にも拡大すると、番号需要に応じられなくなるお
それがある。
対応として、「060」の事業者識別コードをIP電話と同様に4桁とすることが考え
られるが、この場合には交換設備等の改修のコストが発生することとなる。このため、払
出し単位の変更については、全体の利用意向等の現状を把握した上で、UPTサービスの
利用動向が相当数になると明らかになった場合において、事業者識別コードの桁増を検討
することが適当である。利用者保護の観点から、既存の利用者が番号を変える必要が生じ
ないことが望ましく、既に事業者に割当済みとなっている番号の扱い(例えば、既存のも
のは3桁、新規のものは4桁とする事業者識別コードの混在(事業者識別コードを可変長
とする)や、既存のものは4桁で割り当てられたものとみなす)について技術的、システ
ム的な検討を行う必要がある。
3.9
携帯電話、PHS等に係る端末系伝送路設備の識別番号(070、080、
090)
46
携帯電話やPHSの移動体通信事業の分野においては、MVNOといった事業者が現れて
いるなかで、必ずしも端末系伝送路設備を有する電気通信事業者だけでなく、これらの設備
を利用する電気通信事業者にも電気通信番号を指定することも考えられる。しかしながら、
①
個々の端末系伝送路設備を設置する事業者に番号が指定されていれば、MVNOは当
該番号を利用してサービス提供が可能であること。
②
また、同じ端末系伝送路設備に複数の番号を指定した場合には、番号の効率的な利用
が確保されないこと。
から、端末系伝送路設備を設置しない電気通信事業者に端末系伝送路設備を識別するための
番号を指定することは適当でない。
また、人工衛星を介して2以上の国において提供する移動電気通信役務(当該役務の提供
に係る電気通信回線設備を識別するための番号が国際電気通信連合条約に基づく勧告に準拠
したものに限る。)に係る端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号についても、同様
に引き続き当該端末系伝送路設備に指定することが適当である。
なお、MVNOにおける番号利用のあり方については、第4章のなかで取り上げているよ
うに、番号の効率的な利用が確保されるよう一定のルールのもとで使用することが必要であ
る。
3.10
IP電話サービスの電気通信番号(050)
平成14年に電気通信番号規則を改正し、IP電話を識別するための番号として、
「050」
から始まる電気通信番号を制定したところである。
この「050」から始まる電気通信番号は、一種・二種の事業区分に関係なく、一般の加
入電話から着信を行うための E.164 番号を必要とするIP電話を提供する事業者であって、
そのサービスがIP電話として利用するために必要な品質を満足する場合に指定されている
ものである。
したがって、事業区分を廃止した場合においても、引き続き、事業者の区別を設けること
なく番号を指定することが適当である。ただし、
「050」から始まる電気通信番号の指定の
対象となるIP電話が明確になるよう、電気通信番号規則や事業用電気通信設備規則にその
対象範囲等をできるだけ明確に定めることが必要である。
3.11
その他の電気通信番号
(1)特定の電気通信番号に前置する番号(プレフィックス)
これまでも事業区分に関係なく、全ての電気通信事業者が利用、又は電気通信番号の指
定を受けることが可能であったものであり、事業区分が廃止された場合においても、同様
の基準で番号を利用又は指定することが適当である。
(2)二種事業者の利用者の使用に係る端末設備に接続される端末系伝送路設備を
47
識別するための電気通信番号(091CDE)
二種事業者の電気通信設備にその一端が接続される端末系伝送路設備であって他の一
端が当該二種事業者の利用者の端末設備に接続されるものを識別するための番号として、
91CDEから始まる13桁以内の番号を定めているが、事業区分の廃止後においても、
引き続き端末系伝送路設備を持たない電気通信事業者に指定される番号として、利用でき
るものとすることが適当である。
(3)信号用伝送装置を識別するための電気通信番号 (国際信号局コード)
ITU勧告に準拠した信号用中継交換機を用いる共通線信号方式に基づく信号用伝送
装置を識別するための電気通信番号として定められているものであり、その番号需要は信
号用伝送装置を用いて国際電気通信役務の提供に必要な場合に限られることから、これま
でとおり、事業区分に関係なく、当該番号を必要とする電気通信事業者に指定することと
することが適当である。
(4)携帯電話に係る端末設備を識別するための電気通信番号 (44M1M2M3)
携帯電話に係る端末設備を識別するための電気通信番号は、利用者が当該端末設備に電
話をかける際にダイヤルする番号とは異なるものであり、携帯電話における国際的なロー
ミングを行う際に必要とされる識別番号として、国際電気通信連合条約に基づく勧告に準
拠した番号である。
現行の電気通信番号規則では、一種事業者にM1M2M3の3桁の番号が一種事業者に
指定されているところである。
事業区分を廃止した場合においても、携帯電話の端末設備の識別番号を指定する対象は、
携帯電話の端末系伝送路設備と同様であることから、端末系伝送路設備を有する事業者に
指定することが適当である。
(5)
データ通信系番号
データ通信系番号である、
①データ通信設備に係る端末系伝送路設備を識別するための番号
②電子メール通信網を識別するための番号
については、これまでも事業区分に関係なく、全ての電気通信事業者が指定を受けるこ
とが可能であり、事業区分が廃止された場合においても、同様の基準で番号を指定するこ
とが適当である。
3.12
番号指定に係る審査内容
電話番号の指定要件、審査基準において、サービス内容、実現方式、必要となる機能等を
より具体的に規定するとともに、逼迫しやすい電気通信番号を中心に、需要見積り方法の規
定の詳細化等を実施すべきである。その場合においては、これまで一種・二種の事業区分や
役務区分があったことにより、電気通信番号規則上では個別に明記されていなくとも実質的
48
に設けられていた基準も、個々の規定のなかで具体的に定めることが必要である。特に、事
業区分が廃止された場合には、番号の指定対象となる電気通信事業者の範囲が大きく広がる
ことになる。したがって、電気通信番号規則における指定要件や審査基準の内容を明確かつ
客観的なものとすることが不可欠である。
3.13
事業者による電気通信番号管理義務、国への報告義務
逼迫しつつある種類の番号を中心に、米国における番号管理で用いられているように、番
号の利用ステータス毎に、国への定期的な利用状況の報告を求めることが必要である。
また、指定済みの電気通信番号が適切に管理・運用されていること、当該番号が定められ
た要件等に合致する形で使われていること等に関する報告徴収や調査等について、電気通信
番号規則等において必要な規定の充実を図ることが適当である。
49
表3−1.電気通信番号体系と指定対象事業者 (現状)
① 端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号(地理的識別番号)
0AB∼J
9条1(細目別表1)
固定端末系伝送路設備
現在の指定
対象事業者
↓
1種
② 端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号(非地理的識別番号)
080/090CDE∼K
9条3(別表6号)
携帯電話に係る端末系伝送路設備
070CDE∼K
9条4(別表7号)
簡易型携帯電話に係る端末系伝送路設備
020CDE∼K
9条5(別表8号)
無線呼出し(発信者課金)の役務に係る端末系伝送路設備
881xxxx∼(最大15桁)
9条6(別表9号)
国際衛星移動電気通信役務に係る電気通信回線設備
091CDE∼J
9条2(別表5号)
二種事業者の端末系伝送路設備
1種
1種
1種
1種
2種
③ 事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号
事業者の電気通信回線設備
00XY/002YZ
5条(別表1号)
0091NX
6条(別表2号)
1種
2種
④ 役務の種類又は内容を識別
060CDE∼K
10条1(別表10号)
050CDE∼K
10条2(別表11号)
0AB0CDE∼J(K)
10条3(細目別表2)
1XY(Z)
10条3(細目別表3)
110, 118, 119
11条1∼3
随時請求により特定される端末系伝送路設備を介した電気通信役務
端末系伝送路設備から端末設備等(パケット交換網)に提供される音声伝送役務
付加的な機能を用いて提供する電気通信役務の内容(本邦内外)
付加的な機能を用いて提供する電気通信役務の内容(本邦内)
緊急通報に関する(警察機関、海上保安機関、消防機関)
1種
両方
1種
両方
両方
⑤ その他
100∼(14桁)
44M1M2M3∼(最大15桁)
44X1X2X3X4X5∼(最大14桁)
2∼16オクテットの符号
010, 0
国際電気通信役務の制御に係る信号用伝送装置
携帯電話に係る端末設備
ITU-T勧告準拠のパケット交換によるデータ通信設備に係る端末系伝送路設備
ITU-T勧告準拠の電子メール通信網
国際プレフィックス、国内プレフィックス
1種
1種
両方
両方
両方
7条(別表3号)
8条(別表4号)
12条(別表11号)
13条(別表12号)
13条2
50
表3−2.付加機能を識別するための番号
付加的な機能
電気通信番号
着信課金機能(契約者の番号への呼に係る料金が当該契約者に課され 120DEFGHJ又は800DEFGHJK
る機能をいう。)
ただし、DEFは、郵政大臣の指定により第一種電気通信事業者ごとに定
められる数字とする。
情報料代理徴収機能(契約者の番号への呼に対して有料の情報を提供 990DEFGHJ
する場合であつて、その料金がサービスの契約者が契約する第一種電 ただし、DEFは、郵政大臣の指定により第一種電気通信事業者ごとに定
められる数字とする。
気通信事業者により徴収される機能をいう。)
大量呼受付機能(契約者の番号への二以上の呼に対して同時に同一の 180DEFGHJ
情報を提供する機能又は当該サービスの契約者の番号への呼の数を ただし、DEFは、郵政大臣の指定により第一種電気通信事業者ごとに定
められる数字とする。
集計する機能をいう。)
統一番号機能(契約者の番号への呼を当該契約者からの請求によりあ 570DEFGHJ
らかじめ指定される端末系伝送路設備を介して電気通信役務を提供 ただし、DEFは、郵政大臣の指定により第一種電気通信事業者ごとに定
められる数字とする。
する機能をいう。)
特定者向けメッセージ蓄積・再生機能(特定者に向けたメッセー 170DEFGHJ
ただし、DEFは、郵政大臣の指定により第一種電気通信事業者ごとに定
ジを蓄積及び再生する機能をいう。)
められる数字とする。
指定端末系伝送路設備を識別する電気通信番号以外の電気通信番号 103
を案内する機能
指定端末系伝送路設備を識別する電気通信番号を含む電気通信番号 104
を案内する機能
故障受付機能(故障等の問合わせの受付に関する機能をいう。)
113
電報受付機能(電報の受付に関する機能をいう。)
115
117
時報機能(時刻の通知に関する機能をいう。)
災害時音声メッセージ蓄積・再生機能(災害時等に音声のメッセー 171
ジを蓄積及び再生する機能をいう。)
177
天気予報機能(気象情報の通知に関する機能をいう。)
184
発信電話番号非通知機能(発信元の電気通信番号を着信先に通知
しない機能をいう。)
発信電話番号通知(発信元の電気通信番号を着信先に通知する機
能をいう。)
上に掲げる以外の機能
注
186
1から始まる3桁以上の十進数字
ただし、1以降の数字は郵政大臣の指定により定められる数字とする。
英字は、十進数字とする。
51
第4章
その他の検討課題について
52
4.1
MVNOが使用する電気通信番号
(1)概要
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、MNO(Mobile Network Operator)
の提供する電気通信役務(卸電気通信役務を含む。)としての移動通信サービスを利用
して移動通信サービスを提供する電気通信事業者であって、当該移動通信サービスに係
る無線局を自ら開設していない者としているが、(「MVNOに係る電気通信事業法及
び電波法の適用関係に関するガイドライン」
)当該事業者への電気通信番号については、
次のとおりとなっている。
①
移動通信サービスに関する電気通信番号の事業法上の指定対象はMNO。
②
必要に応じてMVNOとMNOの間において電気通信番号に関する契約を締結
(任意の私契約)
MVNOは、MNOに指定された電気通信番号の枠内でサービスを提供することにな
るが、次のような場合など、一定の番号帯から該当番号がMVNOであることの識別を
可能とすることが求められる場合があることから、MNOからMVNOへの番号払い出
し単位について、MNOが一定の基準に則った運用を行うことについて検討を行った。
(具体的には、電気通信番号払い出し単位については、ある程度のブロック単位とする
ことが必要かどうか等)。
①
今後、SCP(Service Control Point)を保持するタイプのMVNOが現れた
場合、一定の番号群の単位でSCPを決定することが必要になる場合がある。現状、
SCPへのアクセスにおいては、ダイヤル番号をキー情報としてアクセスするSCP
を決定している。ここで、一定の連続番号群の単位でSCP収容していることから、
仮に、MVNOへの付与番号が連続の番号群単位とならない場合は、MNOにおいて
技術的な対応が必要になる。
②
また、運用面においても、例えば、緊急機関(警察等)からMNOに契約者情報
の開示依頼があった場合、MNOにおいては、MVNOの契約者情報は把握していな
い。
(2)考え方
ア
MNOからMVNOへの電気通信番号の指定単位
MVNOは、電気通信役務の提供元であるMNOに指定された電気通信番号の枠内
でサービスを提供することになり、MNOからMVNOへ電気通信番号を付与するこ
ととなっている。ここで例えばMVNOの提供するサービスによっては、発信ネット
ワーク側において、着信ネットワークを識別(MVNOであるのかMNOであるのか)
する必要性が生じると考えられ、識別の手段として電気通信番号が必要である。
事業者を電話番号で識別するため、MVNOへの電話番号付与については、接続事
53
業者相互の認識が必要となることから、MNOからMVNOへの番号払い出し単位に
ついて、MNOはCDEコード単位等一定の基準に則った運用を行うことが必要にな
る。
一方で、MNOからMVNOへの番号付与単位は、0A0番号空間の逼迫に与える
影響を考慮する必要があり、また、技術的な制約を受けないよう、MVNOへの番号
払出し単位について一定の基準に則った運用を行う場合には、Fコード単位(1万番
号単位)とするのが適当と考えられる。
イ
MVNOに払い出す電話番号のMNOの番号申請上の取扱い
MVNOに払い出す電話番号については、実際にエンドユーザが利用しているか否
かをMNO側で把握することが必要となる。(MVNOに払い出す電話番号について、
実際にエンドユーザが利用しているか否かをMNO側で把握することに関しては、例
えばMNOとMVNOの契約において必要に応じ番号使用状況の報告を得られるよ
う措置しておくことにより、MNO側で把握することは可能と考える。
)
また、MNOが新たな電気通信番号を取得する際にこれらの番号を使用済み番号と
して取り扱うことは、現行の番号審査基準における必要な番号数の算出のなかで、番
号申請におけるMNO間の公平性に支障を来すおそれがある。
このため、MVNOに払い出す電話番号について、MNOの番号申請上の取り扱い
を明確化しておく必要があり、MNOが番号割当の申請をする際には、MVNOの需
要も含めて必要な番号の申請を行うことが可能であることは、既にMVNOガイドラ
インに定められている。
一方で、電気通信番号の割当については、電気通信番号が有限希少な資源であるこ
