...

191

by user

on
Category: Documents
30

views

Report

Comments

Description

Transcript

191
椛の湖農業小学校だより
№191
2016年6月8日発行
発行者 椛の湖農業小学校
国際マメ年
2016 年は国際連合が定めた「国際マメ
年」である。今マメが注目されている。
マメ類は、たんぱく質が豊富で(米の 3
倍以上)カルシウム、マグネシウム、鉄、
ビタミンB群などが豊富で、食物繊維、ポ
リフェノールも多く、おいしくて健康にな
るすごい食べ物なのだ。
マメ科植物にはもう一つすごい特徴が
ある。マメ科には根粒菌の住む根粒ができ
る。根粒菌はマメ科から糖分をもらうお返
しに、空気中の窒素を固定して根や土に供
給してくれる(共生という)から、化学肥
料をあまりやらなくてもマメや周りの植
物が良く育つのだ。また、マメ科植物の茎
や葉には窒素などの養分が豊富なので、葉
が青いうちに土にすき込む(緑肥)と土が
肥えるのだ。
資源を無駄使いせず、自然の力を生かし
た農業に、マメ科植物は欠かせない存在である。(草)
6月授業日のご案内
●日程
6月 19 日(日)
受付
9:00~ 9:30
始めの会
9:30~ 9:40
授業
9:40~12:00
お茶摘み・お茶もみ
ほうば寿司作り
昼食
12:00~13:00
授業
13:00~15:00
畑の仕事
終わりの会 15:00~15:15
●昼食
ほうば寿司・吸い物・ほうば餅
●服装
作業のできる服装
●持ち物
手袋、タオル、長靴、雨具、
食器、箸、野菜持ち帰り用袋
●締め切り 6月 14 日(厳守)
●問い合わせ・緊急連絡
TEL 0573-75-4417
・
090-5110-9362(山内總太郎)
1
~5月の農小レポート~
「慣れない泥の中で大奮闘」
ナンジャモンジャの花が咲き始め、山のウノハナ(ウツギ)、ニセアカシア、ヤマボウシ
白い花の季節、風薫る5月です。農小のメーンイベント田植えは農家にとっても一大行事
です。今年は雨の心配をすることなく、ゆったり、楽しく進められました。
1 午前の授業。 畑の作業。カボチャ苗の植え付け。先月配った種から育てた苗を持参
して、名札をつけて植えました。苗を失敗した人は水のやり過ぎが原因と思われます。
失敗した人、先月お休みだった人は、あぼ兄が育ててくれていた苗を植えました。
ホウレンソウとコマツナの収穫。コマツナは根瘤があるので、畑の中で根を切って持
ち帰りのできるようにした。
ジャガイモの草取りと土寄せ。
2 昼食。 ぼたもち、草もち(あんこ、きなこ)
、おにぎり、味噌汁(ワラビ、タケノコ)
ホウレンソウとコマツナの胡麻和え、かき揚げ(モヤシ、ニンジン、ミツバ)
、
ニンジン昆布、ニンジンカラムーチョ、タマネギサラダ
この地方では農家は田植えが終わると、
「さなぶり」と云って働いた人々を労うと共に、
田の神さまに感謝と豊作の願いを込めて、ぼた餅などをお供えするのが習わしでした。
農小も行事食の一つとして「さなぶり」をします。
「ぼた餅」は牡丹の時期だから牡丹餅
と言い、萩の花咲く秋には同じものを「おはぎ」と言います。日本てちょっと良い!
3 午後の授業。 田植え。綱
を張り印の付いた位置に3
本の小さな苗を植えつけま
す。植えた苗は新しい根が伸
びて活着すると、一株が 25
~30 本ほどに分けつして増
えます。
4 持ち帰り。
バケツ稲用の土と苗
カブトムシの幼虫
ホウレンソウ、コマツナ
バケツ稲の土は肥料と良く混ぜてからバケツに入れ、水を注いで泥々にします。苗は
