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武蔵野市公営住宅等長寿命化計画(2013

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武蔵野市公営住宅等長寿命化計画(2013
武蔵野市公営住宅等長寿命化計画
(2013~2022)
武蔵野市
都市整備部
住宅対策課
目 次
第 1 章 計画の目的と位置づけ
……………………………………………………………………2
(1)計画の背景
(2)計画の目的
(3)計画の期間
(4)計画の位置づけ
第 2 章 公営住宅等のストックの現状
……………………………………………………………4
(1)公営住宅の現況
(2)公営住宅等の管理状況
(3)入居者の状況
(4)応募の状況
(5)空き室の状況
第 3 章 長寿命化に関する基本方針
………………………………………………………………8
(1)市営住宅の役割
(2)ストックの状態の把握及び日常的な維持管理の方針
(3)長寿命化及びライフサイクルコストの縮減に関する方針
(4)ストック活用手法の選定対象
第 4 章 ストック活用手法の選定とストック活用計画……………………………………………10
(1)ストック活用手法の選定方法
(2)個別の住宅のストック活用手法の選定
第 5 章 長寿命化を図るべき公営住宅等 …………………………………………………………17
(1)ストック活用別戸数
(2)事業化の検討
第 6 章 長寿命化のための維持管理計画 …………………………………………………………19
(1)計画期間内に実施する修繕・改善事業の内容
(2)長寿命化のための維持管理による効果
(3)ストック活用計画
1
第1章
計画の目的と位置づけ
(1)計画の背景
武蔵野市では 110 戸の市営住宅(公営住宅・改良住宅)と 181 戸の福祉
型住宅(公営住宅・非公営住宅)を管理している。
本市では、平成 15 年度に「武蔵野市市営住宅ストック総合活用計画」
(2003~2012)を策定し、活用手法の選定結果で建替えとなった北町第一
住宅及び西久保住宅について、平成 19 年度に北町第一住宅、平成 21 年度
に桜堤住宅の新設と併せて西久保住宅の用途廃止を実施した。
また、関前住宅(昭和 46 年築)は、すでに耐用年数の 2 分の 1 を経過し
ているが、ストック計画の2次判定結果により、「躯体の安全性(耐震性)」
や「避難の安全性」は問題なしとの結果から、住戸内及び住宅内のバリアフ
リー化や屋外オープンスペースの整備になどにより、「改善」を選定し、平
成 16 年から 19 年にかけて、排水管等改修工事、流し台・手すり・玄関扉
改修工事(1 階障害者用のみ)、給水等設備工事、外構改修工事、屋上防水、
外壁改修工事、駐輪場設置工事等を実施した。
同様に、北町第二住宅(昭和 51、52 年築)についても、耐用年数の 2 分
の1を経過しているが、ストック計画の2次判定結果により、「躯体の安全
性(耐震性)」や「避難の安全性」は問題なしとの結果より、住戸内及び住
宅内のバリアフリー化により、高齢者等の居住に関する適正な水準を確保す
るため「改善」を選定し、平成 17 年から 24 年にかけて、外部廊下及び階段
に手摺り設置改修工事、浴室改修工事、屋上防水改修工事、給水直結化工事
、ガス配管改修工事を実施した。
また、関前住宅及び北町第二住宅には、エレベーターやスロープはないが
、昨今の財政状況から市営住宅の維持管理費の縮減が求められており、現状
では対処療法型の修繕に頼らざるを得ない状況となっている。
今後、老朽化した住宅の効率的かつ円滑な運営と更新コストの縮減を目指
すため、予防保全的な維持管理を推進することにより住宅の長寿命化を図り、
ライフサイクルコストの縮減に繋げていくことが重要な課題となっている。
2
(2)計画の目的
安全で快適な住まいを長きにわたり確保するため、適正な維持管理により
既存の公営住宅等を有効に活用できる中長期的な維持管理計画を策定し、標
準修繕周期に配慮した定期点検及び予防保全的な改善や修繕工事を実施する
ことで、既存住宅の長寿命化を図る。