とから「電気通信番号が公平かつ効率的に使用されるようにすること」を基準として
定めており、必要とする電気通信番号の数がその根拠となる需要の見込みから合理的
なものであることが必要である。
また、事後的な番号指定の取消制度を設けることにより、番号使用における事業者
間の公平性の確保と効率的な使用の確保が図られるものと考えられる。
これらの検討を踏まえ、MNOからMVNOへの番号払出し及びMNOに対する番
号指定にあたっては番号払出しに係る一定の基準に則った運用として、MVNOにつ
いては従来通り、MNOが番号の割り当てを受け、Fコード単位でMVNOに渡すの
が適当と考えられる。また、MVNOの番号の使用状況については、両者の契約でサ
ポートする等の方策によって可能と考える。
4.2
公衆電話からの国際ダイヤル手順
国際基本接続ダイヤルに関して、国際プレフィックス010を付与する新ダイヤル
手順への完全移行が平成15年5月1日から実施されているが、優先接続対象外とな
54
っている公衆電話からの国際ダイヤル手順の在り方についてとりまとめた。
(1)ダイヤル手順の現状
国際電話が利用可能な公衆電話(カード公衆(緑・灰)、ICカード公衆(銀))から
次のダイヤル方法で利用可能。
事業者識別番号−010−国番号−相手先電話番号
公衆電話については優先接続対象外であるため、新手順においては、事業者識別番号
含めて6桁∼9桁のプレフィックスダイヤルが必要な現状がある。
また、プリペイドカード等を用いた国際電話サービスを各社が提供しているが、付加
サービス用の事業者識別番号をダイヤルした後、カード種別番号等を入力する手順にな
っている(本手順は国際プレフィックス(010)付与の対象外である)。
(2)考え方
公衆電話は不特定のユーザが利用する点を考慮すると、優先接続等により公衆電話機
ごとに国際電話事業者を固定する必要性は少ないとも考えられるが、公衆電話における
ダイヤル桁数短縮化方策を講じることの是非について検討する場合には、公衆電話にお
ける国際通話利用率の状況やカード利用通話の実態に加え、必要とされるコストもふま
えた上で、そのメリットを見極める必要がある。また、ダイヤル桁数を減少させるため
の措置により、一般端末からのダイヤル手順と異なるものになるとかえって利用者の混
乱を招く恐れもある。
仮に、特定の事業者で独自に展開する場合、公衆電話設置者による決め打ちを行って
よいのかどうかという点に関しては、公衆電話の接続形態の制度に関わる事柄であるた
め、制度面からの十分な議論が必要である。
表4−1.公衆電話におけるダイヤル桁数短縮化方策案
方策案
ダイヤル手順
利用される
考慮すべき点
国際電話事業者
何もしない
00XY−010−CC− ユ ー ザ が 選 択 し た ・ダイヤル手順の桁増
SN
事業者
端 末 機 事 業 者 選 事 業 者 選 択 ボ タ ユ ー ザ が 選 択 し た ・公衆電話機への機能追加
能追加
択ボタン
ン−010−CC−SN
事業者
00XY-010-CC-SN
00XY 自 動 010−CC−SN
公 衆 電 話 機 ご と に ・公衆電話機への機能追加
付加
選択された事業者
00XY-010-CC-SN
ユーザが選択した
事業者
優先接続導入
010−CC−SN
公 衆 電 話 機 ご と に ・ネットワークへの機能追
選択された事業者
00XY-010-CC-SN
ユーザが選択した
事業者
55
加
(3)結論
公衆電話におけるダイヤル桁数短縮化の是非については、メリット・デメリットの比
較考量が必要であるため、プリペイドカード利用など代替手段の実態や公衆電話におけ
る国際通話利用率の状況を踏まえたうえで、必要に応じて検討していくことが適当であ
る。
4.3
ダイヤルイン番号の取扱い
(1)0AB∼J番号によるダイヤルイン番号の利用形態
電気通信事業者がダイヤルインサービスを提供して、一つの固定端末系伝送路設備に
複数の0AB∼J番号を利用している場合がある。また、いわゆる鳴分けサービスも同
様な事例である。
電話機等
加入者系交換機
(NTT地域等)
端末系伝送路設備
PBX, TA等
(加入者設備)
03-5359-xxx1(契約者回線番号)
03-5359-xxx3(ダイヤルイン追加番号)
03-5359-xxx6(ダイヤルイン追加番号)
ダイヤルイン番号情報送出
受信した情報に従い該当端末に着信
図4−1.ダイヤルインサービスの概要
この場合、0AB∼J番号については、電気通信番号規則において、「固定端末系伝送
路設備を識別するための電気通信番号は、総務大臣が別に告示する電気通信番号とす
る。」
(第9条第1号)と規定されているが、ダイヤルイン番号によって識別される固定
端末系伝送路設備が加入者設備に接続される端末系伝送路である場合、一の固定端末系
伝送路設備に複数の電気通信番号が指定されていることとなる。
(2)欧米の動向
米国では、NANPA(北米番号管理機関)による市内局番の指定において、ダイヤ
ルイン番号に対する需要と通常の番号に対する需要とを区別して取り扱っていない。電
気通信事業者は、利用者からの求めに応じてダイヤルイン番号を付与しており、NAN
PAは、ダイヤルイン番号を含めた番号需要全体に基づき市内局番を指定している。
英国においても、米国と同様に、ダイヤルイン番号と通常の番号を特段区別して扱っ
ていない。ただし、将来的には、ダイヤルイン番号について、一般の番号に対するもの
に比較して長い桁数を使用することも検討している。
56
独や香港においては、
「実際の回線数に対応したダイヤルイン番号の最大付与可能数」
の試算例もあるが、あくまでも試算に留まっている模様である。
(3)考え方
電気通信番号規則では、「電気通信番号から端末系伝送路設備が識別できること」が必
要条件であり、「端末系伝送路設備に対して複数の電気通信番号を対応させること」を
制限してはいない。ダイヤルイン番号の利用により、利用者の利便性は高まるが、ダイ
ヤルイン番号の利用の拡大により、有限な電気通信番号が逼迫し、電気通信サービス全
体に支障が及ぶことが懸念される。
したがって、今後も、一の端末系伝送路設備で複数の番号を使用すること自体を制限
することは適当でない。ただし、利用者利益の確保及び電気通信番号の効率的利用の観
点から、①ダイヤルイン番号の利用方法のルール化、②ダイヤルイン番号に関する番号
管理の強化(国によるダイヤルイン番号に係る利用状況の把握、番号指定申請時におけ
るダイヤルイン番号に関する番号需要の見積もりの徴収)等を行っていく必要がある。
①については、少なくとも、0AB∼J番号を利用する場合については、ダイヤルイ
ンサービスであっても、地理的識別、料金等、一の端末系伝送路設備として提供される
サービスと同様のサービスを加入者設備から先の端末設備の利用者に提供するための
番号であることが必要であり、現行の電気通信番号規則又は審査基準として、ダイヤル
インとして認められるサービスの範囲をできるだけ明確に示すことが適当である。
なお、0AB∼J番号が指定される固定電話(IP技術を用いたもの)については、
ダイヤルインサービスの実現コストが既存の固定電話における場合に比較して低くな
る可能性があることから、ダイヤルイン番号の需要動向については特に注意していく必
要がある。
なお、0AB∼J番号以外のダイヤルイン番号についても、必要に応じ、同様の取り
組みを行っていくべきである。
4.4
第3世代携帯電話等におけるローミングインユーザの特番利用について
(1)概要
海外では、GSMにおける国際ローミングの提供形態として、ローミング元(ホーム
国)とローミング先(海外)とで、ローミングインユーザが同一の特番を利用すること
を可能とするサービスが存在している。
第3世代携帯電話等における国際ローミングにおいて、海外オペレータは、海外での
サービスの実績をもとに日本のオペレータに対しても同一特番の利用についての協議要
望をされる可能性があるものと考えられ、番号利用計画の観点からの検討が必要である。
(2)考え方
電気通信番号規則では、例えば「警察機関への通報については、110とする」と規
定されており、これ以外の番号でつなぐことと規制との整合性を検討する必要があるが、
57
ローミングインは日本における電気通信となることから、電気通信番号規則に則り、ロ
ーミングインユーザの国内での110、118、119ダイヤルは、該当の機関に接続
するものである。
これら国内の緊急通報用番号での接続を確保しつつ、加えて、ホーム国の緊急通報用
番号がダイヤルされた場合に我が国の緊急通報機関に接続することは、ユーザ利便の観
点からの必要性は認められるが、具体的には我が国の緊急通報機関等との調整が必要な
事項である。
この場合、海外で緊急通報用番号が一種類(例:911(米国))の場合に、我が国に
おいて110、118、119のうちどこに接続するのかという問題がある。ホーム国
の緊急通報用番号をダイヤルした場合、例えば、ガイダンス聴取により国内の接続した
い機関を追加ダイヤルなどで選択させる案等が考えられるが、いずれにせよ、接続先の
緊急通報機関で問題が生じないような振り分け機能が必要となる。また、海外の特番と
我が国の特番が重複する場合は、番号重複時などの取扱いについて検討する必要がある。
この他の方法としては、ホーム国の緊急通報用番号がダイヤルされた場合の取扱いに
ついては、海外事業者との協議を踏まえ、各携帯事業者において、利用者に対する周知、
音声ガイダンス等により対応する方法も考えられる。
(3)結論
第3世代携帯電話等は、その端末を海外に持ち出して利用できる(国際ローミング)
という特色があり、海外から日本に持ち込んだ端末について、海外と同一の特番を利用
する場合が想起される。国内の特番利用においては、1XY番号の利用指針が決められ
ており、ローミングインユーザが海外と同一の特番を利用することについては、 この利
用指針にそぐわないという面があるが、下記の観点より、国際ローミングにおけるサー
ビス利便の向上に繋がるものであることから、我が国の緊急通報機関等との調整が可能
であれば、ローミングインユーザに限定した例外措置として認められるものとし、具体
的な取扱いは携帯電話事業者に委ねられることとして良いものと考える。
①
ローミングインユーザに限定したサービスとして取り扱うことで、日本国内のユー
ザには影響を与えないこと
②
ローミングインユーザに対してホーム国と同一の特番利用を可能とすることで、ロ
ーミングインユーザは、滞在国を意識することなく特番に応じたサービスの利用が
可能となることから、ローミングインユーザへのサービス利便性の向上につながる
こと
4.5
国際ローミングサービスにおける国際信号線利用について
(1)概要
移動体における国際ローミングサービスを提供する為には、ホーム事業者とローミン
グ先事業者との間において、認証情報、位置登録情報などの各種情報を送受する必要が
ある。こうした各種情報を送受する為には、通話の信号だけでなく、共通線信号の接続
58
が必要である。この共通線信号の送受にあたり、世界各国の多数の移動体事業者と個別
に共通線接続を行うことは現実的ではなく、国際事業者が既に構築している国際 No.7 網
を利用することとなる。
位置情報やユーザ情報の送受
OperatorA
OperatorB
ISC
ISC
ISC
ISC
国際No.7
NW
移 動 体
Network
ISC
移動体
GMSC
国際事業者
ISC:International Switching Center
GMSC:Gateway Mobile Switching
図4−2.国際ローミングの共通線信号接続イメージ
現在、移動体事業者が国際 No.7 網と接続する際において、現行の電気通信番号規則で
は、国内役務しか持たない事業者はITUベースの信号局コード(以下「国際信号局コ
ード」)を取得できない※為、国際事業者との接続において特殊な処理が必要な状況で
ある。具体的には国際事業者の網において、国際信号局コードをTTCベースの信号局
コード(以下「国内事業者間の信号局コード」)に変換して接続するなどの対応が必要
である。国際事業者のうち、現状で上記の接続が出来ない事業者については、網改修が
必要となる。
※
国際電気通信役務の制御に係る信号用伝送装置(国際電気通信連合条約に基づく勧告に準拠し
た信号用中継交換機を用いる共通線信号方式に基づくものに限る。
)を識別するための電気通信
番号(電気通信番号規則第7条)
ここで、信号局コードとは、共通線信号網にて使用される、
「メッセージ転送部(MT
P)
」と呼ばれるプロトコルのアドレス情報で、また、ローミングに関する情報とは、
MTPより上位の「移動通信応用部(MAP)」と呼ばれるプロトコルにて送受される
情報である。国際ローミングにおいては、ローミングに関する情報はMAPに掲載され、
MTPを始めとした下位プロトコルによって共通線信号網の国際区間を中継される。
MAPは、国際区間、国内区間(国内事業者間)ともに3GPP等で規定された共通
なMAP勧告が用いられる。一方、MTPは国際区間ではITUのMTP勧告が用いら
れ、また国内区間(国内事業者間)では通常TTCのMTP勧告が用いられる。ITU
とTTCのMTP勧告では、信号局コードの桁数等、フォーマットに違いがある。
59
従って、現在の枠組の中でローミングに関する情報を海外の移動体事業者と送受信す
る場合、国際事業者の所有する国際区間・国内区間の中継点において、MAPについて
は情報が透過中継されるが、MTPについては信号局コード等の情報をITUフォーマ
ットとTTCフォーマットとの間で変換する機能が必要となる。この変換機能は現在、
国際事業者が必要に応じてインプリメントしている。
なお、このMTPにおける変換機能は、国内役務しか持たない事業者がITUのMT
P勧告を使用し自網を国際信号網に接続すれば不要となるが、現行の電気通信番号規則
上、国内役務しか持たない事業者は国際信号網への接続に必要な国際信号局コードを取
得できない(※:再掲)為、事実上、国際信号網への接続が出来ない状況となっている。
(2)考え方
国内役務しか持たない事業者がITUのMTP勧告を使用し自網を国際信号網に接続
する場合、実際に移動体事業者が接続を行うのは日本国内の国際事業者となるため、物
理的には国内の信号局との接続となる。しかしながら、位置登録情報、加入者認証情報
などの国際ローミングに必要な情報は移動体事業者と海外移動体事業者との間で終始
するものであり、結果としてエンドエンドの接続(最終的な信号の送受信を行う事業者
間の接続)として捉えた場合には移動体事業者と海外移動体事業者との接続と考えられ
る。
以上のような背景より、MTPにおけるITUフォーマット・TTCフォーマット間
の番号変換機能を国際事業者が提供せずとも、国際ローミングに係わる信号転送が可能
となるためには、移動体事業者が国際信号局(ITUフォーマット)番号を取得するこ
とが可能であることが望ましいが、ITU勧告との整合性が図られる必要がある。
(参考)ITU−T勧告 Q.708
Assignment procedures for international signalling point codes
6.5
Signalling point codes for the national level and the international level are assigned
separately. The assignment of a point code in a national network does not automatically entitle
the code holder to an ISPC.
(訳)国内向け信号局コードと国際向け信号局コードは別々に付与される。国内信号局コードが付与
されることで自動的に国際信号局の資格を得るわけではない。
9.3
The signalling point operator has put into service or is about to put into service a
signalling point having at least one MTP signalling relation in the international signalling
network.
