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欧米経済展望

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欧米経済展望
欧米経済展望
2016年4月
調査部 マクロ経済研究センター
http://www.jri.co.jp/report/medium/publication/overseas
目次
◆米国経済・・・・p.Ⅰ-(1~6)
◆欧州経済・・・・p.Ⅱ-(1~5)
◆原油市場・・・・p.Ⅲ-(1~2)
調査部 マクロ経済研究センター(海外経済グループ)
◆米国経済担当
藤山 光雄 (Tel:03-6833-2453
◆欧州経済担当
芝
亮行 (Tel:03-6833-0489
井上 肇
(Tel:03-6833-0920
◆原油市場担当
藤山 光雄
Mail:[email protected])
Mail:[email protected])
Mail:[email protected])
◆本資料は2016年4月1日時点で利用可能な情報をもとに作成しています。
米国経済の現状:
製造業の新規受注が持ち直し。家計部門は底堅く推移
<企業部門>
◆輸出は低迷が持続も、製造業の企業
活動に持ち直しの動き
企業部門では、輸出の低迷が長期
化。仕向け地別にみると、中南米向け
が大幅に減少しているほか、中国向け
も昨年末以降再び弱含み。
一方、製造業の企業活動には持ち直
しの動きも。3月の地区連銀の製造業
新規受注指数は、エネルギー関連企業
の多いダラス連銀で持ち直しの動きが
緩慢なものの、総じて大きく上昇。
<家計部門>
◆消費者マインドや家計部門のバラン
スシートは、良好な状態が持続
2月の実質個人消費支出は、前月比
+0.2%と底堅い伸びとなったものの、
1月が▲0.0%(速報値:+0.4%)に
下方修正されるなど、やや弱い動き
も。もっとも、金融市場の混乱にもか
かわらず、消費者マインドは高水準を
維持しており、個人消費減速への過度
な懸念は不要と判断。
また、家計部門のバランスシートは
良好な状態が持続。3月上旬に発表さ
れた資金循環統計によると、家計部門
の債務残高(可処分所得比)は、引き
続き1990年代の緩やかな上昇トレンド
を下回る水準にあるほか、債務返済額
(同)も過去最低水準で推移。
米国
地域別実質輸出(季調値、3ヵ月移動平均)
(2010年
=100)
130
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
2012
中南米<10.2>
中国<10.2>
EU<18.1>
原油
各地区連銀の製造業新規受注指数
メキシコ<15.7>
主要アジア<14.7>
カナダ<18.6>
(%ポイント)
リッチモンド連銀
40
フィラデルフィア連銀
ニューヨーク連銀
30
ダラス連銀
20
10
0
▲10
世界計
16
(年/月)
(資料)U.S. Census Bureau、Bureau of Labor Statistics
(注1)地域別実質輸出は日本総研作成。<>は2015年のシェア。
(注2)主要アジアは、日本・韓国・台湾・ASEAN・インド。
13
14
15
消費者マインドと個人消費
100
90
(%)
1.0
80
0.8
70
0.6
0.4
60
0.2
50
0.0
40
▲0.2
実質個人消費支出
(前月比、左目盛)
▲0.4
▲0.6
30
14
15
▲30
2014
15
16
(年/月)
(資料)各地区連銀
16
(%)
(%)
14
債務返済額(左目盛)
140
債務残高(右目盛)
130
13
120
110
12
100
11
90
80
債務残高の
90年代トレンド延長線
10
70
20
10
13
▲20
家計部門の債務残高と債務返済額(可処分所得比)
(1985年=100)
カンファレンスボード消費者信頼感指数
1.4
(総合指数、右目盛)
1.2
2012
欧州
(年/月)
(資料)Bureau of Economic Analysis、The Conference Board
9
60
1980
85
90
95
2000
05
(資料)FRB、Bureau of Economic Analysis
10
15
(年/期)
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅰ‐1 -
米国経済の現状:
雇用環境は改善傾向が持続。金融環境の先行きには注視が必要
<雇用環境>
◆賃金の伸びは拡大基調が続くと予想
労働市場では、昨秋以降、労働参加
率が上昇に転じるなか、就業率の上昇
ペースも加速しており、失業率は低下
基調で推移。一方、足許で時間当たり
賃金の上昇ペース加速に一服感がみら
れるものの、失業率がFOMC参加者
が完全雇用とみなす水準まで低下して
いること、「雇用の質」の改善が着実
に進んでいることなどから、賃金の伸
びは緩やかながらも拡大基調が続く見
込み。
<物価>
◆消費者物価は伸びが加速
2月のコアCPIは、前年同月比+
2.3%と伸びが加速。サービス価格の上
昇が続いているほか、財価格の伸び
も、2013年3月以来となるプラス圏へ
浮上。昨秋以降、ウェートの大きい住
居費だけでなく幅広い品目で伸びの拡
大がみられ、賃金の伸びの拡大やドル
高による下押し圧力の減衰などが、物
価押し上げに作用している可能性。
<金融市場>
◆金融環境タイト化への懸念は残存
各地区連銀が金利スプレッドなどか
ら算出している金融ストレス指数、金
融情勢指数は、足許で上昇傾向が一
服。もっとも、依然として2011年末か
ら12年初め以来の水準にあり、金融環
境引き締まりへの懸念が残存。
米国
欧州
原油
失業率と時間当たり賃金
労働参加率と就業率
(%)
(前年比、%)
67
就業率
66
労働参加率
65
(%)
時間当たり賃金(左目盛)
4.0
11
失業率(右目盛)
10
3.5
64
3.0
63
2.5
9
8
7
62
61
2.0
60
1.5
59
6
5
FOMC参加者の長期見通し
(2016年3月中心レンジ)
1.0
58
57
2004 05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年/月)
(資料)Bureau of Labor Statistics
0.5
2007
3
08
11
12
(ポイント)
6
うちサービス
5
うち財
3
10
13
14
15
16
(年/月)
地区連銀の金融市場関連指数
コアCPI
4
09
(資料)Bureau of Labor Statistics、FRB
コアCPI
(%)
4
クリーブランド連銀・金融ストレス指数
シカゴ連銀・金融情勢指数
セントルイス連銀・金融ストレス指数
リーマン・
ショック
4
3
2
金融環境
引き締まり
2
1
1
0
▲1
0
▲2
債務上限の引き上げを
めぐる混乱や米国債の格下げ
▲3
▲1
2008
09
10
11
12
13
(資料)Bureau of Labor Statistics
14
15
16
(年/月)
▲4
2006 07
08
09
(資料)各地区連銀
10
11
12
13
14
15
16
(年/週)
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅰ‐2 -
米国トピックス①:企業部門
下押し圧力は徐々に緩和も、金融環境の引き締まりが懸念材料に