また、長寿命化により更新コストを縮減することで、財政負担を平準化し、
ライフサイクルコストの縮減を図ることを目的とする。
(3)計画の期間
10年間 【平成 25 年度から平成 34 年度まで】
本計画は、予防保全的な維持管理を計画的に実施し公営住宅等を長期にわ
たって有効に活用することを目的に策定することから、計画は一定の期間を
確保する必要があり、計画期間については修繕周期を考慮し 10 年とする。
なお、計画内容は、社会情勢の変化や定期点検結果等に応じ適宜見直すこ
ととする。
(4)計画の位置づけ
この計画は、武蔵野市第三次住宅マスタープランを上位計画とし、武蔵野
市公営住宅等長寿命化計画に位置付けます。
武蔵野市第五期長期計画(平成 24~33 年度)2012~2021
武蔵野市第三次住宅マスタープラン(平成 23~32 年度)
武蔵野市公営住宅等長寿命化計画(平成 25~34 年度)
〇改善事業
公営住宅等ストック総合改善事業(国庫補助事業)
改良住宅等改善事業(国庫補助事業)
〇維持保全
3
第2章
公営住宅等ストックの現状
(1)公営住宅等の現況
武蔵野市で管理を行っている公営住宅等
住 宅 種 別
戸 数
①市営住宅(公営住宅)
62 戸
②市営住宅(改良住宅)
48 戸
137 戸
③借上げ福祉型住宅(公営住宅)
44 戸
④借上げ福祉型住宅(非公営住宅)
291 戸
合計
平成 25 年 3 月
(2)公営住宅等の管理状況
① 市営住宅(公営住宅) ② 市営住宅(改良住宅)
住宅に困窮する低額所得者等に低額な使用料で賃貸することにより、市民
生活の安定と社会福祉の増進を図ることを目的に、4 住宅 110 戸の住宅を供
給している。
このうち、公営住宅法による住宅が3住宅3棟、住宅地区改良法による住
宅が 1 住宅2棟で、構造はすべて非木造で3階建である。
■市営住宅の概要
名
1
2
3
称
所在地
北町第一住宅
吉祥寺北町
(公営住宅)
5-4-8
桜堤住宅
桜堤
(公営住宅)
2-31-8
関前住宅
関前
(公営住宅)
3-16-5
小計(公営住宅)
4
北町第二住宅
吉祥寺北町
(改良住宅)
5-6-14
小計(改良住宅)
合
計
(市営住宅)
棟数
戸数
1
14
建設
年度
H19
構造等
鉄筋コンクリート造 3 階建、
片廊下型、2DK(51,29 ㎡)
鉄筋コンクリート造3階建、
1
24
H21
片廊下型、2DK(52,2 ㎡×21
戸)(52,7 ㎡×3 戸)
1
24
3
62
2
48
2
48
5
110
S46
壁式鉄筋コンクリート 3 階建
階段室型、2DK(50,9 ㎡)
S51
壁式PC造3階建、片廊下型
S52
2DK(51.62 ㎡)
平成 25 年 3 月
*公営住宅:公営住宅法による住宅
*改良住宅:住宅地区改良法による住宅
*全ての住宅が2DKで全戸に浴室・浴槽を設置。北町第一住宅と桜堤住宅に
はエレベーターが設置されている。
4
③ 福祉型住宅(借上げ公営) ④ 単独福祉型住宅(借上げ非公営)
住宅に困窮する低額所得の高齢者世帯、障害者世帯、ひとり親世帯が、住
み慣れた地域の中で安心して生活し続けられるための住宅を、低額な使用料
で提供することにより、高齢者等の生活の安定と福祉の増進を図ることを目
的に、平成2年度より9住宅を設置している。
1
2
3
住宅名
所在地
構造等
戸数・間取り等
武蔵野三宝苑
吉祥寺本町
RC造
高齢者用 27 戸(1K25.6~26.7 ㎡)
(単独福祉型)
4-14-14
3階建
集会室(13.3 ㎡)、エレベーター設置
アーバン武蔵野
境南町
RC造
高齢者用 10 戸(1DK30.0~35.4 ㎡)
(単独福祉型)
2-8-6
3階建
集会室(38.7 ㎡)、エレベーター設置
グランドハイツ
吉祥寺北町
RC造
高齢者用 18 戸(1K31.2 ㎡)2棟
(福祉型)
5-4-6
2階建
集会室(21.6 ㎡)
4
開設年月
H2.10
H3.11
H4.8
高齢者用 31 戸(1K30.7 ㎡)、障害者用
武蔵野清岳苑
(福祉型 31 戸
単独福祉型 7 戸)
西久保
RC造
2-30-4
5 階建
3 戸(ワンルーム 29.5 ㎡)、ひとり親用 4 戸
(1DK37.2 ㎡)、