(訳)信号局運用者は、国際信号網において少なくとも1つのMTP信号接続を持つ信号局を運用あるい
は運用する予定であること。
(3)結論
今後、電気通信サービスのさらなる多様化が進む中で、国際ローミングサービスのよ
60
うに国際役務に関わらないサービスであっても、直接的に海外事業者と認証情報、位置
登録情報をやりとりするために国際信号局コードの利用を必要とするケースが発生する
ことも想定されることから、国際役務を提供しない事業者においても国際信号局コード
を取得することの是非について、ITU勧告及びその解釈並びに海外における実態を踏
まえた上での検討を行うことが適当と考えられる。
その場合、国際信号局コードについては、その取得に関するITU−T勧告Q.70
8における記述から、原則、国外の信号局との接続の為に使用するものと解釈される。
従って、
「電気通信番号規則」の改正を行う場合は、国内の対向局との接続のみを目的と
して国際信号局コードを割当てることについて議論が必要である。
61
(参考資料)
用語解説
○MA(Message Area:単位料金区域)
電話料金算定において基本単位となる区域。
○閉番号化
番号区画間を市内局番からダイヤルできない地域がある場合、地域からの要望に応
じて市外局番を統一することで市内局番からのダイヤルを可能にすること。
○ENUM(Telephone Number Mapping)
電話番号をキー情報に、DNSの機能を用いて電話、e-mail 等のIPネットワーク上の
様々なアプリケーションに接続するためのアーキテクチャ及びプロトコルの1つ。IP電
話のアドレス解決や相互接続への活用が想定される。
○DNS(Domain Name System:ドメインネームシステム)
IPアドレスを、アルファベット等の文字列に対応づけるためのデータベースシステム。
○IETF(Internet Engineering Task Force)
インターネット上で使われる各種プロトコルなどを記載した文書である RFC (Request
For Comments)を発行する組織。
○ITU(International Telecommunications Union:国際電気通信連合)
電気通信に関する国連の専門機関であり、多国間の円滑な通信を行うため、世界各
国が独自の通信方式を採用することによる弊害の除去や、有限な資源である電波の
混信の防止、電気通信の整備が不十分な国に対する技術援助等を目的としている。
○URI(Uniform Resource Identifiers)
抽象的なもの若しくは物理的なリソースを識別するための簡潔な文字列。
URL(Uniform Resource Locator)は URI の一形態である。
○IPアドレス(Internet Protocol Address)
TCP/IP環境で送信元とあて先のホスト(コンピュータなど)を指定するためのアドレ
ス。
○Tier
第一種電気通信事業者。
○プレフィックス
特定の電気通信番号に前置する番号。我が国では、国内通話を示す国内プレフィ
ックスに“0”を、国際電話を示す国際プレフィックスに“010”を利用。
○優先接続サービス
通称「電話会社選択サービス(愛称:マイライン)」といい、平成13年5月1日から導
入されたサービス。電話会社選択サービスでは、「市内通話」、「同一県内の市外通
話」、「県外への通話」及び「国際通話」の各通話区分ごとに事前に使用する電話会
社をNTT東日本・西日本に登録することにより、事業者識別番号をダイヤルすること
なく、登録した電話会社に接続される。
○ダイヤルイン
電話番号を回せば、会社の受付やオペレータ(交換手)を通さずに、直接相手の机
上や担当の部署の電話機につながるサービス。通常は、電話回線 1 本につき 1 個の
電話番号しか使えないが、ダイヤルインサービスを契約すると回線 1 本あたり複数の
電話番号を使うことが可能。これにより契約する電話回線の数を増やさず、電話番号
の数を増やすことが可能になる。
○GSM (Global System for Mobile Communications)
欧州が標準化したデジタル携帯電話システム。現在、世界で最も普及している携
帯電話方式であり、多くの国の間でローミングを実施しており、1992年から欧州各
国で商用化されている。
○ローミング
電気通信事業者が他の事業者と提携し、その事業者のサービス提供エリア外でも、
利用できるようにすること。また、そのようなサービス。
○共通線信号方式
既存電話網において、通話回線とは別の信号転送専用の回線を設けて、その信
号回線により複数の通話回線制御用の信号等を転送する方式。
○番号区画
市内局番からのダイヤルが可能な地域を示すもの。
○桁ずらし
市外局番の末尾の数字を市内局番の先頭の数字にずらして使用可能な市内局番
を確保する方法。
○直収サービス
長距離系事業者などが、NTT東西や地域系 NCC などが提供する専用線を介して、
一般利用者の端末を自らの交換機に直接収容し、電話サービスを提供すること。
○IAB(Internet Architecture Board)
インターネットに関する技術標準を決定する団体。IETF の上位機関。
○ETSI(European Telecommunications Standards Institute:欧州電気通信標準化機
構)
欧州郵便電気通信主管庁会議(CEPT)に加盟する諸国が中心となって1988年
に設立。本部フランス。電気通信技術に関する様々な欧州標準規格を策定。
○FCC(Federal Communications Commission:米国連邦通信委員会)
情報通信に関する規制の策定や許認可を行う政府組織。
○NANC (the North American Numbering Council)
北米の番号計画を司る機関。
○TTC(Telecommunication Technology Committee:情報通信技術委員会)
電気通信関連を対象とした国内の標準化団体。平成14年6月に、電信電話技術
委員会から名称を変更した。
○SCP(Service Control Point)
事業者が付加サービスなどの提供のためサービス制御を行うノード
○NANPA(North American Numbering Plan Administrator:北米番号計画管理団
体)
1996年電気通信法 Sec251.(e)に基づき、FCCにより指名された電気通信番号の
管理者。CO コード、事業者識別番号等各種番号の事業者への指定等を行う。
○No.7共通線信号網
No.7信号方式を適用している信号網。No.7信号方式を適用している通信網で
は、通話回線とは別の信号専用の回線(信号リンク)を用いて信号メッセージを転送
することから、信号リンク等からなるNo.7共通線信号網を構成する必要がある。
○MTP(The Message Transfer Part)
No.7 共通線信号方式において、信号メッセージを所要の信号局へ転送を行うため
のプロトコル。
○MAP(Mobile Application Part)
No.7 共通線信号方式において、移動通信ネットワークで用いられるプロトコル
○3GPP(3rd Generation Partnership Project)
第 3 世代(3G)移動体通信システムの標準化プロジェクトの1つ。また、同プロジェク
トによる移動体通信システムの標準規格。
―― 索引 ――
<番号>
050 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
060 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
070、080、090 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
0AB0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
091CDE ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
00XY、002YZ、0091N1N2・・・・・・・・・・・・・・・ 41
0AB∼J番号 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
1XY ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
国際信号局コード ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
44M1M2M3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
<その他>
加入者番号 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
桁ずらし ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
国際ローミング ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
国内プレフィックス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
事業者ENUM ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
市外局番 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
市内局番 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
千番号単位割り当て ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
ダイヤルイン番号 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56
データ通信系番号 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
電気通信事業法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
電気通信番号規則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
電気通信番号の指定要件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
番号区画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
番号ポータビリティ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
プレフィックス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
閉番号化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
ローミングインにおける特番利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・57
ユーザENUM ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
ENUM ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
ENUM研究グループ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
ENUM検討小グループ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
MNO ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53
MVNO ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53
平成14年度電気通信番号に関する研究会報告書(案)
に対する意見募集の結果について
(募集期間:平成15年 7月 18日∼平成15年 8月 15日)
意見提出者
提 出 者 名
個人
イー・アクセス ㈱
㈱ エヌ・ティ・ティ・ドコモ
ジェイフォン ㈱
ソフトバンク BB ㈱
(社)テレコムサービス協会
西日本電信電話 ㈱
東日本電信電話 ㈱
㈱メディア
- 1 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○ インターネットの普及拡大・IP化の進展の中にあって、電気通信事業法改正と相俟って、今般、
電気通信事業に欠かすことが出来ない「電気通信番号の管理の在り方」について検討が行われたことは、
極めて重要、且つ、市場の変化、市場の要望に資するものと評価致します。
特に、インターネットを利用した様々なサービスアプリケーションの創造、利用者への利便性拡大に
資する検討・整理が行われたことは極めて意義深いものと存じます。
【テレコムサービス協会】
○ 事業区分の廃止に伴う番号計画の見直しについて(総論)
改正電気通信事業法の一種・二種の事業区分の廃止にともなう番号取得のための要件の見直しは、I
P電話の普及によって事業構造が大きく変換しようとしている現況においては、大変有意義なことです
し、早急にルールとしての取りまとめが行われることが必要です。
特に、改正電気通信事業法の施行は来年度になると思われますが、現在の通信市場を勘案すると通
信事業者の事業形態によっては番号取得が不可能なことによる営業機会の逸失も十分に想定される
ことから、このたび見直された内容については前倒しで運用すべきですし、この場合、総務省殿にお
かれましては、現在は各番号取得のための要件がわかりにくいため、新規参入事業者も明確に把握で
きるよう、ガイドライン等を作成していただき広く公開されることを要望いたします。
【イー・アクセス 株式会社】
○ 今回の番号計画の見直しは、改正事業法の内容をふまえたものであり、本研究会の結果をふま
えて改訂される改正電気通信番号規則等の施行は、改正事業法の施行と同時期であることが望まし
いと考えます。
指定要件については、本研究会報告書の内容をふまえ、電気通信番号規則、告示、審査要領等の
中で、可能な限り明確化を図っていくことが適当であると考えます。
ガイドラインにつきましては、050番号についてVoIP推進協議会が平成14年9月にとりまと
めた「IP 電話の総合品質と IP 電話番号申請のためのガイドライン」等に代表される民間での取組も重要
であると考えます。
「指定済電気通信番号の適切な運用管理」については、事業法、電気通信番号規則において番号
適合命令を含む事後措置の規定がありますが、電気通信番号規則等の改定等におきまして、さらに
規定の充実を図っていくことが適当と考えます。このため、御意見を踏まえ、3.13「事業者に
よる電気通信番号管理義務、国への報告義務」の中に、
「また、指定済みの電気通信番号が適切に管
理・運用されていること、当該番号が定められた要件等に合致する形で使われていること等に関す
る報告聴取や調査等について、電気通信番号規則において必要な規定の充実を図ることが適当であ
る。
」との記述を追加することが適当と考えます。
全 般
○ 電気通信番号に係る制度見直しが、規制緩和の方向で、広く門戸が広げられたことについて評価で
きる。電気通信番号に係る制度に求められるものとして次の事項に留意すべき。
【基本原則】
・利用者の利便性の確保
− 電気通信番号は、広く一般の利用者に利用されているものである。
・電気通信番号の公平かつ効率的な利用
− 電気通信番号は有限な番号空間である。
【基本原則より、電気通信番号に係る制度に求められる
もの】
・客観的、且つ、透明で実効的な番号指定要件の策定
− ユーザの利便性の確保の観点から、サービスの種類が識別可能で当該サービス品質が確保されて
いること、個々のサービスについて最適な番号・ダイヤル手順が定められることが求められる。
− 指定要件の解釈の差異に起因する無用なトラブルを回避するという意味からも、客観的、且つ、
透明で実効的な番号指定要件の策定が求められる。
・指定済番号の使用の適切な管理
− 必要に応じ、電気通信事業法で規定されている条項(報告および検査)の適用等による番号使用
における適正検査を行うなど、指定済電気通信番号の適切な管理・運用の制度作りが求められる。
・不適切な番号使用に対する措置
− 一旦、開始されたサービスについても、その電気通信番号やダイヤル手順が不適当と判断される
場合には、事後的な番号指定の取り消しや、ダイヤル手順変更の指導を行うことも考慮に入れた制度作
りが求められる。
【株式会社 エヌ・ティ・ティ・ドコモ】
- 2 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
第2章
○ ENUMに関しては、本報告書の第2章に述べているように番号管理の問題を含む各種課題が
○ ENUMは報告書にある様に
① ENUMは、インターネット上の様々なサービスを電話番号(E.164番号)で見つけるソリュ 存在することから、我が国においても、引き続きそれらの課題の検討を進めるとともに、技術的事
ーションを提供するものです。
項についてはENUMトライアルの実施等の取組みが重要であると考えます。
② ENUMは、国民が広く使い慣れた電話番号、即ち、12個に制限されたキー/キーパッドでイン
また、ENUMの検討に関しては、広く情報を公開しつつ行うことは重要であると考えます。
ターネットサービスにアクセスできるメカニズムを特徴としており、今後益々のIT社会の発展拡大に
おいて、所謂、デジタルデバイド(バリアフリー)を解消する手段として極めて重要なものであると存
じます。
③ ENUMは、ITU−T勧告(E.164勧告)による国際的に取り決められた電話番号をキーと
してDNSを検索することにより、利用可能な様々なアプリケ−ションをURI形式で得る機構であ
り、当協会会員をはじめとする、1万社を超える、現行の多くの第二種通信事業者にとって、利用者に
多様で便利な様々なサービスを創造し提供する手段を提供するものであり、
「ユビキタスネット社会」
を実現し発展拡大させて行く為に、欠かすことの出来ない重要な機能であると存じます。
④ 以上の様なENUMの特徴から、諸外国における導入取り組みも盛んであり、我が国における取り
組みも、IT国家戦略の一貫として、
「ITの利活用」を促進・拡大するアプリケーションプラットフ
ォームとして、実証実験そして実用化に向けた大きな取り組みが必要になっていると存じます。
また、その取り組みは国際競争の観点からも急務であると存じます。
⑤ 「ユーザENUM」については、総務省の本報告書(案)にて言及されている通り、ユーザが自ら
の意思で164番号に対応したDNSレコードを登録できることも可能となり、サービスを提供する
側、利用する側双方にとって極めて有用性の高いものであると云えると存じます。IP電話にとどまら
ない、UPTの概念も入り、可能性が極めて大きい仕組みであると存じます。
⑥ 実用化に当たっては、本報告書(案)に言及されている通り、実証実験の推進、番号管理の問題、
運用管理の問題など解決すべき課題も多い現状です。
【テレコムサービス協会】
○ 今後の検討の進め方について
ENUMの導入については、基本的な考え方として報告書案に賛成致します。但し、ENUMの導入
は公共的な影響の大きな話であるため、ENUMの実現の検討にあたっては広く公に情報を公開しつ
つ、関係事業者並びに消費者に対しENUMの導入の公平な結果が得られるよう進めて頂きたいと考え
ます。
【ソフトバンクBB 株式会社】
- 3 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
第3章
○ 御指摘の点、及び本報告書の内容をふまえ、電気通信番号規則等の改正作業において、さらに
○ 一種・二種の事業区分廃止に伴う番号計画の見直し
この度の番号計画見直しは、本文中に「今回の電気通信事業法の改正が、一種・二種の事業者区分を
検討を進めていくことが適当と考えます。
廃止し、全体として規制緩和を行うものであることに留意する」と言及されている通り、今般の報告書
(案)が、第二種通信事業者の要望であった「電気通信番号におけるイコールフッティングの実現」に
適うものであると大いに期待している所です。
特に、
「ユビキタスネット社会」を実現する上で、利用者にとって便利な、050のIP電話番号、
060のUPT番号、および、ENUM機構の利用・活用において、現行第二種通信事業者が担う役割
は益々拡大するものと存じます。
総務省におかれては、今後のIP化とブロードバンド&モバイル環境の進展に即した番号計画の在り
方につき継続検討され、新規事業の拡大、利用者への利便性拡大への対応を要望いたします。
【テレコムサービス協会】
○ 電気通信番号に関する各種制度整理の方向性[34∼35 頁 3.3(2)、46 頁 3.9、52 頁 4.1(1)]
電気通信事業の参入規制緩和後の新しい電気通信番号規則における具体的指定要件の規定化及び各
種手続きの明確化、並びに MVNO に対する電気通信番号の指定方針等に関する制度整理の方向性につき
ましては、弊社も賛同致するところであります。
しかしながら、参入規制緩和後の電気通信番号に関する各種制度につきましては、来年の改正電気通
信事業法の施行に向けて、より具体的な内容の検討を早期に実施する必要があると考えます。このよう
な検討過程を経て、各種制度が十全に整備されますことを要望致します。
【ジェイフォン 株式会社】
○ 改正番号規則の施行時期及び移行期間までの適用基準について(P.32 3.1)
・第156 回国会において成立した改正電気通信事業法の施行時期は通常の流れなら来春頃になると伺っ
ております。今回の報告書に準じた電気通信番号規則の改定は、改正電気通信事業法の実施時期に合わ
せて行われることになるのか、時期を明示ください。
・また、その場合、電気通信番号規則の改定実施までの間は、例えばIP 技術を利用した電話サービス
への0AB∼J 番号の指定については、P36 3.4(1)に記載されている現行の要件が適用されること
(将来的な改正後電気通信番号規則及びそれに付随する要件に基づいた制度手続きを現時点では求め
られないこと)を確認させてください。
【株式会社 メディア】
○ 本研究会の報告書をふまえ、改正電気通信事業法の施行に合わせた電気通信番号規則等の見直
