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「お父さん、お母さん『うちの子に限って・・・』は危険です!」(PDF2.8MB)

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「お父さん、お母さん『うちの子に限って・・・』は危険です!」(PDF2.8MB)
お父さん、お母さん
!
!
﹁ う ちの子に限って⋮﹂は
危 険 です
薬物乱用防止は、
あなたが主役
ぜひ読んでください!
!
この冊子は、 の普及宣伝事業として助成を受け作成されたものです
薬 物 乱 用は一回でもダメ
一回の乱 用でも 犯 罪 とな り ま す
保護者のみなさまへ
社団法人 全国高等学校PTA連合会 会長
髙間專逸
青少年が薬物乱用によって、精神的・肉体的に蝕まれるという危惧すべ
き事態が残念ながら根絶されていません。
シンナー等を乱用する中・高校生
は確かに減少してきています。そこには意識や自覚の高まり、薬物乱用防
止関係者の尽力の成果など、良い傾向がうかがえます。
しかし、若い人た
ちの興味・関心につけ込む大人たちがいます。
また、
インターネットや携帯電
話から容易に薬物を入手することができます。昨今、
大学生や高校生の間
にも大麻の栽培や売買などが広がっていることが報道されており、大変危
険な状況にあります。
保護者の方々には、
子どもたちの健やかで幸せな生活のために、
麻薬や
覚せい剤について十分な知識・情報をもっていただき、薬物乱用防止に常
日頃から努めていただきたいと思います。
!
!
薬物乱用による様々な悪影響
1
2
3
4
5
薬物乱用とは?
■所持や使用が法律で
禁じられている薬物を使うこと。
■医薬品であっても、
本来の医療目的から逸脱した
方法や目的で使うこと。
薬物を取り締まる法規
■覚せい剤取締法
子どもの身近に広がる薬物汚染
03
薬物乱用・依存・中毒の悪循環
04
心身及び社会に与える悪影響
05
有機溶剤乱用経験者における家庭・学校生活の特徴
06
薬物乱用のきっかけ
08
薬物乱用から子どもを守る
6
7
8
9
家族の役割
10
早期に発見するには
11
気付いたときの家族の対応
12
子どもが薬物に対してNO!と言える
ようにするための9ヵ条
13
参考資料
■大麻取締法
■麻薬及び向精神薬取締法
■毒物及び劇物取締法
■薬事法
全国の主な少年相談電話
14
全国の精神保健福祉センター
15
02
1
覚せい剤、大麻、有機溶剤、錠剤型合成麻薬(MDMA等)
など、命さえ危険にさ
らす薬物が子どもたちの身近に広がっています。この現状を受けとめ、私たちは子ど
もたちを薬物から守る努力をしなくてはなりません。
1.0
平成18年に兵庫教育大学の教育・社
会調査研究センターが実施した「高校
生の喫煙、飲酒、薬物乱用の実態と生
活習慣に関する全国調査2006」のアン
ケート調査結果では、
0.4%から1.0%の高
校生が何らかの薬物乱用経験があり、
大麻を例に取れば100人の高校3年生
がいればそのうち1人は乱用経験がある
と回答していたことになります。
また、
この
結果からは、
高校生のおよそ18,000人が
覚せい剤、
25,000人が大麻、
17,000人が
MDMA(エクスタシー)、29,000人が有
機溶剤を乱用している可能性があると
推測されます。
1.0
高校1年生
0.8
高校3年生
0.8
0.7
0.6
0.6
0.6
0.5
0.4
0.5
0.5
0.4
0.4
0.4
0.2
0.0
覚せい剤
大 麻
MDMA
有機溶剤
(兵庫教育大学 教育・社会調査研究センター
「高校生の喫煙、飲酒、薬物乱用の実態と生活
習慣に関する全国調査2006」平成19年)
高校生における薬物乱用による送致者数
Never use addictive drugs.
(平成16年∼20年)
100
500
90
覚せい剤
450
80
大麻
400
70
麻薬
(MDMAを含む)
333
シンナー等
60
50
42
40
37
30
38
20
10
0
250
44
200
34
184
12
15
平成17年
平成16年
350
300
55
132
28
150
28
21
6
21
96
4
平成18年
64
6
平成19年
平成20年
100
50
0
(警察庁 「少年非行等の概要」平成21年)
Never use addictive drugs.
薬物事犯の年代別検挙人員及び構成比率
30代以上
合計:11,025人
100
8,267人
合計:2,758人
20代
未成年
合計:281人
1,028人
105人
1,503人
151人
90
年代別構成比率
︵%︶
覚せい剤は、我が国で最も乱用され
ている薬物であり、薬物事犯の検挙人
員の約8割が覚せい剤事犯です。覚せ
い剤事犯の検挙者人員のうち未成年及
び20代の若年層の占める割合は、3割
未満ですが、大麻及びMDMA等合成
麻薬の検挙人員の6割以上が少年及び
20代の若年層であり、
これらの薬物は青
少年を中心に乱用されている状況がう
かがえることから、今後も高校生への広
がりには注意が必要です。
80
70
60
50
40
30
20
2,509人
10
0
249人
覚せい剤
227人
大 麻
(警察庁 「平成20年中の薬物・銃器情勢」平成21年)
03
25人
MDMA等合成麻薬
シンナー等の乱用
︵人︶
覚せい剤、大麻 、麻薬の乱用
︵人︶
シンナー等を乱用する高校生は、
年々
減少傾向にあるものの、
シンナー等の乱
用が覚せい剤等の薬物乱用のきっかけ
となることが指摘されていることから、今
後も高校生によるシンナー等の乱用の減
少に向けた啓発活動の継続が必要で
す。
また、
数は少ないものの高校生による
覚せい剤、
大麻、
麻薬の乱用による送致
者がいまだいることから、
その根絶に向
けたさらなる取組の充実が求められて
います。
0.9
高校2年生
生涯経験率
︵%︶
薬 物 乱 用による様々な 悪 影 響
子 どもの身 近に広 がる薬 物 汚 染
Never use addictive drugs.