集会室・食堂(92,34 ㎡)、
H5.3
厨房・更衣室(39.925 ㎡)エレベーター
設置
5
6
7
シティハウス吉祥寺
吉祥寺本町
RC造
高齢者用 13 戸(1K30.1 ㎡)
(福祉型)
1-37-2
4階建
集会室(30.1 ㎡)、エレベーター設置
クレベール
関前
RC造
高齢者用 10 戸(1DK30.5・33.1 ㎡)
(福祉型)
2-7-1
2 階建
集会室(30.5 ㎡)
ルミエール
関前
RC造
高齢者用 16 戸(1DK32.8 ㎡)
(福祉型)
4-15-15
3 階建
集会室(32.8 ㎡)、エレベーター設置
8
H5.3
H5.10
H5.11
高齢者用 20 戸(1K30.2 ㎡)、障害者用
シュロス武蔵野
関前
RC造
5 戸(1K30.2 ㎡)、ひとり親用 3 戸
(福祉型)
4-17-3
6 階建
(2DK45.3 ㎡)、集会室(47.5 ㎡)エレベ
H7.2
ーター設置
9
エルベセッタ田家
境
RC造
高齢者用 21 戸(1DK33.0 ㎡)
(福祉型)
1-4-8
8 階建
集会室(53.3 ㎡)、エレベーター設置
H8.1
平成 25 年 3 月
※福祉型
:公営住宅法の適用を受ける福祉型住宅
※単独福祉型:公営住宅法の適用を受けない、単独による福祉型住宅
5
(3)入居者の状況
現在、市営住宅に入居している 108 世帯のうち、単身世帯が 24 世帯、2 人世
帯が 58 世帯、3 人以上世帯が 26 世帯となっている。また、高齢者のみの世帯
は 24 世帯である。
福祉型住宅に入居している 173 世帯のうち、単身世帯が 162 世帯、2 人世帯
が 9 世帯、3 人以上世帯が 2 世帯となっている。
平成 25 年 3 月末現在
世帯人員(世帯)
入
居
世
帯
1人
2人
3人
4人
全
高 齢
入
5人
者 の
居
高 齢
18 歳未
以上
み 世
者
者数
満人数
帯
数
数
市営住宅(公営)
62
14
31
12
5
0
15
132
58
16
市営住宅(改良)
46
10
27
8
1
0
9
90
34
8
福祉型住宅(公営・非公営) 173
162
9
2
0
0
166
186
170
5
186
67
22
6
0
190
408
262
29
合 計
281
入居者の居住年数
市営住宅の入居者 108 世帯のうち、居住期間は「1 年~9 年」が最も多く、
全体の 39%を占めている。次いで「10 年~19 年」が 20%、「20 年~29 年」
が 6%、
「30 年~39 年」が 19%、「40 年以上」が 15%となっている。
福祉型住宅は、居住期間「1 年~5 年」が最も多く全体の 47%を占めて
いる。「6 年~10 年」が 21%、
「11 年~15 年」が 9%、「16 年~20 年」が
22%、「21 年~」が 1%となっています。
平成 25 年 3 月末現在
市営住宅
市営住宅
福祉型住宅
合計
(公営住宅) (改良住宅)
世 帯
割合
世 帯
割合
(公営・非公営)
世 帯
世 帯
割合
割合
居住年数
居住年数
数
%
数
%
数
数
%
%
1~ 9 年
24
38
18
39
42
39
0~ 5 年
81
47
10~19 年
10
16
12
26
22
20
6~10 年
37
21
20~29 年
2
3
5
11
7
6
11~15 年
15
9
30~39 年
9
15
11
24
20
19
16~20 年
38
22
17
28
17
16
21~
2
1
40~
6
(4)応募の状況
市営住宅は、空き室が出た際に、募集・抽選をして入居者を決定している。
最近の応募状況は市営住宅(公営住宅)は、平成 23 年 7 月募集時に 38 倍、
障害者用は、平成 22 年 9 月募集時に 13 倍、市営住宅(改良住宅)は平成 23
年 7 月募集時に 90 倍となっている。
福祉型住宅の高齢者世帯用は、年に 2 回、5 月・11 月に募集、障害者用・
ひとり親世帯用は空き室が出た際に募集している。
福祉型住宅は、ポイント方式により入居者を決定しており、平成 24 年度の
応募状況は高齢者用 4 倍、障害者用 12 倍となっている。
単位
市営住宅