◆下押し圧力は、徐々に緩和方向へ
企業部門を取り巻く環境についてみ
ると、海外景気の先行きには依然とし
て懸念が残存。GDPの動きに半年ほ
ど先行するとされるOECD景気先行
指数をみると、中国やブラジルが長期
平均を大幅に下回る水準にあるほか、
カナダも低下基調が持続。
もっとも、FRBの利上げペース慎
重化観測の強まりなどから、急速なド
ル高の進行に歯止めがかかっているほ
か、米産油量の減少やOPEC加盟
国・ロシアなどによる生産調整への期
待を受け、2月半ば以降、原油価格が
大きく反発。これまでのドル高・原油
安による輸出・エネルギー関連企業へ
の下押し圧力は、徐々に緩和方向へ。
加えて、昨年末以降、在庫調整にも
進展がみられ、海外景気の一段の下振
れが回避されれば、製造業をはじめと
した企業の生産活動は、徐々に持ち直
しに向かう見込み。
◆銀行の貸出態度厳格化が新たな懸念
材料に
一方、足許で、銀行の企業向け貸出
態度が、2四半期連続で厳格化。金融
市場の安定とともに再び緩和に転じる
と予想されるものの、信用状況の引き
締まりが長期化すれば、企業活動拡大
の足かせとなる恐れ。
主要輸出先のOECD景気先行指数
(長期平均=100)
中国<10.2>
103
102
米国
欧州
原油
為替レートと原油価格(前年比)
カナダ<18.6>
(%)
メキシコ<15.7>
EU<18.1>
日本<4.2>
ブラジル<2.1>
101
100
99
(%)
ドル名目実効レート(左逆目盛)
▲10
40
WTI原油先物価格(右目盛)
▲5
20
0
0
5
▲20
10
▲40
98
15
▲60
ドル高・原油安
97
2012
13
14
15
16
20
(年/月)
(資料)OECD
(注)<>内は、輸出全体に占める当該国のシェア(2015年)。
(ポイント)
(前年差、
億ドル)
3
1.3
3,000
2
1.2
1
1.1
0
1.0
▲1
0.9
0
▲2
0.8
▲1,000
▲3
0.7
▲2,000
ISM新規受注指数/ISM在庫指数(右目盛)
在庫調整圧力緩和
▲4
0.6
0.5
▲5
2012
13
14
15
(資料)ISM、U.S. Census Bureau
(注)出荷在庫バランス=出荷前年比-在庫前年比。
14
15
16
(年/月)
銀行の商工業向け貸出残高と貸出態度
1.4
4
出荷在庫バランス(左目盛)
13
(資料)FRB、Bloomberg, L.P.
製造業の在庫調整圧力(3ヵ月移動平均)
(ポイント)
▲80
2012
16
(年/月)
貸出残高(左目盛)
(「厳格化」
貸出態度(大中企業向け、右逆目盛) -「緩和」)
貸出態度(小規模企業向け、 〃 )
▲80
▲60
2,000
▲40
1,000
▲20
0
20
40
▲4,000
2007 08
(資料)FRB
60
貸出態度厳格化
▲3,000
80
100
09
10
11
12
13
14
15
16
(年/期・月)
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅰ‐3 -
米国トピックス②:個人消費
ガソリン安による消費押し上げ効果には、顕在化の余地が残存
◆ガソリン支出の負担は減少も、同時
に貯蓄率が上昇
家計部門では、2014年半ば以降の原
油安によるガソリン価格の低下を受
け、ガソリン支出が大きく減少。もっ
とも、14年秋にかけて低下していた貯
蓄率が、その後水準を切り上げてお
り、原油安によるガソリン支出の負担
減少分が必ずしも新たな消費に回って
いない状況。
◆ガソリン安による消費押し上げ効果
の一段の顕在化に期待
ちなみに、実質個人消費を、①名目
可処分所得、②住宅価格、③株価、④
CPI(除くエネルギー)、⑤原油価
格、を説明変数とする推計式で回帰し
たうえで、消費の伸びを要因分解する
と、原油価格の下落は2015年の個人消
費を1.5%程度押し上げ。一方、実際の
個人消費の伸びは推計値を0.8%ポイン
ト程度下回っており、原油安による消
費押し上げ効果には依然として顕在化
の余地が残っていることを示唆。
先行き、原油価格の反発とともにガ
ソリン価格も上昇に転じると見込まれ
るものの、金融市場の混乱の一服や賃
金の伸びの高まりが消費行動積極化へ
の後押しとなれば、原油安による消費
押し上げ効果の顕在化が一段と進むと
予想。
家計部門のガソリン支出と貯蓄率(対可処分所得比)
(%)
(%)
6.0
(ドル/ガロン)
1.8
5.2
2.2
ガソリン価格(左目盛)
5.0
ガソリン支出(右逆目盛)
5.6
欧州
原油
原油価格とガソリン価格
1.4
貯蓄(左目盛)
米国
(ドル/バレル)
160
WTI原油先物価格(右目盛)
4.5
140
4.0
120
3.5
見通し
100
3.0
80
2.5
60
4.8
2.6
2.0
40
4.4
3.0
1.5
20
3.4
1.0
2006
貯蓄増
ガソリン支出減
4.0
2013
14
15
10
12
14
16
(年/月)
(資料)Bloomberg L.P.EIA
(注)原油価格見通しは、日本総研予測(2016年3月時点)。
16
(年/月)
(資料)Bureau of Economic Analysis
0
08
実質個人消費の変動要因分解(前年同期比)
原油価格
株価
名目可処分所得
実質個人消費(推計値)
(%)
6
CPI(除くエネルギー)
住宅価格
実質個人消費(実績値)
4
2
0
▲2
▲4
▲6
2007
08
09
10
11
12
13
14
15
(年/期)
(資料)Bureau of Economic Analysis、S&P、
Boomberg, L.P.、Bureau of Labor Statistics
をもとに日本総研作成
(注1)推計式は以下の通り。変数はすべて自然対数を
使用。<>内はt値。推計期間は、1990年1~3月期
から2015年10~12月期。R2=0.99。
実質個人消費=4.18<56.5>
+0.68*名目可処分所得<11.5>
+0.08*S&P/ケース・シラー住宅価 格指数(10都市)<9.5>
+0.05*NYダウ30種平均<10.4>
-0.41*CPI(除くエネルギー)<-4.0>
-0.02*WTI原油価格<-5.9>
(注2)2012末から13年の可処分所得の大幅な変動は、
税制の変更に伴うもの。
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅰ‐4 -
米国景気・金利見通し:
家計部門の底堅さを背景に、回復基調が持続
<景気見通し>
◆2%台半ば前後の成長ペースが持続
米国経済は、海外景気の回復の遅れ
や、2014年半ば以降の原油安・ドル高の
影響などから、短期的には設備投資や輸
出が伸び悩むものの、原油安・ドル高に
よる下押し圧力が減衰していくにつれ
て、緩やかに持ち直しへ。一方、家計部
門では、低水準で推移するガソリン価格
に加え、労働需給の引き締まりや「雇用
の質」の改善を背景とした賃金の伸びの
高まりが、個人消費の押し上げに寄与。
なお、FRBの利上げペースが緩やか
となるなか、当面金利上昇によるマイナ
ス影響は軽微にとどまる見込み。
<金利見通し>
◆景気回復に伴い緩やかに上昇
新興国景気の減速や株価・原油価格の
下落などを背景に、景気・物価の下振れ
懸念が強まるなか、FRBは3月の利上
げを見送り。先行き、金融市場の混乱が
一服するとともに、賃金面からの物価押