高校生の薬物乱用経験の有無
2
薬物乱用・薬物依存・薬物中毒は、
似たような言葉のように見えますが、
実はそれぞれ違う意味をもっています。
ここでは、
この3つ
の言葉を整理し、
理解しましょう。
「薬物乱用」とは・・・
乱 用
薬 物 乱 用による様々な 悪 影 響
薬 物 乱 用・依 存・中 毒の悪 循 環
法律や医学的常識など、それぞれの社会における規範か
ら逸脱した目的や方法で薬物を使用することを指します。例
えば、覚せい剤や麻薬等は、法律によって製造、売買、所持
だけでなく、使用自体が禁じられていますので、規制対象と
なっている薬物を使う行為は
「薬物乱用」
となります。
また、睡
眠薬や鎮痛薬等の医薬品を、快感や酩酊感を得ることなど
を目的として使用することや、医師等により指示された量や回
数を超えて服用することも「薬物乱用」です。
この「薬物乱
用」
の最大の問題は、次の
「薬物依存」
を引き起こすことにあ
ります。
薬物を社会的許容から逸脱した目的や方法で自己使用すること
急性中毒:
乱用の結果
●急性アルコール中毒
●有機溶剤急性中毒
●覚せい剤急性中毒
●身体症状
依 存
「薬物依存」とは・・・
やめようと思ってもやめられない状態、乱用の繰り返しの結果
「薬物乱用」
を繰り返したことによって引き起こされ、薬物の
使用をもはや自らの意思でコントロールすることができない状
態を指します。
程度に差はあれ、乱用されている薬物には依
存性があり、使い続けることにより、
「薬物依存」となります。
「薬物依存」
は
“精神依存”
と
“身体依存”
に分けると理解しや
すいでしょう。
“精神依存”の特徴は、薬物による快感を求め
る強い心理的欲求(渇望)が現れることです。
すべての依存
性薬物は
“精神依存”
を引き起こします。
一方、
“身体依存”
は
アルコール、麻薬等でみられることが多く、耐性
(身体が薬物
に慣れ、使用量が増加する現象)
の形成と、離脱症状
(薬物
が急激に体内から消失する際にみられる様々な不快な症
状、退薬症状とも呼ばれる)によって特徴づけられます。
「薬
物依存」
の状態になると、さらに
「薬物乱用」
が繰り返され、さ
まざまな
「薬物中毒」
の症状をもたらします。
乱用の
繰り返し
渇望
渇望
耐性
身体
依存
退薬症状
精神
依存
耐性
(離脱症状)
渇望
渇望
薬物
探索行動
「薬物中毒」とは・・・
「薬物中毒」には“急性中毒”
と
“慢性中毒”の 2 種類があ
ります。
“急性中毒”
は、薬物が体内に急激かつ大量に取り込
まれることで起こります。例えば、イッキ飲みによる急性アル
コール中毒は、代表的な
“急性中毒”です。
つまり、
「薬物依
存」
の有無にかかわらず、いつでも誰でも
“急性中毒”
になる
怖れがあります。
一方、
“慢性中毒”
は長期にわたる
「薬物乱
用」
の結果引き起こされる障害を指します。
例えば、飲酒によ
る慢性肝炎・肝硬変などの臓器障害や、覚せい剤・有機
溶剤等による精神病(幻覚や妄想)などがあります。
“慢性中
毒”
の症状は、長期化して、回復が困難な場合も少なくない
のです。
慢性中毒
依存に基づく乱用の繰り返しの結果
●覚せい剤精神病
●有機溶剤精神病
●身体症状
(出典)
和田 清:薬物乱用・依存の現状と鍵概念こころの科学 111:14∼21,2003
薬物の種類と引き起こされる
「障害」&「薬物」のさまざまな呼び名
覚せい剤(メタンフェタミン)
シンナー・
トルエン
有機溶剤( )
・ボンド・ガス類等
MDMA
大 麻
●心身に及ぼす影響
中枢神経の刺激作用により気分が高
揚し、疲労や眠気がとれたように感じます
が、効果が切れると反動で強い疲労・倦
怠感、脱力感に襲われます。
顕著な精神依存と精神病状態をもた
らし、しばしば症状が慢性化します。
●心身に及ぼす影響
化学構造的には覚せい剤に類似して
おり、興奮作用と、幻覚作用があります。
欧米ではクラブ、ディスコなどでの乱用が
よく知られ、急性臓器不全による死亡例
の報告も少なくありません。合成麻薬とし
て規制されています。
●心身に及ぼす影響
記憶・理解力の低下、知覚・情動障
害、幻覚・妄想状態やパニック状態など
が出現し、長期乱用では能動性や意欲
が低下する「無動機症候群」がみられま
す。免疫機能や生殖機能にも障害が現
れます。
●心身に及ぼす影響
酩酊状態、情動障害、幻覚等がみら
れ、大量吸引では脳幹麻痺により死に
至ります。低年齢からの乱用は、長期に
わたり心身に重大な障害をもたらし、覚
せい剤など他の薬物乱用へ移行するこ
とも少なくありません。
●通称・俗称
スピード、エス、
アイス、シャブ、
アッパーズ、
クリスタル、
ブラックビューティーズ
●通称・俗称
エクスタシー、アダム、クラブドラッグ
●通称・俗称
マリファナ、ハッパ、チョコ、ウィード、ポット、
ジョイント、グラス、ハシッシュ
●通称・俗称
アンパン、純トロ、ガスパン
04
薬 物 乱 用による様々な 悪 影 響
心 身 及 び 社 会に与 え る 悪 影 響
3
薬物は、一度乱用しただけでも急性中毒に陥って死亡するという恐ろしさを秘めていま
す。
そうした最悪の事態を迎えなかったとしても、中枢神経がおかされて精神面に症状が
現れたり、内臓に障害が生じて身体面に悪影響が及んだりします。
しかも、自分の意志で
コントロールできない強い依存性がありますから、薬物をなんとしても入手しようとして犯罪
行為に陥ったり、社会生活が送れなくなったりと、