しを行うことが適当であると考えます。
また、現行の電気通信番号規則において既に番号の指定を受けている場合には、その指定の際に
申請した設備形態等の内容に変更が無い場合には、電気通信番号規則改正までの間は、追加的な番
号指定に係る申請は可能であると考えます。
○ 電気通信番号の継続的な利用の確保[35∼36 頁 3.3(3)]
第一種電気通信事業及び第二種電気通信事業の区分廃止後の新しい電気通信番号制度においても、従
前より利用する電気通信番号を継続的に利用可能とすることは、利用者利便のみならず、技術的観点か
らも必要な措置であると考えます。仮に継続的な利用が確保されなかった場合、電気通信事業者におい
てシステム改修及びデータ設定の変更作業等、費用面・業務面で負荷が生じる可能性があります。
このような点にも考慮いただき、電気通信番号の継続的な利用が確保されますことを強く要望致しま
す。
【ジェイフォン 株式会社】
○ 本報告書の3.3節 ア ②でも述べているように、電気通信番号の指定要件の見直しに当た
っては、利用者の利便性の確保を図る観点から、
「電気通信番号の変更をできるだけ生じないこと。
変更する場合も、利用者への影響を最小限にするため、過去の利用方法との連続性を極力確保する
こと。
」が必要であると考えます。
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パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○ 議論している内容そのものは喜ばしいことですが、「いつまでに決定しないとならないか」という
一番大切な部分が議論されていないのは歓迎できませんので、どういう変更は(急がない場合)実施の何
年前までに決定するかの原則を議論の対象に入れてください。
というのも、電気通信系の機器は10年使うのは当たり前、40年以上前のが今だ現役という例もありま
すので、大幅な変更を性急に決定・実施した場合、変える必要の無い機器を交換せざるを得なくなるこ
とも考えられ、企業等に過大な負担を与えるためです(ちょっと古めPBXだと、事業者識別番号や附加機
能識別番号、サービス識別番号、電気通信番号等の桁数や保持可能数が少なくて、変更が強制買い替え
となる恐れが高い)
また、ダイヤルイン番号の桁数増や(通報者の負担を減らすために)緊急通報用番号の一本化の必要
性、(IP電話における緊急通報先特定のために)専用線(ADSLのタイプ2やFTTH等を含む)に対する電気通
信番号の割り当ての必要性についても議論されることを望みます。
【個人】
○電気通信番号計画の変更の決定時期と実施時期の明確化については、利用者の利便性等の観点か
ら重要であると考えますが、一方、
「番号需要が予想と異なり変更しなくても済んだ場合であっても
番号変更を強いる可能性が増大する」等、利用者の利便性を損なう可能性もあり、それらの観点を
ふまえつつできる限り行っていくことが適当であると考えます。今回の第3章の内容は、改正電気
通信事業法の施行に合わせた改正電気通信番号規則の施行を想定したものです。
ダイヤルイン番号の桁数増についての検討は、番号逼迫対策の一つとして重要と考えられ、交換
機における対応可能性等の技術的分析も含めて検討すべき課題と考えます。緊急通報用番号の一本
化につきましては、その必要性を含め、緊急通報機関、関係事業者とともに検討していくことが適
当と考えます。
○ 電気通信番号の指定要件の見直しの方向性について
現在の技術基準は従来の電気通信設備を前提としている。今後も技術基準を電気通信番号の指定要件
の一つとするのであれば、今日の技術発展を踏まえた技術基準の抜本的な見直しが必要であると考えま
す。
また電気通信のサービス品質については、事業者が提供するサービス品質により規律が整えられるの
ではなく、利用者の選択に委ねられるべきであると考えます。
【ソフトバンクBB 株式会社】
○ 技術基準の見直しは、本研究会での検討の対象外です。
(情報通信審議会議会技術分科会事業用
電気通信設備等委員会で、現在、検討が行われています。
)
電気通信番号については、
「電気通信番号により電気通信事業者及び利用者が電気通信設備の識別
又は電気通信役務の種類若しくは内容の識別を明確かつ容易にできるようにすること」
(事業法第4
8条の2第2項第1号)と規定されており、設備や役務の識別を可能とするために最低限の品質を
満足することを義務付けることは必要と考えます。
○ 本研究会の報告書をふまえ、今後、電気通信番号規則等の改正の中で、個別の電気通信番号の
○ IP 電話の定義・対象範囲について(P.47 3.10)
・報告書案中では「050 で始まる電気通信番号の指定の対象となるIP 電話が明確になるよう、電気通 指定要件の明確化を図ることが適当と考えます。なお、技術基準の見直しは本研究会の対象外です。
)
信番号規則や事業用電気通信設備規則にその対象範囲等をできるだけ明確に定めることが必要」とあり (情報通信審議会技術分科会電気通信事業用設備等委員会において、現在、検討が行われています。
ますが、「050」番号によるIP 電話に限らず、「0AB∼J」番号によるIP 技術を利用した固定電話につ
いても定義・対象範囲の明確化を希望いたします。
【株式会社 メディア】
○ 固定端末系伝送路設備、無線呼出しの役務に係る端末系伝送路設備等を識別するための電気通信番
号(0AB∼J)に関して
報告書案においても必要性が記載されているが、ユーザ利便性の確保の観点及び、サービス品質向上
等による事業者の競争の観点から、「IP技術を用いた固定電話サービスへの0AB∼J番号指定要件」につ
いて、客観性、透明性が確保できるよう明確化願いたい。
【株式会社 エヌ・ティ・ティ・ドコモ】
○ 0AB∼J番号の使用に関する基本的考え方
0AB∼J番号の使用に関しては、長年国民生活に深く浸透して使用されてきた電気通信番号であり、ユ
ーザの利便性を損なわないよう、これまでの固定電話サービスに課せられていた地理的識別の担保、品
質の担保、技術基準適合維持義務及び相互接続義務等について満足させる必要があるとともに、指定要
件に関しては事業者公平に義務付けられ、安定的且つ継続的にサービス提供できることが条件と考えま
す。
○ 0AB∼J番号をはじめとする電気通信番号の指定要件については、本研究会での見直しの方向を
踏まえつつ、電気通信番号付与の指定を明確化すべく関係規定の整備を図ることが適当であると考え
ます。
他事業者の設置した端末系伝送路設備を利用する場合であっても、0AB∼J番号は、端末系伝送路
設備を識別するための電気通信番号(電気通信番号規則第9条)であり、番号指定の要件を確実に履行
することが求められます。御意見を踏まえ、番号を指定された事業者の責務の明確化を図るため、
- 5 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
番号指定を受けた電気通信事業者は、基本的に自ら責任をもって地理的識別の担保及び品質の維持等
について責務を果たす必要があると考えるが、一例として番号指定を受けた電気通信事業者が、他事業者
の設置した端末系伝送路設備を利用してサービスを提供し、当該事業者に品質の維持を委ねるケースに
おいては、自ら責任をもって地理的識別の担保やエンド∼エンド品質の維持を行なうことが難しくその責務
を果たすことが困難ではないかと懸念するところであります。
また固定端末系伝送路設備について、他事業者やユーザが独自に接続範囲を変更したり、マルチポイ
ント接続を行なうケース、あるいは固定端末系伝送路設備そのものを通話品質を安定的に維持する保証
のないベストエフォート型の当該設備に変更するケースが想定され、サービス提供事業者側で自らこれら
の不正アクセス等を防止する技術的措置等を講じる必要があると考えます。
自ら固定端末系伝送路設備、交換設備をもたない電気通信事業者がこれまでの使用条件に反し、0AB
∼J番号を使用拡大していくことは、国民生活に定着している利用者の利便性を大きく損なう恐れがあり、
番号指定に際しては指定要件を確実に遵守し又技術的措置が十分とられているか等審査基準の内容を明
確化するとともに、客観的に確認できるしくみを整備していく等厳格な運用が必要であると考えます。(報告
書(案)P38 3.4 節)
【東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社】
○ 0AB∼J番号の指定要件に関して1.電気通信事業の安定性について(要件1)
設備設置、収容条件に関しては、0AB∼J番号を使用する電気通信事業者は番号管理及びサービス
品質維持等を図るためには、固定電話サービスを利用するユーザ端末設備との分界点の識別ができる必
要があると考えられ、自ら固定端末系伝送路設備を設置する等により、当該伝送路設備を識別し直接収
容する交換機設備を自ら設置することが重要と考えます。
2.技術基準適合維持義務(品質の確保)等について(要件2)技術基準適合維持義務は、固定端末系
伝送路設備、交換設備を自ら設置し役務を提供する事業者に対して適用され、従来のアナログ固定電話
と同レベルのサービス品質(音声品質、接続品質、安定品質)の維持が求められます。サービス品質の
接続品質、音声品質に関しては事業用電気通信設備規則に準じることを想定しますが、安定品質につい
ては明示されていないことから明確化を行うことが必要と考えます。さらに、不正アクセス、改竄等へ
のセキュリティ対応等についても電気通信事業者は自ら技術的措置を講じることで防止できることが
条件と考えます。
3.地理的識別性の担保の必要性について(要件3)
地理的識別の担保に関しては、地理的な位置のなりすまし、ユーザ独自の接続範囲変更及びマルチポ
イント接続等地理的識別を不能とする接続形態の防止について電気通信事業者は自ら技術的措置を講
じる等し、ユーザに混乱を与えないよう対応する必要があると考えます。
4.電気通信事業の確実性について(要件4)
相応の需要及びサービス提供計画の確実性に関しては、0AB∼Jを利用する全ての電気通信事業者
は、有限の電気通信番号を効率的に使用し、国民生活に最も浸透した電気通信番号を長期的に維持でき
るよう努め、ユーザの利便性低下や社会的費用を伴う番号変更を可能な限り回避しなければならないと
考えます。
上記の指定要件に関しては、電気通信番号規則、事業用電気通信設備規則及び審査基準において明確
に規定していく必要があると考えます。
(報告書(案)P40 3.4 節)
【東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社】
3.4(5)において、
「また、電気通信番号の指定を受けた事業者が番号により識別される最終利
用者への当該役務の提供に関し、上記の要件が担保できる場合に限り、番号を利用可能とすること
が適当であり、他事業者の設置した端末系伝送路設備を利用(他事業者の端末系伝送路と接続され
る場合を含む)してサービスを提供する場合には、番号指定の際は、その履行のための担保措置を
確認することが適当である。
」との文を追加することが適当と考えます。
審査基準の明確化、客観的に確認できる仕組みの整備(例:音声品質、接続品質、安定品質等が基準
を満足しているか否かの判定方法)等については、電気通信番号規則、事業用電気通信設備規則等の
整備において取り組むことが適当と考えます。
○ 既に、0AB∼J番号を利用している「いわゆる直収電話」の例をふまえ、本報告書において
は、
「端末系伝送路設備を自ら設置すること」までを番号指定の要件とすべきとはしておりませんが、
他事業者の設置した端末系伝送路設備を利用する場合であっても、0AB∼J番号は、端末系伝送路設
備を識別するための電気通信番号(電気通信番号規則第9条)であり、番号指定の要件を確実に履行す
ることが求められることから、番号を指定された事業者の責務の明確化を図るため、3.4(5)にお
いて、
「また、電気通信番号の指定を受けた事業者が番号により識別される最終利用者への当該役務
の提供に関し、上記の要件が担保できる場合に限り、番号を利用可能とすることが適当であり、他
事業者の設置した端末系伝送路設備を利用(他事業者の端末系伝送路と接続される場合を含む)し
てサービスを提供する場合には、番号指定の際は、その履行のための担保措置を確認することが適
当である。
」との文を追加することが適当と考えます。
事業用電気通信設備の技術基準については、本研究会の対象外です。
(情報通信審議会技術分科会
事業用電気通信設備等委員会において、現在、検討が行われています。
)
要件3の「当該地理的識別地域と異なる電気通信番号が利用されないための技術的措置等」につ
いては、IP技術を用いた通信においては端末設備における通信制御の役割が増大していることか
ら、御意見を踏まえ、3.4(5)に、
「また、指定要件を満足させるための機能を端末設備に委ね
ている場合には、ユーザが自らの端末設備の設定を変更することを無効とする技術的措置がなされ
ている場合に限り番号を利用可能とし、それを番号指定の際に確認することが適当である。
」との文
を追加することが適当と考えます。
要件4の「電気通信事業の確実性について」についてのご意見をふまえ、3.4(5)に、
「一方、
ユニバーサルサービスは、国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国において提供が確保され
るべきサービスであることから、0AB∼J番号の逼迫が生じている番号区画においては、当該番
号区画における番号逼迫が解消されるまでの間に当該サービスの提供に不都合が生じないよう、当
該サービスのために優先的に指定する番号を確保することが適当である。
」との文を追加することが
適当と考えます。
- 6 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○IP電話サービスへの0ABJ番号の割当てについて(各論)指定要件について
要件1:固定端末系伝送路設備を収容し、これを識別する交換設備を設置していること。
IP電話サービスの提供に当たって固定端末系伝送路設備が満たすべき基準の明確化を要望いたしま
す。
要件2:固定電話サービスを提供するための設備が技術基準適合維持義務の対象であり、サービスの
安定性等(音声品質、接続品質、安定品質を含む。)が担保されていること。
携帯電話サービスの利用者が、約7780 万(平成15 年7 月TCA 発表)まで普及していることを勘案す
れば、クラスB(携帯電話並み)のIP電話に対しても0AB∼J番号の指定の範囲に含めるなど品質
要件を拡大することがサービスの多様性を生み出し利用者の選択の幅を増やすことも考えられますの
で、中期的な検討を継続して行って頂けるよう要望します。
要件3:固定電話サービス(IP技術を用いたものを含む)については、当該地理的識別地域と異な
る電気通信番号が利用されないための技術的措置等が講じられていること。
市場開放が細かく分類され、市内、県内市外、県間通信への市場参入が十分に進展している現在の電話
サービスを考えた場合、必ずしもMA制度自体が利用者にわかりやすいものとはなっておりません。よ
って、MA制度に立脚した番号体系がエンドユーザの利益に必ずしも適っていないと考えます。
また、IP電話サービスにおいては、NW構成、NWコスト構造の変化及び通話料金体系の変化が顕著
に現れますので、中長期的には都道府県別単位に見直すなどの地理的識別の枠組み自体を変更すること
も必要と考えますので、検討を継続して行って頂きたいと考えます。
【イー・アクセス 株式会社】
○ 固定端末系伝送路設備も、要件2の技術基準を満足していることが必要と考えます。
品質要件については、現時点において、0AB∼J番号の品質要件を下げることは、利用者利便
の観点、番号により設備や役務を特定する必要性(電気通信事業法第48条の2)から望ましくな
いものと考えますが、IP技術を用いた固定電話がより一般的になった場合において、番号需給や
利用者の意向をふまえて検討することを否定することも適当であるとは考えません。
0AB∼J番号について、
「どのような地理的な識別を行うべきか」等は、利用者の意向、番号需
給の状況等をふまえつつ、今後とも検討を行っていくことが適当であると考えます。
○ 電気通信番号規則の改定における条文構成やその内容に係る事項であり、本報告書を踏まえた
○ 0AB∼J 番号によるIP 技術を用いた固定電話サービスの番号規則上の位置付けについて
電気通信番号規則等の改正作業の中で検討すべき事項と考えます。
(P36∼37 3.4(1))
・現行の電気通信番号規則上では、0AB∼J 番号によるIP 技術を用いた固定電話サービスに関して、第
10 条2 項のパケット網に接続される端末設備等に提供される電話サービスに一旦分類された上で(す
なわち050 番号を利用したIP 電話サービスと同分類)、同項但し書きにより「総務大臣が特に必要と
認めるとき」には、第9 条1項のIP 技術を使用しない通常の固定電話の規定が適用されることになっ
ています。
・しかし報告書案にもあるように「IP 技術を用いた固定電話とアナログの固定電話とのサービス品質
に格差がなくなっていくことが見込まれる」以上、「総務大臣が特に必要とみとめるとき」というよう
な曖昧な基準を残すべきではないと考えます。
・むしろサービス品質に差がないのであれば、0AB∼J 番号によるIP 技術を用いた固定電話サービスに
関してはあえて第10 条2項の分類に入れるのではなく、最初から第9 条の通常の固定電話に分類をす
べきと考えます。現に報告書案の他の箇所(P40 3.4(5)など)でも固定電話サービスのくくりと
してアナログ電話、ISDN、IP 技術を用いたものがあるように記載されております。そもそも結果的に
お客様にとって同じサービス品質レベルの0AB∼J 電話サービスを提供しているという観点からする
と、根拠条文に差異があることは、サービス内容に差異があるように誤解を招く恐れがあります。
【株式会社 メディア】
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パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○ 050番号の指定要件に関して
IP電話サービスの050番号は、当該サービスが必要な品質を満足すること等を要件に事業者の区
別を設けることなく番号を指定することが適当とされているが、番号管理主体である事業者の明確化及
びサービス責任所在の明確化の観点から以下の項目について審査基準を整備していく必要があると考
えます。
番号指定要件である品質について、測定方法及び品質維持義務等に関する内容を電気通信番号規則、
事業用電気通信設備規則にて明確に定める必要があると考えます。
また、サービスを提供する電気通信事業者について、トラブル時のユーザ対応等に支障を与えないよう
番号管理主体の明確化、設備設置形態、設備所有の有無の明確化及びサービス責任の所在の明確化を行
う必要があると考えます。さらに、ユーザのサービス利用に際し、サービスの概念(機能・品質・料金
等)とその利用番号体系は密接な関係にあることから、同一サービスにおいて050番号と0AB∼J
番号を並行利用することは、事業者が提供するサービスの概念、責任の所在の明確化の観点から望まし
くないと考えます。よって、050番号を取得したIP電話サービス事業者は、他事業者網へ着信する
通話および当該IP電話サービスに終始する通話等においても重畳される0AB∼J番号の利用等は
行わず、指定を受けた050番号を利用することを指定要件に明確化することが必要であると考えま
す。
(報告書(案)P47 3.10 節)
【東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社】
○ 測定方法や品質維持義務の具体的内容は、技術基準に係る内容であり、本研究会の検討対象で
はありません。
(情報通信審議会技術分科会事業用電気通信設備等委員会で、現在、検討が行われて
います。
)
番号管理主体の責務の明確化は重要であることから、3.4(5)において、
「また、電気通信番
号の指定を受けた事業者が番号により識別される最終利用者への当該役務の提供に関し、上記の要
件が担保できる場合に限り、番号を利用可能とすることが適当であり、他事業者の設置した端末系
伝送路設備を利用(他事業者の端末系伝送路と接続される場合を含む)してサービスを提供する場
合には、番号指定の際は、その履行のための担保措置を確認することが適当である。
」との文を追加
することが適当と考えます。
050番号と0AB∼J番号の並行利用は、それぞれの番号がそれぞれ電気通信番号規則の規定
に則して用いられている場合には可能と考えますが、電気通信番号の効率的な利用の観点、利用者
利便(利用者が混乱しないこと)等の観点からは課題があることから、更なる検討が必要と考えま
す。
- 8 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○ 電気通信事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号(00XY、002YZ、0091
N1N2)に関して・番号の有効利用の観点及び、中継公衆サービスの定義の明確化の面より、中継ル
ーティングに必要となる設備の設置を指定要件とする点について、賛同できる。
・ 00XY番号の指定の考え方は、ユーザ利便性の確保の観点から、ユーザが電気通信番号から当該
サービスの安定度を容易に認識可能となることが望ましい。サービスの安定性の異なるものであっても
一律に番号を付与すること(方法2)は適当ではなく、方法1であるべき。
・更に、00XY番号が付与されるべき中継公衆サービスの定義を明確化し、方法1にあたっては、以
下の要件であるべき。
(修正案)
自ら中継ルーティングに必要となる電気通信回線設備を設置し、一般の電話を相互に接続し、県外
通話、国際通話等の複数の行政区域又は国をまたがる中継公衆サービスを提供する事業者は、技術基準
適合維持義務や接続義務を課され、サービスの安定性が担保されていることから、00XY及び00X
Yが逼迫した場合には002YZを、それ以外の事業者には、0091N1N2を指定する。
【株式会社 エヌ・ティ・ティ・ドコモ】
○ 事業者識別番号(00XY など)の指定要件見直しの方向性について(P.42∼43 3.5(4))
・ 一種・二種の事業区分廃止後の事業者識別番号の指定の考え方については、区分廃止後も電気通
信設備に着目して指定する考え方は維持されるべきであること(P35.3.2(2)イならびにP353.