し上げ圧力の強まりが確認されれば、6
月FOMCで利上げに踏み切る見込み。
その後は、新興国景気の減速や金融市場
の混乱による米国景気・物価へのマイナ
ス影響を見極めつつ、慎重なペースで利
上げを続ける見通し。
長期金利は、世界的なリスク回避姿勢
の残存などから、当面低水準で推移。今
春以降は、米国景気の回復基調が強まる
のに伴い上昇していく見込みながら、新
興国景気の減速懸念やディスインフレ懸
念の残存などが重石となり、上昇ペース
は緩やかにとどまる見通し。
米国
欧州
原油
米国経済・物価見通し
(四半期は季調済前期比年率、%、%ポイント)
2015年
4~6 7~9 10~12 1~3
(実績)
(予測)
実質GDP
個人消費
住宅投資
設備投資
在庫投資(寄与度)
政府支出
純輸出(寄与度)
輸出
輸入
実質最終需要
消費者物価
除く食料・エネルギー
2016年
2017年
2015年 2016年 2017年
4~6 7~9 10~12 1~3
(実績) (予測)
3.9
2.0
1.4
2.0
2.4
2.7
2.6
2.3
2.4
2.2
2.4
3.6
9.3
4.1
0.0
2.6
0.2
5.1
3.0
3.9
▲ 0.0
1.8
3.0
8.2
2.6
▲ 0.7
1.8
▲ 0.3
0.7
2.3
2.7
0.1
1.8
2.4
10.1
▲ 2.1
▲ 0.2
0.1
▲ 0.1
▲ 2.0
▲ 0.7
1.6
0.5
2.0
2.2
7.5
1.5
0.2
0.5
▲ 0.4
0.7
2.8
1.7
1.1
2.2
2.8
6.9
2.8
0.1
0.3
▲ 0.3
2.6
4.0
2.3
1.0
2.0
2.6
7.3
4.4
0.0
0.5
▲ 0.1
4.6
4.3
2.6
1.3
2.1
2.6
6.3
4.8
0.1
0.1
▲ 0.1
4.8
4.6
2.5
1.7
2.1
2.3
5.0
4.5
0.0
0.1
▲ 0.1
4.5
4.1
2.3
2.2
2.2
3.1
8.9
2.8
0.2
0.7
▲ 0.6
1.1
4.9
2.3
0.1
1.8
2.6
8.0
1.9
▲ 0.0
0.7
▲ 0.2
1.5
2.6
2.2
1.3
2.1
2.5
5.4
4.4
0.0
0.2
▲ 0.1
4.5
4.2
2.4
2.3
2.2
(資料)Bureau of Economic Analysis、Bureau of Labor Statistics
(注)在庫投資、純輸出の年間値は前年比寄与度、四半期値は前期比年率寄与度。消費者物価は前年(同期)比。 米国金利見通し
(%)
4.0
予測
3.5
3.0
3.0
10年国債利回り
2.5
2.0
2.0
1.5
FF金利誘導目標(レンジ)
1.0
ドルLIBOR3ヵ月
0.5
0.0
2015/3
6
9
(資料)FRB、Bloomberg L.P.
12
16/3
6
9
12
17/3
(年/月末)
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅰ‐5 -
FED
WATCH:
世界的な経済・金融情勢を注視しつつも、追加利上げを模索
◆世界的な経済・金融情勢を注視
FRBは、3月15、16日のFOMC
で、政策金利の据え置きを決定。
FOMC声明では、景気の現状に対
する見方は総じて変わらなかったもの
の、先行き見通しについて、「世界的
な経済・金融情勢が引き続きリスクと
なっている」との文言を追加。また、
FOMC参加者の政策金利見通しは、
昨年12月時点から大きく下方修正。イ
エレン議長はFOMC後の記者会見
で、主に海外景気の減速やそれを受け
た信用状況の引き締まりを反映したも
のと指摘。
総じて海外景気や金融情勢への警戒
感がにじむ内容に。
◆FRBは労働市場の改善を評価、期
待インフレ率には持ち直しの動きも
一方、労働市場をめぐっては、FO
MC声明から「労働資源の活用不足」
への言及が削除され、「労働市場の力
強さが一段と増している」と判断を上
方修正。物価に対する「中長期的に
2%へ上昇していく」という見方も変
わらず。
以上を踏まえると、海外情勢や金融
市場への懸念が和らぎ、原油価格の安
定などからインフレ期待の持ち直しが
続けば、FRBは6月にも追加利上げ
に踏み切ると予想。
米国
欧州
原油
FOMC声明(要旨)
今回( 2 01 6 年3 月1 5、1 6 日)
イ
景
ン
気
フ
判
レ
断
認
・
識
・ こうした背景を踏まえ、FF金利の誘導目標レンジを0.25~0.5%で維持す
ることを決定。
・ FF金利の誘導目標レンジの今後の調整の時期や規模を決定するにあたって
は、最大雇用と2%のインフレ率という目標を念頭に、経済情勢の実績と見通
しを評価。この評価には、労働市場の状態に関する指標や、インフレ圧力・イ
ンフレ期待に関する指標、金融および国際情勢を含む幅広い情報を考慮。
金
融
政
策
(資料)FRB等をもとに日本総研作成
前回( 2 0 16 年1 月2 6 、2 7 日)
融
・ 前回会合以降に入手した情報は、ここ数ヵ月の世界的な経済・ 金融情勢
にもかかわらず、経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示
唆。家計支出は緩やかなペースで増加し、住宅市場は一段と改善したもの
の、企業の設備投資と純輸出は弱含み。
・ 力強い雇用の伸びを含め、最近の様々な指標は、労働市場の力強さが
一段と増していることを示している。
・ インフレ率はここ数ヵ月上昇しているものの、エネルギーやエネルギー以
外の輸入品の価格低下を一部反映し、引き続き目標を下回る水準で推移。
市場ベースのインフレ見通しは低水準にとどまり、調査に基づく長期的な
インフレ期待はここ数ヵ月総じて横ばい。
・ 現在のところ、金融政策スタンスの段階的な調整によって、経済活動は緩や
かに拡大し、労働市場の指標は、引き続き力強さを増すと予想。もっとも、世
界的な経済・ 金融情勢が引き続きリスクとなっている。
・ インフレ率は、これまでのエネルギー価格の低下を一因に、当面低水準
で推移するとみられるものの、エネルギー価格や輸入物価の低下による一時
的な影響が剥落し、労働市場が一段と力強さを増すのに伴い、中期的に2%
へ上昇していくと予想。物価動向については、引き続き注意深く監視。
・ 前回会合以降に入手した情報は、昨年末にかけて経済成長が減速したもの
の、労働市場の状況は一段と改善したことを示唆。家計支出と企業の設備投
資はここ数ヵ月緩やかなペースで増加し、住宅市場は一段と改善したもの
の、純輸出は弱含んでおり、在庫投資は減速。
・ 力強い雇用の伸びを含め、最近の労働市場に関する様々な指標は、労働資
源の活用不足がさらにいくらか縮小したことを示している。
・ インフレ率は、エネルギーやエネルギー以外の輸入品の価格低下を一部反
映し、引き続き目標を下回る水準で推移。市場ベースのインフレ見通しは一
段と低下し、調査に基づく長期的なインフレ期待はここ数ヵ月総じて横ばい。
・ 現在のところ、金融政策スタンスの段階的な調整によって、経済活動は緩や
かに拡大し、労働市場の指標は、引き続き力強さを増すと予想。
・ インフレ率は、エネルギー価格の一段の低下を一因に、当面低水準で推移
するとみられるものの、エネルギー価格や輸入物価の低下による一時的な影
響が剥落し、労働市場が一段と力強さを増すのに伴い、中期的に2%へ上昇
していくと予想。世界的な経済・金融情勢を注視し、労働市場やインフレ、見