さまざまな弊害が起こってきます。
治ったようでも怖い 「フラッシュバック」
薬物依存症の完治は極めて難しいと言われています。薬物を
使い続けると、精神に異常をきたし、幻覚や被害妄想などが生じ
ます。治療して完治したように見えても、脳は薬物乱用時の状態
を覚えているのです。そのため、
ストレスや不眠などさまざまなきっ
かけで、
脳が薬物を乱用したときの状態を思い出し、
幻覚や妄想
に襲われます。
これを
“フラッシュバック現象(自然再燃)”
といいます。回復後、何
年たてば絶対に大丈夫という基準はありません。それは、半永久
的に「精神病準備状態」が脳内に形成されてしまうからなのです。
最近、好奇心やダイエットに役立つと誤解して薬物を乱用する
若者が増えていますが、薬物に一度手を出したらやめることが難
しいことをしっかり認識させることが必要です。
薬物がもたらすさまざまな弊害
対人関係の問題
家族の問題
・
トラブルの頻発
・友人知人の喪失
・孤立
・薬物乱用仲間の形成
・家族の心身への負担
・家族機能の障害
・家庭内暴力
・家族崩壊
学校生活の問題
・欠席、学習不適応
健康の問題
・性格の変化
・精神障害
・身体的障害
社会的な問題
・事故の多発
・薬物汚染
・犯罪の多発
出典:薬物のない学生生活のために
(文部科学省・厚生労働省・警察庁)
より改編
コカイン
幻覚剤
●心身に及ぼす影響
覚せい剤同様の中枢神経刺激作用
があり、効果がより迅速で強烈なために
短期間で依存に陥り、精神病症状も高
頻度にみられます。大量摂取で意識障
害やけいれん発作、急性中毒による死
亡もみられます。
●心身に及ぼす影響
LSD、PCP( フェンサイクリジン )、
“マ
ジック・マッシュルーム”などがあります。
さ
まざまな幻覚症状の他に誇大妄想やパ
ニック状態も出現します。長期中断後の
フラッシュバック ( 自然再燃 ) も少なくあ
りません。
●心身に及ぼす影響
多幸感に続いてぼんやりした状態や、
悪心・嘔吐や流涙がみられます。強い身
体依存を引き起こし、中断により嘔吐や
痙攣などの激しい離脱症状が出現しま
す。大量摂取により、昏睡から死に至り
ます。
あへ ん・ヘロイン
●通称・俗称
コーク、スノウ、フレイク、ブロー、ホワイト、
ノーズキャンディー、スノウバーズ、クラック
●通称・俗称
アシッド、
ドラゴン
(LSD)
、
エンジェルダスト
(PCP)
●通称・俗称
スマック、ホース、ブラウンシュガー、
チャイナホワイト、スリーナイン
違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)
●心身に及ぼす影響
麻薬又は向精神薬には指定されてお
らず、それらと類似の有害性が疑われる
物質であって、人に乱用させることを目的
として販売等がされている違法ドラッグ
(いわゆる脱法ドラッグ)が近年問題とな
っています。
これらの薬物は、インターネッ
トや繁華街で
“合法ドラッグ”、
“芳香剤”、
“クリーナー”などと称して売られている場
合があります。
ほとんどの物質について平
成 19 年 4 月「薬事法」の「指定薬物」
として規制が強化されました。
●通称・俗称
ポッパーズ、
ラッシュ、
ロッカールーム
(亜硝
酸エステル類)、
Xクリスタル(5-MeO-MIPT)
※いずれも薬事法における指定薬物
(注)
*解熱剤のメチロン
(スルピリン)
とは異なります。
05
4
文部科学省で平成18年に行った高校生の覚せい剤等の薬物に対する調査では、
薬 物 乱 用による様々な 悪 影 響
有 機 溶 剤 乱 用 経 験 者にお ける家 庭・学 校 生 活の特 徴
一回でも使うと
やめられなくなる
男子
76.0%
高校
1年
86.8%
73.2%
高校
2年
85.8%
68.9%
高校
3年
女子
83.0%
など薬物に対して否定的なイメージをもつものが多いものの、
学年が上がるにつれて男女ともにその比率が低下する傾向があります。
また、
気持ちよくなれる
気がする
8.4%
高校
1年
7.4%
8.9%
高校
2年
8.7%
8.8%
高校
3年
7.2%
と薬物に対して肯定的イメージをもち、薬物に対する警戒心の低い高校生が男女ともに
約7%∼9%もいることがわかりました。子どもたちは、
「 薬物が簡単に手に入るようになっ
た」
との印象をもっており、
「好奇心」
「おもしろ半分」
「遊び心」など安易な理由から薬物
の乱用に至るケースが増えているのではないかと考えられています。また、乱用する子ども
のタイプにも変化がみられ、昔ながらのいわゆる
「ツッパリ」
タイプに加え、
「おとなしくて、ど
ことなく覇気のない、普通の家庭の子ども」
「家庭では良い子」が増える傾向にあります。
(文部科学省「 薬物等に対する意識等調査報告書 」平成19年)
巧みな誘い文句
薬物乱用の体験がある子どもたちの声
「最高の気分が味わえる」
「身近にシンナーがあったので、好奇心もあって」
「一度だけなら大丈夫」
「親から虐待を受けた」
「やめようと思えば、いつでもやめられる」
「退屈で退屈で死ぬほどイヤだったから」
「ダイエットに効く」
「学校でも社会でも相手にされなかった」
「お金はこの次でいいよ」
「家族関係がうまくいかなかったので『シャブ』をやった」
「やってるのは君だけじゃないよ」
「先輩から誘われ一度くらいならと思った」
06
Never use addictive drugs.