市営住宅(公営住宅)
募集
応募
倍率
H21.7
10
162
16
H21.12
1
109
109
募集:戸数、応募:件数
市営住宅(関前障害者用)
市営住宅(改良住宅)
募集
募集
応募
倍率
H22.4
H22.9
1
13
1
38
38
合 計
12
309
26
1
13
高齢者用
福祉型住宅
募集
応募
2
34
2
120
60
1
99
99
1
90
90
13
6
343
57
障害者用
倍率
募集
応募
倍率
17
13
H22.12
H23.7
応募
ひとり親用
倍率
募集
応募
倍率
平成 16 年
9
72
8
平成 17 年
10
44
4
1
9
9
平成 18 年
15
70
5
1
4
4
平成 19 年
16
74
5
平成 20 年
16
70
4
平成 21 年
9
81
9
1
2
1
平成 22 年
6
76
13
1
10
10
1
21
21
平成 23 年
15
87
6
1
11
11
平成 24 年
21
91
4
1
12
12
117
665
6
4
43
11
4
36
9
合 計
1
10
10
(5)空き室の状況
市営住宅・改良住宅、福祉型住宅ともに、退去後の一時的な期間を除き、
満室状態が続いています。
7
第3章
長寿命化に関する基本方針
(1)市営住宅の役割
市営住宅は、戦後の住宅不足の解消に寄与するとともに、住宅セーフテ
ィネットを形成するなど、低所得者への住宅施策の中で主要な役割を果た
してきた。
その後、高度経済成長期を経て、住宅供給数が大幅に増加するなど、公
営住宅法制定時と比べて時代背景や社会情勢は大きく変化し、住宅困窮者
も多様化してきている。
現在も空き室には数十倍の応募倍率があり、依然として高い需要が見込
まれている。 また、入居者の居住年数は 4 割の世帯が居住年数 20 年以上
であるとともに、65 歳以上の方が 4 割を超えており。高齢世帯の受け皿と
しての性格を強めていく傾向にある。
(2)ストックの状態の把握及び日常的な維持管理の方針
①管理する公営住宅等の整備、管理データを住棟単位で整理する。
②市営住宅の定期点検を実施するとともに、予防保全的な維持管理を実施
する。
③市営住宅の住棟単位の修繕履歴データを整備し、随時、履歴が確認でき
るようにする。
④借上げ住宅で建物や設備について、共用部分の不具合が発見された場合
は建物所有者に報告する。
⑤借上げ住宅所有者が計画的に維持管理を行っているかを定期的に確認し、
施設課と連携の上、助言等を行う。
(3)長寿命化及びライフサイクルコストの縮減に関する方針
①関前住宅、北町第二住宅は、ともに耐用年数の 2 分の 1 を経過しているこ
とから、建替は可能とされているが、従前の市営住宅ストック総合活用計
画において、改善候補住宅として様々な改修工事を実施してきたこと、及
び「武蔵野市公共施設再編に関する基本的な考え方」(H25.3)において、
既存施設は原則 60 年使用していく方針が示されていることから、予防保
全的な維持管理及び耐久性の向上を図る改善を実施することにより、市営
住宅等の長寿命化を図る。
②市の財政状況を考慮し、需要と将来に渡る費用対効果を見定めながら、
適切な運営を実施する。
③仕様のアップグレード等による耐久性の向上、予防保全的な維持管理の
実践によりライフサイクルコストの縮減を図る。
8
(4)ストック活用手法の選定対象
ストック活用手法の選定対象は、市が所有するとともに、直接建設してい
る市営住宅及び改良住宅の 110 戸を対象とする。
種別
名称
建築年
戸
数
備考
公営
市営住宅
① 北町第一住宅
平成 19 年
14
市所有
公営
市営住宅
② 桜堤住宅
平成 21 年
24
市所有
公営
市営住宅
③ 関前住宅
昭和 46 年
24
市所有
改良
市営住宅
④ 北町第二住宅1号館
昭和 51 年
24
市所有
改良
市営住宅
⑤ 北町第二住宅 2 号館
昭和 52 年
24
市所有
非公営
福祉住宅
武蔵野三宝苑
平成2年
27
借上
非公営
福祉住宅
アーバン武蔵野
平成3年
10
借上
公営
福祉住宅
グランドハイツ
平成4年
18
借上
公営
福祉住宅
武蔵野清岳苑
平成5年
38