通しのリスク・バランスに対する影響を精査。
・ 経済見通しを踏まえ、FF金利の誘導目標レンジを0.25~0.5%で維持するこ
とを決定。
・ FF金利の誘導目標レンジの今後の調整の時期や規模を決定するにあたって
は、最大雇用と2%のインフレ率という目標を念頭に、経済情勢の実績と見通
しを評価。この評価には、労働市場の状態に関する指標や、インフレ圧力・イ
ンフレ期待に関する指標、金融および国際情勢を含む幅広い情報を考慮。
(注)強調部分は変更点。
FOMC参加者の政策金利予測
(%)
2015年12月FOMC
2016年3月FOMC
(%)
消費者(3年)
消費者(5年)
予測専門家(5年)
4
4
3
期待インフレ率
3
中央値:1.375→0.875
2
2
ブレーク・イーブン・インフレ率(5年)
1
2.375→1.875
1
2012
13
14
15
16
(年/期、月)
0
2016年末
2017年末
(資料)FRB
(注)ポイント(○)は各FOMC参加者の予測値を示す。
(資料)ニューヨーク連銀、University of Michigan、
フィラデルフィア連銀、Bloomberg L.P.
(注)消費者のインフレ期待はニューヨーク連銀(3年)、ミシガン大学(5年)調べ。
予測専門家調査はフィラデルフィア連銀調べのPCEデフレータ見通し。
ブレーク・イーブン・インフレ率は、5年債利回り-5年物価連動債利回り。
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅰ‐6 -
欧州経済の現状:
個人消費がけん引し、緩やかな景気回復が持続
<企業部門>
◆サービス業は底堅く、製造業は低迷
年明け以降、低下が続いていたユーロ
圏の総合PMI(速報値)は3月に53.7
と、3ヵ月ぶりに上昇。製造業の上昇は
引き続き低調ながら、堅調な個人消費の
影響を背景に、サービス業が底堅く推
移。
輸出は低迷が持続。仕向地別にみる
と、中国・アジアといった新興国向けが
伸び悩んでいるほか、米国向けも減少傾
向が持続。
<家計部門>
◆個人消費は堅調もマインドは低下
1月の小売売上高は前月比+0.4%
と、伸びが加速。本年入り後も失業率
の低下が続くなど、雇用環境の緩やか
な改善が個人消費を下支え。ただし、
本年入り後の金融市場の混乱を受けた
株価の下落により消費者信頼感指数が
低下。足もと落ち着きを取り戻しつつ
ある金融市場が再び混乱すれば、消費
者マインドの一段の悪化を通じて、個
人消費の伸びが抑制される恐れも。
<物価>
◆2ヵ月連続のマイナスに
ユーロ圏の3月のインフレ率は前年比
▲0.1%と、2ヵ月連続のマイナスに。エ
ネルギー価格のマイナス幅が拡大したほ
か、域内需要が依然として力強さを欠く
なか、コア指数も伸び悩みが持続。
米国
ユーロ圏の購買担当者景気指数
コンポジット
54
原油
ユーロ圏の域外向け名目輸出(季調値)
(ポイント)
56
欧州
(2012年=100)
製造業
サービス業
52
130
米国<12.4>
125
欧州(除くEU)<11.8>
120
EU(除くユーロ圏)<32.0>
中国<6.8>
115
50
110
48
105
アジア(除く中国)<17.0>
合計
100
46
95
44
90
2012
42
2012
13
14
15
ユーロ圏の小売売上高・消費者マインド・株価
(2012年=100)
(%)
小売売上高(3ヵ月移動平均、左目盛)
104
失業率(右逆目盛)
102
100
98
(DI)
0
▲5
▲ 10
▲ 15
▲ 20
▲ 25
▲ 30
消費者信頼感(左目盛)
ストックス欧州600指数(右目盛)
2012
13
14
10
10.5
11
11.5
12
12.5
(2012年=100)
160
15
(資料)Eurostat、Bloomberg L.P.を基に日本総研作成
15
16
ユーロ圏のHICP(前年比)
エネルギー
(%)
3.0
コア
食料品
HICP
ECBの目標上限
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
140
0.0
120
▲0.5
100
▲1.0
80
▲1.5
16
(年/月)
14
(資料)Eurostatを基に日本総研作成
(年/月)
(注1)後方3ヵ月移動平均。
(注2)<>内は15年の域外向け輸出に占める割合。
16
(年/月)
(資料)Markit
13
2012
13
14
15
16
(年/月)
(資料)Eurostat
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅱ-1 -
欧州トピックス:ECBの追加緩和
追加緩和策の効果を見極める姿勢が続く見込み
◆ECBは市場予想を上回る大胆な追
加緩和策を発表
ECBは3月の理事会で市場予想を
上回る追加緩和策を発表。今回の大胆
な緩和策の背景には、ユーロ高や原油
安の進行に加え、年明け以降の世界景
気見通しの悪化や金融市場の混乱によ
り、ディスインフレ長期化への警戒感
が一段と強まったことが指摘可能。ド
ラギ総裁の利下げ打ち止め示唆発言を
受けて、むしろユーロ高や期待インフ
レ率の低下が進むなか、足もとでは追
加金融緩和観測がくすぶっているもの
の、原油価格に底打ちの兆しがみられ
ることや、ユーロ圏景気の減速に歯止
めがかかりつつあること、さらには資
産買入・資金供給策が4月以降、随時
実施されることから、その効果を見極
めるべく、当面は現行の緩和策を維持
する見込み。
◆追加緩和策を実体経済に波及させる
ためには課題が残存
追加緩和策の効果を実体経済に浸透
させるためには課題が残存。イタリ
ア・スペインなど南欧諸国では資金調達の
多くをECBに依存しており、長期資金供
給オペの拡充は一定の効果が期待。もっと
も、これまでの緩和策などを受け、銀行の
貸出金利が大きく低下しているにも関わら
ず、非金融企業向け貸出の増加は限定的。
企業の過剰債務圧縮や銀行の不良債権処理
が進まなければ、貸出増加を通じた設備投
資拡大など実体経済への影響は引き続き限
定的にとどまる可能性。
米国
ECBの追加緩和策(3月理事会)
・政策金利の引き下げ(16年3月16日~)
主要リファイナンスオペ金利(0.05%→0%)
限界貸出ファシリティ金利(0.3%→0.25%)
預金ファシリティ金利(▲0.3%→▲0.4%)
・資産買入プログラムの拡大(16年4月~)
毎月の資産買い入れ額を拡大(600億ユーロ→800億ユーロ)
ユーロ圏内の非金融機関が発行するユーロ建ての投資適格社債
の購入開始
国際機関債の買い入れ上限の引き上げ(33%→50%)
・長期資金供給オペ(TLTRO2)の導入(16年6月~)
17年3月まで3ヵ月毎に計4回実施。貸出期間は4年
適用金利は入札時の主要リファイナンスオペ金利
但し、最優遇金利は預金ファシリティ金利を適用
・フォワードガイダンスの強化
政策金利は長期、または資産買入プログラムの期限を過ぎても現
行の水準かそれを下回る水準での推移が続く見込み
(資料)ECBを基に日本総研作成
(%)
5年先5年物インフレ・スワップレート(左目盛)
1.9
ユーロドル相場(右逆目盛)
(ユーロ/ドル)
1
追加緩和策発表
1.8
1.7
1.1
1.6
1.5
1.2
ユーロ高
期待インフレ率低下
1.4
1.3
2015/1
1.3
3
5
7
9
11
16/1
3
(年/月)
(資料)Bloomberg L.P.