有機溶剤乱用経験の有無と家庭・学校生活との関連
有機溶剤乱用「経験群」では、食事・睡眠などの基本的生活習慣が乱れ、
家族間のコミュニケーションが希薄な傾向があり
ます。
また、
充実した学校生活や友人関係が築けていない傾向もあります。
有機溶剤乱用の経験の有無と家庭・学校生活の状況
0
10
20
30
有機溶剤乱用経験群
有機溶剤乱用非経験群
40
50
60
70
80
90
100(%)
起床時刻は一定している
就寝時刻は一定している
ほとんど毎日朝食を食べる
ほとんど毎日家族そろって夕食をとる
悩み事を親に相談する
大人不在で1日平均3時間以上過ごす
学校生活は楽しい
クラブ活動に積極的に参加している
親しく遊べる友人がいる
相談事のできる友人がいる
また、経験群では、大麻および覚せい剤を「入手可能」と回答した割合が 40%を超えており、非経験群より明らかに高い傾
向があります。
ただし、非経験群でも15%近くが「入手可能」と回答していることにも注目する必要があるでしょう。
有機溶剤乱用の経験の有無と大麻・覚せい剤の入手可能性
0
10
20
30
40
有機溶剤乱用経験群
有機溶剤乱用非経験群
50
60
70
80
90
100(%)
大麻入手可能
覚せい剤入手可能
(出典:薬物乱用に関する全国中学生意識・実態調査(2008年)国立精神・神経センター精神保健研究所薬物依存研究部)
巧妙な密売手口、手の届く価格
以前は、私たちの日常とは縁遠いものであった覚せい剤
妙なものです。子どもをもつ親としては、まず、乱用される薬
などの薬物も、最近では、子どもたちがお小遣いで買える価
物は依存性が強く、一度手を出したらやめられなくなり、悲惨
格となり、覚せい剤は注射の痕跡を残さない吸煙セットや手
な結末が待っているという事実を、正しく知っておくことが必
軽な錠剤タイプとなって密売されています。駅周辺や子ども
要です。さらに一歩進み、子どもたちが薬物に手を出す素地
たちが集まる場所で外国人の密売人が声をかけたり、携帯
を作らないように、家族が子どもを温かく見守り、ふだんから
電話ヘメッセージを入れたり、インターネットを利用したり、
不安や悩みなどに十分耳を傾けることが薬物乱用を防止す
クルマのなかへ誘いこむなど、誘惑方法もスキを突いた巧
る要となることを覚えておきましょう。
07
5
インターネットで命を落としかけたケース
薬 物 乱 用による様々な 悪 影 響
薬 物 乱 用のきっかけ
あ
る日、A君は好奇心からドラッグ関係のホームページを検索してみ
たところ、ハーブ類や合成薬物らしい薬物を販売するサイトに出会いまし
た。好奇心から購入し服用してみると、まもなく激しい頭痛や動悸、吐き気
などに見舞われ、意識ももうろうとしてきたため、異変に気づいた家族が
119番して近くの救急病院で手当を受け、何とか大事に至らずにすみま
した。
実はその薬物は
“合法ドラッグ”
として売られていたため、A君はてっきり
法律で認められた安全なものだと思ってしまったのです。
しかし実際には
これらの多くが、違法薬物の化学構造に手を加えるなどして法律の取り
締まりを逃れようとする
“違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)”
であることが
わかりました。
そして、これらの
“薬物”
は健康への有害作用が十分わかっ
ていないだけに大変危険であること、死亡例を含む多くの事故報告があ
ることを知り、A君は興味本位で薬物を使ってしまった自分の行動の恐ろ
しさを改めて知りました。
そして使い方によっては命まで落としかねないイ
ンターネットの恐ろしさも痛感したのです。
保 護 者 の は なし
その気になれば、こんなに簡単に誰でも薬物が手に入るなんて、
本当に驚きました。インタ
ーネットで情報を発信する側を取り締まるのは難しいと聞きます。それだけに、薬物の恐ろし
さを子どもたちに日頃から教え、絶対に薬物の掲示板などにアクセスしたり、メールを送った
りすることがないよう心がける必要があるということを痛感しています。
疎外感からシンナーに走ったケース
高
校1年生のB君がはじめてシンナーを吸ったのは、中学3年生のとき
でした。まじめな父と教育熱心な母、そして、成績のいい進学校に通う高
校生の兄がいる家には、
「自分の居場所がない」とB君は思っていました。
家にいても、
友だちと一緒にいても、これといって楽しいことがなく、
毎日が
退屈で、死にたいと感じることがあるほど辛く感じていたのです。
学校はキライではなかったのですが、茶髪にピアスをして登校すると、
いつも決まって校門前で先生に怒鳴られました。「髪を直せ」「校則を守
れ」。
同級生たちは、いつもB君を遠巻きにして見ていました。
そんなある日、中学のときの同級生から、シンナーをやってみないかと誘
われました。「来いよ。気持ちよくなろうぜ」B君は、その日から友人たちと
集団でシンナーを吸うようになったのです。
はじめは吐き気をおぼえました
が、しだいに慣れてしまいました。
シンナーを吸ってもうろうとなって家に帰ると、待っていた兄に思いっきり
殴り倒され、口を切り、B君は「病院へ連れていけ」と言って暴れました。
いま、B君はシンナーを断ち、家族に見守られ、「毎日が本当に楽しい。
退屈さを感じたこともない」と語っています。
保 護 者 の は なし
思い返してみれば、仕事、仕事の毎日でした。長男ばかりに目を向け、次男の
“心の寂し
さ”
や
“疎外感”
などには気づきませんでした。
まさか、息子がシンナーを吸っていたなんて…。
家庭でも学校でも、満たされなかったのだろうと、自分の子どもに対する無関心を反省して
います。これからは、家族みんなで話し合う時間を増やすようにして、子どもの気持ちを受け
止められるようにしたいと思います。家庭こそ家族の心の居場所なのだと痛感しています。
08
携帯電話からはじまったケース
高
校生のA子さんは、素直な明るい性格で、親しい友人も大勢いました。
友人たちとは、携帯電話で学校での出来事や友だちの情報などを交換し合っ
て楽しんでいました。携帯電話の番号は友だちから友だちへと伝わり、気がつ
いたときには、会ったこともない相手から、突然電話がかかってくるようになった
といいます。
そんなある日、友だちの B 子さんから電話がありました。
「ネエ、A子、あんた、
スピードに興味ない ?」「スピードって、覚せい剤 ?」「その気があるんなら紹介す
るよ。
すごく楽しくなるし、明るくハイにもなれるよ、絶対にヤセルって」「そんな、ヤ
バイよ」「1 回くらいなら大丈夫、大丈夫。じゃ、また連絡するね」
こんなやりとりをした数日後、B子さんの友だちと名乗る見知らぬ男から「一度
会いたい」と携帯に電話がありました。指定された商店街の一角に、目印の週
刊誌を持って立っていると、キチンと背広を着こなしたあいそうのよい外国人が
近寄ってきました。
「失礼、A子さん ?」
2 人は近くの喫茶店に入りました。
そこでA子さんが見せられたのが、吸煙
セットでした。こうしてA子さんは覚せい剤にはまってしまったのです。
保 護 者 の は なし
娘にせがまれて買い与えた携帯電話で、こんなに簡単に薬物が手に入るなんて、本当に驚いています。薬
物なんて、うちの子にはまったく縁のないものと思っていただけに、私のショックはたいへんなものでした。もっと