2(3))から、報告書案中の方法1に賛同いたします。
・ また現在使用されている00XY 番号の今後の使用のあり方については、事業者間の公正性確保、新
規番号空間の確保の観点から、番号の効率利用を進めるべきという方針は理解し、弊社としても極力こ
れに従いたいと思いますが、報告書案にもある通り、「利用者の利便性の確保や番号使用の廃止に伴う
システム改修コスト」にご配慮いただきたく、宜しくお願いします。具体的には、多くの事業者がそう
であるように最大2番号の使用を標準とし、また既に提供中のサービスならびに投資済みの付加価値サ
ービスについてはその継続をさまたげられないようにお願いいたします。
【株式会社 メディア】
○ 電気通信事業者の電気通信設備を識別するための電気通信番号(00XY、002YZ、0091
N1N2)
新規の事業者に対して一律に002YZ番号を割り当てる方法には反対致します。電気通信回線設備
を設置していることを条件とはせずに、一定の技術基準を満たし、サービスの安定性等が担保されて
いる事業者には00XYを指定しても良いと考えます。
即ち、方法3として以下のように追加することを提案致します。
方法3:新規の事業者に対しては、電気通信回線設備を設置していることを条件とはせずに、一定の
技術基準を満たし、サービスの安定性等が担保されている事業者には00XYを指定すべきである。
それ以外の事業者に対しては002YZ番号を割り当てる。
【ソフトバンクBB 株式会社】
○ 今後、事業用電気通信設備規則の見直しの方向性等を踏まえて、方法1と方法2を中心にどの
ような方法が適当か検討を深めることが適当であると考えます。すなわち、
「自ら中継ルーティング
に必要となる電気通信回線設備を設置・・・・」との案につきましても、事業用電気通信設備に係
る技術基準の見直しの動向をふまえ、今後検討していくことが適当と考えます。
○電気通信設備を識別する番号の事業者毎の数につきましては、報告書に述べたとおり、
「事業者間
の公平性確保、新規番号空間の確保の観点から新規に提供する付加価値通信サービスは1つの事業
者番号において提供するものとし、必要に応じて、事業者識別番号の返却について検討することが
必要である。なお、その際には、利用者の利便性の確保や、番号使用の廃止に伴うシステム改修コ
スト等に配慮することも必要である。
」と考えます。
○ 技術基準適合維持義務は、改正事業法において、
「電気通信回線設備を設置する事業者の電気通
信設備及び基礎的電気通信役務を提供する事業者の基礎的電気通信役務を提供するための電気通信
設備」に対し課されています(改正事業法第41条第1項及び第2項)
。技術基準適合維持義務が課
せられている場合には、技術基準を常に満たすことを、運用管理規程、電気通信主任技術者、基準
に合致しない場合の技術基準適合命令等により担保していますが、技術基準適合維持義務の対象で
ない場合には、その担保ができないことから、御意見の趣旨は、将来の法改正につながる検討課題
とすることが適当と考えます。
- 9 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○ 他の電気通信事業者に割り当てられている0AB∼J番号を用いてサービス提供している形態(I
P電話サービス等)が存在するが、このような形態のサービスを実施する場合の要件についても、客観
性、透明性を確保できるよう明確化願いたい。
【株式会社 エヌ・ティ・ティ・ドコモ】
○電気通信事業者が、他のIP電話を提供する電気通信事業者に着信する接続をしている場合にお
いて、当該IP電話を提供する電気通信事業者がNTT加入電話の電話番号をそのままIP電話の
電話番号として用いることは、電気通信事業法第48条の2(電気通信番号の基準)に違反してい
ることとなります。一方、電気通信事業者が他のIP電話を提供する電気通信事業者と電気通信設
備を接続していない場合において、NTT加入電話の電話番号をそのままIP電話の電話番号とし
て用いることは、事業法第48条の3(番号適合命令)の対象とはなっていません。
なお、
「IPネットワーク技術に関する研究会報告書」
(平成14年2月)において、
「電話網等と
相互接続されているか否かに関わらず、固定電話や携帯電話等に既に割り当てられているE.16
4番号と見かけが同じの非E.164番号(例えば、E.164番号と重複するような数字列)を
IP電話加入者の識別(着信番号及び発ID)に用いることは、ユーザに混乱を招く恐れがあるこ
とから望ましくはない。
」とされており、今後、利用者保護の観点から、ユーザの混乱の具体的な程
度等を含め、さらに検討していくことが適当と考えます。
○ 同一番号に対する複数事業者(複数サービス)の利用の可否
・ある事業者ではIP電話サービスをラインシェアリングされたADSL回線上で提供しているし、
更にNTT加入電話の電話番号をそのままIP電話の電話番号に事業者内通話の番号として流用して
います。NTT加入電話とIP電話が同じ電話番号であることは一見、利用者の利便性が向上している
かのように見えますが、ネットワーク間の相互接続を行った場合には大きな問題があります。
具体的な問題点としましては、発信利用者および接続事業者は適用される電話サービス(一般加入電
話かIP電話かどうか)や電話料金が予測不可能であることです。発信利用者は着信相手も同じIP電
話ネットワーク内に閉じた通信を利用していることを事前に知っている場合のみ、0AB∼J番号への
IP電話のルーティングで通信を行っていることを認識可能です。しかしながら、0AB∼J番号に発
信する場合は、通常、着信相手が同じIP電話網内か、もしくはNTT加入電話なのか区別がつきませ
ん。そのため、発信利用者は自分がどの通信事業者からサービスを主体的にうけているかが、きわめて
不明瞭になり、また適用される電話料金が予測不可能となります。また、接続事業者は接続相手事業者
のIP電話に一般加入電話と同じ電話番号が割り振られていることを事前に知ることは困難です。また
例え知り得たとしても、当該事業者の加入者が接続相手事業者に加入しているIP電話加入者宛の通話
を一般加入電話番号に従ってNTT東日本ないしはNTT西日本に中継すべきか、同一番号を持ったI
P電話に接続するために接続相手事業者にIP電話として中継すべきかを判断する基準が無い状況で
す。
・このように、IP電話事業者がラインシェアリングをしている電話番号と同じ0AB∼J番号をI
P電話に割り当てた場合に、エンドユーザがラインシェアリング上で使っていたSIP−IDを別のI
P電話機に使用すれば、同一番号が同一回線上に接続されている同一電話機で終端される保証がなくな
るので、発信ユーザに混乱を招く可能性があります。
・このような利用方法は、電話番号規則の「電気通信番号により電気通信設備又は電気通信役務の種
類若しくは内容を識別できるようにすること」に反するため、同一番号の複数事業者(又は複数サービ
ス)の利用に対する考え方については明確にすべきと考えます。
・したがって、IP電話に加入している利用者が、通信にあたってどのサービスで通信が行われたか
を知るために、「同一電話番号を複数事業者(又は複数サービス)で利用することを禁止する」ことを
要件に盛り込んでいただけますよう強く要望いたします。もし要件とならない場合は、同一電話番号宛
の通話をどのようにして識別して発信者及び着信者の希望する通話形態(既存の電話かIP電話)宛に
ルーティングするかの技術的仕様を通信事業者間で合意した上で、「同一電話番号を複数事業者(又は
複数サービス)で利用する際にはNTT東西とIP電話事業者の両者で呼記録を付き合わせるなどの協
調した運用を行う」ことを接続条件に盛り込んでいただけますよう強く要望いたします。
【イー・アクセス株式会社】
- 10 -
パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○ 0AB∼J番号を用いた固定電話(IP技術を用いたもの)は、いわゆるアナログ電話相当の
○ 加入電話とIP電話の識別の必要性
IP電話に0AB∼J番号が割り当てられた際には、電話利用者からは該当番号がNTT加入電話等
役務と位置付けられており、利用者から見てアナログ電話と同じに見えることについては、電気
の番号なのかIP電話の番号なのか識別が困難になり、発信利用者にとっては、着信側の電話形態によ
通信番号の基準の観点からは不都合であるとは考えられません。
って料金が異なる場合などは電話料金の認識ができず不都合が発生しますので、総務省殿に対しては事
業者に対して十分な対応を求めるなどの対応を要望します。
また、相互接続事業者にとっては、着信側の接続料金が電話形態によって異なる場合については、接
続料金の認識が出来ませんので、呼毎の識別方法について検討が必要と考えます。
【イー・アクセス株式会社】
○ 公正競争上、対応の必要がある事項
・NTT東西は平成 15 年 8 月 8 日に法人向けIP電話サービスについて活用業務の認可申請を行いま
した。今回の認可申請は050番号でのIP電話サービスが対象ですが、NTT東西が0ABJ電話番
号でサービスを行うことも可能となる場合には公正競争上大きな問題があります。
・NTT東西はもともとPSTNの0AB∼J電話番号を持っているので0AB∼J電話番号を利用し
たIP電話の展開を他事業者より非常に容易に行うことができます。既存電話の利用者は、現在使用し
ている0AB∼J番号をそのままIP電話番号として利用できるのならば、多くの利用者がNTT東西
のサービスをそのまま使い続けると考えられます。これはIP電話事業者が参入しても相変わらずNT
T東西がシェアを維持する構造になり公正競争上大きな問題があります。
・したがいまして、NTT東西が0AB∼J電話番号でIP電話のサービスを行う際には、NTT東西
と接続事業者の間での公正競争環境を確保するために、相互接続の義務化、番号ポータビリティの確保、
接続料金の見直しが必要と考えます。
・NTT東西の0AB∼J番号を使ったIP電話の相互接続の義務化
NTT東西が加入者回線については独占していることから、0AB∼J番号を利用したIP電話への
移行については、NTT東西は競争的には極めて有利な立場にいると考えられます。NTT東西が0A
BJ番号を使ったIP電話サービスを提供する場合には、NTT東西に対してIP電話による相互接続
を義務化し、接続事業者がIPインターフェイスでNTT東西のIP電話網と接続可能となるようにす
べきと考えます。
【イー・アクセス株式会社】
○ NTT東西に関する公正競争上の問題でもあることから、本研究会での直接の検討の対象では
ありませんが、番号ポータビリティに関する課題における検討において扱うべき課題と考えます。
(NTT東西の活用業務に関して、
「東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の日本電
信電話株式会社等に関する法律第 2 条第 5 項に規定する業務に係る認可申請に関する意見募集」が
なされております。
)
○ NTT東西のIP電話の接続料金
NTT東西の提供するサービスが加入電話かIPの電話なのかについてそのコスト構造からも接続
料金が異なってくると考えます。NTT東西が0AB∼J電話番号をIP電話サービスに利用するよう
になると、加入電話網を通して中継されIP電話端末に終端されるような接続形態において、接続事業
者に対して加入電話の接続料金などを要求するなど不適切な接続料金算定をする可能性も考えられま
す。NTT東西のIP電話の接続料金については、ユニバーサルサービスの適用範囲とともに接続ルー
ル等の場で整理し接続事業者の意見も十分に反映して検討することが必要です。
【イー・アクセス株式会社】
○ 本研究会の検討の範囲を超えていると考えます。
なお、NTT東西から活用業務の認可申請が行われている法人向けIP電話サービスを提供するに当
たって新たに設置される設備は、①市場で競争的に供給が受けられるものであり、②既に他事業者に
おいて設置しているものであることから、現段階でボトルネック性が存在するとは言えず、また、現行
の第一種指定電気通信設備を指定する告示(平成13年4月6日 総務省告示)において指定されていま
せん。したがって、その接続料については、接続会計等に基づく原価算定義務は存しませんが、当然、
合理的な算定が期待されるものと思われます。
また、ユニバーサルサービスの範囲については、別の場にて今後検討がなされることが期待されま
す。
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パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○ 最近、他事業者との間で、IP 技術を用いた固定電話サービスが電気通信番号規則上のどの条文を ○ 接続料金の問題であり、本研究会の検討の対象外です。
もとに指定されるかによって、相互接続協定上の整理を分類する動きがあります。単なる書面上の整理
の話であれば分類されることもやぶさかでありませんが、根拠条文の基準自体が曖昧であったり、また
その分類により技術・サービス的には全く同じ接続形態・提供形態であるにも係わらず、相互接続に係
わる期間や費用請求に差が出るとなれば非常に問題となります。現行でも同じ0AB∼J番号を利用する電
話サービスとしてアナログ電話とISDNで差異を設けていないのと同様の扱いをお願いいたします。
【株式会社 メディア】
○ 固定電話の番号ポータビリティの問題点を指摘したものであり、ご指摘のとおりIP技術を用
○ IP 電話の番号ポータビリティへの対応について (P.39 3.4(4)ウ)
・「IP 技術を用いる固定電話サービスについても番号ポータビリティの実現が期待される」とありま いた固定電話に限った問題ではないと考えます。
すが、既に弊社を含め複数社において番号ポータビリティを実現しております。
・また、本項の文面からは、「IP 固定電話で番号ポータビリティを実現する際には番号逼迫の観点か ○アナログ電話相当である「0AB∼J番号を用いた固定電話(IP技術を用いたもの)
」は、アナ
ら注意が必要」と、IP固定電話の番号ポータビリティに制度上の制限がかかるやも知れぬように読み取
ログ電話と同等のサービスであることから、アナログ電話との番号ポータビリティの対象と考え
れます。しかし番号ポータビリティにおける裏番号利用はIP固定電話に限った話ではなく、アナログ電
られますが、050番号を用いる役務は、0AB∼J番号を用いた役務とは異なる役務であり、
話・ISDN を含めた0AB∼J番号全体の問題として捉えていただくようにお願いいたします。
事業法第48条の2により「番号により役務等の識別ができること」により、番号ポータビリテ
【株式会社 メディア】
ィの対象とすることはできないと考えます。
○ IP電話の番号ポータビリティの確保
現在の番号ポータビリティの実現方法は、ご指摘のとおり、複数の0AB∼J番号が必要であ
NTT東西は現在、加入者電話番号については、接続約款で番号ポータビリティを実現しています。
るという課題を抱えており、番号ポータビリティの利用動向により、見直し検討が必要になるも
しかしながら、NTT東西の加入電話と接続事業者のIP電話の間、NTT東西のIP電話と接続事業
のと考えます。
者のIP電話の間、NTT東西のIP電話と接続事業者の加入電話の間については、いまだ番号ポータ
ビリティを実現できていません。現行の番号ポータビリティの方法では、接続するためのNTT東西の
設備コストが高い上に0AB∼J電話番号が複数必要なため電話番号の枯渇につながることから、NT
T東西の0AB∼J電話番号を接続事業者が自分のIP電話番号として利用可能となるような番号ポ
ータビリティの実現が早急に必要と考えます。
また、NTT東西のIP電話と接続事業者のIP電話と接続する際は、電話交換機を経由するのではな
く、SIPサーバで直接接続する必要があると考えます。現在、接続約款で規定されている番号ポータ
ビリティは、電話番号と線番がひもづけられた1対のデータに対して、新しい番号のデータをネットワ
ーク階層的に追加していく性質のものです。このため、自網の電話番号か他網の電話番号かは、データ
ベース内を毎回追って本当の番号にたどりつかなければ認知することができません。これではNTT東
西の電話交換機を経由した接続となりコストが高止まりし効率的ではありません。一方、IP電話から
の番号ポータビリティについては、電気通信事業者がSIPサーバ等のデータベース同士で連携し、実
際に呼接続をアクセス設備まで行わずにデータベースの参照のみで番号ポータビリティを実現できる
ようにするのがよいと考えます。
【イー・アクセス株式会社】
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パブリックコメントの結果
研究会の考え方
○0AB∼J番号の指定は「アナログ電話と同等の電話」に対して行うものです。いわゆる従来の
固定電話の代替となる電話(緊急通報を実施)に相当する場合には、緊急通報の実現が必須要件で
あり、努力義務とは異なります。しかしながら、他の要件と比較した場合に、
「緊急通報の実現」は、
緊急通報機関との各種調整等も必要であること(当該事業者のみで解決することが困難な面がある
