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イグナチイ「神の定め」

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イグナチイ「神の定め」
「神の定め」1
偶然というものは存在しない。神が世界を統治し、天上および天下に行なわれる万事
は叡智と全能の神の裁定によって行なわれる。その叡智と全能は悟り難く、その統治は
測り難いものがある。
神は世界を統治している。その理知ある被造物は神に服従し、その諸僕は知恵を超え
る、厳かな神の統治を慎み深く見つめ、驚嘆するべし。
神は世界を統治している。盲目の罪人はその統治を見ることができない。彼等は、理
性に反する「偶然」というものを考え出した。
「彼は主、我等の神なり、その裁定は全地にあり」(聖詠104:7)。「主の諸々
の定めは真実にして、皆義なり」(聖詠18:10)。
「イエルサリムよ、主を讃め揚げよ、シオンよ、爾の神を讃め揚げよ、蓋し彼は爾が
門の柱を固め、爾の中に於て爾の諸子に福を降す」(聖詠147:1―2)。「その言
をイアコフに示し、その律とその定めとをイズライリに示す」神。「彼は他の何れの民
にも之を行わざりき、彼等はその定めを知らず」
「爾の判きは大いなる淵の如し」
「我主の道を守り、我が神の前に悪者たらざりき、蓋しその定めは悉く我が前にあり、
我未だその律を離れず」「主よ、我に爾の定めを誨え給え」「我爾が義の定めを学び、
心の直きを以て爾を讃栄せん」「悪者はその驕りに依りて主を軽んじて、糺さざらんと
云う、その悉くの思いの中に神なしとす。彼の道は恒に害あり、爾の定めは彼に遠ざか
る」「爾を畏るるに因りて我が肉体慄き、我爾の定めを懼る」「願わくは我を糺す判き
は爾の顔より出でん」「主よ、爾は義なり、爾の定めは正し」
「嗚呼深い哉神の富と智慧と知識や、その定めは如何に測り難く、その道は如何に究め
はか
難き。蓋し孰か主の智慧を知りたる、或いは孰か彼と共に議る者たりし」
(ロマ書11:
ねむり
33)。「神は衆人を不順の中に閉ざせり」「神は彼等に矇寐の心、見ざる目、聞かざ
る耳を与えたり」
「爾等は聖なる者、義なる者を拒み、生命の宰を殺せり。神は、その諸預言者の口を以
て、ハリストスの苦しみを受けんことを預言せし如く、斯く応わせたり」
「主宰よ、爾は天地海及びその中の万物を造りし神なり、爾は聖神゜を以て、我が祖、
爾の僕、ダヴィドの口に藉りて曰えり、異邦何為れぞ騒ぎ、諸民何為れぞ徒に謀る、地
1
神の裁定、判断、天の配剤の意。
の諸王興り、諸侯相集まりて、主を攻め、そのハリストスを攻むと。蓋し誠にイロド及
びポンティイ・ピラトは、異邦人及びイズライリ民と共に、この城に集まりて、爾の聖
なる子イイスス、爾に膏つけられし者を攻めたり、爾の手及び爾の旨の預め定めし事を
行わん為なり」
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