娘の日頃の言動に留意すべきでした。家族というのは、子どもが何を考え、何を悩んでいるのかを注意深く見
守り、子どもの行動には細心の注意を払うことが本当に必要なことだと痛感しています。
遊び仲間から誘われたケース
高
校2年生のC君は、中学の同級生だったD君を中心とするグループとよく
集まって「バイク遊び」をしたり、街角でたむろしたりしていました。
ある日、D君はポケットから葉っぱのようなものを取り出して、グループの少年
たちに得意そうに見せました。
「マリファナだぜ。誰にもしゃべるな」「そんなもの
持っているとヤバイぞ」「大丈夫さ、ただでやるからやってみろ」「オレやってみた
い。一回だけでやめるから」
そんな仲間のやりとりを聞いていたC君は、どうしても「イヤだ」と言えませんで
した。
D君の誘いを断って仲間はずれにされるのが怖かったからです。
それからは、グループで小遣いを出し合って、たびたび大麻(マリファナ)
を乱
用したといいます。乱用すると、C君は、自分が本当に強くなったような気がしま
した。
しかし、すぐに「みんながオレをバカにしているのでは ?」という被害妄想
が、
C君の頭のなかでふくれあがったのです。
C君の様子がおかしいことに気づいた両親といっしょに病院を訪ねたときに
は、どうして自分が病院にいるのかもわからない状態になっていました。
本 人 の は なし
仲間はずれになるのがいやで、どうしても誘いを断われませんでした。
「No!」
と言う勇気がなかったんです。
ハッパを吸うのもちょっとカッコよく見えたし。
でも、あるはずのない怖い声が聞こえてくるなんて……。軽い気持
ちで大麻に手を出しましたが、心身に悪い影響があるので、これからは絶対に手を出しません。
09
家 庭でのコミュニケーションを
大 切にしましょう
薬 物 乱 用 から 子 ども を 守る
家 族の役 割
6
子どもたちにまん延する薬物乱用の実態は、多くの大人が想像する以上に深刻
です。
薬物乱用を始めた動機として、
「好奇心」「退屈だから」「家に居場所が見つから
ない」
「親から見離されてしまったから」などを挙げる子どもが目立ちます。
ここからも
家庭での親子の会話がいかに失われてしまっているかがうかがわれます。
全国の高校2年生、約6000人を対象とした調査※によれば、家族と「まったく話を
しない」、
または「ほとんど話をしない」と回答した生徒が、男子の7%、女子の4%にみ
られました。
この調査の自由記述欄から子どもたちの生の声をいかに聞き、どのよう
にするのが良いかを考えてみました。
子どもたちの
叫び声
「もっと話を最後まで聞いてほしい。親だ
からと親の意見を押し付けるのでなく、子
どもの話を親身になって最後まで聞いて
ほしい」
「もっと子どものことをわかろうとしてほし
い。めんどうだと言わずに、悩んでいるこ
とを聞いてほしい」
「お父さんとお母さんに仲良くしてほしい。
会話のある温かい家にしてもらいたい」
「自分が親だということを自覚して行動し
てほしい」
「子どもの存在を否定するようなことを言
うのは、やめてほしい」
「兄弟と比べないでほしい。一人の人とし
てみてほしい」
こうした子どもたちの声から、私たちのある
べき姿を学ぶべきです。私たちは親として、ひ
とりの社会人として、子どもたちから尊敬され
る行動をしているか否かについて、自らに問い
かけるべきです。また、子ども一人ひとりの人
格を尊重し、同じ目線でしっかりと子どもの話
に耳を傾ける必要があります。そして家庭にお
いては、家族がくつろいで会話のできる雰囲気
づくりに、常に心を配らなくてはなりません。
親に感謝している
子どもたちの声
「生んでくれてありがとう」
「今のままでいい。すごく支えてもらって
いるし、
これからもずっと支えてほしい」
「だらしない息子だけど、これからもよろ
しく」
「いつもありがとう。苦労ばかりかけてご
めんなさい。お母さんが死んでから、少
し頑張り過ぎですよ。家にいるときくら
い、ゆっくり休んでください。私も頑張り
ますから」
このような家庭をつくる努力が、子どもたち
に薬物乱用を思いとどまらせることに繋がりま
す。また、子どもの変化などにも敏感に気付く
ことができるようになりますので、子どもたち
が薬 物 の 被 害を受けることのないよう事 前に
食い止めることができるでしょう。
子どもから感謝される親になるために努力し
ませんか。
※(社)全国高等学校PTA連合会「平成17年度全国高校生の生活・意識調査」
10
7
子どもたちの薬物乱用を予防していくためには、
薬物に手を出してしまう子どもたちの
特徴を知り、
初期のサインに気がつく必要があります。
薬 物 乱 用 から 子 ども を 守る
早 期に発 見 するには
1
仲間と学校生活
思春期は、友人や知人からの影響を非常に受けやすい時期です。薬物乱用についても同様で、薬物
乱用を含めた問題行動がみられる仲間との付き合いは、思春期における重大な危険因子といわれてい
ます。1,2)国内の報告でも、有機溶剤乱用経験を持つ中学生の多くは、以下のような共通項があること多
いことが、
研究で示されています。3,4,5,6)
■ 薬物乱用をしている仲間がいる
■ 仲間から誘われた経験がある
■ 薬物の入手可能性が高い
■ 学校生活が楽しくない
■ 親しく遊べる友人がいない
■ 相談事のできる友人がいない
薬物乱用を予防する上では、
「どのような仲間と付き合いがあるのか」
ということが重要な要因で、仲
間からの誘いを断るスキルを身につけることは予防的に働く可能性があります。
2
日常生活
薬物乱用経験をもつ子どもたちにみられる日常生活上の特徴としては、
以下のような項目があります。
3,4,5,6,7)
■ 生活リズムが乱れている
(起床・就寝の乱れなど)
■ 食生活が乱れている
(朝食の欠食が多いなど)
■ 親との相談頻度が低い
■ 家族と夕食を共にする頻度が低い
■ 大人不在で過ごす時間が長い
規則正しい生活習慣を身につけ、家族間のコミュニケーションを密に図っておくことで、薬物乱用のリ
スクを低下させる可能性があります。
3
アルコールとタバコ
飲酒・喫煙と薬物乱用との関連は、
多くの研究で報告されています。4,5,6,8,9)
■ 常習的に喫煙している
■ 家族からタバコをすすめられた経験がある
■ 問題飲酒(大量・高頻度に飲酒すること)をしている
■ 大人不在下で、仲間だけで飲酒したことがある
飲酒・喫煙を防ぐこと、あるいは中止させることは、
その後の薬物乱用のリスクを低下させることにつな
がるでしょう。
4
問題行動やメンタルヘルス
その他、問題行動やメンタルヘルスと薬物乱用との関連も報告されています。10)
■ 無断外泊をしたことがある
■ 万引きの経験がある
■ 誰かをいじめたことがある
(加害経験)
■ 身体的な暴力をふるった経験がある
■ 警察に補導されたことがある
■ 停学や退学の経験がある
■ 過食や拒食の状態が続いたことがある
薬物乱用に先立つ、あるいは併行するこれらの問題を早期に解決しておくことで、薬物乱用のリスクを
低下させる可能性があります。
【出典】
1)National Institute on Drug Abuse: Drugs, Brains, and
Behavior-The Science of Addiction, 2008.