5~6 本をバケツの中央に植えます。手引きに従がって管理をして下さい。
カブト虫は、近年、段々手に入れるのが難しくなってきました。校長や農場長たちが
あっちこっち出向いてやっと確保しました。大事に育てて、7月のカブトムシ運動会に
参加してください。
2
~あぼ兄の百姓ばなし~
「プランター野菜の薦め 日よけ作物」
5 月は暑かった。夏日、真夏日が続き、本格的な夏が早まるように思えた。暑さから逃
れる日よけがほしい時期となる。オーニングや簾にたよらず、プランターで植物を育てる
のをお勧めしたい。アサガオなどの花もよいが、実益を兼ねた野菜の栽培を紹介したい。
ミニトマトやゴーヤは育てやすい。蔓(ツル)ものではキュウリ、小玉カボチャ、小玉ス
イカなどが面白い。ただ、どれも脇芽の取り方、摘芯(生長点を摘み取る)などの手入れが
必要である。スイカ、カボチャは実をつけたら、ネットで吊るすとか、板を付けた棒を立
ててその上にのせて大きくなったときに重さで落ちてしまわないようにする必要もある。
どれも難しいことではないので、希望者には詳しくお教えしたい。毎日部屋に居ながら、
生長し、実が生り、実が大きくなり熟していくのを観られるのが楽しい。収穫して食べる
から正に食農教育になる。
ツルものでは豆科も良い。ツルありインゲンなどは収穫期になると毎日が楽しみになる。
あぼ兄がもう何年もやっているのがツルありアズキだ。長さ 30cm ほどの莢(さや)が生り
秋にはその実が食べられる。種子の要望があればお分けする。豆科は肥料が少なくてすむ
のでプランター栽培にむいている。
他には、ヘチマやヒョウタンもお勧めだ。実の加工も楽しみになるが、ヘチマは樹液を
溜めて化粧水を作ることができる。鈴村農場長が詳しいので尋ねると良い。
プランター栽培は土の量が限られるので、土は良質な土でなければならないし、肥料も
必要である。連作(続けて同一種を作る)を嫌うものは、土を入れ替えた方が良い。
土と云えば忘れられない思い出がある。平成 10 年夏、東海TVの「テレビ博物館」と
いう番組で土をテーマに椛の湖農小が 5 週連続で全国放送された。その内容は、良い土と
悪い土の畑にそれぞれコマツナ、ホウレンソウなど 5 種類の野菜を育て比べる実験だった。
良い土は開校以来有機肥料を入れ続けた農小の畑の土、悪い土は山の崩れ土、当然だが生
育に大きな違いが出た。番組の中では、三原山の火山灰が草木の成育する土になるまでの
メカニズムや、土壌の微生物が有機質を食べて排出した窒素、リン酸、カリウム、などが
植物に供給されていくこと等が分かりやすく解説された。
かつて、食料増産のため化学肥料万能の時代があった。すると、微生物の働きが落ちて、
作物の根がいたみ、一見青々と見えても病気が多発する。そのため農薬を大量に使う。悪
い循環となり、土が硬くなった、土が死んだと言われた。そんな時「複合汚染」という本
が出て大きな話題となった。あぼ兄はその本がきっかけで、少し遠回りでも安全な野菜を
作る農業をやることを決意した。
その手法も最初は手探りだった。山草を刈って堆肥にしたり、畜糞を大量に集めて発酵
させたり、バーク(樹木の皮や落ち葉)を飛騨まで取りに行ったり、土作りのためにあちこ
ちと走り回った。今から思えば、作物の栽培技術より、土作りにとりつかれていた。ブロ
ック 8 段の基礎に間口7mのパイプハウス、2棟で300㎡の堆肥舎を建てた。1990
年代EM菌で有機物を発酵させる方法を取り入れ、現在も使っている。
皆さんの家庭でも、残飯や落ち葉で堆肥が作れるので、次回に紹介しよう。
3
~かなちゃんの虫日記~
4
Fly UP