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民法改正が住宅・建築・土木・設計・建材業界に与える影響

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民法改正が住宅・建築・土木・設計・建材業界に与える影響
民法改正が住宅・建築・土木・設計・建材業界に与える影響
弁護士法人匠総合法律事務所
ニュースレター Vol.4 刊行によせて
ニュースレター VOL.4 刊行によせて
当事務所では、最新の事務所の取り組み状況を
務所でも新しい設計・工事監理委託契約書の作成
ご案内するニュースレターを発刊しております。
業務を実施しております。同案内も掲載しており
今年の第1号では当事務所の直近の勝訴判決
ます。
を整理しました。同ニュースレターをテキストと
そして、本号が第4号となります。
して、
2月3日(東京)
、
2月20日(大阪)にて、
本号は、民法改正が住宅・建築・土木・設計業
勝訴判決セミナーを開催いたしました。
界に与える影響について整理を致しました。
第2号では名古屋事務所開設特集を掲載いた
当事務所が発刊をしておりますニュースレ
しました。当事務所は、平成26年12月に名古
ターは、E メールにて無料配信をしておりますの
屋事務所を開設し、平成27年1月9日に事務所
で、是非、配信お申込をいただきたく、お願いい
開きを開催いたしました。住宅・建築・土木・設
たします(お申込方法は、本ニュースレター末尾
計・不動産業界の皆様の厚いご支援を頂き、順調
にてご案内致します)
。
に事件数も増加しております。今後、弁護士数の
増加など設備投資に努めて参ります。
第3号では、勝訴判決セミナーや国連防災世界
法律顧問先企業様専用ホームページの充実化を
図りました
会議関連シンポジウム出席など、各種セミナーの
状況をレポート記事にてまとめました。
当事務所では、法律顧問先企業様専用ホーム
また、秋野が深く関与した改正建築士法が平成
27年6月25日から施行されるにあたり、当事
ページを開設しております(当事務所ホームペー
ジトップページよりアクセスいただけます)
。
匠総合法律事務所
弁護士法人
Newsletter 2015 Vol.4
代表社員弁護士
秋野 卓生(あきの・たくお)
住宅業界を専門とする法律事務所である弁護士法人匠総合法律事務
所代表社員弁護士として,東京・大阪・名古屋に事務所を構え,全
国の住宅・建築紛争を数多く取り扱っている。管理建築士講習テキ
ストの建築士法・その他関係法令に関する科目等の執筆をするな
ど,多くの執筆・著書がある。震災復興・まちづくり支援業務とし
て,岩手県県土整備部都市計画課・同建築住宅課と法律相談業務の
受託を内容とする協議書を締結し,被災行政に対する法律見解の提
供を行うとともに,将来的に,大災害が発生した際の迅速な災害復
興のあり方,法律事務所の役割についての調査研究も進めている。
2015年に仙台,福岡事務所設立予定。
01
Newsletter 2015 vol. 4
目次
当事務所主催で開催をしております全てのセ
ければならないと考えております。一つ一つの案
ミナーの動画を配信しており、スマートフォンで
件への取り組みが経験値を高め、不祥事案件発生
もご覧頂けます。
時に、皆様のお役に立てる法律事務所に成長して
法律顧問先企業様専用ホームページにて配信
参りたいと考えております。
中の「耐震化の法律読本完全マスター講座」の映
像をより使いやすく整理を致しました。
仙台事務所設立準備のご案内
社内学習用のコンテンツとして、是非、ご活用
当事務所は、東京、大阪、名古屋に続き、仙台
を頂きたくお願い申し上げます。
事務所を平成27年7月に設立する予定としてお
不祥事案件における専門事務所としての役割の
ります。
仙台事務所では、青森県、秋田県、宮城県、山
再認識
形県、福島県における住宅・建築・土木・設計・
今年になり、多数棟の瑕疵物件が発生したいわ
不動産業界の各企業様に、当事務所の専門法律事
ゆる「不祥事案件」にて法律見解を求められる機
務所としての高度なリーガルサービスを提供して
会が多くなりました。
参りたいと考えております。
事務所開きを9月に実施することを予定して
これまでの経験と実績を評価いただいている
ものと思いますが、
裁判の勝敗以上に責任が重く、
おりますので、改めて次号のニュースレターにて
更に企業コンプライアンスについて研究を深めな
ご案内申し上げます。
目次
民法改正が住宅・建築・土木・設計・建材業界に与える影響
民法改正
∼住宅・建築・土木・設計・建材業界に与える影響∼
03
民法改正のねらいとポイント
05
瑕疵という言葉が「契約不適合」に変わる
07
追完請求権の創設
08
民法634条1項但書きの削除
10
「債務者の帰責事由」が解除・担保責任に与える影響
12
瑕疵担保責任の期間が実質延長となる
13
時効期間が変わる
16
協議中は,時効完成猶予事由とした
売買契約における「隠れた」要件が無くなる
18
19
定型約款という新しい契約形態の登場
20
債権管理にあたり注意すべきポイント
25
民法改正が,設計業界にもたらす影響
26
02
弁護士法人匠総合法律事務所
民法改正
住宅・建築・土木・設計・建材業界に与える影響
1 民法改正法案国会に上程
責任としての説明義務を果たし、未然にイメージ
法制審議会民法(債権関係)部会(部会長:鎌
ギャップをなくす努力を企業はしたほうが良いと
田薫早稲田大学総長)において、2009年11
日常、企業法務の現場で指導をしているが、これ
月より、民法のうち契約に関する規定などの債権
が、民法という取引の基本ルールに取り込まれる
関係の規定に関する見直しについて審議が行われ
こととなれば「したほうがよい」ではなく「する
てきたが、審議の結果を踏まえて、2015年2
べき」という指導に変わる事となる。また、万が
月24日に、法制審議会総会において「民法(債
一にも法令違反を企業が犯さないように更なるコ
権関係)の改正に関する要綱」が取りまとめられ
ンプライアンス向上のための仕組みづくりに取り
た。この要綱の内容を受け、3月31日には、民
組まなければならなくなる。
法の一部を改正する法律案および民法の一部を改
民法は120年間改正されてこなかった法律
正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関す
であるが、
今回の民法改正により、
様々な取引ルー
る法律案が閣議決定なされ、第189回国会に提
ルがドラスティックに変更されていくのか?
例えば、明治時代に「瑕疵」と言われていた用
出された。
今国会または次の通常国会にて成立する見通
語は、今回の民法改正では「契約不適合」と変更
しであり、平成30年頃に施行されるものと思わ
になる。ちなみに平成7年に制定された製造物責
れる。
任法(PL法)では、
不具合を「欠陥」と呼んだ。
平成7年から平成27年までの20年間で何
2 民法改正は、住宅・建築・土木・設計・
建材業界の契約ルールを劇的に変えるのか?
民法改正が住宅・建築・土木・設計・建材業界
に与える影響は非常に大きいものがある。
エンドユーザーからのクレーム・訴訟対応の
リスク回避としての企業法務では、本来、専門家
が変わったのか?
この時代、欠陥住宅裁判の手続きに関与してき
た弁護士として印象深く認識していることは、新
判例が続々と出てきたという事である。
平成15年∼平成19年にかけて最高裁判例
が何度も登場した。
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03
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