2)National Institute on Drug Abuse: Preventing Drug Use
among Children and Adolescents. A Research-Based
Guide for parents, Educators, and Community Leaders,
2003.
3)Wada,k. et al.: Addiction, 88:89-100, 1993.
4) 和田清 , 他:薬物乱用に関する全国中学生意識・実態調査 (2008 年 ).
平成 20 年度厚生労働科学研究費補助金 ( 医薬品・医療機器等レギュ
ラトリーサイエンス総合研究事業 ) 研究報告書 , 15-85, 2009.
11
5) 和田清:依存性薬物と乱用・依存・中毒 , 星和書店 , 2000.
6) 嶋根卓也 , 他:日本公衆衛生雑誌 , 51(12):997-1007, 2004.
7)Wada,k.: Japanese Journal of alcohol studies and drug
dependence, 37:41-56, 2002.
8)Wada,k. et al.: Drug and Alcohol Dependence, 46:137-145,
1997.
9) 鈴木健二 , 他:日本アルコール・薬物医学会雑誌 , 34(5):465-474,1999.
10) 嶋根卓也 , 他:日本社会精神医学会雑誌 ,17(3):233-244,2009.
薬 物 乱 用 から 子 ども を 守る
気 付いたと きの家 族の対 応
8
もし、子どもが薬物を乱用していたら、家族としてどのように対応したらよいので
しょうか。例えば、むりやり取り上げようとして、かえって暴力ざたになる場合もありま
す。また、本人に対して、怒ったり、脅したり、機嫌をとったり、一日中監視したりする
のもよくありません。
「今度やったら親子の縁を切る」
「面倒見切れないから家を出
てもらう」なども禁句です。親と子どもの信頼関係が崩れてしまいますし、かえって
薬物乱用の仲間との結びつきを強めてしまう危険性があります。
それでは、いったいどうしたらよいのでしょうか ?
1
2
3
子どもの薬物乱用に気付いたら
子どもの 薬 物 乱 用を知った場 合は、まず親が冷静になり、もみ消した
り、 かかえ込まな いことが 必 要 です 。そして 、 薬 物 乱 用につ い て 親 子 で
よく話し合 い 、 心 身 へ の 悪 影 響 が あることや 、 薬 物 を 乱 用しはじめ た
らー生やめられない依存性のあることなどを理解させたうえで、できる
だけ早く専門家などに相談し、本人が立ち直るのを手助けすることが大
切です。
薬 物 乱 用につ い て 考えると、
「ダメ、ダメ」と規 制 することが 多くなり
ますが、規制だけでは薬物乱用を防ぐことはできません。
「やめなさい」
の 一 辺 倒ではなく、
「な ぜ薬 物に手を出すのか」を一 緒に考えてみるこ
とが必要になります。
そして 、 悩 みを抱えて いる子どもに手を差し伸 べること、 一 人 ひとり
の 子どもが 学 校や家 庭 で 楽しさを見 い 出 せるように支えて あげること
が大切なのです。
学校・地域社会との連携を
薬物乱用に気付いたときには、お父さんやお母さんが一人で悩まず、
家族全員の問題としてよく話し合いましょう。子どもが孤立してしまった
り、 親が誰にも相 談できずに頭を抱えてしまう状 況を避けて、 学 校や地
域 社 会も含めて 、関 係 者 が そ れぞ れの 立 場 で 責 任を果たして いくよう
心掛けることが重要です。
できるだけ早く地 域 のさまざまな専 門 機 関 ( 精 神 保 健 福 祉センター 、
精神科医療機関、保健所、警察署等)と連携して、対策を講じることが望
ましいと言えるでしょう。
薬物から子どもを守るために必要なこと
子どもの多様な価値観を認め、
家族内のコミュニケーションを図るよ
うに心掛けましょう。
いつでも親が温
かく見守り、子どもを孤立させないこ
とが大切です。
放 任 主 義は危 険です 。本 人の
言 動 、交 友 関 係 、生 活 態 度 の 変
化などに気を配り、特に子どもの
嘘には厳しい態度で臨みます。嘘
や 隠しごとの 背 後にある薬 物 乱
用の危険を見逃さないことです。
日ごろから学校と連絡を取り合
い、生 活 態 度の変 化や非 行の兆
しがないかに注意します。保護者
自身が 薬 物 乱 用に対 する正しい
知 識をもち、子どもの疑 問にも答
えられるようにしておきましょう。
インターネットに自由にアクセス
できるパソコンは、なるべく子ども
部屋に置かないようにしましょう。
12
薬 物 乱 用 から 子 ども を 守る
子 どもが 薬 物に対 して
9
と 言 えるようにするための9ヵ条
No!
薬物がいけないものであることは、頭では理解していても、とっさに「NO!」とはなか
なか言えないものです。ですから、ふだんから家庭のなかでさまざまな場面を想定し
て、子どもがきちんと断れるよう、話し合いを重ねましょう。子どもがどのように断われ
ばよいか、家族で一緒になって考えてみましょう。
1
2
3
薬物について
子どもと話合う
子どもの話を
よく聞く
子どもが気分よく
話ができるようにする
話し合いによって、薬 物
に対する正しい知識を子ど
もにもたせるようにします。
先 入 観 や 思 い 込 みなし
に、子どものひと言ひと言に
じっくり耳を傾けましょう。親
の真 剣さを子どもは敏 感に
感じとります。
子どもが話しやすい雰囲
気づくりを心がけ、努力や成
果を十分にほめてあげましょ
う。たとえ、失敗しても責めず
に励ましてあげましょう。
4
5
6
子どもが「NO!」と
言えるように助力する
あなた自身が
模範となり、
例となる
子どもが仲間から圧力を
受けても支えてあげる
友だちに引きずられることな
く、は っきりと勇 気 をもって
「NO!」
と言えるように助力しま
す。
親の意識や行動は、子ど
もの薬物乱用に対して影響
を及ぼします。子どもの前で
は、たばこなどを控える意識
をもつことが大切です。
仲 間 から勧 められ ても
「NO!」と言うのが正しいの
だ、
という親の考え方を子ど
もに示しておきます。
7
8
9
健康的で創造的な
活動を奨励する
PTAの協力を求め
一緒に行動する
退 屈しのぎの薬 物 乱 用か
ら子どもを遠ざけるため、趣味
を楽しんだり、学 校や地 域で
のイベントに参加したりするこ
とを勧めます。
家庭内の指導を支援する
グループや、P T Aと一 緒に
行動することもいいでしょう。
13
子どもに問題の
ある場合の
対処法を知る
薬物についての正しい知
識をもち、対処法を知ること
です。
高校生による薬物乱用防止活動
長野県飯山高等学校
熊本県立鹿本高等学校
平成21年6月26日、長野県飯山高等学校
熊 本 県 立 鹿 本 高 等 学 校は、平 成 2 1 年 6 月
の2年生代表が北信保健福祉事務所の皆さん
26日に市内スーパーにて「ダメ。ゼッタイ」熊
と飯山駅で薬物乱用防止対策キャンペーンと