(注)直近値は16年4月1日時点。
銀行の貸出残高と各国の銀行貸出金利
スペイン(右目盛)
(%)
ドイツ(〃)
5.5
フランス(〃)
5.0
イタリア(〃)
4.5
(%)
1
140
原油
ユーロドル相場と市場の期待インフレ率
ユーロ圏主要国の長期オペ残高
(億ユーロ)
欧州
120
100
0
80
4.0
非金融企業向け貸出
(前年比、左目盛)
60
3.5
3.0
▲1
40
2.5
20
2.0
0
ドイツ
フランス
イタリア
スペイン
(資料)Bloomberg L.P.を基に日本総研作成
(注)ドイツ・イタリア・スペインは16年2月、フランスは
16年1月時点。
▲2
1.5
2012
13
14
15
16
(年/月)
(資料)ECB
(注)貸出金利は、100万ユーロ未満、期間1年未満の
非金融企業向け。
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅱ-2 -
英国経済の現状:
景気回復ペースにやや減速感も
<企業部門>
◆サービス業の景況感が大きく低下
英国の2月の総合PMIは52.8と、
13年4月以来の低水準に。とりわけ、
英国のGDPの約7割を占めるサービ
ス業が大きく低下。年初の金融市場の
混乱や英国のEU離脱懸念の強まりが
景況感の下押しに作用。
<家計部門>
◆堅調な雇用環境が個人消費を下支え
英国の2月の小売売上高は前月比
▲0.4%と、前月の大幅増(+2.3%)
の反動もあり、弱含み。もっとも、緩
やかな増加基調に変化はなく、良好な
雇用環境が個人消費を下支え。足もと
では、株価に底入れの兆しがみられる
ことから、先行き消費者マインドの悪
化にも歯止めがかかると期待され、小
売売上高の一段の減速は回避される見
込み。
また、低金利環境が続くなか、昨年
春を底に住宅販売が持ち直し傾向。足
もとでは、印紙税引上げ前の駆け込み
により大きく上振れしているものの、
良好な雇用所得環境のもと、需要は拡
大基調。堅調な個人消費と相まって家
計部門が引き続き景気回復のけん引役
に。
<政府部門>
◆公的支出削減が景気回復の重石とな
る恐れも
英予算責任局(OBR)は経済成長
見通しを下方修正。一方、20年度まで
の財政黒字化達成のために、追加の公
的支出削減を表明。
米国
英国の購買担当者景気指数
65
原油
英国の個人消費を取り巻く環境
コンポジット
(ポイント)
欧州
(2012年=100)
FTSE100株価(左目盛)
125
失業率(ILO基準、右逆目盛)
サービス業
(%)
5
120
製造業
6
115
60
110
7
105
55
100
50
8
小売売上高
(3ヵ月移動平均、左目盛)
95
90
9
2012
13
14
15
16
45
2012
13
14
15
(資料)Markit
16
(年/月)
(年/月)
(資料)FTSE、ONSを基に日本総研作成
(注)小売売上高は、ガソリン除く数量ベース。
英国の住宅取引件数と住宅ローン承認件数
(万件)
(万件)
住宅取引件数
(左目盛)
12
英国の経済・財政見通し
住宅ローン承認件数
(2ヵ月先行、右目盛)
8
11
7
10
9
6
8
5
7
(%)
3
2
1
0
▲1
▲2
▲3
▲4
▲5
▲6
▲7
▲8
▲9
▲ 10
▲ 11
GDP成長率
財政収支(対GDP比)
2008
4
6
2012
13
14
15
16
(年/月)
(資料)HM Customs and Excise、BOE
10
12
14
16
18
20
(年、年度)
(資料)ONS、OBR
(注)点線は2015年11月見通し、実線は16年3月見通し。
財政収支は、会計年度(4月~翌年3月)。
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅱ-3 -
欧州経済見通し:
一段の景気減速は回避され、緩やかな景気回復が続く見通し
<ユーロ圏・景気見通し>
◆1%台半ば程度の成長が続く見込み
ドイツでは、良好な雇用・所得環境
を背景に、個人消費が底堅さを維持
し、回復基調が続く見込み。短期的に
は、難民対策の財政支出拡大も景気押
し上げに作用。もっとも、新興国景気
の下振れにより、従来のように輸出に
けん引役を期待することは難しく、回
復ペースは緩やかにとどまる見込み。
一方、ドイツ以外では、労働市場改革
が進展したスペインなどで堅調な回復
が続く公算ながら、フランスやイタリ
アでは、雇用・所得環境に厳しさが残
るなか、回復ペースの一段の加速には
なお時間を要する見込み。
インフレ率は、原油価格下落の影響
が一巡するにつれて、徐々にプラス幅
が拡大していく見込み。もっとも、南
欧諸国を中心に域内需要の低迷が続く
なか、ECBの目標である2%弱を大
きく下回る水準での推移が長期化する
見込み。
<英国・景気見通し>
◆2%台での成長が続く見通し
英国では、政府の住宅購入支援策や
低金利に下支えされた住宅需要の持ち
直しが続いているほか、良好な雇用環
境などを背景に個人消費が堅調に推移
し、家計部門を中心に2%台での堅調
な成長が続く見通し。
インフレ率は、原油安の影響一巡に
加え、良好な雇用環境などを受けた需
要増が押し上げに作用し、徐々にプラ
ス幅が拡大する見込み。
米国
欧州
原油
欧州各国経済・物価見通し
2015年
4~6
7~9
10~12
(実績)
1~3
(前年比、実質GDPの四半期は季節調整済前期比年率、%)
2016年
2017年
2015年 2016年 2017年
4~6
7~9 10~12 1~3
(予測)
(実績) (予測) (予測)
実質GDP
1.6
1.2
1.3
1.3
1.5
1.6
1.6
1.7
1.6
1.5
1.7
消費者物価指数
0.2
0.1
0.2
0.0
0.3
0.7
1.0
1.3
0.0
0.5
1.6
実質GDP
1.6
1.1
1.1
1.4
1.6
1.6
1.6
1.7
1.7
1.6
1.7
消費者物価指数
0.4
0.0
0.2
0.1
0.4
0.9
1.1
1.3
0.1
0.6
1.6
実質GDP
0.0
1.3
1.4
1.1
1.2
1.2
1.3
1.3
1.2
1.2
1.3
消費者物価指数
0.3
0.1
0.2
0.0
0.3
0.7
1.0
1.2
0.1
0.5
1.3
実質GDP
