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Page 1 金沢大学学術情報州ジトリ 金沢大学 Kanaraพa University
Title
メディアによるスポーツ選手のヒーロー化過程の一考察: The Seattle
Times におけるイチローの記事分析
Author(s)
江澤, 英充
Citation
金沢大学教育学部学校教育教員養成課程(保健体育)・スポーツ科学
課程卒業論文抄録 = Excerpta of Graduational Thesis on Physical
Education, Health and Sport Sciences, The Faculty of Education,
Kanazawa University, 52(2003): 9-12
Issue Date
2004-03
Type
Others
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/2297/36009
Right
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http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/
『メディアによるスポーツ選手のヒーロー化過程の一考察
-TheSeattleTimesにおけるイチローの記事分析一』
スポーツ科学課程学籍番号99-216江澤英充
1.研究の動機及び目的
日本では、イチローのメジャーリーグ挑戦に対して不安と期待が交錯して
いた。環境の変化への適応が取り沙汰される一方で、日本球界において7年
連続首位打者を取るなど数々の実績を残していたため、はじめからある程度
ファンの期待は高かったとも推察される。
それに対してアメリカでは当初、イチローの存在は−人のルーキーに過ぎ
なかった。しかし結果的に、イチローはオールスター選出のファン投票一位、
シーズン後にMⅥ〕を受賞するほどアメリカで認められるに至った。
日本のメディアは、歴史的な出来事として連日イチローの動向を追い、個
人に焦点を当てたニュースを報じていた。しかし、多国籍の選手がプレーす
る状況が既に日常化している本国アメリカでは、イチローに対する報道姿勢
が違ったのではないか。アメリカにおいて、ファンに広く認知され、1人の
ヒーローが作り出される過程でのメディアの役割がどのようなものなのかに
着目したのが本研究を行う動機となった。ヒーローとはどのような存在で、
なぜ求められるのか。メディアでは、無名なところから紹介が始まり、注目
を集めるようにプロモーションされてゆく報道がなされているのではないか
と推測される。そこで、メディアによるプロスポーツ選手のヒーロー化を明
らかにすることが本研究の目的である。この論文では、アメリカの地元新聞
の記事が、イチローというヒーローをどのように作りだしたのかについて具
体的一例として考察してゆく。
2.研究の方法
本研究では、TheSeattleTimesがイチローの初年度(2000年10月から
2001年12月末まで)約900件の記事の中でどの様に報じ、ヒーロー化して
いったのかを見る。
対象としてイチローを選択したのは、入団時からシーズンを通じて日米で
センセーションを巻き起こした1人のヒーローだとの判断したため。
資料として新聞記事でヒーロー化を見たのは、新聞が保存されている資料
のためである。また、事実報道の中にも脚色がなされることも本研究では重
要である。新聞にとってスポーツは大きなマーケットであり、新聞がヒーロ
ーを一商品とみなす商業原理が働いている。他社との差別化を図る新聞は、
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