借上
公営
福祉住宅
シティハウス吉祥寺
平成5年
13
借上
公営
福祉住宅
クレベール
平成5年
10
借上
公営
福祉住宅
ルミエール
平成5年
16
借上
公営
福祉住宅
シュロス武蔵野
平成7年
28
借上
公営
福祉住宅
エルベセッタ田家
平成8年
21
借上
9
選定
対象
第4章 ストック活用手法の選定とストック活用計画
(1)ストック活用手法の選定方法
ストック活用手法の選定は、1次判定、2次判定及び3次判定で行います。1次判定は
「築年数」
、
「修理履歴」
、
「需要」及び「土地利用の状況」の4つの項目により判定します。
1次判定で「継続判定」となった場合は、2次判定を行います。さらに1次及び2次判定
の結果を踏まえ、3次判定で手法の効果や妥当性を考慮のうえ、活用手法を選定します。
1 次判定(団地及び住棟単位の社会特性による判定)
築年数に
修繕履歴
需要の判
土地有効
よる判定
の状況
定
利用状況
建替候補
による判
維持保全候補
定
用途廃止
継続判定
2次判定(住棟単位の物理的特性による判定)
躯体の安全
問題あり
性の判定
改修の可能
可能性なし
性判定
可能性あり
問題なし
避難の安全
問題あり
性の判定
改修の可能
可能性なし
性判定
建替候補
可能性あり
問題なし
居住性の判定
問題あり
改修の可能
可能性なし
性判定
問題なし
可能性あり
維持保全候補
改善候補
3 次判定(団地単位の総合的検討)
3 次判定 1 次及び 2 次判定の結果を踏まえ、手法の効果や妥当性を考
慮のうえ、活用手法を選定します。
10
(2)個別の住宅のストック活用手法の選定
①北町第一住宅
・1 次判定
築年数による判定
判定基準:耐用年限(耐火構造 70 年)の 1/2
平成 19 年度建築後5年経過
修繕履歴の状況
判定基準:大規模修繕工事(外壁、防水)の管理期間(15 年)
大規模修繕履歴はなし。
需要の判定
判定基準:応募倍率
平成 20 年度の応募倍率は 20 倍、以後募集無し。
土地の有効利用状況による判定
判定基準:高度利用の可能性
用途地域が第 1 種低層住居専用地域で、建築できる階数は 3 階が限度。
◎1 次判定結果
築年数は 5 年で、耐用年限の 1/2 に達していないため維持保全候補とする。
②桜堤住宅
・1 次判定
築年数による判定
判定基準:耐用年限(耐火構造 70 年)の 1/2
平成 21 年度建築後3年経過
修繕履歴の状況
判定基準:大規模修繕工事(外壁、防水)の管理期間(15 年)
大規模修繕履歴はなし。
需要の判定
判定基準:応募倍率
平成 21 年度 7 月の応募倍率は 16 倍、12 月は 109 倍、以後募集無し。
土地の有効利用状況による判定
判定基準:高度利用の可能性
用途地域が第 1 種中高層住居専用地域で、建築できる階数は 3 階が限度。
◎1 次判定結果
建築後の経過年数は 3 年で、耐用年限の 1/2 に達していないため維持保全
候補とする。
11
③関前住宅
・1 次判定
築年数による判定
判定基準:耐用年限(耐火構造 70 年)の 1/2
昭和 46 年度建築後 42 年経過し、耐用年限の 1/2(35 年)を経過。
修繕履歴の状況
判定基準:大規模修繕工事(外壁、防水)の管理期間(15 年)
大規模修繕履歴
平成 17 年度:給水管改修・電気設備等改修工事
平成 18 年度:給水設備、外構等改修工事
平成 19 年度:屋上防水・外壁等改修工事
需要の判定
判定基準:応募倍率
平成 21 年度の応募倍率は 17 倍、同 21 年度障害者向き 13 倍、同 23 年
度 38 倍、以後募集無し。
土地の有効利用状況による判定
判定基準:高度利用の可能性
用途地域が第 1 種低層住居専用地域で、都市計画で定める容積率が
80%のため、高度利用の可能性は低い。
◎1次判定結果
建築後の経過年数は 42 年で、耐用年限の 1/2 以上。躯体、造作や設備も
老朽化しているため、
「継続判定」とし躯体の安全性などの 2 次判定を行い
ます。
12
・関前住宅 2 次判定
躯体の安全性の判定
×
・新耐震基準に基づく耐震性を有する
問題あり
改修の可
能性判定
壁式構造のため、壁や柱の水平断面積
問題なし