2.4
1.7
1.9
2.2
2.3
2.4
2.3
2.3
2.2
2.2
2.3
消費者物価指数
0.0
(資料)Eurostat、ONSを基に日本総研作成
0.0
0.1
0.2
0.4
0.6
0.8
1.2
0.1
0.5
1.6
ユーロ圏
ドイツ
フランス
英国
ユーロ圏の10年債利回り(対ドイツスプレッド)
(%)
4.0
スペイン
イタリア
ポルトガル
アイルランド
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
2015/1
3
5
7
9
11
(資料)Bloomberg L.P.を基に日本総研作成
16/1
3
(年/月)
【ホット・トピック】
◆各国で政治リスクが台頭
ユーロ圏では政治情勢が混沌。とりわけ、
スペイン・アイルランドでは、総選挙後の連
立交渉が難航し、再度の総選挙の可能性も。
新政権が樹立されても国民の不満に配慮した
政策を取らざるを得ず、財政再建の遅れやそ
れに伴うEUとの対立といったリスクに繋が
る恐れも。また、ポルトガルでは、閣外協力
を得て樹立した左派政権が前政権の緊縮財政
や構造改革を後退させる予算案を策定し、議
会を通過。もっとも、政権基盤が脆弱である
ことから、政治の先行き不透明感は残存。
構造改革が功を奏し景気回復が続く国でも
国民の不満が高まっていることを踏まえる
と、低成長が続く国、とりわけ、今後、総選
挙を控えるフランスで財政再建や構造改革が
先送りされる恐れも。
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅱ-4 -
欧州金利見通し:
ECBは当面、追加緩和策の効果を極める姿勢を続ける見込み
<ユーロ圏・金利見通し>
◆ECBの量的緩和が続くなか、独10
年債利回りは1%を下回る水準で推移
ECBは、3月10日の理事会で①政
策金利の引き下げ、②毎月の資産購入
額の拡大、③購入対象資産の拡大など
の追加緩和策を発表。今理事会での緩
和策の大幅な拡大を受け、当面は、そ
の効果を見極める姿勢を続ける見込
み。ただし、新興国景気の一段の減
速、原油価格の再下落などユーロ圏景
気、物価への下押し圧力が強まれば更
なる追加緩和に踏み切る可能性も。
独10年債利回りは、ディスインフレ
傾向のもと、ECBの大量の国債買入
による需給面からの金利低下圧力も加
わり、総じて1%を下回る水準での推
移が続く見通し。
<英国・金利見通し>
◆利上げ期待の後退や新興国景気の減
速が上昇抑制要因に
BOEは当面、現行の緩和的な金融
政策を維持。景気は良好ながら、原油
価格の下落などを背景に、インフレ率
の伸びが低調にとどまっていることか
ら、利上げ開始は2017年入り以降とな
る見通し。
英10年債利回りは、当面、利上げ期
待の後退や新興国景気の減速などが金
利上昇の抑制要因に。年末以降、賃金
やインフレ率の伸びに加速の兆しが表
れ、利上げ期待が高まるのに伴い上昇
していく見込み。
米国
欧州
原油
ユーロ圏金利見通し
(%)
3.0
予測
2.5
2.0
1.5
独10年債利回り
1.0
0.5
1.00
ユーロ圏政策金利
0.00
0.0
15/3
6
9
12
16/3
6
9
12
17/3
(年/月末)
英国金利見通し
(%)
4.0
予測
3.5
3.0
英国10年債利回り
2.5
2.50
2.0
1.5
1.50
英国政策金利
1.0
0.5
0.0
15/3
6
9
12
16/3
6
9
12
17/3
(年/月末)
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅱ-5 -
原油市場動向:原油価格
当面、低水準での推移が続く見通し
<原油市況>
◆WTI原油先物価格は、一時41ドル
台まで上昇
3月のWTI原油先物価格は、総じ
て堅調に推移し、月半ばには、一時昨
年12月以来となる40ドル台乗せ。米原
油在庫の増加が嫌気され弱含む場面も
みられたものの、サウジアラビアやロ
シアによる生産調整への期待、ドル安
の進行、米ガソリン在庫の減少など
が、価格押し上げに寄与。
<投機筋・投機資金の動向>
◆投機筋の買い越し幅は、大きく拡大
原油価格の底入れ観測の強まりを受
け、買い越し幅は昨年半ば以来の水準
まで拡大。
<原油価格見通し>
◆当面、低水準での推移が続く見通し
WTI先物は、米国原油生産の減少
や米国景気の回復基調の強まり、サウ
ジアラビアやロシアなどによる生産調
整への期待が価格押し上げに作用する
ほか、中東や北アフリカ、ロシアをめ
ぐる地政学リスクの残存が価格上振れ
要因に。
もっとも、イランやイラク、リビア
での増産観測の強まりや米原油在庫の
高止まり、新興国景気の減速懸念など
が価格抑制に作用。この結果、総じて
安値圏での推移が長期化する見通し。
米国
原油価格と株価・為替レート
欧州
原油
米国の原油・石油製品在庫(前週差)
(百万バレル/日)
(ドル/バレル)
WTI原油先物価格
50
45
40
35
30
25
20
原油
ガソリン
15
留出油
10
S&P500種株価
(ポイント)
2,200
(右目盛)
(1997年1月=100)
116
118
120
122
124
ドル名目実効レート
126
(左逆目盛)
128
2015/9 10
11
12
16/1
5
2,100
ドル安↑
0
2,000
1,900
2
1,800
4
(年/月)
3
(資料)Bloomberg L.P.、FRB
▲5
▲10
2015/9
10
(千枚)
100
400
1,800
90
350
1,700
300
1,600
250
1,500
200
1,400
60
150
1,300
50
100
1,200
40
↑買い越し
0
▲50
2015/3
↓売り越し
5
7
9
11
16/1
(資料)CFTC
(注)建玉単位の「1枚」は「1,000バレル」。
2
3
(年/月)
(ドル/バレル)
1,900
総建玉残高(右目盛)
50
16/1
WTI原油先物価格見通し
投機筋ネットポジション(左目盛)
450
12
(資料)EIA
WTI原油先物ポジション
(千枚)
11
1,100
1,000
900
3
(年/月)
予測
80
70
30
20
10
2015/3
6
9
(資料)Bloomberg L.P.