こと)から、本報告書のような記述を行っているものです。
○なお、固定電話(IP技術を用いたもの)であれば、0AB∼J番号の指定要件3(利用者の地
理的識別)に用いている技術を用いて、IP電話であっても緊急通報を実現する基盤は整っている
ものと考えます。
○ 緊急通報の実現方法の在り方については、緊急通報機関、関係事業者とともに検討していくこ
○ 緊急通報電話の確保
現在、固定電話においてはNTT東西しか緊急通報電話の確保が行われていないのが実情です。特に
とが適当と考えます。
050番号とともに0AB∼J番号を利用したIP電話サービスがコンシューマ向けに拡大すること
になれば、新規参入事業者は緊急通報電話を早期に確保することは困難なため、競争促進施策としては
NTT東西に緊急通報電話ネットワークのオープン化を実現させる必要があります。
【イー・アクセス株式会社】
○ 緊急通報の扱いについて (P.39 3.4(4)エ及びP.41 3.4(5))
固定電話における緊急通報の扱いについては、P41 の0AB∼J 番号指定の4つの要件からはずれてい
ることから、必須の義務要件ではなく、従来の固定電話の代替となる電話に相当する場合に利用可能が
求められる、「実現努力すべき機能」という理解で間違いないか確認させてください。
【株式会社 メディア】
○ 現行のIP 電話サービスへの0AB∼J 番号指定要件を定めた「IP ネットワーク技術に関する研究会
報告書(H14 年2 月)」において、「IP電話における緊急通話・重要通信の確保を図るためには、通信
事業者の努力に委ねるのみでなく、国が主導して研究開発を行うことが必要」との指針が出されている
一方で、今回の「平成14 年度電気通信番号に関する研究会」においては緊急通話の利用可能が求めら
れており、研究会間の指針に不整合があるように思われます。「IP ネットワーク技術に関する研究会
報告書(H14 年2 月)」の指針の通り、通信事業者に一方的に求めるのではなく、実現するための事業
者負担コストが小さくなるような施策を国としても検討していただきたく、宜しくお願いします。(具
体的には各事業者がそれぞれ警察・消防庁に緊急通報のためのネットワーク敷設を行わなくてもすむよ
うな統一ネットワーク構築・支援や、既存の緊急通報とは異なるサービス品質を容認していただけるよ
う警察・消防への柔軟な対応の検討依頼など)
【株式会社 メディア】
○ 固定端末系伝送路設備、無線呼出しの役務に係る端末系伝送路設備等を識別するための電気通信番
号(0AB∼J)について
消防や救急、警察等への緊急通報体制の整備は、広く国民の安全にかかわる社会基盤の整備でもあり、
政府行政の義務の一つであると言えます。この社会的コストは一部の特定の企業が負担するべきもので
はありません。また IP 電話等の事業者にとって、緊急通報のコストを負担することは、緊急通報を導
入する足かせになるとも考えられます。 IP 電話からの緊急通報を経済的に実現する方法について国が
主体になって検討を行い、コストは政府行政、例えば警察や消防等、通報を受ける側が国家予算に組み
込んで負担し、安全安心な社会の構築をめざすべきであると考えます。
更に、消防及び救急への緊急通報の接続実現に於いては、全国900拠点以上もの司令室機関との個
別の接続交渉が必要になるなど、電気通信事業者の負担が掛かりすぎているのが現状です。緊急通報の
取り扱いを整理するのであれば、行政機関の対応状況も踏まえ政府行政が接続しやすい環境を構築すべ
きであると考えます。
【ソフトバンクBB 株式会社】
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パブリックコメントの結果
研究会の考え方
第4章
○ ダイヤルイン番号の利用の拡大により番号需要が増大すると、番号逼迫地域において既存の電
○ ダイヤルイン番号の扱いについて(P56 4.3(3))
・「0AB∼J番号が指定される固定電話(IP 技術を用いたもの)については、ダイヤルインサービスの 話利用者の番号変更という社会的コストが発生すること等から、ダイヤルイン番号が適切に利用さ
実現コストが既存の固定電話における場合に比較して低いこと等から、ダイヤルイン番号の需要動向に れることの重要性を指摘したものです。
ついては特に注意していく必要がある」とありますが、弊社としてはIP技術を利用した電話か否かで実
ダイヤルインの実現コストについては、いわゆる従来型の回線交換型の電話設備と比較した場合
現コストにそれほど差異があるわけでなないと認識しております。実現コストの差異の根拠についてお に、パケット交換型でIP技術を用いた設備であれば、その実現方法から考え、相対的に安価に実
示しください。
現できる可能性を指摘したものです。一方、IP技術を用いたものであっても、費用はソフトウェ
・またそもそも実現コストの差異の問題で、IP 技術を用いたもののみダイヤルイン番号の利用に制
アのライセンス料金等に左右されること、要件となる品質確保のためには相応の設備投資が必要で
限をかけるような規制をかけるべきではないと考えます。コストの高低はその技術を選んだ事業者の
あること等により必ずしも安価とならないことも想定されます。このため、御意見を踏まえ、4.
判断・努力のものであり、低コストで実現すると規制が厳しくなるのであれば、コスト削減努力の抑
4において「低い」を「低くなる可能性がある」と修文することが適当と考えます。
止効果が働くことになります。
【株式会社 メディア】
○ 報告書第 4 章 4.4 にあるように、
「国際ローミングにおけるサービス利便の向上に繋がるもの
○ 第3世代携帯電話等におけるローミングインユーザーの特番利用 [56∼57 頁 4.4]
国際ローミングインユーザーが日本で自国と同じ特番を利用可能とすることにつきまして、
特例措置 であることから、我が国の緊急通報機関等との調整が可能であれば、ローミングインユーザに限定し
として認め、具体的取扱いを携帯電話事業者に委ねていただきますことは、国際動向とも整合性が取れ た例外措置として認められるものとし、具体的な取扱いは携帯電話事業者に委ねられることとして良
た結論であると共に、国際ローミングサービスの活性化につながる政策として弊社も歓迎致します。 いもの」と考えます。
今後も諸外国の動向を踏まえ、グローバルな視点に立った電気通信番号政策を推進いただきますこと
を要望致します。
【ジェイフォン 株式会社】
○ 報告書第 4 章 4.5 にあるように、
「国際役務を提供しない事業者においても国際信号局コード
○ 国際ローミングサービスにおける国際信号線利用 [57∼60 頁 4.5]
物理的な対向局が国内同士の場合であっても、国際信号局コードを利用することは、外国でもいくつ
を取得することの是非について、ITU勧告及びその解釈並びに海外における実態を踏まえた上
かの事例が見られるところであり、最終的に海外の信号局との間でMTP 信号による接続を実現するので
での検討を行うこと」が適当と考えられます。
あれば、ITU 勧告の規定に反するものではないと考えます。
また、このように国際信号局コードが取得できない状況が続きますと、利用者に対するサービス提供
の遅延及び電気通信事業者におけるネットワーク機能の追加的な開発が不可避となり、結果として利用
者利便の向上及び電気通信サービスのさらなる発展を阻害するおそれがあります。
かかる状況を踏まえまして、我が国においても国際役務を提供しない電気通信事業者による国際信号
局コードの取得実現に向け、さらなる検討を推進していただきますことを要望致します。
【ジェイフォン 株式会社】
- 14 -
携帯電話のポータビリティに関する勉強会
報告書
平成14年1月にとりまとめられた「情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整
備の在り方に関する研究会」中間報告のなかで、「ゲートウェイのオープン化によるI
SP接続の円滑化、WAP2.0の規格標準化、端末販売と通信サービスのアンバンド
ル化の可能性、番号ポータビリティの導入方法(費用負担の在り方等を含む。)等につ
いて、一体的に、メーカ、通信事業者、行政当局等の間の意見交換を通じた検討の場を
設けることが適当との提言がなされた。
本勉強会は、この提言を受けて、平成14年度において、移動体番号ポータビリティ、
UIMカードのロック解除等に関する実現方式、導入に伴う費用の試算等について、事
業者、端末ベンダ等の専門家を交えて技術的な検討を行ってきたものである。
番号研究会において検討したものではないが、参考資料として添付した。
(参考)
「携帯電話のポータビリティに関する勉強会」について
1.目的
(1)
携帯電話の番号ポータビリティ(以下「MNP」という。)を導入するに
あたって、具体的な実現方式及び導入に係る費用試算について検討を行う
こと。
(2)
MNPと併せて端末のポータビリティを実現するための課題と解決方策
を検討し、MNPを実現する場合に想定されるロードマップの試案につい
て検討を行うこと。
2.参加メンバ
【事業者】
石津 浩一
櫻井 桂一
友納 一義
藤原 塩和
富永 寛
神野 公秀
【ベンダ】
大谷木 國興
串崎 誠
鈴木 晴夫
冠 久敏
中野 知也
川崎 秀次
矢野 敏彦
若林 清久
宮崎 良人
山崎 潤
KDDI㈱
㈱ツーカーセルラー東京
J―フォン㈱
㈱NTTドコモ(第1回)
㈱NTTドコモ(第2回から)
日本電信電話㈱(第2回から)
シャープ(株)
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)
松下通信工業(株)(第2回まで)
松下通信工業(株)(第3回から)
日本電気(株)
三洋テレコミュニケーションズ㈱(第2回まで)
三洋テレコミュニケーションズ㈱(第3回から)
ノキア・ジャパン(株)
モトローラ(株)(第2回まで)
モトローラ(株)(第3回から)
3.その他
事務局は、電気通信技術システム課及び番号企画室が行う。
1
Ⅰ
移動体番号ポータビリティ(Mobile Number Portability)に関する検討
移動体番号ポータビリティ(携帯電話事業者を変更しても番号が変わらない仕組み
のこと。Mobile Number Portability、以下「MNP」)を実現するための方式には、
①転送方式、②IN(データベース)方式及び③リダイレクション方式が考えられる
が、対象とする網の種類や条件などの組み合わせを考えると膨大なパターンができる。
これらパターン全てについて費用試算を行うには困難であることから、我が国のMN
Pの方式として、フィージビリティの高い方式及び前提条件を仮設定し、それに基づ
いて導入に係る費用試算を行った。
また、MNPの導入に関する課題を抽出し、今後の検討に向けた方向性をとりまと
めた。
1.MNP の導入に関する国際的な動向
1997年にシンガポールにおいてMNPが導入されてから、英国、香港、オラン
ダなど、多くの国で導入が行われている(別添参照)。また、現時点でMNPを導入
していない米国等においても、MNPの導入を予定しているなど、国際的にはMNP
導入が着実に進んでいる状況にある。
MNP導入に際しては、シンガポール、香港、オランダ等のように、規制当局がM
NP導入を義務化することによって導入されている例が多いほか、その他の場合につ
いても規制当局がMNPの導入を決定するなど、規制当局が一定の役割を果たしてい
る。
MNPの実現方式については、各国でそのルーティング方式やデータベース方式が
異なっており、また、導入に伴う費用についても、香港の100億円程度とする試算
から米国の約1800億円まで、様々であることから、MNP実現方式や費用試算は
それぞれの国における携帯電話のシステムによって異なるものと考えられる。
MNPを利用する携帯電話ユーザからの費用の回収方法も多様であり、MNPによ
る移転先事業者だけでなく、移転元事業者からも課金される場合や、定額のMNP負
担料金を定めている例もあるほか、携帯電話ユーザに料金負担を求めない場合がある。
また、移転処理手続きに時間を要することなどの理由から、MNP導入後、実際に
MNPを利用している携帯電話ユーザ数は、携帯電話加入者の1%程度となっている
国が多く、現状では必ずしもMNPが携帯電話ユーザに広く一般に利用されている状
況ではない。
2.MNPの実現方式
MNPの実現方式として、ルーティング方式、移転先番号の管理方法、移転先を示
す情報のそれぞれについて、現時点におけるフィージビリティの検討を行い、費用試
算の対象とする方式の検討を行った。
(1)
方式ごとの定性的評価
①
ルーティング方式
MNPのルーティング方式としては、次の3方式が想定されるが、移動網発信
と固定網発信とに場合分けして検討を行った。
ア)
転送方式
2
発信元事業者から移転元事業者へルーティングし、移転元事業者がユーザ
の移転先を示す情報※を基に移転先事業者に転送。
(※
2.(1)
③を参照)
発信網(=移動網or固定網)
移転元網
ポータビリティ制御
②DB照会
③移転先を示す
情報を取得
①CDEコードによる
ルーティング(従来)
④移転先網へ
ルーティング
⑥着信接続
⑤加入者認
証、在圏検索
モビリティ/サービス制御
移転先網
○発信網はCDEコードによる従来ルーティング
○移転元網は移転先網へ移転先を示す情報により転送
○移転先網は移転先を示す情報をもとにモビリティ/サービス制御
3
イ)
IN(データベース)方式
発信元事業者において携帯電話ユーザの移転先を示す情報をデータベー
ス(個別または共通)に照会し、その結果を基に発信元事業者から移転先事
業者に直接ルーティングを行う。
発信網(=移動網or固定網)
移転元網
ポータビリティ制御
①DB照会
②移転先を示す
情報を取得
③移転先網へ
ルーティング
⑤着信接続
④加入者認
証、在圏検索
モビリティ/サービス制御
移転先網
○発信網は信号オペレーションにより移転先を示す情報を取得
○発信網は移転先網へ移転先を示す情報によりルーティング
○移転先網は移転先を示す情報をもとにモビリティ/サービス制御
※上記は個別データベース方式(後述)による接続イメージ
4
ウ)
リダイレクション方式
発信元事業者から移転元事業者へルーティングし、移転元事業者が携帯電
話ユーザの移転先を示す情報をデータベースに照会し、その結果を発信元事
業者に通知することにより、発信元事業者から移転先事業者に直接ルーティ
ングを行う。
発信網(=移動網or固定網)
移転元網
ポータビリティ制御
①CDEコードによる
ルーティング(従来)
②DB照会
③移転先を示す
情報を取得
④リダイレクション
(回線開放)
⑤移転先網へ
ルーティング
⑦着信接続
⑥加入者認
証、在圏検索
モビリティ/サービス制御
移転先網
○発信網はCDEコードによる従来ルーティング
○移転元網はリダイレクション(移転先を示す情報)を指示
○発信網は移転先網へ移転先を示す情報によりルーティング
○移転先網は移転先を示す情報をもとにモビリティ/サービス制御
5
転送方式の場合、余分な通話パスの設定が必要であり、他の方式に比べて回線増
設等の設備費用が大きいことが想定される。一方、発信事業者網の改修は基本的に
不要である。
IN方式の場合、転送方式に比べ効率的な回線設定が可能であるが、発信・移転
元・移転先のすべての事業者において、他の方式よりも大規模なネットワーク改修
が必要となり、相当の費用が見込まれる。
リダイレクション方式については、発信・移転元・移転先のすべての事業者にお
いて改修が必要となるが、IN方式ほど大規模な改修を必要としない。
【移動体発信の場合】
回線設備の効率的利用の観点、及び開発・網改修費用の観点から、リダイレ
クション方式を中心に検討を行う。ただし、固定網がIN方式を採用する場合
には、移動網においてもIN方式を採用したほうがトータルの費用として有利
となる可能性がある。
【固定網発信の場合】
固定網に開発及び網改修費用が発生しない点を重視し、転送方式を中心に検
討を行う。ただし、回線設備の効率的利用を重視する場合はリダイレクション
方式が有利であり、また上記と同様に移動網とIN方式を共用する場合はトー
タルの費用が他の方式より有利となる可能性がある。
②
移転先番号の管理方法(データベースの設置形態)
ア)
個別データベース方式
事業者(移転元事業者)が個別に管理するデータベースに移転先番号を保
存。事業者個別の信号方式(プロトコル)でアクセスすることが考えられるが、
IN方式については発信事業者が複数の移転元事業者のデータベースにアク
セスする必要があることから、信号方式(プロトコル)を事業者間で統一する
ことが望ましい。(すべてのルーティング方式において利用可能)
イ)
共通データベース方式
事業者共通のデータベースに移転先番号を保存。信号方式(プロトコル)
を事業者間で統一することが必要。(IN 方式において利用可能)
共通データベース方式においては、データベースの構築・維持管理の方法(費
用負担、維持管理体制、信号方式の共通化等)等について検討することが必要で
あり、我が国における携帯電話事業者の番号管理の現状を踏まえると、現実的な
方式ではなく、具体的な方法が定められたとしても、その実現には相当の費用、