により診断(1 次耐震診断)各階とも Is
≧0.8 Is:構造耐力指標
避難の安全性の判定
×
・2 方向に避難が可能である
問題あり
改修の可
能性判定
問題なし
可能性なし
居住性の判定
問題あり
改修の可
・整備水準の目標に準じている
共用、専用部分と
能性判定
問題なし ×
×
もバリアフリー化
可能性あり
されていない
改善事業で可能である
維持保全候補
改善候補
◎2次判定結果
「躯体の安全性(耐震性)」や「避難の安全性」は問題ありませんが、高齢者
等の居住に関する整備水準が低く、このため「改善候補」とします。
◎3次判定結果
関前住宅は、耐震性などの安全性に問題はありませんが、建築後 42 年を経過
しており、躯体・造作や設備が老朽化しています。また、高齢者の居住に対する
対応が不十分であり、住戸内のバリアフリー化などにより改善を図る必要があり
ます。このため「改善」を選定します。
13
④北町第二住宅(1号館)
・1 次判定
築年数による判定
判定基準:耐用年限(耐火構造 70 年)の 1/2
建築後 36 年で、耐用年限の 1/2(35 年)を経過。
修繕履歴の状況
判定基準:大規模修繕工事(外壁、防水)の管理期間(15 年)
大規模修繕履歴
平成 17 年度:廊下及び階段手摺り等改修工事
平成 18 年度:浴室等改修工事
平成 19 年度:給水直結化工事
平成 24 年度:ガス配管改修工事
需要の判定
判定基準:応募倍率
平成 21 年度の応募倍率は 17 倍、同 22 年度 4 月 60 倍、12 月 99 倍、
同 23 年度 90 倍、以後募集無し。
土地の有効利用状況による判定
判定基準:高度利用の可能性
用途地域が第 1 種低層住居専用地域で、都市計画で定める容積率が
80%のため、高度利用の可能性は低い。
◎北町第二住宅(1号館)1次判定結果
建築後の経過年数は 36 年で、耐用年限の 1/2 以上。大規模修繕工事の管
理期間はすでに経過しており、躯体、造作や設備も老朽化しているため、
「継
続判定」とし躯体の安全性などの 2 次判定を行います。
14
⑤北町第二住宅(2号館)
・1 次判定
築年数による判定
判定基準:耐用年限(耐火構造 70 年)の 1/2
建築後 37 年で、耐用年限の 1/2(35 年)を経過。
修繕履歴の状況
判定基準:大規模修繕工事(外壁、防水)の管理期間(15 年)
大規模修繕履歴
平成 17 年度:廊下及び階段手摺り等改修工事
平成 18 年度:浴室等改修工事
平成 19 年度:屋上防水改修及び給水直結化工事
平成 24 年度:ガス配管改修工事
需要の判定
判定基準:応募倍率
平成 21 年度の応募倍率は 17 倍、同 22 年度 4 月 60 倍、同 12 月 99 倍、
同 23 年度 90 倍、以後募集無し。
土地の有効利用状況による判定
判定基準:高度利用の可能性
用途地域が第 1 種低層住居専用地域で、都市計画で定める容積率が
80%のため、高度利用の可能性は低い。
◎北町第二住宅(2号館)1次判定結果
建築後の経過年数は 37 年で、耐用年限の 1/2 以上。大規模修繕工事の管
理期間はすでに経過しており、躯体、造作や設備も老朽化しているため、
「継
続判定」とし躯体の安全性などの 2 次判定を行います。
15
・北町第二住宅(1号館、2号館)2 次判定
躯体の安全性の判定
×
・新耐震基準に基づく耐震性を有する
問題あり
改修の可
能性判定
壁式構造のため、壁や柱の水平断面積
問題なし
により診断(1 次耐震診断)各階とも Is
≧0.8 Is:構造耐力指標
避難の安全性の判定
×
・2 方向に避難が可能である
問題あり
改修の可
能性判定
問題なし
可能性なし
居住性の判定
問題あり
改修の可
・整備水準の目標に準じている
共用、専用部分と
能性判定
問題なし
×
×
もバリアフリー化
可能性あり
されていない
改善事業で可能である
維持保全候補
改善候補
◎北町第二住宅(1号館、2号館)2 次判定結果
「躯体の安全性(耐震性)」や「避難の安全性」は問題ありませんが、高齢
者等の居住に関する整備水準が低く、このため「改善候補」とします。
◎北町第二住宅(1号館、2号館)3次判定結果