12
16/3
6
9
(年/月末)
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅲ‐1 -
原油市場動向:原油価格反発の持続性
大幅な下振れ余地は縮小も、上値の重い展開が持続
◆イランの増産、米シェールオイル生
産持ち直しの蓋然性が焦点に
2月半ば以降、サウジアラビアやロ
シアによる生産調整への期待、米
シェールオイル生産の減少観測などか
ら、原油価格が大きく反発。
先行き、生産調整をめぐっては、イ
ランの動向が焦点に。2016年1月の禁
輸措置の解除後、イランの原油生産量
は大きく増加しており、イラン政府は
年内にも制裁前を上回る水準への増産
を模索。もっとも、イランが目標水準
まで増産しても、16年半ば以降、世界
の原油需給の供給超過幅は縮小に向か
うと見込まれ、下値余地は限定的。そ
もそも、設備の老朽化や技術的な問題
から、一本調子の増産は困難との見方
が大勢。
一方、米シェールオイル生産をめ
ぐっては、足許の原油価格の反発を受
け、早晩生産量が回復に転じるとの見
方が浮上。これまでの原油価格の急落
を受けた生産事業者の財務状況の悪化
や、それを受けた金融機関の融資姿勢
の慎重化などから、本格的な増産には
至らないとみられるものの、当面、上
値の抑制に作用する見込み。
◆上値の重い展開が持続
総じてみると、原油価格の大幅な下
振れ余地は縮小しつつあるとみられる
ものの、イランの増産や米シェールオ
イル生産回復への警戒感を背景に、上
値の重い展開が続く見通し。
米国
欧州
イランの原油生産量
IEAによる2016年の非OPEC加盟国の原油生産量見通し
(前年差、百万バレル)
その他
0.4
(万バレル/日)
米国
0.2
米国が、主要国による
イラン産原油の輸入を実質的に
制限する追加制裁を導入
(2011年12月)
420
世界計
400
0.0
380
▲0.2
360
340
▲0.4
300
▲0.8
EUが
禁輸措置を導入
(2012年1月)
280
260
▲1.0
2015年7月
9月
11月
2016年1月
(資料)IEA
(注)IEAによる各月時点の見通しを図示。
3月
(予測時期、年/月)
240
2010
11
12
13
14
15
16
(年/月)
(資料)IEAをもとに日本総研作成
世界の原油需給バランス
原油価格と米国の石油掘削設備(リグ)稼働数
(百万バレル/日)
(基)
見通し
1.5
1.0
0.5
0.0
▲0.5
▲1.0
▲1.5
▲2.0
▲2.5
▲3.0
イラン政府の
当面の増産目標
(2015年から
+100万バレル/日)
米欧が
禁輸措置を解除
(2016年1月)
320
▲0.6
原油
2,000
↑需要超過
(ドル/バレル)
石油リグ稼働数(左目盛)
WTI原油先物価格(10週先行、右目盛)
120
1,800
1,600
100
1,400
1,200
イランが
目標水準まで
増産した場合
↓供給超過
2013
14
15
16
(年/期)
(資料)IEAをもとに日本総研作成
(注)見通しは、IEAによる世界の原油需要、非OPEC加盟国の
原油生産量見通しをベースとし、OPEC加盟国の生産量が
3,261万バレル(2016年2月実績)で推移すると想定。
80
1,000
800
60
600
40
400
200
0
2014
20
15
(資料)Bloomberg L.P.、Baker Hughes
16
(年/週)
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
- Ⅲ‐2 -
_
内外市場データ(月中平均)
為替相場
$/€
¥/$
¥/€
(NY終値) (NY終値) (NY終値)
12/7
12/8
12/9
12/10
12/11
12/12
13/1
13/2
13/3
13/4
13/5
13/6
13/7
13/8
13/9
13/10
13/11
13/12
14/1
14/2
14/3
14/4
14/5
14/6
14/7
14/8
14/9
14/10
14/11
14/12
15/1
15/2
15/3
15/4
15/5
15/6
15/7
15/8
15/9
15/10
15/11
15/12
16/1
16/2
16/3
78.98
78.68
78.16
79.01
81.05
83.91
89.10
93.13
94.87
97.75
100.99
97.29
99.64
97.80
99.19
97.83
100.11
103.60
103.88
102.12
102.36
102.51
101.84
102.06
101.75
102.98
107.39
108.02
116.40
119.44
118.33
118.78
120.37
119.52
120.84
123.68
123.33
123.06
120.09
120.16
122.63
121.58
118.29
114.67
112.95
97.09
97.59
100.62
102.47
104.07
110.16
118.53
124.24
122.92
127.35
131.05
128.40
130.47
130.25
132.53
133.43
135.13
141.96
141.51
139.59
141.52
141.58
139.85
138.81
137.74
137.10
138.46
136.99
145.21
146.99
137.63
134.86
130.33
129.29
134.80
138.96
135.63
137.11
134.95
134.81
131.56
132.51
128.54
127.31
125.83
1.2293
1.2404
1.2874
1.2970
1.2838
1.3127
1.3302
1.3339
1.2957
1.3025
1.2978
1.3200
1.3095
1.3319
1.3362
1.3639
1.3497
1.3703
1.3623
1.3670
1.3826
1.3811
1.3733
1.3601
1.3537
1.3314
1.2895
1.2682
1.2475
1.2307
1.1630
1.1354
1.0828
1.0818
1.1157
1.1235
1.0999
1.1145
1.1237
1.1220
1.0729
1.0899
1.0867
1.1104
1.1142
無担O/N
(%)
0.0836
0.0863
0.0848
0.0849
0.0856
0.0822
0.0828
0.0866
0.0780
0.0721
0.0734
0.0743
0.0734
0.0735
0.0715
0.0700
0.0733
0.0737
0.0726
0.0766
0.0721
0.0650
0.0676
0.0670
0.0658
0.0686
0.0664
0.0590
0.0649
0.0678
0.0739
0.0762
0.0697
0.0609
0.0693
0.0717
0.0740
0.0764
0.0734
0.0761
0.0781
0.0749
0.0745
0.0325
-0.0027
国内市場
TIBOR
国債
日経平均
3ヵ月
10年物
株価
(%)
(%)
(円)
0.33
0.77
8760.68
0.33
0.80
8949.88
0.33
0.80
8948.59
0.33
0.77
8827.39
0.32
0.74
9059.86
0.32
0.74
9814.38
0.30
0.77 10750.85
0.28
0.74 11336.44
0.25
0.60 12244.03
0.24
0.57 13224.06
0.23
0.78 14532.41
0.23
0.85 13106.62
0.23
0.83 14317.54
0.23
0.75 13726.66
0.23
0.72 14372.12
0.22
0.63 14329.02
0.22
0.61 14931.74
0.22
0.67 15655.23
0.22
0.66 15578.28
0.22
0.60 14617.57
0.21
0.62 14694.83
0.21
0.61 14475.33
0.21
0.59 14343.14
0.21
0.59 15131.80
0.21
0.54 15379.29
0.21
0.51 15358.70
0.21
0.54 15948.47
0.20
0.49 15394.11
0.18
0.47 17179.03
0.18
0.38 17541.69
0.18
0.26 17274.40
0.17
0.37 18053.20
0.17
0.38 19197.57
0.17
0.33 19767.92
0.17
0.41 19974.19
0.17
0.47 20403.84
0.17