期間が必要となる。
一方、個別データベース方式の場合、各事業者における利用実績があり、維持
管理主体が明確となっていること等から、共通データベース方式と比較すると、
6
フィージビリティが高いと考えられる。
③
移転先を示す情報(移転先の通話相手先を特定するために使用する、ユーザ
のダイヤル番号とは異なる番号)
ア)
二重番号
移転先の端末(伝送路設備)に接続するため、移転先の端末に新たに付与
される移動体の番号。付与する番号は(固定電話の番号ポータビリティと同
様)移転先事業者が指定を受けている番号より選定するほか、二重番号の使
用による電話番号不足が予測されるため、新たな番号空間の利用も考えられ
る。
0A0−CDE−FGHJK(A=8,9または新たな番号空間)
イ)
ルーティング番号
移転先に接続するための、既存の番号体系とは異なる特殊な番号。
二重番号を用いる場合、番号の効率的利用の観点で問題がある。一方、ルーテ
ィング番号を用いる場合、新たなルーティング方法となるため、網改修が必要と
なる。本検討においては、MNPの需要が多く、番号の効率的利用が必須である
と仮定し、ルーティング番号の使用を前提とする。
(2)
費用試算の対象とする方式
以上の検討を踏まえ、MNPの実現方式については、次の3パターンについて
費用試算を行った。
費用試算においては、網改修のコストが最小と想定される組合せであるパター
ン1(移動網発のみリダイレクションとする場合)と、網改修のコストが高いこと
が想定されるパターン3(移動網及びNTT地域網発について、INとする場合)
及びこれらの中間であるパターン2を選んでいる。
また、移動網以外については、検討の対象を最小限に抑える観点から、NTT
地域網のみとし、その他の網は原則として網改修を行わず、移動網において転送方
式を採用することとした。また、移動網に着信するためにNTT地域網を経由する
発信網(以下、NTT経由網とする)については、移動網における転送のほかに、
NTT地域網においてリダイレクション、IN方式等を実施する案も考えられる。
なお、これら仮定は純粋に技術的検討のための費用試算に係る前提条件の設定であ
る。
7
網改修の有無 ○:要改修
発信網
方式名
発信網
パターン1
経由網
(NTT)
パターン2
移転元
網
移転先
網
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
移動網
NTT 地域網
NTT 経由網
直接接続網
リダイレクション
転送
転送
転送
○
−
−
−
移動網
NTT 地域網
リダイレクション
リダイレクション
リダイレクション
または転送
転送
○
○
−
○
○
IN
IN
IN
または転送
転送
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
NTT 経由網
直接接続網
パターン3
移動網
NTT 地域網
NTT 経由網
直接接続網
(凡例) NTT経由網
直接接続網
−
−
−
○/−
○/−
−
:地域網、PHS 網、CATV 網、国際網
:国際網、地域網
各ルーティング方式の仕様は次のとおり。
①
リダイレクション方式
信号プロトコル
DB
ルーティング
番号
ISUP(REL メッセージにルーティング番号を指示)
個別 DB 方式(移転元網にて構築)
移転先事業者への ISUP 信号に次のとおり設定
着 番 号 パ 番号種別表示 0000110
ラメータ
(国内番号フォーマットのネットワ
ークルーティング番号(国内用))
アドレス情報
事業者固有のコード
(例:1XY、00XY、090-CDE 等)
( 参 考 ) 着 番号種別表示 0000011
(国内番号(国内用))
ディレクト
リ 番 号 パ アドレス情報
ダイヤル番号(0A0-CDE-FGHJK)
ラメータ
8
②
IN方式
信号プロトコル
DB
ルーティング
番号
③
INAP (※S-POI を新たに設置。)
個別 DB 方式(移転元網にて構築)
INAP 信号では標準外であるが、リダイレクション方式と同様にル
ーティング番号(事業者固有コード)を使用する。
着 番 号 パ 番号種別表示 0000110
ラメータ
(国内番号フォーマットのネットワ
ークルーティング番号(国内用))
アドレス情報
事業者固有のコード
(例:1XY、00XY、090-CDE 等)
( 参 考 ) 着 番号種別表示 0000011
(国内番号(国内用))
ディレクト
リ 番 号 パ アドレス情報
ダイヤル番号(0A0-CDE-FGHJK)
ラメータ
転送方式
信号プロトコル
DB
ルーティング
番号
ISUP
個別 DB 方式(移転元網にて構築)
発信網では既存どおりダイヤル番号を使用する。
移転元事業者から移転先事業者への転送にはリダイレクション
方式と同様に、移転先事業者への ISUP 信号にルーティング番号
(事業者固有のコード)を使用する。
3.MNPの費用試算における条件
(1)
①
その他の網機能
移転先網におけるサービス提供
移転先事業者の端末を利用するポートインユーザに対しては、従来からの当
該事業者のユーザとの公平性を確保できるよう各網で機能を具備する。
注
実際にMNPを行う場合に、義務的条件とするかは別途検討が必要。
(例)全てのNW付加サービスを提供可能とすること
−留守番電話、転送電話、発信者番号通知、等
(例)ポートイン中の3G端末への非制限デジタル呼着信機能の具備
−全事業者でエコーキャンセラを迂回する機能が必要
②
事業者/料金通知機能
MNPの導入により通話料金やサービスメニューなど契約条件が変化する。
今回の検討においては、発信側ユーザに対して、契約条件の変化を理解するた
めの手段として、着側移動体事業者にてガイダンスを挿入することを前提とす
る。なお、ガイダンス挿入の対象はMNP呼のみとする。
(例)「こちらは(事業者名)です。おかけになった電話は、X秒 10 円
の通話料がかかります。」
③
料金システム、事業者間精算システム
9
課金・精算系システムの改修費用も試算に盛り込む。ユーザ課金については
一時金、定額料金、従量料金などの課金を可能とする機能を具備する前提で検
討する。また事業者間精算については、MNP通話に関する中継事業者・移転
元事業者が把握できるようデータを取り出す機能を具備するという前提で検
討する。
(2)
サービスオーダーシステム実現方式
①
サービスオーダーに関するシステム化
a
b
②
MNP利用オーダー、移転先情報の管理等(番号割当事業者)
MNPによる新規受付、加入者情報の管理等(移転先事業者)
事業者間のシステム連動項目(自動化、オンライン化)
事業者間のシステム連動項目は以下のとおり
<MNPが初回の場合>
a MNP開始オーダー(移転先事業者→移転元(番号割当)事業者)
b aの完了通知(移転先事業者←移転元(番号割当)事業者)
<MNPが二回目以降の場合>
c MNP変更の予約(移転元事業者→番号割当事業者)
d MNP変更オーダー(移転先事業者→番号割当事業者)
e dの完了通知(移転先事業者←番号割当事業者)
f MNP停止オーダー(移転先事業者→移転元事業者)
g fの完了通知(移転先事業者←移転元事業者)
<MNP解除、電番変更、強制解約の場合>
h MNP解除の通知(契約事業者→番号割当事業者)
i hの完了通知(契約事業者←番号割当事業者)
※ 解約受付は、移転元事業者で行う。
※用語の定義
・番号割当事業者:電気通信番号の指定を受けた事業者
・移転元事業者:携帯電話ユーザが契約中の事業者
・移転先事業者:携帯電話ユーザが新たに契約しようとしている事業者
・契約事業者:現在契約を結んでいる事業者
(3)
MNPの需要数
①
MNP呼を接続する設備コスト算出には、全契約者の 50%または10%が
番号ポータビリティを利用し、ポートイン・アウトそれぞれ同じ比率であるも
のと仮定して検討する。
② サービスオーダーコストの算出には、全契約者の2%または 0.2%が毎月番
号ポータビリティで契約事業者を変更しているものと仮定して検討する。
4.MNPの実現方式の検討
(1)
費用試算結果
2及び3の条件に従って、MNP導入に伴う費用試算の結果は次のとおりである。
10
なお、この費用試算においては、2G、3Gの携帯電話全てを対象として試算を行
っている。
①
MNPのユーザ数が加入者の50%としたとき
[設備投資・開発費]
【パターン1】
【パターン2】
【パターン3】
移動体のみリダイレクシ 移動体・NTT地域発は 移動体・NTT地域発は
ョン方式(他は転送方式) リダイレクション方式(他 IN方式(他は転送方式)
は転送方式)
開発費
448 億円
498 億円
641 億円
設備費
1,040 億円
1,012 億円
1,182 億円
合計
1,487 億円
1,510 億円
1,825 億円
[ランニングコスト]
専用線費用
(業務委託回線)
②
47 億円
18 億円
18 億円
MNPのユーザ数が加入者の10%としたとき
[設備投資・開発費]
【パターン1】
【パターン2】
【パターン3】
移動体のみリダイレクシ 移動体・NTT地域発は 移動体・NTT地域発は
ョン方式(他は転送方式) リダイレクション方式(他 IN方式(他は転送方式)
は転送方式)
開発費
448 億円
498 億円
641 億円
設備費
467 億円
533 億円
763 億円
合計
915 億円
1,031 億円
1,404 億円
[ランニングコスト]
専用線費用
(業務委託回線)
注
13 億円
7 億円
7 億円
各社でポートイン(他の事業者から移転)
・ポートアウト(他の事業者に移転)の割
合が一致することはないことから、試算結果は今後の検討における現時点での参考値。
また、費用試算には、次の費用を含んでいない。
・営業費用、電気代、保守費用、設備増設による局舎(二重床の機械室、電力設備、
空調設備、局内ケーブル等を含む)等
この費用の試算結果を見ると、IN方式を導入する場合には開発費は高くなって
おり、また転送方式はMNPのユーザ数の増加に対する設備費の増分が大きいとい
える。
11
さらに、国際的な動向からも、携帯電話のユーザの50%がMNPを利用する状
況は、MNPの利用率が極めて高い状況といえるが、その場合、移動体のみリダイ
レクション方式を用いる場合は、他の方式を選択した場合と比べ、最大で200億
円程度の差となっている。
このため、MNPの利用率が著しく大きくならないことを前提として、現時点に
おいて、費用負担のみで判断した場合には、移動体のみをリダイレクション方式と
して、他は転送方式を採用する方法が経済的である。
ただし、IP化の進展により、電話交換機に対する開発(機能追加)等が困難と
なる可能性があるため、実現にあたっては、このような問題への配慮も必要である。
(2)
移転先を示す情報
今回の費用試算の前提としている方式では、移転先を示す情報として、二重番
号でなくルーティング番号を使用している。
ルーティング番号の例示として、移動先事業者を識別する目的で1XY、00
XY、090−CDEを挙げており、それぞれの事業者にユニークに割当てられ
ている番号を利用することが考えられる。このルーティング番号については、あ
くまでMNPの移転先へのルーティングのためのみに用いられるものであり、そ
れぞれの番号の本来の使用には影響を与えることは無いと考えられる。
また、0A0の番号空間等の新たな番号資源を必要としないことから、番号資
源の有効活用の観点からも、費用試算の前提としている方式は、いずれも問題な
いものと考えられる。
ただし、MNPを導入する際には、ネットワークルーティング番号として、事
業者を識別する番号を利用すること、また、具体的な番号として何を使用するか
を定めることが必要である。
5.MNP導入に関する課題
今回の検討においては、MNPの実現方式、導入費用の試算等、技術的な検討を
行ってきたが、MNPの導入について、目的、必要性、費用負担のあり方、事業者
間の運用ルール等、以下の課題を明確にする必要がある。
(1)
MNP導入の目的
導入目的は、大きく分けるとMNPの受益者である携帯電話ユーザの利便性の向
上と、競争環境整備等が考えられるが、まずは携帯電話ユーザの利便性の向上を主
たる目的として考えるべきであり、携帯電話ユーザの意向、ニーズを把握すること
が必要である。
また、MNPを導入する場合には、導入する全ての事業者に共通する方式、方法
によらないと、携帯電話ユーザがMNPを利用できる場合が限定されるため、MN
Pの導入の是非、具体的方式及び方法は、事業者間のコンセンサスによって決定さ
12
れることが適当である。
(2)
MNP導入の必要性
MNPに関する費用については最終的には携帯電話ユーザに費用負担が転嫁される
ことから、導入の必要性や是非を判断するためには、具体的な携帯電話ユーザのニ
ーズを把握することが不可欠である。
このため、今回の導入費用試算を踏まえ、MNP導入に伴う携帯電話ユーザの負
担を考慮したうえで、携帯電話ユーザのニーズに関する調査を行うことが必要であ
る。
(3)
費用についての回収方法
費用についてはいずれの場合であっても、携帯電話サービスの料金に反映される
こととなる。このため、費用の回収方法については、携帯電話ユーザのニーズを踏
まえて定めるべきものであり、まずは携帯電話ユーザに費用負担の在り方について、
具体的な選択肢を示したうえで、さらに専門的な立場で検討を行うことが必要であ
る。
また、MNPユーザ負担と事業者負担の比率については費用負担方法によって定
まるものである。MNPユーザの負担を軽減して、事業者の負担とした場合は、結
果として他の携帯電話ユーザを含めて料金に転嫁されることから、費用負担方法に
ついてユーザの意向を調査する場合には、携帯電話ユーザに幅広く意向を調査する
ことが必要であり、さらに専門的な立場で検討を行うことが必要である。
(4)
MNPの導入対象
導入する世代については、携帯電話ユーザの利便性の観点から可能な限り全ての
世代で対応すべきであるが、MNP導入時期との関係で、3G導入事業者の3G移
行が進展し2G加入者が減少している段階において2GにもMNPを導入する場
合など、2Gを対象とすることによって、システム改修等に要するコストが大きく
異なる場合には、改めて、導入費用等との関係で2Gを対象とすべきか否か検討す
ることが必要である。
(5)
MNP導入後におけるサービス提供の考え方
サービス提供主体は、携帯電話ユーザとの関係からは移転先事業者として考える
ことが適当であると考えられるが、機能提供、費用負担等については、移転元事業
者と移転先事業者等関係事業者間でのルールの整理が必要である。
また、移転元事業者と移転先事業者の連携において、 カスタマーサービス体制
をどのように構築するか等についても、MNPの実施にあたって、事業者間での運
用ルールを確立するとともに、円滑な実施を図るための体制が必要である。
固定網発移動体着等の場合、MNPが利用された通話について従来と異なる料金
が適用される場合がある。さらにサービスメニューなど契約条件が変わることとな
る。これらを発信側ユーザに伝える目的で、今回の試算の前提としてはガイダンス
13
を流すこととしたが、こうした対処の必要性・方式等については、検討が必要であ
る。
また、ガイダンス等による通知の必要性や通知すべき個人情報の取扱い等につい
ても、調査が必要と考えられる。
以上の検討・調査の基礎情報として、携帯電話ユーザの意向を調査することが考
えられ、整理すべき制度面の課題があれば、法的検証や法制度に関する検討が必要
である。
(6)
緊急機関からの要請等に対する対応
緊急機関からの要請等への対応については、MNPの実施にあたって必要な場合
には、警察・消防等の機関とも調整を行うべきである。また、個人情報保護等の観
点から、整理すべき制度面の課題があれば、法的検証や法整備等に関する検討を行
い、関係者間での役割分担、業務フロー等運用面の課題があれば、新たな対応ルー
ル等の構築が必要と考える。
14
Ⅱ
MNP以外の検討課題
携帯電話事業者を変更した場合に、それまで使用している携帯電話端末を替えるこ
となく使用できること(端末ポータビリティ)を実現するためには、MNPだけでな
く、事業者を変更した場合であっても、同一のメールアドレスを継続して使用できる
こと(メールアドレスポータビリティ)、同一の移動機で新規契約先の携帯電話事業
者が提供している各種アプリケーションを利用できること、UIMロックされていな
いことが必要となっている。
このため、それぞれの課題を解決するための問題点及び解決の方向性について、検
討を行った。
1.端末ポータビリティに関する国際的な動向
端末ポータビリティについては、諸外国においても、モバイルインターネット通信
のプロトコルやコンテンツ記述言語について統一されていない等によって、GSM方
式の場合であっても、携帯電話事業者を変更した場合には、携帯電話端末を替えなけ
れば音声電話といった基本サービスでしか利用できない状況となっている。
このため、WAP(Wireless Application Protocol)2.0が標準化され、これ
を各事業者が採用する方向にあるなど、一定の前進は見られるが、各事業者間で共通
の仕様によるモバイルインターネットサービスを利用できる状況とはなっていない。