本 県 普 及 運 動ヤングキャンペ ーンに参 加し、
して、パンフレットやティッシュを配りました。
地域の人々に薬物乱用防止を訴えました。
相談 窓口
薬物についての身近な相談窓口として、また、より専門的な相談やリハビリ指導を行うために
「少年相談電話」・「精神保健福祉センター」が全国に設けられています。薬物について悩みがあ
るときは、一刻も早くセンターに相談し、適切なカウンセリングや指導を受けるようにしましょう。
全国の主な少年相談電話
都道府県
北 海
青 森
岩 手
宮 城
秋 田
山 形
福 島
茨 城
栃 木
群 馬
埼 玉
千 葉
東 京
神 奈 川
新 潟
富 山
石 川
福 井
山 梨
長 野
岐 阜
静 岡
愛 知
三 重
滋 賀
京 都
道
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
都
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
県
府
名 称
少年相談110番
ヤングテレホン
ヤングテレホンコーナー
少年相談電話
やまびこ電話
ヤングテレホンコーナー
ヤングテレホン
少年相談コーナー
ヤングテレホン
少年育成センター
少年サポートセンター
ヤング・テレホン
ヤングテレホンコーナー
ユーステレホンコーナー
新潟少年サポートセンター
ヤングテレホンコーナー
ヤングテレホン
ヤングテレホン
ヤングテレフォン
ヤングテレホンコーナー
ヤングテレホンコーナー
少年サポートセンター
ヤングテレホン
少年相談110番
こころんダイヤル
ヤングテレホン
電話番号
0120-677-110
0120-58-7867
0197-65-2400
022-222-4970
018-824-1212
023-642-1777
024-526-0089
029-301-0900
0120-87-4152
027-254-3741
048-865-4152
0120-783-497
03-3580-4970
045-641-0045
025-285-4970
0120-873-415
0120-497-556
0120-783-214
055-235-4444
026-232-4970
0120-783-800
0120-783-410
052-951-7867
0120-41-7867
077-524-2030
075-841-7500
都道府県
大 阪 府
兵 庫 県
奈 良 県
和 歌 山 県
鳥 取 県
島 根 県
岡 山 県
広 島 県
山 口 県
徳 島 県
香 川 県
愛 媛 県
高 知 県
福 岡 県
佐 賀 県
長 崎 県
熊 本 県
大 分 県
宮 崎 県
鹿 児 島 県
沖 縄 県
名 称
グリーンライン
ヤングトーク
ヤング・いじめ110番
ヤングテレホン・いじめ110番
ヤングテレホン
ヤングテレホン
ヤングテレホン・いじめ110番
ヤングテレホン
ヤングテレホン・やまぐち
ヤングテレホン
少年相談電話
愛媛県警察本部警察総合相談室
ヤングテレホン
少年サポートセンター
少年サポートセンター
ヤングテレホン
肥後っ子テレホン
ヤングテレホン
ヤングテレホン
ヤングテレホン
ヤングテレホンコーナー
電話番号
06-6772-7867
0120-786-109
0742-22-0110
073-425-7867
0857-29-0808
0120-786-719
086-231-3741
082-228-3993
0120-49-5150
088-625-8900
087-837-4970
0120-31-9110
088-822-0809
092-841-7830
0120-29-7867
0120-786-714
0120-02-4976
097-532-3741
0985-23-7867
099-252-7867
0120-276-556
この相談電話は、全国の警察本部に設置されている直通の少年相
談専用電話です。女性の相談員や専門相談員が、薬物乱用に限らず、
少年の初期の非行問題に関する相談に答えてくれます。
(平成21年9月1日現在)
14
全国の精神保健福祉センター
都道府県 政令市
センター名
郵便番号
北 海 道
札 幌 市
青 森 県
岩 手 県
宮 城 県
仙 台 市
秋 田 県
山 形 県
福 島 県
茨 城 県
栃 木 県
群 馬 県
埼 玉 県
さい たま 市
千 葉 県
千 葉 市
北海道立精神保健福祉センター
札幌こころのセンター
青森県立精神保健福祉センター
岩手県精神保健福祉センター
宮城県精神保健福祉センター
仙台市精神保健福祉総合センター
秋田県精神保健福祉センター
山形県精神保健福祉センター
福島県精神保健福祉センター
茨城県精神保健福祉センター
栃木県精神保健福祉センター
群馬県こころの健康センター
埼玉県立精神保健福祉センター
さいたま市こころの健康センター
千葉県精神保健福祉センター
千葉市こころの健康センター
東京都立中部総合精神保健福祉センター
東京都立多摩総合精神保健福祉センター
東京都立精神保健福祉センター
神奈川県精神保健福祉センター
横浜市こころの健康相談センター
川崎市精神保健福祉センター
新潟県精神保健福祉センター
新潟市こころの健康センター
富山県心の健康センター
石川県こころの健康センター
福井県精神保健福祉センター
山梨県立精神保健福祉センター
長野県精神保健福祉センター
岐阜県精神保健福祉センター
静岡県精神保健福祉センター
静岡市こころの健康センター
浜松市精神保健福祉センター
愛知県精神保健福祉センター
名古屋市精神保健福祉センター
三重県こころの健康センター
滋賀県立精神保健福祉センター
京都府精神保健福祉総合センター
京都市こころの健康増進センター
大阪府こころの健康総合センター
大阪市こころの健康センター
堺市こころの健康センター
兵庫県立精神保健福祉センター
神戸市こころの健康センター
奈良県精神保健福祉センター
和歌山県精神保健福祉センター
鳥取県精神保健福祉センター
島根県立心と体の相談センター
岡山県精神保健福祉センター
岡山市こころの健康センター
広島県立総合精神保健福祉センター
広島市精神保健福祉センター
山口県精神保健福祉センター
徳島県精神保健福祉センター
香川県精神保健福祉センター
愛媛県心と体の健康センター
高知県立精神保健福祉センター
福岡県精神保健福祉センター
北九州市立精神保健福祉センター
福岡市精神保健福祉センター
佐賀県精神保健福祉センター
長崎こども・女性・障害者支援センター
熊本県精神保健福祉センター
大分県精神保健福祉センター
宮崎県精神保健福祉センター
鹿児島県精神保健福祉センター
沖縄県立総合精神保健福祉センター
003-0027
060-0042
038-0031
020-0015
989-6117
980-0845
010-0001
990-0021
960-8012
310-0852
329-1104
379-2166
362-0806
338-0003
260-0801
261-0003
156-0057
206-0036
110-0004
233-0006
222-0035
210-0004
950-0994
951-8133
939-8222