北町第二住宅は、耐震性などの安全性に問題はありませんが、建築後 36 年~
37 年が経過しており、外壁改修の管理期間はすでに経過しているため、躯体・
造作や設備が老朽化しています。また、高齢者の居住に対する対応が不十分であ
り、住戸内のバリアフリー化などにより改善を図る必要があります。
このため「改善」を選定します。
16
第5章
長寿命化を図るべき公営住宅等
(1)ストック活用手法別戸数
公営住宅のストック活用手法の選定結果は下記のとおりである。
なお、修繕対応対象(北町第一住宅、桜堤住宅)については、標準修繕周期を
踏まえ、定期的な点検を行い、適切な時期に予防保全的な修繕を行うことで、居住
性・安全性等の維持・向上を図り、長期的に活用していく。
また、改善予定対象(関前住宅、北町第二住宅)については、事業化への検討を行
い、維持管理計画に位置付けることとする。
① 市営住宅(公営住宅)
対
象
合
市営住宅管理戸数
計
62 戸
・維持管理予定戸数
62 戸
うち修繕対応戸数
38 戸
①北町第一住宅 ②桜堤住宅
うち改善予定戸数 ③関前住宅
24 戸
・建替予定戸数
0戸
・用途廃止予定戸数
0戸
② 市営住宅(改良住宅)
対
象
合
改良住宅管理戸数
計
48 戸
・維持管理予定戸数
48 戸
うち修繕対応戸数
0戸
うち改善予定戸数 ④北町第二住宅 1 号館
24 戸
⑤北町第二住宅 2 号館
24 戸
・建替予定戸数
0戸
・用途廃止予定戸数
0戸
17
(2)事業化の検討
①改善事業
「改善」を選定した関前住宅と北町第二住宅の事業化を検討します。
・関前住宅
公営住宅の改善事業は、公営住宅等長寿命化計画に位置付けることによ
り、公営住宅ストック総合改善事業の適用が可能になります。同事業により
改善事業を行う場合、住戸内や共用部分、屋外の改善工事に対する補助(国
費)が受けられます。
改善には、躯体を残して内装等を全面的に改善する全面的改善と住戸や共
用部分を個別に改善する個別改善があり、全面的改善は居住者の仮移転等が
伴います。
本住宅は、公営住宅ストック総合改善事業により、住戸内の手摺りの設
置やガス管改修、屋上防水改修、外壁改修などの個別改善を行うこととし、
計画期間内(平成 25 年~34 年)の実施を目指します。
・北町第二住宅(1号館、2号館)
改良住宅の改善事業は、公営住宅等長寿命化計画に位置付けることによ
り、改良住宅等改善事業の適用が可能になります。同事業により改善事業を
行う場合、住戸内や共用部分、屋外の改善工事に対する補助(国費)が受けら
れます。
改善事業には、公営住宅ストック総合改善事業と同様に、全面的改善及び
個別改善があります。
本住宅は、改良住宅等改善事業により、住戸内の手摺りの設置や外壁改
修、建具改修などの個別改善を行うこととし、計画期間内(平成 25 年~34
年)の実施を目指します。
18
第6章
長寿命化のための維持管理計画
(1)計画期間内に実施する修繕・改善事業の内容
対象住宅 (1)関前住宅(公営住宅)(2)北町第二住宅(改良住宅)
*修繕対応
標準修繕周期を踏まえて定期的な点検を行い、適切な時期に予防保全的な修繕を
行うことで、居住性・安全性等の維持・向上を図り、長期的に活用していく。
*居住性の向上(居住性向上型)
(1)関前住宅
・浴室給湯設備の設置。
「現在の入居者退去時に対応」(随時)
・台所給湯設備の設置。
「現在の入居者退去時に対応」(随時)
(2)北町第二住宅
・浴室給湯設備の設置。
「現在の入居者退去時に対応」(随時)
・台所給湯設備の設置。
「現在の入居者退去時に対応」(随時)
*バリアフリーへの対応(福祉対応型)
(1)関前住宅 2,3 階
・浴室、便所等への手摺りの設置(H27 年)
(2)北町第二住宅
・浴室、便所等への手摺りの設置(H27 年)
*長寿命化への対応(長寿命化型)
(1)関前住宅
・外部建具改修(玄関扉)2,3 階(H26 年)
・ガス配管改修(H28 年)
・屋上防水改修(H29 年)
・給水ポンプ改修(H33 年)
・外壁改修(H34 年)
・バルコニー手摺り塗装(H34 年)
(2)北町第二住宅 1号館及び2号館
・外壁改修(H28 年)
・外部建具改修(アルミ窓)(H29 年)