他方、GSM方式の携帯電話ではSIMカードが利用されていた経緯があり、例え
ば、英国において、端末販売のインセンティブ回収期間を標準的に12ヶ月と判断し、
個別事案ごとに判断されてはいるものの、基本的にはインセンティブ回収後はUIM
ロックの解除が進められている。
2.メールアドレスポータビリティ
携帯電話ユーザが携帯電話事業者を変更した場合であっても、メールアドレスを変
更することなく、メールの送受信を行うためには、メールアドレスポータビリティを
実現することが必要である。
メールアドレスポータビリティについては変更前の携帯電話事業者から与えられ
ていたメールアドレスをそのまま利用することであるが、代替案として、ISPのメ
ールサービスを利用する方法が考えられる。
しかしながら、それぞれの方法については、次の課題がある。
(1)
①
携帯電話事業者によるメールアドレスポータビリティ
ドメインネームと各事業者等との不一致
ドメインネームを含むメールアドレスポータビリティとした場合、一般にドメ
インネームはメールサービスを提供するISPや携帯電話事業者によって異な
っていることから、携帯電話ユーザがメールアドレス(ドメインネーム)から
認識する事業者やサービスが実際と異なることとなる。
②
メールアドレスを活用したサービスへの影響
各事業者独自の仕様を採用しているサービスには、ドメインネームに従い、相
15
手先に応じた処理を行っているものがあるため、メールアドレスポータビリテ
ィの実現によって、このようなサービスに支障をきたすことが考えられる。
(2)
①
ISPによるメールサービスの利用
ISP事業者との接続
メールアドレスポータビリティの実現の代替として、ISPとの接続のオープ
ン化によりISPのメールサービスを利用可能とした場合であっても、ISP
と携帯電話事業者との接続の確保が必要。
また、既存端末のメールアプリケーション等がISPのメールサーバに接続し
た場合に対応できない場合がある。
メールサービスを提供する携帯電話事業者を変更した場合、他のISPを変更した
場合と同様、メールアドレスが変更になることは、携帯電話ユーザの一定の理解も得
られるものと考えられる。
一方、携帯電話ユーザの利便性を図る観点からは、メールアドレスポータビリティ
の実現するだけでなく、ISPとの接続のオープン化によって、携帯電話等の複数の
端末で同じアドレスでISPのメールサービスを受けられることが必要と考えられ
る。
このためメールアドレスポータビリティについては、携帯電話事業者のメールサー
ビスでのメールアドレスポータビリティを導入するよりも、その同等の役割を果たす
代替策として、携帯電話事業者のISPとの接続を図ることによる解決が現実的であ
り、これは、他の端末でのメールアドレスの取扱いとも整合が図られる。
また、ISPとの接続については、携帯電話事業者に対して全てのISPとの接続
を義務とすることではなく、ISP、携帯電話事業者がそれぞれのサービス展開の中
で対応を検討することが適当と考える。
なお、携帯電話事業者のメールアドレスが変更された場合の対応として、それぞれ
の携帯電話事業者のメールサービスの中で、メール転送等のサービスを行うことも、
携帯電話ユーザ利便を確保するための一つの方法と考えられるが、携帯電話ユーザと
移転元携帯電話事業者との間で契約関係が残ること、メールアドレスを利用したサー
ビスへの影響等の課題がある。
3.端末ポータビリティ
携帯電話事業者を変更した場合にも、引続き同じ端末を利用できることとする端末
ポータビリティを実現するためには、次の課題がある。
(1)
無線方式及び周波数帯の違い
携帯電話事業者によって、無線方式や使用周波数帯が異なっているため、端末
ポータビリティを実現するためには、複数の方式に対応した端末の開発が必要。
(2)
アプリケーション仕様の相違
端末で提供されているブラウザ機能等の技術的仕様は、各携帯電話事業者で異
なっているため、端末ポータビリティが実現された場合にあっても、一般の通話
16
以外のオプションサービスを継続して利用できない場合がある。
(3)
サービス開発のインセンティブ
端末のアプリケーションについて、それぞれの携帯電話事業者が他社とサービ
ス面での差別化を図る必要性が、実質的に各事業者における多様なサービスの開
発のインセンティブとなっているため、端末ポータビリティ実現の前提となるサ
ービスの標準化や仕様の共通化によって、このようなサービス開発のインセンテ
ィブを損なう恐れがある。
他方、ベンダーによって、各社共通に使用できる新たな端末の開発等の誘因と
なる可能性もある。
端末ポータビリティを実現するための今後の対応としては、 端末の多様なアプリ
ケーションの標準化に向けた取り組みが行われており、携帯電話事業者・ベンダー含
めた体制の下で、一定の共通基盤となる部分について、標準化に向けた検討が進めら
れていくことが適当と考える。
無線方式/周波数帯の違いについても、ソフトウェア無線のように、将来的には1
台の端末が多様な方式に対応できるようになる可能性も考えられる。
このように現状では技術的な課題も多く残されているが、将来的には標準化や技術
革新の進展によって実現される可能性を踏まえ、携帯電話事業者だけでなく端末ベン
ダーも含め、多様なサービスの開発を促すとともに、携帯電話ユーザの利便が図られ
るよう、標準化と技術開発に取り組んでいくことが適当と考える。
4.UIMカード
UIMカードは、携帯電話ユーザの認証に関する情報等が書きこまれており、携
帯電話端末にUIMカードを挿入することによって、その端末を利用できることと
なる。3Gの携帯電話サービスでは、このUIMカードが必須又はオプションとし
て定められており、このUIMカードを活用して、携帯電話ユーザがUIMカード
を差し替えることによって、複数の端末を利用できることも可能となっている。
このUIMカードは、各事業者が加入者に提供しているものであり、同一事業者
の端末にのみ差し替えて利用することは可能であるが、UIMカードを提供してい
る事業者が、端末を提供する事業者と異なる場合には、このUIMカードを使用で
きないよう端末にロック(UIMロック)を行うことがある。
このため、端末と通信サービスをアンバンドル化を図るためには、UIMロック
を解除することが必要となる。
しかしながら、現状では、UIMロックを解除した場合であっても、事業者によ
って技術仕様、アプリケーション等が異なることから、3で検討している端末ポー
タビリティが実現されない限り、実際には、事業者の変更に際して端末の変更が必
要となる。
UIMロック、MNP、端末ポータビリティ、メールアドレスポータビリティの
関係は次のとおり。
17
【参考】UIMロックの有無と各ポータビリティ
UIMロックされている場
合
UIMロックを解除した場
合
○:端末を買い換えれば可 ○:端末を買い換えれば可
能
能
×:同じ端末を継続して使 △:音声通話のみの用途で
あれば、同じ端末を継続
用する場合は、UIMに
して使用することは可能
記録されている携帯電話
番号ポータビリティ
(端末ポータビリティの
ユーザの情報を端末に呼
実現が前提)。
び込むことができないた
め不可。
(端末ポータビリティの問
(端末ポータビリティの問
題に収斂)
題に収斂)
×:UIMに記録されてい △:音声通話のみ可(各事
業者の端末の技術仕様が
る携帯電話ユーザの情報
異なっているため、メー
を端末に呼び込むことが
端末ポータビリティ
ル等のアプリケーション
できないため不可。
の利用ができない。
)
メールアドレスポー (直接の関連性なし)
タビリティ
(直接の関連性なし)
携帯電話事業者を変更した場合であっても端末をそのまま利用できない状況で
は、端末ポータビリティ実現の観点から、UIMロックの解除の必要性は低い。
UIMカードを用いた個人認証等新たなアプリケーションが考えられており、そ
の場合にはUIMカードが電気通信事業者以外の事業者のサービスにも利用でき
る可能性があるが、そうしたUIMカードの高度利用と、携帯電話端末ポータビリ
ティとは直接関係がないものと考えられる。
今後、UIMカードを用いた新たなアプリケーションの開発が進められる過程に
おいて、必要に応じてその具体的な用途を明らかにしつつ、利用方法の標準化等U
IMカードの利用の在り方等について、引き続き、携帯電話事業者及び他の関係者
で検討が進められるべきと考える。
18
Ⅲ
まとめ
ここで取り上げている課題については、「情報通信新時代のビジネスモデルと競争
環境整備の在り方に関する研究会」報告書にあるとおり、「ユーザ利便の向上の観点
からは関係事業者等において積極的な取組が期待されるもの」である。
なお、今後の検討にあたっては、携帯電話ユーザの利便性向上や費用対効果等の観
点から、次の取組みを行うことが必要であり、この勉強会以降も関係者で検討を行う
ことが期待される。
1.MNP
本勉強会においては、技術的な観点から検討を行ってきたが、MNPの導入の是非
については、その必要性を明確にしたうえで検討を進めることが必要である。必要性
を明確化するために、例えば、MNPの受益者と考えられる携帯電話ユーザのニーズ
を十分に把握することが必要と考えられる。
また、最終的に携帯電話サービス利用者に費用負担が転嫁されることを考慮すると、
今回の費用試算を踏まえ、MNPの受益者を含めた携帯電話事業者のユーザに対し、
具体的な費用負担の在り方の選択肢を示した上で、MNPのユーザニーズを調査する
ことが重要と考えられる。
また、このような調査結果を踏まえ、携帯電話ユーザの利便性確保のためにMNP
の導入が望ましいとの結論が得られる場合には、機能提供・費用負担の在り方、カス
タマーサービス体制の構築手法等について検討を行った上で、移転元事業者、移転先
事業者並びに関係事業者間での運用ルールを確立し、円滑な実施を図るための体制の
構築が必要となる。
2.MNP以外の課題
携帯電話のサービスや仕様の共通化により、多様なサービス開発のインセンティブ
が損なわれる恐れがあるが、一方で、UIMカードの高度利用等は、携帯電話端末に
よる新たなビジネスの喚起につながる可能性もある。
また、最近では多様な無線アクセスシステムも登場しており、インターネットアク
セス等の分野において、携帯電話端末がこれらのサービスと競合することも想定され
る。こうした今後の市場動向や携帯電話ユーザのニーズを注視しつつ、携帯電話端末
を利用するユーザの利便性向上を図るために、携帯電話事業者等の関係者において、
一定のサービスの標準化や仕様の共通化に向けた取り組みを行っていくことが適当
と考える。
端末のポータビリティ実現のためには解決すべき問題が残されており、現状におい
て、MNP以外の課題をMNPとあわせて、包括的に解決することは困難であるが、
携帯電話ユーザの利便性を向上するために、携帯電話ユーザの理解を得ながら、端末
アプリケーションの標準化、UIMカードの高度利用、端末ポータビリティの実現の
際に必要となる共通ルールの策定に向けた検討等について、積極的かつ継続的に取り
組んでいくことが期待される。
19
3.今後の取り組み
利用者ニーズの調査は、携帯電話事業者がユーザに対して幅広く行うことが適当で
あり、また、当勉強会での費用試算等の検討結果を踏まえ、速やかに実施することが
必要であることから、携帯電話事業者及びその他関係者において、調査内容、実施時
期、実施方法等の詳細を検討することとし、平成15年秋(平成15年10月末)を
目途に調査結果の取りまとめを行うこととする。また、当該調査結果を踏まえ、導入
の是非等について引き続き検討していくこととする。
20
諸外国におけるMNPの導入状況
国
シンガポール
MNP導入日 MNP導入に関する規
制の有無
97年4月
MNP実現方式
MNP導入コスト等
規制当局(IDA)に ・転送方式
試算データなし
よる導入の義務化
・長期的にはIN方式そ
の他の実現方式に変更
される可能性がある。
別添
MNP利用料金等
MNPの利用状況等
・移転元、移転先の両 利用率に関するデータ
事業者が利用者に課 なし
金
MNP利用料金
無料
・
英国
99年1月
規制当局(Oftel ・固定-移動は転送方式 ・MNP処理費用は移転先 ・ 利用者負担料金は ・ 100 万人
事業者が負担
£30程度
の免許条件の改正)に ・移動-移動はIN方式
(全体の 2%)
よる導入の義務化
(約 4000 円)
・個別データベース方式
・移行処理期間
約1週間
香港
99年3月
規制当局(OFTA) ・IN方式
・Ovum試算(96)
による導入の義務化 ・個別データベース方式
HK$920M
・移転先事業者が、デ ・MNP 導入後約3年
ータベース維持会社 4 間に 330 万の加入
社に 2.5 香港ドルづつ 者がMNPを利用
(約139億円)
払う。
・NERA/Smith試
算(98)
HK$548∼833M
(約83∼126億円)
オランダ
99年4月
規制当局(OPTA) ・IN方式
試算データなし
による導入の義務化。 ・個別データベース方式
・移転先事業者が利用 ・導入後約2年間の
MNPの利用者は全
者に課金
最大20ギルダー 加入者の約1%
(約950円)
・移行処理期間
(3∼12週間)
21
国
スイス
MNP導入日 MNP導入に関する規
制の有無
00年3月
取り組みあり
MNP実現方式
・IN方式
MNP導入コスト等
数百万CHF
・共通データベース方式
オーストラリア01年9月
規制当局(ACCC)に IN方式
よる導入の義務化
試算データなし
MNP利用料金等
MNPの利用状況等
・利用者負担料金なし ・導入後約1年間の
MNPの利用者は全
(数億円) ・移行処理期間
加入者の約 1.5%。
(5日以内)
・利用者は無料。移転 ・ 40 万加入
先事業者が、元の事業 (全体の 3.3%)
者に手数料を支払う。
移転手数料(例)
AU$8(約560円)
・移行処理時間
2∼3時間
スペイン
01年11月
規制当局(NRA)に ・IN方式
試算データなし
よる導入の義務化
・個別データベース方式
・利用者負担料金なし 利用率に関するデー
タなし。
・移行処理期間
6日以内
イタリア
ドイツ
02年4月
02年11月
規制当局(NRA)に ・移動-移動はIN方式
よる導入の義務化
・固定-移動は転送方式
(今後INに移行)
試算データなし
規制当局(RegT ・移動-移動:IN方式 試算データなし
P)による導入の義務 ・固定-移動:転送方式
化
・共通データベース方式
・移行処理期間
5労働日以内
元の事業者が 20
ユーロを初期費用と
して受け取る
事業者が利用者に課金 利用率に関するデータ
(一時金)
なし
22∼30 ユーロ
(2800∼380
0円)
22
解約者の 3.5%
国
フランス
MNP導入日 MNP導入に関する規
制の有無
03年6月
MNP実現方式
規制当局(ART)に 第 1 段階
よる導入の義務化
・IN方式
MNP導入コスト等
MNP利用料金等
MNPの利用状況等
各移動体事業者につき、約 移転先事業者が利用者 導入 1 月で、加入者
20MEURO
に課金(一時金)
の 0.007%意志表明
(約25億円) 事業者に委ねられてお
り、現在は 15 ユーロ
・個別データベース方式
第2段階
・IN方式
・共通データベース方式
アメリカ
・ Cingularの試 データベース維持のた 調査機関の推定で最大
算
め全加入者から 10∼ 4200 万件。
5 年間$250M 15 セントづつ徴収。
MNP 利用者からは手
(295億円)
数料を徴収予定。
・ Sprint PCSの試算
03年 11 月
規制当局(FCC)に −
(予定) よる導入の義務化
3度にわたる延
期
全体
4年間$1.4B
(1650億円)
・ CTIAの試算
導入時
$900M
(1060億円)
○ そのほか、デンマーク(01年7月)、スウェーデン(01年9月)、ベルギー(02年10月)、ポルトガル(03年初め)など、欧
州各国においてMNP導入が進められている。
○ EU加盟国においては、「電子通信ネットワーク及びサービスに関連するユニバーサル・サービス及びユーザーの権利に関する2002
年3月7日の欧州議会及び理事会指令」に基づき、必要な法律、規則及び行政規定を遅くとも2003年7月24日までに採択し、公表する
ことが義務付けられた。番号ポータビリティに関する規定は以下のとおり
① 加盟国は、移動通信サービスを含め公に利用可能な電話サービスの全ての加入者がサービスを提供する事業者と無関係の番号を保有できることを確保する
ものとする。 a. 特定の場所で、地理的番号の場合 b. 場所を問わず、非地理的番号の場合
本項は固定地点でサービスを提供するネットワークと移動通信ネットワークの間の番号の移転には適用されない。
② 各国規制当局は、番号ポータビリティの提供に関連する相互接続の料金がコスト指向であること、さらに加入者への料金を指導できるのであれば、それら
の設備の阻害要因として作用しないことを確保するものとする。
③ 各国規制当局は、特定又は共通した小売料金を設けることなどにより、競争をゆがめるような形で番号の移転について小売料金を課してはならないものと
する。
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