920-8201
910-0005
400-0005
380-0928
500-8385
422-8031
422-8006
430-0929
460-0001
453-0024
514-8567
525-0072
612-8416
604-8845
558-0056
545-0051
591-8021
651-0073
652-0897
633-0062
640-8319
680-0901
690-0011
703-8278
700-8546
731-4311
730-0043
747-0801
770-0855
760-0068
790-0811
780-0850
816-0804
802-8560
810-0073
845-0001
852-8114
860-0844
870-1155
880-0032
890-0065
901-1104
東
京
都
神 奈 川 県
横 浜 市
川 崎 市
新 潟 県
新 潟 市
富 山 県
石 川 県
福 井 県
山 梨 県
長 野 県
岐 阜 県
静 岡 県
静 岡 市
浜 松 市
愛 知 県
名 古 屋 市
三 重 県
滋 賀 県
京 都 府
京 都 市
大 阪 府
大 阪 市
堺
市
兵 庫 県
神 戸 市
奈 良 県
和 歌 山 県
鳥 取 県
島 根 県
岡 山 県
岡 山 市
広 島 県
広 島 市
山 口 県
徳 島 県
香 川 県
愛 媛 県
高 知 県
福 岡 県
北 九 州 市
福 岡 市
佐 賀 県
長 崎 県
熊 本 県
大 分 県
宮 崎 県
鹿 児 島 県
沖 縄 県
合計65都道府県・指定都市67施設
住 所
札幌市白石区本通16−北6−34
札幌市中央区大通西19 WEST19−4階
青森市三内字沢部353−92
盛岡市本町通3−19−1
大崎市古川旭5−7−20
仙台市青葉区荒巻字三居沢1−6
秋田市中通2−1−51
山形市小白川町2−3−30
福島市御山町8−30
水戸市笠原町993−2
宇都宮市岡本町2145−13
前橋市野中町368
北足立郡伊奈町小室818−2
さいたま市中央区本町東4−4−3
千葉市中央区仁戸名町666−2
千葉市美浜区高浜2−1−16
世田谷区上北沢2−1−7
多摩市中沢2−1−3
台東区下谷1−1−3
横浜市港南区芹が谷2−5−2
横浜市港北区鳥山町1735
川崎市川崎区宮本町2−32
新潟市中央区上所2−2−3
新潟市中央区川岸町1−57−1
富山市蜷川459−1
金沢市鞍月東2−6
福井市大手3−7−1
甲府市北新1−2−12
長野市若里7−1−7
岐阜市下奈良2−2−1 福祉・農業会館内
静岡市駿河区有明町2−20
静岡市駿河区曲金3−1−30
浜松市中区中央1−12−1
名古屋市中区三の丸3−2−1
名古屋市中村区名楽町4−7−18
津市桜橋3−446−34
草津市笠山8−4−25
京都市伏見区竹田流池町120
京都市中京区壬生東高田町1−15
大阪市住吉区万代東3−1−46
大阪市都島区中野町5-15-21
堺市北区新金岡町5−1−4
神戸市中央区脇浜海岸通1−3−2
神戸市兵庫区駅南通5−1−2−300
桜井市粟殿1000
和歌山市手平2−1−2
鳥取市江津318−1
松江市東津田町1741−3
岡山市中区古京町1−1−10−101
岡山市北区鹿田町1-1-1
安芸郡坂町北新地2−3−77
広島市中区富士見町11−27
防府市駅南町13−40
徳島市新蔵町3−80
高松市松島町1−17−28
松山市本町7−2
高知市丸ノ内2−4−1
春日市原町3−1−7
北九州市小倉北区馬借1−7−1
福岡市中央区舞鶴2−5−1
小城市小城町178−9
長崎市橋口町10−22
熊本市水道町9−16
大分市大字玉沢字平石908
宮崎市霧島1−1−2
鹿児島市郡元3−3−5
島尻郡南風原町字宮平212−3
電話番号
(011)864-7121
(011)622-0556
(017)787-3957
(019)622-6955
(0229)23-0302
(022)265-2229
(018)831-3939
(023)631-7060
(024)535-5560
(029)244-0556
(028)673-8341
(027)263-1156
(048)723-1447
(048)851-5665
(043)263-3893
(043)204-1583
(03)3302-7711
(042)371-5560
(03)3842-0946
(045)821-6060
(045)476-5557
(044)246-6742
(025)280-0113
(025)232-5560
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(055)254-8644
(026)224-3626
(058)276-0119
(054)285-5560
(054)285-0434
(053)457-2709
(052)951-2881
(052)483-2215
(059)223-5245
(077)567-5010
(075)645-5155
(075)314-0874
(06)6607-8814
(06)6923-0936
(072)258-6410
(078)252-4987
(078)672-1556
(0744)43-3131
(073)435-5192
(0857)21-3031
(0852)21-2885
(086)272-8835
(086)803-1273
(082)892-9090
(082)245-7731
(0835)27-3388
(088)625-0610
(087)833-5560
(089)911-3880
(088)823-0600
(092)582-7400
(093)522-8729
(092)737-8826
(0952)73-5556
(095)847-7867
(096)356-3629
(097)542-0878
(0985)32-5566
(099)255-0617
(098)888-1450
(平成21年9月1日現在)
15
この冊子は、次の委員の方々のご協力で作成されました。
(敬称略)
北 垣 邦 彦 嶋 根 卓 也
冨 澤 正 夫
深 澤 資 弘
孫 竹 昌 幸
岸 千 明
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課 健康教育企画室健康教育調査官 薬学博士
国立精神・神経センター精神保健研究所 薬物依存研究部 医学博士
財団法人 麻薬・覚せい剤乱用防止センター専務理事
全国高等学校PTA連合会健全育成委員会委員長
全国高等学校PTA連合会健全育成委員会副委員長
全国高等学校PTA連合会常務理事健全育成委員会担当
発行
社団法人全国高等学校PTA連合会
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町2-1 奥田ビル301号
TEL.03-5835-5711 FAX.03-5835-5757
http://www.zenkoupren.org
(平成22年2月)
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