・外部建具改修(鉄扉)(H33 年)
・屋根塗装(H34 年)
・給水ポンプ改修(H34 年)
(2)北町第二住宅1号館
・ガス配管改修(H34 年)
19
維持・改善に係る事業予定一覧表
年度
関前住宅
北町第二住宅
北町第二住宅
1 号館
2 号館
25
26
外部建具改修
(玄関扉)
外壁改修・屋上防水
27
改修
28
ガス配管改修
29
屋上防水改修
外壁改修
浴室・室内手摺り
浴室・室内手摺り
取付
取付
外部建具改修
外部建具改修
(アルミ窓)
(アルミ窓)
外部建具改修
外部建具改修
(鉄扉)
(鉄扉)
30
31
32
33
給水ポンプ改修
給水ポンプ改修
34
外壁改修
階段部屋根塗装改修
給水ポンプ改修
ガス配管改修
(2)長寿命化のための維持管理による効果
従来から実施している定期的な点検により市営住宅ストックの状況を把
握した上で、適切な時期に予防保全的な修繕及び耐久性の向上等を図る改
善を実施することで、市営住宅の長寿命化を図ることができコスト縮減に
つながります。
また、定期点検により現状を把握しながら適切な修繕及び改善を実施す
ることで、公営住宅等の安全性が確保されます。
なお、福祉型住宅(借上げ公営・借上げ非公営)については、状況を把握し
たうえで、建物所有者に適切な時期に予防保全的な修繕を実施してもらうこ
とで、福祉型住宅の長寿命化につながるとともに、安全性が確保されます。
20
(3)ストック活用計画
①住宅別の活用手法と事業化(まとめ)
住宅名称
北町第一住宅
桜堤住宅
関前住宅
北町第二住宅
根拠法
公営住宅法
公営住宅法
公営住宅法
住宅地区改良法
建築年度
平成 19 年度
平成 22 年度
昭和 46 年
昭和 51~52 年
築年数
築6年
築5年
築 42 年
築 36~37 年
現
構造
RC造3階建
RC造3階建
RC造 3 階建
PC造3階建
況
戸数
14戸
24戸
24戸
48 戸(24 戸×2 棟)
住戸方式
2DK
2DK
2DK
2DK
専有面積
51.29 ㎡
52.2 ㎡×21 戸
50.9 ㎡
51.62 ㎡
52.7 ㎡×3 戸
用途地域
第 1 種低層住居専用
第 1 種中高層住居専
第 1 種低層住居専用
第 1 種低層住居専用
地域
用地域
地域
地域
建蔽率/容積率
(40/80)
(40/130)
(40/80)
(40/80)
敷地面積
948,75 ㎡
1,568,03 ㎡
1,400,32 ㎡
3,253,88 ㎡
延べ面積
1041,23 ㎡
1,776,71 ㎡
1,293,70 ㎡
2,477,52 ㎡
耐震診断の結果
平成 19 年建築のため
平成 22 年建築のた
Is 値:0.8 以上*壁式構
Is 値:0.8 以上*壁式構造
:Is 値(q 値)
診断不要
め診断不要
造のため、壁や柱の水平
のため、壁や柱の水平断面
断面積により診断
積により診断
*耐震補強は不要
*耐震補強は不要
①建築後 42 年経過してお
①建築後 36~37 年経過し
り、公営住宅の用途廃止
ており、公営住宅の用途廃
基準「耐用年限(耐火構
止基準「耐用年限(耐火構
造:70 年)の 1/2」を満
造:70 年)の 1/2」を満た
たしている。
している
②平成 16 年~19 年にかけ
②平成 19 年に給水直結工
て大規模修繕を実施。
事を実施、住戸内のバリア
③耐震性や2方向避難な
フリーや外壁改修の整備
どの安全性は問題なし
が必要。
活用手法の検討
維持保全のみ実施
維持保全のみ実施
③耐震性や2方向避難な
どの安全性は問題なし
活用手法の選定
事業手法
補助対象
補助率
事業スケジュール
維持保全
維持保全
改善
改善
市単独
市単独
公営住宅等ストック総合
改良住宅等改善事業によ
改善事業による改善
る改善
住戸改善、共用部分改善
住戸改善、共用部分改善屋
屋外・外部改善
外・外部改善
なし
なし
なし
なし
国 1/2(改善のみ)
国 1/2(改善のみ)
平成 25~34 年
平成 25~34 年
平成 25~34 年
平成 25~34 年
21
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