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平成22年度版 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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平成22年度版 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構
P07011
平成22年度実施方針
電子・情報技術開発部
1.件 名
プログラム名 : ITイノベーションプログラム
エネルギーイノベーションプログラム
(大項目) 次世代大型低消費電力液晶ディスプレイ基盤技術開発
2.根拠法
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法第15条第1項第3号
3.背景及び目的・目標
次世代高速・大容量データ通信技術の進展や放送・通信の融合による有線・無線インフ
ラ整備に伴い、高画質・高解像度液晶ディスプレイは巨大なIT産業の中でも今後益々重
要になってくる。
全世界のテレビ市場規模は2008年では約2億台であり、CRTから大型液晶ディス
プレイに置き換わる度合いがますます大きくなっている。液晶ディスプレイは今後、テレ
ビ産業を支える重要な柱となり、日々、性能・精細度の向上や、薄型化、画面サイズの大
型化が進んできている。
一方、これに伴いテレビ1台当たりの消費電力も増加傾向にあり、このままでは、電力
エネルギーの大幅な増加が懸念される。この抜本的な課題対策に向けて、大画面かつ高精
細・高画質でありながら電力消費の少ない次世代液晶ディスプレイの要素技術確立が必須
となってくる。加えて、市場拡大に伴うディスプレイの製造エネルギーの低減も重要課題
であり、装置、プロセスを含めてエネルギー低減が必要である。
このような動向を踏まえて本プロジェクトは、ITイノベーションプログラムおよびエ
ネルギーイノベーションプログラムの一環として実施することとし、次世代大型液晶ディ
スプレイに必要な低消費電力技術を平成23年度までに確立することを目的とする。
また、全世界に広がる高度映像市場に国内産業界が従来の先陣を堅持し、経済発展に寄
与するためには、国際競争力のある技術開発を国家規模で進めることが重要である。
本プロジェクトは、このような社会変化を背景として、これに関わる革新的な基盤技術
の開発を行うことにより、ディスプレイ分野での産業競争力強化と新規産業創造に資する
のみならず、情報通信分野で利用されるディスプレイデバイス、機器の50%程度消費電
力低減に資する。
[助成事業(助成率:1/2以内)
]
中間目標(平成21年度)
液晶モジュールの特性向上、生産プロセスの効率向上に関わる効果を確認する。
最終目標(平成23年度)
今後必要不可欠な大型液晶ディスプレイの低消費電力化・高画質化の観点より、現状の
液晶ディスプレイ技術を根本的に見直し、種々の主要な革新的基盤技術の開発を行う。
具体的には、新規生産装置・プロセス技術の開発、画像表示技術の開発、高効率部材の
開発をトータル的に行うことにより、高精細・高画質でありながら、従来比1/2以下の
低消費電力型液晶ディスプレイの実現を狙い、電力エネルギーの維持・削減を図る。
4.実施内容及び進捗(達成)状況
(1)平成19~21年度(助成)事業内容
主要な成果を以下に示す。
研究開発項目①「装置技術およびプロセス技術の開発」
平成19年度においては、高性能TFT実現に向けて、新規成膜装置による成膜条件
検討および膜の基礎物理量を測定した。また、新規ウェット装置技術開発では、新規洗
浄方式の洗浄メカニズム解明のための基礎データを抽出した。新規露光装置技術開発に
ついては、TFT基板のアライメント方法を考案し、実験検証した。
平成20年度においては、新規成膜装置により成膜した膜を用いて作製したTFTの
特性評価を行った。また、新規洗浄方式の性能評価を行った後、試作機による洗浄力評
価および乾燥性能評価を実施した。更に、新規方式用の画像処理システムを検証すると
ともに、光学デバイスの性能の見極めを行った。
平成21年度においては、新規成膜装置技術開発では、基本技術を確認しTFT試作
において中間目標に設定したTFTの高性能化を達成した。また、大型化に向けた取り
組みを開始した。新規ウェット洗浄装置技術開発では、基本原理の確認に加え、高い洗
浄能力を保有する手法を見出せた。また、実プロセスラインへの適用のための装置構成
および検証を進め、大型基板用装置の設計に着手した。新規露光装置技術開発では、基
礎的な露光技術の検証を実施し、高スループットを保有する装置構想を得ることができ
た。更に、新規半導体層を適用したTFT作製プロセスについて、プロセス条件の最適
化を進め、新規なTFT作製プロセスを構築した。
(実施体制:シャープ株式会社、ソニー株式会社、東京エレクトロン株式会社、芝浦メ
カトロニクス株式会社、株式会社ブイ・テクノロジー - 共同研究 東北大学、静岡大学)
研究開発項目②「画像表示技術の開発」
平成19年度においては、新規表示技術について、新規表示モードの検討を開始した。
また、画像評価技術として、人間工学的好適視聴条件の調査によるデータ解析および評
価システムの検討を行った。
平成20年度においては、人間工学的画像評価と液晶テレビの光学指標値の関係を解
析した。更に、液晶テレビバックライトの光学指標値の画面分布を測定するシステムを
構築した。
平成21年度においては、人間工学的画像評価を行う上で必要となる、高画質を評価
するための低輝度光源およびその評価システムを構築した。新規表示モードについては、
高速・広視野角・高コントラストを実現する材料開発及び改良を行い、簡易素子で現在
の液晶テレビに使われている表示モードに比べて高速であることを確認した。
(実施体制:シャープ株式会社、株式会社日立ディスプレイズ、ソニー株式会社 - 共同