0.44 20372.58
0.17
0.38 19919.09
0.17
0.36 17944.22
0.17
0.31 18374.11
0.17
0.31 19581.77
0.17
0.30 19202.58
0.17
0.22 17302.30
0.11
0.02 16346.96
0.10
-0.06 16897.34
FF O/N
(%)
0.16
0.13
0.14
0.16
0.16
0.16
0.14
0.15
0.14
0.15
0.11
0.09
0.09
0.08
0.08
0.09
0.08
0.09
0.07
0.07
0.08
0.09
0.09
0.10
0.09
0.09
0.09
0.09
0.09
0.12
0.11
0.11
0.11
0.12
0.12
0.13
0.13
0.14
0.14
0.12
0.12
0.24
0.34
0.38
0.36
LIBOR
3ヵ月
(%)
0.45
0.43
0.39
0.33
0.31
0.31
0.30
0.29
0.28
0.28
0.27
0.27
0.27
0.26
0.25
0.24
0.24
0.24
0.24
0.24
0.23
0.23
0.23
0.23
0.23
0.23
0.23
0.23
0.23
0.24
0.25
0.26
0.27
0.28
0.28
0.28
0.29
0.32
0.33
0.32
0.37
0.53
0.62
0.62
0.63
米国市場
国債
NYダウ
10年物
工業株
(%)
(ドル)
1.50 12814.10
1.67 13134.90
1.70 13418.50
1.72 13380.65
1.65 12896.44
1.71 13144.18
1.88 13615.32
1.97 13967.33
1.94 14418.26
1.73 14675.91
1.92 15172.18
2.29 15035.75
2.56 15390.21
2.73 15195.35
2.80 15269.84
2.60 15289.29
2.71 15870.83
2.89 16095.77
2.85 16243.72
2.70 15958.44
2.72 16308.63
2.69 16399.50
2.55 16567.25
2.59 16843.75
2.53 16988.26
2.41 16775.15
2.52 17098.13
2.29 16701.87
2.32 17648.98
2.20 17754.24
1.88 17542.25
1.98 17945.41
2.04 17931.75
1.92 17970.51
2.20 18124.71
2.36 17927.22
2.32 17795.02
2.16 17061.59
2.16 16339.95
2.06 17182.28
2.26 17723.77
2.23 17542.85
2.08 16305.25
1.77 16299.90
1.88 17302.14
S&P500
1359.78
1403.44
1443.42
1437.82
1394.51
1422.29
1480.40
1512.31
1550.83
1570.70
1639.84
1618.77
1668.68
1670.09
1687.17
1720.03
1783.54
1807.78
1822.36
1817.03
1863.52
1864.26
1889.77
1947.09
1973.10
1961.53
1993.23
1937.27
2044.57
2054.27
2028.18
2082.20
2079.99
2094.86
2111.94
2099.28
2094.14
2039.87
1944.40
2024.81
2080.62
2054.08
1918.60
1904.42
2021.95
EONIA
(%)
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
0.18
0.11
0.10
0.09
0.08
0.07
0.07
0.07
0.07
0.08
0.08
0.09
0.09
0.08
0.08
0.09
0.10
0.17
0.20
0.16
0.19
0.25
0.25
0.08
0.04
0.02
0.01
0.00
0.01
0.03
0.05
0.04
0.05
0.08
0.11
0.12
0.12
0.12
0.14
0.14
0.14
0.20
0.24
0.24
0.29
EURIBOR
3ヵ月
(%)
0.50
0.33
0.25
0.21
0.19
0.19
0.21
0.22
0.21
0.21
0.20
0.21
0.22
0.23
0.22
0.23
0.22
0.27
0.29
0.29
0.31
0.33
0.33
0.24
0.21
0.19
0.10
0.08
0.08
0.08
0.06
0.05
0.03
0.01
▲ 0.01
▲ 0.01
▲ 0.02
▲ 0.03
▲ 0.04
▲ 0.05
▲ 0.09
▲ 0.13
▲ 0.15
▲ 0.18
▲ 0.23
欧州市場
独国債
10年物
(%)
1.31
1.42
1.55
1.52
1.39
1.36
1.56
1.60
1.41
1.25
1.37
1.62
1.63
1.80
1.93
1.81
1.72
1.85
1.80
1.66
1.59
1.53
1.40
1.35
1.20
1.02
1.00
0.88
0.79
0.64
0.45
0.35
0.26
0.16
0.58
0.83
0.76
0.67
0.68
0.55
0.55
0.60
0.51
0.23
0.22
英国債
10年物
(%)
1.55
1.57
1.77
1.80
1.79
1.85
2.04
2.11
1.89
1.71
1.86
2.21
2.36
2.61
2.89
2.69
2.74
2.93
2.87
2.74
2.72
2.67
2.62
2.70
2.63
2.44
2.49
2.23
2.13
1.87
1.55
1.68
1.69
1.62
1.93
2.06
2.01
1.87
1.85
1.81
1.94
1.88
1.74
1.44
1.47
ユーロ・
ストックス50
2258.36
2424.50
2530.69
2503.47
2513.98
2625.55
2715.30
2630.40
2680.18
2636.35
2785.77
2655.76
2686.53
2803.85
2864.56
2988.88
3055.98
3010.20
3092.40
3085.87
3093.97
3171.53
3197.40
3271.69
3192.31
3089.05
3233.38
3029.58
3126.15
3159.77
3207.26
3453.79
3655.31
3733.80
3617.87
3521.77
3545.10
3444.41
3165.46
3275.48
3439.57
3288.63
3030.50
2862.59
3031.42
商品市況
WTI
COMEX
原油先物
金先物
($/B)
($/TO)
87.93
1593.68
94.16
1630.27
94.56
1745.83
89.57
1744.43
86.73
1722.91
88.25
1683.45
94.83
1671.17
95.32
1626.95
92.96
1593.62
92.07
1485.09
94.80
1416.61
95.80
1342.47
104.70
1288.07
106.54
1353.68
106.23
1350.93
100.55
1315.91
93.93
1275.16
97.89
1221.66
94.86
1243.85
100.68
1302.52
100.51
1334.83
102.03
1298.87
101.79
1288.29
105.15
1282.57
102.39
1311.82
96.08
1295.73
93.03
1237.99
84.34
1223.11
75.81
1177.00
59.29
1198.71
47.33
1251.49
50.72
1226.92
47.85
1179.56
54.63
1199.88
59.37
1198.89
59.83
1182.45
50.93
1130.72
42.89
1119.42
45.47
1125.38
46.29
1157.86
42.92
1084.99
37.33
1068.82
31.78
1096.42
30.62
1201.08
37.96
1243.96
(株)日本総合研究所 欧米経済展望 2016年4月
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