研究 東京工業大学、成蹊大学、東京大学)
研究開発項目③「高効率部材の開発」
平成19年度においては、LEDバックライトの要素技術検討として、輝度むら評価
方法およびバックライトの高精度計測技術の検討を行い、評価指針を得た。また、光利
用効率を高めるLEDバックライト構造検討のための光学および熱解析シミュレーショ
ンを開始した。
平成20年度においては、LEDバックライト評価方法について、輝度むら評価の精
度を向上させるとともに、色むら評価へと拡大した。また、LEDバックライトの計測
手法を決定し、試作機による実験検証を開始した。更に、LEDバックライト光学系の
試作・評価を実施した。
平成21年度においては、これまでに考案した高効率画像表示技術を用いて、カラーフ
ィルタレス化に取り組み、高効率化の可能性を原理実験で確認した。また、輝度ムラの主
観評価実験結果から輝度ムラ評価指標の定式化を行った。また、色ムラ評価への拡張準備
として輝度を自在に制御し、色ムラを表示できるLEDバックライトシステムを完成させ
た。上記開発と並行して、分光計測方法の評価機を開発し、その性能を評価した。
(実施体制:シャープ株式会社、株式会社日立ディスプレイズ、ソニー株式会社 - 共同
研究 東京大学、東北大学、東京工芸大学)
(2)実績推移
平成19年度
需給勘定
683百万円
平成20年度
需給勘定
720百万円
平成21年度
需給勘定
694百万円
5.事業内容
(1)平成22年度(助成)事業内容
研究開発項目①「装置技術およびプロセス技術の開発」
新規成膜装置技術では、成膜メカニズムの解析結果と膜質改善指針に基づき更なる高
品質化の取り組みを行う。また、装置大型化に関する要素技術の検討を行う。新規ウェ
ット洗浄装置技術開発では、洗浄力の評価結果に基づき洗浄システム構成を決定する。
また、新規露光装置技術開発では、新規位置合わせ方式と本露光方式の要素技術を融合
した露光システム技術を構成して露光装置としての基本的な動作検証を実施する。プロ
セス技術開発では、膜質分布等の改善を含めた更なる最適条件を確立すると共に高性能
TFT構造決定と、その製造プロセス条件を確立する。
(実施体制:シャープ株式会社、ソニー株式会社、東京エレクトロン株式会社、芝浦メ
カトロニクス株式会社、株式会社ブイ・テクノロジー - 共同研究 東北大学、静岡大学)
研究開発項目②「画像表示技術の開発」
画像表示技術では、人間工学的画像評価と液晶テレビの光学指標値の関係の解析結果
ならびに試作・評価結果に基づき、ガイドライン作成提案に向けたユーザー調査の継続
ならびに画質要求特性を引き続き評価する。一方、高速・広視野角・高コントラストを
実現する新規モードのための材料開発は、3年間の取り組みを以て終了する。
(実施体制:シャープ株式会社、株式会社日立ディスプレイズ、ソニー株式会社 - 共同研
究 東京工業大学、成蹊大学、東京大学)
研究開発項目③「高効率部材の開発」
LEDバックライト評価方法について、輝度むら、色むらの測定結果と主観評価結果
を纏め上げ、むらの定量評価手法として確立する。また、高い光利用効率を有するパネ
ルモジュールを実現するための光の指向性制御を適用したバックライトシステムの実用
化課題抽出ならびにその解決方法の策定を行う。
(実施体制:シャープ株式会社、株式会社日立ディスプレイズ、ソニー株式会社 - 共同
研究 東京大学、東北大学、東京工芸大学)
(2)実施体制
別紙を参照のこと。
(3)平成22年度事業規模
①平成22年度予算における事業規模
需給勘定
586百万円(継続)
事業規模については、変動があり得る。
②助成率
1/2
以内
③助成期間
平成19年度~平成23年度
6.その他重要事項
(1)評価
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDOという)は、技
術的及び政策的観点から、研究開発の意義、目標達成度、成果の技術的意義並びに将来
の産業への波及効果等について、外部有識者による研究開発の中間評価を平成21年度
に実施し、結果を踏まえて取り組み内容の見直しを行った。また、事後評価を平成24
年度に実施する。
(2)運営・管理
研究開発全体の管理・執行に責任と決定権を有するNEDOは、経済産業省と密接な
関係を維持しつつ、プログラムの目的及び目標、並びに本研究開発の目的及び目標に照
らして適切な運営管理を実施する。また、必要に応じて、外部有識者の意見を運営管理
に反映させる。
(3)複数年度契約の実施
平成19年度~22年度の複数年度交付決定を行った。
(4)継続事業に係る取扱いについて
助成先は前年度と変更はない。
平成22年度助成先:シャープ株式会社
株式会社日立ディスプレイズ
ソニー株式会社
東京エレクトロン株式会社
芝浦メカトロニクス株式会社
株式会社ブイ・テクノロジー
7.スケジュール
平成22年
3月
4日
部長会
8.実施方針の改訂履歴
平成22年
3月
制定
(別紙)
「次世代大型低消費電力液晶ディスプレイ基盤技術開発」事業実施体制
NEDO
助成(助成率1/2)
シャープ株式会社
ソニー株式会社
株式会社
日立ディスプレイズ
(研究項目)
(研究項目)
(研究項目)
東京エレクトロン
芝浦メカトロニクス
株式会社
株式会社
株式会社
ブイ・テクノロジー
(研究項目)
(研究項目)
(研究項目)
①装置技術および
①装置技術および
①装置技術および
①装置技術および
①装置技術および
プロセス技術の開発
プロセス技術の開発
プロセス技術の開発
プロセス技術の開発
プロセス技術の開発
②画像表示技術の開発
②画像表示技術の開発
②画像表示技術の開発
③高効率部材の開発
③高効率部材の開発
③高効率部材の開発
<共同研究>
東北大学、成蹊大学、東京工業大学、東京大学、東京工芸大学、静岡大学
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